説明

投光器への反射板の取付け方法

【課題】新たな反射板を投光器のランプ笠の内部に容易に組み込むことができて、照度等の投光性能をコスト的に有利に高めることができる、投光器への反射板の取付け方法を提供する。
【解決手段】光源筒3とランプ笠4との接続を解除してランプ笠4の基端開口部4aを開いた後、縮小状態の反射板2をランプ笠4の基端開口部4aを通じて内部空間4bに挿入し、しかる後、該反射板4を元サイズ形状に戻してランプ笠4内の所定の位置に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投光器への反射板の取付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
先端部が前面ガラスで閉塞されると共に、内部の空間が基端がわから先端がわに向けて奥広がり状となっているランプ笠を備える、製品として完成された投光器は、従来より提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−208503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、照度等の投光性能をコスト的に有利に高めることを目的として、上記のような、製品として完成された投光器のランプ笠内部に、新たに反射板を組み込むための技術的手段の開発を、本発明者らは進めている。
【0005】
しかしながら、ランプ笠の先端開口部は、既に前面ガラスが取外し困難に取り付けられていて閉塞されていることから、ガラス板を取り外し、反射板を、ランプ笠の先端開口部を通じてランプ笠の内部に組み込むということは、非常に難しい。
【0006】
また、ランプ交換等のため、ランプ笠の基端部は開口していて、該基端開口部は、光源筒の先端部をランプ笠の基端部に接続することにより閉じられ、接続を解除することにより開かれるようになされているが、基端開口部の開口サイズは、反射板のサイズより小さく、そのため、反射板を、ランプ笠の基端開口部を通じてランプ笠の内部に組み込むということもできない。
【0007】
本発明は、上記のような問題点に鑑み、新たな反射板を投光器のランプ笠の内部に容易に組み込むことができて、照度等の投光性能をコスト的に有利に高めることができる、投光器への反射板の取付け方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題は、先端部が前面ガラスで閉塞されると共に、基端部に開口を有し、かつ、内部の空間が基端開口部のがわから先端がわに向けて奥広がり状となっているランプ笠が備えられ、該ランプ笠の前記基端開口部が、光源筒の先端部をランプ笠の基端部に接続することにより閉じられ、接続を解除することにより開かれるようになされている投光器を対象とした反射板の取付け方法であって、
前記反射板は、第1、第2の少なくとも2つの反射板本体を備え、
各反射板本体は、周方向において互いに同じ数の角を備えた多角形をしていると共に、基端がわから先端がわに向けて互いに異なる角度で直線状に開いていく、多角の角錐筒状をしていて、
前記反射板は、第1反射板本体の先端部を、第2反射板本体の基端部に対し、周方向における面と面の境界部である屈折稜線部を互いに一致させるように連結して構成されており、元サイズが前記ランプ笠の基端開口部の開口サイズよりも大きい一方で、各反射板本体の対応する屈折稜線部を軸として、各反射板本体の該屈折稜線部を挟む面と面を相対的に連動回動させることができるようになされていて、該連動回動をさせることによりサイズを縮小させることができるようになされていると共に、縮小することによりランプ笠の基端開口部を通じてランプ笠の内部に挿入することができるようになされており、
該反射板を用い、光源筒とランプ笠との接続を解除してランプ笠の基端開口部を開いた後、縮小状態の反射板をランプ笠の基端開口部を通じて内部空間に挿入し、しかる後、該反射板を元サイズ形状に戻してランプ笠内の所定の位置に配置することを特徴とする投光器への反射板の取付け方法によって解決される(第1発明)。
【0009】
この方法によれば、取り付けられる反射板が、第1、第2の少なくとも2つの反射板本体を備え、各反射板本体は、周方向において互いに同じ数の角を備えた多角形をしていると共に、基端がわから先端がわに向けて互いに異なる角度で直線状に開いていく、多角の角錐筒状をしていて、反射板は、第1反射板本体の先端部を、第2反射板本体の基端部に対し連結して構成されたものであることにより、照度等の投光性能を非常に高いものにすることができる。
【0010】
しかも、この反射板は、第1反射板本体の先端部を、第2反射板本体の基端部に対し、周方向における面と面の境界部である屈折稜線部を互いに一致させるように連結して構成され、元サイズがランプ笠の基端開口部の開口サイズよりも大きい一方で、各反射板本体の対応する屈折稜線部を軸として、各反射板本体の該屈折稜線部を挟む面と面を相対的に連動回動させることができるようになされていて、該連動回動をさせることによりサイズを縮小させることができるようになされていると共に、縮小することによりランプ笠の基端開口部を通じてランプ笠の内部に挿入することができるようになされており、該反射板を用い、光源筒とランプ笠との接続を解除してランプ笠の基端開口部を開いた後、縮小状態の反射板をランプ笠の基端開口部を通じて内部空間に挿入し、しかる後、該反射板を元サイズ形状に戻してランプ笠内の所定の位置に配置するようにしているので、そのような新たな反射板を、前面ガラスを取り外すことなく、投光器のランプ笠の内部に容易に組み込むことができて、照度等の投光性能をコスト的に有利に高めることができる。
【0011】
加えて、反射板のサイズの縮小、復元のための上記の回動は、屈折稜線部において行わせることとしているので、反射板においてそのような回動を行わせたとしても、反射板の投光性能が損なわれることもない。
【0012】
第1発明において、前記反射板を構成している各反射板本体が金属板からなり、すべての屈折稜線部のうちの一部の屈折稜線部が、隣り合う面と面を金属組織的に連続させた部分を残して塑性的に屈折伸張させることのできる強度劣弱部で構成され、該強度劣弱部において塑性的に屈折伸張させることでサイズを変更することができるようになされていると共に、ランプ笠内で戻された反射板の元サイズ形状が屈折稜線部における前記強度劣弱部の塑性変形後の形状保持作用によって保持されるようになされているとよい(第2発明)。
【0013】
この場合は、ランプ笠内で戻された反射板の元サイズ形状を、屈折稜線部における強度劣弱部の塑性変形後の形状保持作用によって保持するようにしているので、形状保持のための部材を別途用意して組み込む必要もないし、ランプ笠内で反射板を元サイズ形状に戻す操作をしさえすれば、それだけで元サイズ形状が保持されるから、手間もかからず、反射板の組込みを容易にすることができる。
【0014】
第2発明において、前記すべての屈折稜線部のうちの残る屈折稜線部において、それを挟む面と面とがテープで回動屈折可能に連結されているとよい(第3発明)。
【0015】
この場合は、反射板を構成する反射板本体の製作を、強度劣弱部の形成とテープによる連結とで容易に行っていくことができる。テープによる連結部分での回動屈折も可能で、サイズ縮小を容易にすることができる。
【0016】
第2発明において、前記強度劣弱部で構成されるすべての屈折稜線部において、それを挟む面と面とがテープで回動屈折可能に補強的に連結されているのもよい(第4発明)。
【0017】
この場合は、強度劣弱部が塑性変形されることによって疲労現象により破断しやすい状態となったとしてもテープが連結を維持して、屈折稜線部における破断を防ぐことができて、反射板の耐久性を向上することができる。
【0018】
第1〜第4発明において、前記反射板を構成している第1反射板本体と第2反射板本体とが、対応する面同士の連結されていない部分を残し、その部分を挟む両側の対応する面同士が連結されることによって、連結されているのもよい(第5発明)。
【0019】
この場合は、対応する面同士の連結されていない部分が残されているので、連結に要する手間を少なくすることができて、反射板の製作を容易にすることができるのはもちろん、連結されていない部分を挟む両側の対応する面同士が連結されていることにより、反射板本体間で屈折稜線部における連動した回動を確実に行わせることができる。
【0020】
第5発明において、前記面同士の連結部のうちの少なくとも一つの連結部がリベット連結部からなり、残る連結部がテープ連結部からなるとよい(第6発明)。
【0021】
この場合は、リベット連結部の採用によって、反射板の強度をしっかりとしたものにすることができると共に、残る連結部がテープ連結部からなることで、反射板の製作を容易にすることができる。また、リベット連結部ばかりであると、屈折稜線部における回動がスムーズには行きにくくなることもよそうされるところ、リベット連結部とテープ連結部の併用により、反射板本体間での屈折稜線部における連動した回動をスムーズに行わせることができる。
【0022】
第6発明において、前記リベット連結部が周方向に等間隔ないしはほぼ等間隔の2カ所に備えられている場合は(第7発明)、反射板の強度を、力学的安定性の面から、しっかりとしたものにすることができる。
【0023】
第1発明において、前記第1反射板本体の基端部に係合用爪が備えられ、反射板をランプ笠内で元サイズ形状に戻して、該係合用爪を、ランプ笠と光源筒との間を水密状態にシールするシール材をランプ笠がわにおいて保持する保持部に係合状態にすることで、反射板をランプ笠内の所定の位置に位置決め状態に保持させるのもよい(第8発明)。
【0024】
この場合は、係合用爪によって反射板をランプ笠内で確実な位置決め状態にすることができる。しかも、係合用爪の係合されるところは、ランプ笠と光源筒との間を水密状態にシールするシール材をランプ笠がわにおいて保持するためにそもそも備えられている保持部としているので、ランプ笠のがわに、係合用爪を係合させる部分をわざわざ設ける必要がなく、簡素な構成によって位置決め状態を形成することができる。
【0025】
第8発明において、ランプ笠と光源筒とをシール材を介して接続状態にすることにより、前記係合用爪が保持固定状態となり、その保持固定作用が、ランプ笠内での反射板の元サイズ形状保持に補強的又は主体的に寄与するようになされているのもよい(第9発明)。
【0026】
この場合は、ランプ笠内での反射板の元サイズ形状の保持を信頼性の非常にたかいものにすることができ、しかも、係合用爪を係合状態にし、ランプ笠と光源筒とをシール材を介して接続状態にするだけでそのような状態を形成することができて、反射板の組込み作業を煩雑なものにすることもない。
【発明の効果】
【0027】
本発明の投光器への反射板の取付け方法は、以上のとおりのものであるから、新たな反射板を投光器のランプ笠の内部に容易に組み込むことができて、照度等の投光性能をコスト的に有利に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図(イ)は実施形態の方法によって投光器に取り付けられた反射板の側面図、図(ハ)は反射板の平面図、図(ニ)は正面図である。
【図2】図(イ)は反射板の分解正面図、図(ロ)は第1反射板本体の平面図、図(ハ)は第2反射板本体の平面図である。
【図3】図(イ)〜図(ハ)は、反射板の縮小前後を示す平面図、正面図、平面図である。
【図4】図(イ)〜図(ハ)は、図5(ニ)〜(ヘ)と共に、反射板の取付け方法を順次に示す正面図である。
【図5】図(ニ)〜図(ヘ)は、図4(イ)〜(ハ)と共に、反射板の取付け方法を順次に示す正面図である。
【図6】図(イ)〜図(ニ)は、反射板取付けに関係する更に詳細な部分における取付け方法を順次に示す要部拡大断面正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0030】
実施形態を示す図1(イ)において、1は投光器、2は反射板であり、投光器1は製品として完成されたものからなっていて、反射板2は、この製品として完成されている投光器1に対して、後から組み込まれるものである。
【0031】
投光器1は、図1(イ)、図4及び図5に示すように、光源筒3と、ランプ笠4とを備えている。ランプ笠4は、先端部が前面ガラス5で閉塞されていると共に、基端部に開口4aを有し、かつ、内部の空間4bが基端開口部4aのがわから先端がわに向けて奥広がり状になっている。
【0032】
光源筒3は、ランプ6を接続するソケット7を備え、ランプ笠4とは周方向の一カ所において枢結され、ランプ笠4の基端開口部4aは、該枢結部8を軸として光源筒3を回動させて光源筒3の先端部をランプ笠4の基端部に接続することにより閉じられ、光源筒3を逆方向に回動させて接続を解除することにより開かれるようになされている。
【0033】
反射板2は、図1(ロ)(ハ)及び図2に示すように、基端がわの第1と、先端がわの第2の、2つの反射板本体9,10を備えている。各反射板本体9,10は、周方向において互いに同じ数の角を備えた多角形をしていると共に、基端がわから先端がわに向けて互いに異なる角度で直線状に開いていく、具体的には図示するような例えば正16角の角錐筒状をした多面体からなっている。反射板2は、第1反射板本体9の先端部を、該先端部のサイズと一致する第2反射板本体10の基端部に対し、周方向における面11と面11の境界部である屈折稜線部12…を互いに一致させるように連結して構成されたものである。
【0034】
そして、この反射板2は、図3(ハ)や図5(ホ)に示すように、その元サイズが、ランプ笠4の基端開口部4aの開口サイズよりも大きい一方で、図3(イ)(ロ)に示すように、各反射板本体9,10の対応する屈折稜線部12,12を軸として、各反射板本体9,10の屈折稜線部12,12を挟む面11,11と面11,11を相対的に連動回動させることができるようになされていて、該連動回動をさせることによりサイズを縮小させることができるようになされており、縮小することにより、図3(ハ)や、図4(ハ)、図5(ニ)に示すように、ランプ笠4の基端開口部4aを通じてランプ笠4の内部に挿入することができるようになされている。
【0035】
投光器1への反射板2の取付けは、まず、図4(イ)(ロ)に示すように、投光器1を、ランプ笠4の先端部を下にするようにして置き、図示しないロックを解除して光源筒3とランプ笠4との接続を解除し、光源筒3を回動させることでランプ笠4の基端開口部4aを開く。次いで、図4(ハ)及び図5(ニ)に示すように、縮小状態にしてある反射板2を、ランプ笠4の基端開口部4aを通じてランプ笠4の内部空間に挿入し、そこで、図5(ホ)に示すように、反射板2を元サイズ、元形状に戻す。戻すのは、軍手等をはめた手をランプ笠4の基端開口部4aを通じてランプ笠4の内部空間に入れて行うようにすればよい。サイズの縮小や復元のための連動回動は、多角の角錐筒状の形状における面11と面11との境界部である屈折稜線部12を軸として行われるから、縮小、復元のためにそのような回動を第1,第2の反射板本体9,10に行わせても投光性能が損なわれることはない。
【0036】
最後に、図5(ヘ)に示すように、光源筒3を回動させて、光源筒3の先端部をランプ笠4の基端部に接続し、ランプ笠4の基端開口部を閉じる。なお、その際に、光源筒3のソケット7に接続しているランプが反射板2と干渉するような場合は、図示しないが、反射板2にランプ6を避ける切欠きを設けておくようにするなどの措置が講じられてよい。以上のようして、投光器1に反射板2が組み込まれる。
【0037】
このように、上記の方法によれば、新たな反射板2を、ランプ笠4の前面ガラス5を取り外すことなく、投光器1のランプ笠4の内部に容易に組み込むことができて、照度等の投光性能をコスト的に有利に高めることができる。
【0038】
のみならず、本実施形態では、更に、次のような具体的な技術構成が採用されている。即ち、反射板2を構成している各反射板本体9,10は金属板からなっていて、図2(ロ)(ハ)に示すように、すべての屈折稜線部12のうちの一部の屈折稜線部12a…が、部分的にスリット13,13を入れられることなどによって、それを挟んで隣り合う面11と面11を金属組織的に連続させた部分を残して塑性的に屈折させることのできる強度劣弱部に構成されていると共に、残る屈折稜線部12b…においては、金属組織的に不連続で、それを挟む面11と面11とが樹脂、布などからなる粘着テープ14で回動屈折可能に連結されたものからなっている。具体的には、16角を採用する本実施形態では、一例として、図2(ロ)(ハ)に示すように、周方向に隣り合う3つの屈折稜線部12a…が強度劣弱部で構成され、その隣りの一つ12bが金属組織的に不連続でテープ連結され、それが周方向に繰り返された構成となっている。それにより、強度劣弱部12a…において塑性的に屈折伸張させると共に、強度劣弱部12a…でない残る屈折稜線部12b…において屈折伸張させることにより、サイズを変更することができるようになされており、更に、ランプ笠4内で戻された反射板2の元サイズ及び元形状が、強度劣弱部12a…における塑性変形後の形状保持作用によって保持されるようになされている。
【0039】
このような構成の採用により、ランプ笠4内で元サイズ、元形状に戻された反射板2を、形状サイズ保持のための部材を別途用意して組み込むことなく元形状、元サイズに保持することができて、反射板2を簡素な構造で組み込みを行うことができると共に、ランプ笠4内で反射板2を元サイズ、元形状に戻す操作をしさえすれば、それだけで元サイズ、元形状が保持されることにより、手間もかからず、反射板の組込みを容易にすることができるようになっている。なお、周方向のすべての屈折稜線部12を上記のような強度劣弱部で構成していないのは、各反射板本体9,11の製作を容易にするためである。
【0040】
また、上記の強度劣弱部で構成されるすべての屈折稜線部12a…において、それを挟む面11と面11とは、樹脂、布などからなる粘着テープ15で回動屈折可能に補強的に連結されており、強度劣弱部12a…が塑性変形することによって疲労現象により破断しやすい状態になったとしてもテープ15が連結を保って、強度劣弱部12a…における破断を防ぎ、反射板2の耐久性が向上されるようになされている。
【0041】
更に、反射板2を構成している第1反射板本体9と第2反射板本体10とは、対応する面同士の連結されていない部分を残して、その部分を挟む両側の対応する面同士が連結されることによって、具体的には、図1(ロ)(ハ)に示すように、周方向において一つおきに面同士が連結されることによって、連結されており、面同士の連結部のうちの少なくとも一つの連結部、本実施形態では、周方向に等間隔ないしはほぼ等間隔の2カ所の連結部16,16が、リベット連結部からなっており、残る連結部17…は、樹脂、布などからなる粘着テープを用いたテープ連結部からなっている。
【0042】
このように、連結されていない部分を備えていることにより、連結に要する手間を少なくすることができて、反射板2の製作を容易にすることができ、連結されていない部分を挟む両側の対応する面同士が連結されていることにより、反射板本体9,10間で屈折稜線部12,12における面11の連動回動を確実に行わせることができ、また、リベット連結部16,16の採用によって、反射板2の強度を力学的に安定した、しっかりとしたものにすることができる。
【0043】
また、図1(ロ)(ハ)に示すように、第1反射板本体9の基端部には、係合用爪18…が備えられ、反射板2をランプ笠4内で元サイズ形状に戻し、図6(イ)(ロ)に示すように、該係合用爪18を、外方に屈曲させ、ランプ笠4と光源筒3との間を水密状態にシールするゴムなどからなる弾性シール材19をランプ笠4がわにおいて保持する凹状の保持部20に係合状態にすることができるようになされていて、それにより、反射板2をランプ笠4内の所定の深さ位置、具体的には、前面ガラス5に当たってしまわないような位置に位置決め状態に保持することができるようになされている。
【0044】
また、本実施形態では、第1反射板本体9の基端部において、係合用爪18は、図1(ロ)(ハ)に示すように、屈折稜線部12を挟む一方の面部に備えられてもう一方の面部には備えられていないという態様で、周方向に一つおきに備えられており、これら係合用爪18…を外方に屈曲させ、ランプ笠4の基端部における凹状保持部20に係合状態にし、図6(ハ)(ニ)に示すように、ランプ笠4と光源筒3とがシール材19を介して接続状態にされることで、係合用18…が保持固定状態となり、その保持固定作用が、ランプ笠4内での反射板2の元サイズ、元形状の保持に補強的に寄与するようになされている。
【0045】
即ち、本実施形態では、ランプ笠4内での反射板2の元サイズ、元形状の保持は、強度劣弱部12a…における塑性変形後の形状保持作用を主体として行われるようになされているが、何らかの理由によって、強度劣弱部12a…に疲労を生じて塑性変形後の形状保持作用に劣化を生じたような場合に、上記の係合用爪18…の保持固定作用が、ランプ笠4内での反射板2の元サイズ、元形状の保持に補強的に寄与するようになされているのである。しかし、本発明では、それに限らず、係合用爪18…の保持固定作用が、ランプ笠4内での反射板2の元サイズ、元形状の保持に主体的に寄与する構成にされていてもよい。
【0046】
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、反射板2が、第1、第2の二つの反射板本体9,10によって構成されているが、3つ以上の反射板本体で構成されているものであってもよい。
【符号の説明】
【0047】
1…投光器
2…反射板
3…光源筒
4…ランプ笠
4a…基端開口部
4b…空間
5…前面ガラス
9…第1反射板本体
10…第2反射板本体
11…面
12…屈折稜線部
12a…強度劣弱部
14…テープ
15…テープ
16…リベット
17…テープ
18…係合用爪
19…シール材
20…保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部が前面ガラスで閉塞されると共に、基端部に開口を有し、かつ、内部の空間が基端開口部のがわから先端がわに向けて奥広がり状となっているランプ笠が備えられ、該ランプ笠の前記基端開口部が、光源筒の先端部をランプ笠の基端部に接続することにより閉じられ、接続を解除することにより開かれるようになされている投光器を対象とした反射板の取付け方法であって、
前記反射板は、第1、第2の少なくとも2つの反射板本体を備え、
各反射板本体は、周方向において互いに同じ数の角を備えた多角形をしていると共に、基端がわから先端がわに向けて互いに異なる角度で直線状に開いていく、多角の角錐筒状をしていて、
前記反射板は、第1反射板本体の先端部を、第2反射板本体の基端部に対し、周方向における面と面の境界部である屈折稜線部を互いに一致させるように連結して構成されており、元サイズが前記ランプ笠の基端開口部の開口サイズよりも大きい一方で、各反射板本体の対応する屈折稜線部を軸として、各反射板本体の該屈折稜線部を挟む面と面を相対的に連動回動させることができるようになされていて、該連動回動をさせることによりサイズを縮小させることができるようになされていると共に、縮小することによりランプ笠の基端開口部を通じてランプ笠の内部に挿入することができるようになされており、
該反射板を用い、光源筒とランプ笠との接続を解除してランプ笠の基端開口部を開いた後、縮小状態の反射板をランプ笠の基端開口部を通じて内部空間に挿入し、しかる後、該反射板を元サイズ形状に戻してランプ笠内の所定の位置に配置することを特徴とする投光器への反射板の取付け方法。
【請求項2】
前記反射板を構成している各反射板本体が金属板からなり、すべての屈折稜線部のうちの一部の屈折稜線部が、隣り合う面と面を金属組織的に連続させた部分を残して塑性的に屈折伸張させることのできる強度劣弱部で構成され、該強度劣弱部において塑性的に屈折伸張させることでサイズを変更することができるようになされていると共に、ランプ笠内で戻された反射板の元サイズ形状が屈折稜線部における前記強度劣弱部の塑性変形後の形状保持作用によって保持されるようになされている請求項1に記載の投光器への反射板の取付け方法。
【請求項3】
前記すべての屈折稜線部のうちの残る屈折稜線部において、それを挟む面と面とがテープで回動屈折可能に連結されている請求項2に記載の投光器への反射板の取付け方法。
【請求項4】
前記強度劣弱部で構成されるすべての屈折稜線部において、それを挟む面と面とがテープで回動屈折可能に補強的に連結されている請求項2に記載の投光器への反射板の取付け方法。
【請求項5】
前記反射板を構成している第1反射板本体と第2反射板本体とが、対応する面同士の連結されていない部分を残し、その部分を挟む両側の対応する面同士が連結されることによって、連結されている請求項1乃至4のいずれか一に記載の投光器への反射板の取付け方法。
【請求項6】
前記面同士の連結部のうちの少なくとも一つの連結部がリベット連結部からなり、残る連結部がテープ連結部からなる請求項5に記載の投光器への反射板の取付け方法。
【請求項7】
前記リベット連結部が周方向に等間隔ないしはほぼ等間隔の2カ所に備えられている請求項6に記載の投光器への反射板の取付け方法。
【請求項8】
前記第1反射板本体の基端部に係合用爪が備えられ、反射板をランプ笠内で元サイズ形状に戻して、該係合用爪を、ランプ笠と光源筒との間を水密状態にシールするシール材をランプ笠がわにおいて保持する保持部に係合状態にすることで、反射板をランプ笠内の所定の位置に位置決め状態に保持させる請求項1に記載の投光器への反射板の取付け方法。
【請求項9】
ランプ笠と光源筒とをシール材を介して接続状態にすることにより、前記係合用爪が保持固定状態となり、その保持固定作用が、ランプ笠内での反射板の元サイズ形状保持に補強的又は主体的に寄与するようになされている請求項8に記載の投光器への反射板の取付け方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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