説明

投写型表示装置

【課題】医療用電子画像とレントゲンフィルムを精度よく比較評価するために、投写型表示装置のスクリーン上の各部の輝度の均一性を実現する。
【解決手段】投写型表示装置100は、光学駆動部1と、投射レンズ2と、折り返しミラー3と、輝度検知センサー5と、輝度検知手段10と、制御部と、複数に分割された表示領域からなるスクリーン4とを有している。スクリーン4の分割表示領域のそれぞれの輝度を輝度検知センサー5、輝度検知手段10で取得し、それに基づき、光学駆動部1を制御部で制御することにより、スクリーン4の分割表示領域の輝度を均一にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投写型表示装置、特にスクリーンの背面から投写する投写型表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療現場において、X線レントゲンフィルムや磁気共鳴映像(MRI)のフィルムなどの画像を観察し、診断することが一般によく行われている。レントゲン画像は大判のフィルムに焼き付けられる。そして、このレントゲンフィルムをシャーカステンとよばれる白色面光源の前に置いて、レントゲンフィルムを透過してくるシャーカステンの光を観察して診断がなされる。これらの医療画像の診察において、的確な診断を行うために複数の医療画像を同時に比較することが求められる。
ここで、シャーカステンは、一般的に、横長長方形状のスクリーンの背面に白色蛍光灯が数本配列された構造になっており、スクリーン表面からはほぼ均一の白色光が出射される。また、白色光だけでは判別しにくかった画像情報を特徴的に浮かび上がらせて読影しやすくするために、青色、緑色、赤色などのカラー光源を用いるシャーカステンも提案されている(例えば特許文献1参照)。
一方で、近年、レントゲン画像を電子化し、電子ディスプレイで診断を行うことが多くなってきている。レントゲン画像を電子化することで、データの保管と整理が容易となり、レントゲン診断の高速化とコストの低下が見込め、今後も電子ディスプレイでのレントゲン診断が拡大していくものと予測される。
【0003】
この種の電子ディスプレイとしては、医療画像の解像度と階調性において、レントゲンフィルムで観察していたのと同様のものが要求されることから、現在では、20インチ前後のモノクロの液晶ディスプレイが用いられている。そして、以上のようなレントゲンフィルムとレントゲン電子画像とを混在して比較するというケースが増加している。
そこで、液晶ディスプレイをシャーカステンとして利用できれば、レントゲンフィルムとレントゲン電子画像との比較を、同一のディスプレイを用いて行うことができ、便利である。
しかし、この種の電子ディスプレイでは、医療診断に耐えうる医療画像の解像度と階調性を実現することが困難である。また、シャーカステンとして使用に耐えうる輝度を実現することも困難である。このため、シャーカステンと電子ディスプレイとを横に並べて使用しているのが実情である。
【特許文献1】特開2000−241749
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のように、レントゲン画像を診断するには、複数の画像を同時に比較することが必要である。そして、シャーカステンによるレントゲンフィルムの画像と電子画像の両方を読影する手段として、投写型表示装置を用いることを、本件出願人は、提案し、開発している。
このような装置において、1つのスクリーンの表示領域を複数に分割し、その分割領域のそれぞれにレントゲンフィルムと電子画像、あるいは複数のレントゲンフィルム、さらには複数の電子画像を並べて表示することが考えられる。このような複数の画像の比較を行う場合、両者の表示領域の輝度が異なっていると微妙な陰影を見落とし、誤診を誘発するおそれがある。
そこで、複数の画像を同じ精度で比較評価するためには、分割された各領域の輝度を均一にする必要があるが、従来の投写型表示装置の光学系では光学系の中心と比較してその周辺の輝度が低下するという問題があるため、複数の画像の比較評価が困難である。
本発明の課題は、大画面かつ高精度のシャーカステンとしても使用でき、レントゲン電子画像表示装置としても使用できる投写型表示装置であって、レントゲンフィルムとレントゲン電子画像の表示領域において誤診を誘発しないレベルの輝度差に抑える投写型表示装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明に係る投写型表示装置は、光学駆動部と、投射レンズと、スクリーンと、分割表示制御手段と、輝度検知部と、輝度調整手段と、を備えている。光学駆動部は、光源を含み、画像信号により変調された光、あるいはバックライト光としての白色光を出射する。投射レンズは光学駆動部から出射された光を拡大する。スクリーンは投射レンズからの光が投射される。分割表示制御手段は、スクリーン上において、複数の表示領域に分割して画像表示されるように光学駆動部を制御する。輝度検知部はスクリーン上の複数の表示領域のそれぞれの輝度を検知する。輝度調整手段は、輝度検知部の検知結果に基づいて、スクリーン上の各表示領域の輝度を調整する。
この装置では、画像信号により変調された光、あるいはバックライト光としての白色光が光学駆動部から出射される。そして、この光学駆動部からの光は投射レンズにより拡大され、スクリーン上に投射される。このとき、光学駆動部が制御されて、スクリーン上において、複数の表示領域に分割して画像表示される。この分割された複数の表示領域のそれぞれにおいて輝度が検知され、検知結果に基づいて、スクリーン上の各表示領域の輝度が調整される。
第2の発明に係る投写型表示装置は、第1の発明の装置において、投射レンズから出射された光を反射し、スクリーンに投射する折り返しミラーをさらに備えている。
【0006】
この装置では、投射レンズからの光は折り返しミラーによって反射されてスクリーン上に投射される。
第3の発明に係る投写型表示装置は、第1又は第2の発明の装置において、画像信号の基準となる電子画像を記憶する電子画像記憶手段をさらに備えている。ここでは、電子画像データを保持することができる。
第4の発明に係る投写型表示装置は、第1から第3の発明のいずれかの装置において、光学駆動部は、光源から出射した光を集光する照明光学系と、画像信号に基づいて透過率を変化させることにより照明光学系からの光に変調をかける表示素子と、を備えている。
この装置では、光源から出射された光は照明光学系により集光され、さらに表示素子において、画像信号に基づいて透過率を変化させることにより照明光学系からの光に変調がかけられる。
ここでは、光源からの光は照明光学系により集光した光となるので、効率良く表示素子に光を照射することができる。
第5の発明に係る投写型表示装置は、第1から第4の発明のいずれかの装置において、レントゲンフィルム保持手段と、レントゲンフィルム差込検出手段と、をさらに備えている。レントゲンフィルム保持手段は、スクリーンの外周部に配置され、レントゲンフィルムをスクリーン上に保持する。レントゲンフィルム差込検出手段はスクリーン上の複数の分割表示領域上のいずれの領域にレントゲンフィルムが差し込まれたのかを検知する。そして、輝度調整手段は、レントゲンフィルムが差し込まれたことを契機として輝度調整を実行する。
【0007】
ここでは、レントゲンフィルムが差し込まされたか否かを検出し、レントゲンフィルムが差し込まれたことを契機として、他の領域との輝度調整が実行される。これにより、不必要な輝度調整が実行されることを防止することができる。
第6の発明に係る投写型表示装置は、第1から第5の発明のいずれかの装置において、光学駆動部、投射レンズ及びスクリーンを内部に収容する筐体をさらに備え、輝度検知部は、輝度を検知するセンサー(以下、「輝度検知センサー」という。)と輝度検知手段を有し、輝度検知センサーは筐体内部に配置されている。
これにより、輝度検知センサーを設置するために投写型表示装置の外装を変更する必要はなく、また、例えば、投写型表示装置の輝度調整用の光検知センサーを輝度検知センサーとして共用することができる。
第7の発明に係る投写型表示装置は、第1から第6の発明のいずれかの装置において、輝度検知センサーは、スクリーンからの反射光が照射される領域に配置されている。
これにより、輝度検知センサーを配置するためのスペースを小さくすることができる。
第8発明に係る投写型表示装置は、第1から第5の発明のいずれかの装置において、筐体は折り返しミラーからの反射光の照射される領域に設けられた孔を有し、輝度検知センサーは孔を通じて反射光が照射される領域に配置されている。
【0008】
これにより、白100%と白0%の輝度を撮影時に記録したテストパターン付きレントゲンフィルムおよびテストパターン付き電子画像を用いることで、白100%の輝度のレベルを基準とした輝度調整を行い、さらに、白100%の輝度レベル調整がされた状態で白0%の輝度のレベルが一定範囲内に存在する場合のみ、本発明の投写型表示装置にて比較診断するように設定できるので、比較対象となるレントゲンフィルムおよびレントゲン電子画像でダイナミックレンジ(白0%の輝度レベルから白100%の輝度レベルの範囲)があまりに異なるものが混在している場合にそのまま比較診断して、誤診をしてしまうような場合を排除できる。
第9の発明に係る投写型表示装置は、第1から第8の発明のいずれかの装置において、輝度調整手段は、輝度検知部により取得したスクリーンのそれぞれの分割表示領域の輝度値から最小の輝度値を判定し、当該最小の輝度値がスクリーンのどの分割表示領域のものかを示す最小輝度値領域情報を確定させるものである。そして、分割表示制御手段は、最小輝度値領域情報が示すスクリーンの分割表示領域以外の分割表示領域に対応する表示素子の対応領域の透過率を最小の輝度値に近づく方向に制御するものである。
これにより、精度よくスクリーンの分割表示領域の輝度調整をすることができる。
【0009】
第10の発明に係る投写型表示装置は、第1から第9の発明のいずれかの装置において、輝度検知部は、スクリーンの複数個の分割表示領域のそれぞれに設けられた複数のセンサーを有している。
これにより、スクリーンの各分割表示領域の複数の箇所についての輝度を検知できるので、さらに精度のよい輝度調整を行うことができる。
第11の発明に係るレントゲンフィルムは、第1から第10の発明のいずれかに係る投写型表示装置のレントゲンフィルム差込領域に差し込まれるレントゲンフィルムであって、レントゲンフィルム差込領域より小さい領域に、白100%の輝度で撮影した第1部分と、白0%の輝度で撮影した第2部分とを有する。
このようなレントゲンフィルムを投写型表示装置に用いることにより、ダイナミックレンジを考慮した精度のよい輝度調整が可能となる。
第12の発明に係るレントゲンフィルムは、第1から第10の発明のいずれかに係る投写型表示装置のレントゲンフィルム差込領域に差し込まれるレントゲンフィルムであって、レントゲンフィルム差込領域より小さい領域に、白100%の輝度で撮影した複数の第1部分と、白0%の輝度で撮影した複数の第2部分と、を有する。
【0010】
このようなレントゲンフィルムを投写型表示装置に用いることにより、スクリーンの分割領域の複数の箇所の輝度及びダイナミックレンジを考慮したより精度のよい輝度調整が可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る投写型表示装置は、大画面スクリーンを有し、そのスクリーン上に複数の分割表示領域を持ち、それぞれの分割表示領域をレントゲン電子画像表示用スクリーン、およびシャーカステンとして使用可能な面光源として使用することが可能である。そして、それぞれのスクリーン上の分割表示領域の輝度を同等に調節することができるので、レントゲンフィルム同士の比較、レントゲン電子画像同士の比較、レントゲンフィルムとレントゲン電子画像との比較を精度よく、かつ容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
[第1実施形態]
<投写型表示装置の全体構成>
図1に本発明の第1実施形態に係る投写型表示装置100の全体構成図を示す。この投写型表示装置100は、リア型プロジェクタであり、例えば、20インチ以上の複数の表示領域を確保できる大きさを持つスクリーンを有し、かつ、シャーカステンとしても使用できる機能を備えている。
投写型表示装置100は、主に、光学駆動部1と、光学駆動部1から出射された光を拡大する投射レンズ2と、投射レンズ2からの光を反射させる折り返しミラー3と、折り返しミラー3からの反射光が投射されるスクリーン4と、スクリーン4上の輝度を検知するために折り返しミラー3の反射光の輝度を検知するセンサー5と、スクリーン4に差し込まれたレントゲンフィルムFを保持するためのレントゲンフィルム保持手段6と、レントゲンフィルムFが差し込まれたことを検出するセンサー7とを有している。
また、この投写型表示装置100は、輝度検知センサー5からの信号を受けて輝度を検知するための輝度検知手段10と、レントゲンフィルム差込検出センサー7からの信号を受けてレントゲンフィルムFがレントゲンフィルム保持手段6に差し込まれたことを検出するレントゲンフィルム差込検出手段11とを有している。
【0013】
さらに、この投写型表示装置100は、CPU15、ROM16、RAM17等を含むマイクロコンピュータを有している。そして、これらには、バス18を介して、前述の輝度検知手段10及びレントゲンフィルム差込検出手段11が接続されるとともに、電子画像記憶手段20及びスクリーン表示用制御手段21が接続され、さらにインターフェース22,23を介してそれぞれ表示手段24及び入力手段25が接続されている。また、スクリーン表示用制御手段21には、スクリーン表示用の電子画像情報を格納するためのスクリーン表示用メモリー26が接続されている。
なお、表示手段24及び入力手段25を除く各構成部材は筐体12の内部に収納され、あるいは筐体12に支持されている。
光源駆動部1は、画像信号により変調された光、あるいはバックライト光としての白色光を出射する部分であり、図2に示すように、光源30、照明光学系31及び表示素子32から構成されている。光源30としては、例えば超高圧水銀ランプなどが用いられる。照明光学系31は、光源30から出射された光を分割、合成する部分であり、この照明光学系31により表示素子32への均一な照明が実現される。表示素子32は、透過型であり、医療画像として耐えうる解像度及び階調性を有する液晶パネルなどが用いられる。そして、この表示素子32の透過率を変化させることで、スクリーン4上の表示を変更させることができる。
【0014】
投射レンズ2は、例えば複数のレンズから構成されており、表示素子32を透過した光束を取り込み、図1に示した折り返しミラー3に投射するものである。
折り返しミラー3は、投射レンズ2から出射された光をスクリーン4及び輝度検知センサー5へ反射させるものであり、表示素子32の表示領域を透過した光がスクリーン4上に投影される位置に設置されている。
輝度検知センサー5は、例えばフォトダイオードやフォトトランジスタなどの光センサーであり、輝度をそれに比例する物理量(例えば、電流量)に変換するものである。この輝度検知センサー5は、折り返しミラー3からの反射光が照射される範囲で、かつ、折り返しミラー3からスクリーン4への反射光を遮らない位置に設置される。
輝度検知センサー5の配置の一例を、図3に示している。図3は投写型表示装置100の正面図である。この例では、3個の輝度検知センサー5が、例えば、筐体12の内部でスクリーン4を構成する3個の分割表示領域(後述する)のそれぞれ上端部中央に設置されている。
なお、図3では、輝度検知センサー5を、スクリーン4を構成する3個の分割表示領域のそれぞれ上端部に設置しているが、折り返しミラー3からの反射光が照射される範囲で、かつ、折り返しミラー3からスクリーン4への反射光を遮らない位置であれば、どこに設置してもよい。
【0015】
レントゲンフィルム差込検出センサー7は、レントゲンフィルムFがレントゲンフィルム保持手段6に差し込まれたこと、及び差し込まれていたレントゲンフィルムFが抜かれたことを検出するセンサーであり、レントゲンフィルムFのレントゲンフィルム保持手段6への抜き差しの有無を示す物理量(例えば、圧力の変化や電流量)を取得する。例えば、レントゲンフィルム差込検出センサー7としては、レントゲンフィルム保持手段6のレントゲンフィルムと接触する部分の圧力変化を測定する圧力センサーや、レントゲンフィルム保持手段6のレントゲンフィルムが差し込まれる領域に設置され、光の透過量や反射量の変化を測定する光センサー(例えば、透過型フォトインタラプタや反射型フォトインタラプタ。)を用いる。
CPU15は、スクリーン表示用制御手段21とともに分割表示制御機能を実現しており、この分割表示制御機能により光学駆動部1が制御され、スクリーン4上において、複数の表示領域に分割して画像表示することが可能である。また、CPU15は、スクリーン4上の分割表示された領域のそれぞれの輝度検知結果から、各分割表示領域の輝度を調整する機能を有している。さらに、CPU15は、レントゲンフィルム差込検出手段11とともに、スクリーン4上の複数の分割表示領域上のいずれの領域にレントゲンフィルムFが差し込まれたのかを検知する機能を有している。
【0016】
電子画像記憶手段20は、レントゲン電子画像データを記憶しておくものであり、例えば、HDD装置、半導体メモリーなどである。
表示手段24は、CPU15等での制御内容などの情報を表示するものであり、液晶パネル、外部モニターなどである。なお、表示手段24はスクリーン4を共用してもよい。
入力手段25は、例えば、キーボード、リモコン、タッチパネル、筐体に設置されたボタンなどである。そして、この入力手段25により、主に、シャーカステンとして使用するスクリーン4上の分割表示領域がどれかを示す情報(以下、「シャーカステン機能実現領域情報」という。)、レントゲン電子画像を表示させるスクリーン4上の分割表示領域がどれかを示す情報(以下、「電子画像表示機能実現領域情報」という。)、及び当該レントゲン画像を特定する情報(以下、「電子画像ファイル情報」という。)が入力される。
以上の構成により、投写型表示装置100では、大画面かつ高精度の表示をスクリーン4上で実現するとともに、スクリーン4の3個の領域に分割された表示領域を任意にシャーカステン又は電子画像表示装置として使用することができる。
なお、説明の便宜のため、輝度検知センサー5、レントゲンフィルム保持手段6、レントゲンフィルム差込検出センサー7、レントゲンフィルムFの部分を大きめに記載しているが、当該部分の大きさ等は図1に限定されるものではない。
【0017】
<投写型表示装置の動作>
次に、本発明の第1実施形態に係る投写型表示装置100の一般的な動作について説明する。ここでは、図3に示すように、スクリーン4を3つの領域に分割し、スクリーン4の真ん中の分割表示領域(図3のBの領域)をレントゲン電子画像表示領域として機能させ、両端の分割表示領域(図3のAとCの領域)をシャーカステンとして機能させる場合を例にとって説明する。
まず、入力手段25で、シャーカステン機能実現領域をスクリーン4の両端の分割表示領域A,Cと指定し、電子画像表示機能実現領域をスクリーン4の真ん中の分割領域Bと指定する。
次に、入力手段25で、スクリーンの真ん中の分割表示領域Bに表示させるレントゲン電子画像を特定する電子画像ファイル情報を入力する。
CPU15は、入力手段25からの情報を受け取り、電子画像ファイル情報により特定されるレントゲン電子画像データを電子画像記憶手段20から読み出し、その電子画像データに基づき、スクリーン表示用制御手段21を介して、表示素子32の真ん中部分(スクリーン4上の真ん中の分割表示領域Bに相当する部分)の透過率を変化させることで、照明光学系31から出射された光を電子画像データに基づく変調光に変化させ、投射レンズ2へ出射させる。この光は、折り返しミラー3で反射され、スクリーン4上の真ん中の分割表示領域Bに投射され、そこで、レントゲン電子画像として表示される。
【0018】
一方、CPU15は、スクリーン表示用制御手段21を介して、表示素子32の両端部分では透過率が均一になるように制御し、照明光学系31から出射された光をバックライト光としての白色光として投射レンズ2へ出射させる。この光は、折り返しミラー3で反射され、スクリーン4上の両端の分割表示領域A,Cに投射され、そこで、シャーカステンとしての面光源として表示される。
以上により、この投写型表示装置100は、スクリーン4の真ん中の分割表示領域Bをレントゲン電子画像表示領域として機能させ、スクリーン4の両端の分割表示領域A,Cをシャーカステン領域として機能させることができる。
<輝度調整>
次に輝度調整の動作について説明する。図4に、本発明の第1実施形態に係る投写型表示装置100の輝度調整の動作フロー図を示す。ここでは、スクリーン4が3分割されている場合を例にとって説明する。
レントゲンフィルムFがレントゲンフィルム保持手段10に差し込まれると、レントゲンフィルム差込検出手段11から出力された情報(以下、「レントゲンフィルム差込情報」という。)を受け取り、レントゲンフィルムの差込の有無を判定する(S101)。レントゲンフィルムの差込がなければ、輝度調整動作は実行しない。
【0019】
一方、レントゲンフィルムFがスクリーン4に差し込まれた場合は、ステップS101において、レントゲンフィルム差込検出手段11から出力されたレントゲンフィルム差込情報により、スクリーン4上の分割表示領域のどの分割表示領域にレントゲンフィルムFが差し込まれているかを判定し、その情報(以下、「レントゲンフィルム差込領域情報」という。)を保持しておく。
また、このステップS101において、新たなレントゲン電子画像を表示させるための指示情報(以下、「レントゲン電子画像表示指示情報」という。)が入力手段25から入力されていないか監視しておき、そのレントゲン電子画像表示指示情報の有無を判定する。この指示情報はRAM17に保持される。なお、レントゲン電子画像表示指示情報がないときは、輝度調整動作は実行しない。
以上のように、この装置では、レントゲンフィルムの差込があったとき、または、新たにレントゲン電子画像の表示の指示があったときのみ輝度調整動作を実行する。これにより、不必要な輝度調整を行うことを防止することができる。
レントゲンフィルムの差込があった場合、または、新たなレントゲン電子画像を表示させるための指示があった場合は、輝度調整動作の回数をカウントするカウンター値nを初期化(n=0)し(S102)、輝度調整動作に入るごとにカウンター値nをインクリメントし、カウンター値nを保持する(S103)。
【0020】
次に、カウンター値nが一定値nthを超えていないかを判断し(S104)、一定値nthを超えている場合は、輝度調整を的確にできないと判断し、その旨の警告表示を行う(S106)。この警告表示は、表示手段24またはスクリーン4に表示させることで行う。このnthの値は、予め設定されていてもよいし、使用時にオペレータが入力手段25から入力できるようになっていてもよい。
カウンター値nが一定値nthを超えていない場合は、輝度検知センサー5からの出力及び輝度検知手段10からの情報により、3分割されたスクリーン4のそれぞれの分割表示領域に対応する輝度値を取得する(S105)。
次に、ステップS105で取得した輝度値が、レントゲンフィルムが差し込まれているスクリーン4上の分割表示領域のものであるか否かをレントゲンフィルム差込領域情報から判断する(S107)。そして、当該輝度値が、レントゲンフィルムが差し込まれている分割表示領域のものであるならば、判定値Aとして取得した輝度値を設定し(S109)、レントゲンフィルムが差し込まれていない分割表示領域のものであるならば、以下の式により補正した値を判定値Aとして設定し(S108)、この値を保持する。
A=(輝度値)・B+C
なお、以上の式により補正を行うのは、以下の理由による。
【0021】
すなわち、レントゲンフィルムが差し込まれ、シャーカステンとして使用しているスクリーン4上の分割表示領域は、表示素子32上の対応する領域全体を透過率が高い状態で均等になるように分割表示制御されているのに対し、電子画像を表示しているスクリーン4上の分割表示領域は、表示素子32に対応する電子画像データを基準として変調をかけた電子画像光が生成されるように分割表示制御されている。したがって、電子画像を表示しているスクリーン4上の分割表示領域は、シャーカステンとして使用している分割表示領域に比較して表示素子15を透過し、スクリーン4に投射される光量が少ない。このため、上記式により補正し、的確な輝度調整を実現できるようにする必要があるのである。
次に、3分割されたスクリーン4上の各分割表示領域のA値の最小値をmin値に、またA値が最小であった分割表示領域を示す分割表示領域情報をryouiki値にそれぞれ代入し、それらの値を保持する。そして、スクリーン4上の各分割表示領域のA値とmin値との差がしきい値th以下か否かを判断する(S111)。しきい値th以下でない場合は、ryouiki値に該当するスクリーン4上の分割表示領域以外の輝度値をmin値にあわせるように輝度調整を実行する。
すなわち、ryouiki値に該当するスクリーン4上の分割表示領域以外の分割表示領域に対応する光学駆動部1の表示素子32上の領域の透過率を下げるように制御する(S112)。例えば、スクリーン4の3分割した真ん中の分割表示領域のA値がmin値である場合、表示素子32の3分割された真ん中以外の上下の2つの部分の領域(図2の表示素子32の3分割された領域のうち上下の領域がこれに該当。)についての透過率を下げるように制御する。
【0022】
なお、thの値は、たとえば、各分割表示領域輝度の5%以内、15[cd/m2]である。
このthの値は、予め設定されていてもよいし、操作者が入力手段25から入力できるようにしてもよい。
そして、この後ステップS103からの処理を繰り返し実行し、ステップS111において、しきい値th以下であると判定した場合、輝度調整を完了する。このように、しきい値thを設定して、このしきい値以下となるように輝度調整をすることにより、輝度調整の回数が多くなりすぎるのを防止でき、的確な輝度調整が可能となる。
以上のようにして、スクリーン4の分割表示領域の任意の領域にレントゲンフィルム用の面光源(シャーカステン)機能及び電子画像表示機能を実現でき、かつ、スクリーン4上の分割表示領域の輝度調整を行うことでき、レントゲンフィルムとレントゲン電子画像の比較が容易になる。
[第2実施形態]
<投写型表示装置の全体構成>
図5に本発明の第2実施形態に係る投写型表示装置100の全体構成図を示す。この投写型表示装置100’は、例えば、20インチ以上の表示領域を複数個とれる大きさを持つスクリーンで、かつ、シャーカステンとしても使用できる機能を備えており、主要な構成要素は、本発明の第1実施形態に係る投写型表示装置と同様である。そして、第1実施形態の装置とは、以下の点のみが異なる。
【0023】
(1)輝度検知センサー5が、投写型表示装置100’の筐体12の外部にあり、かつ、白100%輝度用の白100%輝度検知センサー52と白0%輝度用の白0%輝度検知センサー51の2種類のもので構成されている点。
(2)投写型表示装置100’の筐体12が、折り返しミラー3からの反射光の照射される領域に輝度検知用孔53を有している点。この輝度検知用孔53は図5に示すようにスクリーン4の上端部近傍に設置される。
なお、白0%輝度用検知センサー51および白100%輝度用検知センサー52は、それぞれ輝度検知手段10に接続されており、各出力は輝度検知手段10に入力される。
<投写型表示装置に用いるレントゲンフィルム>
本発明の第2実施形態に係る投写型表示装置100’に用いる第1のレントゲンフィルムF1および第2のレントゲンフィルムF2について図5〜図8を用いて説明する。
図5において、スクリーン4の上部にレントゲンフィルム保持手段6が設置されている。レントゲンフィルムFをレントゲンフィルム保持手段6に差し込んだ場合、レントゲンフィルムFの上端部分でレントゲンフィルム保持手段6に覆い隠されている部分(以下、「レントゲンフィルム差込領域」という。)が存在する。この部分にテストパターンを設けたレントゲンフィルムが図6及び図7に示すものである。
【0024】
図6に示す第1のテストパターン付きレントゲンフィルムF1は、レントゲンフィルム差込領域の一方の片半分の領域に白100%の輝度で撮影した部分を、他方の片半分の領域に白0%の輝度撮影した部分を有する。
図7に示す第2のテストパターン付きレントゲンフィルムF2は、レントゲンフィルム差込領域に複数個の白100%の輝度で撮影した部分と白0%の輝度で撮影した部分を有している。
輝度検知孔53からの光を第1のテストパターン付きレントゲンフィルムF1又は第2のテストパターン付きレントゲンフィルムF2の白100%の輝度で撮影した部分と白0%の輝度で撮影した部分を透過した後、白100%輝度検知センサー52と白0%輝度検知センサー51で輝度を測定する。
図6及び図7に示すように、白100%輝度検知センサー52と白0%輝度検知センサー51は、それぞれ白100%の輝度で撮影した部分と白0%の輝度で撮影した部分の透過光を測定できる位置に設置される。
第1のテストパターン付きレントゲンフィルムF1に対応する場合、例えば、図8に示す位置に白0%輝度検知センサー51、白100%輝度検知センサー52を設置する。
【0025】
なお、図8において、白0%輝度検知センサー51及び白100%輝度検知センサー52は、レントゲンフィルム保持手段10の下に存在するため、正面からは見えないが、位置関係を明確にする便宜上、図8のように記載している。
<投写型表示装置に用いるレントゲン電子画像>
レントゲン電子画像をスクリーン4上の分割表示領域に表示する場合、レントゲン電子画像の上端部に図6、図7に示したレントゲンフィルムのレントゲン差込領域に存在するパターンと同様のレントゲン電子画像撮影時に撮影した白100%輝度の部分と白0%輝度の部分を有する電子画像(以下、「テストパターン付電子画像」という。)を表示させる。
これにより、テストパターン付電子画像を表示させる場合と、テストパターン付レントゲンフィルムを差し込んでいる場合とで、輝度検知孔を通過した光の状態が近似するようになるので、テストパターン付電子画像を表示させているスクリーン4上の分割表示領域とシャーカステンとして使用しているスクリーン4上の分割表示領域との輝度調整の精度を高めることができる。
また、レントゲンフィルムの撮影時のダイナミックレンジ(白0%輝度レベルから白100%輝度レベルまでの範囲)とレントゲン電子画像の撮影時のダイナミックレンジを明確に把握することができるので、精度の高い輝度調整をすることが容易となる。
【0026】
<投写型表示装置の動作>
スクリーン4上の分割表示領域にレントゲン電子画像表示機能およびシャーカステン機能を実現させる動作をスクリーン4上に表示させる本発明の投写型表示装置100の動作については、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
<輝度調整>
図9を用いて、本発明の第2実施形態に係る投写型表示装置100の輝度調整の動作について説明する。図9は、本発明の第2実施形態に係る投写型表示装置100の輝度調整の動作フロー図である。ここでは、スクリーン4が3分割されている場合で説明する。
まず、レントゲンフィルムFがレントゲンフィルム保持手段6に差し込まれたか否かを判定する(S201)。レントゲンフィルムの差込がなければ、輝度調整動作は実行しない。レントゲンフィルムが差し込まれた場合は、このステップS201において、スクリーン4上の分割表示領域のどの分割表示領域にレントゲンフィルムFが差し込まれているかを判定し、その情報を保持しておく。
また、ステップS201では、レントゲンフィルムFの差込の判定とともに、入力手段25からレントゲン電子画像表示指示情報が入力されていないか監視しておき、レントゲン電子画像表示指示情報の有無を判定する(S201)。レントゲン電子画像表示指示情報がないときは、輝度調整動作は実行しない。
【0027】
以上のように、レントゲンフィルムの差込があったとき、または、新たにレントゲン電子画像の表示の指示があったときのみ輝度調整動作を実行する。これにより、不必要な輝度調整を行うことを防止することができる。
レントゲンフィルムの差込があった場合、または、新たなレントゲン電子画像を表示させることの指示があった場合は、輝度調整動作の回数をカウントするカウンター値nを初期化(n=0)し(S202)、輝度調整動作に入るごとにカウンター値nをインクリメントし、カウンター値nを保持する(S203)。
次に、カウンター値nが一定値nthを超えていないかを判断し(S204)、一定値nthを超えている場合は、輝度調整を的確にできないと判断し、その旨の警告表示を行うよう指示する(S205)。この警告表示は、表示手段24またはスクリーン4に表示させることで行う。なお、nthの値は、予め設定されていてもよいし、使用時にオペレータが入力手段25から入力できるようになっていてもよい。
次に、スクリーン4上の分割表示領域がレントゲンフィルムが差し込まれた領域であるか否かについて、レントゲンフィルム差込領域情報により判断し(S206)、レントゲンフィルムが差し込まれていない分割表示領域であると判断した場合、当該分割表示領域に前述したテストパターン付電子画像を表示する。これにより、テストパターン付電子画像のデータにより変調された光が光学駆動部1を制御することで生成され、当該変調光がスクリーン4上の当該分割表示領域に照射される(S207)。
【0028】
一方、レントゲンフィルムが差し込まれた分割表示領域であると判断した場合は、当該分割表示領域が面光源となるようにバックライト光をスクリーン4上の当該分割表示領域に投射されるように制御する。これは、変調をかけない白色光を出射するよう光学駆動部1を制御することで実行する。
次に、スクリーン4上のそれぞれの分割表示領域において、白100%輝度検知センサー52により検出した輝度値を白100%輝度検知センサー52の個数分だけkido_w100値として設定し、白0%輝度検知センサー51により検出した輝度値を白0%輝度検知センサー51の個数分だけkido_w0値として設定し、それらの値を保持する(S208)。
そして、スクリーン4上の各分割表示領域の白100%輝度検知センサー52の個数分だけのkido_w100値の最小値を求め、その値をmin_w100値として設定し、min_w100値が最小であった分割表示領域を示す分割表示領域情報をryouiki_w100値にそれぞれ設定し、それらの値を保持する(S209)。
次に、各分割表示領域のkido_w100値とmin_w100値との差がしきい値th_w100値以下か否かを判定し(S210)、th_w100値以下でないならば、ryouiki_w100値に該当するスクリーン4の分割表示領域以外の輝度値をmin_w100値にあわせるよう輝度調整を実行する。これにより、ryouiki_w100値に該当するスクリーン4上の分割表示領域以外の分割表示領域に対応する光学駆動部1の表示素子32上の領域の透過率を下げるような制御が実行される(S211)。
【0029】
その後、ステップS203からの処理を繰り返し実行し、各分割表示領域のkido_w100値とmin_w100値との差がth_w100値以下であるならば、スクリーン4上の各分割表示領域のkido_w0値の最小値を求め、その値をmin_w0値に設定するとともに、スクリーン4上の各分割表示領域のkido_w0値の最大値を求め、その値をmax_w0値に設定する。そして、max_w0値からmin_w10値を引いた値をdiff_w0値として設定し、その値を保持する(S212)。
次に、diff_w0値が、しきい値th_min値より小さいか否かを判定し(S213)、th_min値より小さい場合は、輝度調整動作を終了させる。一方、diff_w0値が、th_min値より小さくない場合は、輝度調整できないと判断し、その旨の警告表示を行うよう指示し(S214)、輝度調整動作を終了させる。
以上の処理を行うことで、スクリーン4上の各分割表示領域の輝度値の白100%のレベルが一定範囲内(しきい値th_w100が示す範囲内)に収まり、かつ、スクリーン4上の各分割表示領域の輝度値の白0%のレベルが一定範囲内(しきい値th_minが示す範囲内)に収まるので、ダイナミックレンジの差が大きく、誤診するおそれがある場合の比較を排除することができる。
【0030】
なお、th_w100の値は15[cd/m2]である。
このth_w100の値は、予め設定されていてもよいし、使用時にオペレータが入力手段25から入力できるようになっていてもよい。
以上により、スクリーン4の分割表示領域の任意の分割表示領域にレントゲンフィルム用の面光源機能及び電子画像表示機能を実現でき、かつ、スクリーン4上の分割表示領域の輝度調整を行うことできる。これにより、レントゲンフィルムとレントゲン電子画像の比較が容易となる。
また、レントゲンフィルムとレントゲン電子画像の両方において、撮影時に白100%輝度と白0%輝度のテストパターンを撮影しておき、それを基準にレントゲンフィルム及びレントゲン電子画像の階調値のダイナミックレンジを考慮したスクリーン4上の各分割表示領域の輝度調整を行うので、より精度の高いレントゲンフィルム同士の比較、レントゲン電子画像同士の比較、レントゲンフィルムと電子画像混在での比較ができる。
また、スクリーン4上の各分割表示領域のダイナミックレンジの差にばらつきがあり、比較診断すると誤診を誘発するような場合は、警告表示をするので、安心して比較診断することできる。
【0031】
[他の実施形態]
(a)図10に示すように、光学駆動部1は、3つの表示素子32r,32g,32bを用いる構成にしてもよい。この場合、光源30、照明光学系31からの光は、第1のダイクロイックミラー40、第2のダイクロイックミラー41、3つの全反射ミラー42、43、44により、RGBの光に分解される。表示素子32r,32g,32bは、それぞれR成分、G成分、B成分用として用いられるものである。3つの表示素子を通った光は、ダイクロイックプリズム45によって集光され、投射レンズ2へ出射される。
このように3つの表示素子を用いる場合は、スクリーン4上の分割表示領域と3つの表示素子15のそれぞれの対応する領域について同様の制御を行えばよい。
(b)図11に示すように、輝度検知センサー5をスクリーン4の反射光が照射される領域に配置する構成にしてもよい。この場合、輝度検知センサー5を配置するためのスペースが小さくすることができ、例えば、図11中のX2の長さが図1中のX1の長さより小さくでき、スクリーンを配置する領域を大きくすることができる。なお、投写型表示装置の動作や輝度調整動作は第1実施形態と同様である。
(c)前述の各実施形態では、表示素子として透過型の表示素子を使用しているが、反射型の表示素子を使用して、投写型表示装置を構成してもよい。
【0032】
(d)前述の各実施形態では、折り返しミラーを用いるリア型の投写型表示装置について説明したが、折り返しミラーを用いない投写型表示装置であってもよい。この場合、投射レンズから出射された光が直接スクリーンに投射されることとなる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明に係る投写型表示装置は、レントゲンフィルムや医療画像影像の高精度かつ的確な比較判断を実現することができるため、医療関連産業分野において、有用であり、本発明に係る投写型表示装置は、当該分野において実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第1実施形態に係る投写型表示装置の全体構成図。
【図2】前記投写型表示装置の光学駆動部と投射レンズの構成図。
【図3】本発明の第1実施形態に係る投写型表示装置の正面図。
【図4】本発明の第1実施形態に係る投写型表示装置の輝度調整動作フロー。
【図5】本発明の第2実施形態に係る投写型表示装置の全体構成図。
【図6】本発明の第2実施形態に係るレントゲンフィルム。
【図7】本発明の第2実施形態に係るレントゲンフィルム。
【図8】本発明の第2実施形態に係る投写型表示装置の正面図。
【図9】本発明の第2実施形態に係る投写型表示装置の輝度調整動作フロー。
【図10】本発明の他の実施形態に係る投写型表示装置の光学駆動部及び投射レンズの構成図。
【図11】本発明の他の実施形態に係る投写型表示装置の全体構成図。
【符号の説明】
【0035】
1 光学駆動部
2 投射レンズ
3 折り返しミラー
4 スクリーン
5 輝度検知センサー
51 白0%輝度検知センサー
52 白100%輝度検知センサー
53 輝度検知用孔
6 レントゲンフィルム保持手段
7 レントゲンフィルム差込センサー
10 輝度検知手段
11 レントゲンフィルム差込検出手段
15 CPU
16 ROM
20 電子画像記憶手段
21 スクリーン表示用制御手段
24 表示手段
25 入力手段
30 光源
31 照明光学系
32,32r,32g,32b 表示素子
100 投写型表示装置
F レントゲンフィルム
F1 第1のテストパターン付きレントゲンフィルム
F2 第2のテストパターン付きレントゲンフィルム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を含み、画像信号により変調された光、あるいはバックライト光としての白色光を出射する光学駆動部と、
前記光学駆動部から出射された光を拡大する投射レンズと、
前記投射レンズからの光が投射されるスクリーンと、
前記スクリーン上において、複数の表示領域に分割して画像表示されるように前記光学駆動部を制御する分割表示制御手段と、
前記スクリーン上の複数の表示領域のそれぞれの輝度を検知する輝度検知部と、
前記輝度検知部の検知結果に基づいて、前記スクリーン上の各表示領域の輝度を調整する輝度調整手段と、
を備えた投写型表示装置。
【請求項2】
前記投射レンズから出射された光を反射し、前記スクリーンに投射する折り返しミラーをさらに備えた請求項1に記載の投写型表示装置。
【請求項3】
前記画像信号の基準となる電子画像データを記憶する電子画像記憶手段をさらに備えた請求項1又は2に記載の投写型表示装置。
【請求項4】
前記光学駆動部は、
前記光源から出射した光を集光する照明光学系と、
画像信号に基づいて透過率を変化させることにより、前記照明光学系からの光に変調をかける表示素子と、
を備えた請求項1から3のいずれかに記載の投写型表示装置。
【請求項5】
前記スクリーンの外周部に配置され、レントゲンフィルムをスクリーン上に保持するレントゲンフィルム保持手段と、
前記スクリーン上の複数の分割表示領域上のいずれの領域にレントゲンフィルムが差し込まれたのかを検知するレントゲンフィルム差込検出手段と、をさらに備え、
前記輝度調整手段は、前記レントゲンフィルムが差し込まれた場合に輝度調整を実行する、
請求項1から4のいずれかに記載の投写型表示装置。
【請求項6】
前記光学駆動部、前記投射レンズ及び前記スクリーンを内部に収容する筐体をさらに備え、
前記輝度検知部は、輝度を検知するセンサーと輝度検知手段を有し、前記センサーは前記筐体内部に配置されている、
請求項1から5のいずれかに記載の投写型表示装置。
【請求項7】
前記センサーは、前記スクリーンからの反射光が照射される領域に配置されている、
請求項1から6のいずれかに記載の投写型表示装置。
【請求項8】
前記筐体は、前記折り返しミラーからの反射光の照射される領域に設けられた孔を有し、
前記センサーは前記孔を通じて前記反射光が照射される領域に配置されている、
請求項1から5のいずれかに記載の投写型表示装置。
【請求項9】
前記輝度調整手段は、前記輝度検知部により取得した前記スクリーンのそれぞれの分割表示領域の輝度値から最小の輝度値を判定し、当該最小の輝度値が前記スクリーンのどの分割表示領域のものかを示す最小輝度値領域情報を確定させるものであり、
前記分割表示制御手段は、前記最小輝度値領域情報が示す前記スクリーンの分割表示領域以外の分割表示領域に対応する前記表示素子の対応領域の透過率を前記最小の輝度値に近づく方向に制御するものである、
請求項1から8のいずれかに記載の投写型表示装置。
【請求項10】
前記輝度検知部は、前記スクリーンの前記複数個の分割表示領域のそれぞれに設けられた複数のセンサーを有している、請求項1から9のいずれかに記載の投写型表示装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の投写型表示装置のレントゲンフィルム差込領域に差し込まれるレントゲンフィルムであって、
前記レントゲンフィルム差込領域より小さい領域に、白100%の輝度で撮影した第1部分と、白0%の輝度で撮影した第2部分とを有する、
レントゲンフィルム。
【請求項12】
請求項1から10のいずれかに記載の投写型表示装置のレントゲンフィルム差込領域に差し込まれるレントゲンフィルムであって、
前記レントゲンフィルム差込領域より小さい領域に、白100%の輝度で撮影した複数の第1部分と、白0%の輝度で撮影した複数の第2部分と、を有する、
レントゲンフィルム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−256878(P2007−256878A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−84560(P2006−84560)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】