投写装置、その制御方法及びプログラム
【課題】特別な操作を定義することなく、ズーム投写を最適に行う。
【解決手段】外部信号入力部102は、画像データを入力する。投写領域特定部104は、画像データ内の動きを解析し、動きを検出した領域を投写領域として特定する。表示処理部105は、投写領域特定部104により特定された投写領域をズームして投写する。
【解決手段】外部信号入力部102は、画像データを入力する。投写領域特定部104は、画像データ内の動きを解析し、動きを検出した領域を投写領域として特定する。表示処理部105は、投写領域特定部104により特定された投写領域をズームして投写する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PC等の情報処理装置において表示される画像をスクリーン等に投写する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータ(以下、PCと称す)の普及に伴い、PCをプロジェクタ等の投写装置と接続し、PCの画面を投写装置にて投写するプレゼンテーションが盛んに行われている。一般的に、プロジェクタ等の投写装置は、PCの画面に表示されている画像と同じ画像を投写する。故に、PCの画面に表示されている画像内に、メニューバー等の本来投写しても意味のない領域が含まれている場合においても、PCの画面に表示されている画像と同じ画像が投写されるため、限られた投写領域を有効に活用しているとは言い難い。
【0003】
そこで、PCの画面の特定領域のみを投写する技術として、特許文献1に開示される技術が知られている。具体的には、特許文献1に開示される技術は、PCの画面上でマウス操作等により投写領域を選択し、選択された投写領域の座標情報をプロジェクタに送信する。プロジェクタは、PCより通知された座標情報に基づいて投写領域を特定し、投写領域に該当する画像を投写する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−62865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示される技術は、ある特定領域をズームして投写する際は、ユーザがPC側でズームする領域を選択し、選択された領域の座標情報を投写装置側に通知する。従って、ズームする領域を選択するための特別な操作を定義する必要があり、利便性がよいとは言い難いものであった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、特別な操作を定義することなく、ズーム投写を最適に行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の投写装置は、画像データを入力する入力手段と、前記画像データ内の動きを解析し、動きを検出した領域を投写領域として特定する特定手段と、前記特定手段により特定された投写領域をズームして投写する投写手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、特別な操作を定義することなく、ズーム投写を最適に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る投写装置の機能的な構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る投写装置の処理を示すフローチャートである。
【図3】投写領域特定部が有効投写領域を特定する処理の詳細を示すフローチャートである。
【図4】ステップS304の処理について具体的に説明するための図である。
【図5】投写領域特定部によって管理される有効投写領域のリストの一例を示す図である。
【図6】ステップS207において表示レイアウトが決定される際に用いられるダイアログの一例を示す図である。
【図7】ステップS205〜S210までの処理について具体的に説明するための図である。
【図8】ステップS205〜S210までの処理について具体的に説明するための図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る投写装置の機能的な構成を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る投写装置の処理を示すフローチャートである。
【図11】ウインドウ情報の一例を示す図である。
【図12】ステップS1005〜S1007までの処理を具体的に説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を適用した好適な実施形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、飽くまでも本発明の適用例の一部を示したものであり、本発明の技術的範囲がこれらの実施形態に限定されるものではない。
【0012】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る投写装置の機能的な構成を示す図である。以下では、投写装置の主要部について説明を行うが、当該主要部以外の構成を備えていても勿論構わない。
【0013】
図1において、100は情報処理装置であり、PC等のように画像データと制御データとを出力する装置である。101は投写装置であり、プロジェクタ等のように情報処理装置100から入力した画像データをスクリーンに投写する装置である。102は外部信号入力部であり、情報処理装置100から画像データを入力する。103はズーム投写制御部であり、投写装置101が有する投写ボタン(不図示)の操作により、ズーム投写モードと通常投写モードとを切り替えるための制御情報を出力する。
【0014】
104は投写領域特定部であり、情報処理装置100から入力した画像データを解析し、当該画像データ内の有効投写領域を特定するとともに、特定した有効投写領域のリストを管理する。なお、投写領域特定部104は、1つの画像データから任意の数の有効投写領域を特定することが可能である。
【0015】
105は表示処理部であり、ズーム投写制御部103からの制御情報に従ってズーム投写モード、通常投写モード間でモードを切り替えて、投写領域特定部104にて特定された有効投写領域を投写する。106は投写装置101によって有効投写領域が投写されるスクリーンである。
【0016】
図2は、第1の実施形態に係る投写装置101の処理を示すフローチャートである。以下、図2を参照しながら、第1の実施形態に係る投写装置101の処理について説明する。
【0017】
ステップS201において、外部信号入力部102は、情報処理装置100から画像データ及びカーソルの座標情報等の各種操作情報を受信する。ステップS202において、ズーム投写制御部103は、投写装置101の投写ボタンがONであるかOFFであるかを判定する。投写ボタンがONである場合、処理はステップS203に移行する。一方、投写ボタンがOFFである場合、処理はステップS211に移行する。
【0018】
ステップS203において、投写領域特定部104は画像データの有効投写領域を特定する。ここで、図3を参照しながら、ステップS203の処理について詳細に説明する。図3は、投写領域特定部104が有効投写領域を特定する処理の詳細を示すフローチャートである。
【0019】
ステップS301において、投写領域特定部104は、情報処理装置100の画面に表示されている画像データの動きを検出する。具体的には、投写領域特定部104は、ユーザの情報処理装置100側における十字キー操作、スクロールバー操作等を検知することにより、特定のウインドウ内の画像データの動きを検出する。即ち、例えばユーザが情報処理装置100側で十字キー操作やスクロールバー操作等を行うと、情報処理装置100からカーソルの座標情報等の各種操作情報が投写装置101に通知される。投写装置101は、情報処理装置100から通知された各種操作情報に基づいて、画像データの動きを検知する。その他、情報処理装置100側から一定時間毎に送信される画像データを投写装置101側でメモリ等に蓄積しておき、投写装置101が画像データを適宜比較して差分を算出することにより、画像データの動きを検出するようにしてもよい。なお、画像データの動きを検出する方法は、以上の方法に限定されるものではない。
【0020】
ステップS302において、投写領域特定部104は、不図示のタイマ機能を用いて一定時間をカウントする。ステップS303において、投写領域特定部104は、ステップS302でカウントした一定時間内に画像データの動きを継続的に検出したか否かを判定する。一定時間内に画像データの動きが継続して検知された場合、処理はステップS304に移行する。一方、一定時間内に画像データの動きが継続して検知されなかった場合、処理はステップS306に移行する。ステップS304において、投写領域特定部104は、一定時間内に動きが継続的に検出された領域の画像データを、有効投写領域として決定する。
【0021】
ここで、図4を参照しながら、ステップS304の処理について具体的に説明する。図4において、401は、図1における情報処理装置100に相当するものである。402は、図1における投写装置101に相当するものである。403は、図1におけるスクリーン106に相当するものである。404は、図3におけるステップS301〜S304により、一定時間内に画像データの動きが継続的に検出され、有効投写領域として特定された領域である。405は、スクリーン106上に投写された有効投写領域である。406は、有効投写領域404の始点座標である。ここでは、座標軸を情報処理装置401の画面における左上を基点とし、始点座標を(X1,Y1)とする。なお、座標軸のとり方は、上記の態様に限定されるものではない。407は、有効投写領域404の終点座標である。上述した始点座標と同様に、座標軸を情報処理装置401の画面における左上を基点とし、終点座標を(X2,Y2)とする。なお、本実施形態では、始点座標406及び終点座標407によって有効投写領域を特定しているが、有効投写領域の特定方法は、この方法に限定されるものではない。以上のように、ステップS304においては、投写装置101は、有効投写領域の始点座標406及び終点座標407を用いて有効投写領域を特定する。
【0022】
図3の説明に戻る。ステップS305において、投写領域特定部104は、有効投写領域決定フラグをONに設定する。ステップS306において、投写領域特定部104は、有効投写領域決定フラグをOFFに設定する。なお、ステップS305及びS306で設定される有効投写領域決定フラグは、後に続く処理を区別するためのフラグである。但し、後に続く処理を区別するための方法は、有効投写領域決定フラグを用いた方法に限定されない。以上が図2のステップS203の詳細説明である。
【0023】
図2の説明に戻る。ステップS204において、表示処理部105は、有効投写領域決定フラグがONであるかOFFであるかを判定する。有効投写領域決定フラグがONである場合、処理はステップS205に移行する。一方、有効投写領域決定フラグがOFFである場合、処理はステップS211に移行する。
【0024】
ステップS211において、表示処理部105は通常投写モードを実行する。ステップS205において、表示処理部105は有効投写領域の数を判定する。有効投写領域の数が1つである場合、処理はステップS206に移行する。一方、有効投写領域数が2つ以上である場合、処理はステップS207に移行する。
【0025】
ここで、図5を参照しながら、ステップS205の処理について具体的に説明する。図5は、投写領域特定部104によって管理される有効投写領域のリストの一例を示す図である。図5において、行501はリスト番号1のデータ、行502はリスト番号2のデータを表す。列503は有効投写領域の始点X座標Xsを表し、列504は有効投写領域の始点Y座標Ysを表す。列505は有効投写領域の終点X座標Xeを表し、列506は有効投写領域の終点Y座標Yeを表す。図5の例では、リストが2つ存在し、1つ目のリストは、始点座標が(Xs,Ys)=(150,300)、終点座標が(Xe,Ye)=(500,600)である。一方、2つ目のリストは、始点座標が(Xs,Ys)=(300,450)、終点座標が(Xe,Ye)=(900,800)である。
【0026】
有効投写領域のリストがリセットされるタイミングは、投写装置101の電源がOFFされたタイミングでもよいし、投写ボタンがOFFされたタイミング(ズーム投写モードから通常投写モードに切り換えられたタイミング)でもよい。有効投写領域のリストをリセットするタイミングは、特に上記のタイミングに限定されるものではない。なお、図5に示す有効投写領域のリストは飽くまでも一例であり、この態様に限定されるものではない。
【0027】
ステップS205において、表示処理部105は、投写領域特定部104が管理している有効投写領域のリストを参照することにより、有効投写領域の数を判定することができる。図5の例の場合には、有効投写領域の数は2つと判定される。
【0028】
ステップS206において、表示処理部105は、投写領域特定部104にて特定された有効投写領域の表示倍率を、単画面投写用のアスペクト比に応じて変更する。ステップS207において、表示処理部105は、画像データの表示レイアウトを決定する。
【0029】
ここで、図6を参照しながら、ステップS207の処理について具体的に説明する。図6は、ステップS207において表示レイアウトが決定される際に用いられるダイアログの一例を示す図である。
【0030】
図6において、601は、表示レイアウトが決定される際にユーザに対して提示されるダイアログである。ステップS207においては、先ずダイアログ601がユーザに対して提示される。ユーザは、表示レイアウトとして単画面表示を選択する場合、単画面表示ボタン602を操作し、表示レイアウトとして複数画面表示を選択する場合、複数画面表示ボタン603を操作する。これにより、表示レイアウトが決定される。本実施形態においては、ダイアログ601をユーザに対して提示し、表示レイアウトをユーザに選択させているが、この方法は飽くまでも一例であって、この方法に限定されるものではない。
【0031】
図2の説明に戻る。ステップS208において、表示処理部105は、決定した表示レイアウトが単画面表示であるか、複数画面表示であるかを判定する。表示レイアウトが単画面表示である場合、処理はステップS206に移行する。一方、表示レイアウトが複数画面表示である場合、処理はステップS209に移行する。なお、表示レイアウトが単画面表示である場合に移行するステップS206の説明は、上述した通りであるため、ここでは割愛する。
【0032】
ステップS209において、表示処理部105は、投写領域特定部104にて特定された有効投写領域の表示倍率を、複数画面表示用のアスペクト比に応じて変更する。ステップS210において、表示処理部105は、ズーム投写モードを実行する。即ち、表示処理部105は、ステップS206又はS209にて変更した表示倍率に基づいて有効投写領域をズームし、スクリーン106に投写する。
【0033】
ここで、図7及び図8を参照しながら、ステップS205〜S210までの処理について具体的に説明する。先ず、図7を参照しながら、有効投写領域が1つの領域である場合について説明する。
【0034】
図7(a)は、情報処理装置100の画面にて1つのウインドウが表示され、1つの有効投写領域が特定された場合、当該有効投写領域の表示倍率を単画面表示用のアスペクト比に応じて変更し、投写した状況を示している。図7(a)において、701aは、図1における情報処理装置100に相当するものである。702aは、図1における投写装置101に相当するものである。703aは、図1におけるスクリーン106に相当するものである。704aは、図3におけるステップS301〜S304において一定時間内に画像データの動きが継続的に検出され、有効投写領域として特定された領域である。投写装置101は、有効投写領域を特定すると、有効投写領域の表示倍率をスクリーン703aのアスペクト比に応じて変更し、ズーム投写を行う。
【0035】
一方、図7(b)は、情報処理装置100の画面にて複数のウインドウがマルチ表示され、1つの有効投写領域が特定された場合、当該有効投写領域の表示倍率を複数画面表示用のアスペクト比に応じて変更し、投写した状況を示している。ここでは、情報処理装置100の画面上に2つのウインドウをマルチ表示している場合を例に挙げて説明する。図7(b)において、701bは、図1における情報処理装置100に相当するものである。702bは、投写装置101に相当するものである。703bは、スクリーン106に相当するものである。704bは、図3におけるステップS301〜S304において一定時間内に画像データの動きが継続的に検出され、有効投写領域として特定された領域である。投写装置101は、有効投写領域を特定すると、有効投写領域の表示倍率をスクリーン703bのアスペクト比に応じて変更し、ズーム投写を行う。
【0036】
次に、図8を参照しながら、有効投写領域が2つの領域以上である場合について説明する。図8(a)は、情報処理装置100の画面にて複数のウインドウがマルチ表示され、2つの有効投写領域が特定された場合、当該2つの有効投写領域のうちの1つの有効投写領域の表示倍率を単画面表示用のアスペクト比に応じて変更し、投写した状況を示している。図8(a)において、801aは、図1における情報処理装置100に相当するものである。802aは、投写装置101に相当するものである。803aは、図1におけるスクリーン106に相当するものである。804a及び805aは、図3におけるステップS301〜S304において一定時間内に画像データの動きが継続的に検出され、有効投写領域として特定された領域である。ここでは、804a、805aの順に有効投写領域が特定されたものとする。
【0037】
本実施形態では、複数の有効投写領域が特定され、且つユーザが表示レイアウトとして単画面表示を選択した場合、特定された日時が最新である有効投写領域を優先的にズーム投写するものとする。従って、スクリーン803a上には、日時が最新である有効投写領域805aの表示倍率がスクリーン803aのアスペクト比に応じて変更され、ズーム投写されることになる。なお、どの有効投写領域を優先して単画面表示するかに関しては、有効投写領域をサムネイル表示形式で一覧表示させ、ユーザに選択させてもよいし、プライオリティを予め付加しておき、それに従って自動的に決定するようにしてもよい。なお、どの有効投写領域を優先して単画面表示するかは、以上に説明した方法に限定されるものではない。
【0038】
また、単画面表示と複数画面表示とをユーザが容易に切り替え可能となるよう、806aに示すような切替ボタンを表示してもよい。なお、この切替ボタン806aは投写装置101に搭載してもよく、切替ボタン806aを搭載する態様は特に限定されるものではない。
【0039】
図8(b)は、情報処理装置100の画面にて複数のウインドウがマルチ表示され、2つの有効投写領域が特定された場合、当該2つの有効投写領域の表示倍率を複数画面表示用のアスペクト比に応じて変更し、投写した状況を示している。図8(b)において、801bは、図1における情報処理装置100に相当するものである。802bは、図1における投写装置101に相当するものである。803bは、図1におけるスクリーン106に相当するものである。804b及び805bは、図3におけるステップS301〜S304において一定時間内に画像データの動きが継続的に検出され、有効投写領域として特定された領域である。
【0040】
上述のように、複数の有効投写領域が特定され、且つユーザが表示レイアウトとして複数画面表示を選択した場合、複数の有効投写領域をズーム投写する。従って、スクリーン803a上には、有効投写領域804b及び805bの表示倍率がスクリーン803aのアスペクト比に応じて変更され、マルチでズーム投写されることになる。
【0041】
また、単画面表示と複数画面表示とをユーザが容易に切り替え可能となるよう、806bに示すような切替ボタンを表示してもよい。なお、この切替ボタン806bは投写装置101に搭載してもよく、切替ボタン806bを搭載する態様は特に限定されるものではない。
【0042】
以上のように、本実施形態によれば、投写装置101は有効投写領域を自動解析し、有効投写領域を単画面表示用又は複数画面表示用のアスペクト比に応じて変更して、ズーム投写することが可能となる。
【0043】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。以下では、第2の実施形態について第1の実施形態との差異を中心に説明する。
【0044】
図9は、本発明の第2の実施形態に係る投写装置の機能的な構成を示す図である。以下、投写装置901の主要部についてのみ説明するが、これ以外の構成を備えていてもよい。なお、図9における900〜906は、図1における100〜106と同様の構成であるため、それらの説明は省略する。907は制御部であり、情報処理装置900から後述するウインドウ情報を取得し、制御を行う。
【0045】
図10は、第2の実施形態に係る投写装置901の処理を示すフローチャートである。以下、図10を参照しながら、第2の実施形態に係る投写装置901の処理について説明する。
【0046】
ステップS1001において、外部信号入力部902は、情報処理装置99から画像データ及びカーソルの座標情報等の各種操作情報を受信する。ステップS1002において、ズーム投写制御部903は、投写装置901の投写ボタンがONであるかOFFであるかを判定する。投写ボタンがONである場合、処理はステップS1003に移行する。一方、投写ボタンがOFFである場合、処理はステップS1008に移行する。
【0047】
ステップS1003において、投写領域特定部104は画像データの有効投写領域を特定する。本ステップの詳細は、図3を用いて説明した内容と同様であるため、説明は省略する。ステップS1004において、表示処理部905は、有効投写領域決定フラグがONであるかOFFであるかを判定する。この有効投写領域決定フラグは、上述したステップS1003、即ち、図3におけるステップS301〜S306と同様の処理により設定されるフラグである。有効投写領域決定フラグがONである場合、処理はステップS1005に移行する。一方、有効投写領域決定フラグがOFFである場合、処理はステップS1008に移行する。
【0048】
ステップS1008において、表示処理部905は通常投写モードを実行する。ステップS1005において、制御部907は、情報処理装置900からウインドウ情報を受信する。情報処理装置900と制御部907間のウインドウ情報の伝送方法としては、例えばVESAで規格化されているDDCやRS−232C等を使用してもよいし、又は、その他のシリアル通信若しくはパラレル通信を使用してもよい。
【0049】
ここで、図11を参照しながら、ステップS1005において制御部907が受信するウインドウ情報について具体的に説明する。図11は、ウインドウ情報の一例を示す図である。なお、図11に示すウインドウ情報は飽くまでも一例であり、この態様に限定されるものではない。図11において、行1101はリスト番号1のデータ、行1102はリスト番号2のデータを表す。列1103はウインドウの始点X座標WXsを表し、列1104はウインドウの始点Y座標WYsを表す。列1105はウインドウの終点X座標WXeを表し、列1106はウインドウの終点Y座標WYeを表す。図11の例では、リストが2つ存在し、1つ目のリストは、始点座標が(Xs,Ys)=(150,200)、終点座標が(Xe,Ye)=(500,600)である。一方、2つ目のリストは、始点座標が(Xs,Ys)=(300,300)、終点座標が(Xe,Ye)=(900,800)となる。
【0050】
なお、制御部907におけるウインドウ情報の受信タイミングは、情報処理装置900から適宜受信してもよいし、ウインドウ情報に変更があった場合にのみ情報処理装置900から受信してもよい。なお、制御部907におけるウインドウ情報の受信タイミングは、上述したタイミングに限定されるものではない。
【0051】
図10の説明に戻る。ステップS1006において、表示処理部905は、制御部907が受信したウインドウ情報に基づいて、ステップS1003において特定された有効投写領域の表示倍率を、当該有効投写領域が対象のウインドウ内に収まるようなアスペクト比に変更する。
【0052】
ステップS1007において、表示処理部905は、ステップS1006にて表示倍率が変更された有効投写領域を、対象のウインドウ内にズーム投写する。なお、情報処理装置100の画面上に複数のウインドウが存在する場合、表示処理部905は、有効投写領域のリストとウインドウ情報とを比較し、有効投写領域が含まれるウインドウを検出する。そして、表示処理部905は、当該有効投写領域の表示倍率を、当該有効投写領域が当該ウインドウ内に収まるようなアスペクト比に変更し、当該ウインドウ内にズーム投写する。
【0053】
ここで、図12を参照しながら、ステップS1005〜S1007までの処理を具体的に説明する。図12(a)は、情報処理装置100の画面にて1つのウインドウが表示され、1つの有効投写領域が特定された場合における投写状況を示している。図12(a)において、1201aは、図9における情報処理装置900に相当するものである。1202aは、図9における投写装置901に相当するものである。1203aは、図9におけるスクリーン906に相当するものである。1204aは、ステップS1003において一定時間内に画像データの動きが継続的に検出され、有効投写領域として特定された領域である。この有効投写領域1204aが、1203aに示すようにウインドウ内に収まるようなアスペクト比に変更され、ズーム投写される。
【0054】
図12(b)は、情報処理装置100の画面にて複数のウインドウが表示され、1つの有効投写領域が特定された場合における投写状況を示している。図12(b)において、1201bは、図9における情報処理装置900に相当するものである。1202bは、図9における投写装置901に相当するものである。1203bは、図9におけるスクリーン906に相当するものである。1204bは、ステップS1003にて一定時間内に画像データの動きが継続的に検出され、有効投写領域として特定された領域である。上述したように、情報処理装置100の画面にて複数のウインドウが表示され、且つ1つの有効投写領域が特定された場合には、有効投写領域1204bは、当該有効投写領域1204bが含まれるウインドウ1205b内にズーム投写される。
【0055】
図12(c)は、情報処理装置100の画面にて複数のウインドウが表示され、複数の有効投写領域が特定された場合における投写状況を示している。図12(c)において、1201cは、図9における情報処理装置900に相当するものである。1202cは、図9における投写装置901に相当するものである。1203cは、図9におけるスクリーン906に相当するものである。1204c及び1205cは、ステップS1003にて一定時間内に画像データの動きが継続的に検出され、有効投写領域として特定された領域である。上述したように、情報処理装置100の画面にて複数のウインドウが表示され、且つ複数の有効投写領域が特定された場合には、有効投写領域1204cは、当該有効投写領域1204cが含まれるウインドウ1206c内においてズーム投写され、有効投写領域1205cは、当該有効投写領域1205cが含まれるウインドウ1207c内においてズーム投写される。従って、情報処理装置100の画面にて複数のウインドウが表示され、且つ複数の有効投写領域が特定された場合には、各有効投写領域はそれぞれのウインドウ内にてズーム投写される。
【0056】
以上のように、本実施形態によれば、投写装置901は有効投写領域を自動解析し、有効投写領域を対象となるウインドウ内にズーム投写することが可能となる。
【0057】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0058】
100、900:情報処理装置、101、901:投写装置、102、902:外部信号入力部、103、903:ズーム投写制御部、104、904:投写領域特定部、105、905:表示処理部、106、906:スクリーン、907:制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、PC等の情報処理装置において表示される画像をスクリーン等に投写する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータ(以下、PCと称す)の普及に伴い、PCをプロジェクタ等の投写装置と接続し、PCの画面を投写装置にて投写するプレゼンテーションが盛んに行われている。一般的に、プロジェクタ等の投写装置は、PCの画面に表示されている画像と同じ画像を投写する。故に、PCの画面に表示されている画像内に、メニューバー等の本来投写しても意味のない領域が含まれている場合においても、PCの画面に表示されている画像と同じ画像が投写されるため、限られた投写領域を有効に活用しているとは言い難い。
【0003】
そこで、PCの画面の特定領域のみを投写する技術として、特許文献1に開示される技術が知られている。具体的には、特許文献1に開示される技術は、PCの画面上でマウス操作等により投写領域を選択し、選択された投写領域の座標情報をプロジェクタに送信する。プロジェクタは、PCより通知された座標情報に基づいて投写領域を特定し、投写領域に該当する画像を投写する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−62865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示される技術は、ある特定領域をズームして投写する際は、ユーザがPC側でズームする領域を選択し、選択された領域の座標情報を投写装置側に通知する。従って、ズームする領域を選択するための特別な操作を定義する必要があり、利便性がよいとは言い難いものであった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、特別な操作を定義することなく、ズーム投写を最適に行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の投写装置は、画像データを入力する入力手段と、前記画像データ内の動きを解析し、動きを検出した領域を投写領域として特定する特定手段と、前記特定手段により特定された投写領域をズームして投写する投写手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、特別な操作を定義することなく、ズーム投写を最適に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る投写装置の機能的な構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る投写装置の処理を示すフローチャートである。
【図3】投写領域特定部が有効投写領域を特定する処理の詳細を示すフローチャートである。
【図4】ステップS304の処理について具体的に説明するための図である。
【図5】投写領域特定部によって管理される有効投写領域のリストの一例を示す図である。
【図6】ステップS207において表示レイアウトが決定される際に用いられるダイアログの一例を示す図である。
【図7】ステップS205〜S210までの処理について具体的に説明するための図である。
【図8】ステップS205〜S210までの処理について具体的に説明するための図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る投写装置の機能的な構成を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る投写装置の処理を示すフローチャートである。
【図11】ウインドウ情報の一例を示す図である。
【図12】ステップS1005〜S1007までの処理を具体的に説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を適用した好適な実施形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、飽くまでも本発明の適用例の一部を示したものであり、本発明の技術的範囲がこれらの実施形態に限定されるものではない。
【0012】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る投写装置の機能的な構成を示す図である。以下では、投写装置の主要部について説明を行うが、当該主要部以外の構成を備えていても勿論構わない。
【0013】
図1において、100は情報処理装置であり、PC等のように画像データと制御データとを出力する装置である。101は投写装置であり、プロジェクタ等のように情報処理装置100から入力した画像データをスクリーンに投写する装置である。102は外部信号入力部であり、情報処理装置100から画像データを入力する。103はズーム投写制御部であり、投写装置101が有する投写ボタン(不図示)の操作により、ズーム投写モードと通常投写モードとを切り替えるための制御情報を出力する。
【0014】
104は投写領域特定部であり、情報処理装置100から入力した画像データを解析し、当該画像データ内の有効投写領域を特定するとともに、特定した有効投写領域のリストを管理する。なお、投写領域特定部104は、1つの画像データから任意の数の有効投写領域を特定することが可能である。
【0015】
105は表示処理部であり、ズーム投写制御部103からの制御情報に従ってズーム投写モード、通常投写モード間でモードを切り替えて、投写領域特定部104にて特定された有効投写領域を投写する。106は投写装置101によって有効投写領域が投写されるスクリーンである。
【0016】
図2は、第1の実施形態に係る投写装置101の処理を示すフローチャートである。以下、図2を参照しながら、第1の実施形態に係る投写装置101の処理について説明する。
【0017】
ステップS201において、外部信号入力部102は、情報処理装置100から画像データ及びカーソルの座標情報等の各種操作情報を受信する。ステップS202において、ズーム投写制御部103は、投写装置101の投写ボタンがONであるかOFFであるかを判定する。投写ボタンがONである場合、処理はステップS203に移行する。一方、投写ボタンがOFFである場合、処理はステップS211に移行する。
【0018】
ステップS203において、投写領域特定部104は画像データの有効投写領域を特定する。ここで、図3を参照しながら、ステップS203の処理について詳細に説明する。図3は、投写領域特定部104が有効投写領域を特定する処理の詳細を示すフローチャートである。
【0019】
ステップS301において、投写領域特定部104は、情報処理装置100の画面に表示されている画像データの動きを検出する。具体的には、投写領域特定部104は、ユーザの情報処理装置100側における十字キー操作、スクロールバー操作等を検知することにより、特定のウインドウ内の画像データの動きを検出する。即ち、例えばユーザが情報処理装置100側で十字キー操作やスクロールバー操作等を行うと、情報処理装置100からカーソルの座標情報等の各種操作情報が投写装置101に通知される。投写装置101は、情報処理装置100から通知された各種操作情報に基づいて、画像データの動きを検知する。その他、情報処理装置100側から一定時間毎に送信される画像データを投写装置101側でメモリ等に蓄積しておき、投写装置101が画像データを適宜比較して差分を算出することにより、画像データの動きを検出するようにしてもよい。なお、画像データの動きを検出する方法は、以上の方法に限定されるものではない。
【0020】
ステップS302において、投写領域特定部104は、不図示のタイマ機能を用いて一定時間をカウントする。ステップS303において、投写領域特定部104は、ステップS302でカウントした一定時間内に画像データの動きを継続的に検出したか否かを判定する。一定時間内に画像データの動きが継続して検知された場合、処理はステップS304に移行する。一方、一定時間内に画像データの動きが継続して検知されなかった場合、処理はステップS306に移行する。ステップS304において、投写領域特定部104は、一定時間内に動きが継続的に検出された領域の画像データを、有効投写領域として決定する。
【0021】
ここで、図4を参照しながら、ステップS304の処理について具体的に説明する。図4において、401は、図1における情報処理装置100に相当するものである。402は、図1における投写装置101に相当するものである。403は、図1におけるスクリーン106に相当するものである。404は、図3におけるステップS301〜S304により、一定時間内に画像データの動きが継続的に検出され、有効投写領域として特定された領域である。405は、スクリーン106上に投写された有効投写領域である。406は、有効投写領域404の始点座標である。ここでは、座標軸を情報処理装置401の画面における左上を基点とし、始点座標を(X1,Y1)とする。なお、座標軸のとり方は、上記の態様に限定されるものではない。407は、有効投写領域404の終点座標である。上述した始点座標と同様に、座標軸を情報処理装置401の画面における左上を基点とし、終点座標を(X2,Y2)とする。なお、本実施形態では、始点座標406及び終点座標407によって有効投写領域を特定しているが、有効投写領域の特定方法は、この方法に限定されるものではない。以上のように、ステップS304においては、投写装置101は、有効投写領域の始点座標406及び終点座標407を用いて有効投写領域を特定する。
【0022】
図3の説明に戻る。ステップS305において、投写領域特定部104は、有効投写領域決定フラグをONに設定する。ステップS306において、投写領域特定部104は、有効投写領域決定フラグをOFFに設定する。なお、ステップS305及びS306で設定される有効投写領域決定フラグは、後に続く処理を区別するためのフラグである。但し、後に続く処理を区別するための方法は、有効投写領域決定フラグを用いた方法に限定されない。以上が図2のステップS203の詳細説明である。
【0023】
図2の説明に戻る。ステップS204において、表示処理部105は、有効投写領域決定フラグがONであるかOFFであるかを判定する。有効投写領域決定フラグがONである場合、処理はステップS205に移行する。一方、有効投写領域決定フラグがOFFである場合、処理はステップS211に移行する。
【0024】
ステップS211において、表示処理部105は通常投写モードを実行する。ステップS205において、表示処理部105は有効投写領域の数を判定する。有効投写領域の数が1つである場合、処理はステップS206に移行する。一方、有効投写領域数が2つ以上である場合、処理はステップS207に移行する。
【0025】
ここで、図5を参照しながら、ステップS205の処理について具体的に説明する。図5は、投写領域特定部104によって管理される有効投写領域のリストの一例を示す図である。図5において、行501はリスト番号1のデータ、行502はリスト番号2のデータを表す。列503は有効投写領域の始点X座標Xsを表し、列504は有効投写領域の始点Y座標Ysを表す。列505は有効投写領域の終点X座標Xeを表し、列506は有効投写領域の終点Y座標Yeを表す。図5の例では、リストが2つ存在し、1つ目のリストは、始点座標が(Xs,Ys)=(150,300)、終点座標が(Xe,Ye)=(500,600)である。一方、2つ目のリストは、始点座標が(Xs,Ys)=(300,450)、終点座標が(Xe,Ye)=(900,800)である。
【0026】
有効投写領域のリストがリセットされるタイミングは、投写装置101の電源がOFFされたタイミングでもよいし、投写ボタンがOFFされたタイミング(ズーム投写モードから通常投写モードに切り換えられたタイミング)でもよい。有効投写領域のリストをリセットするタイミングは、特に上記のタイミングに限定されるものではない。なお、図5に示す有効投写領域のリストは飽くまでも一例であり、この態様に限定されるものではない。
【0027】
ステップS205において、表示処理部105は、投写領域特定部104が管理している有効投写領域のリストを参照することにより、有効投写領域の数を判定することができる。図5の例の場合には、有効投写領域の数は2つと判定される。
【0028】
ステップS206において、表示処理部105は、投写領域特定部104にて特定された有効投写領域の表示倍率を、単画面投写用のアスペクト比に応じて変更する。ステップS207において、表示処理部105は、画像データの表示レイアウトを決定する。
【0029】
ここで、図6を参照しながら、ステップS207の処理について具体的に説明する。図6は、ステップS207において表示レイアウトが決定される際に用いられるダイアログの一例を示す図である。
【0030】
図6において、601は、表示レイアウトが決定される際にユーザに対して提示されるダイアログである。ステップS207においては、先ずダイアログ601がユーザに対して提示される。ユーザは、表示レイアウトとして単画面表示を選択する場合、単画面表示ボタン602を操作し、表示レイアウトとして複数画面表示を選択する場合、複数画面表示ボタン603を操作する。これにより、表示レイアウトが決定される。本実施形態においては、ダイアログ601をユーザに対して提示し、表示レイアウトをユーザに選択させているが、この方法は飽くまでも一例であって、この方法に限定されるものではない。
【0031】
図2の説明に戻る。ステップS208において、表示処理部105は、決定した表示レイアウトが単画面表示であるか、複数画面表示であるかを判定する。表示レイアウトが単画面表示である場合、処理はステップS206に移行する。一方、表示レイアウトが複数画面表示である場合、処理はステップS209に移行する。なお、表示レイアウトが単画面表示である場合に移行するステップS206の説明は、上述した通りであるため、ここでは割愛する。
【0032】
ステップS209において、表示処理部105は、投写領域特定部104にて特定された有効投写領域の表示倍率を、複数画面表示用のアスペクト比に応じて変更する。ステップS210において、表示処理部105は、ズーム投写モードを実行する。即ち、表示処理部105は、ステップS206又はS209にて変更した表示倍率に基づいて有効投写領域をズームし、スクリーン106に投写する。
【0033】
ここで、図7及び図8を参照しながら、ステップS205〜S210までの処理について具体的に説明する。先ず、図7を参照しながら、有効投写領域が1つの領域である場合について説明する。
【0034】
図7(a)は、情報処理装置100の画面にて1つのウインドウが表示され、1つの有効投写領域が特定された場合、当該有効投写領域の表示倍率を単画面表示用のアスペクト比に応じて変更し、投写した状況を示している。図7(a)において、701aは、図1における情報処理装置100に相当するものである。702aは、図1における投写装置101に相当するものである。703aは、図1におけるスクリーン106に相当するものである。704aは、図3におけるステップS301〜S304において一定時間内に画像データの動きが継続的に検出され、有効投写領域として特定された領域である。投写装置101は、有効投写領域を特定すると、有効投写領域の表示倍率をスクリーン703aのアスペクト比に応じて変更し、ズーム投写を行う。
【0035】
一方、図7(b)は、情報処理装置100の画面にて複数のウインドウがマルチ表示され、1つの有効投写領域が特定された場合、当該有効投写領域の表示倍率を複数画面表示用のアスペクト比に応じて変更し、投写した状況を示している。ここでは、情報処理装置100の画面上に2つのウインドウをマルチ表示している場合を例に挙げて説明する。図7(b)において、701bは、図1における情報処理装置100に相当するものである。702bは、投写装置101に相当するものである。703bは、スクリーン106に相当するものである。704bは、図3におけるステップS301〜S304において一定時間内に画像データの動きが継続的に検出され、有効投写領域として特定された領域である。投写装置101は、有効投写領域を特定すると、有効投写領域の表示倍率をスクリーン703bのアスペクト比に応じて変更し、ズーム投写を行う。
【0036】
次に、図8を参照しながら、有効投写領域が2つの領域以上である場合について説明する。図8(a)は、情報処理装置100の画面にて複数のウインドウがマルチ表示され、2つの有効投写領域が特定された場合、当該2つの有効投写領域のうちの1つの有効投写領域の表示倍率を単画面表示用のアスペクト比に応じて変更し、投写した状況を示している。図8(a)において、801aは、図1における情報処理装置100に相当するものである。802aは、投写装置101に相当するものである。803aは、図1におけるスクリーン106に相当するものである。804a及び805aは、図3におけるステップS301〜S304において一定時間内に画像データの動きが継続的に検出され、有効投写領域として特定された領域である。ここでは、804a、805aの順に有効投写領域が特定されたものとする。
【0037】
本実施形態では、複数の有効投写領域が特定され、且つユーザが表示レイアウトとして単画面表示を選択した場合、特定された日時が最新である有効投写領域を優先的にズーム投写するものとする。従って、スクリーン803a上には、日時が最新である有効投写領域805aの表示倍率がスクリーン803aのアスペクト比に応じて変更され、ズーム投写されることになる。なお、どの有効投写領域を優先して単画面表示するかに関しては、有効投写領域をサムネイル表示形式で一覧表示させ、ユーザに選択させてもよいし、プライオリティを予め付加しておき、それに従って自動的に決定するようにしてもよい。なお、どの有効投写領域を優先して単画面表示するかは、以上に説明した方法に限定されるものではない。
【0038】
また、単画面表示と複数画面表示とをユーザが容易に切り替え可能となるよう、806aに示すような切替ボタンを表示してもよい。なお、この切替ボタン806aは投写装置101に搭載してもよく、切替ボタン806aを搭載する態様は特に限定されるものではない。
【0039】
図8(b)は、情報処理装置100の画面にて複数のウインドウがマルチ表示され、2つの有効投写領域が特定された場合、当該2つの有効投写領域の表示倍率を複数画面表示用のアスペクト比に応じて変更し、投写した状況を示している。図8(b)において、801bは、図1における情報処理装置100に相当するものである。802bは、図1における投写装置101に相当するものである。803bは、図1におけるスクリーン106に相当するものである。804b及び805bは、図3におけるステップS301〜S304において一定時間内に画像データの動きが継続的に検出され、有効投写領域として特定された領域である。
【0040】
上述のように、複数の有効投写領域が特定され、且つユーザが表示レイアウトとして複数画面表示を選択した場合、複数の有効投写領域をズーム投写する。従って、スクリーン803a上には、有効投写領域804b及び805bの表示倍率がスクリーン803aのアスペクト比に応じて変更され、マルチでズーム投写されることになる。
【0041】
また、単画面表示と複数画面表示とをユーザが容易に切り替え可能となるよう、806bに示すような切替ボタンを表示してもよい。なお、この切替ボタン806bは投写装置101に搭載してもよく、切替ボタン806bを搭載する態様は特に限定されるものではない。
【0042】
以上のように、本実施形態によれば、投写装置101は有効投写領域を自動解析し、有効投写領域を単画面表示用又は複数画面表示用のアスペクト比に応じて変更して、ズーム投写することが可能となる。
【0043】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。以下では、第2の実施形態について第1の実施形態との差異を中心に説明する。
【0044】
図9は、本発明の第2の実施形態に係る投写装置の機能的な構成を示す図である。以下、投写装置901の主要部についてのみ説明するが、これ以外の構成を備えていてもよい。なお、図9における900〜906は、図1における100〜106と同様の構成であるため、それらの説明は省略する。907は制御部であり、情報処理装置900から後述するウインドウ情報を取得し、制御を行う。
【0045】
図10は、第2の実施形態に係る投写装置901の処理を示すフローチャートである。以下、図10を参照しながら、第2の実施形態に係る投写装置901の処理について説明する。
【0046】
ステップS1001において、外部信号入力部902は、情報処理装置99から画像データ及びカーソルの座標情報等の各種操作情報を受信する。ステップS1002において、ズーム投写制御部903は、投写装置901の投写ボタンがONであるかOFFであるかを判定する。投写ボタンがONである場合、処理はステップS1003に移行する。一方、投写ボタンがOFFである場合、処理はステップS1008に移行する。
【0047】
ステップS1003において、投写領域特定部104は画像データの有効投写領域を特定する。本ステップの詳細は、図3を用いて説明した内容と同様であるため、説明は省略する。ステップS1004において、表示処理部905は、有効投写領域決定フラグがONであるかOFFであるかを判定する。この有効投写領域決定フラグは、上述したステップS1003、即ち、図3におけるステップS301〜S306と同様の処理により設定されるフラグである。有効投写領域決定フラグがONである場合、処理はステップS1005に移行する。一方、有効投写領域決定フラグがOFFである場合、処理はステップS1008に移行する。
【0048】
ステップS1008において、表示処理部905は通常投写モードを実行する。ステップS1005において、制御部907は、情報処理装置900からウインドウ情報を受信する。情報処理装置900と制御部907間のウインドウ情報の伝送方法としては、例えばVESAで規格化されているDDCやRS−232C等を使用してもよいし、又は、その他のシリアル通信若しくはパラレル通信を使用してもよい。
【0049】
ここで、図11を参照しながら、ステップS1005において制御部907が受信するウインドウ情報について具体的に説明する。図11は、ウインドウ情報の一例を示す図である。なお、図11に示すウインドウ情報は飽くまでも一例であり、この態様に限定されるものではない。図11において、行1101はリスト番号1のデータ、行1102はリスト番号2のデータを表す。列1103はウインドウの始点X座標WXsを表し、列1104はウインドウの始点Y座標WYsを表す。列1105はウインドウの終点X座標WXeを表し、列1106はウインドウの終点Y座標WYeを表す。図11の例では、リストが2つ存在し、1つ目のリストは、始点座標が(Xs,Ys)=(150,200)、終点座標が(Xe,Ye)=(500,600)である。一方、2つ目のリストは、始点座標が(Xs,Ys)=(300,300)、終点座標が(Xe,Ye)=(900,800)となる。
【0050】
なお、制御部907におけるウインドウ情報の受信タイミングは、情報処理装置900から適宜受信してもよいし、ウインドウ情報に変更があった場合にのみ情報処理装置900から受信してもよい。なお、制御部907におけるウインドウ情報の受信タイミングは、上述したタイミングに限定されるものではない。
【0051】
図10の説明に戻る。ステップS1006において、表示処理部905は、制御部907が受信したウインドウ情報に基づいて、ステップS1003において特定された有効投写領域の表示倍率を、当該有効投写領域が対象のウインドウ内に収まるようなアスペクト比に変更する。
【0052】
ステップS1007において、表示処理部905は、ステップS1006にて表示倍率が変更された有効投写領域を、対象のウインドウ内にズーム投写する。なお、情報処理装置100の画面上に複数のウインドウが存在する場合、表示処理部905は、有効投写領域のリストとウインドウ情報とを比較し、有効投写領域が含まれるウインドウを検出する。そして、表示処理部905は、当該有効投写領域の表示倍率を、当該有効投写領域が当該ウインドウ内に収まるようなアスペクト比に変更し、当該ウインドウ内にズーム投写する。
【0053】
ここで、図12を参照しながら、ステップS1005〜S1007までの処理を具体的に説明する。図12(a)は、情報処理装置100の画面にて1つのウインドウが表示され、1つの有効投写領域が特定された場合における投写状況を示している。図12(a)において、1201aは、図9における情報処理装置900に相当するものである。1202aは、図9における投写装置901に相当するものである。1203aは、図9におけるスクリーン906に相当するものである。1204aは、ステップS1003において一定時間内に画像データの動きが継続的に検出され、有効投写領域として特定された領域である。この有効投写領域1204aが、1203aに示すようにウインドウ内に収まるようなアスペクト比に変更され、ズーム投写される。
【0054】
図12(b)は、情報処理装置100の画面にて複数のウインドウが表示され、1つの有効投写領域が特定された場合における投写状況を示している。図12(b)において、1201bは、図9における情報処理装置900に相当するものである。1202bは、図9における投写装置901に相当するものである。1203bは、図9におけるスクリーン906に相当するものである。1204bは、ステップS1003にて一定時間内に画像データの動きが継続的に検出され、有効投写領域として特定された領域である。上述したように、情報処理装置100の画面にて複数のウインドウが表示され、且つ1つの有効投写領域が特定された場合には、有効投写領域1204bは、当該有効投写領域1204bが含まれるウインドウ1205b内にズーム投写される。
【0055】
図12(c)は、情報処理装置100の画面にて複数のウインドウが表示され、複数の有効投写領域が特定された場合における投写状況を示している。図12(c)において、1201cは、図9における情報処理装置900に相当するものである。1202cは、図9における投写装置901に相当するものである。1203cは、図9におけるスクリーン906に相当するものである。1204c及び1205cは、ステップS1003にて一定時間内に画像データの動きが継続的に検出され、有効投写領域として特定された領域である。上述したように、情報処理装置100の画面にて複数のウインドウが表示され、且つ複数の有効投写領域が特定された場合には、有効投写領域1204cは、当該有効投写領域1204cが含まれるウインドウ1206c内においてズーム投写され、有効投写領域1205cは、当該有効投写領域1205cが含まれるウインドウ1207c内においてズーム投写される。従って、情報処理装置100の画面にて複数のウインドウが表示され、且つ複数の有効投写領域が特定された場合には、各有効投写領域はそれぞれのウインドウ内にてズーム投写される。
【0056】
以上のように、本実施形態によれば、投写装置901は有効投写領域を自動解析し、有効投写領域を対象となるウインドウ内にズーム投写することが可能となる。
【0057】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0058】
100、900:情報処理装置、101、901:投写装置、102、902:外部信号入力部、103、903:ズーム投写制御部、104、904:投写領域特定部、105、905:表示処理部、106、906:スクリーン、907:制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを入力する入力手段と、
前記画像データ内の動きを解析し、動きを検出した領域を投写領域として特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された投写領域をズームして投写する投写手段とを有することを特徴とする投写装置。
【請求項2】
前記投写手段は、前記特定手段により一つの投写領域が特定された場合、前記一つの投写領域の表示倍率を当該投写装置のアスペクト比に応じて変更することを特徴とする請求項1に記載の投写装置。
【請求項3】
前記投写手段は、前記特定手段により複数の投写領域が特定され、且つ、一つの画面を表示するモードが選択された場合、前記複数の投写領域のうちの何れか一つの投写領域の表示倍率を当該投写装置のアスペクト比に応じて変更することを特徴とする請求項1に記載の投写装置。
【請求項4】
前記投写手段は、前記特定手段により複数の投写領域が特定され、且つ、複数の画面を表示するモードが選択された場合、前記複数の投写領域の表示倍率を当該投写装置のアスペクト比に応じて変更することを特徴とする請求項1に記載の投写装置。
【請求項5】
ウインドウの座標情報を取得する取得手段を更に有し、
前記投写手段は、前記特定手段により特定された投写領域の表示倍率を、前記投写領域が前記ウインドウ内に収まるようなアスペクト比に変更し、前記投写領域を前記ウインドウ内に投写することを特徴とする請求項1に記載の投写装置。
【請求項6】
画像データを入力する入力ステップと、
前記画像データ内の動きを解析し、動きを検出した領域を投写領域として特定する特定ステップと、
前記特定ステップにより特定された投写領域をズームして投写する投写ステップとを有することを特徴とする投写装置の制御方法。
【請求項7】
画像データを入力する入力ステップと、
前記画像データ内の動きを解析し、動きを検出した領域を投写領域として特定する特定ステップと、
前記特定ステップにより特定された投写領域をズームして投写する投写ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項1】
画像データを入力する入力手段と、
前記画像データ内の動きを解析し、動きを検出した領域を投写領域として特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された投写領域をズームして投写する投写手段とを有することを特徴とする投写装置。
【請求項2】
前記投写手段は、前記特定手段により一つの投写領域が特定された場合、前記一つの投写領域の表示倍率を当該投写装置のアスペクト比に応じて変更することを特徴とする請求項1に記載の投写装置。
【請求項3】
前記投写手段は、前記特定手段により複数の投写領域が特定され、且つ、一つの画面を表示するモードが選択された場合、前記複数の投写領域のうちの何れか一つの投写領域の表示倍率を当該投写装置のアスペクト比に応じて変更することを特徴とする請求項1に記載の投写装置。
【請求項4】
前記投写手段は、前記特定手段により複数の投写領域が特定され、且つ、複数の画面を表示するモードが選択された場合、前記複数の投写領域の表示倍率を当該投写装置のアスペクト比に応じて変更することを特徴とする請求項1に記載の投写装置。
【請求項5】
ウインドウの座標情報を取得する取得手段を更に有し、
前記投写手段は、前記特定手段により特定された投写領域の表示倍率を、前記投写領域が前記ウインドウ内に収まるようなアスペクト比に変更し、前記投写領域を前記ウインドウ内に投写することを特徴とする請求項1に記載の投写装置。
【請求項6】
画像データを入力する入力ステップと、
前記画像データ内の動きを解析し、動きを検出した領域を投写領域として特定する特定ステップと、
前記特定ステップにより特定された投写領域をズームして投写する投写ステップとを有することを特徴とする投写装置の制御方法。
【請求項7】
画像データを入力する入力ステップと、
前記画像データ内の動きを解析し、動きを検出した領域を投写領域として特定する特定ステップと、
前記特定ステップにより特定された投写領域をズームして投写する投写ステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−222565(P2012−222565A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85591(P2011−85591)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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