説明

投射型画像表示装置

【課題】ユーザビリティに優れた投射型画像表示装置を提供する。
【解決手段】この投射型画像表示装置1は、待機モードと画像表示モードとを含む複数の動作モードで動作する投射型画像表示装置であって、画像信号を受信する画像信号受信部10と、画像信号受信部で受信した画像信号に基づいて、画像を表示するための処理を行う画像表示処理部20と、動作モードが待機モードに設定されている場合には画像表示処理部に電力を供給せず、動作モードが画像表示モードに設定されている場合には画像表示処理部に電力を供給する電力供給制御部60と、を含む。電力供給制御部60は、動作モードが待機モードに設定されているときに、画像受信部に画像信号が入力されたことを検出すると、画像表示処理部への電力供給を開始する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投射型画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザに画像を視覚させるために、スクリーン等に画像を投射する投射型画像表示装置が知られている。
【0003】
通常、投射型画像表示装置を利用する際には、投射型画像表示装置の他に、投射型画像表示装置に画像信号を入力するための機器(DVDプレーヤーやパーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、デジタルビデオ、ゲーム機等)や、画像を投射するためのスクリーン等を操作する必要がある。
【特許文献1】特開2005−43683号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
投射型画像表示装置のユーザビリティを向上させるためには、視聴開始までに要するユーザの操作を減らすことが重要である。
【0005】
本発明は、ユーザビリティに優れた投射型画像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係る投射型画像表示装置は、
待機モードと画像表示モードとを含む複数の動作モードに設定されて動作する投射型画像表示装置であって、
画像信号を受信する画像信号受信部と、
前記画像信号受信部で受信した前記画像信号に基づいて、画像を表示するための処理を行う画像表示処理部と、
前記動作モードが前記待機モードに設定されている場合には前記画像表示処理部に電力を供給せず、前記動作モードが前記画像表示モードに設定されている場合には前記画像表示処理部に電力を供給する電力供給制御部と、
を含み、
前記電力供給制御部は、
前記動作モードが前記待機モードに設定されているときに、前記画像受信部に前記画像信号が入力されたことを検出すると、前記画像表示処理部への電力供給を開始する。
【0007】
本発明に係る投射型画像表示装置は、画像信号受信部に画像信号が入力されると、画像表示処理部に電力が供給される。そして、画像表示処理部は、電力が供給されることによって、画像表示処理が可能な状態(画像投射モード)となる。すなわち、この投射型画像表示装置によると、ユーザの操作がなくても、画像信号が入力されたことをトリガとして、画像表示処理が可能な状態に設定される。そのため、画像表示処理を開始するまでに必要なユーザの操作を、少なくすることができる。
【0008】
また、本発明に係る投射型画像表示装置は、画像信号受信部(画像信号受信部に画像信号が入力したことを検出する検出部)のみに電力を供給することで、待機モードの動作が可能になる。そのため、待機モードの消費電力を小さくすることができる。
【0009】
(2)この投射型画像表示装置において、
前記電力供給制御部は、
前記動作モードが前記画像表示モードに設定されているときに、前記画像受信部への前記画像信号の入力が停止したことを検出すると、前記画像表示処理部への電力供給を停止してもよい。
【0010】
これによると、画像受信部への画像信号の入力が停止したときに、画像表示処理部への電力の供給が停止される。すなわち、ユーザの操作がなくても、動作モードを待機モードに移行させることが可能な、ユーザビリティに優れた投射型画像表示装置を提供することができる。
【0011】
また、これによると、画像信号受信部への画像信号の入力が停止すると、直ちに、画像表示処理部への電力の供給を停止する処理を開始することができる。そのため、消費電力を低下させることが可能な、投射型画像表示装置を提供することができる。
【0012】
(3)この投射型画像表示装置において、
電動スクリーンを開張又は収納させるための制御信号を出力する電動スクリーン制御部をさらに含み、
前記電動スクリーン制御部は、
前記動作モードが前記待機モードに設定されているときに、前記画像受信部に前記画像信号が入力されたことを検出すると、前記電動スクリーンを開張させる制御信号を出力してもよい。
【0013】
これによると、投射型画像表示装置が電動スクリーンを操作するため、ユーザが電動スクリーンを操作する必要がなくなる。すなわち、本発明によると、ユーザの操作を減少させることが可能な、ユーザビリティに優れた投射型画像表示装置(投射型画像表示システム)を提供することができる。
【0014】
(4)この投射型画像表示装置において、
電動スクリーンを開張又は収納させるための制御信号を出力する電動スクリーン制御部をさらに含み、
前記電動スクリーン制御部は、
前記動作モードが前記画像表示モードに設定されているときに、前記画像受信部への前記画像信号の入力が停止したことを検出すると、前記電動スクリーンを収納させる制御信号を出力してもよい。
【0015】
これによると、投射型画像表示装置が電動スクリーンを操作するため、ユーザが電動スクリーンを操作する必要がなくなる。すなわち、本発明によると、ユーザの操作を減少させることが可能な、ユーザビリティに優れた投射型画像表示装置(投射型画像表示システム)を提供することができる。
【0016】
(5)この投射型画像表示装置において、
前記画像信号受信部は、複数種類の画像入力端子に電気的に接続されており、
前記画像信号受信部が受信した前記画像信号の種類情報に基づいて、いずれかの前記画像入力端子を選択する選択処理部をさらに含んでいてもよい。
【0017】
これによると、ユーザが、画像信号受信部に入力される画像信号の種類に応じて、画像入力端子(画像入力モード)を選択する操作を行う必要がなくなる。すなわち、本発明によると、ユーザの操作を減少させることが可能な、ユーザビリティに優れた投射型画像表示装置(投射型画像表示システム)を提供することができる。
【0018】
なお、この投射型画像表示装置は、画像信号を入力するための複数のケーブルが常に接続されている、ホール等に常設されるプロジェクタであってもよい。
【0019】
(6)この投射型画像表示装置において、
前記選択処理部は、
複数種類の画像入力端子の優先順位を示す優先順位情報に基づいて、前記画像入力端子を選択してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を適用した実施の形態について図面を参照して説明する。ただし、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。また、本発明は、以下の実施の形態及び変形例を自由に組み合わせたものを含むものとする。
【0021】
以下、本発明を適用した実施の形態に係る投射型画像表示装置1について説明する。本実施の形態に係る投射型画像表示装置1は、待機モードと画像表示モードを含む複数の動作モードに設定されて動作する。ここで、待機モードとは、投射型画像表示装置1が画像を表示する動作を行わない状態を指す。投射型画像表示装置1の省電力化を実現するためには、投射型画像表示装置1が待機モードにあるときに、投射型画像表示装置1の消費電力を極力削減することが好ましい。また、画像表示モードとは、投射型画像表示装置1が画像を表示する動作を行う状態を指す。画像表示モードとは、例えば、画像表示処理部20(放電灯ユニット30又は画像処理ユニット40)に電力が供給されている状態を指してもよい。以下、図1〜図6を参照して、投射型画像表示装置1について説明する。
【0022】
本実施の形態に係る投射型画像表示装置1は、図1に示すように、画像信号を受信する画像信号受信部10を含む。本実施の形態では、画像信号受信部10は、複数種類の画像信号を受信することが可能に構成されていてもよい。すなわち、画像信号受信部10は、複数の画像入力端子に電気的に接続されて、これらの複数の画像入力端子を介して入力される画像信号を受信可能に構成されていてもよい。画像信号受信部10は、具体的には、HDMIやコンポーネント、D端子、S端子、コンポジット、D−Sub等用の画像入力端子に電気的に接続され、これらの端子(インターフェース)を介して画像信号を受信可能に構成されていてもよい。
【0023】
本実施の形態に係る投射型画像表示装置1は、図1に示すように、画像信号受信部10が画像信号を受信したことを検出する検出部12を含んでいてもよい。検出部12は、画像信号受信部10が画像信号を受信したことを検出して(投射型画像表示装置1に画像信号が入力されたことを検出して)、検出信号を出力するように構成されていてもよい。
【0024】
本実施の形態に係る投射型画像表示装置1は、図1に示すように、放電灯ユニット30を含む。放電灯ユニット30は、放電灯32と、放電灯32の制御を行う放電灯制御部34とを含む。放電灯32は、白色光を出射する光源であってもよい。放電灯制御部34は、放電灯32を起動させ、点灯させ、消灯させるための制御を行う。放電灯制御部34は、放電灯32に駆動電力を供給する制御を行ってもよい。放電灯制御部34は、所定のハードウエア回路によって実現してもよい。
【0025】
本実施の形態に係る投射型画像表示装置1は、図1に示すように、画像処理ユニット40を含む。画像処理ユニット40は、投射型画像表示装置1に所与の画像を表示させるための処理を行う。以下、画像処理ユニット40について説明する。
【0026】
画像処理ユニット40は、放電灯32から出射される光を変調させる変調部42を含む。変調部42は、放電灯32から出射した光(白色光)を変調させることによって、所定の画像を生成する。すなわち、放電灯32から出射されて、変調部42で変調された光(変調部42を透過した光)が、投射レンズ36を介してスクリーン(電動スクリーン72)などに投射されて所望の画像となる。
【0027】
画像処理ユニット40は、また、変調部42の駆動を制御する駆動制御部44を含む。駆動制御部44は、変調部42の駆動を制御して、所望の画像を生成させるための処理を行う。
【0028】
本実施の形態では、変調部42及び駆動制御部44は、特定の技術に限られるものではなく、既に公知となっているいずれかの技術を適用することができる。例えば変調部42は液晶パネルを含んでいてもよい。そして、駆動制御部44は、該液晶パネルを制御するLCDドライバであってもよい。駆動制御部44で、液晶パネルの画素毎の光の透過率を設定することで、所望の画像を生成することができる。
【0029】
なお、変調部42は、放電灯32から出射された光(白色光)をRGBの各色光に分離する分離光学系と、分離されたそれぞれの各色光をそれぞれ変調させる液晶パネル(3個の液晶パネル)を含んでいてもよい。そして、画像処理ユニット40は、液晶パネルを透過したRGBの各成分の光を合成することで、所望の画像を生成するように構成されていてもよい。
【0030】
画像処理ユニット40は、また、画像処理部46を含む。画像処理部46は、画像信号受信部10で受信した画像信号に所定の処理を行い、駆動制御部44に入力されるデータを生成する処理を行う。すなわち、駆動制御部44は、画像処理部46から出力された信号に基づいて、変調部42の駆動を制御する処理を行う。
【0031】
本実施の形態に係る投射型画像表示装置1は、図1に示すように、選択処理部50を含んでいてもよい。選択処理部50は、画像信号受信部10が複数の画像入力端子に接続されているときに、画像信号受信部10が受信した画像信号の種類情報に基づいて、いずれかの画像入力端子(いずれかの画像入力端子を介して入力された画像信号)を選択する処理を行う。そして、投射型画像表示装置1では、選択処理部50で選択された画像入力端子を介して入力された画像信号が画像処理部46(画像処理ユニット40)に送信され、所与の画像が表示される。選択処理部50は、画像信号受信部10が単一種類の信号を受信している場合には当該画像信号を入力する画像入力端子を選択し、当該画像信号が画像処理部46に送信される。選択処理部50は、また、画像信号受信部10が複数種類の画像信号を受信している場合にはいずれかの画像信号を入力する画像入力端子を選択し、選択された画像入力端子を介して入力された画像信号が、画像処理部46に送信される。選択処理部50を利用することで、ユーザが画像入力端子(画像信号)を選択する操作を行う必要がなくなるため、投射型画像表示装置1が表示を開始するまでに必要なユーザの操作を少なくすることができる。なお、選択処理部50は、予め設定された、複数種類の画像入力端子(画像信号)の優先順位を示す優先順位情報100(表1参照)に基づいて、画像入力端子を選択してもよい。
【0032】
【表1】

【0033】
なお、表1に示す優先順位情報100は画像入力端子の優先順位の一例であり、本発明はこれに限られるものではない。また、変形例として、投射型画像表示装置は、選択処理部50を有しない構成をなしていてもよい。
【0034】
本実施の形態に係る投射型画像表示装置1は、図1に示すように、電力供給制御部60を含む。電力供給制御部60は、投射型画像表示装置1が待機モードに設定されている場合には画像表示処理部20に電力を供給せず、投射型画像表示装置1が画像表示モードに設定されている場合には画像表示処理部20に電力を供給する。すなわち、電力供給制御部60は、画像表示処理部20への電力の供給を制御する役割を果たしていてもよい。
【0035】
電力供給制御部60は、投射型画像表示装置1の動作モードが待機モードに設定されているときに、画像信号受信部10に画像信号が入力されたことを検出すると、画像表示処理部20に電力を供給する処理を開始する。これにより、画像表示処理部20は動作可能に設定され、投射型画像表示装置1で、画像を表示することが可能になる。すなわち、投射型画像表示装置1の動作モードが、画像表示モードに移行する。
【0036】
電力供給制御部60は、また、投射型画像表示装置1の動作モードが画像表示モードに設定されているときに、画像信号受信部10への画像信号の入力が停止したことを検出すると、画像表示処理部20に電力を供給する処理を停止する。これにより、投射型画像表示装置1の動作モードが、待機モードに移行する。
【0037】
なお、画像表示処理部20とは、投射型画像表示装置1において、画像表示処理(画像投射処理)を行う処理部(制御回路)を指す。本実施の形態では、例えば、放電灯ユニット30及び画像処理ユニット40をあわせて、画像表示処理部20と称してもよい。この場合、画像信号受信部10に画像信号が入力されたことを検出すると、電力供給制御部60から放電灯制御部34に電力が供給され、放電灯制御部34は放電灯32を駆動させる処理を行い、放電灯32から光(白色光)が出射される。また、電力供給制御部60は、画像信号受信部10に画像信号が入力されたことを検出すると、画像処理ユニット40(駆動制御部44及び画像処理部46)に電力を供給し、画像処理ユニット40が、放電灯32から出力された光を変調させて所望の画像を表示させるための処理を行う。
【0038】
ただし本発明はこれに限られるものではなく、例えば、画像処理ユニット40のみを、画像表示処理部20と称してもよい。あるいは、画像処理ユニット40の一部(例えば、駆動制御部44又は画像処理部46のみ)を指して、画像表示処理部20と称してもよい。あるいは、画像処理ユニット40(放電灯ユニット30及び画像処理ユニット40)と選択処理部50とをあわせて、画像表示処理部20と称してもよい。
【0039】
なお、本実施の形態に係る投射型画像表示装置1では、投射型画像表示装置1の動作モードに拘らず、検出部12(画像信号受信部10)には電力が供給されるように構成されていてもよい。これにより、投射型画像表示装置1が待機モードに設定されている場合に、画像信号受信部10に画像信号が入力されたことを検出することができる。また、投射型画像表示装置1が画像表示モードに設定されている場合に、画像信号受信部10への画像信号の入力が停止したことを検出することができる。なお、検出部12(画像信号受信部10)への電力の供給は、電力供給制御部60を利用して行ってもよい。ただし、検出部12(画像信号受信部10)への電力の供給は、電力供給制御部60とは別の電力供給装置(電力供給制御部)を利用して行ってもよい。
【0040】
本実施の形態に係る投射型画像表示装置1は、図1に示すように、スクリーン制御部70を含む。スクリーン制御部70は、電動スクリーン72を開張又は収納させるための制御信号を出力する。スクリーン制御部70は、投射型画像表示装置1の動作モードが待機モードに設定されているときに、画像信号受信部10に画像信号が入力したことを検出すると、電動スクリーン72を開張させる制御信号を出力する。スクリーン制御部70は、また、投射型画像表示装置1の動作モードが画像表示モードに設定されているときに、画像信号受信部10への画像信号の入力が停止したことを検出すると、電動スクリーン72を収納させる制御信号を出力する。これにより、ユーザが電動スクリーン72を制御するための操作を行うことなく、電動スクリーン72を動作させることができる。そのため、ユーザビリティに優れた投射型画像表示装置1を提供することができる。ただし、変形例として、投射型画像表示装置1は、スクリーン制御部70を含まないように構成されていてもよい。スクリーン制御部70は、CPUやメモリを含むマイクロコンピュータで所定のプログラムを実行することによって実現してもよく、専用のハードウエアで実現してもよい。
【0041】
本実施の形態に係る投射型画像表示装置1は、図1に示すように、主制御部80を含んでいてもよい。主制御部80は、投射型画像表示装置1の動作を統括制御する役割を果たす。主制御部80は、投射型画像表示装置1に、画像を表示させるための各処理を行ってもよい。主制御部80は、駆動制御部44及び画像処理部46を動作させ、あるいは、選択処理部50を動作させることによって、投射型画像表示装置1に画像を投射させてもよい。主制御部80の機能は、CPUやメモリを含むマイクロコンピュータで所定のプログラムを実行することによって実現してもよい。
【0042】
なお、本実施の形態に係る投射型画像表示装置1は、動作モードが待機モードに設定されているときに、主制御部80への電力の供給が停止されるように構成されていてもよい。このとき、投射型画像表示装置1は、画像信号受信部10に画像信号が入力されたことを検出して、主制御部80への電力の供給が開始されるように構成されていてもよい。すなわち、主制御部80は、画像表示処理部20の一部であってもよい。これによると、待機モードにおける消費電力を低下させることができる。
【0043】
本実施の形態に係る投射型画像表示装置1は、以上のように構成されていてもよい。図2には、投射型画像表示装置1の具体例としてのプロジェクタ2を示す。
【0044】
次に、図3〜図6を参照して、本実施の形態に係る投射型画像表示装置1の動作について説明する。
【0045】
図3は、投射型画像表示装置1の動作の概要について説明するための図である。
【0046】
投射型画像表示装置1は、はじめに、動作モード(現在の動作モード)が待機モードであるか否かを判定する(ステップS10)。待機モードであるか否かの判断は、例えば、画像信号受信部10への画像信号の入力の有無に基づいて行ってもよい。
【0047】
そして、投射型画像表示装置1の動作モードが待機モードに設定されている場合(ステップS10におけるYesの場合)、画像信号受信部10に画像信号が入力されたか否かを判断する(ステップS12)。画像信号受信部10に画像信号が入力されたことを検出すると(ステップS12におけるYesの場合)、投射型画像表示装置1の動作モードを画像表示モードに設定する処理を行う(ステップS14)。
【0048】
逆に、投射型画像表示装置1の動作モードが画像表示モードに設定されている場合(ステップS10におけるNoの場合)、画像信号受信部10への画像信号の入力が停止されたか否かを判断する(ステップS16)。画像信号受信部10への画像信号の入力が停止されたことを検出すると(ステップS16におけるYesの場合)、投射型画像表示装置1の動作モードを待機モードに設定する処理を行う(ステップS18)。
【0049】
次に、投射型画像表示装置1の動作モードを、待機モードから画像表示モードに変更(設定)する手順(ステップS14)の詳細について説明する。図4は、投射型画像表示装置1の動作モードを、画像表示モードに変更する手順について説明するためのフローチャート図である。
【0050】
本実施の形態に係る投射型画像表示装置1では、投射型画像表示装置1が待機モードに設定されているときに、画像信号受信部10に画像信号が入力されたことを検出すると、電力供給制御部60が、画像表示処理部20に電力を供給する処理を開始する(ステップS20)。
【0051】
また、スクリーン制御部70は、電動スクリーン72を開張させるための制御信号を出力し、電動スクリーン72を開張させる(ステップS22)。
【0052】
そして、選択処理部50で画像入力端子を選択し(ステップS24)、放電灯ユニット30及び画像処理ユニット40を動作させて、電動スクリーン72に画像を表示させる(ステップS26)。
【0053】
以上の処理により、投射型画像表示装置1の動作モードを、画像表示モードに変更(設定)することができる。
【0054】
次に、投射型画像表示装置1の動作モードを、画像表示モードから待機モードに変更する手順(ステップS18)の詳細について説明する。図5は、投射型画像表示装置1の動作モードを、待機モードに変更する手順について説明するためのフローチャート図である。
【0055】
投射型画像表示装置1が画像表示モードに設定されているときに、画像信号受信部10への画像信号の入力が停止したことを検出すると、スクリーン制御部70は、電動スクリーン72を収納させるための制御信号を出力し、電動スクリーン72を収納させる(ステップS30)。
【0056】
また、放電灯ユニット30及び画像処理ユニット40の動作を停止させるための処理を行い(ステップS32)、電力供給制御部60の画像表示処理部20への電力の供給を停止する(ステップS34)。
【0057】
以上の処理により、投射型画像表示装置1の動作モードを、待機モードに変更(設定)することができる。
【0058】
次に、投射型画像表示装置1(選択処理部50)が、画像入力端子を選択する手順(ステップS24)の詳細について説明する。図6は、選択処理部50が画像入力端子を選択する手順について説明するためのフローチャート図である。
【0059】
はじめに、画像信号受信部10に入力された画像信号がデジタル信号であるか否かを判断する(ステップS50)。そして、画像信号受信部10に入力された画像信号がデジタル信号である場合(ステップS50におけるYesの場合)、HDMIを選択する(ステップS52)。
【0060】
画像信号受信部10に入力された画像信号がデジタル信号でない場合(ステップS50におけるNoの場合)、画像信号受信部10に入力された画像信号がコンポーネント入力であるか否かを判断する(ステップS54)。画像信号受信部10に入力された画像信号がコンポーネント入力である場合(ステップS54におけるYesの場合)、コンポーネントを選択する(ステップS56)。
【0061】
画像信号受信部10に入力された画像信号がコンポーネント入力でない場合(ステップS54におけるNoの場合)、画像信号受信部10に入力された画像信号がD端子入力であるか否かを判断する(ステップS58)。画像信号受信部10に入力された画像信号がD端子入力である場合(ステップS58におけるYesの場合)、D端子を選択する(ステップS60)。
【0062】
画像信号受信部10に入力された画像信号がD端子入力でない場合(ステップS58におけるNoの場合)、画像信号受信部10に入力された画像信号がS端子入力であるか否かを判断する(ステップS62)。画像信号受信部10に入力された画像信号がS端子入力である場合(ステップS62におけるYesの場合)、S端子を選択する(ステップS64)。
【0063】
画像信号受信部10に入力された画像信号がS端子入力でない場合(ステップS62におけるNoの場合)、画像信号受信部10に入力された画像信号がコンポジット入力であるか否かを判断する(ステップS66)。画像信号受信部10に入力された画像信号がコンポジット入力である場合(ステップS66におけるYesの場合)、コンポジット入力を選択する(ステップS68)。
【0064】
そして、画像信号受信部10に入力された画像信号がコンポジット入力でない場合(ステップS68におけるNoの場合)、D−Subを選択する(ステップS70)。
【0065】
以上の手順によって、選択処理部50で選択する画像信号を決定してもよい。なお、ここに挙げたHDMI〜D−Subは、入力信号の一例であり、本発明がこれに限定されるものではない。また、これらの優先順位についても、これに限られるものではない。
【0066】
以上に説明した投射型画像表示装置1によると、画像を表示させるまでにユーザが行わなければならない操作が少なく、ユーザビリティに優れた投射型画像表示装置を提供することができる。すなわち、投射型画像表示装置1によると、待機モードに設定されているときに、画像信号受信部10に画像信号が入力されたことを検出すると、画像表示処理部20に電力を供給する処理が開始され、投射型画像表示装置1が画像を表示する処理を開始する。すなわち、投射型画像表示装置1によると、待機モードに設定されているときに画像信号受信部10に画像信号が入力されると、ユーザが特定の操作を行わなくても、画像を表示させることができる。そのため、画像を表示させるまでに必要なユーザの操作が少ない、ユーザビリティに優れた投射型画像表示装置を提供することができる。
【0067】
また、本発明によると、待機モードに設定されているときに、電力の供給先を、検出部12(画像信号受信部10)のみとすることができる。そのため、待機モードに設定されたときの投射型画像表示装置1の消費電力を低下させることができる。
【0068】
さらに、本発明によると、画像表示モードに設定されているときに、画像信号受信部10への画像の入力が停止したことを検出すると、電力供給制御部60は、画像表示処理部20への電力の供給を停止し、投射型画像表示装置1が待機モードに移行する。すなわち、投射型画像表示装置1によると、ユーザが特別な操作を行わなくても、画像表示モードから待機モードに移行される、ユーザビリティに優れた投射型画像表示装置を提供することができる。
【0069】
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】投射型画像表示装置の構成について説明するための図。
【図2】投射型画像表示装置の概要について説明するための図。
【図3】投射型画像表示装置の動作について説明するための図。
【図4】投射型画像表示装置の動作について説明するための図。
【図5】投射型画像表示装置の動作について説明するための図。
【図6】投射型画像表示装置の動作について説明するための図。
【符号の説明】
【0071】
1…投射型画像表示装置、 2…プロジェクタ、 10…画像信号受信部、 12…検出部、 20…画像表示処理部、 30…放電灯ユニット、 32…放電灯、 34…放電灯制御部、 36…投射レンズ、 40…画像処理ユニット、 42…変調部、 44…駆動制御部、 46…画像処理部、 50…選択処理部、 60…電力供給制御部、 70…スクリーン制御部、 72…電動スクリーン、 80…主制御部、 100…優先順位情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
待機モードと画像表示モードとを含む複数の動作モードに設定されて動作する投射型画像表示装置であって、
画像信号を受信する画像信号受信部と、
前記画像信号受信部で受信した前記画像信号に基づいて、画像を表示するための処理を行う画像表示処理部と、
前記動作モードが前記待機モードに設定されている場合には前記画像表示処理部に電力を供給せず、前記動作モードが前記画像表示モードに設定されている場合には前記画像表示処理部に電力を供給する電力供給制御部と、
を含み、
前記電力供給制御部は、
前記動作モードが前記待機モードに設定されているときに、前記画像受信部に前記画像信号が入力されたことを検出すると、前記画像表示処理部への電力供給を開始する投射型画像表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の投射型画像表示装置において、
前記電力供給制御部は、
前記動作モードが前記画像表示モードに設定されているときに、前記画像受信部への前記画像信号の入力が停止したことを検出すると、前記画像表示処理部への電力供給を停止する投射型画像表示装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の投射型画像表示装置において、
電動スクリーンを開張又は収納させるための制御信号を出力する電動スクリーン制御部をさらに含み、
前記電動スクリーン制御部は、
前記動作モードが前記待機モードに設定されているときに、前記画像受信部に前記画像信号が入力されたことを検出すると、前記電動スクリーンを開張させる制御信号を出力する投射型画像表示装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2記載の投射型画像表示装置において、
電動スクリーンを開張又は収納させるための制御信号を出力する電動スクリーン制御部をさらに含み、
前記電動スクリーン制御部は、
前記動作モードが前記画像表示モードに設定されているときに、前記画像受信部への前記画像信号の入力が停止したことを検出すると、前記電動スクリーンを収納させる制御信号を出力する投射型画像表示装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の投射型画像表示装置において、
前記画像信号受信部は、複数種類の画像入力端子に電気的に接続されており、
前記画像信号受信部が受信した前記画像信号の種類情報に基づいて、いずれかの前記画像入力端子を選択する選択処理部をさらに含む投射型画像表示装置。
【請求項6】
請求項5記載の投射型画像表示装置において、
前記選択処理部は、
複数種類の画像入力端子の優先順位を示す優先順位情報に基づいて、前記画像入力端子を選択する投射型画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−242005(P2008−242005A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−81342(P2007−81342)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】