説明

投球ゲーム装置

【課題】投球のゲーム性を高めて投球者が目標達成を目指して遊ぶことができる。
【解決手段】投球された野球ボールの球速を検出する球速測定手段と、各投球毎に測定された現球速数値を表示する現球速表示部52と、数値表示枠がマトリクス状に配置されたビンゴ目標表示部51と、各種の選択,指定を投球者が指示するゲーム操作パネル40と、投球結果の成績を印刷出力するプリンタ70と、電子情報処理装置60とを設けたものであり、ビンゴ目標表示部51の各数値表示枠には所定のビンゴ数値群をランダムに配置して表示させ、各現球速数値を各ビンゴ数値と比較して一致した数値があった場合は該当するビンゴ数値の表示を「当たり表示」とさせ、「当たり表示」でビンゴが成立した場合は、視覚的及び又は音響的に「ビンゴ宣言」をさせるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スポーツゲーム営業施設として、又は、ゲームセンターなどの施設内に設けられてもよく、野球の投球(ピッチング)をして遊びたいという需要者(お客さん)に、楽しく投球をしてもらうことができる投球ゲーム装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
野球はプロアマを問わず最も人気のあるスポーツである。しかしながら、本式の野球は、1チーム9人以上で行われ、プレイには広い場所を必要とする。素人が1人でプレイしたり楽しんだりする施設として、打球にはバッティングセンタがあり、投球にはピッチング(投球)遊技場のようなものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−47534号公報
【特許文献2】特開2001−238989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明が解決しようとする問題点は、従来の投球(ピッチング)遊技場においては、投球のコースを競うものでは投球方向に十数メートルの空間が原則的に必要であり、投球の球速を競うものでは、投球者の投球力を知ることができるというだけで、ゲーム的な趣向があまりなく、投球者(お客さん)に楽しく遊んでもらうことができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明は、投げられたボールの球速を測定する球速測定手段と、投球毎の現球速数値を表示する現球速表示部と、数値表示枠がマトリクス状に配置されたビンゴ目標表示部と、得られた最高球速数値などを表示する記録表示部と、投球者が各種指定又は選定をするゲーム操作パネルと、ゲーム結果を印刷出力するプリンタと、投球されたボールを収集して所定の供給をするボール収集供給手段と、これらの機器の動作を制御する電子情報処理装置とを設けたものであり、ビンゴ目標表示部の数値表示枠には所定のビンゴ数値群を表示させ、投球者の投球毎に、現球速表示部に表示された数値をビンゴ目標表示部の各数値表示枠に表示された数値と比較して一致した数値があった場合は該当する数値の表示を「当たり表示」とさせ、投球者が順次投球することにより、ビンゴ目標表示部の「当たり表示」となった表示が縦又は横又は斜めに連続して「ビンゴ」が成立した場合は、「ビンゴ宣言」をさせる。また、ビンゴ目標表示部の1個の数値表示枠のみに目標球速数値を表示させて、現球速数値がこの目標球速数値に一致した場合は「ジャスト表示」とし、投球者が順次投球することにより得られた最高球速数値等を記録表示部に表示させる。また、得られた「ビンゴ」又は最高球速等の成績などを印刷出力させる。
【発明の効果】
【0006】
本発明による投球ゲーム装置は、投球のコースではなく球速に関して構成したので、この装置を設置して稼働させるには、長さ約3m,幅約2m,高さ2m強の空間があればよい。また、ビンゴ宣言の獲得を目指して旨く投球しようとするゲーム性が顕著になる。また、最高球速などの表示や印刷出力をさせるようにしたので、投球者が目標の球速を目指して意欲的に投球を行い楽しく遊ぶことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】この発明による投球ゲーム装置の実施例の模式的側面図である。
【図2】この発明による投球ゲーム装置の実施例の模式的平面図である。
【図3】この発明による投球ゲーム装置のスピード表示器の一例を示す図である。
【図4】この発明による投球ゲーム装置のゲーム操作パネルの一例を示す図である。
【図5】この発明による投球ゲーム装置における情報処理の系統図である。
【図6】この発明による投球ゲーム装置におけるビンゴ目標表示部の表示の一例を示す図である。
【図7】この発明による投球ゲーム装置の他の実施例である4行4列のビンゴ目標表示部の表示の一例を示す図である。
【図8】この発明による投球ゲーム装置のさらに他の実施例である5行5列のビンゴ目標表示部の表示の一例を示す図である。
【図9】この発明による投球ゲーム装置におけるプリンタの印刷出力の一例を示し、(A)はビンゴゲームの印刷例を示し、(B)はジャストスピードの印刷例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
投げられたボールの球速を測定する球速測定手段と、投球毎の現球速数値を表示する現球速表示部と、数値表示枠がマトリクス状に配置されたビンゴ目標表示部と、得られた最高球速数値などを表示する記録表示部と、投球者が各種指定又は選定をするゲーム操作パネルと、ゲーム結果を印刷出力するプリンタと、投球されたボールを収集して所定の供給をするボール収集供給手段と、これらの機器の動作を制御する電子情報処理装置とを設けたものであり、ビンゴ目標表示部の数値表示枠には所定のビンゴ数値群を表示させ、投球者の投球毎に、現球速表示部に表示された数値をビンゴ目標表示部の各数値表示枠に表示された数値と比較して一致した数値があった場合は該当する数値の表示を「当たり表示」とさせ、投球者が順次投球することにより、ビンゴ目標表示部の「当たり表示」となった表示が縦又は横又は斜めに連続して「ビンゴ」が成立した場合は、「ビンゴ宣言」をさせる。また、ビンゴ目標表示部の1個の数値表示枠のみに目標球速数値を表示させて、現球速数値がこの目標球速数値に一致した場合は「ジャスト表示」とし、投球者が順次投球することにより得られた最高球速数値等を記録表示部に表示させる。また、得られた「ビンゴ」又は最高球速等の成績などを印刷出力させるようにしたものである。
【実施例1】
【0009】
図1及び図2は、この発明による投球ゲーム装置の実施例を説明する模式的側面図及び平面図であり、図3はこの装置のスピード表示器の一例を示す正面図であり、図4はこの装置のゲーム操作パネルの一例を示す正面図であり、図5はこの装置の動作を制御する情報処理の系統図である。図において、2は投球者、4はピッチャープレート、6はボール、8は防球ネット、9は投球のための標的を描いた塩ビシート、11は第1検出器、12は第2検出器、20はスピードガン、31はボール収集勾配床、32はボール収集溝、33は球出し開閉扉、35はボール取り出し口、40はゲーム操作パネル、50はスピード表示器、51はビンゴ目標表示部、52は現球速表示部、53は最高球速表示部、54はベスト3表示部、60は電子情報処理装置、70はプリンタである。
【0010】
図1及び図2に示すように、この発明による投球ゲーム装置は、投球者2がピッチャープレート4に足をかけて前方(図の左方)に天井から吊り下げられて設けられている標的シート9(透明で柔軟な塩ビシートに円的とか角的とかキャッチャーとかの絵を描いたもの)に向かってボール6を投球して遊ぶものである。投げられたボールが他の器物に衝突して損傷させたりボールが傷んだりするのを防止するため、この装置施設の周囲や必要な箇所を囲むように、防球ネット8が張設されている。この投球ゲーム装置を設置する施設の所要寸法は、前後約3m、高さ2m強、左右約2m程度あればよい。
【0011】
図1及び図2に示すように、投球者2が投球して飛んでゆくボール6が通過するところの左右には、球速測定手段の一部である検出装置として、一定の間隔(例えば30cm)をおいて、第1検出器11及び第2検出器12が設けられている。この各検出器の各一方は発光器であり、他方は受光器である。各発光器は例えば赤色発光ダイオード(LED)の光を集束してその光ビームを対応受光器に向けて発射し、受光器はその光を受光感知するものである。飛んでゆくボール6がこの光ビームを遮ると、受光器はその光を受光できないのでボール6の通過時点を検知することができる。図5に示すように、各検出器の各発光器及び各受光器は電子情報処理装置60に接続されており、第1検出器11が検知した時刻と第2検出器12が検知した時刻との差の時間秒で、第1検出器11と第2検出器12との間の一定の間隔(例えば30cm)を割り算すれば、球速を算出することができる。なお、野球ボールの直径は約7cmであるので、各発光器及び受光器は約4cmのピッチで上下に重ねて各15個程度を設けておけば、上下方向約60cmの検知範囲を形成することができる。また、各光ビームは1段目が左から右へなら2段目は右から左へとなるように、各発光器と各受光器は段毎に互い違いに設置する。ボールがある段の光ビームを遮っても、隣接する上下の発光器の光がその段の受光器に入って検知しそこなうことを防止するためである。
【0012】
20はスピードガンであり、スピードガン20は、超音波又はLEDの光を飛んでゆくボール6に向けて発射し、近づく又は遠ざかるボール6からの反射波の波長がボール6の飛行速度によって変化するというドプラー効果を利用して球速を測定するものである。スピードガン20は球速測定手段として、前記第1検出器11,第2検出器12及び電子情報処理装置60の球速算定部からなる球速測定手段に代替可能である。スピードガン20を設けた場合は、図5に示すように、電子情報処理装置60に接続される。スピードガン20は、前方(図1及び図2で図の左方)に設けられており、飛んでくるボール6を前方から狙うように設けているが、後方(図の右方)の高いところに設けて、飛んでゆくボール6を後ろから狙うように設けてもよい。
【0013】
図1及び図2に示すように、投球者2の投げたボール6が標的シート9に当たって落ちるところから、図の右方へまた左右から中央部に向かって約10%の下り勾配のボール収集勾配床31が形成されている。このボール収集勾配床31上を転がってきたボール6が集まって一列に列ぶことができるように図の右方に向かって下り勾配のボール収集溝32が形成されている。ボール収集溝32の終端には球出し開閉扉33が設けられ、球出し開閉扉33の外側にはボール取り出し口35が形成されている。球出し開閉扉33はソレノイド電磁弁で、電子情報処理装置60の指令により開閉動作をするものであり、投球ゲーム開始後例えば10秒毎とかの設定されたタイミングで自動的に(又は、投球者が図示しないボタンを押すとかの指令により)開き、ボールを1個づつボール取り出し口35に排出する。投球者はこのボールを取り上げて投球する。なお、ボールを1個づつ排出させるには、球出し開閉扉33の後方のボール収集溝32内にボール1個分の間隔をおいて、球出し開閉扉33に連動して昇降する図示しない堰き止め板を設けておき、球出し開閉扉33が閉の時は堰き止め板は沈没しており、球出し開閉扉33が開くと堰き止め板が突き出て後続のボールをせき止めるようにさせる。
【0014】
図4に示すゲーム操作パネル40及びプリンタ70は、図1及び図2に示すように、投球者2がこれを使用するのに便利な位置で、かつ、投球者2の投球動作の邪魔にならない位置、例えば、ボール取り出し口35の側方端部とか、この装置設備の後側端部(図の右端部)とかの位置に設ければよい。ゲーム操作パネル40は、図4に示すように、お客さん(投球者)がコイン投入口にコインを入れて、「スピードビンゴ」か「ジャストスピード」かを選択することができる。また、初級、中級、上級(及び図示しないプロ級)の選択ボタンがある。なお、ゲーム操作パネル40には、コイン投入口とともに、図示しない紙幣挿入口やプリペイドカード挿入口などを設けることもできる。また、図示していないが、ゲーム操作パネル40には、お客さん(投球者)が、自己が所望するビンゴ数値群の範囲又は所望する任意の目標球速数値を入力して指定することができるように、テンキーと数字表示画面を設けることもできる。ゲーム操作パネル40の各機能部及びプリンタ70は、図5に示すように、電子情報処理装置60に接続されている。なお、図4のゲーム操作パネル40に記入されている金額や球数や球速数値などは例示であり、適宜に変更することができる。また、プリンタ70には、お客さん(投球者)が自己のプレーネームを入力することができるキーボードを設けて接続しておくこともできる。
【0015】
スピード表示器50は、図3に示すように、主に、球速に関連する数値を表示するものである。スピード表示器50の表面上部には、この投球ゲーム装置のゲーム種類を示す「スピードビンゴ」と「ジャストスピード」の銘板が付けられている。ビンゴ目標表示部51は、図示の例は、3行3列のマトリクスで9個の数値が表示できるものである。現球速表示部52は、投球者の投球毎に、前記球速測定手段により測定されたその回の投球の球速数値が表示される。最高球速表示部53は、その投球者が得た最高球速数値が表示される。ベスト3表示部は、その投球者が得た球速のベスト3の数値が表示される。また、スピード表示器50の内部には、この投球ゲーム装置のすべての機器等からの情報を集めて情報処理をし各機器や表示部などを統制制御してゲームの進行を司る電子情報処理装置60が納められている。
【0016】
図3に示すスピード表示器50の現球速表示部52に表示されている「086」とは、その投球をしたときの球速が時速86kmであったということを示す。球速数値は小数点以下は切り捨て又は四捨五入とする。スピード表示器50内の他の表示枠内の数値も同様に3桁の数値を表示する。勿論、時速00マイルとすることもできる。また、スピード表示器50内の各数値の表示は、7セグメントディスプレイ方式とする。勿論、ドットマトリクス表示方式とすることもできる。なお、スピード表示器50は、図1及び図2では、前方(図の左方)の防球ネット8の後ろ側に設けられているが、投球者2が見やすくて投球動作の邪魔にならない他の場所(例えば側部)があれば、そこに設置してもよい。
【0017】
図5に示すように、この投球ゲーム装置を構成する各機器,その押しボタン,キー,表示部などのすべての機能部品は、スピード表示器50内に装備されている電子情報処理装置60に接続されており、各機器からの情報が電子情報処理装置60に入力され、電子情報処理装置60は所要の情報処理を行って各機器に所要の表示や動作を行うよう指示を出力する。なお、電子情報処理装置60は、必ずしもスピード表示器50内に設ける必要はなく、独立に設けてもよく、他の機器内に設けてもよい。
【0018】
次に、実施例の動作について説明する。お客さんが、図4に示すゲーム操作パネル40の硬貨投入口に、100円又は200円を入れる。まず、200円を入れた場合の動作を説明する。200円が入れられたことを検知したゲーム操作パネル40からその旨が電子情報処理装置60に入力され、電子情報処理装置60は「スピードビンゴゲーム」の体制をスタートし、12個のボールを出す用意をし、球出し開閉扉33を開けさせて第1球をボール取り出し口35に排出させる。また、電子情報処理装置60はビンゴ目標表示部51の中心の表示枠に「000」の表示をさせ、周囲の他の8カ所の表示は消灯させる。
【0019】
次に、投球者が、図1及び図2に示すボール取り出し口35に排出されたボールを取り上げて、第1球を投球する。球速測定手段がこの第1球の飛行を検知し球速を測定する(投げられたボールが球速測定手段の検知範囲外を通過したなどの場合は無効となる。以下同様)。球速測定手段が検知した第1球の球速測定情報を受けた電子情報処理装置60は、現球速表示部52にその球速数値を表示させるとともに、ビンゴ目標表示部51の中心の表示枠の表示をその数値に変えさせ、この数値表示を点滅表示や変色表示(当たり表示)にさせるとともに、周囲の他の8カ所の表示枠には、この球速数値の上下に例えば15kmの数値範囲でランダムに決めた数値をランダムに配置して表示させる。なお、球出し開閉扉33が開いてボールがボール取り出し口35に出たときは、「ピョロン」というような疑似音を発音させる。また、投球者の投げたボールが球速測定手段に検知され球速が測定されたときは、「ナイスピッチ」というような音声を発声させる。
【0020】
以後、投球者が投球する度に、球速測定手段がその球速を測定し、電子情報処理装置60は、その球速数値を現球速表示部52に表示させるとともに、その数値をビンゴ目標表示部51の各表示数値と比較して一致した数値があった場合は、その表示を「当たり表示」にさせる。投球者が順次投球をすることにより、「当たり表示」となったものが増加し、図6に示す例では、「当たり表示」が4個となり、これで中央縦の3個の当たり表示が連続して、ビンゴが1個成立した。電子情報処理装置60は、図示しない派手な「ビンゴ宣言表示器」を点灯させるとか、ファンファーレ音を発生させるとかの、視覚的及び又は音響的に「ビンゴ宣言」をさせる。なお、以上の説明において、既に「当たり表示」になっていた表示が該当した場合は「当たり表示」のままとする。なお、投球が非常に旨くできて、ビンゴ目標表示部51の9個の表示枠が全部「当たり表示」(8個のビンゴ成立)となったときは、上記「ビンゴ宣言」よりさらに派手な視覚的及び又は音響的に表現された特別な「パーフェクト宣言」をさせる。投球者が順次12個のボールを投球したところで「スピードビンゴゲーム」は終了となる。なお、電子情報処理装置60は、その投球者について、球速数値やビンゴなどすべての情報を記憶している。また、この「スピードビンゴゲーム」の場合でも、最高球速表示部52及びベスト3表示部54に、ゲーム中に得られた球速数値を表示させることができる。
【0021】
次に、「ジャストスピードゲーム」の場合の動作について説明する。お客さんが、図4に示すゲーム操作パネル40の硬貨投入口に、100円だけを入れた場合は、お客さんは、初級,中級,上級又は図示しないプロ級のいずれかのボタンを押す。その情報が送られて入力した電子情報処理装置60は、「ジャストスピードゲーム」の体制をスタートし、5個のボールを出す用意をし、球出し開閉扉33を開けさせて第1球をボール取り出し口35に排出させる。また、電子情報処理装置60は、ビンゴ目標表示部51の中心の表示枠のみに、選択された級内の数値からランダムに決めた数値を表示させる。図3に示す例では、お客さんが100円を入れて、中級を選択したので、電子情報処理装置60は、図4の中級ボタンのところに記載してある、76から90kmの範囲内のランダムに決めた数値である「086」の表示を、図3に示すビンゴ目標表示部51の中心の表示枠のみに表示させた。
【0022】
次に、投球者が、図1及び図2に示すボール取り出し口35に排出されたボールを取り上げて、第1球を投球する。球速測定手段がこの第1球の飛行を検知し球速を測定する。図3に示す例では、投球者の投球球速のコントロールが旨くできて、球速測定手段が検知した第1球の球速が86kmであった。その情報を受けた電子情報処理装置60は現球速表示部52に「086」と表示させるとともに、ビンゴ目標表示部51の中心の表示枠の「086」の表示を点滅表示や変色表示(ジャスト表示)にさせたところを示す。この「ジャスト表示」は、例えば3秒間とかの所定時間経過後に消される。そして、電子情報処理装置60は、上記範囲内の数値でランダムに新しく決めた数値の表示を、ビンゴ目標表示部51の中心の表示枠に表示させる。投球者は、この新しく表示された球速数値に投球球速を一致させるべく次の投球をする。投球球速である現球速表示部52に表示された数値が、ビンゴ目標表示部51に表示された数値と一致しなければ、ビンゴ目標表示部51に表示された数値はそのまま維持されて、次の投球がされる。一致すれば、上記のように「ジャスト」表示となり、3秒間点灯後消灯され、新しく決められた数値がビンゴ目標表示部51に表示される。以下、同様に動作が繰り返されて、5個のボールを投球すれば一応ゲーム終了となる。その間、最高球速表示部53及びベスト3表示部54にも記録が表示され、よりよい投球球速が出たときは更新される。このジャストスピードゲームの場合も前記と同様に、電子情報処理装置60は、その投球者について、球速数値や「ジャスト」などすべての情報を記憶している。
【0023】
次に、考えられる他の動作例について説明する。「スピードビンゴゲーム」については、投球者が第1球を投球する前に、ゲーム操作パネル40の図示しないテンキー及び表示画面を使用して、お客さんが所望の中心球速数値とその上下の数値範囲とを指定し、ビンゴ目標表示部51の表示枠にそれらの数値を表示させるようにしてもよい。また、「ジャストスピードゲーム」についても、ビンゴ目標表示部51の中心枠に表示する目標数値として、上記と同様に、ゲーム操作パネル40の図示しないテンキー及び表示画面を使用して、お客さんが所望の目標球速数値を指定して表示させるようにしてもよい。また、この数値は「ジャスト」が出ても変えないということにしてもよい。
【0024】
この投球ゲーム装置によるゲームを終了して、投球者(お客さん)が図4に示すゲーム操作パネル40にあるプリンタのボタンを押せば、プリンタ70は、電子情報処理装置60が記憶している成績を出力してもらって、スピードビンゴゲームの場合は、図9(A)に示すように、ビンゴ及び全投球球速の成績を印刷出力し、ジャストスピードゲームの場合は、図9(B)に示すように、ジャスト及び全投球球速の成績を印刷出力する。なお、日付や店名や番号等も印刷し、お客さんが図示しないキーボードにより自分のプレーネームを入力すれば、そのプレーネームも印刷させることもできる。お客さんは自分の投球成績が印刷された紙を持ち帰ることができる。
【0025】
お客さんは、投球中に、スピード表示器50のビンゴ目標表示部51,現球速表示部52,最高球速表示部53及びベスト3表示部54に表示された球速数値により、既に自己の投球成績を知っているのであるが、昨夜のテレビなどでプロ野球の勝敗などを知っていても今朝のスポーツ新聞を買うというスポーツファン心理で、お客さんは自分の投球成績が印刷された紙を確認して喜んで持ち帰ると思われる。また、この印刷された紙を友人などに自慢して見せたりすれば、この投球ゲーム装置の口コミ宣伝になる。
【0026】
なお、図3及び図6では、ビンゴ目標表示部51は3行3列で9個の表示枠があるものを示したが、ビンゴ目標表示部51のマトリクスは、これに限定されず、図7では4行4列で16個の表示枠があるものを示し、図8では5行5列で25個の表示枠があるものを示した。図7の例では、現球速表示部52の表示が「075」で、ビンゴ目標表示部51の第1行第3列の枠に「075」があったので、これが「当たり表示」となり、縦のビンゴが成立したところを示す。図8の例では、現球速表示部52の表示が「086」で、ビンゴ目標表示部51の第3行第5列の枠に「086」があったので、これが「当たり表示」となり、横のビンゴが成立したところを示す。
【産業上の利用可能性】
【0027】
この発明による投球ゲーム装置では、「スピードビンゴゲーム」又は「ジャストスピードゲーム」のいずれかを選択して遊技することができ、「スピードビンゴゲーム」を選択した場合は、「ビンゴ宣言」や「パーフェクト宣言」を目指して、また、「ジャストスピードゲーム」を選択した場合は、「ジャスト」やスピード記録などを目指して、意欲をもって投球するという、従来にない大きな興味をもって利用させる投球ゲーム装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0028】
2:投球者、
4:ピッチャープレート、
6:ボール、
8:防球ネット、
9:標的シート、
11:第1検出器、
12:第2検出器、
20:スピードガン、
31:ボール収集勾配床、
32:ボール収集溝、
33:球出し開閉扉、
35:ボール取り出し口、
40:ゲーム操作パネル、
50:スピード表示器、
51:ビンゴ目標表示部、
52:現球速表示部、
53:最高球速表示部、
54:ベスト3表示部、
60:電子情報処理装置、
70:プリンタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投球された野球ボールの球速を測定する球速測定手段と、この球速測定手段が各投球毎に測定した現球速の数値を表示する現球速表示部と、数値表示枠がマトリクス状に配置されたビンゴ目標表示部と、得られた最高球速数値などを表示する記録表示部と、投球者がゲームの各種指定又は選定をするゲーム操作パネルと、投球されたボールを収集して所定の供給をするボール収集供給手段と、これらの機器に接続されて情報処理をしてこれらの機器の動作を制御する電子情報処理装置とを設けたものであり、前記ビンゴ目標表示部の各数値表示枠には所定のビンゴ数値群をランダムに配置して表示させ、投球者の投球毎に、前記現球速表示部に表示された数値を前記ビンゴ目標表示部の各数値表示枠に表示された数値と比較させて、一致した数値があった場合は、ビンゴ目標表示部の該当する数値表示を「当たり表示」とさせるものであり、投球者が順次投球をすることにより前記ビンゴ目標表示部の「当たり表示」となった表示が縦又は横又は斜めに連続してビンゴが成立した場合は、視覚的及び又は音響的に「ビンゴ宣言」をさせるようにし、また、前記ビンゴ目標表示部の全数値表示枠の数値が「当たり表示」となった場合は、さらに派手に視覚的及び又は音響的な「パーフェクト宣言」をさせるようにしたことを特徴とする投球ゲーム装置。
【請求項2】
投球された野球ボールの球速を測定する球速測定手段と、この球速測定手段が各投球毎に測定した現球速の数値を表示する現球速表示部と、数値表示枠がマトリクス状に配置されたビンゴ目標表示部と、得られた最高球速数値などを表示する記録表示部と、投球者がゲームの各種指定又は選定をするゲーム操作パネルと、投球されたボールを収集して所定の供給をするボール収集供給手段と、これらの機器に接続されて情報処理をしてこれらの機器の動作を制御する電子情報処理装置とを設けたものであり、前記ビンゴ目標表示部の1個の数値表示枠のみに目標球速数値を表示させて、投球者の投球毎に、現球速数値がこの目標球速数値に一致した場合は「ジャスト表示」として視覚的及び又は音響的に表示させ、投球者が順次投球することにより得られた最高球速数値などを前記記録表示部に表示させるようにしたことを特徴とする投球ゲーム装置。
【請求項3】
投球ゲーム終了後、その投球者について前記電子情報処理装置が記憶している各投球の現球速数値を順次印刷出力させるとともに、前記ビンゴ目標表示部のビンゴが成立した最終結果をあわせて印刷出力させるプリンタを設けたことを特徴とする請求項1に記載の投球ゲーム装置。
【請求項4】
投球ゲーム終了後、その投球者について前記電子情報処理装置が記憶している各投球の現球速数値を順次印刷出力させるとともに、その投球者が投球した最高球速数値などをあわせて印刷出力させるプリンタを設けたことを特徴とする請求項2に記載の投球ゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−274024(P2010−274024A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−131802(P2009−131802)
【出願日】平成21年6月1日(2009.6.1)
【出願人】(509153065)株式会社アステック (1)