説明

投球装置

【課題】回転するボールの投球コースを精度良くコントロールできる投球装置を提供する。
【解決手段】本発明における投球装置1は、ボール2を対向する2つの把持部21で挟んで把持するボール把持手段201と、ボール2に所定の回転数を与える回転付与手段203と、ボール2の離球位置37を設定する離球位置設定手段402と、ボール2の投球方向を設定する投球方向設定手段403と、ボール2の回転方向を設定する回転方向設定手段204と、把持部21に把持されて所定の回転数で回転するボール2を離球位置37に向けて投球方向に移動させるボール移動手段301と、移動するボール2に所定の移動速度を付与する速度付与手段302と、ボール2の把持を開放して、ボール2を離球位置37から投球方向に放出するボール放出手段202と、これら各手段を制御する投球制御手段50とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は投球装置に関する。詳しくは回転するボールの投球コースを精度良くコントロールできる投球装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の投球装置は、例えば投球アームの先端に球を回転させる回転手段を設けると共に、投球アームを回転させることにより、球を前方に投球する投球装置が提案されている。
【特許文献1】特開2001−252387号公報(段落0015〜0027、図1〜図6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の装置では、一定の回転を持続させながら、ボールを移動させて投球するものはなく、このため、回転するボールの投球コースを精度良くコントロールすることは困難であった。
【0004】
本発明は、任意の速度で任意の方向に回転するボールの投球コースを精度良くコントロールできる投球装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様における投球装置1は、例えば図1、図2に示すように、所定の距離離れた所定のエリアにボール2を投球する投球装置1において、ボール2を対向する2つの把持部21で挟んで把持するボール把持手段201と、把持部21の少なくとも一方を回転させて、ボール2に所定の回転数を与える回転付与手段203と、把持部21に把持されたボール2の離球位置37を設定する離球位置設定手段402と、把持部21に把持されたボール2の投球方向を設定する投球方向設定手段403と、把持部21に把持されたボール2の投球方向に対する回転方向を設定する回転方向設定手段204と、把持部21に把持されて所定の回転数で回転するボール2を離球位置37に向けて投球方向に移動させるボール移動手段301と、ボール移動手段301により移動するボール2に所定の移動速度を付与する速度付与手段302と、所定の回転数で回転し、所定の移動速度で移動するボール2の把持を開放して、ボール2を離球位置37から投球方向に放出するボール放出手段202と、ボール把持手段201と回転付与手段203と離球位置設定手段402と投球方向設定手段403と回転方向設定手段204とボール移動手段301と速度付与手段302とボール放出手段202を制御する投球制御手段50とを備える。
【0006】
ここにおいて、所定の距離とは、典型的にはホームベースからピッチングマウンドまでの距離をいうが、適宜練習用に変えても良い。所定のエリアとは、典型的にはストライクゾーンを含んで上下左右に余裕を見た範囲であるが、上下左右の4方向にストライクゾーン長延ばした位が適当であろう。デッドボールや暴投になるような範囲は安全上避けることが好ましい。また、所定の回転数及び所定の移動速度は、それぞれ、ボール2の回転数(単位時間当たりの回転数)及び投球速度として投球制御手段50に入力、設定された値である。また、各手段は必ずしも独立して存在するものでなくても良く、図1に示すように、複数の部品が共同して各手段の機能を発揮するようなものでも良い。また、各手段に重複して寄与する部品があっても良い。なお、37はボール放出位置を示すが、正しくは、投球方向が設定された上でのボール放出位置37が離球位置となる。このように構成すると、一定の回転を持続させながら、ボールを移動させて投球できるので、任意の速度で任意の方向に回転するボールの投球コースを精度良くコントロールできる投球装置を提供できる。
【0007】
また、本発明の第2の態様における投球装置は、第1の態様において、例えば図3、図4に示すように、ボール把持回転装置20はボール把持手段201と回転付与手段203とを有し、ボール把持手段201は、ボール2を両側から挟んで把持する押さえ部材21Aと、押さえ部材21Aのボール2を把持する側と反対側に設けられた回転軸21Bとを有する把持部21と、2つの把持部21の回転軸21Bの軸線が一致するように、押さえ部材21Aを対向させて回転軸21Bの周りに回転可能に先端で支持する2つのアーム部材24と2つのアーム部材24を回転軸の軸線を含む面内に回動可能に接続された支板25とを有する支持部22とを有し、回転付与手段203は、少なくとも一方の把持部21の回転軸21Bに接続され、一方の把持部21を回転軸21Bの周りに回転させるボール回転用モータ23を有する。このように構成すると、ボールを一定の回転速度で回転させながら把持できるボール把持回転装置を構成できる。
【0008】
また、本発明の第3の態様における投球装置は、第2の態様において、例えば図5、図6に示すように、ボール把持回転装置20は回転方向設定手段204(第1、第2のボール傾斜用モータ27,28を有する)を有し、回転方向設定手段204は、把持部21をボール2の回転軸の軸線X−Xに対して垂直な2軸線Y−Y,Z−Zの周りに回転可能に構成される。このように構成すると、投球方向に対して任意の方向に回転方向を付与できる。なお、回転しない無回転ボールとすることも可能である。
【0009】
また、本発明の第4の態様における投球装置1は、第2又は第3の態様において、例えば図2に示すように、ボール移動装置30はボール移動手段301と速度付与手段302を有し、ボール移動手段301はボール把持回転装置20をスライドさせるレール31を有し、ボール把持回転装置20は支持部22を介してレール31に係合され、速度付与手段302はレール31に沿ってボール把持回転装置20を移動させるスプリング32を有する。このように構成すると、ボール移動装置30を静止した状態で投球でき、またボール2は長いレール31上を回転・移動してから放出されるので、ボールの投球コースを高精度にコントロールできる。
【0010】
また、本発明の第5の態様における投球装置1Aは、第2又は第3の態様において、例えば図8に示すように、ボール移動装置30はボール移動手段301と速度付与手段302を有し、ボール移動手段301は、投球アーム回転用モータ62と、支持手段70に投球アーム回転用モータ62により回動可能に接続され、接続部分の反対側の先端にボール把持回転装置20を設置する投球アーム61を有し、速度付与手段302は、投球アーム回転用モータ62により投球アーム61を回転して移動速度を付与する。このように構成すると、簡易で小スペースの投球装置を提供できる。
【0011】
また、本発明の第6の態様における投球装置1Bは、第2の態様において、例えば図9に示すように、ボール把持回転装置20のボール回転リリース機構20Aを掌に設置するロボット型に構成される。このように構成すると、ロボットは人間を模倣した動作ができ、より多様多彩な投球が可能になる。
【0012】
また、本発明の第7の態様におけるボール把持回転装置20は、例えば図3、図4に示すように、ボール把持回転装置20はボール把持手段201と回転付与手段203とを有し、ボール把持手段201は、ボール2を両側から挟んで把持する押さえ部材21Aと、押さえ部材21Aのボール2を把持する側と反対側に設けられた回転軸21Bとを有する把持部21と、2つの把持部21の回転軸21Bの軸線が一致するように、押さえ部材21Aを対向させて回転軸21Bの周りに回転可能に先端で支持する2つのアーム部材24と2つのアーム部材24を回転軸の軸線を含む面内に回動可能に接続された支板25とを有する支持部22とを有し、回転付与手段203は、少なくとも一方の把持部21の回転軸21Bに接続され、一方の把持部21を回転軸21Bの周りに回転させるボール回転用モータ23を有する。このように構成すると、ボールを一定の回転速度で回転させながら把持できるボール把持回転装置を提供できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、任意の速度で任意の方向に回転するボールの投球コースを精度良くコントロールできる投球装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、互いに同一または相当する装置等には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0015】
[第1の実施の形態]
図1に本発明に係る第1の実施の形態における投球装置1の構成例をブロック図で示す。本実施の形態では、ボールを把持するボール把持回転装置がレールに沿って移動する例を説明する。なお、具体的な構成については図2を参照されたい。
【0016】
投球装置1は、ボール2を供給するボール供給手段10と、ボールを回転させながら把持するボール把持回転装置20と、ボール把持回転装置20を移動させるボール移動装置30と、ボール移動装置30における移動方向を調整し、ボール移動装置30を支持する支持手段40と、これら各装置・各手段10〜40を制御して、投球装置1にその機能を発揮させる投球制御手段50を含んで構成される。
【0017】
投球装置1は、典型的にはホームベースからピッチングマウンドからまでの距離に設置される。そして、典型的にはストライクゾーンを含んで上下左右に余裕を見たエリアに向けて投球する。余裕は上下左右の4方向にストライクゾーン長延ばした位が適当であろう。
【0018】
ボール供給手段10は、例えばボール移動装置30を挟んで支持手段40の直上に配置され、ボール移動装置30のボール供給位置(例えば支持手段40の直上)36に置かれたボール把持回転装置20にボール2を1個ずつ供給する。
【0019】
ボール把持回転装置20は、ボール回転リリース機構20Aとボール回転軸傾斜機構20Bとを有する。ボール回転リリース機構20Aはボール2を把持、回転、放出する機能を有し、ボール2を対向する2つの把持部21で挟んで把持するボール把持手段201と、把持部21の少なくとも一方を回転させて、ボール2に所定の回転数を与える回転付与手段203と、所定の回転数で回転し、所定の移動速度で移動するボール2の把持を開放して、ボール2を離球位置37から投球方向に放出するボール放出手段202とを有する。ボール把持装置20は、ボール供給位置36で供給されたボール2を、対向する2つの把持部21で挟んで把持し、移動中は把持を継続し、また、離球位置でボール2の把持を開放して、ボール2を投球方向に放出する。ボール2の把持及び開放は把持部21を取り付けたアーム部材24を把持用モータ26で回転駆動することにより行なう。すなわち、ボール把持手段201及びボール放出手段202は把持部21と把持用モータ26を含んで構成される。また、回転付与部23としてのボール回転用モータは把持部21を介してボール2に所定の回転数を付与する、すなわち、回転付与手段203はボール回転用モータ23を含んで構成される。この場合ボール回転用モータ23は少なくとも一方の把持部21を回転すれば良く、回転はボール2を介して他方の把持部21にも伝達される。
【0020】
また、ボール回転軸傾斜機構20Bはボール2の回転方向を投球方向に対して変更可能にする機能を有し、把持部21に把持されたボール2の投球方向に対する回転方向を設定する回転方向設定手段204を有する。把持部21を支持する支持部22において、ボール2の回転軸線X−Xに対して、垂直な2つ面内、すなわち、水平面内(軸線Z−Z周り)及び鉛直面内(軸線Y−Y周り)で把持部21を第1、第2のボール傾斜用モータ27,28で回転・傾斜させることにより、把持されたボール2の投球方向に対する回転方向を任意に設定できる(図5参照)。すなわち、回転方向設定手段204は第1、第2のボール傾斜用モータ27,28を含んで構成される。ここで、水平面及び鉛直面は正確には傾斜を付与する前の状態をいう(以下同様)。
【0021】
ボール移動装置30は、把持部21に把持されて所定の回転数で回転するボール2を離球位置37に向けて投球方向に移動させるボール移動手段301、ボール移動手段301により移動するボール2に所定の移動速度を付与する速度付与手段302、レール31上のボール2の移動開始位置を設定する移動開始位置設定手段303、レール31上のボール2の放出位置を設定するボール放出位置設定手段304とを有する。ボール移動装置30は、ボール把持回転装置20をレール31に沿って移動させることにより、把持部21に把持されて回転するボール2を離球位置に向けて投球方向に移動させる。また、ボール把持回転装置20にスプリング32のバネ力を作用させて、ボール把持回転装置20を移動させる。すなわち、ボール移動手段301及び速度付与手段302はレール31とスプリング32を含んで構成される。ここで、ボールの放出について、ボール放出位置37はボール移動手段30内での放出に焦点を当てて称するもの、離球位置は投球装置1全体に焦点を当てて称するものとする。
【0022】
また、スプリング32のバネ力により、ボール移動装置30を移動するボール2に所定の移動速度を付与する。レール31上で、移動速度は、移動開始位置がスプリング32の根元に近いほど高速に、遠いほど低速になる。そこで、所定の移動速度を得るための移動開始位置を設定する。移動開始位置は、ボール把持回転装置20にスプリング圧縮用のワイヤ33を取り付け、ワイヤ巻取用モータ34によりワイヤ33のスプリング32の根元からの長さを調整して設定する。すなわち、速度付与手段302はスプリング32とワイヤ巻取用モータ34を含んで構成され、移動開始位置設定手段303はワイヤ巻取用モータ34を含んで構成される。移動速度はレールの位置により変化する。他方、ボール放出位置37を例えばレール長をLとし、先端から距離L1の位置に固定的に設定し、そこで所定の移動速度となるように移動開始位置を定めるのが良い。ボール把持回転装置20がスプリング32に接続された状態では、スプリング32が伸びきる前に移動速度が低下するので、距離L1の位置を移動速度が低下する前の位置に設定する。移動速度は速度センサー35により監視するのが好ましい。この場合、速度センサー35でボール把持回転装置20の通過を検出し、投球制御手段50でボール放出位置37に到達する時間を演算し、ボール2の把持を開放するタイミングを把持用モータ26に伝達する。すなわち、ボール放出位置設定手段304は速度センサー35と投球制御手段50を含んで構成される。なお、速度センサー35を用いず、移動開始位置から把持を開放するタイミングを定めても良い。この場合には、ボール放出位置設定手段304は投球制御手段50を含んで構成される。
【0023】
支持手段40は、ボール移動装置を支持する移動装置支持手段401、把持部21に把持されたボール2の離球位置37を設定する離球位置設定手段402、把持部21に把持されたボール2の投球方向を設定する投球方向設定手段403とを有する。支持手段40は、その主要部である三脚41でボール移動装置30を支持する。すなわち、移動装置支持手段401は三脚41などの主要部を含んで構成される。また、ボール移動装置30のレール31の方向を支持手段40の鉛直軸線Z1に対し、第1、第2の投球コース調整用モータ42,43を用いて水平方向(軸線Z1周り)及び鉛直方向(軸線X1周り)で可変にすることにより、投球方向を設定できる。また、投球方向を設定されたボール移動装置30のボール放出位置37が離球位置となる。ボール放出位置37が固定的に設定されれば、第1、第2の投球コース調整用モータ42,43を用いて離球位置を設定できる。すなわち、離球位置設定手段402及び投球方向設定手段403は投球コース調整用モータ42,43を含んで構成される。ボール放出位置37が固定的でなければ、離球位置設定手段402にはボール放出のタイミングを調整する投球制御手段50も含まれる。
【0024】
投球制御手段50は、ボール供給手段10、ボール把持回転装置20、ボール移動装置30、支持手段40の動作とタイミングを制御し、投球装置1としての機能を実行させる。すなわち、ボール把持回転装置20のボール回転用モータ23、把持用モータ26、第1、第2のボール傾斜用モータ27,28、ボール移動装置30のワイヤ巻取用モータ34、支持手段40の第1、第2の投球コース調整用モータ42,43の駆動とそのタイミング等を制御する。
【0025】
[ボール移動装置]
図2は第1の実施の形態における投球装置の構成例を示す斜視図である。図2は、投球装置1を打者の方向(ホームベースの方向)に向かって投球するように設置された状態を示す。まず、ボール移動装置30について説明する。ボール移動装置30は、ボール把持回転装置20を移動させるためのスライドレール31(単にレールともいう)と、ボール把持回転装置20の移動を介してボール2に移動速度を付与するためのスプリング32とスプリング32を圧縮させ、ボール把持回転装置20をレール31の始点方向、すなわち、スプリング32を圧縮させる方向に引き戻すためのワイヤ33と、ワイヤ33を巻き取るためのワイヤ巻取用モータ34を有する。スライドレール31は直線状であり、その側面の溝38をガイドとして、その上面をボール把持回転装置20がスライドするようになっている。ボール把持回転装置20は側面の溝38に第3の支板25B(支持部22に含まれる)の下部に形成された爪を挿し込んでスライドレール31に沿ってスライドする。
【0026】
まず、ワイヤ巻取用モータ34を駆動して、ボール把持回転装置20をボール供給位置36に設置し、ボール供給手段10からボール把持回転装置20にボール2を供給し、ボール把持回転装置20は把持部21でボール2を把持する。ボール供給位置36は例えば、支持手段40の上方に位置し、さらにその上に設けられたボール供給手段10から図示しないホース等を通ってボール供給位置36にボール2が1個ずつ供給される。ボール把持回転装置20がボール2を把持した後に、ワイヤ巻取用モータ34を駆動して、ボール把持回転装置20を移動開始位置に設置する。その後、ワイヤ巻取用モータ34からワイヤ33を無負荷の状態(自由に動く状態)に開放し、スプリング32のバネの力によって、ボール把持回転装置20を瞬時に移動させ、移動速度を付与する。
【0027】
移動速度を付与されたボール把持回転装置20はボール放出位置37でボール2の把持を開放し、ボール2が移動方向に向かって所定の回転数と所定の移動速度で放出される。所定の回転数及び所定の移動速度は、それぞれ、ボール2の回転数及び投球速度として投球制御手段50に入力、設定された値である。ボール放出位置37は、バネ力により移動速度が最大になる位置が好ましく、例えばレール長をLとし、先端から距離L1の位置に固定的に設定する。ボール把持回転装置20がスプリング32に接続された状態では、スプリング32が伸びきる前に移動速度が低下するので、距離L1の位置を移動速度が低下する前の位置に設定する。ボール放出位置37での移動速度がボール2に伝達され、投球速度となる。投球速度は移動開始位置により変化し、移動開始位置がスプリング32の根元に近いほど高速になる。ボール放出位置37が離球位置となり、レール31の方向、すなわちボール把持回転装置20の移動方向が投球方向となる。ボール放出後にボール把持回転装置20はワイヤ巻取用モータ34によりボール供給位置36に戻される。
【0028】
[支持手段]
次に、支持手段40について説明する。ボール移動装置30のスライドレール31の方向(長手方向)は水平方向(軸線Z1周り)、鉛直方向(軸線X1周り)に可変に構成される。本実施の形態では、ボール移動装置30を支持する支持手段40の主部として三脚41が使用される。三脚に代えて支柱で支持しても良い。三脚41上にL字状のレール支持板44が設けられ、その第1の面板44A1が三脚41の鉛直軸(軸線Z1)の周りに第1の投球コース調整用モータ41により回転可能に接続されている。そして、レール支持板44の第1の面板44A1に垂直な第2の面板44A2にスライドレール31が第2の投球コース調整用モータ43により回転可能に接続されている。第1の投球コース調整用モータ42はスライドレール31の水平面内(軸線Z1周り)での方向を調整し、投球コースを水平方向に、すなわち打者に対してインコース、中央、アウトコースに調整する。第2の投球コース調整用モータ43はスライドレール31の鉛直面内(軸線X1周り)での方向を調整し、投球コースを鉛直方向に、すなわち打者に対して高め、中央、低めに調整する。
【0029】
[ボール把持回転装置]
図3はボール把持回転装置20におけるボール回転リリース機構20Aの構成例を示す斜視図、図4はそのボールの回転軸線(X−X)を通る断面図である。ボール把持回転装置20(図5参照)は、ボール回転リリース機構20Aとボール回転軸傾斜機構20Bにより構成される。ボール回転リリース機構20Aは、ボール2を把持する把持部21と、把持部21を支持してレール31に沿って移動する支持部22と、把持部21を介してボール2に回転を付与する回転付与部23とで構成される。把持部21はボール2を両側から挟んで把持するために、2つ有る。それぞれ、円錐キャップ状の押さえ部材21Aの内側でボール2を押圧し、押圧と摩擦力で把持するようになっており、また、押さえ部材21Aの円錐キャップの頂点に回転軸21Bが一体的に取り付けられている。支持部22は、2つの把持部21の回転軸21Bの軸線が一致するように押さえ部材21Aを対向させて回転軸21Bの周りに回転可能に支持すると共に、レール31に沿って移動するようになっている。先端に回転軸21Bを通す穴を有する2つのアーム部材24が、第1の支板25に回転軸21Bの軸線を含む面内に把持用モータ26により回動可能に取り付けられている。第1の支板25は平板と回転軸とを有し、これらのアーム部材24と第1の支板25の平板は、ボール2を把持した状態で、例えばU字(コの字を含む)状になり、ボールを放出(リリース)した状態では直線状になる。一方のアーム部材24の穴を通った回転軸21Bには回転付与部としてのボール回転用モータ23が取り付けられ、ボール2を把持した状態で、回転軸21Bに連なる把持部21を回転させてボール2に回転を付与すると共に、ボール2の反対側にある他方の把持部21を回転させ、その回転軸21Bは他方のアーム部材24の穴中で回転する。
【0030】
図5にボール回転軸傾斜機構20Bを含むボール把持回転装置20の構成例を示す。また、図6にその側面図を示す。ボール回転軸傾斜機構20Bは、ボール2の回転軸線(X−X)を2軸線(Y−Y、Z−Z)の周りに傾斜させる機構である。ここにおいて、軸線X−X、Y−Y、Z−Zはボール2の中心で直交する。第1の支板25は、L字状の第2の支板25Aの第1の面板25A1に、第1のボール傾斜用モータ27により第1の支板25の回転軸線(Z−Z)のまわりに回転可能に接続されている。これにより、ボール2の回転軸線(X−X)は軸線Z−Zの周りに回転できる。第2の支板25Aの第1の面板25A1と垂直な第2の面板25A2は第3の支板25Bに第2のボール傾斜用モータ28により回転可能に接続されている。これにより、ボール2の回転軸線(X−X)は第2の支板25A)の回転軸線(Y−Y)の周りに回転できる。すなわち、ボール2の回転方向は、第1のボール傾斜用モータ27を駆動することにより投球方向に対して水平面内(軸線Z−Z周り)で変化でき、さらに、第2のボール傾斜用モータ28を駆動することにより投球方向に対して鉛直面内(軸線Y−Y周り)で変化できる。
【0031】
[投球制御手段]
投球制御手段50は、ボール把持部21の把持、開放のタイミングの設定・制御、ボール回転用モータ23での回転数、回転付与のタイミングの設定・制御、第1、第2のボール傾斜用モータ27,28でのボールの傾斜角、すなわち、ボールの投球方向に対する回転方向の設定・制御、ワイヤ巻取用モータ34でのレール31上の移動開始位置、速度付与のタイミング、移動速度の設定・制御、ボール放出位置37、すなわち、放出タイミングの設定・制御、第1、第2の投球コース調整用モータ42,43でのレール31の方向(長手方向、投球方向)の設定・制御等を行なう。なお、ボールの離球位置は、投球方向すなわちレール31の方向が設定された状態でのボール放出位置37の設定・制御により設定・制御される。これらの設定及びタイミングはプログラム化されて、プログラム制御される。
【0032】
〔動作フロー〕
図7に本実施の形態における投球装置の動作フロー例を示す。まず、投球装置1をホームベースの方向に投球するように設置する(S010)。次に、これから投球する予定の各球について、それぞれ、離球位置、投球方向、投球速度、ボールの回転方向、回転速度を入力・設定し、これらを定めるための各手段の動作とタイミングをプログラムに記憶するそして、1番目のボールについて各手段の動作とタイミングを設定する(S020)。次に、ボール供給手段10からボール把持回転装置20にボール2を1個供給し、ボール把持回転装置20は、把持用モータ26を駆動し、把持部21でボール2を1個把持する(S030)。次に、ボール把持回転装置20は、ボール回転用モータ23を用いて把持部21を介してボール2に所定の回転数を付与する(S040)。次に、支持部22において、ボール2の回転軸21Bを水平面内(軸線Z−Z周り)及び鉛直面内(軸線Y−Y周り)で第1、第2のボール傾斜用モータ27,28を用いて回転・傾斜させることにより、把持されたボール2の投球方向に対する回転方向を設定する(S050)。
【0033】
次に、支持手段40は、ボール移動装置30のレール31の方向を投球コース調整用モータ42,43を用いて水平方向(軸線Z1周り)及び鉛直方向(軸線X1周り)で調整にすることにより、ボール把持回転装置20の移動方向であるレール31の方向、すなわち、投球方向を設定する(S060)。ボール放出位置37がレール31上で固定的に設定されていれば、これにより、離球位置も設定される。次に、ボール移動装置30は、ボール把持回転装置20に取り付けられたスプリング圧縮用のワイヤ33を用いて、移動開始位置をワイヤ巻取用モータ34により設定する(S070)。次に、ワイヤ巻取用モータ34はワイヤ33を自由に開放し、スプリング32はボール把持回転装置20を介してボール2に移動速度を付与する(S080)。次に速度センサー35で移動速度を検出し、投球制御手段50は検出された移動速度から、ボール放出位置37に到達するまでの時間、すなわち、ボール放出のタイミングを求める(S090)。速度センサー35を用いない場合は、投球制御手段50は移動開始位置からボール放出のタイミングを求める。次に、ボール把持回転装置20は、ボール放出位置37、すなわち、離球位置に来た時に、把持用モータ26を駆動して、把持部21でのボール2の把持を開放して、ボール2を所定の回転数と所定の移動速度で投球方向に放出する(S100)。次に、投球予定のボールが残っているか否かを判断する(S110)。次のボールがあれば(Yであれば)、S020に戻り、制御プログラムは次のボールについて各手段の動作とタイミングの設定を行い、次のボールについて同様な処理が繰り返され、予定したボールが全て投球され、なくなれば(Nであれば)、処理を終了する。
【0034】
本実施の形態によれば、一定の回転を持続させながら、ボールを移動させて投球できるので、任意の速度で任意の方向に回転するボールの投球コースを精度良くコントロールできる投球装置を提供できる。また、ボール移動装置30を静止した状態で投球でき、ボール2は長いレール31上を回転・移動してから放出されるので、ボールの投球コースを高精度にコントロールできる。
【0035】
[第2の実施の形態]
図8は本発明の第2の実施の形態における投球装置1Aの構成例を示す斜視図である。本実施の形態では、ボールを把持するボール把持回転装置が投球アームによって移動する例を説明する。図8は、投球装置1Aを打者の方向(ホームベースの方向)に向かって投球するように設置された状態を示す。
【0036】
ボール把持回転装置20の構成は第1の実施の形態と同様である。ただし、第2の支板25Aの第2の面板25A2は、第3の支板25Bに接続される代わりに、ボール移動装置60の回転式投球アーム61(単に投球アームともいう)に投球アーム回転用モータ62により回転可能に接続されている。また、ボール移動装置60の構成及びボール移動装置60を支持する支持手段70が第1の実施の形態と異なる。ボール移動装置60は、先端にボール把持回転装置20を把持する回転式投球アーム61と投球アーム回転用モータ62を有する。ボール2の移動は回転式投球アーム61を投球アーム回転用モータ62で駆動することによりなされ、移動速度は投球アーム回転用モータ62の回転数と回転式投球アーム61の長さにより定まる。すなわち、ボール移動手段301は、投球アーム回転用モータ62と、支持手段70に投球アーム回転用モータ62により接続部材63を介して回動可能に接続され、接続部分と反対側の先端にボール把持回転装置20を設置する投球アーム61を有し、速度付与手段302は、投球アーム回転用モータ62により投球アーム61を回転して移動速度を付与する。支持手段70は支台71とアーム支持板72と第3の投球コース調整用モータ73を有する。支持手段70には支台71の上にL字状のアーム支持板72が設けられ、その第1の面板72A1が支台71の鉛直軸の周りに第3の投球コース調整用モータ73により回転可能に接続されている。そして、アーム支持板72の第1の面板72A1に垂直な第2の面板72A2に回転式投球アーム61が接続部材63を介して投球アーム回転用モータ62により回転可能に接続されている。すなわち、移動装置支持手段401は支台71とアーム支持板72を含んで構成される。
【0037】
回転式投球アーム61は、先端にボール把持回転装置20が設置された状態で回転軸線X2の周りに回転するように構成されており、この回転により、ボール2はボール把持回転装置20を介して、回転軸線X2の周りに円弧を描いて移動する。回転式投球アーム61は投球アーム回転用モータ62により回転駆動される。まず、回転式投球アーム61はボール供給位置、例えば回転軸線X2に対して斜め後上方にきたときに図示しないボール供給手段10からボール2を供給され、ボール把持回転装置20がボール2を把持する。ボール供給位置が移動開始位置となり、回転式投球アーム61は回転軸線X2の周りに回転駆動され、ボール把持回転装置20の位置での移動速度が所定の値に達した後に、回転軸線X2の略鉛直上方に位置したときに、ボール把持回転装置20はボール2の把持を開放し、ボール2が円弧の接線方向に向かって所定の回転数と所定の移動速度で放出される。鉛直上方の近傍でのボール放出位置が離球位置となり、ボール放出位置における円弧の接線方向が投球方向となる。また、ボール放出位置でのボール把持回転装置20の移動速度がボール2に伝達され、投球速度となる。また、ボール放出位置、すなわち、ボール放出のタイミングは回転式投球アーム61の回転角を投球制御手段50により設定され、ボール放出位置設定手段304は投球アーム回転用モータ62と投球制御手段50を含んで構成される。ボール放出後に回転式投球アーム61は投球アーム回転用モータ62によりボール供給位置に戻される。
【0038】
第3の投球コース調整用モータ73は回転式投球アーム61のスイング方向を調整し、投球コースを水平方向(軸線Z2周り)に、すなわち打者に対してインコース、中央、アウトコースに調整する。この調整により離球位置も水平方向に変化する。また、ボール放出位置、すなわちボール放出のタイミングは、投球コースを鉛直方向(軸線X2周り)に、すなわち打者に対して高め、中央、低めに調整する。したがって、投球方向は第3の投球コース調整用モータ73とボール放出位置を調整する投球アーム回転用モータ62とにより調整される。これらの調整により離球位置も水平方向及び鉛直方向に変化する。すなわち、離球位置設定手段402及び投球方向設定手段403は第3の投球コース調整用モータ73と投球アーム回転用モータ62と投球制御手段50を含んで構成される。
【0039】
本実施の形態によれば、一定の回転を持続させながら、ボールを移動させて投球できるので、任意の速度で任意の方向に回転するボールの投球コースを精度良くコントロールできる投球装置を提供できる。また、簡易で小スペースの投球装置を提供できる。
【0040】
[第3の実施の形態]
図9は本発明の第3の実施の形態における投球装置1Bの構成例を示す斜視図である。本実施の形態ではロボット型の投球装置を示すもので、ボールを把持するボール回転リリース機構20Aがロボットのアームによって移動する例を説明する。
【0041】
ボール把持回転装置のボール回転リリース機構20Aは第1の実施の形態と同様であり、ロボット80の一方の手の掌に設置されている。ボール移動装置81がロボットのアームである点で第2の実施の形態と似ているが、関節部分が人間に似せて比較的自由に動くので、ボールの移動ルート、移動速度、ボールの開放位置などは制御装置を使用してかなり変化させられる。これにより、離球位置、投球方向、投球速度を変化させられる。また、ボールの回転方向は手首と肘の関節で変化させられる。また、ロボット80は車輪82のついた基台83に搭載され、軸足が基台83に固定されるが、他方の足は位置と方向を変えられる。ロボット80は、基台の後方に搭載されたボール供給手段10Aのボール供給口11にボール回転リリース機構20Aのついた手の掌を差し出して、ボール回転リリース機構20Aでボールを把持する。また、ロボットの足は人間に似せて比較的自由に動くようになっており、軸足(ボール回転リリース機構20Aを有する手の側)の底を基台83上に残した状態で、他方の足を基台83から外に踏み出して投球可能である。
【0042】
図10にロボット型投球装置1Bにおけるロボット80の動作を示す。ロボット80はプログラム制御されて、恰も投手が投球するように動作し、ボール回転リリース機構20Aに把持されたボール2を回転させながら移動させ、把持を開放して投球する。
【0043】
図11にロボット型投球装置1Bにおける関節の構成例を示す。関節部分にACサーボモータとハーモニックドライブギアを有する関節型アクチュエータ84を配置し、関節型アクチュエータ84に高強度プラスチックからなる関節部保護カバー85を取り付け、関節型アクチュエータ84を衝撃などから保護する。また、骨格部分には炭素繊維複合材料製チューブ構造からなる骨格フレーム86を使用し、骨格フレーム86の周囲の筋肉部分には超軽量発泡プラスチックからなる被服材87を使用し、関節部分及び被服材87の外部をユニフォーム布生地88でカバーする。
【0044】
[第4の実施の形態]
第1の実施の形態では、スプリング32が第3の支板25Bに接続される例を説明したが、本実施の形態では、スプリング32が第3の支板に接続されない例を説明する。この場合にはスプリング32の先端が最大速度に達した後(またはスプリング32が伸びきった後)は、ボール把持回転装置20はその最大速度でレール31上をスライドし、レール31の方向に投球される。ボール把持回転装置20はボール放出前にレール31上を等速度で長く移動できるので、投球コース及び投球速度が安定する。その他の構成及び動作は第1の実施の形態と同様である。
【0045】
また、本発明は、以上の実施の形態に記載の投球装置の動作処理を投球制御手段に実行させるためのプログラムとしても実現可能である。プログラムは投球制御手段の内蔵メモリに蓄積して使用してもよく、外付けの記憶装置に蓄積して使用してもよく、インターネットからダウンロードして使用しても良い。また、当該プログラムを記録した記録媒体としても実現可能である。
【0046】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、実施の形態に種々変更を加えられることは明白である。
【0047】
例えば、第1の実施の形態または第2の実施の形態の投球装置を車輪の付いた基台上に設置しても良い。このようにすると、例えばピッチングマウンドのサイズの範囲で、離球位置、投球方向を可変にできる。また、第1の実施の形態ではスプリングのバネ力でボール把持回転装置に移動速度を付与する例を説明したが、ピストンの衝撃力で移動速度を付与しても良く、レールに沿ってボール把持回転装置を移動させる移動用アームを動かすことにより移動速度を付与しても良い。また、投球制御装置の設定を無線などでリモートコントロールできるようにしても良い。また、ボール把持回転装置の形状もU字状、コの字状に限定されず、十手状、ホームベース状でも良い。また、動作フローの順序も変更可能であり、例えば回転数の付与(S040)、回転方向の傾斜の付与(S050)、移動方向の設定(S060)の順序を変更しても良い。また、第1の実施の形態ではボール放出位置を固定にする例を説明したが、ボール把持回転装置の移動速度が最高になる位置を投球制御手段で演算してボール放出位置としても良い。また、把持部の形状は円錐キャップ状に限られず、凹面球状であっても良い。その他、各部品の配置、形状、寸法などは種々変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、投球装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】第1の実施の形態における投球装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態における投球装置の構成例を示す斜視図である。
【図3】ボール把持回転装置におけるボール回転リリース機構の構成例を示す斜視図である。
【図4】ボール回転リリース機構の断面図である。
【図5】ボール回転軸傾斜機構を含むボール把持回転装置の構成例を示す斜視図である。
【図6】ボール回転軸傾斜機構を含むボール把持回転装置の断面図である。
【図7】第1の実施の形態における投球装置の動作フロー例を示す図である。
【図8】第2の実施の形態における投球装置の構成例を示す斜視図である。
【図9】第3の実施の形態における投球装置の構成例を示す斜視図である。
【図10】ロボット型投球装置におけるロボットの動作を示す図である。
【図11】ロボット型投球装置における関節の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0050】
1,1A,1B 投球装置
2 ボール
10,10A ボール供給手段
11 ボール供給口
20 ボール把持回転装置
20A ボール回転リリース機構
20B ボール回転軸傾斜機構
21 把持部
21A 押さえ部材
21B 回転軸
22 支持部
23 ボール回転用モータ(回転付与部)
24 アーム部材
25 第1の支板
25A 第2の支板
25A1,25A2 第2の支板の第1、第2の面板
25B 第3の支板
26 把持用モータ
27 第1のボール傾斜用モータ
28 第2のボール傾斜用モータ
30 ボール移動装置
31 レール
32 スプリング
33 ワイヤ
34 ワイヤ巻取用モータ
35 速度センサー
36 ボール供給位置
37 ボール放出位置
38 溝
40 支持手段
41 三脚
42 第1の投球コース調整用モータ
43 第2の投球コース調整用モータ
44 レール支持板
44A1,44A2 レール支持板の第1、第2の面板
50 投球制御手段
60 ボール移動装置
61 回転式投球アーム
62 投球アーム回転用モータ
63 接続部材
70 支持手段
71 支台
72 アーム支持板
72A1,72A2 アーム支持板72の第1、第2の面板
73 第3の投球コース調整用モータ
80 ロボット
81 ボール移動装置(ロボットのアーム)
82 車輪
83 基台
84 関節型アクチュエータ
85 関節部保護カバー
86 骨格フレーム
87 被服材
88 ユニフォーム布生地
201 ボール把持手段
202 ボール放出手段
203 回転付与手段
204 回転方向設定手段
301 ボール移動手段
302 速度付与手段
303 移動開始位置設定手段
304 ボール放出位置設定手段
401 移動装置支持手段
402 離球位置設定手段
403 投球方向設定手段
X−X ボールの回転軸線
Y−Y、Z−Z 回転軸線
X1,X2,Z1,Z2 回転軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の距離離れた所定のエリアにボールを投球する投球装置において;
ボールを対向する2つの把持部で挟んで把持するボール把持手段と;
前記把持部の少なくとも一方を回転させて、ボールに所定の回転数を与える回転付与手段と;
前記把持部に把持されたボールの離球位置を設定する離球位置設定手段と;
前記把持部に把持されたボールの投球方向を設定する投球方向設定手段と;
前記把持部に把持されたボールの前記投球方向に対する回転方向を設定する回転方向設定手段と;
前記把持部に把持されて前記所定の回転数で回転するボールを前記離球位置に向けて前記投球方向に移動させるボール移動手段と;
前記ボール移動手段により移動するボールに所定の移動速度を付与する速度付与手段と;
前記所定の回転数で回転し、前記所定の移動速度で移動するボールの把持を開放して、前記ボールを前記離球位置から前記投球方向に放出するボール放出手段と;
前記ボール把持手段と前記回転付与手段と前記離球位置設定手段と前記投球方向設定手段と回転方向設定手段と前記ボール移動手段と前記速度付与手段と前記ボール放出手段を制御する投球制御手段とを備える;
投球装置。
【請求項2】
ボール把持回転装置は前記ボール把持手段と前記回転付与手段とを有し、前記ボール把持手段は、前記ボールを両側から挟んで把持する押さえ部材と、前記押さえ部材のボールを把持する側と反対側に設けられた回転軸とを有する把持部と、2つの前記把持部の前記回転軸の軸線が一致するように、前記押さえ部材を対向させて前記回転軸の軸線の周りに回転可能に先端で支持する2つのアーム部材と前記2つのアーム部材を前記回転軸の軸線を含む面内に回動可能に接続された支板とを有する支持部とを有し、前記回転付与手段は、少なくとも一方の前記把持部の回転軸に接続され、前記一方の把持部を前記回転軸の周りに回転させるボール回転用モータを有する;
請求項1に記載の投球装置。
【請求項3】
前記ボール把持回転装置は前記回転方向設定手段を有し、前記回転方向設定手段は、前記把持部をボールの回転軸の軸線に対して垂直な2軸線の周りに回転可能に構成される;
請求項2に記載の投球装置。
【請求項4】
ボール移動装置は前記ボール移動手段と前記速度付与手段を有し、前記ボール移動手段は前記ボール把持回転装置をスライドさせるレールを有し、前記ボール把持回転装置は前記支持部を介して前記レールに係合され、前記速度付与手段は前記レールに沿って前記ボール把持回転装置を移動させるスプリングを有する;
請求項2又は請求項3に記載の投球装置。
【請求項5】
ボール移動装置は前記ボール移動手段と前記速度付与手段を有し、前記ボール移動手段は、投球アーム回転用モータと、支持手段に前記投球アーム回転用モータにより回動可能に接続され、接続部分の反対側の先端に前記ボール把持回転装置を設置する投球アームを有し、前記速度付与手段は、前記投球アーム回転用モータにより前記投球アームを回転して移動速度を付与する;
請求項2又は請求項3に記載の投球装置。
【請求項6】
前記ボール把持回転装置のボール回転リリース機構を掌に設置するロボット型に構成される;
請求項2に記載の投球装置。
【請求項7】
ボール把持手段と回転付与手段とを有し、前記ボール把持手段は、ボールを両側から挟んで把持する押さえ部材と、前記押さえ部材のボールを把持する側と反対側に設けられた回転軸とを有する把持部と、2つの前記把持部の前記回転軸の軸線が一致するように、前記押さえ部材を対向させて前記回転軸の周りに回転可能に先端で支持する2つのアーム部材と、前記2つのアーム部材を前記回転軸の軸線を含む面内に回動可能に接続された支板とを有する支持部とを有し、前記回転付与手段は、少なくとも一方の前記把持部の回転軸に接続され、前記一方の把持部を前記回転軸の周りに回転させるボール回転用モータを有する;
ボール把持回転装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−213650(P2009−213650A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−59952(P2008−59952)
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ハーモニックドライブ
【出願人】(506221701)