説明

投票用紙分類装置

【課題】投票用紙の分類中における投票用紙の搬送を停止する頻度を低減することにより、投票用紙の分類速度の向上を図る投票用紙分類装置を提供する。
【解決手段】投票用紙を分類する投票用紙分類装置1は、分類された投票用紙を収納する複数のスタッカ101〜121と、スタッカ101〜121に投票用紙を分類して搬送する第一搬送装置4a及び第二搬送装置4bと、スタッカ101〜121に設けられ、スタッカ101〜121に収納されている投票用紙の数量に関する情報を表示する表示ランプ201とを備えている。表示ランプ201は、スタッカ101〜121に収納されている投票用紙の数量が、スタッカ101〜121に収納可能な投票用紙の数量の上限である第一所定収納数量であることを示す赤色光点滅と、第一所定収納数量より少なく設定された第二所定収納数量以上であることを示す橙色光点滅とを表示可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、投票用紙分類装置に関する。
【背景技術】
【0002】
投票用紙の種別を識別して分類する従来の投票用紙分類装置として、例えば特許文献1に、複数枚の投票用紙を複数のスタッカ(収納部)に分類集積する投票用紙集計装置が記載されている。この投票用紙集計装置では、前面のホッパ部に複数枚の投票用紙が投入載置され、ホッパ部に投入載置された投票用紙は繰出部によって一枚ずつ繰り出された後、搬送部によって一枚ずつスタッカのそれぞれに搬送できるようになっている。さらに、搬送部には透過センサ部が設けられており、投票用紙集計装置は、透過センサ部が撮像した画像情報から候補者名等を識別し、識別した情報に応じたスタッカに投票用紙を送るように搬送部を制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−122744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の投票用紙集計装置では、スタッカに収納された投票用紙が、スタッカの投票用紙の許容収納枚数又はそれを越える枚数になるまで蓄積された場合、投票用紙集計装置を稼動させている状態でユーザの手によりスタッカから投票用紙を抜き取ろうとしても、次々にスタッカに投入される投票用紙と手とが干渉して、投票用紙の紙詰まり等が発生し、それにより投票用紙集計装置を停止又は故障させてしまうという問題がある。一方、このような問題の発生を防ぐために、複数あるスタッカのうちの1つのスタッカにおける投票用紙の蓄積枚数が許容収納枚数となるごとに、投票用紙の搬送を停止させて投票用紙を抜き取るようなことを行うと、投票用紙の搬送の停止が頻繁に行われるため、投票用紙の分類速度が低下するという問題がある。
【0005】
この発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、投票用紙の分類中における投票用紙の搬送を停止する頻度を低減することにより、投票用紙の分類速度の向上を図る投票用紙分類装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る投票用紙分類装置は、投票用紙を分類する投票用紙分類装置であって、分類された投票用紙を収納する複数の収納部と、収納部に投票用紙を分類して搬送する搬送手段と、収納部に設けられ、収納部に収納されている投票用紙の数量に関する情報を表示する表示部とを備え、表示部は、収納部に収納されている投票用紙の数量が、収納部に収納可能な投票用紙の数量の上限である第一所定収納数量であることを示す第一表示と、第一所定収納数量より少なく設定された第二所定収納数量以上であることを示す第二表示とを表示可能である。
【0007】
また、上記投票用紙分類装置は、表示部が第一表示を表示すると、搬送手段を停止させてもよい。
また、上記投票用紙分類装置は、収納部の投票用紙を検知する検知手段をさらに備え、表示部が第一表示を表示することにより搬送手段が停止したとき、検知手段が、第一表示が表示された収納部に投票用紙がないことを検知すると、搬送手段の搬送を再開してもよい。
また、上記投票用紙分類装置では、表示部が第一表示を表示することにより搬送手段が停止したとき、検知手段が、第一表示が表示された収納部に投票用紙がないことを検知することに加え、第二表示が表示された収納部に投票用紙がないことを検知すると、搬送手段の搬送を再開してもよい。
【発明の効果】
【0008】
この発明の投票用紙分類装置によれば、投票用紙の分類中における投票用紙の搬送を停止する頻度が低減されるため、投票用紙の分類速度の向上を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態に係る投票用紙分類装置の正面図である。
【図2】図1の投票用紙分類装置のスタッカの詳細な構成を示す正面図である。
【図3】図1の投票用紙分類装置の制御装置の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の実施の形態について、添付図面に基づいて説明する。
実施の形態
まず、図1〜3を用いて、この発明の実施の形態に係る投票用紙分類装置1の構成を説明する。
【0011】
投票用紙分類装置1は、分類される投票用紙を配置する配置台2と、投票用紙に記載された候補者名を読み取るスキャナ3と、スキャナ3で読み取られた後の投票用紙を収納する21個のスタッカ101〜121とを備えている。さらに、投票用紙分類装置1は、配置台2の投票用紙をスキャナ3に搬送する第一搬送装置4aと、スキャナ3で読み取られた後の投票用紙を候補者名ごとに分類してスタッカ101〜121のそれぞれに搬送する第二搬送装置4bとを備えている。
また、投票用紙分類装置1では、スタッカは、8個単位でスタッカ101〜121に増設可能となっている。
ここで、スタッカ101〜121は収納部を構成し、第一搬送装置4a及び第二搬送装置4bは搬送手段を構成している。
【0012】
さらに、投票用紙分類装置1は、その内部に制御装置5を備えており、制御装置5は、スキャナ3、第一搬送装置4a、第二搬送装置4b及びスタッカ101〜121と電気的に接続されている(図3参照)。制御装置5は、第一搬送装置4aの動作を制御して配置台2からスキャナ3へ投票用紙を搬送させ、さらに、スキャナ3から送信される候補者名の情報に基づき第二搬送装置4bの動作を制御して、投票用紙をスキャナ3からその投票用紙に記載されている候補者名に対応するスタッカ101〜121へ搬送させる。
【0013】
図2を参照すると、スタッカ101の詳細な構成が示されている。なお、スタッカ102〜121も、スタッカ101と同様の構成を有している。
スタッカ101は、上部が開放した箱状の形状をして投票用紙Bを収納可能な本体101aを有しており、本体101aの前面101bに開口部101cを有している。このため、スタッカ101の本体101aに収納された投票用紙Bをその前面101bから取り出すことができる。なお、本実施の形態では、スタッカ101の本体101aに収納可能な投票用紙は、130枚であるものとする。ここで、この130枚という数量は、スタッカ101の第一所定収納数量を構成している。
【0014】
また、スタッカ101の本体101aにおける第二搬送装置4bと隣接する側部101dにはローラ101eが設けられ、さらに、ローラ101eのローラ面に対向するようにしてガイド部材101fが設けられている。そして、第二搬送装置4bから送られる投票用紙は、ローラ101e及びガイド部材101fによって案内されて、スタッカ101の本体101aの内部に導入される。
【0015】
また、スタッカ101の前面101bには、表示ランプ201が設けられている。表示ランプ201には、赤色の光を発光する赤色LED202と、緑色の光を発光する緑色LED203とが内蔵されている。このため、表示ランプ201は、赤色LED202のみが点灯すると赤色で点灯し、緑色LED203のみが点灯すると緑色で点灯し、赤色LED202及び緑色LED203の両方が点灯すると橙色で点灯する。さらに、赤色LED202及び緑色LED203は、制御装置5に電気的に接続されており、制御装置5の制御によってそれぞれが点灯又は消灯する(図3参照)。
ここで、表示ランプ201は、表示部を構成している。
【0016】
また、スタッカ101の本体101aは、光学センサ等の検知センサ204を有している。検知センサ204は、本体101a内部の底部101gに設けられた受光センサ204aと、受光センサ204aの上方に設けられた発光デバイス204bとを有している。なお、スタッカ101では、発光デバイス204bは、上方のスタッカ102の下面に取り付けられている。さらに、受光センサ204a及び発光デバイス204bは、制御装置5に電気的に接続されており、制御装置5の制御により動作する(図3参照)。
受光センサ204aは、発光デバイス204bの発生する光を受光しているか又は受光していないかを示す信号を制御装置5に送信する。そして、本体101aの内部に投票用紙がある場合、受光センサ204aは、発光デバイス204bの光を受光できないため、受光していないことを示す信号を制御装置5に送信し、制御装置5は、本体101aの内部に投票用紙があると判定する。また、本体101aの内部に投票用紙がない場合、受光センサ204aは、発光デバイス204bの光を受光できるため、受光していることを示す信号を制御装置5に送信し、制御装置5は、本体101aの内部に投票用紙がないと判定する。すなわち、検知センサ204は、本体101aの内部の投票用紙を検知していることを示す情報又は検知していないことを示す情報を、制御装置5に送信する。
ここで、検知センサ204は、検知手段を構成している。
【0017】
次に、図1〜3を用いて、この発明の実施の形態に係る投票用紙分類装置1の動作を説明する。
図1を参照すると、スタッカ101〜121のそれぞれに投票用紙が存在しない状態で、ユーザによって投票用紙分類装置1の配置台2の上に複数の投票用紙が置かれ、投票用紙分類装置1が始動される。このとき、制御装置5は、第一搬送装置4a、スキャナ3及び第二搬送装置4bを作動させ、さらに、スタッカ101〜121のそれぞれの検知センサ204を作動させる。また、制御装置5は、スタッカ101〜121のそれぞれの表示ランプ201に対して、その内部に投票用紙が存在することを検知センサ204が検知している場合に緑色LED203(図2参照)を点灯させて緑色の光を発光させる。このため、投票用紙分類装置1の始動直後の投票用紙の分類開始前では、全てのスタッカ101〜121の表示ランプ201は、消灯している。
【0018】
さらに、第一搬送装置4aは、配置台2から投票用紙を1枚ずつ繰り出し、スキャナ3に順次搬送する。スキャナ3は、次々に送られてくる投票用紙それぞれの表面を読み取り、読み取った画像を制御装置5に送信する。そして、制御装置5は、受信画像から候補者名を抽出し、スタッカ101〜121のうちの抽出した候補者名に対応するスタッカへ、受信画像が読み取られた投票用紙を搬送させるように、第二搬送装置4bの動作を制御する。なお、制御装置5には、各候補者名に対して1つのスタッカが対応するように予め設定されて記憶されており、例えば、候補者名C1,C2,C3・・・・・・に対応するスタッカとしてスタッカ101,102,103・・・・・・がそれぞれ設定されている。
【0019】
よって、第二搬送装置4bは、制御装置5の制御により、投票用紙をそれに記載されている候補者名に対応する、スタッカ101〜121の1つに搬送する。このとき、各スタッカ101〜121に搬送された投票用紙の枚数は制御装置5によりカウントされ、カウントされた枚数は、スタッカの蓄積枚数として制御装置5に記憶される。
【0020】
第二搬送装置4bが投票用紙を分類して搬送することで、スタッカ101〜121のそれぞれでは、その内部に1枚目の投票用紙が送られると、検知センサ204が投票用紙を検知して制御装置5に投票用紙があることを示す情報を送信する。このとき、制御装置5は、表示ランプ201に対して緑色LED203(図2参照)を点灯させて緑色の光を発光させる。そして、検知センサ204が投票用紙を検知している間、制御装置5は、表示ランプ201に緑色の光での点灯を継続させる。
【0021】
第二搬送装置4bが投票用紙を次々に分類して搬送することで、スタッカ101〜121の内部には投票用紙が蓄積されていくが、制御装置5は、例えば、スタッカ101における投票用紙の搬送枚数を100枚とカウントしたとき、スタッカ101内の投票用紙の蓄積枚数が100枚であると判定し、スタッカ101の表示ランプ201に対して緑色LED203(図2参照)に加えて赤色LED202(図2参照)を点灯させ、これらを点滅させる。これにより、投票用紙分類装置1は、スタッカ101の表示ランプ201に橙色の光を点滅させ、そのユーザに対して、スタッカ101における投票用紙の蓄積枚数が収納可能な上限枚数(130枚)に近いニアフル状態であることを示す。なお、他のスタッカ102〜121についても、投票用紙の蓄積枚数が100枚になった場合、表示ランプ201が橙色の光で点滅するようになっている。なお、ニアフル状態は、スタッカ101における投票用紙の収納可能な枚数の範囲内で自由に設定することができる。
ここで、表示ランプ201における橙色光の点滅は、第二表示を構成している。
【0022】
さらに、スタッカ101の表示ランプ201が橙色で点滅した状態で第二搬送装置4bは投票用紙の分類・搬送を続けるが、制御装置5は、スタッカ101の投票用紙の搬送枚数を130枚とカウントしたとき、スタッカ101内の投票用紙の蓄積枚数が130枚であると判定し、スタッカ101の表示ランプ201の緑色LED203(図2参照)を消灯し、赤色LED202のみを点滅させ続ける。これにより、投票用紙分類装置1は、スタッカ101の表示ランプ201に赤色の光を点滅させ、そのユーザに対して、スタッカ101における投票用紙の蓄積枚数が収納可能な上限枚数であるフル状態であることを示す。また、同時に、制御装置5は、第一搬送装置4a及び第二搬送装置4bを停止させ、投票用紙の搬送を停止する。
【0023】
なお、他のスタッカ102〜121についても、投票用紙の蓄積枚数が130枚になった場合、表示ランプ201が赤色の光で点滅するようになっており、表示ランプ201の赤色の光の点滅時には、制御装置5が、第一搬送装置4a及び第二搬送装置4bを停止させる。
ここで、表示ランプ201における赤色光の点滅は、第一表示を構成している。
【0024】
表示ランプ201の赤色光の点滅により投票用紙の搬送が停止されたとき、ユーザが、スタッカ101からその内部の投票用紙をすべて抜き取ると、スタッカ101の検知センサ204が、スタッカ101の内部に投票用紙がないことを示す情報を制御装置5に送信する。これにより、制御装置5は、スタッカ101内の投票用紙の蓄積枚数が0枚であると判定して、蓄積枚数を0枚にリセットし、スタッカ101の表示ランプ201の赤色LED202(図2参照)を消灯する。その後、制御装置5は、第一搬送装置4a及び第二搬送装置4bを再始動させ、投票用紙の分類・搬送を再開する。そして、制御装置5は、スタッカ101内の投票用紙の蓄積枚数の初期値を0枚として、スタッカ101における投票用紙の蓄積枚数のカウントを再度開始する。
【0025】
なお、制御装置5は、スタッカ101の検知センサ204からスタッカ101の内部に投票用紙がないことを示す情報を受信しない限り、すなわち投票用紙が完全に抜き取られない限り、表示ランプ201の赤色の点滅光の消灯も、第一搬送装置4a及び第二搬送装置4bの再始動もしない。
【0026】
また、制御装置5は、投票用紙の分類・搬送の再開後、スタッカ101内に投票用紙が送られると、再び表示ランプ201を緑色の光で点灯させ、スタッカ101内の投票用紙の蓄積枚数が再び100枚になると、再び表示ランプ201を橙色の光で点滅させ、さらに蓄積枚数が再び130枚になると、再び表示ランプ201を赤色の光で点滅させると共に、投票用紙の搬送を停止する。
【0027】
従って、投票用紙分類装置1では、制御装置5は、スタッカ101〜121のうちのいずれかのスタッカが、表示ランプ201に赤色の光を点滅させる状態であるフル状態になると、第一搬送装置4a及び第二搬送装置4bを停止させて投票用紙の搬送を停止し、そして、投票用紙の搬送の再開後、スタッカ101〜121のうちのいずれかのスタッカがフル状態になると投票用紙の搬送を再び停止し、これらを繰り返すことによって、投票用紙の分類が行われる。
【0028】
また、ユーザは、投票用紙の搬送の停止時、スタッカ101の他のスタッカ102〜121のうち、表示ランプ201が橙色の光で点滅しているスタッカから、投票用紙を抜き取る。投票用紙の搬送の停止時、例えばスタッカ102の表示ランプ201が橙色の光で点滅しており、スタッカ102の蓄積枚数が110枚である場合、ユーザが全ての投票用紙を抜き取ると、制御装置5は、スタッカ102内の投票用紙の蓄積枚数が0枚であると判定して、蓄積枚数を0枚にリセットし、スタッカ101の表示ランプ201の赤色LED202及び緑色LED203(図2参照)を消灯して橙色の光の点滅を消灯する。そして、投票用紙の搬送が再開されると、制御装置5は、スタッカ102内の投票用紙の蓄積枚数の初期値を0枚として、スタッカ102における投票用紙の蓄積枚数のカウントを再度開始する。これによって、投票用紙の搬送が停止されるフル状態に近いニアフル状態のスタッカが排除されるため、次に、スタッカ101〜121のいずれかがフル状態になるまでの時間を多くとることができ、投票用紙の搬送の停止回数が低減される。
【0029】
このとき、制御装置5は、投票用紙の搬送の停止時、表示ランプ201が橙色の光で点滅しているスタッカにおける検知センサ204からそのスタッカの内部に投票用紙がないことを示す情報を受信しない限り、すなわち投票用紙が完全に抜き取られない限り、表示ランプ201の橙色の点滅光の消灯も、第一搬送装置4a及び第二搬送装置4bの再始動もしないように制御してもよい。
【0030】
このように、実施の形態に係る投票用紙分類装置1は、投票用紙を分類する投票用紙分類装置である。さらに、投票用紙分類装置1は、分類された投票用紙を収納する複数のスタッカ101〜121と、スタッカ101〜121に投票用紙を分類して搬送する第一搬送装置4a及び第二搬送装置4bと、スタッカ101〜121に設けられ、スタッカ101〜121に収納されている投票用紙の数量に関する情報を表示する表示ランプ201とを備えている。表示ランプ201は、スタッカ101〜121に収納されている投票用紙の数量が、スタッカ101〜121に収納可能な投票用紙の数量の上限である第一所定収納数量であることを示す第一表示である赤色光点滅と、第一所定収納数量より少なく設定された第二所定収納数量以上であることを示す第二表示である橙色光点滅とを表示可能である。
【0031】
これによって、例えばスタッカ101の表示ランプ201が赤色光点滅を表示したときに第一搬送装置4a及び第二搬送装置4bを停止させると、第一所定収納数量である130枚となっているスタッカ101の投票用紙を確実に抜き取ることができる。さらに、第一搬送装置4a及び第二搬送装置4bの停止時に、橙色光点滅が表示されている、例えばスタッカ102からも投票用紙を抜き取ることによって、第二所定収納数量である100枚以上の投票用紙が収納されているスタッカ102〜121が存在しないようにすることができる。このため、投票用紙の抜き取り後、130枚の投票用紙を収納するスタッカが発生するまでの時間を増大させることが可能になる。また、投票用紙が抜き取られるスタッカ102〜121を橙色光点滅が表示されているものに限定することによって、抜き取り作業の時間を低減することが可能になる。従って、投票用紙の分類中において、スタッカ101〜121から投票用紙を抜き取るために投票用紙の搬送を停止する時間及び停止する頻度を低減し、それにより、投票用紙の分類速度を向上させることが可能になる。
【0032】
また、投票用紙分類装置1は、表示ランプ201が赤色光点滅を表示すると、第一搬送装置4a及び第二搬送装置4bを停止させる。このとき、投票用紙分類装置1自体が、第一搬送装置4a及び第二搬送装置4bを停止させることにより、スタッカ101〜121に第一所定収納数量の130枚より多い投票用紙が収納されることを防ぐことができ、それによって、過度に投票用紙が搬送されることによるスタッカ101〜121内での投票用紙の紙詰まりを防止することができる。
【0033】
また、投票用紙分類装置1は、スタッカ101〜121の投票用紙を検知する検知センサ204を備えている。さらに、投票用紙分類装置1では、表示ランプ201が赤色光点滅を表示することにより第一搬送装置4a及び第二搬送装置4bが停止したとき、検知センサ204が、赤色光点滅が表示された、例えばスタッカ101に投票用紙がないことを検知すると、第一搬送装置4a及び第二搬送装置4bの搬送を再開する。これによって、表示ランプ201が赤色光点滅を表示するスタッカ101から投票用紙を抜き取る際、抜き取りの途中で投票用紙の搬送が再開されることを防ぐことができる。さらに、スタッカ101に投票用紙を残した状態で投票用紙の搬送が再開されないため、スタッカ101における投票用紙の蓄積枚数の計測ミスを防止することができる。
【0034】
また、投票用紙分類装置1では、表示ランプ201が赤色光点滅を表示することにより第一搬送装置4a及び第二搬送装置4bが停止したとき、検知センサ204が、赤色光点滅が表示された、例えばスタッカ101に投票用紙がないことを検知することに加え、橙色点滅が表示された、例えばスタッカ102に投票用紙がないことを検知すると、第一搬送装置4a及び第二搬送装置4bの搬送を再開することができる。これによって、第一搬送装置4a及び第二搬送装置4bの停止時、赤色光点滅が表示されて130枚の投票用紙を収納するフル状態のスタッカ101、及び、橙色光点滅が表示されて100枚の投票用紙を収納するニアフル状態のスタッカ102から、投票用紙が完全に抜き取られない限り、第一搬送装置4a及び第二搬送装置4bは再始動されない。このため、確実に所定量(100枚)以上の投票用紙を収納するスタッカを存在しないようにして、スタッカ101〜121のいずれかがフル状態に至るまでの時間を確保することができるため、第一搬送装置4a及び第二搬送装置4bの停止頻度を低減することが可能になる。
【0035】
実施の形態の投票用紙分類装置1では、スタッカ101〜121のそれぞれに表示ランプ201を設けていたが、表示ランプ201の代わり、又は、表示ランプ201に加えて、蓄積されている投票用紙の枚数を表示する表示部を設けてもよい。
また、実施の形態の投票用紙分類装置1では、第二所定収納数量を、ニアフル状態の数量として100枚に設定していたが、これに限定されるものでなく、搬送部の停止時間及び停止頻度を低減するように適宜設定することができる。
【0036】
また、実施の形態の投票用紙分類装置1では、制御装置5がスタッカ101〜121への投票用紙の搬送枚数をカウントしていたが、これに限定されるものでなく、スタッカ101〜121のそれぞれに投票用紙の搬送枚数をカウントするセンサを設け、スタッカ101〜121のそれぞれに収納された投票用紙をカウントするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 投票用紙分類装置、4a 第一搬送装置(搬送手段)、4b 第二搬送装置(搬送手段)、101〜121 スタッカ(収納部)、201 表示ランプ(表示部)、204 検知センサ(検知手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投票用紙を分類する投票用紙分類装置であって、
分類された投票用紙を収納する複数の収納部と、
前記収納部に投票用紙を分類して搬送する搬送手段と、
前記収納部に設けられ、前記収納部に収納されている投票用紙の数量に関する情報を表示する表示部とを備え、
前記表示部は、前記収納部に収納されている投票用紙の数量が、前記収納部に収納可能な投票用紙の数量の上限である第一所定収納数量であることを示す第一表示と、前記第一所定収納数量より少なく設定された第二所定収納数量以上であることを示す第二表示とを表示可能である投票用紙分類装置。
【請求項2】
前記表示部が前記第一表示を表示すると、前記搬送手段を停止させる請求項1に記載の投票用紙分類装置。
【請求項3】
前記収納部の投票用紙を検知する検知手段を備え、
前記表示部が前記第一表示を表示することにより前記搬送手段が停止したとき、前記検知手段が、前記第一表示が表示された前記収納部に投票用紙がないことを検知すると、前記搬送手段の搬送を再開する請求項1または2に記載の投票用紙分類装置。
【請求項4】
前記表示部が前記第一表示を表示することにより前記搬送手段が停止したとき、前記検知手段が、前記第一表示が表示された前記収納部に投票用紙がないことを検知することに加え、前記第二表示が表示された前記収納部に投票用紙がないことを検知すると、前記搬送手段の搬送を再開する請求項3に記載の投票用紙分類装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−8956(P2012−8956A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−146630(P2010−146630)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(592221908)武蔵エンジニアリング株式会社 (30)
【Fターム(参考)】