説明

折り畳み印刷物の製造方法

【課題】折畳み印刷物を受け取った人が開封して読む可能性が高くなって高い宣伝効果を期待でき、作製工程を効率的にでき、コストも低く抑えられる折畳み印刷物の製造方法を提供する。
【解決手段】折り線21a〜21c,22a〜22cを介して連続する複数の紙片23a〜23pからなる本体部20と、外周側のいずれかの紙片23pから易切断線31を介して連続する封着片30とを備えた印刷済用紙を、本体部が1つの紙片の大きさになるように折り畳むと共に、封着片を易切断線で折り曲げて紙片に剥離可能に貼着した折畳み印刷物10の製造方法であって、印刷工程と、用紙を本体部と封着片とが連続する形状に型抜きする型抜き工程と、本体部を折り畳む折畳み工程と、その途中段階で折り筋と同時に易切断線を形成する折り筋・易切断線形成工程と、封着片に接着剤Sを塗布する塗布工程と、封着片を易切断線で折り曲げて剥離可能に貼着する封着工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳み印刷物の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、カタログやパンフレット、広告等に用いる印刷物としては、新聞の折り込みチラシのように、例えばA2用紙等の大きな印刷物を二つ折り又は四つ折りとしたものがある。このような大きな印刷物は、商品等の情報を多く載せることができ、インパクトもあるため、高い宣伝効果を期待できるものである。しかし、このような大きな印刷物は、新聞の折り込みチラシとしては良いが、ダイレクトメールとして郵送又は宅配したり、路上やイベント会場等で通行人や来場者等に手渡したり、タクシーや店先等の広告ポケットに設置したりするには大き過ぎる場合があった。
【0003】
そのため、前記したように、印刷物をダイレクトメールとして郵送又は宅配したり、路上やイベント会場等で通行人や来場者等に手渡したり、タクシーや店先等の広告ポケットに設置したりする場合には、大きな印刷物をさらに小さく折り畳んで封筒等に入れて、郵送・宅配・手渡し・設置等を行うようにするか、印刷物を葉書大等の小さいものに替えて、郵送・宅配・手渡し・設置等を行うようにしていた。しかし、大きな印刷物を小さく折り畳んで封筒等に入れた場合、印刷物を受け取ったり手に取ったりした人が、封筒をナイフやハサミ等で開封することを面倒臭がって印刷物が読まれないことが多くなる可能性が高くなると共に、印刷物を入れる封筒等は捨てられるだけであるために資源の無駄となり、また、印刷物を小さいものに替えると、載せられる情報が少なくなったりインパクトに欠けるものとなり、双方の場合とも高い宣伝効果を期待できなくなってしまう、という問題を有していた。
【0004】
そこで、大きな印刷物を小さく折り畳んで接着剤等で貼り合わせることで、印刷物自体を封書形式とし、これをそのまま郵送・宅配・手渡し・設置することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−180074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記した特許文献1のような印刷物では、接着剤で貼り合わせた部分が多くて開封に時間と手間が掛かるため、当該印刷物を受け取ったり手に取ったりした人がこれを開封しようとした際に、折角封筒がないにも拘わらず、結局、開封を面倒臭がって印刷物が読まれなくなってしまう可能性があり、従来の問題が残るものであった。また、印刷物を折り畳んで複数箇所を接着剤等で貼り合わせるために、印刷物を封書形式にする工程が煩雑となり、コストも掛かるという問題もあった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、大きな印刷物を、ダイレクトメールとして郵送又は宅配したり、路上やイベント会場等で通行人や来場者等に手渡したり、タクシーや店先等の広告ポケットに設置したりする場合にも、受け取ったり手に取ったりした人が開封して読む可能性が高くなって高い宣伝効果を期待することができ、しかも、作製工程を効率的にすることができ、コストも低く抑えられる折り畳み印刷物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の発明は、折り線を介して連続する複数の紙片からなる本体部と、複数の前記紙片のうちの前記本体部の外周側に位置するいずれかの前記紙片から易切断線を介して連続する封着片とを備えた印刷済用紙を、前記本体部が1つの前記紙片の大きさになり、かつ、前記封着片に連続する前記紙片が外面となるように前記折り線で折り畳むと共に、前記封着片を前記易切断線で裏面側に折り曲げて当該裏面側の前記紙片に剥離可能に貼着した折り畳み印刷物の製造方法であって、所定の大きさの用紙に印刷を行う印刷工程と、前記印刷工程で印刷を行った前記用紙を、前記本体部と前記封着片とが連続する形状に型抜きする型抜き工程と、前記型抜き工程で型抜きした前記本体部を予め定められた複数の前記折り線で複数回折り加工することで、前記本体部が1つの前記紙片の大きさとなり、かつ、前記封着片に連続する前記紙片が外面となるように、前記本体部を折り畳む折り畳み工程と、前記折り畳み工程の途中段階で、前記易切断線と同方向に延びる前記折り線部分に折り筋を形成するのと同時に、前記易切断線を形成する折り筋・易切断線形成工程と、前記折り畳み工程の後に、前記封着片に接着剤を塗布する塗布工程と、前記接着剤塗布工程で接着剤が塗布された前記封着片を、該封着片に連続した前記紙片の前記裏面側の前記紙片に向けて前記易切断線で折り曲げ、前記封着片を剥離可能に貼着する封着工程と、を有する折り畳み印刷物の製造方法としたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項2に記載の発明は、折り線を介して連続する複数の紙片からなる本体部と、複数の前記紙片のうちの前記本体部の外周側に位置するいずれかの前記紙片から易切断線を介して連続する封着片とを備えた印刷済用紙を、前記本体部が1つの前記紙片の大きさになり、かつ、前記封着片に連続する前記紙片が外面となるように前記折り線で折り畳むと共に、前記封着片を前記易切断線で裏面側に折り曲げて当該裏面側の前記紙片に剥離可能に貼着した折り畳み印刷物の製造方法であって、所定の大きさの用紙に印刷を行う印刷工程と、前記印刷工程で印刷を行った前記用紙を、前記本体部と前記封着片とが連続する形状に型抜きするのと同時に、前記易切断線を形成する型抜き・易切断線形成工程と、前記型抜き工程で型抜きした前記本体部を予め定められた複数の前記折り線で複数回折り加工することで、前記本体部が1つの前記紙片の大きさとなり、かつ、前記封着片に連続する前記紙片が外面となるように、前記本体部を折り畳む折り畳み工程と、前記折り畳み工程の後に、前記封着片に接着剤を塗布する塗布工程と、前記接着剤塗布工程で接着剤が塗布された前記封着片を、該封着片に連続した前記紙片の前記裏面側の前記紙片に向けて前記易切断線で折り曲げ、前記封着片を剥離可能に貼着する封着工程と、を有する折り畳み印刷物の製造方法としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1に記載の発明によれば、大きな印刷物を小さく折り畳んで封着片のみで封着して封書形式にしているため、印刷物を簡単に開封して広げることができ、その結果、ダイレクトメールとして郵送又は宅配したり、路上やイベント会場等で通行人や来場者等に手渡したり、タクシーや店先等の広告ポケットに設置したりする場合でも、受け取ったり手に取ったりした人が開封して読む可能性が高くなって高い宣伝効果を期待することができる。しかも、折り筋を形成するのと同時に易切断線を形成する等により、折り畳み印刷物の作製工程を効率的にすることができ、コストも低く抑えられる。
【0011】
また、本発明の請求項2に記載の発明によれば、大きな印刷物を小さく折り畳んで封着片のみで封着して封書形式にしているため、印刷物を簡単に開封して広げることができ、その結果、ダイレクトメールとして郵送又は宅配したり、路上やイベント会場等で通行人や来場者等に手渡したり、タクシーや店先等の広告ポケットに設置したりする場合でも、受け取ったり手に取ったりした人が開封して読む可能性が高くなって高い宣伝効果を期待することができる。しかも、用紙の型抜きを行うのと同時に易切断線を形成する等により、折り畳み印刷物の作製工程を効率的にすることができ、コストも低く抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る折り畳み印刷物を広げた状態を示す平面図である。
【図2】同実施の形態に係る折り畳み印刷物を折り畳んで封着した状態を示す平面図である。
【図3】同実施の形態に係る折り畳み印刷物の製造手順を説明する工程図であって、印刷工程及び型抜き工程を示す斜視図である。
【図4】図3の次工程としての折り畳み工程を示す斜視図である。
【図5】図4の次工程としての折り筋・易切断線形成工程を示す斜視図である。
【図6】図5の次工程としての折り畳み工程を示す斜視図である。
【図7】図6の次工程としての折り畳み工程を示す斜視図である。
【図8】図7の次工程としての塗布工程及び封着工程を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
【0014】
始めに、本発明の第1の実施の形態について、図1〜図8を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る折り畳み印刷物を広げた状態を示す平面図である。図2は、同実施の形態に係る折り畳み印刷物を折り畳んで封着した状態を示す平面図である。図3は、同実施の形態に係る折り畳み印刷物の製造手順を説明する工程図であって、印刷工程及び型抜き工程を示す斜視図である。図4は、図3の次工程としての折り畳み工程を示す斜視図である。図5は、図4の次工程としての折り筋・易切断線形成工程を示す斜視図である。図6は、図5の次工程としての折り畳み工程を示す斜視図である。図7は、図6の次工程としての折り畳み工程を示す斜視図である。図8は、図7の次工程としての塗布工程及び封着工程を示す斜視図である。
【0016】
まず、本実施の形態に係る折り畳み印刷物10について、図1〜図2を用いて説明する。
【0017】
本実施の形態の折り畳み印刷物10は、広げると図1に示すように、大きな1枚の印刷済用紙となるものであり、これを後述するように折り畳んで留めることで、図2に示すように、小さな封書形式にされたものである。また、この折り畳み印刷物10は、情報を載せる印刷が主に施された本体部20と、当該本体部20を折り畳んだ後に留めるための封着片30とを備えている。
【0018】
このうち、本体部20は、広げた状態が略方形状となるように形成されており、縦横に複数設けられた折り線21a〜21c,22a〜22cを介して複数の略方形状の紙片23a〜23pが連続して配置された構成となっている。特に、本実施の形態の本体部20は、広げたときに葉書を4行×4列に並べたのと略等しい大きさを有しており、さらに、縦方向に延びる折り線21a〜21cが略等間隔に3本設けられ、横方向に延びる折り線22a〜22cが略等間隔に3本設けられており、これらで区切られて、4行×4列の計16の連続する葉書大の略方形状の紙片23a〜23pを有するように構成されている。
【0019】
そして、広げた状態の本体部20を、このように設けられた折り線21a〜21c,22a〜22cで、後述するように複数回折り畳むことで、当該本体部20が最終的に1つの紙片大になり、その際、本体部20の外周側に位置する紙片23a〜23e,23h,23i,23l,23m,23pのうちの封着片30が連続する紙片23pとその隣に位置する紙片23oとが、折り畳み印刷物10の外面である表紙と裏表紙となるように構成されている。本実施の形態では、本体部20の4つの角部のうちの右下の角部に位置する紙片23pが封着片30と連続しており、当該紙片23pとその右隣の紙片23oが折り畳み時に外面となって表紙と裏表紙を構成するようになっている。
【0020】
また、封着片30は、前記したように、本体部20の外周側の紙片23a〜23e,23h,23i,23l,23m,23pの1つに、易切断線31を介して連続するように設けられている。本実施の形態の封着片30は、本体部20における角部に位置する紙片に設けられており、特にここでは、図1に示すように、本体部20の4つの角部のうちの右下の角部に位置する紙片23pに、ミシン目からなる易切断線31を介して設けられている。この封着片30は、本体部20を折り畳んだ後に接着剤Sを塗布して易切断線31で折り曲げて裏面側の紙片に剥離可能に貼着させることで、折り畳んだ本体部20が広がらないように留める構成となっている。なお、易切断線31とは、ミシン目,ハーフカット加工,薄肉成形等を含む切断容易に加工された線を指すものとする。ここでは、前記したように、易切断線31としてミシン目が形成されている。
【0021】
また、本実施の形態の封着片30は易切断線31を長辺(下底)とする細長い台形状に形成されており、易切断線31の両端部から延びる2つの短辺のうち、本体部20の角部側に位置する短辺32が易切断線31と直角に延びており、角部側と反対側に位置する短辺33が斜め下に延びるように形成されている。このようにして封着片30の短辺32,33の少なくとも一方が斜めに形成されていることで、本体部20が折り畳まれて封着片30で貼着された状態から封着片30を剥離する際に、剥がし易くすることができるものである。なお、本実施の形態では、封着片30の短辺32,33のうちの一方の短辺32が斜めに形成されていたが、これに限るものではなく、もう一方の短辺33が斜めに形成されていても良いし、また、双方の短辺32,33が斜めに形成されていても良い。また、封着片30を剥がし易くすることができる形状であれば、短辺が斜めに形成されている構成に限るものではなく、短辺や角につまむことができる突起部が形成されている等、他の形状を採用しても良い。
【0022】
次に、本実施の形態に係る折り畳み印刷物10の製造方法について、図1〜図8を参照して説明する。本実施の形態では、折り畳み印刷物の製造手順として、印刷工程→型抜き工程→折り畳み工程(途中段階で折り筋・易切断線形成工程を含む)→塗布工程→封着工程の各工程を有するものである。以下、各工程について詳細に説明する。
【0023】
まず、図3に示すように、印刷工程を行う。この印刷工程では、所定の大きさの用紙10aに予め定められた内容の印刷を行う。本実施の形態では、葉書を4行×4列に並べた大きさより一回り大きな用紙10aに対し、両面に印刷を行うようになっている。
【0024】
次に、図3に示すように、型抜き工程を行う。この型抜き工程では、印刷工程によって印刷済みの用紙10aに対し、位置合せを行った上で、本体部20と封着片30を有する印刷物10の形状に型抜きを行う。このとき、型抜きに際して、多少の誤差が生じても良いように、型抜きする印刷物10の周りに所定の幅の余白10bを設けておく。
【0025】
次に、図4〜図8に示すように、折り畳み工程を行う。この折り畳み工程では、まず、図4に示すように、横方向に延びる折り線22a〜22cとなる位置で複数回折り加工を行う。具体的には、横方向に延びる3本の折り線22a〜22cとなる位置(本体部20の縦の長さを略4等分する位置)で上から順に折り線22aの位置で谷折り、折り線22bの位置で山折り、折り線22cの位置で谷折りと折ることで、断面視略M字状に折り畳むものである。これにより、本体部20の縦方向の大きさが、葉書大の1つの紙片の縦方向の大きさとなる。また、これにより、それぞれに横方向に延びる折り線22a〜22cが形成される。
【0026】
ここで、折り畳み工程の途中段階(本実施の形態では、横方向に延びる折り線22a〜22cで3回折った後)で、図5に示すように、折り筋・易切断線形成工程を行う。この折り筋・易切断線形成工程では、図示しない複数のローラ等を用いて縦方向に延びる複数の折り線21a〜21cを形成するように一度に折り筋を付け、同時に折り線21a〜21cと同方向である縦方向に延びる易切断線31をローラカッター等で形成する。また、このとき、その後に縦方向の折り線21a〜21cで折り畳む際の紙の厚みを考え、折り筋を、本体部20の横の長さを略4等分する位置から多少ずらした位置に付ける。具体的には、図5に示す紙片23a〜23d(この下に紙片23e〜23pが重なっている)のうち、封着片30に連続する紙片23d(この下に紙片23h,23l,23pが重なっている)とそこから最も離れた紙片23a(この下に紙片23e,23i,23mが重なっている)がほぼ同じ幅となり、その間の紙片23b(この下に紙片23f,23j,23nが重なっている)と紙片23c(この下に紙片23g,23k,23oが重なっている)の幅が1〜数mm狭くなるように折り筋を付けるようになっている。
【0027】
その後、図6に示すように、折り畳み工程の続きを行う。この折り畳み工程では、まず、折り筋を付けた縦方向に延びる折り線21a〜21cのうちの真ん中の折り線21bで谷折りして、本体部20を横方向に折り畳む。すると、図5に示すように折り線21a〜21c,22a〜22cで区切られた紙片23aと紙片23d、紙片23bと紙片23cが、それぞれ図6に示すように重ね合わせられる。また、このとき、紙の厚み等の関係で、紙片23aの左側の外周と紙片23dの右側の易切断線31は完全には重ならず、易切断線31が少し右側にあるように折り畳まれる。また、縦方向に延びる折り線21a〜21cのうちの左側の折り線21aと右側の折り線21cは、ほぼ重なる状態となる。
【0028】
次に、図7に示すように、折り畳み工程の続きをさらに行う。この折り畳み工程では、ほぼ重なった右側と左側の折り線21a,21cで谷折りして、本体部20を横方向に折り畳む。すると、図6に示す紙片23nと23mが、図7に示すように重ね合わせられる。また、このとき、紙片23mよりも紙片23nの方が幅が狭くなるように区切られていることから、紙片23mの外周と紙片23nの紙片23oとの間の折り線21bとは完全には重ならず、紙片23mの外周が少し右側にあるように折り畳まれる。これにより、本体部20は、紙片23oが表紙、紙片23pが裏表紙となるように折り畳まれる。
【0029】
次に、図8に示すように、塗布工程を行う。この塗布工程では、折り畳まれた本体部20の紙片23pに連続する封着片30に接着剤Sを塗布する。なお、より貼着力が必要な場合には、紙片23oにおける封着片30が重なる位置にも接着剤Sを塗布するようになっていても良い。
【0030】
次に、図8及び図2に示すように、封着工程を行う。この封着工程では、接着剤Sを塗布した封着片30を易切断線31で谷折りして折り曲げ、紙片23pの裏面側に位置するの紙片23oに貼り付ける。その後、圧着ローラー等で紙片23oに貼り付けた封着片30を押えて、剥離可能な状態にしっかりと貼着させる。
【0031】
以上のような工程を経て、図2に示すような、折り畳み印刷物10を製造するものである。
【0032】
以上のように、本実施の形態に係る折り畳み印刷物10の製造方法によれば、大きな印刷物を小さく折り畳んで封着片30のみで封着して封書形式にしているため、印刷物10を簡単に開封して広げることができ、その結果、ダイレクトメールとして郵送又は宅配したり、路上やイベント会場等で通行人や来場者等に手渡したり、タクシーや店先等の広告ポケットに設置したりする場合でも、受け取ったり手に取ったりした人が開封して読む可能性が高くなって高い宣伝効果を期待することができる。しかも、折り筋を形成するのと同時に易切断線31を形成する等により、折り畳み印刷物10の作製工程を効率的にすることができ、コストも低く抑えられる。
[第2の実施の形態]
【0033】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態に係る折り畳み印刷物10は、前記した第1の実施の形態と同様であるので、同様の構成に同じ符号を付して、説明を省略する。また、本実施の形態に係る折り畳み印刷物10の製造方法についても、一部を除いて前記した第1の実施の形態と同様であるので、同様の工程については説明を省略し、製造手順の異なる工程のみ説明を行うものとする。
【0034】
本実施の形態に係る折り畳み印刷物10の製造手順としては、印刷工程→型抜き・易切断線形成工程→折り畳み工程(途中段階で折り筋形成工程を含む)→塗布工程→封着工程を有するものである。このうち、印刷工程,折り畳み工程、塗布工程及び封着工程については、前記した第1の実施の形態と同様である。一方、本実施の形態では、前記した第1の実施の形態で行われた型抜き工程と、折り畳み工程の途中段階に行われた折り筋・易切断線形成工程を有しておらず、その代わりに、型抜き・易切断線形成工程と、折り畳み工程の途中で折り筋形成工程を行うようになっている。
【0035】
ここで、型抜き・易切断線形成工程は、前記した第1の実施の形態で行われた型抜き工程と同様に、本体部20及び封着片30の型抜き処理を行う際に、同時に易切断線31を形成するものである。本実施の形態では、型抜き処理と同時に、本体部20と封着片30の間に易切断線31としてミシン目を形成するようになっている。なお、易切断線31としては、前記した第1の実施の形態と同様に、ミシン目の他、ハーフカット加工,薄肉成形等の切断容易に加工された線であれば良い。そして、本実施の形態では、型抜き処理と同時に易切断線31を形成するので、前記した第1の実施の形態のように、折り畳み工程の途中段階で折り筋を付ける際に、同時に易切断線31を形成する必要がなくなったため、折り畳み工程の途中段階では、折り筋形成工程のみを行うようになっている。
【0036】
以上のように、本実施の形態に係る折り畳み印刷物10の製造方法によれば、大きな印刷物を小さく折り畳んで封着片30のみで封着して封書形式にしているため、印刷物10を簡単に開封して広げることができ、その結果、ダイレクトメールとして郵送又は宅配したり、路上やイベント会場等で通行人や来場者等に手渡したり、タクシーや店先等の広告ポケットに設置したりする場合でも、受け取ったり手に取ったりした人が開封して読む可能性が高くなって高い宣伝効果を期待することができる。しかも、用紙の型抜きを行うのと同時に易切断線31を形成する等により、折り畳み印刷物10の作製工程を効率的にすることができ、コストも低く抑えられる。
【0037】
なお、以上説明した各実施の形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。
【0038】
例えば、前記した各実施の形態では、折り畳み印刷物として、本体部が折り線を介して4行×4列の16の紙片を有するものを挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、1行×4列,2行×2列,2行×4列,4行×6列,4行×8列等、紙片の数が4,8,24,32等の適宜になるように本体部が構成されているものにも適用可能である。
【0039】
また、前記した各実施の形態では、本体部の外周側の角部の紙片に連続する位置に封着片が設けられていたが、本発明はこれに限るものではなく、本体部の外周側であれば、角部以外の紙片に連続する位置に封着片が設けられていても良い。但し、封着片に連続する紙片は折り畳み印刷物を折り畳んだ際に表紙又は裏表紙となるため、他の紙片の記載とは異なる情報が記載される場合が多く、レイアウト的には封着片を角部に配置した方が好ましい場合が多いと言える。
【0040】
また、前記した実施の形態では、折り畳むと略葉書大の大きさ及び略葉書形状になる印刷物について説明していたが、本発明はこれに限るものではなく、折り畳み後に葉書大以外の他の大きさ、葉書形状以外の方形状若しくは方形状以外の形状になるものについても適用可能である。
【符号の説明】
【0041】
10 折り畳み印刷物
10a 用紙
10b 余白
20 本体部
21a〜21c 縦に延びる折り線
22a〜22c 横に延びる折り線
23a〜23p 紙片
30 封着片
31 易切断線(ミシン目)
32,33 短辺
S 接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り線を介して連続する複数の紙片からなる本体部と、複数の前記紙片のうちの前記本体部の外周側に位置するいずれかの前記紙片から易切断線を介して連続する封着片とを備えた印刷済用紙を、前記本体部が1つの前記紙片の大きさになり、かつ、前記封着片に連続する前記紙片が外面となるように前記折り線で折り畳むと共に、前記封着片を前記易切断線で裏面側に折り曲げて当該裏面側の前記紙片に剥離可能に貼着した折り畳み印刷物の製造方法であって、
所定の大きさの用紙に印刷を行う印刷工程と、
前記印刷工程で印刷を行った前記用紙を、前記本体部と前記封着片とが連続する形状に型抜きする型抜き工程と、
前記型抜き工程で型抜きした前記本体部を予め定められた複数の前記折り線で複数回折り加工することで、前記本体部が1つの前記紙片の大きさとなり、かつ、前記封着片に連続する前記紙片が外面となるように、前記本体部を折り畳む折り畳み工程と、
前記折り畳み工程の途中段階で、前記易切断線と同方向に延びる前記折り線部分に折り筋を形成するのと同時に、前記易切断線を形成する折り筋・易切断線形成工程と、
前記折り畳み工程の後に、前記封着片に接着剤を塗布する塗布工程と、
前記接着剤塗布工程で接着剤が塗布された前記封着片を、該封着片に連続した前記紙片の前記裏面側の前記紙片に向けて前記易切断線で折り曲げ、前記封着片を剥離可能に貼着する封着工程と、
を有することを特徴とする折り畳み印刷物の製造方法。
【請求項2】
折り線を介して連続する複数の紙片からなる本体部と、複数の前記紙片のうちの前記本体部の外周側に位置するいずれかの前記紙片から易切断線を介して連続する封着片とを備えた印刷済用紙を、前記本体部が1つの前記紙片の大きさになり、かつ、前記封着片に連続する前記紙片が外面となるように前記折り線で折り畳むと共に、前記封着片を前記易切断線で裏面側に折り曲げて当該裏面側の前記紙片に剥離可能に貼着した折り畳み印刷物の製造方法であって、
所定の大きさの用紙に印刷を行う印刷工程と、
前記印刷工程で印刷を行った前記用紙を、前記本体部と前記封着片とが連続する形状に型抜きするのと同時に、前記易切断線を形成する型抜き・易切断線形成工程と、
前記型抜き工程で型抜きした前記本体部を予め定められた複数の前記折り線で複数回折り加工することで、前記本体部が1つの前記紙片の大きさとなり、かつ、前記封着片に連続する前記紙片が外面となるように、前記本体部を折り畳む折り畳み工程と、
前記折り畳み工程の後に、前記封着片に接着剤を塗布する塗布工程と、
前記接着剤塗布工程で接着剤が塗布された前記封着片を、該封着片に連続した前記紙片の前記裏面側の前記紙片に向けて前記易切断線で折り曲げ、前記封着片を剥離可能に貼着する封着工程と、
を有することを特徴とする折り畳み印刷物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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