説明

折り畳み椅子

【課題】可搬性の向上を図ることができる折り畳み椅子を提供する。
【解決手段】折り畳み椅子は、折り畳み可能な脚部100と、脚部100に支持された座面部と、手摺り本体310、回動軸部320及びクランプ部330を有する手摺りとを備えている。回動軸部320は、脚部100の後側支持ポール140に設けられ、手摺り本体310の長さ方向の一端部を回動自在に軸支している。クランプ部330は手摺り本体310の長さ方向の他端部に設けられている。脚部100が展開された状態で、クランプ部330に脚部100のX字脚110aの前側上端部が着脱自在に嵌合し、脚部100が折り畳まれた状態で、クランプ部330に後側支持ポール140の回動軸部320の取付部位の下側部分が着脱自在に嵌合するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アウトドア等に使用される折り畳み椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の折り畳み椅子としては、略L字状の手摺りの長さ方向の一端部が脚部の背もたれ部を支持する後側支持ポールに回動自在に取り付けられたものがある。手摺りの他端部には円筒状の凹部が設けられている。前記椅子が展開された状態で、手摺りの凹部に脚部の前側支持ポールの上端部が嵌合する。これにより手摺りが前側支持ポールと後側支持ポールとの間に懸架され、手摺り本体の機能を発揮する。一方、前記椅子が折り畳まれた状態で、前記手摺りの前記凹部から前側支持ポールの上端部が取り外され、脚部の折り畳みの障害にならないようになっている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−005738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した折り畳み椅子は、屋外に持ち運び、使用され得るものであることから、可搬性の向上が要求されている。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、可搬性の向上を図ることができる折り畳み椅子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の折り畳み椅子は、折り畳み可能な脚部と、この脚部に支持された座面部と、手摺り本体、回動軸部及び係止手段を有する手摺りとを備えている。前記回動軸部は、前記脚部の後側部分に設けられ、前記手摺り本体の長さ方向の一端部を回動自在に支持している。前記係止手段は、前記手摺り本体の長さ方向の他端部に設けられている。前記脚部が展開された状態で、前記係止手段が前記脚部の前側部分に着脱自在に係止され、前記脚部が折り畳まれた状態で、前記係止手段が前記後側部分の回動軸部の取付部位の上側部分又は下側部分に着脱自在に係止されるようになっている。
【0007】
このような態様の発明による場合、回動軸部が脚部の後側部分に設けられ、手摺り本体の一端部を回動自在に軸支しているので、脚部が展開された状態で、回動軸部を支点に手摺り本体を回動させ、手摺り本体の他端側の係止手段を脚部の前側部分に係止させることにより、手摺り本体を脚部の前側部分と後側部分との間に懸架させることができる。これにより、手摺り本体が手摺り本来の機能を発揮する。一方、脚部が折り畳まれた状態で、回動軸部を支点に手摺り本体を回動させ、係止手段を前記後側部分の回動軸部の取付部位の上側部分又は下側部分に係止させることにより、手摺り本体を前記後側部分の回動軸部の取付部位とその上側部分又は下側部分との間に懸架させることができる。これにより手摺り本体を持ち運び用の把手として用いることができる。よって、本椅子の可搬性が向上する。
【0008】
前記手摺り本体を略U字状とすることができる。前記係止手段は、前記手摺り本体の他端部に回動自在に取り付けられている。このような態様の発明による場合、手摺り本体が略U字状であるため、脚部の前側部分と後側部分とに懸架された状態が安定する。しかも、係止手段が回動自在となっているため、該係止手段の角度を変えることで、脚部の前側部分、後側部分に簡単に係止させることができる。
【0009】
前記係止手段は、前記脚部の前側部分、前記後側部分の回動軸部の取付部位の上側部分又は下側部分が嵌合可能なクランプ部であることが好ましい。このような態様の発明による場合、クランプ部に前記脚部の前側部分、前記後側部分の回動軸部の取付部位の上側部分又は下側部分を嵌合させるだけであることから、その取り付けが簡単になる。
【0010】
前記回動軸部は前記後側支持部に上下動自在に取り付けられた構成とすることが可能である。このような態様の発明による場合、手摺りを把手として利用する際に、回動軸部を移動させ、クランプ部を後側部分の回動軸部取付部位の上側部分又は下側部分に取り付けることにより、手摺りの取り付け位置を変えることができる。
【0011】
前記脚部は、該脚部の両側に配置され且つ開閉可能な一対の第1X字脚と、前記第1X字脚の後側下端部が各々回動自在に取り付けられた一対の第1下側連結部と、前記第1下側連結部に各々立設された一対の後側支持部と、前記第1X字脚の後側上端部が各々回動自在に取り付けられており且つ前記後側支持部が取り付けられる一対の第1上側連結部とを備えた構成とすることが可能である。この場合、前記脚部の後側部分は前記後側支持部又は前記第1X字脚の後側上端部である。前記脚部の前側部分は前記第1X字脚の前側上端部である。
【0012】
前記脚部は、該脚部の前後側に配置されており且つ開閉可能な一対の第2X字脚と、前記第1X字脚の前側下端部及び前側の第2X字脚の下端部が各々回動自在に取り付けられた一対の第2下側連結部と、前記第1X字脚の前側上端部及び前側の第2X字脚の上端部が各々回動自在に取り付けられた一対の第2上側連結部とを更に備えた構成とすることが可能である。又は、前記脚部は、前記第1X字脚の前側上端部、前側下端部同士を連結する一対の前側連結部と、前記第1X字脚の後側上端部、後側下端部同士を連結する一対の後側連結部とを更に備えた構成とすることも可能である。
【0013】
また、前記脚部は、該脚部の両側に配置され且つ開閉可能な一対の第1X字脚と、前記展開された状態で、前記第1X字脚の前側上端部と後側上端部とに又は前記第1X字脚の前側下端部と後側下端部とに懸架される一対の懸架部材を更に備えた構成とすることが可能である。この場合、前記脚部の後側部分が前記第1X字脚の後側上端部である。前記脚部の前側部分が前記第1X字脚の前側上端部である。
【0014】
前記折り畳み椅子は、背もたれ部を更に備えた構成とすることが可能である。この場合、前記後側支持部は前記第1上側連結部を貫通している。この後側支持部の上端部が前記背もたれ部を支持している。
【0015】
前記折り畳み椅子が、前記後側支持部の代わりに、リクライニング機構を備えた構成とすることが可能である。前記リクライニング機構は、前記背もたれ部を支持し且つ前記回動軸部が設けられた一対の支持部と、一端部が第1X字脚の後側下端部に回動自在に取り付けられており、他端部が前記支持部の下端部に回動自在に取り付けられた一対の回動部とを有している。このような態様の発明による場合、一端部を支点に回動部を回動させることにより、支持部及び背もたれ部の傾斜角を変えることができる。このように簡単な機構でリクライニング機構を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施例1に係る折り畳み椅子の斜視図であって、(a)が正面平面左側面側から表した図、(b)が背面平面左側面を表した図である。
【図2】前記椅子の左側面図である。
【図3】前記椅子の折り畳んだ状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施例2に係る折り畳み椅子の斜視図であって、(a)が正面平面左側面側から表した図、(b)が背面平面左側面を表した図である。
【図5】前記椅子の左側面図であって、(a)がリクライニング前の状態を示す図、(b)がリクライニング後の状態を示す図である。
【図6】前記椅子の折り畳んだ状態を示す斜視図である。
【図7】前記椅子の設計変形例を示す斜視図である。
【図8】前記椅子の別の設計変形例を示す左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施例1及び2に係る折り畳み椅子ついて説明する。
【実施例1】
【0018】
まず、本発明の実施例1に係る折り畳み椅子ついて図1乃至図3を参照しつつ説明する。図1(a)及び図1(b)に示す折り畳み椅子は、折り畳み可能な脚部100と、シート200と、一対の手摺り300とを備えている。以下、折り畳み椅子の各部について詳しく説明する。
【0019】
脚部100は、一対のX字脚110a、110b(第1、第2X字脚)と、一対の下側連結部120a、120b(第1、第2下側連結部)と、一対の上側連結部130a、130b(第1、第2上側連結部)と、一対の後側支持ポール140(後側支持部)とを有している。X字脚110aは、脚部100の両側に対向配置されている。X字脚110bは脚部100の前後側に対向配置されている。このX字脚110a、110bは、中心部で回転自在に連結された一対の円筒状のポール111a、111bを有している。このポール111a、111bが前記中心部を支点として回転することにより、ポール111a、111bの上端部及び下端部が互いに離反・接近するようになっている。これがX字脚110a、110bの開閉となっている。ポール111aの後側の上端部には、樹脂製のストッパー112aが外嵌している。
【0020】
下側連結部120aは樹脂製の成型品であって、略直角に配設された一対の壁部を有している。一方の壁部にX字脚110aのポール111aの後側の下端部が回動自在に軸支され、他方の壁部に後側のX字脚110bのポール111bの下端部が回動自在に軸支されている。また、下側連結部120aの一対の壁部の間には、後側支持ポール140の下端部が嵌合する円筒部が設けられている。すなわち、後側支持ポール140は下側連結部120aに立設されている。また、下側連結部120bも樹脂製の成型品であって、略直角に配設された一対の壁部を有している。一方の壁部にX字脚110aのポール111aの前側の下端部が回動自在に軸支され、他方の壁部に前側のX字脚110bのポール111bの下端部が回動自在に軸支されている。
【0021】
上側連結部130aは樹脂製の成型品であって、略直角に配設された一対の壁部を有している。一方の壁部にX字脚110aのポール111aの後側の上端部が回動自在に軸支され、他方の壁部に後側のX字脚110bのポール111bの上端部が回動自在に軸支されている。また、上側連結部130aには貫通孔が設けられている。後側支持ポール140は、前記貫通孔を貫通し上方に延びている。この後側支持ポール140は、外径がポール111a、111bと同じ円筒状のポールである。また、上側連結部130bも樹脂製の成型品であって、略直角に配設された一対の壁部を有している。一方の壁部にX字脚110aのポール111aの前側の上端部が回動自在に軸支され、他方の壁部に前側のX字脚110bのポール111bの上端部が回動自在に軸支されている。
【0022】
この下側連結部120a、120bはX字脚110a、110bの開閉に伴って、離反・接近する。同様に、上側連結部130a、130bも、X字脚110a、110bの開閉に伴って、離反・接近する。このとき、ポール111a、111bの前側、後側の上端部、下端部が回動するようになっている。X字脚110aが開いた状態が、脚部100の展開状態となっており(図1及び図2参照)、X字脚110aが閉じた状態が、脚部100の折り畳み状態となっている(図3参照)。
【0023】
シート200は脚部100に取り付けられている。このシート200は、シート本体210と、取付部220とを有している。シート本体210は、ポリエステル等で構成された略矩形状の布地であって、下側の両角部が上側連結部130bに、上側の両角部が後側支持ポール140の上端部に各々固着されている。取付部220は、シート本体210の裏面の中央部に縫い付けられたポリエステル等の矩形状の布地である。取付部220の両角部には円形の孔221が開設されている。この孔221にX字脚110aの後側の上端部が通され、孔221の周縁部がX字脚110aのストッパー112aに支持されている。このようにシート200が脚部100に取り付けられた状態で、図2に示すようにシート本体210が側面視略L字状になり、該シート本体210の水平部が座面部211として、垂直部が背もたれ部212として機能するようになっている。
【0024】
手摺り300は、手摺り本体310と、回動軸部320と、クランプ部330(係止手段)と、クッション部340とを有している。手摺り本体310は、略U字状のパイプである。この手摺り本体310の中間部にクッション部340が外嵌している。回動軸部320は、円筒状の樹脂部材であって、後側支持ポール140の上側連結部130aの上側に上下動自在に外嵌している。この回動軸部320の外周面には、一対の片部が突設されており、該片部間に手摺り本体310の長さ方向の一端部が上下に回動自在に取り付けられている。クランプ部330は、先端部が断面略U字状の樹脂部材であって、その後端部に一対の片部が設けられている。この片部間に手摺り本体310の長さ方向の他端部が上下に回動自在に取り付けられている。このクランプ部330の先端部の内径は、ポール111a及び後側支持ポール140の外径と同じになっている。すなわち、クランプ部330の先端部にポール111a及び後側支持ポール140が着脱自在に嵌合するようになっている。
【0025】
よって、上記展開状態で、回動軸部320を支点に手摺り本体310を回動させ、クランプ部330の先端部にX字脚110aのポール111aの前側の上端部を嵌合させると、手摺り本体310が後側支持ポール140とX字脚110aの前側の上端部との間に懸架される。これにより、手摺り本体310が手摺り本来の機能を発揮する。このとき、回動軸部320は、上側連結部130aに当接し支持されている。一方、上記折り畳み状態で、回動軸部320を支点に手摺り本体310を回動させ、クランプ部330の先端部に後側支持ポール140における回動軸部320の取付部位の下側部分を嵌合させると、手摺り本体310が後側支持ポール140における上側連結部130aの上側部分と下側部分とに懸架される。この状態で、手摺り本体310が本折り畳み椅子を持ち運ぶための把手としての機能を発揮する。したがって、本折り畳み椅子の可搬性を向上させることができる。しかも、回動軸部320が後側支持ポール140に上下動自在に取り付けられていることから、手摺り本体310を把手として利用する際に、回動軸部320の位置を可変すると共に、クランプ部330の嵌合位置を可変することにより、把手の位置を各ユーザーに適した位置に変えることができる。
【0026】
また、クランプ部330が手摺り本体310の他端部に回動自在に取り付けられていることから、該クランプ部330の角度を変えることができる。よって、クランプ部330にポール111a及び後側支持ポール140を嵌合させる際に、ポール111aの傾斜角、後側支持ポール140の傾斜角に応じてクランプ部330の角度を各々変えることにより、クランプ部330にポール111a、後側支持ポール140を簡単に嵌合させることができる。また、手摺り本体310が略U字状であることから、懸架された状態が安定する。
【実施例2】
【0027】
次に、本発明の実施例2に係る折り畳み椅子ついて図4乃至図6を参照しつつ説明する。図4(a)及び図4(b)に示す折り畳み椅子は、脚部100’が、一対の後側支持ポール140に替えて、リクライニング機構150を有している点で、実施例1の折り畳み椅子と相違している。以下、その相違点についてのみ詳しく説明し、重複する説明については省略する。なお、脚部には、実施例1の脚部100と区別するために’を付す。
【0028】
リクライニング機構150は、図4及び図5に示すように、一対の支持ポール151(支持部)と、一対の回動部152とを有している。回動部152は、一対の楕円形の板であって、該板の長さ方向の一端部間にX字脚110aのポール111aの後側の下端部が回動自在に取り付けられている。前記板の長さ方向の他端部間には、支持ポール151の下端部が回動自在に取り付けられている。支持ポール151は、外径が後側支持ポール140と同じであって、上側連結部130aの貫通孔を貫通し上方に延びている。支持ポール151の上端部はシート200のシート本体210の上側の両角部に固着され、該シート本体210の背もたれ部212を所定角度で支持している。可動部152の一端部を支点に、可動部152を回動させると、図6に示すように支持ポール151が前記所定角度から更に傾く。これに伴って、背もたれ部212も更に傾く。
【0029】
このような構成の折り畳み椅子も、上述した展開状態(図4及び図5参照)で、回動軸部320を支点に手摺り本体310を回動させ、クランプ部330の先端部にX字脚110aのポール111aの前側の上端部を嵌合させると、手摺り本体310が支持ポール151とX字脚110aの前側の上端部との間に懸架される。これにより、手摺り本体310が手摺り本来の機能を発揮する。このとき、回動軸部320は、上側連結部130aに当接し支持されている。クランプ部330は、X字脚110aの前側の上端部に外嵌したストッパー113aにより、該ストッパー113aよりも下側にずり落ちないようになっている。一方、上述した折り畳み状態(図6参照)で、回動軸部320を支点に手摺り本体310を回動させ、クランプ部330の先端部に支持ポール151における回動軸部320の取付部位の下側部分を嵌合させると、手摺り本体310が支持ポール151における上側連結部130aの上側部分と下側部分とに懸架される。この状態で、手摺り本体310が本折り畳み椅子を持ち運ぶための把手としての機能を発揮する。したがって、本折り畳み椅子の可搬性を向上させることができる。しかも、回動軸部320が支持ポール151に上下動自在に取り付けられていることから、手摺り本体310を把手として利用する際に、回動軸部320の位置を可変すると共に、クランプ部330の嵌合位置を可変することにより、把手の位置を各ユーザーに適した位置に変えることができる。
【0030】
また、クランプ部330が手摺り本体310の他端部に回動自在に取り付けられていることから、該クランプ部330の角度を変えることができる。よって、クランプ部330にポール111a及び支持ポール151を嵌合させる際に、ポール111aの傾斜角、支持ポール151の傾斜角に応じてクランプ部330の角度を各々変えることにより、クランプ部330にポール111a、支持ポール151を簡単に嵌合させることができる。また、手摺り本体310が略U字状であることから、懸架された状態が安定する。
【0031】
なお、上述した折り畳み椅子は、上記実施例1及び2に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲において任意に設計変更することが可能である。以下、詳しく述べる。
【0032】
上記実施例1では、脚部100は、X字脚110a、110b、下側連結部120a、120b、上側連結部130a、130b、後側支持ポール140を備えるとしたが、折り畳み可能である限り任意に設計変更することが可能である。この点は、脚部100’も同様である。例えば、図7に示すように、脚部100’’が、X字脚110bの代わりに、X字脚110aの後側の上端部、後側の下端部同士を各々連結する一対の後側連結部160aと、X字脚110aの前側の上端部、前側の下端部同士を各々連結する一対の前側連結部160bとを備えた構成とすることが可能である。この場合であっても、X字脚110aを閉じることにより、脚部100’’を板状に折り畳むことができる。この点は、脚部100’についても同様に設計変更することが可能である。なお、ストッパー113aは、実施例1のX字脚110aや前述又は後述の変形例の脚部のX字脚110aにも設けることが可能である。
【0033】
また、上述した手摺り300の回動軸部320は、上記実施例1では後側支持ポール140に、実施例2では支持ポール151に上下動自在に取り付けられているとしたが、折り畳み可能な脚部の後側部分に設けられている限り任意に設計変更することが可能である。例えば、回動軸部320は、実施例1及び2のX字脚110aの後側上端部に固着されていてもよい。また、回動軸部は、上下動可能になっている必要はない。具体的には、図8に示すように、脚部100’’’が、一対のX字脚110aと、展開状態でX字脚110aの前側の上端部と後側の上端部とに懸架される一対の懸架部材170を備えている場合、回動軸部320’は、X字脚110aの後側の上端部に固着されている。この場合、後側支持ポール140、リクライニング機構150、X字脚110bは省略されており、X字脚110aは、前側、後側上端部同士及び/又は前側、後側下端部同士が連結部で連結されている。或いは、X字脚110aの中心部同士が連結部で連結されている。なお、懸架部材170は、展開状態で、X字脚110aの前側の下端部と後側の下端部とに懸架される構成とすることも可能である。
【0034】
また、上記実施例1及び2では、手摺り300の係止手段として、展開状態でX字脚110aの前側の上端部が、折り畳み状態で後側支持ポール140又は支持ポール151が嵌合可能なクランプ部330を用いるとしたが、これに限定されるものではない。前記係止手段は、展開状態で、係止手段が脚部の前側部分に着脱自在に係止され、折り畳み状態で、係止手段が脚部の後側部分の回動軸部の取付部位の上側部分又は下側部分に着脱自在に係止される限り、任意に設計変更することが可能である。また、係止手段は、手摺り本体の他端部に回動自在に設けられている必要はなく、他端部に一体的に設けられていてもよい。
【0035】
上述した手摺り300の手摺り本体310は、略U字状であるとしたが、これに限定されるものではなく、長さ方向の一端部に上述した回動軸部が、長さ方向の他端部に前記係止手段が設けられるものである限り任意に設計変更可能である。
【0036】
上記実施例1及び2では、座面部211は、シート本体210の垂直部、背もたれ部212は、シート本体210の垂直部であるとしたが、これに限定されるものではない。上述のように後側支持ポール140、リクライニング機構150が省略されている場合には、図8に示すシート200’のシート本体210’のように、背もたれ部212を省略し、座面部211’のみとすることができる。背もたれ部212を省略する場合には、矩形状の座面部211’の4つ角部をX字脚110aの前後側の上端部に固着することも可能である。なお、座面部は脚部により支持されるものである限り、任意に設計変更することが可能である。
【0037】
上記実施例1及び2では、X字脚が円筒状のポールを有するとしたが、これに限定されるものではない。例えば、前記ポールに替えて、板状のフレーム等を用いることが可能である。後側支持ポール140、支持ポール151についても同様に、板状のフレーム等を用いることが可能である。クランプ部330の先端部の内部形状は、嵌合対象の形状に応じて適宜設計変更することが可能である。また、上記実施例1及び2では、後側支持ポール140、支持ポール151は、上側連結部130aを貫通するとしたが、取り付けられていれば良い。
【0038】
なお、上記実施の形態では、折り畳み椅子の各部を構成する素材、形状、寸法及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能である。
【符号の説明】
【0039】
100・・・脚部
110a・X字脚(第1X字脚)
110b・X字脚(第2X字脚)
120a・下側連結部(第1下側連結部)
120b・下側連結部(第2下側連結部)
130a・上側連結部(第1上側連結部)
130b・上側連結部(第2上側連結部)
140・・後側支持ポール(後側支持部)
200・・・シート
210・・シート本体
211・座面部
212・背もたれ部
220・・取付部
300・・・手摺り
310・・手摺り本体
320・・回動軸部
330・・クランプ部
340・・クッション部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳み可能な脚部と、
この脚部に支持された座面部と、
手摺り本体、回動軸部及び係止手段を有する手摺りとを備えており、
前記回動軸部は、前記脚部の後側部分に設けられ、前記手摺り本体の長さ方向の一端部を回動自在に支持しており、
前記係止手段は、前記手摺り本体の長さ方向の他端部に設けられており、
前記脚部が展開された状態で、前記係止手段が前記脚部の前側部分に着脱自在に係止され、
前記脚部が折り畳まれた状態で、前記係止手段が前記後側部分の回動軸部の取付部位の上側部分又は下側部分に着脱自在に係止される折り畳み椅子。
【請求項2】
請求項1記載の折り畳み椅子において、
前記手摺り本体が略U字状であり、
前記係止手段が、前記手摺り本体の他端部に回動自在に取り付けられている折り畳み椅子。
【請求項3】
請求項1又は2記載の折り畳み椅子において、
前記係止手段は、前記脚部の前側部分、前記後側部分の回動軸部の取付部位の上側部分又は下側部分が嵌合可能なクランプ部である折り畳み椅子。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の折り畳み椅子において、
前記回動軸部は、前記後側支持部に上下動自在に取り付けられている折り畳み椅子。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の折り畳み椅子において、
前記脚部は、該脚部の両側に配置され且つ開閉可能な一対の第1X字脚と、
前記第1X字脚の後側下端部が各々回動自在に取り付けられた一対の第1下側連結部と、
前記第1下側連結部に各々立設された一対の後側支持部と、
前記第1X字脚の後側上端部が各々回動自在に取り付けられており且つ前記後側支持部が取り付けられる一対の第1上側連結部とを備えており、
前記脚部の後側部分は前記後側支持部又は前記第1X字脚の後側上端部であり、
前記脚部の前側部分は前記第1X字脚の前側上端部である折り畳み椅子。
【請求項6】
請求項5記載の折り畳み椅子において、
前記脚部は、該脚部の前後側に配置されており且つ開閉可能な一対の第2X字脚と、
前記第1X字脚の前側下端部及び前側の第2X字脚の下端部が各々回動自在に取り付けられた一対の第2下側連結部と、
前記第1X字脚の前側上端部及び前側の第2X字脚の上端部が各々回動自在に取り付けられた一対の第2上側連結部とを更に備えている折り畳み椅子。
【請求項7】
請求項5記載の折り畳み椅子において、
前記脚部は、前記第1X字脚の前側上端部、前側下端部同士を連結する一対の前側連結部と、
前記第1X字脚の後側上端部、後側下端部同士を連結する一対の後側連結部とを更に備えている折り畳み椅子。
【請求項8】
請求項1乃至4のいずれかに記載の折り畳み椅子において、
前記脚部は、該脚部の両側に配置され且つ開閉可能な一対の第1X字脚と、
前記展開された状態で、前記第1X字脚の前側上端部と後側上端部とに又は前記第1X字脚の前側下端部と後側下端部とに懸架される一対の懸架部材を更に備えており、
前記脚部の後側部分は前記第1X字脚の後側上端部であり、
前記脚部の前側部分は前記第1X字脚の前側上端部である折り畳み椅子。
【請求項9】
請求項5又は6記載の折り畳み椅子において、
背もたれ部を更に備えており、
前記後側支持部は前記第1上側連結部を貫通しており、該後側支持部の上端部が前記背もたれ部を支持している折り畳み椅子。
【請求項10】
請求項9記載の折り畳み椅子において、
前記後側支持部の代わりに、リクライニング機構を備えており、
前記リクライニング機構は、前記背もたれ部を支持し且つ前記回動軸部が設けられた一対の支持部と、
一端部が第1X字脚の後側下端部に回動自在に取り付けられており、他端部が前記支持部の下端部に回動自在に取り付けられた一対の回動部とを有している折り畳み椅子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−16375(P2012−16375A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−153714(P2010−153714)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【出願人】(391036404)株式会社ロゴスコーポレーション (30)