折板用の明かり採り
【課題】構造が簡単であるとともに、施工及びメンテナンスを容易に行うことができる折板用の明かり採りを提供する。
【解決手段】谷部24aを介して山部24bが列設された折板24の屋根23において、折板24の山部24b間に開口25を形成する。その開口25の両側における山部24bの上面間を跨ぐように、折板24または建物の骨格には明かり採りフレーム30を支持する。開口25内に位置するように、フレームには透明ガラス板または透明樹脂板よりなる採光板34を設ける。その採光板34の上面において折板24の山部24b間には、透明樹脂板または半透明樹脂板よりなる被覆板36を被せる。
【解決手段】谷部24aを介して山部24bが列設された折板24の屋根23において、折板24の山部24b間に開口25を形成する。その開口25の両側における山部24bの上面間を跨ぐように、折板24または建物の骨格には明かり採りフレーム30を支持する。開口25内に位置するように、フレームには透明ガラス板または透明樹脂板よりなる採光板34を設ける。その採光板34の上面において折板24の山部24b間には、透明樹脂板または半透明樹脂板よりなる被覆板36を被せる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば工場や倉庫等の建物において、建物内部への採光のために屋根の一部に設けられる折板用の明かり採りに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の折板用の明かり採りとしては、例えば特許文献1〜特許文献3に開示されるような構成が提案されている。特許文献1及び特許文献2に記載の従来構成においては、平板を横葺きしてなる横葺き屋根の一部に開口部が形成され、その開口部に採光板、網入り採光板、合成樹脂板等よりなる透光板が被覆装着されている。
【0003】
また、特許文献3に記載の従来構成においては、波板状の屋根に屋根開口部が形成されるとともに、天井部に天井開口部が形成されている。屋根開口部と天井開口部との間には筒状のユニットが装着され、そのユニットの上端開口縁には採光板が被覆装着されている。ユニットの上端外周縁と屋根開口部の周縁との間には、水切りカバー、水切りシート等よりなる水切り構造が施されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−10462号公報
【特許文献2】特開平10−2065号公報
【特許文献3】特開昭63−67363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、これらの従来構成においては、次のような問題があった。すなわち、特許文献1及び特許文献2に記載の従来構成は、平板を横葺きしてなる横葺き屋根に天窓を設けた構成であるため、谷部を介して山部が列設された折板よりなる屋根の明かり採り構成には適用することが困難である。また、特許文献3に記載の従来構成では、採光板を設けたユニットを屋根開口部と天井開口部との間に装着した後、ユニットの上端外周縁と屋根開口部の周縁との間に水切りカバー、水切りシート等よりなる水切り構造を施す必要がある。そのため、構造が複雑であるとともに、施工及びメンテナンスが煩雑になるという問題があった。
【0006】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、構造が簡単であるとともに、施工及びメンテナンスを容易に行うことができる折板用の明かり採りを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、この発明は、谷部を介して山部が列設された折板の屋根において、前記折板の山部間に開口を形成し、その開口の両側における山部の上面間を跨ぐように、前記折板または建物の骨格にはフレームを支持するとともに、前記開口内に位置するようにフレームには透明ガラス板または透明樹脂板よりなる採光板を支持し、その採光板の上面において前記折板の山部間には透明樹脂板または半透明樹脂板よりなる被覆板を被せたことを特徴としている。
【0008】
従って、この発明の折板用の明かり採りにおいては、フレーム及び採光板が屋根の開口に配置された状態で、そのフレーム及び採光板の上面が被覆板によって覆われる。このため、採光板をフレームに対してシールする必要がなく、折板用の明かり採りの構造を簡略化することができる。また、採光板を設けたフレームを屋根の開口に配置した後、採光板の上面を被覆板によって覆うだけでよいため、折板用の明かり採りの施工及びメンテナンスを容易に行うことができる。
【0009】
前記の構成において、前記フレーム及び被覆板の両側縁は山部の側面まで延長するとよい。このように構成した場合には、折板の山部間にフレームを安定に支持することができるとともに、被覆板の延長部によりフレーム及び採光板を効果的に覆うことができて、被覆板の両側縁からの雨水等の侵入を防止することができる。
【0010】
前記の構成において、前記フレーム及び被覆板は山部の側面位置において互いに固定するとよい。このように構成した場合には、被覆板をフレームに対して簡単に着脱することができて、折板用の明かり採りの施工及びメンテナンスを一層容易に行うことができる。
【0011】
前記の構成において、前記採光板と被覆板との間に空間を設けるとよい。このように構成した場合には、採光板と被覆板との間の空間により大きな容量の空気層を確保することができて、高い断熱性能を得ることができる。また、寒冷地においては、前記空気層によって採光板の内面側と外面側との温度差を抑制して、採光板の内面の結露を防止することができる。
【0012】
前記の構成において、前記被覆板を山形状に形成するとよい。このように構成した場合には、寒冷地において被覆板の外面に積もる雪を山形状の斜面に沿って自然落下させることができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、この発明によれば、折板用の明かり採りとして構造が簡単であるとともに、施工及びメンテナンスを容易に行うことができるという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1実施形態の折板用の明かり採りを示す簡略分解斜視図。
【図2】第1実施形態の折板用の明かり採りを示す要部平面図。
【図3】図2の折板用の明かり採りにおいて被覆板及び雨カバーを取り外した状態を示す要部平面図。
【図4】(a)は図2の4−4線における部分断面図、(b)は折板片の拡大断面図。
【図5】図4(a)の5−5線における部分断面図。
【図6】図4の一部を拡大して示す断面図。
【図7】図6の7−7線における部分断面図。
【図8】図7の8−8線における部分断面図。
【図9】図7の9−9線における部分断面図。
【図10】図7の10−10線における部分断面図。
【図11】第2実施形態の折板用の明かり採りを示す要部断面図。
【図12】図11の12−12線における部分断面図。
【図13】第3実施形態の折板用の明かり採りを示す簡略分解斜視図。
【図14】第3実施形態の折板用の明かり採りの要部断面図。
【図15】図14の15−15線における部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
以下に、この発明を具体化した折板用の明かり採りの第1実施形態を、図1〜図10に従って説明する。
【0016】
図4(a)及び図5に示すように、この実施形態では、工場や倉庫等の建物における骨格としての複数の梁21上に受け材22を介して、図1に示す屋根23が図2及び図5中の矢印P方向に向かって緩く下降傾斜するように敷設されている。屋根23は谷部24aを介して山部24bが列設された折板24により構成され、その折板24の谷部24a及び山部24bが前記矢印P方向に沿って平行に延びるように配置されている。
【0017】
図4(b)に示すように、折板24は、複数の折板片24Aを幅方向の両側縁において連結することにより構成されている。各折板片24Aにおける幅方向の中央部には前記谷部24aが形成され、幅方向の両側縁には前記山部24bの半部分が形成されている。折板片24Aの幅方向の両側端縁部には、連結部24c,24dが折り曲げ形成されている。そして、梁21の受け材22上に複数の折板片24Aが並設されるとともに、隣接する折板片24Aの連結部24c,24dが相互にハゼ連結されることによって、折板24よりなる屋根23が形成されている。
【0018】
図1〜図5に示すように、前記建物屋根23の所要の位置において、折板24の隣接する山部24b間には、折板用の明かり採り用の開口25が形成されている。この開口25は、並設状態の複数枚の折板片24Aのうちで、任意位置の1枚の折板片24Aをその長さ方向において、前記梁21の配置間隔分だけ切断除去することによって形成され、矢印P方向に延びる長方形をなしている。
【0019】
図4〜図7に示すように、前記開口25の長さ方向の両端位置において、一対の梁21の受け材22上には各一対合計4個の支持ブラケット26が固定されている。図6に示すように、各支持ブラケット26の内側上部には、支持板27がネジ28及びナット29により取り付けられている。支持板27の上端部には、ハゼ部27aが折り曲げ形成されている。そして、このハゼ部27aが開口25の幅方向の両側縁における折板片24Aの連結部24c,24dに係合されることにより、開口25の両側に位置する折板片24Aの両側端縁が支持板27及び支持ブラケット26を介して、梁21の受け材22上に支持されている。
【0020】
図1及び図6に示すように、前記開口25の両側における折板片24Aの山部24bの上面間を跨ぐように、折板24上には明かり採りフレーム30が支持されて、複数のネジ31により固定されている。この明かり採りフレーム30は、図1、図3、図6及び図7に示すように、開口25の両側に位置する折板片24Aの山部24bの上面に沿って長さ方向に延長配置された一対の縦枠部32と、両縦枠部32の内側縁間に所定間隔おきに架設された複数の横枠部33とより構成されている。図1及び図6に示すように、明かり採りフレーム30の両縦枠部32の外側縁には、各折板片24Aの山部24bの側面中央部付近まで延びる延長部32aが形成されている。延長部32aの先端縁には、内側に向かって折り返し部32bが形成されている。
【0021】
図1、図6及び図7に示すように、前記開口25内に位置するように、明かり採りフレーム30の横枠部33間には、透明ガラス板または透明樹脂板よりなる複数の採光板34がシール材35を介して配置されている。採光板34の上面は、明かり採りフレーム30の上端面と同一高さに位置している。そして、これらの採光板34により、開口25のほぼ全体が塞がれている。採光板34の上面に対して近接配置されるように、開口25の両側に位置する折板片24Aの山部24b間にはポリカーボネート等の透明樹脂板または半透明樹脂板よりなる被覆板36が被覆装着されている。被覆板36の両側縁には、両折板片24Aの山部24bの側面中央部付近まで延びる延長部36aが形成されている。延長部36aの先端縁には、明かり採りフレーム30の縦枠部32の折り返し部32bよりも下方位置において内側に向かって折り曲げ部36bが形成されている。そして、被覆板36の両延長部36aが明かり採りフレーム30の両縦枠部32の延長部32aに対して、金属製の補強板46とともに複数のネジ37及びナット38により固定されている。この場合、ネジ37の頭部が補強板46の外面側に位置するように配置されている。
【0022】
図7に示すように、前記開口25の長さ方向の両端位置において、切断された折板片24Aの端縁開口部内には、一対の水止め板39が配置されている。図8に示すように、各水止め板39の両側縁及び下端縁と折板片24Aの谷部24aの内面との間には、シール材40が充填されている。そして、この水止め板39により、開口25の長さ方向の両端位置における折板片24Aの端縁開口部から開口25内への雨水等の侵入が防止される。
【0023】
図7に示すように、下降傾斜方向Pの下方側に配置された一方の水止め板39の下部に隣接するように、折板片24Aの谷部24a内には、風止め板41が配置されている。図9に示すように、風止め板41の両側縁と折板片24Aの谷部24aの内面との間には、シール材42が充填されている。そして、この風止め板41により、開口25の長さ方向の下部側における折板片24Aの端縁開口部が遮断されて、その端縁開口部から開口25内への風の侵入が抑止される。また、風止め板41の下端縁と折板片24Aの谷部24aの内面との間には隙間43が形成され、風止め板41と水止め板39との間に雨水等が侵入した場合、その雨水等が隙間43から排出される。
【0024】
図7及び図9に示すように、前記風止め板41に近接配置されるように、開口25の幅方向の両側に位置する折板片24Aの山部24bの上面と被覆板36の下面との間には、一対の封止材44が介装されている。封止材44の下面には、折板片24Aの山部24b上に突出する連結部24c,24dに嵌着するための嵌合溝部44aが形成されている。
【0025】
図2、図3、図7及び図10に示すように、前記被覆板36に対して傾斜方向Pの上方側において被覆板36の上面に重合した状態で配置されように、開口25の両側に位置する折板片24Aの山部24b間には雨カバー45が被覆装着されている。雨カバー45の両側縁には、両折板片24Aの山部24bの側面中央部付近まで延びる延長部45aが形成されている。延長部45aの先端縁には、被覆板36の折り曲げ部36bよりも下方位置において山部24bの側面に向かって折り曲げ部45bが形成されている。そして、この雨カバー45により、被覆板36の傾斜方向Pの上方側に位置する折板片24Aの谷部24aが覆われている。また、この雨カバー45の傾斜方向Pの上方側の端部は、棟など(図示しない)によって閉鎖されている。このため、折板24の下降傾斜方向Pの上方側に配置された水止め板39の上流側への雨水等の侵入が抑制される。それとともに、折板片24Aの端縁開口部から開口25内への風の侵入が抑制される。
【0026】
従って、この実施形態においては、以下の効果がある。
(1) この実施形態の折板用の明かり採りにおいては、折板24よりなる屋根23に開口25が形成され、その開口25に複数の採光板34を支持した明かり採りフレーム30が、開口25の両側に位置する折板片24Aの山部24bの上面間を跨ぐように配置されている。そして、明かり採りフレーム30及び採光板34を覆うように、開口25の両側に位置する折板片24Aの山部24b間に被覆板36が配置されている。このため、採光板34を明かり採りフレーム30に対してシールする必要がなく、折板用の明かり採りの構造を簡略化することができる。
【0027】
(2) この実施形態においては、明かり採りフレーム30に複数の採光板34を支持した状態で、その明かり採りフレーム30を屋根23上の開口25に装着した後、その上面を覆うように被覆板36をネジ37等により取り付ければよい。よって、折板用の明かり採りの施行及びメンテナンスを容易に行うことができる。
【0028】
(3) この実施形態の折板用の明かり採りにおいては、明かり採りフレーム30の縦枠部32及び被覆板36の両側縁に、折板24の山部24bの側面まで延びる延長部32a,36aが形成されている。このため、折板24の山部24b間に明かり採りフレーム30を安定に支持することができるとともに、被覆板36の延長部36aにより明かり採りフレーム30及び採光板34を効果的に覆うことができて、被覆板36の両側縁からの雨水等の侵入を防止することができる。
【0029】
(4) この実施形態の折板用の明かり採りでは、明かり採りフレーム30及び被覆板36が折板24の山部24bの側面に対応して位置する延長部32a,36aにおいて、複数のネジ37及びナット38により互いに固定されている。このため、被覆板36を明かり採りフレーム30に対して簡単に着脱することができて、折板用の明かり採りの施工及びメンテナンスを一層容易に行うことができる。
【0030】
(5) この実施形態においては、被覆板36が採光板34に対して近接して配置されている。このため、経年変化等を原因とした被覆板36の下方への認識できるような湾曲変形を適切に防止できる。
【0031】
(6) この実施形態においては、ネジ37及びナット38により被覆板36等を固定する構造において、ネジ37の頭部が外面側となるように配置されている。このため、屋根23の傾斜に沿って積雪を円滑に落とすことができる。これに対し、ナット38を外面側にした場合は、ナット38以外にネジ37の先端部も外側に突出することになり、積雪が落下しにくくなる。
【0032】
(第2実施形態)
次に、この発明を具体化した折板用の明かり採りの第2実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0033】
さて、この第2実施形態においては、図11及び図12に示すように、採光板34が明かり採りフレーム30の下端側に位置して、明かり採りフレーム30の横枠部33上にその上端縁から下方に離間した状態で支持されている。そして、採光板34を支持した明かり採りフレーム30が屋根23の開口25に配置された状態で、その上面に被覆板36が被覆装着されたとき、採光板34と被覆板36との間に所定の空間48が形成されるようになっている。
【0034】
従って、この第2実施形態においては、前記第1実施形態の(1)〜(4)及び(6)の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(7) この第2実施形態においては、採光板34と被覆板36との間に空間48が設けられているため、その空間48により大きな容量の空気層を確保することができて、高い断熱性能を得ることができる。また、寒冷地においては、空間48を設けたことにより、採光板34の内面側と外面側との温度差を抑制することができて、温度差により採光板34の内面に結露が発生するおそれを防止することができる。
【0035】
(第3実施形態)
次に、この発明を具体化した折板用の明かり採りの第3実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0036】
さて、この第3実施形態においては、図14及び図15に示すように、採光板34が、ポリカーボネート等の耐火ガラスよりなるとともに、内部に例えば菱形ワイヤーよりなる金網49を埋設した網入りガラス板(例えば6.8mmの板厚)から構成されている。図13〜図15に示すように、被覆板36は幅方向の中央部が山形状(実施形態では120度の鈍角状)をなすように形成され、その両側縁に延長部36a及び折り曲げ部36bがそれぞれ形成されている。そして、この被覆板36が支持枠50上に支持された状態で押さえ枠51とともに、複数のネジ37及びナット38により、明かり採りフレーム30の縦枠部32の延長部32a上に固定されている。
【0037】
図13〜図15に示すように、前記支持枠50は、被覆板36の延長部36aに沿って延びる一対の縦枠部50aと、両縦枠部50a間に所定間隔おきで架設された複数の山形状の支持部50bとから構成されている。前記押さえ枠51は、被覆板36の延長部36aに沿って延びる一対の縦枠部51aと、両縦枠部51a間に所定間隔おきで架設された複数の山形状の押さえ部51bとから構成されている。前記延長部36aと縦枠部51aとの間には、前記補強板46が介在されている。そして、被覆板36の延長部36a及び補強板46が支持枠50及び押さえ枠51の両縦枠部50a,51a間に挟持された状態で、それらの部分36a,50a,51aが前記ネジ37及びナット38により、明かり採りフレーム30の縦枠部32の延長部32a上に固定されている。これにより、被覆板36の山形状部分が支持枠50の支持部50bと押さえ枠51の押さえ部51bとの間に挟持された状態で、採光板34の上方に空間48をおいて配置されている。
【0038】
図13及び図15に示すように、前記被覆板36の山形状部分の両端縁には、被覆板36の両端縁を閉塞するための一対の山形状のキャップ52が図示しない複数のネジにより取り付けられている。各キャップ52の外周縁と被覆板36の山形状部分との接合面間には、図示しないシール材が充填されている。また、図15に示すように、傾斜方向Pの上方側に位置するキャップ52の下端縁と雨カバー45の端縁との間には、シール材53が充填されている。図15に示すように、前記水止め板39の上端縁と、該板39に近接した横枠部33との間にもシール材53が介在されている。
【0039】
図14に示すように、前記採光板34の左右両側部は、前記フレーム30の縦枠部32の上端面に支持されている。この採光板34の両側部の上面は、前記支持枠50の縦枠部50aと縦枠部32の延長部32aとの間に前記ネジ37によって挟着された押圧板54により下方に押圧されている。
【0040】
従って、この第3実施形態においては、前記第1実施形態の(1)〜(4),(6)の効果及び第2実施形態の(7)の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(8) この第3実施形態においては、被覆板36が山形状に形成されているため、寒冷地において被覆板36の外面に積もる雪を山形状部分の斜面に沿って自然落下させることができる。従って、空間48の温度が雪によって低下するのが防止され、採光板34の内外面の温度差を抑制し、結露を効果的に防止することができる。
【0041】
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 図2及び図4(a)に鎖線で示すように、前記実施形態において、折板用の明かり採りの両側に位置する一対の折板片24Aの山部24b間に押さえ部材55を架設して、その押さえ部材55により被覆板36を押圧保持するように構成すること。
【0042】
・ 前記実施形態において、明かり採りフレーム30を骨格としての梁21に固定すること。
・ 前記実施形態において、開口25を隣接配置された複数枚の折板片24Aに跨るように幅広状に形成すること。
【0043】
(他の技術的思想)
前記実施形態から把握され、請求項に記載されていない技術的思想は以下の通りである。
【0044】
(A) 採光板34の上面と明かり採りフレーム30の上端とを同一高さに形成し、被覆板36を明かり採りフレーム30に支持したことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の折板用の明かり採り。このように構成すれば、採光板34及び被覆板36の結露を少なくすることができる。
【0045】
(B) 被覆板36の傾斜方向上部側端部を含む屋根23の山部24b間を雨カバー45の傾斜方向下部側端部により覆い、雨カバー45の傾斜方向上部側端部を閉鎖したことを特徴とする請求項1〜3,前記技術的思想(A)項のうちのいずれか一項に記載の折板用の明かり採り。このように構成すれば、屋根23の開口25に対する雨の侵入を防止できる。
【符号の説明】
【0046】
21…建物の骨格としての梁、23…屋根、24…折板、24A…折板片、24a…谷部、24b…山部、25…開口、30…明かり採りフレーム、32…縦枠部、32a…延長部、33…横枠部、34…採光板、36…被覆板、36a…延長部、37…ネジ、38…ナット、48…空間。
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば工場や倉庫等の建物において、建物内部への採光のために屋根の一部に設けられる折板用の明かり採りに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の折板用の明かり採りとしては、例えば特許文献1〜特許文献3に開示されるような構成が提案されている。特許文献1及び特許文献2に記載の従来構成においては、平板を横葺きしてなる横葺き屋根の一部に開口部が形成され、その開口部に採光板、網入り採光板、合成樹脂板等よりなる透光板が被覆装着されている。
【0003】
また、特許文献3に記載の従来構成においては、波板状の屋根に屋根開口部が形成されるとともに、天井部に天井開口部が形成されている。屋根開口部と天井開口部との間には筒状のユニットが装着され、そのユニットの上端開口縁には採光板が被覆装着されている。ユニットの上端外周縁と屋根開口部の周縁との間には、水切りカバー、水切りシート等よりなる水切り構造が施されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−10462号公報
【特許文献2】特開平10−2065号公報
【特許文献3】特開昭63−67363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、これらの従来構成においては、次のような問題があった。すなわち、特許文献1及び特許文献2に記載の従来構成は、平板を横葺きしてなる横葺き屋根に天窓を設けた構成であるため、谷部を介して山部が列設された折板よりなる屋根の明かり採り構成には適用することが困難である。また、特許文献3に記載の従来構成では、採光板を設けたユニットを屋根開口部と天井開口部との間に装着した後、ユニットの上端外周縁と屋根開口部の周縁との間に水切りカバー、水切りシート等よりなる水切り構造を施す必要がある。そのため、構造が複雑であるとともに、施工及びメンテナンスが煩雑になるという問題があった。
【0006】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、構造が簡単であるとともに、施工及びメンテナンスを容易に行うことができる折板用の明かり採りを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、この発明は、谷部を介して山部が列設された折板の屋根において、前記折板の山部間に開口を形成し、その開口の両側における山部の上面間を跨ぐように、前記折板または建物の骨格にはフレームを支持するとともに、前記開口内に位置するようにフレームには透明ガラス板または透明樹脂板よりなる採光板を支持し、その採光板の上面において前記折板の山部間には透明樹脂板または半透明樹脂板よりなる被覆板を被せたことを特徴としている。
【0008】
従って、この発明の折板用の明かり採りにおいては、フレーム及び採光板が屋根の開口に配置された状態で、そのフレーム及び採光板の上面が被覆板によって覆われる。このため、採光板をフレームに対してシールする必要がなく、折板用の明かり採りの構造を簡略化することができる。また、採光板を設けたフレームを屋根の開口に配置した後、採光板の上面を被覆板によって覆うだけでよいため、折板用の明かり採りの施工及びメンテナンスを容易に行うことができる。
【0009】
前記の構成において、前記フレーム及び被覆板の両側縁は山部の側面まで延長するとよい。このように構成した場合には、折板の山部間にフレームを安定に支持することができるとともに、被覆板の延長部によりフレーム及び採光板を効果的に覆うことができて、被覆板の両側縁からの雨水等の侵入を防止することができる。
【0010】
前記の構成において、前記フレーム及び被覆板は山部の側面位置において互いに固定するとよい。このように構成した場合には、被覆板をフレームに対して簡単に着脱することができて、折板用の明かり採りの施工及びメンテナンスを一層容易に行うことができる。
【0011】
前記の構成において、前記採光板と被覆板との間に空間を設けるとよい。このように構成した場合には、採光板と被覆板との間の空間により大きな容量の空気層を確保することができて、高い断熱性能を得ることができる。また、寒冷地においては、前記空気層によって採光板の内面側と外面側との温度差を抑制して、採光板の内面の結露を防止することができる。
【0012】
前記の構成において、前記被覆板を山形状に形成するとよい。このように構成した場合には、寒冷地において被覆板の外面に積もる雪を山形状の斜面に沿って自然落下させることができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、この発明によれば、折板用の明かり採りとして構造が簡単であるとともに、施工及びメンテナンスを容易に行うことができるという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1実施形態の折板用の明かり採りを示す簡略分解斜視図。
【図2】第1実施形態の折板用の明かり採りを示す要部平面図。
【図3】図2の折板用の明かり採りにおいて被覆板及び雨カバーを取り外した状態を示す要部平面図。
【図4】(a)は図2の4−4線における部分断面図、(b)は折板片の拡大断面図。
【図5】図4(a)の5−5線における部分断面図。
【図6】図4の一部を拡大して示す断面図。
【図7】図6の7−7線における部分断面図。
【図8】図7の8−8線における部分断面図。
【図9】図7の9−9線における部分断面図。
【図10】図7の10−10線における部分断面図。
【図11】第2実施形態の折板用の明かり採りを示す要部断面図。
【図12】図11の12−12線における部分断面図。
【図13】第3実施形態の折板用の明かり採りを示す簡略分解斜視図。
【図14】第3実施形態の折板用の明かり採りの要部断面図。
【図15】図14の15−15線における部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
以下に、この発明を具体化した折板用の明かり採りの第1実施形態を、図1〜図10に従って説明する。
【0016】
図4(a)及び図5に示すように、この実施形態では、工場や倉庫等の建物における骨格としての複数の梁21上に受け材22を介して、図1に示す屋根23が図2及び図5中の矢印P方向に向かって緩く下降傾斜するように敷設されている。屋根23は谷部24aを介して山部24bが列設された折板24により構成され、その折板24の谷部24a及び山部24bが前記矢印P方向に沿って平行に延びるように配置されている。
【0017】
図4(b)に示すように、折板24は、複数の折板片24Aを幅方向の両側縁において連結することにより構成されている。各折板片24Aにおける幅方向の中央部には前記谷部24aが形成され、幅方向の両側縁には前記山部24bの半部分が形成されている。折板片24Aの幅方向の両側端縁部には、連結部24c,24dが折り曲げ形成されている。そして、梁21の受け材22上に複数の折板片24Aが並設されるとともに、隣接する折板片24Aの連結部24c,24dが相互にハゼ連結されることによって、折板24よりなる屋根23が形成されている。
【0018】
図1〜図5に示すように、前記建物屋根23の所要の位置において、折板24の隣接する山部24b間には、折板用の明かり採り用の開口25が形成されている。この開口25は、並設状態の複数枚の折板片24Aのうちで、任意位置の1枚の折板片24Aをその長さ方向において、前記梁21の配置間隔分だけ切断除去することによって形成され、矢印P方向に延びる長方形をなしている。
【0019】
図4〜図7に示すように、前記開口25の長さ方向の両端位置において、一対の梁21の受け材22上には各一対合計4個の支持ブラケット26が固定されている。図6に示すように、各支持ブラケット26の内側上部には、支持板27がネジ28及びナット29により取り付けられている。支持板27の上端部には、ハゼ部27aが折り曲げ形成されている。そして、このハゼ部27aが開口25の幅方向の両側縁における折板片24Aの連結部24c,24dに係合されることにより、開口25の両側に位置する折板片24Aの両側端縁が支持板27及び支持ブラケット26を介して、梁21の受け材22上に支持されている。
【0020】
図1及び図6に示すように、前記開口25の両側における折板片24Aの山部24bの上面間を跨ぐように、折板24上には明かり採りフレーム30が支持されて、複数のネジ31により固定されている。この明かり採りフレーム30は、図1、図3、図6及び図7に示すように、開口25の両側に位置する折板片24Aの山部24bの上面に沿って長さ方向に延長配置された一対の縦枠部32と、両縦枠部32の内側縁間に所定間隔おきに架設された複数の横枠部33とより構成されている。図1及び図6に示すように、明かり採りフレーム30の両縦枠部32の外側縁には、各折板片24Aの山部24bの側面中央部付近まで延びる延長部32aが形成されている。延長部32aの先端縁には、内側に向かって折り返し部32bが形成されている。
【0021】
図1、図6及び図7に示すように、前記開口25内に位置するように、明かり採りフレーム30の横枠部33間には、透明ガラス板または透明樹脂板よりなる複数の採光板34がシール材35を介して配置されている。採光板34の上面は、明かり採りフレーム30の上端面と同一高さに位置している。そして、これらの採光板34により、開口25のほぼ全体が塞がれている。採光板34の上面に対して近接配置されるように、開口25の両側に位置する折板片24Aの山部24b間にはポリカーボネート等の透明樹脂板または半透明樹脂板よりなる被覆板36が被覆装着されている。被覆板36の両側縁には、両折板片24Aの山部24bの側面中央部付近まで延びる延長部36aが形成されている。延長部36aの先端縁には、明かり採りフレーム30の縦枠部32の折り返し部32bよりも下方位置において内側に向かって折り曲げ部36bが形成されている。そして、被覆板36の両延長部36aが明かり採りフレーム30の両縦枠部32の延長部32aに対して、金属製の補強板46とともに複数のネジ37及びナット38により固定されている。この場合、ネジ37の頭部が補強板46の外面側に位置するように配置されている。
【0022】
図7に示すように、前記開口25の長さ方向の両端位置において、切断された折板片24Aの端縁開口部内には、一対の水止め板39が配置されている。図8に示すように、各水止め板39の両側縁及び下端縁と折板片24Aの谷部24aの内面との間には、シール材40が充填されている。そして、この水止め板39により、開口25の長さ方向の両端位置における折板片24Aの端縁開口部から開口25内への雨水等の侵入が防止される。
【0023】
図7に示すように、下降傾斜方向Pの下方側に配置された一方の水止め板39の下部に隣接するように、折板片24Aの谷部24a内には、風止め板41が配置されている。図9に示すように、風止め板41の両側縁と折板片24Aの谷部24aの内面との間には、シール材42が充填されている。そして、この風止め板41により、開口25の長さ方向の下部側における折板片24Aの端縁開口部が遮断されて、その端縁開口部から開口25内への風の侵入が抑止される。また、風止め板41の下端縁と折板片24Aの谷部24aの内面との間には隙間43が形成され、風止め板41と水止め板39との間に雨水等が侵入した場合、その雨水等が隙間43から排出される。
【0024】
図7及び図9に示すように、前記風止め板41に近接配置されるように、開口25の幅方向の両側に位置する折板片24Aの山部24bの上面と被覆板36の下面との間には、一対の封止材44が介装されている。封止材44の下面には、折板片24Aの山部24b上に突出する連結部24c,24dに嵌着するための嵌合溝部44aが形成されている。
【0025】
図2、図3、図7及び図10に示すように、前記被覆板36に対して傾斜方向Pの上方側において被覆板36の上面に重合した状態で配置されように、開口25の両側に位置する折板片24Aの山部24b間には雨カバー45が被覆装着されている。雨カバー45の両側縁には、両折板片24Aの山部24bの側面中央部付近まで延びる延長部45aが形成されている。延長部45aの先端縁には、被覆板36の折り曲げ部36bよりも下方位置において山部24bの側面に向かって折り曲げ部45bが形成されている。そして、この雨カバー45により、被覆板36の傾斜方向Pの上方側に位置する折板片24Aの谷部24aが覆われている。また、この雨カバー45の傾斜方向Pの上方側の端部は、棟など(図示しない)によって閉鎖されている。このため、折板24の下降傾斜方向Pの上方側に配置された水止め板39の上流側への雨水等の侵入が抑制される。それとともに、折板片24Aの端縁開口部から開口25内への風の侵入が抑制される。
【0026】
従って、この実施形態においては、以下の効果がある。
(1) この実施形態の折板用の明かり採りにおいては、折板24よりなる屋根23に開口25が形成され、その開口25に複数の採光板34を支持した明かり採りフレーム30が、開口25の両側に位置する折板片24Aの山部24bの上面間を跨ぐように配置されている。そして、明かり採りフレーム30及び採光板34を覆うように、開口25の両側に位置する折板片24Aの山部24b間に被覆板36が配置されている。このため、採光板34を明かり採りフレーム30に対してシールする必要がなく、折板用の明かり採りの構造を簡略化することができる。
【0027】
(2) この実施形態においては、明かり採りフレーム30に複数の採光板34を支持した状態で、その明かり採りフレーム30を屋根23上の開口25に装着した後、その上面を覆うように被覆板36をネジ37等により取り付ければよい。よって、折板用の明かり採りの施行及びメンテナンスを容易に行うことができる。
【0028】
(3) この実施形態の折板用の明かり採りにおいては、明かり採りフレーム30の縦枠部32及び被覆板36の両側縁に、折板24の山部24bの側面まで延びる延長部32a,36aが形成されている。このため、折板24の山部24b間に明かり採りフレーム30を安定に支持することができるとともに、被覆板36の延長部36aにより明かり採りフレーム30及び採光板34を効果的に覆うことができて、被覆板36の両側縁からの雨水等の侵入を防止することができる。
【0029】
(4) この実施形態の折板用の明かり採りでは、明かり採りフレーム30及び被覆板36が折板24の山部24bの側面に対応して位置する延長部32a,36aにおいて、複数のネジ37及びナット38により互いに固定されている。このため、被覆板36を明かり採りフレーム30に対して簡単に着脱することができて、折板用の明かり採りの施工及びメンテナンスを一層容易に行うことができる。
【0030】
(5) この実施形態においては、被覆板36が採光板34に対して近接して配置されている。このため、経年変化等を原因とした被覆板36の下方への認識できるような湾曲変形を適切に防止できる。
【0031】
(6) この実施形態においては、ネジ37及びナット38により被覆板36等を固定する構造において、ネジ37の頭部が外面側となるように配置されている。このため、屋根23の傾斜に沿って積雪を円滑に落とすことができる。これに対し、ナット38を外面側にした場合は、ナット38以外にネジ37の先端部も外側に突出することになり、積雪が落下しにくくなる。
【0032】
(第2実施形態)
次に、この発明を具体化した折板用の明かり採りの第2実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0033】
さて、この第2実施形態においては、図11及び図12に示すように、採光板34が明かり採りフレーム30の下端側に位置して、明かり採りフレーム30の横枠部33上にその上端縁から下方に離間した状態で支持されている。そして、採光板34を支持した明かり採りフレーム30が屋根23の開口25に配置された状態で、その上面に被覆板36が被覆装着されたとき、採光板34と被覆板36との間に所定の空間48が形成されるようになっている。
【0034】
従って、この第2実施形態においては、前記第1実施形態の(1)〜(4)及び(6)の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(7) この第2実施形態においては、採光板34と被覆板36との間に空間48が設けられているため、その空間48により大きな容量の空気層を確保することができて、高い断熱性能を得ることができる。また、寒冷地においては、空間48を設けたことにより、採光板34の内面側と外面側との温度差を抑制することができて、温度差により採光板34の内面に結露が発生するおそれを防止することができる。
【0035】
(第3実施形態)
次に、この発明を具体化した折板用の明かり採りの第3実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0036】
さて、この第3実施形態においては、図14及び図15に示すように、採光板34が、ポリカーボネート等の耐火ガラスよりなるとともに、内部に例えば菱形ワイヤーよりなる金網49を埋設した網入りガラス板(例えば6.8mmの板厚)から構成されている。図13〜図15に示すように、被覆板36は幅方向の中央部が山形状(実施形態では120度の鈍角状)をなすように形成され、その両側縁に延長部36a及び折り曲げ部36bがそれぞれ形成されている。そして、この被覆板36が支持枠50上に支持された状態で押さえ枠51とともに、複数のネジ37及びナット38により、明かり採りフレーム30の縦枠部32の延長部32a上に固定されている。
【0037】
図13〜図15に示すように、前記支持枠50は、被覆板36の延長部36aに沿って延びる一対の縦枠部50aと、両縦枠部50a間に所定間隔おきで架設された複数の山形状の支持部50bとから構成されている。前記押さえ枠51は、被覆板36の延長部36aに沿って延びる一対の縦枠部51aと、両縦枠部51a間に所定間隔おきで架設された複数の山形状の押さえ部51bとから構成されている。前記延長部36aと縦枠部51aとの間には、前記補強板46が介在されている。そして、被覆板36の延長部36a及び補強板46が支持枠50及び押さえ枠51の両縦枠部50a,51a間に挟持された状態で、それらの部分36a,50a,51aが前記ネジ37及びナット38により、明かり採りフレーム30の縦枠部32の延長部32a上に固定されている。これにより、被覆板36の山形状部分が支持枠50の支持部50bと押さえ枠51の押さえ部51bとの間に挟持された状態で、採光板34の上方に空間48をおいて配置されている。
【0038】
図13及び図15に示すように、前記被覆板36の山形状部分の両端縁には、被覆板36の両端縁を閉塞するための一対の山形状のキャップ52が図示しない複数のネジにより取り付けられている。各キャップ52の外周縁と被覆板36の山形状部分との接合面間には、図示しないシール材が充填されている。また、図15に示すように、傾斜方向Pの上方側に位置するキャップ52の下端縁と雨カバー45の端縁との間には、シール材53が充填されている。図15に示すように、前記水止め板39の上端縁と、該板39に近接した横枠部33との間にもシール材53が介在されている。
【0039】
図14に示すように、前記採光板34の左右両側部は、前記フレーム30の縦枠部32の上端面に支持されている。この採光板34の両側部の上面は、前記支持枠50の縦枠部50aと縦枠部32の延長部32aとの間に前記ネジ37によって挟着された押圧板54により下方に押圧されている。
【0040】
従って、この第3実施形態においては、前記第1実施形態の(1)〜(4),(6)の効果及び第2実施形態の(7)の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(8) この第3実施形態においては、被覆板36が山形状に形成されているため、寒冷地において被覆板36の外面に積もる雪を山形状部分の斜面に沿って自然落下させることができる。従って、空間48の温度が雪によって低下するのが防止され、採光板34の内外面の温度差を抑制し、結露を効果的に防止することができる。
【0041】
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 図2及び図4(a)に鎖線で示すように、前記実施形態において、折板用の明かり採りの両側に位置する一対の折板片24Aの山部24b間に押さえ部材55を架設して、その押さえ部材55により被覆板36を押圧保持するように構成すること。
【0042】
・ 前記実施形態において、明かり採りフレーム30を骨格としての梁21に固定すること。
・ 前記実施形態において、開口25を隣接配置された複数枚の折板片24Aに跨るように幅広状に形成すること。
【0043】
(他の技術的思想)
前記実施形態から把握され、請求項に記載されていない技術的思想は以下の通りである。
【0044】
(A) 採光板34の上面と明かり採りフレーム30の上端とを同一高さに形成し、被覆板36を明かり採りフレーム30に支持したことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の折板用の明かり採り。このように構成すれば、採光板34及び被覆板36の結露を少なくすることができる。
【0045】
(B) 被覆板36の傾斜方向上部側端部を含む屋根23の山部24b間を雨カバー45の傾斜方向下部側端部により覆い、雨カバー45の傾斜方向上部側端部を閉鎖したことを特徴とする請求項1〜3,前記技術的思想(A)項のうちのいずれか一項に記載の折板用の明かり採り。このように構成すれば、屋根23の開口25に対する雨の侵入を防止できる。
【符号の説明】
【0046】
21…建物の骨格としての梁、23…屋根、24…折板、24A…折板片、24a…谷部、24b…山部、25…開口、30…明かり採りフレーム、32…縦枠部、32a…延長部、33…横枠部、34…採光板、36…被覆板、36a…延長部、37…ネジ、38…ナット、48…空間。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
谷部を介して山部が列設された折板の屋根において、
前記折板の山部間に開口を形成し、その開口の両側における山部の上面間を跨ぐように、前記折板または建物の骨格にはフレームを支持するとともに、前記開口内に位置するようにフレームには透明ガラス板または透明樹脂板よりなる採光板を支持し、その採光板の上面において前記折板の山部間には透明樹脂板または半透明樹脂板よりなる被覆板を被せたことを特徴とする折板用の明かり採り。
【請求項2】
前記フレーム及び被覆板はそれらの両側縁が山部の側面まで延長されていることを特徴とする請求項1に記載の折板用の明かり採り。
【請求項3】
前記フレーム及び被覆板は山部の側面位置において互いに固定されていることを特徴とする請求項2に記載の折板用の明かり採り。
【請求項4】
前記採光板と被覆板との間に空間を設けたことを特徴とすることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項に記載の折板用の明かり採り。
【請求項5】
前記被覆板が山形状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の折板用の明かり採り。
【請求項1】
谷部を介して山部が列設された折板の屋根において、
前記折板の山部間に開口を形成し、その開口の両側における山部の上面間を跨ぐように、前記折板または建物の骨格にはフレームを支持するとともに、前記開口内に位置するようにフレームには透明ガラス板または透明樹脂板よりなる採光板を支持し、その採光板の上面において前記折板の山部間には透明樹脂板または半透明樹脂板よりなる被覆板を被せたことを特徴とする折板用の明かり採り。
【請求項2】
前記フレーム及び被覆板はそれらの両側縁が山部の側面まで延長されていることを特徴とする請求項1に記載の折板用の明かり採り。
【請求項3】
前記フレーム及び被覆板は山部の側面位置において互いに固定されていることを特徴とする請求項2に記載の折板用の明かり採り。
【請求項4】
前記採光板と被覆板との間に空間を設けたことを特徴とすることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項に記載の折板用の明かり採り。
【請求項5】
前記被覆板が山形状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の折板用の明かり採り。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−58348(P2011−58348A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−146516(P2010−146516)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(509227104)株式会社 北川 (2)
【出願人】(000207562)大日本プラスチックス株式会社 (23)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(509227104)株式会社 北川 (2)
【出願人】(000207562)大日本プラスチックス株式会社 (23)
[ Back to top ]