説明

折畳み可能な構台およびその組立て方法

【課題】 現場(作業サイト)における組立て作業を極めて短時間に行え、また建築作業の終了後の現場(作業サイト)からの撤去作業も迅速に行える構台を提供する。
【解決手段】 奥行き方向に間隔を開けた複数本の縦柱1を連結部材3で連結して形成された第1枠体11、第1枠体の複数本の縦柱に対応して奥行き方向に間隔を開けて連結部材で連結された第2枠体12および第1枠体と第2枠体を奥行き方向と直交する幅方向に折畳み可能に連結する連結部材2、2aからなる構台構台ユニットを幅方向に設けて構台ユニットを折畳んだ状態で搬送車両に搭載して、構台を使用する現場へと搬送し、現場にて各構台ユニットの折畳み部を伸張して連結部材2、2aを連結し且つ複数個の構台ユニット間を幅方向に伸張し連結部材2aで連結して構台10とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は構台に関する。より詳しくは建物などの建築現場において仮設の作業スペースとして、根切り、山留、架設・解体、鉄骨・躯体構築等の作業に使用する構台に関し、工事が迅速に行え且つ乗入れる車輌や重機の作業が安全に且つ円滑に行われるようにした折畳み可能な構台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から建築現場などにおいては仮設の作業スペースとして構台を設置することが広く行われている。これら構台は従来においては構台を構成するH形鋼等の鋼材を現場(作業サイト)に搬入し、現場(作業サイト)においてその鋼材をボルト締めするなどして組立てて構台を造り上げていた。
【0003】
ピット内に設置する作業架台(置構台)を例として説明すると、ピット底面に幅方向の下部敷桁材を平行に設置し、その下部敷桁材の上に複数の上部敷桁材を奥行き方向に置いて連結冶具で止め、上部敷桁材の奥行き方向両端部位置において垂直な柱材の下端部を上部敷桁材にボルト締めし、奥行き方向に対向する柱材の上部に奥行き方向の大引材を渡し、ボルトにより上部敷桁材を締結し、上部敷桁材の上に幅方向に延びる根太材を置き、連結冶具で上部敷桁材に止め、根太材の上に覆工板を設置することにより構台が完成する。
【0004】
このような組立て作業のため現場(作業サイト)における作業時間が長く掛かり、その間、次の建築作業工程に進むことができず、トータルの建築作業時間が延びてしまうという問題があった。
【0005】
また、同様に建物の建築工事などが完了した後、この構台を撤去する必要があるが、この撤去に際しても作業現場において構台を上述の手順と逆手順で個々の部材に分解し、その後、撤去するため、作業に極めて時間が掛かっていた。
【0006】
このような従来の問題を解決するものとして、特許文献1(特開平8−105212号公報)には、建築敷地内に組立ヤードを設けることなく、隣接する狭い空き地を利用することによって、仮設構台を安全かつ迅速に設置できる工法として、建築敷地の一側の隣接用地に固定台または旋回台を据え付け、固定台または旋回台上に架設梁を垂直組立し、基端部を中心にして架設梁を建設敷地の上方空間に水平に倒伏回転させ、架設梁の先端部を他側の隣接用地の仮受け台に固定し、建設敷地に跨って配置された該架設梁を基にして仮設構台を組立てることが提案されている。
【0007】
特許文献2(特開2000−80804号公報)には、乗り入れ構台の組立作業や解体作業を容易にするとともに、工事計画を建設途中で変更する場合に、乗り入れ構台の解体、移動、再組立てを容易に行えるようにする方法として、縦向きにした支柱を所定の間隔をおいて横方向に並列して配置し、この並列して配置した支柱の上部に大引き、下部に敷桁を掛け渡すことにより構成したユニットを、複数個、地組みする。次に掘削した地面の上にマットコンクリートを打設し、このマットコンクリート上にユニットを設置する位置を墨出しする。次に、ユニットの敷桁を、墨出しした所にケミカルアンカーによりそれぞれ固定した後、ユニット同士を横材と筋違いにより連結する。最後に、ユニットの大引き上に根太を仮設し、その上に覆工板を敷設する方法が提案されている。
【0008】
特許文献3(特開2006−144238号公報)には、地盤が軟弱である場合に、工費を節約して、かつ、周囲の環境に配慮し前記基礎が再利用できるようにしたクレーン構台用基礎として地盤を掘削し、その掘削した根切り底から上に改良地盤を構築し、更にその上に直接基礎を構築し、直接基礎の上にクレーン構台を設けるようにしたクレーン構台用基礎とすることが提案されている。
【特許文献1】特開平8−105212号公報
【特許文献2】特開2000−80804号公報
【特許文献3】特開2006−144238号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の構台の各部材を現場(作業サイト)に搬入し、その現場(作業サイト)において組立てるため、非常に時間が掛かっている。また、撤去に際しても、現場(作業サイト)で各部材に分解した上で搬出していたので、時間が掛かっていた。
【0010】
また特許文献1の仮設構台施工方法によれば、現場(作業サイト)において作業は迅速に行える。しかし、やはり現場(作業サイト)において構台を組立てていたために時間が掛かっている。
【0011】
同様に特許文献2および特許文献3に開示された乗り入れ構台の構築方法においても、組立てサイトにおいて個々のユニットを作り、このユニットを組立てている。このために、搬入に際しては構台を構成する各部材を車輌に搭載して現場(作業サイト)に搬入し組立てるため、やはり作業に時間が掛かっていた。仮にこの方法を実施するために工場においてユニットを作って、それを現場(作業サイト)に持ち込み組立てようとした場合には、大きなユニットを搬送するため搬送効率が悪く実用に適さない。
【0012】
本発明は上述したような個々の構台の構成部材を現場(作業サイト)に持ち込み、そこで組立てるという従来の方法に伴う現場(作業サイト)における作業時間が非常に掛かり、このために建物、建築全体の作業時間が引き延ばされるという問題点に鑑みて、現場(作業サイト)における組立て作業を極めて短時間に行え、また建築作業の終了後の現場(作業サイト)からの撤去作業も迅速に行える構台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明においては、奥行き方向に間隔を開けた複数本の縦柱を連結部材で連結して形成された第1枠体、前記第1枠体の複数本の縦柱に対応して奥行き方向に間隔を開けて連結部材で連結された第2枠体および前記第1枠体と前記第2枠体を前記奥行き方向と直交する幅方向に折畳み可能に連結する連結部材からなる構台ユニットを構成し、複数個の前記構台ユニットを前記幅方向に設けたことを特徴とする折畳み可能な構台により上記目的を達成する。
【0014】
この場合に複数個の構台ユニットを幅方向に折畳み可能とする方法として、複数個の折畳み可能なユニットを予め幅方向に折畳み可能な補助連結部材に連結しておいてもよいし、また複数個の折畳み可能な構台ユニットを組立時に補助連結部材を構台ユニットに連結して複数個の構台ユニットを幅方向に連結するようにしてもよい。
【0015】
このようにして組立てた構台の縦柱の上部に奥行き方向および幅方向に開いた状態にある第1枠体と第2枠体とを覆う天盤を着脱可能に設けていることが好ましい。この天盤の着脱を容易且つ確実にするために天盤に縦柱の上端部にその着脱が可能な突起を具備させ、この突起を縦柱に装着するようにすることが好ましい。
【0016】
また本発明の構台は、現場(作業サイト)に応じて適宜高さを調節可能な高さ調節部材を構台の下端部に装着するようにすることが好ましい。
【0017】
更に、本発明は、奥行き方向に間隔を開けた複数本の縦柱を連結部材で連結して形成された第1枠体、前記第1枠体の複数本の縦柱に対応して奥行き方向に間隔を開けて連結部材で連結された第2枠体および前記第1枠体と前記第2枠体を前記奥行き方向と直交する幅方向に折畳み可能に連結する連結部材からなる構台ユニットを複数個用意し、前記各構台ユニットを折畳んだ状態で搬送車両に搭載して、構台を使用する現場へと搬送し、該現場にて各構台ユニットの折畳み部を伸張して連結部材を連結し且つ複数個の構台ユニット間を幅方向に伸張し連結して設置することを特徴とする折畳み可能な構台の組立て方法により、上記目的を達成する。
【0018】
より好ましくは、本発明の方法は、奥行き方向に間隔を開けた複数本の縦柱を連結部材で連結して形成された第1枠体、前記第1枠体の複数本の縦柱に対応して奥行き方向に間隔を開けて連結部材で連結された第2枠体および前記第1枠体と前記第2枠体を前記奥行き方向と直交する幅方向に折畳み可能に連結する連結部材からなる構台ユニットを複数個用意し、前記各構台ユニットを折畳んだ状態で積重ねて車両に搭載し、構台を使用する現場へと搬送し、該現場にて前記積重ねられた構台ユニットの上側の枠体を吊上げて折畳み部を伸張して、連結部材を連結し且つ複数個の構台ユニット間を幅方向に伸張し連結して横向きの構台を構成し、該横向きの構台を90°回動して設置状態の向きとし、該設置状態の向きの構台を現場に設置することを特徴とする折畳み可能な構台の組立て方法とすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、折畳み可能な構台を折畳んだ状態として運搬車輌に搭載し、現場(作業サイト)に搬送し、現場(作業サイト)において折畳んだ構台を伸張して簡単に構台を組立てることができる。従って、現場(作業サイト)における作業時間を極めて短くすることができ、建築作業における構台設置時間を短縮でき、トータルの建築時間を短縮でき、作業効率が極めて向上する。
【0020】
また、本発明によれば、折畳んだ構台を現場(作業サイト)において組立てる際には折畳み部分を引き延ばすことにより極めて簡単に行えるため、構台設置の時間は極めて短縮され構台設置の作業効率が非常に向上される。
【0021】
また、本発明によれば、建築作業が終了した後の構台の撤去も構台の設置時とは逆手順によって行うことにより極めて短時間に撤去することができ、トータルの建築作業時間を短縮することができる。
【0022】
本発明によれば、工費の削減ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施例を図示した添付図面を参照して本発明を詳細に説明する。図1は本発明に係る構台の一実施例の斜視図であり、図2は図1に示す構台の正面図、上面図および側面図を示している。
【0024】
図1および図2に示すように、本発明に係る構台10は、基本的には従来の構台と同じような構造をしている。すなわち、垂直方向を向いた縦柱1を丸パイプ、角パイプまたはH形鋼などにより作っており、これら縦柱1を幅方向および奥行き方向に所定間隔で立てている。
【0025】
その幅方向の左右両端の2本の縦柱1の間をそれぞれ連結部材2により連結し、また、真中の2本の縦柱を連結部材2aにより連結している。また、右端の2本の縦柱の間および左端の2本の縦柱1の間にはそれぞれ斜交い4を入れている。
【0026】
更に、奥行き方向の縦柱1の間を連結部材3により連結している。また、奥行き方向の縦柱1の間には斜交い5を入れている。このようにして、構台10を全体としてパイプまたはH形鋼からなる構台10に形成している。
【0027】
そして、構台10の上には天盤20を被せている。本発明に使用する天盤20は従来の構台に用いられていた覆工板よりも大きいものを使用することができ、大きな天盤20を構台10の上に被せることによって構台10全体の強度を高めるという効果もある。
【0028】
なお、図2(b)、(d)の符号30は構台10の下方内部を点検するための梯子であり、作業者は天盤20のハッチ20aを開け、梯子30を昇降して構台10の下方内部を点検することができる。
【0029】
本発明に係る構台10は複数個の折畳み可能な構台ユニットを幅方向に連結することにより構成される。
【0030】
各構台ユニットは、奥行き方向に間隔を開けた複数本(図1、図2の実施例では2本)の縦柱1を連結部材3で連結して形成された第1枠体11、第1枠体11の複数本の縦柱1に対応して奥行き方向に間隔を開けて連結部材3で連結された第2枠体12と、第1枠体11と第2枠体12とを幅方向に折畳み可能に連結する連結部材2とからなる。
【0031】
また、図1、図2に示す実施例では第1枠体11および第2枠体12には斜交い5が設けられ、第1枠体11と第2枠体12との間には斜交い4が設けられている。
【0032】
このような構台ユニットにおいて、第1枠体11と第2枠体12とを連結する連結部材2は縦柱1と枢軸連結され、締め付けボルトを緩めると回動可能となる構造である。
【0033】
また、第1枠体11と第2枠体12とを連結する斜交い4は、締め付けボルトを外すことにより、下側の端部が縦柱1から取外せ、上側の端部が縦柱1に対して回動可能に枢着された構造となっている。
【0034】
このような構造であるので、構台ユニットは連結部材2の締め付けを緩めて回動可能とすると共に、斜交い4の下側端部を縦柱1から取外すと、第1枠体11と第2枠体12とは、図1、図2における高さ方向に相対移動可能となり、図3(b)または図4(b)に示すように、第1枠体11と第2枠体12とが隣接した状態、すなわち折畳まれた状態となる。
【0035】
図1および図2に示した実施例の構台は2つの構台ユニットからなり、正面から見て2つの構台ユニットが連結部材2aにより連結され、更に平面図(図3(a)参照)で見て2つの構台ユニットが斜交い9により連結されている。連結部材2aは連結部材2と同様に縦柱1と枢軸連結されて、締め付けボルトを緩めると回動可能となる構造であるか、或いは締め付けボルトを取外すと縦柱1から取外せる構造である。斜交い9も同様に締め付けボルトを緩めると回動可能となる構造であるか、或いは締め付けボルトを取外すと縦柱1から取外せる構造である。
【0036】
本発明に係る折畳み可能な構台の折畳んだ状態の2つの実施例をそれぞれ図3および図4に示す。
【0037】
第一実施例を図3に基き説明する。図3は図1に示した構台を幅方向に折畳んで、車輌に搭載し易いように横向きに置いた状態を示し、(a)は上面図、(b)は正面図である。
【0038】
図3(a)では、奥行き方向に間隔を開けた2本の縦柱1を連結部材3および斜交い5により連結した第1枠体11と、同じく縦柱1、連結部材3および斜交い5からなる第2枠体12とが横方向(図1の高さ方向)にずれて示されている。そして、図3(b)に示すように、各構台ユニットにおいて連結部材2の両端の締め付けボルトを緩めて連結部材2の連結を緩め、斜交い4の一方のボルトが緩められ、他方のボルトが取外され、折畳まれている。このように折畳まれた2つの構台ユニットが上下に積み重なっている。
【0039】
このように幅方向に折畳み可能とした上下2組の構台ユニットを図3の実施例においては幅方向に折畳み可能な補助連結部材2aにより連結している。
【0040】
これに対して図4に示す実施例においては、締め付けボルトを取外して補助連結部材2aを構台ユニットに取付けないで外しておき、組立て時に補助連結ユニット2aを上下の構台ユニットに取付けて締め付けボルトを締め付けて組立てるようにしている点が違っている。
【0041】
図3に示す実施例の本発明の折畳み可能な構台は、図3に示すように折り畳んで上下に重ねた状態で運搬車輌(搬送用トラック)に搭載して現場(作業サイト)に移送する。この場合に搭載状態は横から見ると図3(b)の状態となり、上から見た場合は図3(a)の状態となっている。
【0042】
現場(作業サイト)に到着すると、図5に示すように、構台の一番上の部分に吊上げ用ワイヤー6を掛け、クレーンによって徐々に上に持上げて行く。なお、符号7は搬送中の上下の構台ユニットを止めるための金具であり、クレーンによる持上げ前にボルトを外して取外す。
【0043】
持上げる途中において、上側の構台ユニットの第1枠体と第2枠体との間の折曲げ可能な連結部材2が垂直状態となったときに、連結部材2のボルトを締めて上下の第1枠体と第2枠体とをしっかりと連結して、上側の構台ユニットを図6の上側に示すような開いた連結状態とする。更に、同様にして、両構台ユニット間の補助連結部材2aを締め付け、更に、下側の構台ユニットの第1枠体と第2枠体との間の折曲げ可能な連結部材2が垂直状態となったときに、連結部材2のボルトを締めて上下の第1枠体と第2枠体とをしっかりと連結して、下側の構台ユニットを図6の下側に示すような開いた連結状態とする。このようにして、上下の構台ユニットを連結し、しっかりと留めることによって図6に示すような状態となる。
【0044】
この場合に、上側の構台ユニットと下側の構台ユニットにおいてはそれぞれ斜交い4によって第1枠体と第2枠体とを相互に連結しているが、図8(b)の正面図に見える中間の構台ユニットの間の斜交いは省いている。なお、図8(a)の平面図に見える中間の構台ユニットの間には斜交い9を設けている。
【0045】
本実施例の斜交い4、5、9はターンバックル付きとし、その圧縮・引張り強さを調整可能とすることが好ましい。
【0046】
図6の状態でクレーンによって構台10を現場(作業サイト)に移動し、そこで構台の下側となるようにこの図6の状態のもの全体を90°回動させ、図8(b)の状態とする。この状態の上面図を図8(a)に示す。なお、必要に応じて構台の縦柱の下端部に高さ調節部材8を取付ける。
【0047】
なお、上述のように構台を図6に示すように開いた状態で現場(作業サイト)に移動してもよいが、折畳んだ状態の構台ユニットを上下に重ねた状態で現場(作業サイト)に移動し、そこで上述したと同様な手順により、構台ユニットを図6に示すような状態に開いてもよい。
【0048】
図4に示す実施例においては、構台ユニット間の補助連結部材が外してあるために、図7に示すように、上側の構台ユニットに吊下げワイヤーを掛け、上側の構台ユニットを持上げる。そして上側の構台ユニットの連結部材2のボルトを締めしっかりと連結して上側の構台ユニットを構成する。この上側構台ユニットの下端部と下側の構台ユニットの上端部との間に補助連結部材2aを連結し、更に持上げつつ下側の構台ユニットとこの補助連結部材2aを連結することによって前述した図6と同様な状態となる。この後、前述と同様に90°回動することによって構台が作られる。
【0049】
図4に示す実施例においても、図3に示す実施例と同様に構台ユニットを開いて構台とした状態で現場(作業サイト)に移動してもよく、また、折畳んだ状態の構台ユニットを上下に重ねた状態で現場(作業サイト)に移動し、そこで構台ユニットを開いて構台としてもよい。
【0050】
図9には本発明に用いる高さ調節部材8の一実施例を示している。高さ調節部材8は縦柱1と同様な、例えば丸パイプ、角パイプまたはH形鋼により、構台に必要な所定長さの高さ調節部材8を作り、その上下端に四角形など適宜形状の板8a、8bを止着している。また、縦柱1の下端に四角形など適宜形状の板1aを止着している。この四角形の板1a、8aにはそれぞれ、締付けボルトを貫通する適宜数(実施例では4個)のボルト穴8cが形成されている。
【0051】
縦柱1の下端の板1aと調節部材の上端の板8aとを重ね、ボルト穴8cに通したボルトによって、互いに連結することによって高さ調節部材を縦柱1の下端に固定することができる。高さ調節部材8の下端の板8bは構台10を現場(作業サイト)に固定し易くするものである。
【0052】
また、図10には本発明に用いる天盤20の一実施例を示している。天盤20には縦柱1の数に対応した数の下向きに円錐状形状の突起21が設けられており、この突起21は縦柱1の位置に対応した位置に設けられ、縦柱1の上部の円柱部に嵌合するようになっている。
【0053】
縦柱1の上端面から僅かに下方の位置に四角形など適宜形状の横板1aが溶接などにより止着されている。天盤20の突起21が縦柱1の上部の円柱部1bの円孔に嵌合すると、天盤20の重量は縦柱1の円柱部1bの上端面において受けるようになっており、また上端部近傍に設けた横板10aの上面に天盤20の突起の先端部が軽く当たるようにして、天盤20が左右に移動しないようにしている。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係る構台の一実施例の組立て状態を示す斜視図である。
【図2】図1に示す本発明の折畳み可能な構台を示し、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は(b)に示す上板の正面図、(d)は(a)のD−D矢視図であり、(e)は(a)に示す構台の側面図である。
【図3】本発明に係る折畳み可能な構台の第一実施例を示し、(a)は上面図、(b)は車輌搭載状態の正面図である。
【図4】本発明に係る折畳み可能な構台の別の実施例を示し、(a)は上面図、(b)は車輌搭載状態の正面図を構台において上下に分解して示したものである。
【図5】図3に示す第一実施例または図4に示す第に実施例の折畳み可能な構台を吊上げワイヤーで持上げ開始状態を示す。
【図6】図5に示す状態から折畳み可能な構台を組立てる状態を示す。
【図7】図4に示す実施例の組立て状態を示すものである。
【図8】本発明に係る構台の実施例の設置状態を示し、(a)は上面図、(b)は正面図である。
【図9】本発明に用いる高さ調節部材の一実施例を示している。
【図10】本発明に用いる天盤の一実施例を示す。
【符号の説明】
【0055】
1 縦柱
2、2a 連結部材
3 連結部材
4、5 斜交い
6 吊上げ用ワイヤー
7 金具
11 第1枠体
12 第2枠体
10 構台
20 天盤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
奥行き方向に間隔を開けた複数本の縦柱を連結部材で連結して形成された第1枠体、前記第1枠体の複数本の縦柱に対応して奥行き方向に間隔を開けて連結部材で連結された第2枠体および前記第1枠体と前記第2枠体を前記奥行き方向と直交する幅方向に折畳み可能に連結する連結部材からなることを特徴とする構台ユニット。
【請求項2】
奥行き方向に間隔を開けた複数本の縦柱を連結部材で連結して形成された第1枠体、前記第1枠体の複数本の縦柱に対応して奥行き方向に間隔を開けて連結部材で連結された第2枠体および前記第1枠体と前記第2枠体を前記奥行き方向と直交する幅方向に折畳み可能に連結する連結部材からなる構台ユニットを構成し、複数個の前記構台ユニットを前記幅方向に設けたことを特徴とする折畳み可能な構台。
【請求項3】
奥行き方向に間隔を開けた複数本の縦柱を連結部材で連結して形成された第1枠体、前記第1枠体の複数本の縦柱に対応して奥行き方向に間隔を開けて連結部材で連結された第2枠体および前記第1枠体と前記第2枠体を前記奥行き方向と直交する幅方向に折畳み可能に連結する連結部材からなる折畳み可能な構台ユニットを構成し、複数個の前記折畳み可能な構台ユニットを前記幅方向に折畳み可能な補助連結部材により連結したことを特徴とする折畳み可能な構台。
【請求項4】
奥行き方向に間隔を開けた複数本の縦柱を連結部材で連結して形成された第1枠体、前記第1枠体の複数本の縦柱に対応して奥行き方向に間隔を開けて連結部材で連結された第2枠体および前記第1枠体と前記第2枠体を前記奥行き方向と直交する幅方向に折畳み可能に連結する連結部材からなる折畳み可能な構台ユニットを構成し、複数個の前記折畳み可能な構台ユニットに着脱可能な補助連結部材により該複数個の構台ユニットを前記幅方向に連結したことを特徴とする折畳み可能な構台。
【請求項5】
前記縦柱の上端部に、前記奥行き方向および幅方向に開いた状態にある前記第1枠体と前記第2枠体とを覆う天盤を着脱可能に具備していることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の折畳み可能な構台。
【請求項6】
前記天盤が前記縦柱の上端部に装着可能な突部を有していることを特徴とする請求項5に記載の折畳み可能な構台。
【請求項7】
前記縦柱の下端部に高さ調節部材を取着可能としたことを特徴とする請求項2〜6の何れか1項に記載の折畳み可能な構台。
【請求項8】
奥行き方向に間隔を開けた複数本の縦柱を連結部材で連結して形成された第1枠体、前記第1枠体の複数本の縦柱に対応して奥行き方向に間隔を開けて連結部材で連結された第2枠体および前記第1枠体と前記第2枠体を前記奥行き方向と直交する幅方向に折畳み可能に連結する連結部材からなる構台ユニットを複数個用意し、前記各構台ユニットを折畳んだ状態で搬送車両に搭載して、構台を使用する現場へと搬送し、該現場にて各構台ユニットの折畳み部を伸張して連結部材を連結し且つ複数個の構台ユニット間を幅方向に伸張し連結して設置することを特徴とする折畳み可能な構台の組立て方法。
【請求項9】
奥行き方向に間隔を開けた複数本の縦柱を連結部材で連結して形成された第1枠体、前記第1枠体の複数本の縦柱に対応して奥行き方向に間隔を開けて連結部材で連結された第2枠体および前記第1枠体と前記第2枠体を前記奥行き方向と直交する幅方向に折畳み可能に連結する連結部材からなる構台ユニットを複数個用意し、前記各構台ユニットを折畳んだ状態で積重ねて車両に搭載し、構台を使用する現場へと搬送し、該現場にて前記積重ねられた構台ユニットの上側の枠体を吊上げて折畳み部を伸張して、連結部材を連結し且つ複数個の構台ユニット間を幅方向に伸張し連結して横向きの構台を構成し、該横向きの構台を90°回動して設置状態の向きとし、該設置状態の向きの構台を現場に設置することを特徴とする折畳み可能な構台の組立て方法。
【請求項10】
前記複数個の前記折畳み可能な構台ユニットを前記幅方向に折畳み可能に補助連結部材により連結することを特徴とする請求項8または9に記載の折畳み可能な構台の組立て方法。
【請求項11】
前記複数個の前記折畳み可能な構台ユニットに着脱可能な補助連結部材により該複数個の構台ユニットを前記幅方向に連結することを特徴とする請求項8また9に記載の折畳み可能な構台の組立て方法。
【請求項12】
前記設置状態の向きにある複数の前記構台ユニットの前記縦柱の上端部に該上端部を覆う天盤を装着することを特徴とする請求項8〜11の何れか1項に記載の折畳み可能な構台の組立て方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−2035(P2009−2035A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−163568(P2007−163568)
【出願日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(507207199)富士スチール株式会社 (2)