説明

折畳み可能な輸送用コンテナを折畳み及び展開する装置及び方法

輸送用コンテナを自動的に折畳み及び展開する装置及び方法を提供する。本発明による装置は、複数のアクチュエータと、コンテナの少なくとも1つの側面部(FS1、FS2)を折畳むためのアクチュエータによって駆動される少なくとも1つの移動部分(P1、P2)と、コンテナのトップ(T)及びベース(B)を折畳むためのアクチュエータ(H1、H2、H3、H4)によって作動される少なくとも1つのアーム(A1、A2、A3、A4)と、アクチュエータ、移動部分、及びアームを取付けるための構造体とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折畳み可能な輸送用コンテナを折畳み及び展開する装置及び方法に関する。より詳しくは、本発明は、折畳み可能な輸送用コンテナを自動的に折畳み及び展開するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
折畳み可能なコンテナは、輸送コスト、ハンドリングコスト及び貯蔵コストを節約する観点において、魅力的な選択肢である。しかしながら、これまで、このようなコンテナは満足できるように導入されていなかった。
【0003】
剛性構造の角柱コンテナの使用によって生じる欠点をなくすために、つぶし可能な(折り畳み可能な)構造の構成要素を有するコンテナが設計され且つ作られてきた。このようなコンテナでは、荷物を取出した後、壁をベースの上に折畳み、空のコンテナは、輸送のための折畳み状態では、小さいスペースしか占めない。
【0004】
折り畳み可能なコンテナを折畳んだり展開したりするために、手作業で行うには困難な一連の作業が行われる。このため、労働コスト及び作業時間を節約するために、折り畳み可能なコンテナを折畳み及び展開するシステム又は装置の要望がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、輸送用コンテナを自動的に折畳み及び展開する装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を満足させるために、本発明は、折畳み可能な輸送用コンテナを折畳み及び展開する装置であって、複数のアクチュエータと、コンテナの少なくとも1つの側面部を折畳むためのアクチュエータによって駆動される少なくとも1つの移動部分と、コンテナのトップ及びベースを折畳むためのアクチュエータによって作動される少なくとも1つのアームと、アクチュエータ、移動部分及びアームを取付けるための構造体と、を有する装置を提供する。
【0007】
本発明の他の側面では、本発明は、複数のアクチュエータと、少なくとも1つの移動部分と、複数のアームと、構造体とを有する輸送用コンテナを折畳み及び展開する方法であって、コンテナの一方の側面部を他方の側面部に向かって又はそれから離れる方向に移動部分によって移動させる工程と、コンテナの少なくとも1つの側面部を、アクチュエータによって駆動される移動部分によって折畳む工程と、コンテナのトップ及びベースを、アクチュエータによって作動されるアームによって折畳む工程と、を有する方法を提供する。
【0008】
本発明の特徴は、特に特許請求の範囲に記載されている。本発明は、その目的及び長所とともに、添付図面に関連して後で述べる記載を参照することによって最も良く理解できるであろう。添付図面において、同一の参照番号は、幾つかの図面における実質的に同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】折畳み可能な輸送用コンテナの概略図である。
【図2】本発明による輸送用コンテナを折畳み及び展開するシステムの概略図である。
【図3】第1の折畳み工程後の状態を示す図である。
【図4】第2の折畳み工程後の状態を示す図である。
【図5】最終の折畳み工程後の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の原理の理解を促進する目的のために、図面に示す実施形態を参照し、実施形態を説明する特定の用語を使用する。しかしながら、このことにより本発明の範囲を制限する意図はないことを理解すべきであり、本発明が関連する当業者は、図示の装置の変更及び更なる修正及び例示した本発明の原理の他の用途を普通に考えるであろう。
【0011】
図1に示す折畳み式の輸送用コンテナは、平らで折畳み可能なベース(底面部)Bと、折畳み可能なトップ(上面部)Tと、対向する側面部SS1、SS2と、折畳み可能なパネルFS1、FS2とを有している。
【0012】
図2は、輸送用コンテナの折畳み/展開システムの概略図である。本発明のこのシステムは、複数の移動部分を有する。アクチュエータ(図示せず)によって駆動される第1の移動部分P1及び第2の移動部分P2は、コンテナの側面部SS1を折畳むのに使用される。システムは、コンテナのトップTを折畳むための第1のアクチュエータH1及び第2アクチュエータH2によって作動される第1のアーム対A1、A2を有している。システムの第2のアーム対A3、A4は、第2のアクチュエータH3及び第3のアクチュエータH4によって作動され、コンテナのベースBを折畳むのに使用される。システムは更に、アクチュエータ及び移動部分が取付けられる構造体Sを有している。
【0013】
図2は、本発明の一実施形態の概略図である。構造体Sは、1つ又は2つ以上の長手方向部材LB1、LB2と、1つ又は2つ以上の横方向部材TB1、TB2と、1つ又は2つ以上の垂直方向部材VB1、VB2、LVB、RVBとによって作られている。図2に示すように、長手方向部材LB1、LB2及び垂直方向部材VB1、VB2、LVB、RVBは、横方向部材TB1、TB2に強固に固定されている。移動部分P1は、それが、左側垂直方向部材LVBに強固に固定された左側スライド部材LSB上で横方向に自由に移動できるように設けられている。同様に、移動部分P2は、それが、右側垂直方向部材RVBに強固に固定された右側スライド部材RSB上で横方向に自由に移動できるように設けられている。アクチュエータ(図示せず)によって作動される移動部分は、コンテナの前壁を後壁に向かって(又は前壁を後壁から離れる方向に)移動させるのに使用される。
【0014】
アクチュエータH1、H2はそれぞれ、垂直方向部材VB1、VB2の頂部にピンジョイントによって取付けられている。アームA1、A2の一方の側はそれぞれ、アクチュエータH1、H2に強固に固定され、他方の側はそれぞれ、垂直方向部材VB1、VB2にピンジョイントを介して固定されている。
【0015】
同様に、アクチュエータH3、H4はそれぞれ、垂直方向部材VB1、VB2の底部にピンジョイントによって設けられている。アームA3、A4の一方の側はそれぞれ、アクチュエータH3、H4に強固に固定され、他方の側はそれぞれ、垂直方向部材VB1、VB2にピンジョイントを介して固定されている。
【0016】
図3は、本発明のシステムによる第1の折畳み工程後の状態を示す。このコンテナ折畳み工程では、移動部分P1、P2を水平方向に直線的に移動させて、コンテナの側面部SS1を側面部SS2に向かって押し、図3に示す状態にする。
【0017】
コンテナの第2の折畳み工程では、2つのアームA1、A2をアクチュエータH1、H2によって駆動し、それにより、トップTを折畳み、それと同時に、移動部分P1、P2を元の位置、即ち、図4に示す位置に戻す。2つのアームA1、A2に取付けられているアクチュエータH1、H2を上方に移動させ、トップTを折畳む。
【0018】
コンテナの最終の折畳み工程では、2つのアームA3、A4をアクチュエータH3、H4によって駆動し、ベースBを折畳み、それと同時に、アクチュエータH1、H2を下方に移動させることによって、2つのアームA1、A2を元の位置、即ち、図5に示す位置に戻す。この工程では、アームA3、A4に取付けられているアクチュエータH3、H4を下方に移動させて、ベースBを折畳む。
【0019】
この説明に引用した全ての文献を本明細書に援用する。本発明の範囲は、多数の態様の例示を意図した特定の実施形態及び例示によって制限されるものではなく、機能的に等価である全ての実施形態は本発明の範囲内に包含される。当業者ならば、日常的な実験を行うまでもなく、本願で説明した本発明の特定の実施形態の多くの均等物を考え得るであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折畳み可能な輸送用コンテナを折畳み及び展開する装置であって、
複数のアクチュエータと、
コンテナの少なくとも1つの側面部を折畳むための前記アクチュエータによって駆動される少なくとも1つの移動部分と、
コンテナのトップ及びベースを折畳むための前記アクチュエータによって作動される少なくとも1つのアームと、
前記アクチュエータ、前記移動部分、及び前記アームを取付けるための構造体と、を有する装置。
【請求項2】
前記構造体は、少なくとも1つの長手方向部材と、少なくとも1つの横方向部材と、少なくとも1つの垂直方向部材とを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
コンテナの1つの側面部を移動させる前記アクチュエータは、前記構造体のスライド部材によって案内される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
複数のアクチュエータと、少なくとも1つの移動部分と、複数のアームと、構造体とを有する輸送用コンテナを折畳み及び展開する方法であって、
コンテナの一方の側面部を、前記コンテナの他方の側面部に向かって又はそれから離れる方向に前記移動部分によって移動させる工程と、
コンテナの少なくとも1つの側面部を、前記アクチュエータによって駆動される前記移動部分によって折畳む工程と、
コンテナのトップ及びベースを、前記アクチュエータによって作動される前記アームによって折畳む工程と、を有する方法。
【請求項5】
添付図面を参照して本願で説明したものと実質的に同じである、輸送用コンテナを折畳み及び開くための装置。
【請求項6】
添付図面を参照して本願で説明したものと実質的に同じである、輸送用コンテナを折畳み及び開くための方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−523425(P2010−523425A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502638(P2010−502638)
【出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【国際出願番号】PCT/IN2008/000157
【国際公開番号】WO2008/122984
【国際公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(509263892)インディアン インスティテュート オブ テクノロジー デリー (5)
【出願人】(509263696)シンプリ インヴェストメンツ リミテッド (4)
【Fターム(参考)】