説明

抵抗基板および可変抵抗器

【課題】簡素に製造することが可能で、しかも、最少の電気抵抗値と最大の電気抵抗値との幅を大きくしても、装置を小型に抑えることができる抵抗基板を得る。
【解決手段】抵抗基板1は、絶縁面2と絶縁面2に形成された導電層3とから形成され、導電層3に並んだ帯状範囲3a、3b・・・3iには、それぞれ線状の導電性ペーストがその密度(間隔または線幅)を除々に変えて複数本印刷されている。帯状範囲3a、3b・・・3i内の単位距離間の電気抵抗値は一定で、これらを電気抵抗値Ωa、Ωb・・・Ωiとすると、「Ωa<Ωb<・・・<Ωi」の関係がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は抵抗基板および可変抵抗器、特に、単位距離当たりの電気抵抗値が一方側から他方側に向かって除々に変化することを特徴とする抵抗基板、および該抵抗基板を備えた可変抵抗器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、可変抵抗器は抵抗基板と該抵抗基板に摺動する摺動体とを有し、該摺動体の移動距離に対して、電気抵抗値が直線的に変化するものと非直線的に変化するものとがあった。すなわち、非直線的に変化することによって、摺動体の移動距離に対する電気抵抗値の変化率を、小電気抵抗域と大電気抵抗域とにおいて相違させていた。このとき、かかる相違を滑らかにする発明が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−145710号公報(第4−5頁、図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された発明は、矩形状ベタ印刷域とこれに続くドット状離散印刷域とを有する特殊印刷を繰り返すものであって、一方の特集印刷によるドット状離散印刷域に、他方の特集印刷による矩形状ベタ印刷域を重ねるものである。
このため、特殊印刷の繰り返しによって作業が繁雑になり、製造コストが上昇するという問題がある。また、摺動体の移動距離に対する電気抵抗値を、複数の一定の直線変化域と、これらを滑らかに繋ぐ非直線変化域とにすることはできるものの、最少の電気抵抗値と最大の電気抵抗値との幅を大きくしようとすると、装置が大型になるという問題がある。
なお、電気抵抗値が直線的に変化する可変抵抗器において、最少の電気抵抗値と最大の電気抵抗値との幅を大きくしようとすると、装置が大型になるという問題がある。
【0005】
本発明は上記問題を解決するものであって、簡素に製造することが可能で、しかも、最少の電気抵抗値と最大の電気抵抗値との幅を大きくしても、装置を小型に抑えることができる抵抗基板と、これを備えた可変抵抗器を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係る抵抗基板は、不電導体からなる絶縁面と、該絶縁面に形成された導電層と、から形成され、
前記導電層の単位距離当たりの電気抵抗値が、前記導電層の一方側から他方側に向かって除々に変化することを特徴とする。
(2)前記導電層が、導電性ペーストを用いた印刷によって形成され、
前記印刷された導電性ペーストの単位面積当たりの密度が、前記導電層の一方側から他方側に向かって除々に変化することを特徴とする。
(3)前記印刷が、複数の点であって、該点の単位面積当たりの数が前記導電層の一方側から他方側に向かって除々に変化する、若しくは前記点自体の広がりまたは厚さが前記導電層の一方側から他方側に向かって除々に変化する、の一方または両方であることを特徴とする。
(4)前記印刷が、複数の線であって、該線の単位面積当たりの数が、前記導電層の一方側から他方側に向かって除々に変化する、若しくは前記線自体の幅または厚さが前記導電層の一方側から他方側に向かって除々に変化する、の一方または両方であることを特徴とする。
(5)前記導電層が、導電性蒸着材を用いた蒸着によって形成され、
該蒸着された導電性蒸着材の厚さが前記導電層の一方側から他方側に向かって除々に変化する、または前記導電性蒸着材の密度が前記導電層の一方側から他方側に向かって除々に変化する、の一方または両方であることを特徴とする。
(6)前記導電層がメッキによって形成され、
該メッキされたメッキ層の厚さが前記導電層の一方側から他方側に向かって除々に変化する、または前記メッキ層の密度が前記導電層の一方側から他方側に向かって除々に変化する、の一方または両方であることを特徴とする。
【0007】
(7)さらに、本発明に係る可変抵抗器は、前記(1)乃至(6)の何れかに記載の抵抗基板と、
第1の端子が設置され、前記抵抗基板の導電層に当接する導電性を有する第1の刷毛と、
第2の端子が設置され、前記抵抗基板の導電層に摺動する導電性を有する第2の刷毛と、
を備えている。
(8)さらに、前記第1の刷毛が前記抵抗基板の導電層に摺動することを特徴とする。
(9)また、第1の端子が設置された導電性を有する表面を具備する集電基板と、
前記集電基板の表面に摺動する導電性を有する第1の刷毛と、
導電層に短絡した第2の端子が設置された前記(1)乃至(6)の何れかに記載の抵抗基板と、
前記抵抗基板の導電層に摺動する導電性を有する第2の刷毛と、
前記第2の刷毛と前記第1の刷毛とを接続する導電性を有する接続部と、
を備えている。
(10)また、前記第1の刷毛が、前記集電基板の導電性を有する表面に摺動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
(i)本発明に係る抵抗基板は、導電層の単位距離当たりの電気抵抗値が、導電層の一方側から他方側に向かって除々(段階的または連続的)に変化する(「グラデーション」に同じ)。したがって、一方の刷毛を導電層の所定位置に当接して、他方の刷毛を一方の刷毛から離れた位置に摺動すると、両刷毛間の電気抵抗値は滑らかに変化する。
このとき、導電層の単位距離当たりの電気抵抗値を、導電層の一方側と他方側とを結ぶ方向(仮に、Y方向とする)に変化し、導電層の一方側と他方側とを結ぶ方向に直角の方向(仮に、X方向とする)において一定にしておけば、他方の刷毛を一方の刷毛に対して他方側に(Y方向に)摺動すると、また、両刷毛間の電気抵抗値は大きく変動し、他方の刷毛を一方の刷毛に対して一方側において(X方向に)摺動すると、両刷毛間の電気抵抗値は僅かに変動し、さらに、他方の刷毛を一方の刷毛に対して他方側に(Y方向に)摺動した後、他方の刷毛を一方の刷毛に対して一方側において(X方向に)摺動すると、両刷毛間の電気抵抗値は大きく変動した状態で、微調整することが可能になる。
【0009】
(ii)また、導電層が導電性ペーストを用いた傾斜印刷(グラデーション印刷)によって形成されるから、作業が簡素で製造コストを抑えることができる。なお、印刷された導電性ペーストはレベリング効果によって互いに連結(短絡)するから、印刷された導電性ペーストの密度が高い単位面積では、電気抵抗値が小さく、反対に、印刷された導電性ペーストの密度が低い単位面積では、電気抵抗値が大きくなる。
【0010】
(iii)また、印刷が複数の点であって、単位面積当たりの数(点の中心間の距離)、若しくは点自体の広がり(直径)または厚さが除々に変化するものであるから、印刷パターンの設計や印刷が簡素であって、単位面積当たりの電気抵抗値の変化状態を推定することができる。
(iv)また、印刷が複数の線であって、単位面積当たりの数(線の中心間の距離)、若しくは幅または厚さが除々に変化するものであるから、印刷パターンの設計や印刷が簡素であって、単位面積当たりの電気抵抗値の変化状態を推定することができる。
【0011】
(v)また、導電層が導電性蒸着材を用いた蒸着によって、厚さまたは密度が除々に変化するように形成されるから、印刷と同様の作用効果が得られる。なお、導電性蒸着材は蒸着膜の厚さが徐々に変化するように蒸着したり、均一の蒸着膜厚さに蒸着した後、厚さが徐々に変化するように剥がしてもよい。
(vi)また、導電層がメッキによるメッキ層であって、その厚さまたは密度が除々に変化するように形成されるから、印刷と同様の作用効果が得られる。なお、メッキ層の厚さが徐々に変化するようにメッキしたり、均一のメッキ層を形成した後、厚さが徐々に変化するように剥がしてもよい。
【0012】
(vii)さらに、本発明に係る可変抵抗器は、前記作用効果を奏する抵抗基板と、抵抗基板に摺動する第2の刷毛と、抵抗基板に当接する第1の刷毛と、を有するから、第2の刷毛を摺動することによって、第1の端子と第2の端子との間の電気抵抗値を滑らかに変化させることができる。
(viii)このとき、第1の刷毛が抵抗基板に摺動するから、第1の端子と第2の端子との間の電気抵抗値の変化割合(単位摺動距離に対する変化割合)を大幅に変更することが可能になる。
(ix)また、前記作用効果を奏する抵抗基板に第1の端子が設置され、集電基板に第2の端子が設置され、両者を短絡(接続)する接続部を有し、第1の端子と、第2の刷毛との距離が変動するするから、接合部を移動することによって、第1の端子と第2の端子との間の電気抵抗値を滑らかに変化させることができる。
(x)このとき、第1の刷毛が集電基板に摺動するから、接合部の形態が簡素になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1に係る抵抗基板を模式的に示す平面図。
【図2】本発明の実施の形態1に係る抵抗基板を模式的に示す平面図。
【図3】本発明の実施の形態1に係る抵抗基板を模式的に示す平面図。
【図4】本発明の実施の形態2に係る可変抵抗器を模式的に示す平面図。
【図5】本発明の実施の形態2に係る可変抵抗器を模式的に示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[実施の形態1:抵抗基板]
図1〜図3は本発明の実施の形態1に係る抵抗基板を模式的に示す平面図である。なお、各図において同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図1において、抵抗基板1は、不電導体からなる矩形状である絶縁面2と、絶縁面2に形成された矩形状の導電層3と、から形成されている。このとき、導電層3の単位距離当たりの電気抵抗値が、導電層の図中Y方向で一方側から他方側に向かって除々に変化している。
すなわち、図1において左右方向を「X方向」、上下方向を「Y方向」とすると、導電層3はX方向に伸びる帯状範囲3a、3b・・・3iがY方向に並んでいる。帯状範囲3a、3b・・・3iには、それぞれY方向に、線状の導電性ペーストが複数本印刷され、それぞれレベリング効果によって連結(短絡)している。なお、以下の説明において、印刷された線状の導電性ペーストを「印刷線」と称する。
【0015】
このとき、帯状範囲3a、3b・・・3iにおける印刷線の密度(単位面積当たりの印刷インクの量に相当し、印刷線の中心間の距離が近く、印刷線の幅が広く、印刷線の厚さが厚い程、高密度になる)は、それぞれの帯状範囲内においては一定で、帯状範囲3aから帯状範囲3iに向かって除々に小さく(粗く)なっている。例えば、それぞれの帯状範囲内における印刷線の線幅は一定で、印刷線の中心間距離が帯状範囲3aから帯状範囲3iに向かって除々に広くなったり、それぞれの帯状範囲内における印刷線の中心間距離は一定で、線幅が帯状範囲3aから帯状範囲3iに向かって除々に細くなったりしている。
すなわち、帯状範囲3b内の単位距離間の電気抵抗値Ωbは、帯状範囲3a内の単位距離間の電気抵抗値Ωaより大きく(Ωa<Ωb)、また、帯状範囲3c内の単位距離間の電気抵抗値Ωcは電気抵抗値Ωbより大きく(Ωb<Ωc)、同様に、帯状範囲3d、3e・・・3i内の単位距離間の電気抵抗値を電気抵抗値Ωd、Ωe・・・Ωh、Ωiとすると、「Ωd<Ωe<・・・<Ωh<Ωi」の関係がある。
【0016】
したがって、一対の刷毛を帯状範囲3aにおける最も近接した二点に当接した場合には、当該刷毛間の電気抵抗値は最も小さく、一方、一対の刷毛を帯状範囲3iにおける最も離れた二点に当接した場合には、当該刷毛間の電気抵抗値は最も大きくなる。
また、それぞれの帯状範囲内において、一対の刷毛が当接する二点間の距離を変更する(X方向に摺動する)と、当該距離に略比例して、当該刷毛間の電気抵抗値は変動する。このとき、帯状範囲3a、3b・・・、3h、3iにおける所定距離の変化に対応した電気抵抗値の変化の割合を割合ΔΩa、ΔΩb・・・ΔΩh、ΔΩiとすると、「ΔΩa<ΔΩb<・・・<ΔΩh<ΔΩi」の関係がある。
さらに、一対の刷毛の一方の刷毛を帯状範囲3aに当接して、他方の刷毛を帯状範囲3bから帯状範囲3iに向かって摺動すると、一対の刷毛間の電気抵抗値は段階的に増加する。
【0017】
なお、図1には8行の帯状範囲を描いているが、本発明は帯状範囲の数や幅(Y方向の幅)を限定するものではなく、例えば、幅を狭くして10以上に増してもよい。
また、以上は、印刷線の線幅は一定で、印刷線の中心間距離が除々に変化するものを示しているが、本発明はこれに限定するものではなく、印刷線の中心間距離を一定(単位面積当たりの本数を一定)にして、印刷線の線幅あるいは線厚さを除々に変化するようにしてもよい。
【0018】
図2において、抵抗基板8は、印刷線がX方向に印刷されている。このとき、帯状範囲4a、4b・・・4iにおける印刷線は、それぞれ導電層4のX方向の全幅に渡って、それぞれの帯状範囲においては一定の間隔で描かれている。そして、それぞれの帯状範囲における印刷線の密度は、帯状範囲4aから帯状範囲4iに向かって除々に小さく(粗く)なっている。
例えば、それぞれの帯状範囲内における印刷線の線幅は一定で、印刷線の中心間距離が帯状範囲4aから帯状範囲4iに向かって除々に広くなったり、それぞれの帯状範囲内における印刷線の中心間距離は一定で、線幅が帯状範囲3aから帯状範囲3iに向かって除々に細くなったりしている。
すなわち、抵抗基板8は、抵抗基板1と同様に、、帯状範囲4a、4b・・・、4h、4iにおける単位距離間の電気抵抗値を「Ωa、Ωb・・・Ωh、Ωi」とすると、「Ωa<Ωb<・・・Ωh<Ωi」および「ΔΩa<ΔΩb<・・・<ΔΩh<ΔΩi」の関係がある。
なお、図2には8行の帯状範囲を描いているが、本発明は帯状範囲の数や幅(Y方向の幅)を限定するものではない。例えば、Y方向の全域にわたって、一定線幅の印刷線の間隔を除々に広くしたり、一定間隔の印刷線の線幅を除々に狭くしたりして、帯状範囲の境界を無くしてもよい。
【0019】
図3において、抵抗基板9は、印刷線がX方向およびY方向の2方向に印刷されている。すなわち、抵抗基板9の導電層5は、抵抗基板1の導電層3と抵抗基板8の導電層4とを重ね合わせたものに同じである。
したがって、抵抗基板9は、抵抗基板1および抵抗基板8と同様に、帯状範囲5a、5b・・・、5h、5iにおける単位距離間の電気抵抗値を「Ωa、Ωb・・・Ωh、Ωi」とすると、「Ωa<Ωb<・・・<Ωh<Ωi」および「ΔΩa<ΔΩb<・・・<ΔΩh<ΔΩi」の関係がある。
なお、図3は2方向に印刷された印刷線を描いているが、かかる線状の印刷に代えて、点状の印刷を前記に準じて施してもよい。すなわち、一定径の点を間隔を変更して印刷したり、一定間隔の点を径(面積)を変更して印刷してもよい。
さらに、印刷に代えて、導電層の全域に導電性蒸着材を用いた蒸着を施し、蒸着された導電性蒸着材の厚さが導電層の一方側から他方側に向かって除々に変化するようにしてもよい。このとき、厚さが変化するように蒸着しても、一定厚さに蒸着した後、厚さを変更しても(削り取っても)よい。また、蒸着に代えて、メッキによって、メッキ厚さが除々に変化するようにしても同様の作用効果が得られる。
【0020】
[実施の形態2:可変抵抗器]
図4および図5は本発明の実施の形態2に係る可変抵抗器を模式的に示す平面図である。なお、各図において実施の形態1と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図4において、可変抵抗器6は、抵抗基板1と、第1の端子11が設置され、抵抗基板1の導電層3に当接する導電性を有する第1の刷毛12と、第2の端子21が設置され、抵抗基板1の導電層3に摺動する導電性を有する第2の刷毛22と、第2の刷毛22を移動する図示しない第2の刷毛移動手段と、を備えている。
したがって、第2の刷毛22を摺動(移動)することによって、第1の刷毛12と第2の刷毛22との間の電気抵抗値を変更することができる。
すなわち、第2の刷毛22をX方向に摺動することによって、前記電気抵抗値は微調整され、第2の刷毛22をY方向に摺動することによって、前記電気抵抗値は大きく変化させることが可能になる。また、第2の刷毛22を円弧状に(例えば、第1の刷毛12を回転中心にして)旋回させてもよい。
【0021】
なお、本発明は第1の刷毛12や第2の刷毛22の形式、あるいは第2の刷毛移動手段等の形式を限定するものはない。
さらに、第1の刷毛12に図示しない第1の刷毛移動手段を設け、第1の刷毛12が抵抗基板1の導電層3に摺動するようにしてもよい。このとき、第1の刷毛12をY方向に移動することによって、前記電気抵抗値をより広い範囲で変化させることが可能になる。
【0022】
図5において、可変抵抗器7は、第1の端子11が設置された導電性を有する表面31を具備する集電基板30と、集電基板30の表面31に摺動する導電性を有する第1の刷毛12と、導電層3に短絡した第2の端子21が設置された抵抗基板1と、抵抗基板1の導電層3に摺動する導電性を有する第2の刷毛22と、第2の刷毛22と第1の刷毛12とを接続する導電性を有する接続部40と、接続部40を移動する図示しない接続部移動手段と、を備えている。
したがって、接続部40を移動することによって、第1の刷毛12と第2の刷毛22との間の電気抵抗値を変更することができる。
なお、本発明は、接続部40の移動要領を限定するものではなく、X方向またはY方向の一方または両方に直線的に移動しても、接続部40の所定位置を回転中心にして旋回してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明によれば、狭い面積でありながら、電気抵抗値を広い範囲で変更可能であり、しかも、それぞれの電気抵抗域において電気抵抗値を微調整することができるから、各種可変抵抗器に使用される抵抗基板として広く利用することができる。
【符号の説明】
【0024】
1 抵抗基板
2 絶縁面
3 導電層
3a 帯状範囲
3b 帯状範囲
3c 帯状範囲
3d 帯状範囲
3e 帯状範囲
3f 帯状範囲
3g 帯状範囲
3h 帯状範囲
3i 帯状範囲
4 導電層
5 導電層
6 可変抵抗器
7 可変抵抗器
8 抵抗基板
9 抵抗基板
11 第1の端子
12 第1の刷毛
21 第2の端子
22 第2の刷毛
30 集電基板
31 導電性を有する表面
40 接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不電導体からなる絶縁面と、該絶縁面に形成された導電層と、から形成され、
前記導電層の単位距離当たりの電気抵抗値が、前記導電層の一方側から他方側に向かって除々に変化することを特徴とする抵抗基板。
【請求項2】
前記導電層が、導電性ペーストを用いた印刷によって形成され、
前記印刷された導電性ペーストの単位面積当たりの密度が、前記導電層の一方側から他方側に向かって除々に変化することを特徴とする請求項1記載の抵抗基板。
【請求項3】
前記印刷が、複数の点であって、該点の単位面積当たりの数が前記導電層の一方側から他方側に向かって除々に変化する、若しくは前記点自体の広がりまたは厚さが前記導電層の一方側から他方側に向かって除々に変化する、の一方または両方であることを特徴とする請求項2記載の抵抗基板。
【請求項4】
前記印刷が、複数の線であって、該線の単位面積当たりの数が、前記導電層の一方側から他方側に向かって除々に変化する、若しくは前記線自体の幅または厚さが前記導電層の一方側から他方側に向かって除々に変化する、の一方または両方であることを特徴とする請求項2記載の抵抗基板。
【請求項5】
前記導電層が、導電性蒸着材を用いた蒸着によって形成され、
該蒸着された導電性蒸着材の厚さが前記導電層の一方側から他方側に向かって除々に変化する、または前記導電性蒸着材の密度が前記導電層の一方側から他方側に向かって除々に変化する、の一方または両方であることを特徴とする請求項1記載の抵抗基板。
【請求項6】
前記導電層がメッキによって形成され、
該メッキされたメッキ層の厚さが前記導電層の一方側から他方側に向かって除々に変化する、または前記メッキ層の密度が前記導電層の一方側から他方側に向かって除々に変化する、の一方または両方であることを特徴とする請求項1記載の抵抗基板。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れかに記載の抵抗基板と、
第1の端子が設置され、前記抵抗基板の導電層に当接する導電性を有する第1の刷毛と、
第2の端子が設置され、前記抵抗基板の導電層に摺動する導電性を有する第2の刷毛と、
を備えている可変抵抗器。
【請求項8】
前記第1の刷毛が前記抵抗基板の導電層に摺動することを特徴とする請求項7記載の可変抵抗器。
【請求項9】
第1の端子が設置された導電性を有する表面を具備する集電基板と、
前記集電基板の表面に摺動する導電性を有する第1の刷毛と、
導電層に短絡した第2の端子が設置された請求項1乃至6の何れかに記載の抵抗基板と、
前記抵抗基板の導電層に摺動する導電性を有する第2の刷毛と、
前記第2の刷毛と前記第1の刷毛とを接続する導電性を有する接続部と、
を備えている可変抵抗器。
【請求項10】
前記第1の刷毛が、前記集電基板の導電性を有する表面に摺動することを特徴とする請求項9記載の可変抵抗器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−119392(P2011−119392A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−274561(P2009−274561)
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【出願人】(000145378)株式会社秀峰 (32)
【Fターム(参考)】