説明

抵抗性周波数のミキシング装置及びこれを用いた信号処理方法

【課題】抵抗性周波数ミキシング装置を提供する。
【解決手段】ソースフォロワFET(Source Follower FET)を備える第1周波数ミキサと、共通ソースFET(Common Source FET)を備える第2周波数ミキサとを含み、ソースフォロワFETに入力されるRF(Radio Frequency)信号を、共通ソースFETに入力されるLO(Local Oscillation)信号に応じて周波数ミキシングし、ダウンコンバートされたIF(Intermediate Frequency)信号を出力する。また、抵抗性周波数ミキシング装置は、共通ソースFETに入力されたIF信号を、ソースフォロワFETを用い、共通ソースFETに入力されたLO信号に応じて周波数ミキシングし、アップコンバートされたRF信号を生成する。従って、LO-RF間の隔離度だけではなく、RF-IF間の隔離度を向上させて、RF-IFマッチング回路を容易に設計することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抵抗性周波数ミキシング装置(resistive frequency mixing apparatus)に関し、より詳細には、入力されるRF(Radio Frequency)信号をLO(Local Oscillator)周波数に応じてIF(Intermediate Frequency )信号に変換したり、IF信号をLO周波数に応じてRF信号に変換する抵抗性周波数のミキシング装置及びこれを用いた信号処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のように、近年、ユーザの要望するデータ量が増大するに従い、これを受容することのできるGbps級の超高速光帯域通信システムが求められており、これを満たすため、例えば60GHzのミリ波帯域が大きく脚光を浴びている。このようなシステムを移動体通信端末に適用するためには、低消費電力、回路間の隔離度(isolation)、及び小型化が満たされなければならない。
【0003】
「隔離度」という用語は、ある二つの対象を互いに隔離する程度を表す尺度であり、信号が入出力するポートを基準に、各ポートで発生した干渉のために、各ポート固有の信号が他のポートへ及ばないようにする程度を表すパラメータを意味する。例えば、RFポート、LOポート、IFポートの3つのポートを持つミキサは、周波数の変換を目的とする装置であるため、ポート間の隔離度が必ず求められる。特に、無線通信システムにおいて、ミリ波帯域で用いられる抵抗性周波数ミキサは、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)、LOフィルタ、RFフィルタ、又はIFフィルタなどを用い、入力RF信号を入力LO周波数に応じてIF信号に変換する構造を有している。
【0004】
図1は、通常の抵抗性周波数ミキシング装置の一例を示し、図2は、スウェーデンのカルマース工科大学(Chalmers University of Technology)で提案された抵抗性周波数ミキシング装置の他の例を示している。
【0005】
図1に示すような、一例による抵抗性周波数ミキシング装置において、LO周波数がLOマッチング回路10を介してFET12のゲートに入力され、RF信号がマッチング回路10及びRFフィルタ14を含むマッチングネットワーク(matching network)を介してFET12のドレインに入力され、IF信号がマッチング回路10及びIFフィルタ16を含むマッチングネットワークを介してFET12のドレインから出力される。
【0006】
一方、図2に示すような、他の例による抵抗性周波数ミキシング装置は、RF信号とLO信号との隔離度を向上させるため、RF信号とLO信号が入力される入力ポートにブランチラインカプラ(Branch Line Coupler)(又はバラン(balun))21及び22を備えている。このブランチラインカプラ21及び22を介して、入力信号が二つの経路に各々分離される。このようにして、LO周波数はLOフィルタ(図示せず)を介して二つのFET23及び24のゲートに各々入力され、ブランチラインカプラ21及び22を介して分離されたRF信号は、各々、RFフィルタ25及び26を介して二つのFET23及び24のドレインに接続され、IF信号が二つのFET23及び24のドレインからIFフィルタ27及び28を介して出力される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、図1に示したような、従来の抵抗性周波数ミキシング装置は、RF入力ポートとIF出力ポートとがFETのドレインにつながっており、RF信号とLO信号との隔離度を確保するのが困難である。このような隔離度を確保するために、図2に示したような抵抗性周波数ミキシング装置は、多数のカプラ(又はバラン)とフィルタとを備えなければならず、回路全体のサイズが大きくなり、このような回路を駆動させるためには、相対的に大きなLO電力が要求されるという短所があった。
【0008】
したがって、本発明の目的は、ソースフォロワFET(Source Follower FET)と共通ソースFET(Common Source FET)を用い、RF入力ポートとLO出力ポート間の隔離度を向上させることのできる抵抗性周波数ミキシング装置、及びこれを用いた信号処理方法を提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、相対的に低いLO電力を用い、LO周波数を入力信号として提供し、入力されるRF信号に対応するIF信号を、相対的に低い変換損失で出力することのできる抵抗性周波数ミキシング装置、及びこれを用いた信号処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1様態によれば、
ソースフォロワFETを備える第1周波数ミキサと、
共通ソースFETを備える第2周波数ミキサとを含み、
前記抵抗性周波数ミキシング装置は、RF信号が前記ソースフォロワFETに入力されてLO信号が前記共通ソースFETに入力されるとき、前記LO信号に応じて前記RF信号を周波数ミキシングし、ダウンコンバートされたIF信号を出力し、
前記抵抗性周波数ミキシング装置は、IF信号が前記共通ソースFETに入力されてLO信号が前記共通ソースFETに入力されるとき、前記LO信号に応じて前記IF信号を前記ソースフォロワFETを介して周波数ミキシングし、アップコンバートされたRF信号を出力することを特徴とする抵抗性周波数ミキシング装置を提供する。
【0011】
本発明の第2様態によれば、
共通ソースFETを備える第1周波数ミキサと、
ソースフォロワFETを備える第2周波数ミキサとを含み、
前記抵抗性周波数ミキシング装置は、RF信号が前記共通ソースFETに入力されてLO信号が前記ソースフォロワFETに入力されるとき、前記LO信号に応じて前記RF信号を周波数ミキシングし、ダウンコンバートされたIF信号を出力し、
前記抵抗性周波数ミキシング装置は、IF信号が前記ソースフォロワFETに入力されてLO信号が前記ソースフォロワFETに入力されるとき、前記LO信号に応じて前記IF信号を、前記ソースフォロワFETを介して周波数ミキシングし、アップコンバートされたRF信号を出力することを特徴とする抵抗性周波数ミキシング装置を提供する。
【0012】
本発明の第3様態によれば、
入力されるRF信号と、入力されるLO信号を各々周波数マッチングするステップと、
前記周波数マッチングされたRF信号が前記ソースフォロワFETに入力されて、前記周波数マッチングされたLO信号が前記共通ソースFETに入力されるとき、前記周波数マッチングされたRF信号を、前記周波数マッチングされたLO信号に応じて周波数ミキシングし、ダウンコンバートされたIF信号を生成するステップと、
前記周波数マッチングされたRF信号が前記共通ソースFETに入力されて、前記周波数マッチングされたLO信号が前記ソースフォロワFETに入力されるとき、前記周波数マッチングされたRF信号を、前記周波数マッチングされたLO信号に応じて周波数ミキシングし、ダウンコンバートされたIF信号を生成するステップを含む、抵抗性周波数ミキシング装置を用いた信号処理方法を提供する。
【0013】
本発明の第4様態によれば、
入力されるIF信号と、入力されるLO信号を各々周波数マッチングするステップと、
前記周波数マッチングされたIF信号と前記周波数マッチングされたLO信号が前記共通ソースFETに入力されるとき、前記周波数マッチングされたIF信号と前記周波数マッチングされたLO信号とを、前記ソースフォロワFETによって周波数ミキシングし、アップコンバートされたRF信号を生成するステップと、
前記周波数マッチングされたIF信号と前記周波数マッチングされたLO信号が前記ソースフォロワFETに入力されるとき、前記周波数マッチングされたIF信号と前記周波数マッチングされたLO信号とを、前記共通ソースFETによって周波数ミキシングし、アップコンバートされたRF信号を生成するステップを含む、抵抗性周波数ミキシング装置を用いた信号処理方法を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、RF入力とIF出力がFETのドレインに接続されていたり、多数のカプラ(又はバラン)とフィルタを備えている抵抗性周波数混合装置とは違い、ソースフォロワFETを備えた第1周波数ミキサと共通ソースFETを備えた第2周波数ミキサを含み、ソースフォロワFETに入力されたRF信号を、共通ソースFETに入力されたLO信号に応じて周波数ミキシングし、ダウンコンバートされたIF信号を出力する抵抗性周波数ミキシング装置によって、LO-RF間の隔離度だけではなくRF-IF間の隔離度を向上させ、RF-IFマッチング回路を容易に設計することができ、相対的に低いLO電力を利用して相対的に低い変換損失になるようにIF信号を出力することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下で説明するように、本発明の技術の要旨は、RF信号の入出力をソースフォロワFET又は共通ソースFETに接続し、LO信号の入力を共通ソースFET又はソースフォロワFET に接続し、IF信号の入出力を共通ソースFET又はソースフォロワFET に接続することによって、RF信号をLO信号に応じて周波数ミキシングし、ダウンコンバートされたIF信号を出力したり、IF信号をLO信号に応じて周波数ミキシングし、アップコンバートされたRF信号を出力するということであり、このような技術的手段によって、従来技術の問題点を解決することができる。
【0016】
<実施例>
以下、添付した図面を参照し、本発明の好ましい実施例について詳細に説明する。
【0017】
図3Aは、本発明の一実施例による抵抗性周波数ミキシング装置の回路構成を示すものである。本発明の抵抗性周波数ミキシング装置は、RFマッチングネットワーク(RF Matching Network)302、第1周波数ミキサ304、LOマッチングネットワーク(LO Matching Network)306、第2周波数ミキサ308及びIFマッチングネットワーク(IF Matching Network)306を含んでいる。
【0018】
図3A及び3Bに示すように、RFマッチングネットワーク302は、第1周波数ミキサ304のゲートに接続され、アンテナ(図示せず)を介して入力されるRF信号を受信して、これを周波数マッチングし、損失の無い特定RF帯域の信号を生成する。このようにして生成された特定RF帯域のRF信号は第1周波数ミキサ304に出力される。
【0019】
第1周波数ミキサ304はソースフォロワFET(M2)を含んでいる。第1周波数ミキサ304において、ソースフォロワFET(M2)のドレインにはインダクタL2の一端が接続され、ソースフォロワFET(M2)のゲート-ドレイン間に発生するキャパシタンスCgd2と、ソースフォロワFET(M2)のドレイン-ソース間に発生するキャパシタンスCds2と、ソースフォロワFET(M2)のゲート-ソース間に発生するキャパシタンスCgs2とを補償し、抵抗性周波数ミキシング装置の変換損失(conversion loss)を減少させる役割を行う。この際、ソースフォロワFET(M2)のドレインには、接地されているインダクタL2の他端が接続されている。
【0020】
LOマッチングネットワーク306は第2周波数ミキサ308のゲートに接続されている。LOマッチングネットワーク306は、入力されるLO信号を周波数マッチングし、特定LO周波数帯域の損失の無いLO信号を生成する。周波数マッチングされたLO信号は第2周波数ミキサ308に出力される。即ち、LOマッチングネットワーク306は、LOの挿入損失を減少させ、DCを遮断(blocking)すると同時に、低周波数帯域の不必要な信号の影響を遮断する。
【0021】
第2周波数ミキサ308は、ソースフォロワFET(M2)のソースが接続されている共通ソースFET(M1)を含んでいる。共通ソースFET(M1)のソースにはインダクタL1が接続されるが、これは、共通ソースFET(M1)のゲート-ソース間に発生するキャパシタンスCgs1を補償して抵抗性周波数ミキシング装置の変換損失を減少させる。また、共通ソースFET(M1)のソースに接続されるインダクタL1の他端は接地されている。図3Aにおいて、Vgはゲート電圧である。
【0022】
第1周波数ミキサ304から周波数マッチングされたRF信号は、第2周波数ミキサ308から周波数マッチングされたLO信号に応じて中間周波数(IF)帯域にダウンコンバートされ、IFマッチングネットワーク310に入力される。
【0023】
IFマッチングネットワーク310は、第1周波数ミキサ304と第2周波数ミキサ308を介してダウンコンバート(又は周波数ミキシング)されたIF信号を周波数マッチングし、特定IF帯域のIF信号を生成し、出力する。
【0024】
従って、本発明の抵抗性周波数ミキシング装置は、ソースフォロワFETだけを使い、LO-RF間の隔離度だけではなく、RF-IF間の隔離度を向上させ、RF-IFマッチングネットワークを容易に設計することができる。また、本発明の抵抗性周波数ミキシング装置は、更に、ソースフォロワFET(M2)とインダクタL2とを含んでいて、従来技術に比べ、回路の大きさを画期的に減少させることができるので、移動体通信端末器、特にミリ波帯域の移動体通信端末に容易に適用することができる。
【0025】
上述したような構成を備えた抵抗性周波数ミキシング装置を用い、入力されるRF信号をマッチングし、入力されるLO信号をマッチングし、ソースフォロワFET及び共通ソースFETを介して周波数マッチングされるRF信号及びLO信号を周波数ミキシング(ダウンコンバート)して出力し、周波数ミキシングされたIF信号をマッチングして出力する一連の過程について、図4を参照しながら説明する。
【0026】
図4は、本発明による抵抗性周波数ミキシング装置を用いた周波数変換によってIF信号を出力する過程を示すフローチャートである。
【0027】
まず、アンテナ(図示せず)を介して受信されるRF信号が抵抗性周波数ミキシング装置のRFマッチングネットワーク302に入力され、局部発信器(図示せず)を介して提供されるLO信号が抵抗性周波数ミキシング装置のLOマッチングネットワーク306に入力される(ステップ402)。
【0028】
そして、抵抗性周波数ミキシング装置のRFマッチングネットワーク302は、前記入力RF信号を周波数マッチングし、特定RF帯域の損失無く、周波数マッチングされたRF信号を第1周波数ミキサ304に出力する。一方、LOマッチングネットワーク306は、前記入力LO信号を周波数マッチングし、特定LO周波数帯域の周波数マッチングされたLO信号として、第2周波数ミキサ308に出力する(ステップ404)。
【0029】
次に、第1周波数ミキサ304に入力されたRF信号を、第2周波数ミキサ308に入力されたLO信号に応じて周波数ミキシング(ダウンコンバート)し、IF帯域のダウンコンバートされたIF信号をIFマッチングネットワーク310に出力する(ステップ406)。
【0030】
IFマッチングネットワーク310では、入力されるIF信号を特定IF帯域の信号として出力する(ステップ408)。
【0031】
図5は、本発明に従い、共通ソースFET(M1)に接続されているインダクタL1の値に応じたダウンコンバートの損失を示すグラフで、図6は、本発明に従い、共通ソースFETに接続されているインダクタの値と、ソースフォロワFET(M2)に接続されているインダクタL2の値に応じたダウンコンバートの損失を示すグラフである。
【0032】
例えば、ゲート長が0.13μmであるCMOS型ソースフォロワFETにより構成された60GHz帯域の抵抗性周波数ミキシング装置を具現する場合、図5からわかるように、略−34デシベルであった変換損失が、共通ソースFETに接続されている約0.15nHのインダクタL1を介して略−16デシベルの変換損失に減少したことがわかる。又、図6のグラフに示すように、ゲート長が0.13μmであるCMOS型ソースフォロワFETにより構成された60GHz帯域の抵抗性周波数ミキシング装置を具現する場合、共通ソースFETに接続された約0.15nHのインダクタL1を介して獲得した略−16デシベルの変換損失が、ソースフォロワFETに接続されている約0.08nHのインダクタL2を介して略−14デシベルの変換損失に減少したことがわかる。従って、共通ソースFETとソースフォロワFETを含む抵抗性周波数ミキシング装置は、ソースフォロワFETだけを用い、LO-RF間の隔離度だけではなくRF-IF間の隔離度を向上させて、RF-IFのマッチングネットワークを容易に設計することができ、相対的に低いLO電力を使用してLO周波数を入力させて、入力されるRF信号に対応するIF信号を、相対的に低い変換損失を持つように出力することができる。
【0033】
図3Aを参照して説明したように、本発明の一実施例による抵抗性周波数ミキシング装置と、一実施例による信号処理方法では、RF信号が入力される第1周波数ミキサ304がソースフォロワFETにより構成され、LO信号が入力される第2周波数ミキサ308が共通ソースFETにより構成されるものとして説明を行った。その代わりとして、図3Bに示すように、共通ソースFETにより構成されている一方の周波数ミキサ308にRF信号が入力され、ソースフォロワFETにより構成されている他方の周波数ミキサ304にLO信号が入力されて、これらの周波数ミキサを介して信号が周波数ミキシング(ダウンコンバート)され、ダウンコンバートされたIF信号を出力できることは言うまでも無い。この際、図3Bに示すように、共通ソースFETにより構成されている一方の周波数ミキサ308のソースには、第1インダクタL1の一端が接続されて他端は接地され、ソースフォロワFETにより構成されている他方の周波数ミキサ304のドレインには、第2インダクタL2の一端が接続されて他端は接地されている。
【0034】
また、本発明による抵抗性周波数ミキシング装置と、一実施例による信号処理方法では、RF信号を第1周波数ミキサ304に入力し、LO信号を第2周波数ミキサ308に入力して、第1周波数ミキサ304と第2周波数ミキサ308を介してこれらの信号を周波数ミキシング(ダウンコンバート)し、ダウンコンバートされたIF信号を出力するものとして説明したが、それとは反対に、IF信号を第2周波数ミキサ308のドレインに入力し、LO信号を第1周波数ミキサ304のゲートに入力して、第1周波数ミキサ304と第2周波数ミキサ308を介して周波数ミキシングし、アップコンバートされたRF信号を出力し、このようなRF信号を、RFマッチングネットワーク302を介して特定RF帯域の信号にマッチングした後、RF信号を出力できることは言うまでも無い。
【0035】
そして、図3Bに示すように、共通ソースFET(M1)により構成されている一方の周波数ミキサ308にRF信号の入出力が接続され、ソースフォロワFET(M2)により構成されている他方の周波数ミキサ304にLO信号の入力が接続される場合、IF信号とLO信号とを、ソースフォロワFET(M2)により構成されている一方の周波数ミキサ304に入力し、ソースフォロワFET(M2)により構成されている一方の周波数ミキサ304と共通ソースFET(M1)により構成されている他方の周波数ミキサ308とを介して周波数ミキシングして、アップコンバートされたRF信号を出力し、このようなRF信号をRFマッチングネットワーク302を介して特定RF帯域の信号にマッチングした後、マッチングされたRF信号を出力できることも言うまでもない。この際、図3Bに示すように、共通ソースFET(M1)により構成されている周波数ミキサ308のソースには、第1インダクタL1の一端が接続されて他端は接地され、ソースフォロワFET(M2)により構成されている周波数ミキサ304のドレインには、第2インダクタL2の一端が接続されて他端は接地されている。
【0036】
以上の説明においては、本発明の好ましい実施例を提示して説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、本発明が属する技術分野において通常の知識を持つ者であれば、本発明の技術的思想を超えない範囲で、様々な置換、変形及び変形が可能であることを容易にわかるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】抵抗性周波数混合装置の一例を示す図である。
【図2】抵抗性周波数混合装置の他の一例を示す図である。
【図3A】本発明の一実施例による抵抗性周波数ミキシング装置を示す図である。
【図3B】本発明の他の一実施例による抵抗性周波数ミキシング装置を示す図である。
【図4】本発明による抵抗性周波数ミキシング装置においてIF信号を生成する過程を示すフローチャートである。
【図5】本発明による共通ソースFETにつながれているインダクタの値に応じたダウンコンバートの変換損失を示すグラフである。
【図6】本発明による共通ソースFETにつながれているインダクタの値と、ソースフォロワFETにつながれているインダクタの値に応じたダウンコンバートの変換損失を示すグラフである。
【符号の説明】
【0038】
302 RFマッチングネットワーク
304 第1周波数ミキサ
306 LOマッチングネットワーク
308 第2周波数ミキサ
310 IFマッチングネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抵抗性周波数ミキシング装置において、
ソースフォロワFET(Source Follower FET)を備える第1周波数ミキサと、
共通ソースFET(Common Source FET)を備える第2周波数ミキサとを含み、
前記抵抗性周波数ミキシング装置は、RF(Radio Frequency)信号が前記ソースフォロワFETに入力されてLO(Local Oscillation)信号が前記共通ソースFETに入力されるとき、前記LO信号に応じて前記RF信号を周波数ミキシングし、ダウンコンバートされたIF(Intermediate Frequency)信号を出力し、
前記抵抗性周波数ミキシング装置は、IF信号が前記共通ソースFETに入力されてLO信号が前記共通ソースFETに入力されるとき、前記LO信号に応じて前記IF信号を前記ソースフォロワFETを介して周波数ミキシングし、アップコンバートされたRF信号を出力することを特徴とする抵抗性周波数ミキシング装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1周波数ミキサは、前記ソースフォロワFETのゲート-ドレイン間と、ゲート-ソース間と、ドレイン-ソース間とで各々発生するキャパシタンス(capacitance)を補償するため、前記ソースフォロワFETのドレインに一端が接続されている第1インダクタを含み、前記ソースフォロワFETのドレインに接続されている前記第1インダクタの他端は接地されていることを特徴とする抵抗性周波数ミキシング装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記第2周波数ミキサは、前記共通ソースFETのゲート-ソース間で発生するキャパシタンスを補償するため、前記共通ソースFETのソースに一端が接続されている第2インダクタを含み、前記共通ソースFETのソースに接続されている前記第2インダクタの他端は接地されていることを特徴とする抵抗性周波数ミキシング装置。
【請求項4】
抵抗性周波数ミキシング装置において、
共通ソースFETを備える第1周波数ミキサと、
ソースフォロワFETを備える第2周波数ミキサとを含み、
前記抵抗性周波数ミキシング装置は、RF信号が前記共通ソースFETに入力されてLO信号が前記ソースフォロワFETに入力されるとき、前記LO信号に応じて前記RF信号を周波数ミキシングし、ダウンコンバートされたIF信号を出力し、
前記抵抗性周波数ミキシング装置は、IF信号が前記ソースフォロワFETに入力されてLO信号が前記ソースフォロワFETに入力されるとき、前記LO信号に応じて前記IF信号を、前記ソースフォロワFETを介して周波数ミキシングし、アップコンバートされたRF信号を出力することを特徴とする抵抗性周波数ミキシング装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記第1周波数ミキサは、前記共通ソースFETのゲート-ソース間で発生するキャパシタンスを補償するため、前記共通ソースFETのソースに一端が接続されている第1インダクタを含み、前記共通ソースFETのソースに接続されている前記第1インダクタの他端は接地されていることを特徴とする抵抗性周波数ミキシング装置。
【請求項6】
請求項4または5において、
前記第2周波数ミキサは、前記ソースフォロワFETのゲート-ドレイン間と、ゲート-ソース間と、ドレイン-ソース間とで各々発生するキャパシタンスを補償するため、前記ソースフォロワFETのドレインに一端が接続されている第2インダクタを含み、前記ソースフォロワFETのドレインに接続されている前記第2インダクタの他端は接地されていることを特徴とする抵抗性周波数ミキシング装置。
【請求項7】
ソースフォロワFETを備える第1周波数ミキサと、共通ソースFETを備える第2周波数ミキサとを含む抵抗性周波数ミキシング装置で信号を処理する方法において、
入力されるRF信号と、入力されるLO信号を各々周波数マッチングするステップと、
前記周波数マッチングされたRF信号が前記ソースフォロワFETに入力されて、前記周波数マッチングされたLO信号が前記共通ソースFETに入力されるとき、前記周波数マッチングされたRF信号を、前記周波数マッチングされたLO信号に応じて周波数ミキシングし、ダウンコンバートされたIF信号を生成するステップと、
前記周波数マッチングされたRF信号が前記共通ソースFETに入力されて、前記周波数マッチングされたLO信号が前記ソースフォロワFETに入力されるとき、前記周波数マッチングされたRF信号を、前記周波数マッチングされたLO信号に応じて周波数ミキシングし、ダウンコンバートされたIF信号を生成するステップを含むことを特徴とする、抵抗性周波数ミキシング装置を用いた信号処理方法。
【請求項8】
請求項7において、
前記周波数マッチングされたRF信号が前記ソースフォロワFETに入力されて、前記周波数マッチングされたLO信号が前記共通ソースFETに入力されるとき、前記周波数マッチングされたRF信号を周波数ミキシングするステップは、前記ソースフォロワFETのゲート-ドレイン間と、ゲート-ソース間と、ドレイン-ソース間とで各々発生するキャパシタンスを補償するステップを含むことを特徴とする、抵抗性周波数ミキシング装置を用いた信号処理方法。
【請求項9】
請求項7又は8において、
前記周波数マッチングされたRF信号が前記共通ソースFETに入力されて、前記周波数マッチングされたLO信号が前記ソースフォロワFETに入力されるとき、前記周波数マッチングされたRF信号を周波数ミキシングするステップは、前記共通ソースFETのゲート-ソース間で発生するキャパシタンスを補償するステップを含むことを特徴とする、抵抗性周波数ミキシング装置を用いた信号処理方法。
【請求項10】
共通ソースFETを備える第1周波数ミキサと、ソースフォロワFETを備える第2周波数ミキサとを含む抵抗性周波数ミキシング装置で信号を処理する方法において、
入力されるIF信号と、入力されるLO信号を各々周波数マッチングするステップと、
前記周波数マッチングされたIF信号と前記周波数マッチングされたLO信号が前記共通ソースFETに入力されるとき、前記周波数マッチングされたIF信号と前記周波数マッチングされたLO信号とを、前記ソースフォロワFETによって周波数ミキシングし、アップコンバートされたRF信号を生成するステップと、
前記周波数マッチングされたIF信号と前記周波数マッチングされたLO信号が前記ソースフォロワFETに入力されるとき、前記周波数マッチングされたIF信号と前記周波数マッチングされたLO信号とを前記共通ソースFETによって周波数ミキシングし、アップコンバートされたRF信号を生成するステップを含むことを特徴とする、抵抗性周波数ミキシング装置を用いた信号処理方法。
【請求項11】
請求項10において、
前記周波数マッチングされたIF信号と前記周波数マッチングされたLO信号が前記共通ソースFETに入力されるとき、前記周波数マッチングされたIF信号と前記周波数マッチングされたLO信号とを周波数ミキシングするステップは、前記ソースフォロワFETのゲート-ドレイン間と、ゲート-ソース間と、ドレイン-ソース間とで各々発生するキャパシタンスを補償するステップを含むことを特徴とする、抵抗性周波数ミキシング装置を用いた信号処理方法。
【請求項12】
請求項10又は11において、
前記周波数マッチングされたIF信号と前記周波数マッチングされたLO信号が前記ソースフォロワFETに入力されるとき、前記周波数マッチングされたIF信号と前記周波数マッチングされたLO信号とをミキシングするステップは、前記共通ソースFETのゲート-ソース間で発生するキャパシタンスを補償するステップを含むことを特徴とする、抵抗性周波数ミキシング装置を用いた信号処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−171549(P2009−171549A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−286635(P2008−286635)
【出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【出願人】(505144463)リサーチ アンド インダストリアル コーポレーション グループ (10)
【氏名又は名称原語表記】RESEARCH AND INDUSTRIAL COOPERATION GROUP