説明

抵抗溶接用電極及び溶接方法

【課題】 管状部材と端栓とを抵抗溶接により接合する際に、管状部材の端面を露出させることなく、抵抗溶接することができるようにすること。
【解決手段】 管状部材20と端栓30との抵抗溶接前には管状部材20が端栓側電極10Eの凹部10ERに無接触で位置するようにし、溶接開始後に管状部材20と端栓30との溶融部Mが端栓側電極10Eの内部で端栓側電極10Eに接触して 溶接電流が端栓側電極10Eから溶融部Mを介して管状部材20に流れるようにして管状部材20の端部の溶融を十分に行うことができるようにし、且つこの端栓側電極10Eの凹部10ERで溶融部Mが成型されて管状部材20の端面を露出することなく管状部材20と端栓30とを確実に接合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料集合体を構成する各要素である被覆管や水管の如き管状部材の端部に抵抗溶接で端栓を溶接するのに適した電極及びこの電極を用いる溶接方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
軽水炉用燃料集合体を構成する燃料棒は、ジルコニウム合金製の被覆管とこの被覆管の内部に装填された燃料ペレットと被覆管の両端にはめ込まれた端栓とから成り、端栓は、被覆管に溶接して固定することにより密封されている。更に、詳細に述べると、被覆管の一端側に端栓を溶接した後、被覆管内に燃料ペレット及びプレナムスプリング等の内装品を挿入するとともに加圧したヘリウムガスを導入し、その後、他端側に端栓を溶接固定して密封される。また、高速増殖炉、黒鉛減速炉、その他の実験炉では、被覆管及び端栓の材質としてステンレス鋼やマグネシウム合金、アルミニウム合金等が使用される。
【0003】
一般に、被覆管と端栓とを溶接する方法としては、TIG溶接や抵抗溶接が用いられており、日本ではTIG溶接が最も実績のある方法として採用されている。また、海外ではTIG溶接とともに抵抗溶接も採用されている。
【0004】
管状部材と端栓を抵抗溶接する際には、溶接時に管状部材と端栓を同軸上で突き合わせて押圧しながら通電し、管状部材と端栓の接触部分の電気抵抗により発熱、溶融させる(特許文献1乃至3参照)。この際、溶融した部分は、管状部材の内面側と外面側にそれぞれ突出するが、外面側に突出した部分は、溶接品の取扱い時に他の物体と引っ掛かりを生じるトラブルの原因になる。また、外面側の突出を管状部材側の電極で押さえ込んで平滑な外表面を形成する方法が知られているが、溶融部分が外面側に突出する際の方向が不適切であった場合には、溶融した部分が電極に接触して通電経路が変わり、管端面の外面側が溶融しないで溶け残りを生じる欠点があった。更に、溶接部を評価するために超音波検査を行う際に、外面側に突出した部分が障害となって溶接部の欠陥を検出できないことがある。
【0005】
管状部材と端栓を抵抗溶接法により溶接する場合、電極により外面側への突出を抑える方法として、電極で突出部を成型することが知られているが、溶融部分の逃げを作るため、管状部材(被覆管に相当、以下この項では被覆管と称する)の外径よりも端栓の外径を小さくすることにより、溶融部分を端栓側に逃がす方法がある(特許文献1の図1参照)。この場合、溶融部分は、端栓の端部を覆うように軸方向に流れ出るが、電極は、被覆管に装着するために2つ割となっており、従って、特に、この2つ割部分の接合部で溶融部分と被覆管端面との間に微小な隙間や段差を生じる場合があって被覆管の端面を完全に覆いつくすことが難しい。このように、溶融部と被覆管の端面との間に隙間が生じて被覆管の端面のエッジが露出すると、被覆管が原子炉内で照射された際に、被覆管の端面のエッジ部分は腐食し易くなるため、この微小な隙間が生じた部分から腐食が進展し破損することが懸念される。また通常、原子炉用燃料被覆管の集合組織は、最密六方晶のC面が被覆管の径方向を向いていることから、腐食の進展とともに生成するジルコニウム水素化物が被覆管の周方向に板状に析出する傾向があるため、被覆管の端面が露出したまま腐食が進行すると、被覆管の端面を径方向に押し広げるように水素化物が生成して被覆管の端面を起点として被覆管軸方向に水素化物が成長する。この水素化物の生成により体積膨張が生ずるため、被覆管の端面からの腐食は、被覆管の変形や腐食の加速などの悪影響を及ぼすことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−194474号公報
【特許文献2】特開平7−306295号公報
【特許文献3】特開平8−122472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする1つの課題は、管状部材と端栓とを抵抗溶接により接合する際に、管状部材の端面を露出させることなく、抵抗溶接することにより上記の欠点を解消することができる抵抗溶接用電極を提供することにある。
【0008】
本発明が解決しようとする他の課題は、管状部材と端栓とを抵抗溶接により接合する際に、管状部材の端面を露出させることなく、抵抗溶接することにより上記の欠点を解消することができる抵抗溶接方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の課題解決手段は、管状部材の端部を封止する端栓を抵抗溶接により前記管状部材の端部に溶接するのに用いられ、前記管状部材に接触する管状部材側電極と前記端栓に接触する端栓側電極とを含み、前記管状部材側電極は2つ割であるが、前記端栓側電極は一体の環状の形態であり、前記管状部材と前記端栓との溶融が生じる箇所が前記端栓側電極の内部に無接触で位置するように前記管状部材と前記端栓との接触部が入り込む凹部が前記端栓側電極に設けられていることを特徴とする抵抗溶接用電極を提供することにある。
【0010】
本発明の第1の課題解決手段において、前記端栓と端栓側電極との接触は、前記端栓と端栓側電極とが前記管状部材側に向けて拡径して相互に接触するテ―パ面で行われるように前記端栓側電極は、前記端栓のテ―パ面に相応するテ―パ面を有するのが好ましいが、テーパ面以外の面接触であってもよい。いずれの場合も、端栓と端栓側電極との接触は、相互に軸線方向に押圧を受けることができる面接触であることが必要である。
【0011】
本発明の第2の課題解決手段は、管状部材に接触する2つ割の管状部材側電極と前記管状部材の端部を封止する端栓に接触する一体の環状の端栓側電極とを介して前記管状部材と前記端栓とに通電し前記管状部材の端部と前記端栓とを抵抗溶接するが、抵抗溶接前には前記管状部材が前記端栓側電極に接触することがないように前記管状部材と前記端栓との接触部が前記端栓側電極の凹部に入り込んでおり、溶接開始後に前記管状部材と前記端栓との溶融部が前記端栓側電極の内部で前記端栓側電極と前記管状部材の端面とに跨って接触して前記管状部材と前記端栓とを溶接することを特徴とする溶接方法を提供することにある。
【0012】
本発明の第2の課題解決手段において、前記端栓と端栓側電極との接触は、前記端栓と端栓側電極とが前記管状部材側に向けて拡径して相互に接触するテ―パ面で行われるのが好ましいが、テーパ面以外の面接触であってもよい。いずれの場合も、端栓と端栓側電極との接触は、相互に軸線方向に押圧を受けることができる面接触であることが必要である。
【0013】
本発明の第2の課題解決手段において、管状部材の外径と端栓の外径とは、端栓側電極の凹部の内径よりも小さく設定されているのが好ましく、端栓は、管状部材より小さい外径を有するのが望ましい。
【0014】
本発明の第2の課題解決手段において、管状部材は、燃料ペレットが装填される被覆管であり、前記管状部材に前記端栓を溶接して固定して燃料集合体を製造するのに用いることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、燃料集合体の被覆管の如き管状部材と端栓とを抵抗溶接により溶接する揚合において、端栓側電極は、管状部材と端栓との溶融が生じる箇所が端栓側電極の内部に無接触で配置され、管状部材と端栓との抵抗溶接前には管状部材と端栓側電極とが接触しないような構造であるので、通電開始当初の溶接電流は、管状部材と端栓との接触部分に電流が流れるが、接触部分が加熱とともに押圧されることにより溶融した部分が管状部材の外面側に押し出されて端栓側電極に接触すると、この溶融部を通して端栓側電極から直接管状部材に向かって電流が流れるので、管状部材の端面を十分に溶融させることができるとともに、溶融部分が一体環状の端栓側電極の形状に沿って成型されるため、溶融部が管状部材の端面を隙間なく完全に覆うように平滑に成型され、従って管状部材の端面エッジからの腐食を生ずることがなく、燃料棒の製造に好適に使用することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の電極を用いて管状部材と端栓とを抵抗溶接する際の抵抗溶接開始前の管状部材と端栓と電極との配置関係を示す縦断面図である。
【図2】図1の配置関係における溶接状態を示し、同図(A)は、抵抗溶接開始直後の溶融状態を示す上半部の縦断面図、同図(B)は、図2(A)の溶接状態が更に進んだ状態を示す縦断面図である。
【図3】図2Bの溶融状態から溶融部が端栓側電極に接触した状態を示す縦断面図である。
【図4】図3の状態から抵抗溶接が更に進行して管状部材の端部が変形した状態を示す縦断面図である。
【図5】抵抗溶接が終了した状態の上半部の縦断面図である。
【図6】抵抗溶接装置から取出されて得られた管状部材と端栓との溶接部の上半部の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に述べると、本発明は、特に、原子炉用燃料集合体を構成する燃料要素の製造工程に適用するのに好適な抵抗溶接用電極10に関するものであり、この電極10は、図1に示すように、燃料集合体用の被覆管の如き管状部材20とこの管状部材の端部を封止する端栓30(図面では一方の端栓、例えば下部端栓であるのが示されている。) とにそれぞれ接触する管状部材側電極10Pと端栓側電極10Eとを含んでいる。
【0018】
図示の形態では、端栓30は、管状部材20よりも小径の外径を有する。端栓30は、管状部材20の端部に入り込む突部30Pを有して管状部材20の端面に接合するフランジ30Fとこのフランジ30Fの突部30Pとは反対側にテ―パ面30Tを介して延びる栓本体30Bとから成っている。テ―パ面30Tは、後に述べる端栓30のテ―パ面に相応する。
【0019】
管状部材側電極10Pは、管状部材20の外周面に接触する2つ割りの環状電極であり、この電極10Pは、上下の半環状電極部分10PU、10PDを管状部材20の上下から挟むように図示しない手段によって相互に締め付けて管状部材20に接触させる。
【0020】
端栓側電極10Eは、端栓30の外周面に接触する一体環状(2つ割りではない)電極であり、この電極10Eは、図示の形態では、後に述べるテ―パ面で端栓30に面接触させる。この端栓側電極10Eは、図1に示すように、管状部材20と端栓30との溶融が生じる箇所が端栓側電極10Eの内部に無接触で位置するように管状部材20と端栓30との接触部40が入り込む凹部10ERを管状部材20側に有しており、この凹部10ERは、端栓30のテ―パ面30Tに接触するテ―パ面10ERTを有する。従って、管状部材20の外径をd1、端栓30のフランジ30Fの外径をd2、端栓側電極10Eの凹部10ERの内径をd3とすると、d3>d1、d3>d2とすることが必要であり、また、後に詳細に述べるように、d1>d2とするのが好ましい。
【0021】
なお、図示の形態では、端栓30と端栓側電極10Eとはテ―パ面30T、10ERTで接触しているが、端栓30と端栓側電極10Eとは、テ―パ面以外に端栓側電極10Eを管状部材20側に向けて軸線方向に押し付けることによって端栓30と端栓側電極10Eとが面接触することができれば、テ―パ面以外に、例えば、端栓30のフランジ30Fの後面肩部と端栓側電極10E内部の段部との係合によって行うことができる。実際上、被覆管の他方の端栓(上部端栓)は、テーパ面がなく、従って上部端栓側では段部による面接触の態様とすることになる。
【0022】
次に、上記電極10を用いて管状部材(例えば、燃料棒用の被覆管)20とこの管状部材20の端部を封止する(下部) 端栓30とを抵抗溶接により接続する溶接方法を以下に説明する。
【0023】
まず、図1に示すように、2つ割の電極10Pが取り付けられ締め付けられた管状部材20と一体環状の電極10Eが取り付けられた端栓30とを同軸状に配置し、管状部材側電極10Pから突出する管状部材部分の端面20Eを端栓側電極10Eの凹部10ER内で端栓30のフランジ30Fの端面に接触させ押圧する。この状態で両電極10P、10E間に溶接電圧を印加すると、管状部材側電極10P、管状部材20、その端面20E、端栓30のフランジ30F、端栓30のテーパ面30T、端栓側電極10Eのテ―パ面10ERTを経て通電されるが、抵抗溶接開始前は、管状部材20と端栓側電極10Eとは接触していない(図1参照)。このようにして、電極10P、10E間を通電すると、図2(A)に示すように、管状部材20の端面20Eと端栓30のフランジ30Fの端面との接触部が溶融し、この溶融部Mの一部が外周面側に突出する。このため、この溶融部Mが端栓側電極10Eの凹部10ERの内面に接触する(図2(B)参照)。
【0024】
従って、端栓側電極10Eから溶融部Mを経由して管状部材20へ電流が流れる新たな通電経路が形成される。この新たな通電経路は、管状部材側電極10P、管状部材20、その端面20E、溶融部M、端栓側電極10Eとなる。溶融部Mは、図2(A)に示すように、管状部材20と端栓30の間に勢いよく突出するが、管状部材20と溶融部Mとの間又は溶融部Mと端栓30との間に隙間G20、G30を生じても(図2(B)参照)溶融部Mを通して管状部材20と端栓側電極10Eとに電流が流れ発熱が生じ溶融が進む(図3参照)。また、このように溶融部Mを通して電流が流れると、端栓側電極10Eの管状部材20側への押し付けによって管状部材20端部の加熱溶融に続く管状部材20の端部が外側に押し広げられるような変形が生じ(図4の符号20EF参照)、管状部材20のこの端部変形部20EFが電極10Eに接触して通電経路が変わり、端栓側電極10Eに接触した管状部材20の端部が通電経路となり、管状部材20の端部を十分に溶融させることができるようになる。端栓側電極10Eは一体環状であるため、管状部材20の端部変形部20EFに溶融部Mが全周に亘って密接に係合するので、管状部材20の端部のエッジ20EEが溶融部Mによって密接して覆われる。従って、このようにして端栓30が溶接されて製造された燃料棒は、原子炉内での腐食の際に管状部材端面が露出して腐食することがない。
【0025】
管状部材20と端栓30とを押圧しながら抵抗溶接を行うと、上記のように、通電により発熱した箇所が図4に示すように軟化し塑性変形するが、管状部材20の外側に向かって軟化した部分が突出する際には、この軟化部分が管状部材20の軸線方向に沿って管状部材20の端面側とは逆方向(図4の左側方向)に塑性変形しながら飛び出すため、管状部材20の端面と溶融部分Mとの間に隙間が生じる揚合がある。しかし、図3に示すように、溶融部分Mが端栓側電極10Eに接触すると、この接触部分が新たな通電経路となり、端栓側電極10Eから溶融部Mを通って直接管状部材20に通電し、これにより、溶融部Mに隣接する箇所である管状部材20の端面を発熱させ、溶融させる。更に、端栓側電極10Eから端栓30への通電は、この電極10Eで端栓30を押圧する面(テ―パ面30T)を通してなされるが、一般に、通電経路は、電気抵抗の大きいジルコニウム基合金よりも、クロム銅、銅タングステン、銀タングステンのような電気抵抗が低い電極材料を通り易く、且つ通電は、距離の短い経路を取るため、端栓30のフランジ30Fではなく、距離が短く、導電性が高い溶融部Mが端栓側電極10Eに接触した箇所が新たな通電経路となり、その後管状部材20の端面が変形して電極10Eに接触すると、通電経路が端栓30から管状部材20側に徐々にシフトするため、管状部材20の端面が十分に発熱し溶融し、通電開始直後の端栓30のフランジ30F側の溶融と相俟って管状部材20の端面と端栓30のフランジ30Fとが溶融部Mを介して接合される。
【0026】
また、このように、溶融部Mが管状部材20の外周面側に突出する際、この突出した溶融部Mは、端栓側電極10Eの凹部10ERの内面形状に成型されて図5及び図6に示すように溶融成型部MMとなる。溶融の初期に外周面側に突出する溶融部Mは、管状部材20の軸方向に沿って管状部材20の端面とは逆方向(図2Bの左側方向)に流れ易いが、通電経路が管状部材20にシフトするにつれて管状部材20側で溶融が生じるため、管状部材20の端面20Eが十分に溶融し、管状部材20の端面と溶融部Mとの隙間が生じることはない
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明によれば、管状部材と端栓とを抵抗溶接する際に、当初は、溶接電流が管状部材と端栓との接触部とを通して流れるが、接触部が溶融し、この溶融部が管状部材の外周側に流れるにつれてこの溶融部が端栓側電極と管状部材とを直接通電する経路となって管状部材の端面を一層溶融するように作用し、また端栓側電極は、一体環状の形態を有するので、管状部材と端栓とを隙間なく有効に接合することができ、高い産業上の利用性を有する。
【符号の説明】
【0028】
10 電極
10P 管状部材側電極
10E 端栓側電極
10ER 端栓側電極の凹部
10ERT 凹部のテ―パ面
20 管状部材
20E 管状部材の端面
20EE 管状部材の端部のエッジ
20EF 端部変形部
30 端栓
30P 端栓の突部
30F 端栓のフランジ
30T 端栓のテ―パ面
30B 栓本体
40 接触部
M 溶融部
MM 溶融成型部
d1 管状部材の外径
d2 端栓のフランジの外径
d3 端栓側電極の凹部の内径
G20、G30 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状部材の端部を封止する端栓を抵抗溶接により前記管状部材に溶接するのに用いられ、前記管状部材に接触する管状部材側電極と端栓に接触する端栓側電極とを含み、前記管状部材側電極は2つ割であるが、前記端栓側電極は一体の環状の形態であり、前記管状部材と前記端栓との溶融が生じる箇所が前記端栓側電極の内部に無接触で位置するように前記管状部材と前記端栓との接触部が入り込む凹部が前記端栓側電極に設けられていることを特徴とする抵抗溶接用電極。
【請求項2】
請求項1に記載の抵抗溶接用電極であって、前記端栓と端栓側電極との接触は、相互に軸線方向に押圧を受けることができる面接触であることを特徴とする抵抗溶接用電極。
【請求項3】
請求項2に記載の抵抗溶接用電極であって、前記端栓と端栓側電極とが前記管状部材側に向けて拡径して相互に接触するテ―パ面で行われるように前記端栓側電極は、前記端栓のテ―パ面に相応するテ―パ面を有することを特徴とする抵抗溶接用電極。
【請求項4】
管状部材に接触する2つ割の管状部材側電極と前記管状部材の端部を封止する端栓に接触する一体の環状の端栓側電極とを介して前記管状部材と前記端栓とに通電し前記管状部材の端部と前記端栓とを抵抗溶接するが、抵抗溶接前には前記管状部材が前記端栓側電極に接触することがないように前記管状部材と前記端栓との接触部が前記端栓側電極の凹部に入り込んでおり、溶接開始後に前記管状部材と前記端栓との溶融部が前記端栓側電極の内部で前記端栓側電極と前記管状部材の端面とに跨って接触して前記管状部材と前記端栓とを溶接することを特徴とする溶接方法。
【請求項5】
請求項4に記載の溶接方法であって、前記端栓と端栓側電極との接触は、相互に軸線方向に押圧を受けることができる面接触であることを特徴とする溶接方法。
【請求項6】
請求項5に記載の溶接方法であって、前記端栓と端栓側電極との接触は、前記端栓と端栓側電極とが前記管状部材側に向けて拡径して相互に接触するテ―パ面で行われることを特徴とする溶接方法。
【請求項7】
請求項4乃至6のいずれかに記載の溶接方法であって、前記管状部材の外径と前記端栓の外径とは、前記端栓側電極の凹部の内径よりも小さく設定されていることを特徴とする溶接方法。
【請求項8】
請求項4乃至6のいずれかに記載の溶接方法であって、前記端栓は、前記管状部材より小さい外径を有することを特徴とする溶接方法。
【請求項9】
請求項4乃至8のいずれかに記載の溶接方法であって、前記管状部材及び端栓は、ジルコニウム基合金から形成されていることを特徴とする溶接方法。
【請求項10】
請求項4乃至9のいずれかに記載の溶接方法であって、前記管状部材は、燃料ペレットが装填される燃料集合体用の被覆管であり、前記燃料集合体を製造するために前記管状部材に前記端栓を溶接することを特徴とする溶接方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−18022(P2013−18022A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152753(P2011−152753)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(000165697)原子燃料工業株式会社 (278)