説明

指値注文ブックを表示及び解析するシステム及び方法

【課題】指値注文ブックを表示及び/又は解析するためのシステムを提供すること。
【解決手段】一実施例によると、指値注文ブックの表示を生成するシステムが提供される。電子市場に入力された複数の指値注文に関するデータが受け付けされ、少なくとも一時的にメモリに記録される。各指値注文に関するデータは、該指値注文に係る価格と時刻とを有する。受け付けたデータに基づき、プロセッサは、ある期間内に電子市場に入力された記録された各指値注文に対して、該指値注文に係る価格と時刻とを示すグラフィカル表示を生成する。各指値注文に係る価格は、グラフィカル表示の第1軸により示され、各指値注文に係る時刻は、グラフィカル表示の第2軸により示される。電子表示装置が、グラフィカル表示を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に取引システムに関し、より詳細には、指値注文ブック(limit order book)を表示及び/又は解析するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子取引システムがアイテムを取引するため広範に認められてきた。例えば、株式、債券、通貨、先物又は他の適切な金融商品などの各金融商品の取引を実現する電子取引システムが構成されてきた。
【0003】
これら電子取引システムの多くは、ビッド及びオファーがパッシブサイド(passive side)によりシステムに提供されるビッド/オファープロセスを利用している。これらのビッド及びオファーが、アグレッシブサイドによりヒット(hit)及びリフト(lift)(又はテーク(take))される。例えば、パッシブトレーダーは、所与の価格によりある数量の30年もの米国国債を購入するため、“ビッド(bid)”を提供するかもしれない。このようなビッドに応答して、アグレッシブトレーダーは、この所与の価格により第1トレーダーに債券を売却する意向を示すため、“ヒット”を提供するかもしれない。あるいは、パッシブサイドトレーダーは、この所与の価格によりある数量の債券を売却するため、“オファー”を提供し、その後に所与の価格によりパッシブサイドトレーダーから債券を購入する意向を示すため、当該オファーに応答して“リフト”(又は“テーク”)を提供するかもしれない。このような取引システムでは、ビッド、オファー、ヒット及びリフト(又はテーク)は、まとめて“オーダー”として知られているかもしれない。トレーダーがビッドを提供するとき、トレーダーはオーダーを提供していると言われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、指値注文ブックを表示及び/又は解析するためのシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施例によると、指値注文ブックの表示を生成するシステムが提供される。電子マーケットに入力される複数の指値注文に関するデータが、少なくとも一時的にメモリに受付及び記録される。各指値注文に関するデータは、当該指値注文に係る価格と時間とを含む。受け付けたデータに基づき、プロセッサは、当該注文のグラフィカル表示を生成する。受け付けたデータに基づき、プロセッサは、ある期間内に電子マーケットに入力及び記録された各指値注文に対して、当該指値注文に係る価格と時間とを示すグラフィカル表示を生成する。各指値注文に係る価格は、グラフィカル表示の第1軸により示され、各指値注文に係る時間は、グラフィカル表示の第2軸により示される。電子表示装置がこのグラフィカル表示を表示する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の各種実施例は、多数の技術的効果を奏するかもしれない。1以上の実施例は、後述される効果の一部又はすべてをそうするか、又はその何れの効果も奏しないかもしれないということに留意すべきである。
【0007】
本発明の実施例の他の技術的効果は、取引の位置決定をするためトレーダーにより利用される方法により、電子取引所の指値注文ブックを表示するシステム及び方法が提供されるかもしれない。例えば、当該システムは、ある期間において特定のプロダクトのための電子取引所に入力される各ビッド及びオファー(及び/又は他の指値注文)を記録し、グラフィカルに表示するかもしれない。一部の実施例では、グラフィカル表示は、実質的にリアルタイムに更新されるかもしれない。グラフィカル表示は、トレーダー又は他のユーザが経時的に様々な価格となるビッド及び/又はオファーの個数、サイズ及び/又は密度などの市場環境の各種特性を可視化することを可能にするかもしれない。このため、トレーダーは、買い圧力又は売り圧力などの市場のトレンドを認識し、それに従って取引の意志決定をすることが可能となるかもしれない。
【0008】
一部の実施例では、グラフィカル表示は、顕著な未充足な需要と供給及び/又はアグレッシブトレーダーがどのように注文を提供しているか又は提供したかを示すかもしれない。この情報は、市場におけるサポート及び/又はレジスタンスレベルを示すかもしれず、トレーダーは、価格及び/又は安定の市場傾向の確率を評価するのにこの情報を利用する。
【0009】
本発明の実施例の他の技術的効果は、各種アルゴリズムが指値注文ブックの状態に関する1以上のマーケット指標を定期的に計算するのに利用するため、特定のプロダクトに対する電子取引所の指値注文ブックを解析するためのシステムが提供されることである。このような解析は、市場のベストビッド又はオファーの価格又は最近の取引の価格など、市場価格からの当該オーダーの価格の距離に基づき、各指値注文を重み付けすることを含むかもしれない。一部の実施例では、システムは、例えば、市場における現在の買い圧力又は売り圧力の程度を表したクイックサマリ(1つの数字など)を提供するネットマーケットスコアを定期的に計算するようにしてもよい。このネットマーケットスコアは、上述した指値注文ブックの表示と関連して又はそれとは独立して、トレーダーに表示され、定期的に更新されてもよい。システムにより計算されるネットマーケットスコア及び/又は他のタイプの市場指標が、取引の意志決定をするためトレーダーにより利用可能である。
【0010】
一部の実施例では、トレーダーは、ここに記載されたシステムを利用して、現在の価格レベルにおける需給の不均衡が存在するか/存在するときを特定するかもしれない。これは、グラフィカル表示を介し表示されてもよく、1以上のマーケット指標を定期的に計算するため各種アルゴリズムが利用されるかもしれない。このグラフィカル表示は、サポート/買い手(又はレジスタンス/売り手)がないことを示す市場における注文の少なさを示すかもしれない。グラフィカル表示及び/又はマーケット指標を観察するトレーダーは、1以上の所与の価格レベルにおけるビッド/オファーの出現を確認すると、市場のターニングポイントを予想することができるかもしれない。チャート上の多数のポイントが一緒になってクラスタ状にされるとき、所与の価格レベルによる市場に入力された複数のオーダーは、グラフィカル表示上で高い密度で表示されるかもしれない。
【0011】
さらに、グラフィカル表示は、接近したオーダーが“市場価格”又は取引が直近に実行された価格にどのように発注されるかに基づき、マーケットの各サイドのアグレッシブさを示すかもしれない。重み付けアルゴリズムは、各種マーケット指標の形式によりこの情報を数値化するのに利用されるかもしれない。さらに、グラフィカル表示は、所与の価格レベルによる各オーダーの密度を増減することによって、市場参加者が図示されるようにより強く又は弱くアグレッシブになるときを示すかもしれない。
【0012】
また、グラフィカル表示はベスト価格又は市場価格でない発行済みのビッド及びオファーを示すかもしれないため、当該表示は市場における潜在的な需要又は供給の存在を示すかもしれない。このような潜在的な需要は、市場の下方に留まり続けるサポートビッドとして作用する可能性があるかもしれず、又は買い手が市場を上方に追い求めるに従って市場をより高く作用させるかもしれない。同様に、潜在的な供給は、市場を上方に留まり続ける抵抗として作用する可能性があるかもしれず、又は売り手が市場を下方に追い求めるに従って市場をより低く作用させるかもしれない。
【0013】
従って、本システム及び方法は、指値ビッド及びオファーの密度により示されるように、市場における需給の強さを理解するためのトレーダー情報を提供するかもしれない。このような情報は、市場がトレンド又は安定状態にある可能性が高いか低いかを示し、それは、トレーダーが自らの取引の意志決定の基礎とする重要な情報を提供するかもしれない。
【0014】
他の技術的効果は、以下の図面、説明及び請求項から当業者に容易に明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の実施例による一例となる取引システムを示す。
【図2】図2は、本発明の一実施例による特定のプロダクトの取引所の指値注文ブックを表示した一例となるグラフィカルプロットを示す。
【図3】図3は、本発明の一実施例による特定のプロダクトの指値注文ブックのグラフィカル表示を生成及び表示する一例となる方法を示す。
【図4】図4は、本発明の実施例による1以上のマーケット指標を計算及び/又は表示する方法を示す。
【図5】図5は、本発明の実施例による10個の異なる市場距離における指値注文の複数個のウェートセットを示す一例となるテーブルを示す。
【図6】図6は、図5に示されるテーブルに含まれる各ウェートセットを示すチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施例及びそれらの効果は、同様の数字が同様の部分を示す図1〜6を参照することによって、最も良く理解される。
【0017】
一般に、取引の意志決定をするためトレーダーにより利用可能な方法によって、電子取引所の指値注文ブックを解析及び表示するためシステムが提供される。実施例では、システムは、現在から特定の時間までの期間など、特定の期間において各価格により電子取引所に入力される各ビッド及びオファー(及び/又は他の指値注文)を記録及びグラフィカル表示するかもしれない。グラフィカル表示は、定期的に更新されるかもしれず、いくつかの実施例では、実質的にリアルタイムに更新されるかもしれない。特定の実施例では、グラフィカル表示は、第1軸(垂直軸など)に沿って指値注文の価格と、第2軸(水平軸など)に沿って指値注文が市場に入力された時間とを示すプロットを有する。このプロットは、水平軸に沿って経時的にシフトする“移動ウィンドウ(moving window)表示として示されるかもしれない。このため、指値注文ブックのグラフィカル表示を閲覧したトレーダーは、経時的には様々な価格となるビッド及び/又はオファーの数量、サイズ及び/又は密度など、市場の各種特性を可視化するかもしれない。このため、トレーダーは、買い圧力又は売り圧力などの市場のトレンドを認識することが可能であるかもしれない。
【0018】
さらに特定の実施例では、システムは、指値注文ブックの状態に関する1以上のマーケット指標を定期的に計算するため、ある時点における又はある期間中の電子取引所の指値注文ブックを解析するかもしれない。例えば、システムは、市場価格(ベストビッド、ベストオファー又は直近の取引の価格など)から特定の距離内にある価格を有する取引所に現在ある指値注文セットに各種アルゴリズムを適用するかもしれない。特定の実施例では、システムは、市場価格からの当該オーダーの価格の距離に少なくとも基づき指値注文セットの各オーダーを重み付けし、市場のビッドオーダー群の合計のビッドスコアと、市場のオファーオーダー群の合計のオファースコアとを計算し、ネット市場スコアを決定するため合計のビッドスコアから合計のオファースコアを減算する(その反対もある)かもしれない。ネット市場スコアは、市場に現在ある買い圧力又は売り圧力の程度など、市場の状態のクイックサマリ(1つの数字など)を提供するかもしれない。ネット市場スコアは、上述した指値注文ブックの表示と共に又は独立にトレーダーに表示され、定期的に更新されるかもしれない。いくつかの実施例では、システムはまた、現在から時間的に遡って計算された所定数のネット市場スコアに基づき、ネット市場スコア移動平均を計算及び表示するかもしれない。
【0019】
特定の実施例では、各種システムパラメータが、トレーダーやアドミニストレータなどのユーザにより選択又は制御されるかもしれない。例えば、ユーザは、各指値注文又は指値注文群がグラフィカル表示される方法に関して、各種パラメータを選択するかもしれない。他の例として、市場価格から様々な距離にある指値注文に適用される加重セットは、所望されるようにユーザにより選択されるかもしれない。さらなる他の例として、ユーザは、1以上のマーケット指標が計算される頻度を選択するかもしれない。さらなる他の例として、ユーザは、ユーザに表示されるネット市場スコア移動平均に含まれるべき計算されたネット市場スコアの個数を選択するかもしれない。
【0020】
図1は、本発明の実施例による取引システム10を示す。図示されるように、システム10は、通信ネットワーク16により取引プラットフォーム14に接続される1以上のトレーダー端末12を有するかもしれない。トレーダー18は、取引プラットフォーム14を介し取引活動に従事する個人、個人のグループ又は企業などの任意のエンティティを含むかもしれない。例えば、トレーダー18は、個人投資家、投資家群、企業(仲介業者又は銀行など)、期間投資家、ヘッジャー、投機家又はマーケットメーカー(すなわち、同一商品について同時にビッドオーダーとアスクオーダーの両方を提供及び/又は維持する個人又は企業)であるかもしれない。
【0021】
トレーダー18は、株式、他のエクイティー証券、債券、ミューチュアルファンド、オプション、先物、デリバティブ、通貨などの各金融商品を取引するため、取引プラットフォーム14を介し様々な取引オーダー20を発注するかもしれない。いくつかの実施例では、取引オーダー20は、指値注文22及び/又は成り行き注文、指値注文、ストップロスオーダー、デイオーダー、オープンオーダー、GTC(Good Till Cancelled)オーダー、“グッドスルー(good through)”オーダー、“オールオアナン(all or none)”オーダー、“エニーパート(any part)”オーダーなど1以上の他のタイプのオーダー20を含むかもしれない。一般に、指値注文22はビッド及びオファーを含むかもしれない。一部の実施例では、指値注文22はまた、1以上の他のタイプのオーダーを含むかもしれない。例えば、特定の実施例では、指値注文22は以下のタイプの注文の1以上を含むかもしれない。
(a)ビッド−特定の価格、すなわち、ビッド価格により特定のプロダクトを購入するためのパッシブなコミットメント
(b)オファー−特定の価格、すなわち、オファー価格により特定のプロダクトを売却するためのパッシブなコミットメント
(c)買い注文−保留中のオファーをリフト(又はテーク)し、取引を開始するアグレッシブなオーダー
(d)売り注文−保留中のビッドをヒットし、取引を開始するアグレッシブなオーダー
トレーダー端末12は、取引プラットフォーム14を介し取引活動に従事するためのアクセスをトレーダー18に提供するかもしれない。例えば、トレーダー端末12は、トレーダー18が取引プラットフォーム14を介し取引活動に従事することを可能にするため、コンピュータシステム及び適切なソフトウェアを有するかもしれない。本明細書に使用される“コンピュータ”という用語は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、ネットワークコンピュータ、ワイヤレスデータポート、無線電話、携帯情報端末、上記又は他の装置の内部の1以上のプロセッサ又は他の何れか適切な処理装置など、入力を受け付け、所定のルールに従って入力を処理し、出力を生成するよう動作可能な何れか適切な装置を表す。
【0022】
トレーダー端末12は、データを解析し、取引プラットフォーム14により管理される電子取引市場に発注された取引注文20に関するフィードバックを(グラフィカルユーザインタフェースなどを介し)提供するよう一般に動作可能な取引注文解析モジュール26を含むかもしれない。ここに記載される実施例では、取引注文解析モジュール26は、当該解析に関する各種機能及び/又はこのような電子取引市場に提供される指値注文22に関するデータの他の管理を提供するよう一般に動作可能である。例えば、以下で詳細に説明されるように、取引注文解析モジュール26は、電子取引市場に発注される指値注文に関するデータ28を受信し、当該データ28を記録し(少なくとも一時的に)、電子取引市場の指値注文ブックを表すグラフィカル表示(指値注文22の価格と時間のプロットなど)を生成するためデータ28を利用し、電子取引市場の指値注文ブックに関する1以上のマーケット指標を決定するためデータ28を解析し、当該マーケット指標をトレーダー18に表示し、及び/又はトレーダー18がデータ28の解析及び表示に関する各種パラメータを制御することを可能にするよう動作可能であるかもしれない。
【0023】
他の実施例では、取引注文解析モジュール26は、さらに又は代わりに他のタイプの取引注文20に関する同様の機能を提供するかもしれないということが理解されるべきである。さらに、特定の実施例では、取引端末12において取引注文解析モジュール26により提供されるようなここに記載される機能の何れか又はすべてが、代わりに又はさらに、取引プラットフォーム14、通信ネットワーク16、トレーディング企業(仲介業者又は銀行など)又は他のトレーダー群に係るサーバなどの1以上の取引端末12に係る1以上のサーバなど、取引システム10の他の何れかの部分により実行又は提供されるかもしれないということが理解されるべきである。このため、取引システム10の何れか関連する部分は、このような機能の何れか又はすべてを実行又は提供するのに適した何れかのハードウェア及び/又はソフトウェアを含むかもしれない。
【0024】
取引注文解析モジュール26は、プロセッサ30、メモリ32及び/又はメモリ32に格納された他の解析ソフトウェア34を含むかもしれない。処理ユニット32は、取引注文解析モジュール26により提供される各種機能の何れか又はすべてを提供するため、ソフトウェア32を実行するかもしれない。メモリ32はまた、後述されるように、取引プラットフォーム14から受信されるかもしれない指値注文データ28を少なくとも一時的に格納するかもしれない。メモリ32は、プロセッサ30に接続され、1以上のRAM(Random Access Memory)、ROM(Read−Only Memory)、DRAM(Dynamic RAM)、FCRAM(Fast Cycle RAM)、SRAM(Static RAM)、FPGA(Field−Programmble Gate Array)、EPROM(Erasable Programmble ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、マイクロコントローラ又はマイクロプロセッサなど、1以上のデータベース及び他の適切なメモリデバイスを含むかもしれない。
【0025】
トレーダー端末12はまた、モニタ、スクリーン、パネルディスプレイ、トレーダー18に情報を表示するよう動作可能な他の何れか適切な装置などの表示装置36を含むかもしれない。特定の実施例では、表示装置36は、ここに記載されるような指値注文データ28に関する取引注文解析モジュール26からの出力など、取引システム10に関する各種情報を表示するのに利用可能なグラフィカルユーザインタフェース38を表示するよう動作可能であるかもしれない。グラフィカルユーザインタフェース38は、表示装置36を介しこのような情報を表示するための何れか適切なソフトウェア又は他の実行可能コードを含むかもしれない。トレーダー端末12はまた、取引プラットフォーム14に係る取引活動に参加し、及び/又はこのようなデータ28の解析及び表示に関する各種パラメータを選択又は制御するためのデータをトレーダー18が入力することを可能にするマウス、キーボード又はポインタなどの1以上のヒューマンインタフェースを含むかもしれない。
【0026】
通信ネットワーク16は、取引プラットフォーム14とトレーダー18との間でデータ又は情報を交換するよう動作可能な通信プラットフォームである。通信ネットワーク16は、本発明の特定の実施例ではインターネットアーキテクチャを表し、トレーダーは許可された取引所フロアに提供される取引を電子的に実行又は開始することが可能となる。あるいは、通信ネットワーク16は、トレーダー18が同一の処理又は機能を実行するのに利用可能なPOTS(Plain Old Telephone System)とすることも可能である。このような取引は、取引の実行をリクエストするため、取引システム14に係るブローカーによりサポートされるか、又は電話若しくは他の適切な電子装置に手動によりキー入力されるかもしれない。他の実施例では、通信システム14は、システム10の何れか2つのノードの間の通信インタフェース又はやりとりを提供する何れかのPDN(Packet Data Network)とすることが可能である。あるいは、通信ネットワーク16は、何れかのローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、バーチャルプライベートネットワーク(VPN)、イントラネット、又はネットワーク若しくは電話環境において通信を実現する他の何れか適切なアーキテクチャ若しくはシステムであってもよい。
【0027】
取引プラットフォーム14は、1以上の取引可能な商品又はプロダクトの1以上の電子取引所の管理を実現する取引アーキテクチャを有するかもしれない。特に、取引プラットフォーム14は、指値注文22及び/又は1以上の他のタイプの注文20など、取引注文20の取引を管理又は実現するかもしれない。取引プラットフォーム14は、トレーダー18から指し値注文22を受け付け、トレーダー18の間の金融取引が実行されるように、このような指し値注文22を管理若しくは処理するよう動作可能であるかもしれない。取引プラットフォーム14は、市場取引フロアとのリンク若しくは接続又はこのような取引を完了させることを可能にする何れか適切な要素との他の適切な接続を有してもよい。
【0028】
取引プラットフォーム14は、取引注文20の取引を管理しようとする何れかの人々、企業又はエンティティのためのコンピュータ、サーバ、管理センター、単独のワークステーション又は本社オフィスを含むかもしれない。従って、取引プラットフォーム14は、1以上の電子取引所を管理するのに利用又は実現可能な何れか適切なハードウェア、ソフトウェア、スタッフ、装置、コンポーネント、要素又はオブジェクトを含むかもしれない。取引プラットフォーム14により提供される機能は、1以上の人々が取引プラットフォーム14に係る各種機能を提供することができるように、少なくとも部分的に手動によるものであるかもしれないということが理解されるべきである。
【0029】
上述されるように、取引注文解析モジュール26は、取引プラットフォーム14などから受信されるかもしれない指値注文データ28の解析及び/又は管理に関する各種機能を提供するかもしれない。例えば、取引注文解析モジュール26は、取引プラットフォーム14により管理される電子取引市場に発注された指値注文22に関する指値注文データ28を取引プラットフォーム14から受け付ける。指値注文データ28は、指値注文22のタイプ(ビッド、オファー、ヒット、テークなど)、指値注文22の価格(ビッド価格又はオファー価格など)、指値注文22のサイズ、指値注文22が取引プラットフォーム14により受け付け又は該当する電子取引市場に入力された時間、指値注文22を発注したトレーダー18、指値注文22に係るアカウント、及び/又は指値注文22の期限時刻など、電子取引市場に発注された指値注文22に関するデータを含むかもしれない。指値注文22の指値注文データ28はまた、指値注文22が市場から削除されたか、指値注文22が取引状態に入ったか(すなわち、他の取引注文20により実行されている)、当該取引状態の開始及び終了時刻、及び/又は実行された取引の詳細など、指値注文22の状態に関する情報を含むかもしれない。特定の実施例では、取引プラットフォーム14は、通信ネットワーク16を介し取引注文解析モジュール26にこのような指値注文データ28を実質的にリアルタイムに通信するかもしれない。
【0030】
その後、取引注文解析モジュール26は、データ28が特定のプロダクトの指値注文ブックを解析するのに利用可能となるように、取引プラットフォーム14から受け付けたデータ28を少なくとも一時的にメモリ32又は他の何れかに記録するかもしれない。取引注文解析モジュール26は、このように受信及び/又は記録したデータを利用して、グラフィカルユーザインタフェース38を開始トレーダー18に表示可能な当該プロダクトの指値注文ブックを表す定期的に更新されるグラフィカル表示を生成するかもしれない。例えば、取引注文解析モジュール26は、現在からある期間までの特定の期間に取引所に入力された各指値注文22の価格及び時間を示す(各種アイコンなどを利用して)グラフィカルプロット40を生成するかもしれない。取引注文解析モジュール26は、プロット40を連続的又は定期的に更新するかもしれない。それは、取引所に入力された新たな指値注文22のプロット表示(アイコンなど)への追加、取引所から削除された指値注文22のプロット表示(アイコンなど)からの削除、又は取引注文20に係る取引活動を反映させるための指値注文データ28の追加、削除、変更及び/又は更新を含むかもしれない。このようなプロット40の具体例及びこのようなプロット40の生成方法の具体例が、図2及び3を参照して図示及び説明される。
【0031】
特定の実施例では、取引注文解析モジュール26は、特定のプロダクトの取引所に指値注文ブックに関する1以上のマーケット指標42を計算するため、取引プラットフォーム14から受け付けた指値注文データ28の少なくとも一部を解析するかもしれない。取引注文解析モジュール26は、このようなマーケット指標42を計算するため、取引所に現在ある指値注文22のすべて又は一部を解析するかもしれない。取引注文解析モジュール26は、グラフィカルユーザインタフェース38などを介したこのような計算されたマーケット指標42のトレーダー18への表示を実現又は実行する。取引注文解析モジュール26が1以上のプロット40を生成し、1以上のマーケット指標42を計算する実施例では、グラフィカルユーザインタフェース38は、1以上のマーケット指標42と同時に又は独立に1以上のプロット40を表示するかもしれない。このようなマーケット指標を計算する一例となる方法が、図4を参照して後述される。
【0032】
特定の実施例では、取引注文解析モジュール26は、トレーダー18が指値注文データ28の解析及び表示に関する各種パラメータを制御することを可能にするインタフェースを提供するかもしれない。例えば、取引注文解析モジュール26は、トレーダー18が以下の1以上を選択することを可能にするかもしれない。
(a)各指値注文又は指値注文群がプロット40にグラフィカル表示される方法に関する1以上のパラメータ
(b)プロット40により表示される“移動ウィンドウ”時間の長さ
(c)マーケット指標42を計算するための指値注文22に適用されるウェートセット
(d)何れの指値注文22がプロット40に表示されるか、及び/又は1以上のマーケット指標42の計算に含まれるか決定するための1以上のパラメータ
(e)1以上のマーケット指標42が計算及び/又は表示される頻度
(f)トータルビッドスコア移動平均、トータルオファースコア移動平均及び/又はネット市場スコア移動平均など、ユーザに計算及び/又は表示される各種移動平均に含まれるべき計算されたネット市場スコアの個数(例えば、以下の式(9)〜(13)を参照されたい)
このようなパラメータは単なる一例として提供されたものであり、これに限定されるものでないことが理解されるべきである。
【0033】
指値注文ブックの表示
上述されるように、取引注文解析モジュール26は、取引プラットフォーム14から受け付けた指値注文データ28に基づき、特定のプロダクトの指値注文ブックの状態を示す(各種アイコンなどを利用して)1以上のグラフィカルプロット40を生成するかもしれない。
【0034】
図2は、本発明の一実施例による特定のプロダクトの取引所の指値注文ブックを表示する一例となるプロット40を示す。プロット40は、例えば、(a)特定の期間中に取引所に入力された指値注文22のすべて又は一部、(b)特定の期間中に取引所に入力され、現在も残っている指値注文22のすべて又は一部、又は(c)特定の期間中に取引所に入力され、現在も残っているか、又は特定の期間中に取引された指値注文22のすべて又は一部など、特定の期間中の取引所に係る指値注文22のすべて又は一部を示す。いくつかの実施例では、特定の理由により又は何れかの理由により取引所から削除された指値注文22は、プロット40から削除されるかもしれない。
【0035】
図2に示されるように、プロット40は、第1軸(本実施例では、y軸)に沿って指値注文22の価格と、第2軸(本実施例では、x軸)に沿って指値注文22の時間とを示すプロット40を利用して、指値注文22の価格及び時間を示すかもしれない。指値注文22の時間は、指値注文22が該当するトレーダー18から取引プラットフォーム14により受け付けた時間又は指値注文22が取引プラットフォーム14により該当する取引所に入力された時間など、指値注文22に関する指値注文データ18により規定される時間を表すかもしれない。
【0036】
同一の価格及び時刻の各指値注文22又は指値注文22のグループ(すなわち、プロット40上で同一の位置を有する指値注文22)は、1以上のアイコン50により表示されるかもしれない。アイコン50は、形状、サイズ、カラー、輝度、透過性、不透明性及び/又は点滅など1以上の視覚的パラメータにより規定されるかもしれない何れかのタイプの視覚表示を含むかもしれない。さらに、他の実施例では、アイコン50は第3の次元に1以上のパラメータを示すかもしれない。例えば、プロット40は、第3の次元が指値注文22のボリューム、指値注文22の個数及び/又は特定の時刻及び価格により1以上の指値注文22を発注した各トレーダー18の人数などの1以上のパラメータを示すのに利用される3次元プロットであるかもしれない。従って、このような実施例では、各アイコン50は該当する指値注文22に関するこのようなパラメータの大きさを示す第3次元の長さ(又は高さ)を有するかもしれない。
【0037】
上述されるように、図2に示されるプロット40は、表示されたデータ(アイコン50など)が時間軸(本実施例では、水平軸)に沿ってシフトする“移動ウィンドウ”表示であるかもしれない。従って、本実施例では、新たに発注された指値注文を表すアイコン50が、右側のプロット40に投入され、右から左にプロット40をシフトし、左側のプロット40から抜け出る。このような“移動ウィンドウ”プロット40に表示される期間は、所望されるようにトレーダー18により選択及び/又は変更されるかもしれない。このため、トレーダー18は、一般に何れか所与の時間に表示されることを所望するデータ量を制御するかもしれない。
【0038】
特定の実施例では、異なるタイプの指値注文22が異なるタイプのアイコン50により表されるかもしれない。異なるタイプのアイコン50は、上述したものなど、少なくとも1つの異なる視角的パラメータを有するアイコン50を表すかもしれない。例えば、ビッド及びオファーは、異なるタイプのアイコン50により表された。ビッド、オファー、買い注文及び売り注文を含む実施例では、異なるタイプのアイコン50がビッド、オファー、買い注文及び売り注文に利用される。図2に示される例では、ビッドは黄色い三角形により表され、オファーは青色のダイヤモンドにより表され、買い注文はオレンジ色の矩形により表され、売り注文は緑色の矩形により表される。各買い注文により開始される各取引プロセス又は実行(ワークアッププロセスなど)の期間は、当該買い注文に対応するオレンジ色の矩形の長さ(x軸に沿った)により示される。同様に、各売り注文により開始される各取引プロセス又は実行(ワークアッププロセスなど)の期間は、当該売り注文に対応する緑色の矩形の長さ(x軸に沿った)により示される。さらに、図2に示される例では、買い注文(“リフト”又は“テーク”と呼ばれる)により開始される取引の完了は、他のアイコン50、ここでは小さな茶色の丸印により示されるかもしれない。同様に、売り注文(“ヒット”と呼ばれる)により開始される取引の完了は、他のアイコン50、ここでは大きな赤色の丸印により示されるかもしれない。他の実施例では、何れか1以上のタイプのアイコン50が、当該指値注文22に関する取引及び/又は各種タイプの指値注文22を表すのに利用されるかもしれない。
【0039】
他の例として、異なるタイプのトレーダー18により発注され、及び/又は異なるタイプの取引アカウントに係る指値注文22は、異なるタイプのアイコン50により表されるかもしれない。例えば、異なるタイプのトレーダー18は、個人投資家、投資家グループ、企業(仲介業者や銀行など)、機関投資家、ヘッジャー、投機家、マーケットメーカー及び非マーケットメーカーの1以上を含むかもしれない。任意数の各種タイプのアイコン50が、このような各種タイプのトレーダー18の何れかにより発注された指値注文22を区別するのに利用されるかもしれない。
【0040】
他の例として、各指値注文22の相対的なサイズは、当該指値注文22に使用される該当するアイコン50の1以上の視覚的パラメータにより示されるかもしれない。例えば、各指値注文22の相対的なサイズは、該当するアイコン50の形状、サイズ、カラー、輝度、透過性、不透明性、点滅及び/又は3次元の大きさにより表されるかもしれない。
【0041】
他の例として、各指値注文22の市場距離は、当該指値注文22について用いられる該当するアイコン50の1以上の視覚的パラメータにより示されるかもしれない。例えば、各指値注文22の市場距離は、該当するアイコン50の形状、サイズ、カラー、輝度、透過性、不透明性及び/又は点滅により表されるかもしれない。ここで使用される指値注文22の“市場距離”は、指値注文22の価格と市場価格との間の差分として定義される。市場価格は、(a)取引所におけるベストビッド又はベストオファーの価格、又は(b)1以上の直近に実行された取引の価格など又はそれらに少なくとも部分的に基づき、該当するプロダクトの現在の市場を一般に表す価格であるかもしれない。例えば、指値注文22の市場距離が減少するに従って、対応するアイコン50のサイズ、輝度又は不透明性が低減するか、又は対応するアイコン50の透過性が増大するかもしれない。
【0042】
特定の実施例では、各指値注文22の時点におけるある市場距離の範囲内にある指値注文22のみがプロット40に表示される。例えば、一実施例では、現在の市場価格からある個数の価格増分(チックなど)の範囲内の指値注文22のみがプロット40に表示される。このため、このような実施例では、大きく外れた値はプロット40から排除されるかもしれない。
【0043】
同一価格及び同一時刻における(すなわち、プロット40上で同一位置にある)複数の指値注文22は、このような複数の指値注文22のトータルサイズ及び/又は個数を示すための何れか適切な方法により表されるかもしれない。ある実施例では、1つのアイコン50が複数の指値注文22を表すのに利用され、アイコン50の1以上の視覚的パラメータが、当該複数の指値注文22のトータルサイズ及び/又は個数を示すよう変更される。例えば、ある価格及び時刻の(すなわち、プロット40上の特定の位置にある)複数の指値注文22のトータルサイズは、アイコン50のサイズ、カラー、輝度、透過性、不透明性及び/又は3次元の大きさにより示されるかもしれない。同様に、当該価格及び時刻における(すなわち、プロット40上の特定の位置にある)複数の指値注文22の個数は、そのようなアイコン50のパラメータにより示されるかもしれない。特定の実施例では、各指値注文22を表すアイコン50は、少なくとも部分的に透過であり、同一価格の追加的な各指値注文22が複数の指値注文22を表すアイコン50の透過性を低減するように(又はカラー、輝度、不透明性又は3次元の大きさを増大させるように)、互いに上部に表示される。
【0044】
図2に示されるプロット40などの特定のプロダクトの指値注文ブックのグラフィカル表示は、現在又は最近の指値注文ブックに関する各種情報をトレーダー18に提供するかもしれない。例えば、プロット40又は同様のグラフィカル表示は、市場の各サイドの様々な価格における指値注文22の全体的なボリューム、トレーダー18の人数及び/又は指値注文22の密度の指標又は特性をトレーダー18に提供するかもしれない。このため、プロット40又は同様のグラフィカル表示は、プロダクトの指値注文ブックの全体的なビュー又は特性をトレーダー18に提供するかもしれない。このような視覚的情報又は特性は、トレーダー18がプロダクトに対する市場の各サイドの圧力の感覚(すなわち、プロダクトに対する買い圧力及び/又は売り圧力)を比較的迅速かつ正確に決定又は取得することを可能にするかもしれない。トレーダー18は、プロダクトを売買すべきか、又は待機するかなど、取引活動の意志決定をするためこのような情報を利用することが可能であるかもしれない。例えば、トレーダー18が現在の市場価格における又は近傍にある市場に入力された各ビッドの比較的高い密度を特定した場合、トレーダー18は、市場価格が近い将来に上昇する(又は少なくとも下落しない)可能性があると予測し、それに応じたアクションをとるかもしれない。同様に、トレーダー18が現在の市場価格における又は近傍にある市場に入力された各オファーの比較的高い密度を特定した場合、トレーダー18は、市場価格が近い将来に下落する(又は少なくとも上昇しない)可能性があると予測し、それに応じたアクションをとるかもしれない。
【0045】
取引注文解析モジュール26及び/又はグラフィカルユーザインタフェース38は、何れか適切な頻度によって及び/又は特定のイベントに応答してプロット40を更新するかもしれない。例えば、プロット40は、0.1秒毎、0.5秒毎、毎秒、3秒毎などの規則的な間隔により定期的に更新されるかもしれない。他の例として、プロット40は、新たな指値注文データ28が受け付けられる毎に、又は特定の個数のデータアイテム28が受け付けされる毎に、更新されるかもしれない。いくつかの状況では、プロット40を更新する頻度は、該当するコンピュータハードウェア及び/又はソフトウェアシステムの処理速度により限定されるかもしれない。
【0046】
上述されるように、特定の実施例では、取引注文解析モジュール26は、トレーダー18が指値注文データ28の表示に関する各種パラメータを制御することを可能にするインタフェースを提供するかもしれない。例えば、取引注文解析モジュール26は、(a)特定のタイプの指値注文22について何れのアイコン50が使用されるか、(b)上述されたアイコン50の視覚的パラメータの1以上、(c)同一価格及び時刻にある複数の指値注文22が表示される方法、(d)何れの指値注文22がプロット40に表示されるか(例えば、表示される指値注文22の最大市場距離など)、(e)プロット40のy軸に沿って表示される価格増分のサイズ及び/又は価格のレンジ、(f)プロット40のx軸に沿って表示される時間増分のサイズ及び/又は時間の長さ、及び/又は(g)プロット40が更新される頻度などをトレーダー18が制御することを可能にするインタフェースを提供するかもしれない。
【0047】
図3は、本発明の一実施例による特定のプロダクトの指値注文ブックのグラフィカル表示を生成及び表示する一例となる方法を示す。特に、図2に示されるプロット40又は同様のプロットを表示する一例となる方法が後述される。本例では、プロット40は規則的な時間間隔により定期的に更新される。
【0048】
ステップ100において、取引注文解析モジュール26は、特定の時間間隔中に取引プラットフォーム14から特定のプロダクトの指値注文データ28を受け付ける。このようなデータ28は、通信ネットワーク16を介し受け付けされるかもしれない。このようなデータ28は、1以上の新たな指値注文22に関するデータ、既存の指値注文22に関する取引、又は既存の指値注文22若しくは他の取引注文20に関する他のデータを含むかもしれない。ステップ102において、取引注文解析モジュール26は、受け付けた指値注文データ28の少なくとも一部をメモリ32に格納する。
【0049】
ステップ104において、取引注文解析モジュール26は、当該時間間隔中に受け付けた指値注文データ28を反映した更新されたプロット40を生成するかもしれない。それは、1以上の新たな指値注文22を表すアイコン50の追加、既存の指値注文22に関する1以上の取引を表すアイコン50の追加若しくは変更、削除された指値注文22を表す1以上のアイコン50の削除、又は新たな若しくは既存の指値注文22を表す1以上のアイコン50の追加、削除若しくは変更を含むかもしれない。ステップ106において、グラフィカルユーザインタフェース38は、電子表示装置36上に更新されたプロット40を表示するかもしれない。その後、本方法は、次の時間間隔についてステップ100〜106を繰り返すため戻るかもしれない。このように、表示されたプロット40は、当該プロダクトの取引活動に関する新たに受け付けた指値注文データ28を反映するよう定期的に(実質的に連続的になど)更新されるかもしれない。トレーダー18は、図2に関して上述されるように、各種取引を決定するため表示されたプロット40を利用するかもしれない。
【0050】
指値注文ブックの解析
上述されるように、取引注文解析モジュール26は、各種取引決定を行うため、トレーダー18により利用可能な指値注文ブックに関する1以上のマーケット指標42を計算するため、指値注文ブックの少なくとも一部を解析するかもしれない。一般に、このような解析は、現在のベスト又は市場価格ではないが、取引所に現在ある指値注文22の少なくとも一部を解析することを含むかもしれない。この解析に含まれる指値注文22は、指値注文22の市場距離に少なくとも基づき重み付けされ、市場価格に接近した(すなわち、小さな市場距離)価格を有する指値注文22が、市場価格から離れた(すなわち、より大きな市場距離)を有する指値注文22より大きな重み付けがされる。
【0051】
図4は、本発明の実施例による1以上のマーケット指標42を計算及び/又は表示する一般的な方法を示す。当該方法は、取引注文解析モジュール26により定期的に実行されるかもしれない。特に、後述される方法は、各期間に繰り返される定期的な各計算のための方法を有するかもしれない。ステップ200では、定期的な計算に含まれる指値注文22のサブセットが特定される。取引注文解析モジュール26は、トレーダー18により予め選択される1以上のルール又は基準などの何れか適切なルール又は基準に従ってこのような指値注文22のサブセットを特定するかもしれない。いくつかの実施例では、現在取引所にあるすべての指値注文22が解析に含まれるかもしれない。他の実施例では、現在取引所にある指値注文22の一部が解析から除外されるかもしれない。例えば、所定の市場距離の範囲外の指値注文22(すなわち、大きな外れ値)は、解析から除外されるかもしれない。このような所定の市場距離は、取引注文解析モジュール26により決定されるか、又はトレーダー18若しくは他のユーザにより選択されるかもしれない。
【0052】
ステップ202において、解析に含まれる各指値注文22の市場距離が決定されるかもしれない。上述されるように、各指値注文22の市場距離は、当該指値注文22の価格と1以上の最近に実行された取引の価格若しくは取引所におけるベストビッド若しくはベストオファーの価格であるかもしれない市場価格との間の差分であるかもしれない。
【0053】
ステップ204において、解析に含まれる各指値注文22は、当該指値注文22について決定された市場距離に少なくとも基づき重み付けされるかもしれない。特定の実施例では、指値注文22の市場距離が小さいほど、当該指値注文22に適用されるウェートは大きくなり、その反対も成り立つ。各種重み付けシステムが、以下においてより詳細に説明される。
【0054】
ステップ206において、1以上のマーケット指標42が、解析に含まれる各指値注文22の重み付けに少なくとも基づき計算される。特定の実施例では、又は特定のマーケット指標を計算するため、この重み付けは指値注文22のボリューム又はサイズに適用される。例えば、各指値注文22のボリュームは、当該指値注文22について決定されたウェートと乗算され、結果として得られる重み付けされたオーダーボリュームが、1以上のマーケット指標42の計算に利用されるかもしれない。他の実施例では、又は他のマーケット指標42の計算のため、重み付けは、各価格レベル又は市場距離の指値注文22を有するトレーダー18又は指値注文22の個数に適用される。すなわち、この重み付けは、各種価格レベル又は市場距離における指値注文22の密度に適用されるかもしれない。ある価格又は市場距離における各指値注文22は、特定のマーケット指標42を計算するため、同一の重み付けされた値を有するかもしれない。例えば、各価格レベル又は市場距離における指値注文22の個数は、当該価格レベル又は市場距離について決定されたウェートと乗算され、結果として得られる重み付けされた各数が1以上のマーケット指標42の計算に利用されるかもしれない。他の実施例において、又は他のマーケット指標42を計算するため、各指値注文のボリューム又はサイズと各価格レベル又は市場距離における指値注文22の個数とは共に、重み付けされ、特定のマーケット指標42を計算するのに利用されるかもしれない。このため、このようなマーケット指標42は、(a)各価格レベル又は市場距離における指値注文の個数又は密度と、(b)各指値注文22のボリューム又はサイズとの組み合わせに依存するかもしれない。
【0055】
一例となるマーケット指標42は、(a)トータルビッドスコア、(b)トータルビッドスコア移動平均、(c)トータルオファースコア、(d)トータルオファースコア移動平均、(e)ネット市場スコア、及び/又は(f)ネット市場スコア移動平均の1以上を含むかもしれない。ネット市場スコアは、それらが該当する市場におけるネット売り圧力か、又はネット買い圧力か否かの指標と共に、このような売り又は買い圧力の大きさを提供するかもしれない。このようなマーケット指標42を計算する一例となるアルゴリズムは、“マーケット指標の計算”というセクションにおいて後述される。
【0056】
ステップ208において、マーケット指標42の1以上が、グラフィカルユーザインタフェース38を利用などして、トレーダー18に表示されるかもしれない。このようなマーケット指標42は、プロット40又は指値注文ブックの他の同様の表示と共に表示されてもよいし、又はそうでなくてもよい。ステップ200〜208は、1以上のマーケット指標42が市場の現在の状態を反映するよう定期的に更新されるように、各時間期間に定期的に繰り返されるかもしれない。
【0057】
指値注文の重み付け
上述されるように、指値注文ブックの解析に含まれる各指値注文22は、当該指値注文22について決定されたマーケット指標に少なくとも基づき重み付けされるかもしれない。いくつかの実施例では、重み付けシステムは、マーケット指標に基づき各指値注文22を重み付けするためのアルゴリズムを含む。例えば、各指値注文22は、以下の等式又はその変形の1つに基づき重み付けされるかもしれない。
【0058】
ウェート=C1*C2−(C3*MD) (1)
ウェート=C1*MD−C2 (2)
ウェート=−C1*ln(MD)+C2 (3)
ウェート=C1*MD (4)
ただし、MDは該当する指値注文22の市場距離であり、C1,C2及びC3は何れか適切な定数(0又は1を含む)である。
【0059】
他の実施例では、重み付けシステムは、複数の市場距離のそれぞれについて予め決定されたウェートを含む。図5は、10個の異なる市場距離にある指値注文22の各ウェートの複数の一例となるセットを示すテーブル250を示す。カラム252は、市場距離を示す。ここで、“1”は最短の市場距離であり、“10”は解析に含まれる最大の市場距離である。カラム254、256、258、260及び262は、これら10個の市場距離のそれぞれにおける指値注文22に対する相対的な重み付けを示す。図6は、図3のテーブル250のカラム254〜262に示されるウェートセットのそれぞれを示すチャート280を示す。図6に示されるように、3つのウェートセットのそれぞれは、市場距離の減少に従って指数的に増加する。
【0060】
重み付けシステム又は重み付けシステムの少なくともパラメータが、取引注文解析モジュール26により決定され、及び/又はトレーダー18若しくは他のユーザにより選択されるかもしれない。例えば、いくつかの実施例では、トレーダー18又は他のユーザには、特定の重み付けアルゴリズム(上述されたアルゴリズム1〜4の1つなど)を選択し、このようなアルゴリズムの定数を選択し、又は特定のウェートセット(図5のテーブル250のカラム254〜262に示されるウェートセットの1つなど)を選択するためのインタフェースが提供されるかもしれない。このため、トレーダー18は、所望されるような重み付けシステムの各種特徴を設定するかもしれない。
【0061】
マーケット指標の計算
特定の実施例では、以下のアルゴリズム又はこのようなアルゴリズムの変形が、(a)トータルビッドスコア、(b)トータルビッドスコア移動平均、(c)トータルオファースコア、(d)トータルオファースコア移動平均、(e)ネット市場スコア、及び/又は(f)ネット市場スコア移動平均の1以上を決定するのに利用されるかもしれない。
【0062】
トータルビッドスコアは、該当するプロダクトに対する市場における全体的な買い圧力の指標を提供するかもしれない。いくつかの実施例では、トータルビッドスコアは、解析におけるすべての重み付けされたビッドの合計に等しいかもしれず、重み付けされた各ビッドは、当該ビッドの重み付けについて乗算された各ビッドのビッド価格に等しい。従って、トータルビッドスコアは、
トータルビッドスコア=Σ(ビッド価格*重み付け) (5)
として表されるかもしれない。
【0063】
他の実施例では、トータルビッドスコアは、解析に含まれる特定の価格レベル又は市場距離における重み付けされたビッド密度の合計に等しいかもしれない。特定の価格レベル又は市場距離のビッド密度は、(a)当該価格レベル又は市場距離の重み付けと乗算された当該価格レベル又は市場距離におけるビッドの個数(又は既存のビッドを有する各トレーダー18の人数)、又は(b)当該価格レベル又は市場距離の重み付けと乗算された当該価格レベル又は市場距離におけるビッドのボリューム若しくはサイズに等しい。従って、トータルビッドスコアは、
トータルビッドスコア=Σ(市場距離にあるビッド数*当該市場距離の重み付け) (6a)
トータルビッドスコア=Σ(市場距離にあるビッドのボリューム*当該市場距離の重み付け) (6b)
として表されるかもしれない。
【0064】
同様に、トータルオファースコアは、該当するプロダクトの市場における全体的な売り圧力の指標を提供するかもしれない。いくつかの実施例では、トータルオファースコアは、解析におけるすべての重み付けされたオファーの合計に等しいかもしれない。各重み付けされたオファーは、当該オファーの重み付けと乗算された各オファーのオファー価格に等しい。従って、トータルオファースコアは、
トータルオファースコア=Σ(オファー価格*重み付け) (7)
として表されるかもしれない。
【0065】
他の実施例では、トータルオファースコアは、解析に含まれる各価格レベル又は市場距離における重み付けされたオファー密度の合計に等しいかもしれず、ある価格レベル又は市場距離のオファー密度は、(a)当該価格レベル又は市場距離の重み付けと乗算された当該価格レベル又は市場距離におけるオファーの個数(又は既存のオファーを有する各トレーダー18の人数)、又は(b)当該価格レベル又は市場距離の重み付けと乗算された当該価格レベル又は市場距離におけるオファーのボリューム若しくはサイズ(又は既存のオファーを有する各トレーダー18の人数)に等しい。従って、トータルオファースコアは、
トータルオファースコア=Σ(市場価格にあるオファーの個数*当該市場距離の重み付け) (8a)又は
トータルオファースコア=Σ(市場価格にあるオファーのボリューム*当該市場距離の重み付け) (8b)
トータルビッドスコア移動平均は、各トータルビッドスコアより長い期間をキャプチャする該当するプロダクトに対する市場における全体的な買い圧力の指標を提供するかもしれず、それは、いくつかの例では望ましいかもしれない。いくつかの実施例では、トータルビッドスコア移動平均は、ある個数の定期的に計算されるトータルビッドスコアの平均であるかもしれず、それは、
トータルビッドスコア移動平均=(トータルビッドスコアの合計)/(トータルビッドスコアの個数) (9)
として表されるかもしれない。
【0066】
同様に、トータルオファースコア移動平均は、各トータルオファースコアより長い期間をキャプチャする該当するプロダクトに対する市場における全体的な売り圧力の指標を提供するかもしれず、それは、いくつかの例では望ましいかもしれない。いくつかの実施例では、トータルオファースコア移動平均は、何れかの個数の定期的に計算されたトータルオファースコアの平均であるかもしれず、
トータルオファースコア移動平均=(トータルオファースコアの合計)/(トータルオファースコアの個数) (10)
として表されるかもしれない。
【0067】
上述されるように、ネット市場スコアは、該当する市場にネット売り圧力又はネット買い圧力があるか否かの指標と共に、当該売り又は買い圧力の大きさを提供するかもしれない。いくつかの実施例では、ネット市場スコアは、トータルビッドスコア及びトータルオファースコアの差分に等しいかもしれず、
ネット市場スコア=トータルビッドスコア−トータルオファースコア (11)又は
ネット市場スコア=トータルオファースコア−トータルビッドスコア (12)
として表されるかもしれない。
【0068】
ネット市場スコア移動平均は、各ネット市場スコアより長い期間をキャプチャする全体的なネット市場圧力の指標を提供するかもしれず、それは、いくつかの例では望ましいかもしれない。いくつかの実施例では、ネット市場スコア移動平均は、ある個数の定期的に計算されるネット市場スコアの平均であるかもしれず、
ネット市場スコア移動平均=(ネット市場スコアの合計)/(ネット市場スコアの個数) (13)
として表されるかもしれない。
【0069】
本発明の範囲から逸脱することなく、式1〜13の何れかなど、上述したアルゴリズムの何れかに改良又は変更がなされてもよい。さらに、本発明の範囲から逸脱することなく、図3及び4を参照して上述された方法など、上述した方法の何れかに改良、追加又は省略がされてもよい。さらに、本発明の範囲から逸脱することなく、このような方法の各ステップの何れかが何れか適切な順序により、同時に又は同時でなく実行されてもよい。
【0070】
隠されたオーダーサイズの考慮
いくつかの市場では、取引オーダー20の表示サイズは、当該オーダーの実際のサイズを表すものでないかもしれない。例えば、トレーダー18は、ある取引オーダー20の表示サイズが当該オーダー20のフルサイズを他の市場参加者から隠すように、フルサイズより小さなものとなるよう要求するかもしれない。市場に表示されないオーダー20の部分は、“隠されたオーダーサイズ”と呼ばれるかもしれない。
【0071】
1以上のマーケット指標42の計算は、1以上のオーダー20の表示されたボリューム又はサイズに依存するかもしれないため(式6b及び8bに示されるように)、当該オーダー20の隠されたオーダーサイズはこのような計算の精度に影響を与えるかもしれない。すなわち、オーダー20の隠されたオーダーサイズは、マーケット指標42が市場の状態の正確な指標となる程度に影響を与えるかもしれない。従って、いくつかの実施例では、取引注文解析モジュール26は、マーケット指標42の計算に用いられるオーダー20の隠されたオーダーサイズを考慮するかもしれず、又は考慮しようとするかもしれない。
【0072】
例えば、いくつかの実施例では、取引注文解析モジュール26は、1以上の最近取引されたオーダー20など、1以上の他のオーダー20の既知の隠されたオーダーサイズに基づき、未知の隠されたオーダーサイズを有する各種表示されたオーダー20の隠されたオーダーサイズを推測するかもしれない。取引注文解析モジュール26は、取引オーダー20が取引される際又は取引状態におかれる際、隠されたオーダーサイズを含む取引オーダー20の実際のサイズを認識するかもしれない。このため、取引注文解析モジュール26は、取引された又は取引状態におかれた取引オーダー20の隠されたオーダーサイズを特定する情報を受け取り、当該情報を利用して取引所に依然としてある表示されたオーダー20の隠されたオーダーサイズを推測するかもしれない。各取引オーダー20は未知の隠されたオーダーサイズを有してもよく、又は有しなくてもよい。その後、取引注文解析モジュール26は、マーケット指標42を計算するため、このような表示された取引オーダー20の一部又はすべてのボリューム又はサイズを調整するかもしれない。例えば、特定の実施例では、取引注文解析モジュール26は、取引された又は取引状態におかれた1以上の取引オーダー20について、表示されたサイズと隠されたオーダーサイズとの間の関係を決定するかもしれない。取引注文解析モジュール26は、このように決定された関係を利用して、特定のマーケット指標42を計算するため、このように表示された取引オーダー20の一部又はすべてのボリューム又はサイズを調整するかもしれない。特定の表示された取引オーダー20のボリューム又はサイズは、個別又はグループベースで調整されてもよい。例えば、各取引オーダー20のボリュームは、オーダー20の表示サイズ、オーダー20のタイプ(例えば、特定タイプのオーダー20は、特定の隠されたオーダーサイズと統計的に関連付けされるように決定されるかもしれない)、オーダー20の送信元のトレーダー18(例えば、特定のトレーダー18は、特定の隠されたオーダーサイズと統計的に関連付けされるよう決定されるかもしれない)、及びオーダー20が買い又は売り注文であるかなど任意数のパラメータに基づき調整されるかもしれない。
【0073】
本発明の実施例とその効果が詳細に説明されたが、添付した請求項により規定されるような本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、追加及び省略が当業者により可能である。
【符号の説明】
【0074】
10 システム
14 取引プラットフォーム
16 通信ネットワーク
26 取引注文解析モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、
前記プロセッサに電子接続され、命令を格納するメモリと、
を有する装置であって、
前記命令は、前記プロセッサにより実行されると、前記プロセッサに、
電子市場に入力された複数の指値注文に関するデータであって、各指値注文に係る価格と時刻とを含む各指値注文に関するデータを受信させ、
前記複数の指値注文のそれぞれについて前記受信したデータを記録させ、
前記電子市場の状態に関する1以上の市場指標を定期的に計算させ、
前記定期的な計算のそれぞれは、
前記定期的な計算のための前記複数の指値注文のサブセットを決定し、
前記サブセットの各指値注文について、該指値注文と市場価格との間の差分からなる市場距離を決定し、
前記決定された市場距離に少なくとも部分的に基づき、前記サブセットの各指値注文の重み付けを決定し、
前記重み付けに少なくとも部分的に基づき、前記1以上の市場指標を計算し、
前記定期的に計算された1以上の市場指標をグラフィカルユーザインタフェースに表示することからなる装置。
【請求項2】
前記定期的な計算のための前記複数の指値注文のサブセットの決定は、前記定期的な計算の時刻における前記電子市場に現存する複数の指値注文を決定することからなり、
前記電子市場に現存する指値注文のサブセットは、前記定期的な計算の少なくとも一部の間で変動する、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記定期的な計算のための前記複数の指値注文のサブセットの決定は、ある市場距離の範囲内の価格を有する指値注文のみのサブセットを決定することからなる、請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記定期的な計算のための前記複数の指値注文のサブセットの決定は、ある市場距離の範囲内の価格を有する指値注文のサブセットを決定することからなり、
前記命令はさらに、前記プロセッサにユーザから前記ある市場距離をを受信させる、請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記1以上の市場指標の定期的な計算は、前記電子市場に現存する指値注文のサブセットの変動に基づき、前記1以上の市場指標を定期的に更新することからなる、請求項1記載の装置。
【請求項6】
各指値注文は、各自のサイズに関連付けされ、
前記1以上の市場指標の定期的な計算は、前記各自の指値注文に係るサイズと、前記サブセットの各指値注文の重み付けとを乗算することからなる、請求項1記載の装置。
【請求項7】
各指値注文は、各自のサイズに関連付けされ、
前記命令はさらに、前記プロセッサに複数の価格のそれぞれにおける指値注文の個数を決定させ、
前記1以上の市場指標の定期的な計算は、前記複数の価格のそれぞれについて、各価格における指値注文の個数と該価格における指値注文の1つの重み付けとを乗算することからなる、請求項1記載の装置。
【請求項8】
各指値注文は、各自のサイズを有し、取引主体に関連付けされ、
前記命令はさらに、前記プロセッサに複数の価格のそれぞれにおける1以上の指値注文に係る異なる取引主体の個数を決定させ、
前記1以上の市場指標の定期的な計算は、各価格における1以上の指値注文に係る異なる取引主体の個数と、該価格における指値注文の1つの重み付けとを乗算することからなる、請求項1記載の装置。
【請求項9】
前記1以上の市場指標の定期的な計算は、
各ビッドと各オファーとがサイズを有する1以上のビッドと1以上のオファーとを含む、各定期的な計算のための指値注文のサブセットを決定し、
前記1以上のビッドのそれぞれについて、該ビットの重み付けされたビッドスコアを決定するため、該ビッドの重み付けと該ビッドのサイズとを乗算し、
トータルのビッドスコアを決定するため、前記1以上のビッドについて前記重み付けされたビッドスコアを加算し、
前記1以上のオファーのそれぞれについて、該オファーの重み付けされたオファースコアを決定するため、該オファーの重み付けと該オファーのサイズとを乗算し、
トータルのオファースコアを決定するため、前記1以上のオファーについて前記重み付けされたオファースコアを加算し、
ネット市場スコアを決定するため、前記トータルのビッドスコアと前記トータルのオファースコアとの間の差分を計算する、
ことからなる、請求項1記載の装置。
【請求項10】
前記定期的に計算された1以上の市場指標のグラフィカルユーザインタフェースへの表示は、前記ネット市場スコアを前記グラフィカルユーザインタフェースに表示することからなる、請求項9記載の装置。
【請求項11】
前記命令はさらに、前記プロセッサに、
前記電子市場の所定数の定期的に計算されるネット市場スコアの移動平均を計算することによって、ネット市場スコア移動平均を計算させ、
前記ネット市場スコア移動平均を表示する、請求項9記載の装置。
【請求項12】
前記定期的に計算された1以上の市場指標のグラフィカルユーザインタフェースへの表示は、前記トータルのビッドスコアと前記トータルのオファースコアとの少なくとも1つを前記グラフィカルユーザインタフェースに表示することからなる、請求項9記載の装置。
【請求項13】
前記命令はさらに、前記プロセッサに、
所定数の定期的に計算されるトータルのビッドスコアの移動平均を計算することによって、トータルのビッドスコア移動平均を計算させ、
所定数の定期的に計算されるトータルのオファースコアの移動平均を計算することによって、トータルのオファースコア移動平均を計算させ、
前記トータルのビッドスコア移動平均と前記トータルのオファースコア移動平均との少なくとも1つを前記グラフィカルユーザインタフェースに表示する、請求項9記載の装置。
【請求項14】
前記1以上の市場指標の定期的な計算は、実質的にリアルタイムにより前記1以上の市場指標を定期的に更新することからなる、請求項1記載の装置。
【請求項15】
前記サブセットの各指値注文の重み付けの決定は、市場距離とウェイトとが指数的に関連する重み付けシステムを用いて前記重み付けを決定することからなる、請求項1記載の装置。
【請求項16】
前記サブセットの各指値注文の重み付けの決定は、市場距離とウェイトとが逆に関連する重み付けシステムを用いて前記重み付けを決定することからなる、請求項1記載の装置。
【請求項17】
前記サブセットの各指値注文の重み付けの決定は、複数のウェイトに基づき前記重み付けを決定することからなり、
前記命令はさらに、前記プロセッサに前記複数のウェイトの1以上を選択したものをユーザから受信させる、請求項1記載の装置。
【請求項18】
前記複数の指値注文は、1以上のビッドと1以上のオファーとを有し、
ビッド注文の市場価格は、前記電子市場に現存するベストビッドの価格であり、
オファー注文の市場価格は、前記電子市場に現存するベストオファーの価格である、請求項1記載の装置。
【請求項19】
前記市場価格は、前記電子市場の指値注文の間の1以上の直近の取引に基づく、請求項1記載の装置。
【請求項20】
前記市場価格は、実質的にリアルタイムに変動する、請求項1記載の装置。
【請求項21】
各指値注文は、関連する表示サイズを有し、
前記命令はさらに、前記プロセッサに、
1以上の特定の指値注文について隠されるサイズを決定させ、
前記1以上の特定の指値注文について前記表示サイズと前記隠されるサイズとの間の関係を決定させ、
前記決定された関係に基づき、前記電子市場の指値注文の少なくとも一部の表示サイズを調整させる、請求項1記載の装置。
【請求項22】
前記サブセットの各指値注文についての市場距離の決定は、最も高いビッドの価格、最も低いオファーの価格及び1以上の直近に実行された取引の価格の少なくとも1つに基づき決定された市場価格と、前記指値注文の価格との間の差分からなる市場距離を決定することからなる、請求項1記載の装置。
【請求項23】
前記命令はさらに、前記プロセッサに、
実質的にリアルタイムに電子市場に入力される複数の指値注文であって、前記指値注文のサブセットを含み、複数のビッド、複数のオファー、複数の買い注文及び複数の売り注文からなる複数の指値注文に関するデータであって、各指値注文に関連する価格と時刻とを含む各指値注文に関するデータを受信させ、
前記受信したデータに基づき、前記複数の指値注文のそれぞれに係るアイコンを有し、ある期間内に前記電子市場に入力された前記複数の指値注文のそれぞれについて、該指値注文に係る価格と時刻とを示すグラフィカル表示を生成させ、
電子表示装置に前記グラフィカル表示を表示させ、
各買い注文は、取引を開始するための既存のオファーに対立するビッドを有し、各売り注文は、取引を開始するための既存のビッドに対立するオファーを有し、
各指値注文に係る価格は、前記グラフィカル表示の第1軸により示され、各指値注文に係る時刻は、前記グラフィカル表示の第2軸により示され、
前記グラフィカル表示はさらに、各指値注文に対応するアイコンの形状、サイズ、カラー、輝度、透明性、不透明性及び点滅の少なくとも1つによって、前記複数の指値注文の少なくとも一部の市場距離を示し、
前記グラフィカル表示は、第1タイプの識別子を用いて各ビッドを、第2タイプの識別子を用いて各オファーを、第3タイプの識別子を用いて各買い注文を、第4タイプの識別子を用いて各売り注文を示し、
前記第1、第2、第3及び第4タイプの識別子のそれぞれは、互いに視覚的に異なる、請求項1記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−222054(P2011−222054A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176568(P2011−176568)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【分割の表示】特願2008−524054(P2008−524054)の分割
【原出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【出願人】(506361856)シーエフピーエイチ, エル.エル.シー. (75)