説明

指圧用器具

【目的】 1個の器具で多種類の刺激をつぼに加えることができるようにする。
【構成】 手に持って指圧するのに適した棒状の本体10の一方の端部を第1の指圧部11とし、第2の指圧部12及び第3の指圧部13を本体10から側方へ突出させるように設ける。第1〜第3の指圧部11〜13の内2箇所はほぼ半球状とし、残る1箇所は回転するほぼ球状とする。さらに第1〜第3の指圧部11〜13の球状部分の半径を大小異なる大きさとする。また放射状に突出片15を設けた指圧輪16を第4の指圧部14として本体10の他の一方の端部に設ける。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、手に持って身体各部を指圧するための器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
指圧用の器具には様々なものがあるが、それらは一つまたは二つ程度の指圧部分を有するに過ぎない。そのため身体に加える刺激の種類が単純であり、例えば肩や腰などを指圧するための器具で手のひらや足の裏などを刺激しても思うような効果を得ることができない。また刺激の加え方も「押す」だけであり変化に乏しい。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は前記の点に着目してなされたもので、その課題とするところは、1個の器具で多種類の刺激を加えることができるようにすることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため本考案は、棒状の本体10の一方の端部を第1の指圧部11とするとともに、第2の指圧部12及び第3の指圧部13を本体10から側方へ突出するように設け、第1、第2、第3の指圧部11、12、13の内の2箇所はほぼ半球状に形成する一方、残る1箇所の指圧部は回転可能な球状乃至半球状に形成し、かつ第1、第2、第3の球状部分を大小異なる半径とし、さらに放射状の突出片15からなる指圧輪16を第4の指圧部として本体10の他の一方の端部に回転軸14によって回転可能に取り付けるという手段を講じたものである。
【0005】
【実施例】
図1に本考案の指圧用器具の実施例を示す。この器具の本体10は、手に持って身体各部を指圧するのに適した太さ及び長さの棒状を有する。この場合に適当な大きさとしては片手に持てる図1に示された程度の寸法の小型のものからその数倍の寸法である。実施例では図1のものの約2倍の寸法として使い易いものが得られた。
【0006】
第1の指圧部11は上記の本体10の一方の端部に設けてあり、第1〜第3指圧部中で最も大きな半径r1 を有する半球状に形成されている。この半径r1 は、身体のつぼに最も柔らかく接するように大径にしたもので、鈍い刺激を得るのが目的である。
【0007】
第2の指圧部12は、本体10の側面からほぼ直角に突出させた突出部21の先端に設けてある。実施例の第2の指圧部12は、最も小さな半径r2 を有する半球状であり、第1の指圧部11とは逆に最も鋭い刺激を身体のつぼに与えるのが目的である。
【0008】
第3の指圧部13も、本体10の側面からほぼ直角に突出させた突出部22の先端に設けてあり、これは突出方向の軸23を中心として回転可能な球状体になっている(半球状でも良い。)。実施例の第3の指圧部13は第1、第2の指圧部11、12の中間の半径r3 を有する。なお、突出部21、22はほぼ180度異なる方向を向けて配置してある。しかし、必ずしも180度でなくとも良いが、第4の指圧部と対称の位置関係にすると扱い易い。
【0009】
各突出部21、22は着脱手段として本体10に埋め込まれたナット24にねじ込むボルト25を基端に有しており、それによって第2、第3の指圧部12、13を本体10から着脱することができる(図2(a)参照)。このため半径や先端形状の異なる第2、第3指圧部12、13を複数種類用意して交換使用しても良い。それらの突出部21、22は第1の指圧部11で身体のつぼを刺激するときに指又は手を掛けて力を入れるためにも使用される。突出部21、22本体10の同一位置の左右に設け、十字型になるようにしても良い。
【0010】
さらに、第4の指圧部として回転可能な指圧輪16を本体10の他方の端部に設けている。この指圧輪16は先端が整形された突出片(歯)15を多数放射状に配列したもので(図2(b))、突出片15はつぼを刺激するために適切な幅と最小の半径r5 の先端の丸味を有する。この指圧輪16は、本体端部の軸受片26、27に回転軸14を中心として回転可能に軸支されている。
【0011】
【作用】
このように本考案の器具では第1、第2、第3の指圧部11、12、13により鈍い刺激、鋭い刺激、中庸の刺激を与えることができる。また一つは回転する球状体であるからそれを転がすように身体に当てて線状に刺激することができる。さらに第4の指圧部は押し当てれば複数の歯と歯でつぼを刺激し、指圧輪16を回転させると断続的な刺激を与えることができる。
【0012】
【考案の効果】
以上のように本考案の指圧用器具は、1個(1本)の器具により身体に多くの種類の刺激を与えることができ、従って一つの指圧部の刺激では効果がなくても、別の指圧部に変えることで指圧効果を得ることができ、また点状に刺激するほか線状に或いは断続的に刺激することができるので著しい指圧効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る指圧用器具の1実施例を示す正面図。
【図2】(a)図1のA−A線断面図。
(b)図1のB−B線断面図。

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 手に持って身体各部を指圧するために適切な大きさに形成した棒状の本体10を有し、本体10の一方の端部を第1の指圧部11とするとともに、第2の指圧部12及び第3の指圧部13を本体10から側方へ突出するように設け、第1、第2、第3の指圧部11、12、13の内の2箇所はほぼ半球状に形成する一方、残る1箇所の指圧部は回転可能な半球状又は球状に形成し、かつ第1、第2、第3の球状部分を大小異なる半径とし、さらに放射状の突出片15からなる指圧輪16を第4の指圧部として本体10の他の一方の端部に回転軸14によって回転可能に取り付けたことを特徴とする指圧用器具。
【請求項2】 第2の指圧部12と第3の指圧部13は本体10の両側にほぼ180度異なる方向へ突出させた、手指を掛けることができる大きさの突出部21、22の先端に夫々設けられている請求項第1項記載の指圧用器具。
【請求項3】 第2、第3の指圧部12、13を本体10から着脱可能に取り付けた構成を有する請求項第1項記載の指圧用器具。

【図1】
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【図2】
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【登録番号】第3006604号
【登録日】平成6年(1994)11月2日
【発行日】平成7年(1995)1月31日
【考案の名称】指圧用器具
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平6−9561
【出願日】平成6年(1994)7月13日
【出願人】(394016690)