説明

指針位置検出装置

【課題】指針位置検査時の見栄えを向上させ、機能表示への支障を抑えながら効率よく機能針を含む指針の針位置検出を行うことの出来る指針位置検出装置を提供する。
【解決手段】同一の回転軸の周りを回転する時刻歯車及び機能歯車と、機能歯車に連動して回転する機能中間歯車と、時刻歯車の一の円周上に設けられた時刻被検出部と、機能歯車の時刻被検出部と同一の円周上に設けられた機能車被検出部と、機能中間歯車上に設けられた機能中間車被検出部と、時刻被検出部及び機能車被検出部が所定の第1時刻検出位置で重なった状態を検出する第1時刻検出手段と、機能針検出時刻に機能中間車被検出部が機能針検出位置にある状態を検出する機能針検出手段とを備え、第1時刻検出手段は、機能針検出手段が機能中間車被検出部を検出した直後に検出動作を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、指針の位置を検出する指針位置検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、指針式の時計において、指針の位置を検出して、指針位置に係る内部データと実際の指針位置との間での位置ずれを確認し、位置の修正を行う技術がある。このような指針位置の検出を行う装置としては、指針を回転動作させるための輪列機構を構成する歯車の円周方向に透孔部及び遮光部を配列し、透孔部を光が透過するか、又は、遮光部により光が遮られるかを検出することによって同定される歯車の位置に基づき指針位置の確認を行っているものがある。
【0003】
指針式の時計では、時針、分針、及び、秒針といった複数の指針が設けられ、これらの指針は、多くの場合、中央に設けられた同一の回転軸に対して回転可能に配置されている。従って、これらの指針を回転させる歯車(時針車、分針車、秒針車)もまた重なって配置されるので、指針位置を検出する際には、光がこれら全ての歯車の透孔部を同時に通過するように、全ての指針の位置を所定の検出位置に一致させることで、全ての指針位置をまとめて検出することが可能であった。しかしながら、その結果、指針位置の検出に時間を要したり、電力消費量が増大したりするという問題があった。
【0004】
そこで、特許文献1及び特許文献2には、秒針車に各々異なる形状の透孔部を複数設け、秒針の駆動に伴う透過光の検出パターンを判別することで、所定のステップ数の指針動作で秒針位置を検出可能とすると共に、指針の組付け(ここでは、指針と歯車の位置を合わせて組み立てること)誤差により指針位置と透孔部との位置関係にずれが生じた場合にも対応して指針位置を求めることを可能とする技術が開示されている。また、時針位置を他の指針と独立に検出可能とするとともに、時針車に複数個の透孔部を設けることによって、少ない指針移動で各指針位置を判別することが可能な構成が示されている。このような技術により、時針車の透孔部の数に応じた頻度で秒針及び分針の位置検出を短時間で行うことが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−85674号公報
【特許文献2】特開2011−122902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、近年、時刻表示に用いられる時針、分針、及び、秒針に加えて、更に他の指針をこれらの指針と同一の回転軸に対して回動可能に取り付けて、種々の機能表示に利用する指針式時計がある。このような機能表示は、多くの場合、非継続的に利用されるものであって、指針の位置が時間周期的に決定されない。従って、時刻表示用の他の指針の位置を検出する際に、機能表示に用いられる指針を動作させる歯車に設けられた透孔部の位置を他の歯車の透孔部と重ねるために毎回機能針を所定の位置に移動させる必要が生じ、見栄えが悪化したり、更には、機能表示に支障が出たりする場合があるという課題があった。
【0007】
この発明の目的は、指針位置検査時の指針動作の見栄えを向上させ、また、機能表示に与える支障を低減させながら効率よく機能針を含む指針の針位置検出を行うことの出来る指針位置検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するため、
時刻歯車と、
前記時刻歯車の回転に伴って回転し、時刻を表示する時刻指針と、
前記時刻歯車と同一の回転軸に対して回転する機能歯車と、
前記機能歯車の回転に伴って回転し、時刻以外の所定の情報を表示する機能針と、
前記機能歯車と連動して回転する機能中間歯車と、
前記時刻歯車において、一の円周上に設けられた時刻被検出部と、
前記機能歯車において、前記機能針の一の指針位置と対応して、前記時刻被検出部と同一円周上に設けられた機能車被検出部と、
前記機能中間歯車上に設けられた機能中間車被検出部と、
前記時刻被検出部及び前記機能車被検出部が所定の第1時刻検出位置で重なった状態を検出する第1時刻検出手段と、
予め設定された機能針検出時刻に前記機能中間歯車を回転動作させて前記機能中間車被検出部が所定の機能針検出位置にある状態を検出する機能針検出手段と
を備え、
前記第1時刻検出手段は、前記機能針検出手段が前記機能中間車被検出部を検出した直後に検出動作を行う
ことを特徴とする指針位置検出装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明に従うと、指針位置検出装置において、指針位置検査時の指針動作の見栄えを向上させ、また、機能表示に対する支障を低減させながら効率よく機能針を含む指針の針位置検出を行うことが出来るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態のアナログ電子時計の内部構成を示すブロック図である。
【図2】各指針を回転させる輪列機構の構成図を示す図である。
【図3】指針検出処理の制御手順を示すフローチャートである。
【図4】針位置完全補正処理の制御手順を示すフローチャートである。
【図5】分針検出処理の制御手順を示すフローチャートである。
【図6】時針検出処理の制御手順を示すフローチャートである。
【図7】秒針検出処理の制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態のアナログ電子時計の内部構成を示すブロック図である。
【0013】
このアナログ電子時計1は、4本の指針を全て中央の同一位置に設けられた回転軸に対して回転するように配置し、各々個別のモータにより駆動する時計である。アナログ電子時計1は、第1モータ51により輪列機構21を介して駆動される時針11(第2時刻指針)と、第2モータ52により輪列機構22を介して駆動される分針12(第1時刻指針)と、第3モータ53により輪列機構23を介して駆動される秒針13(第3時刻指針)と、第4モータ54により輪列機構24を介して駆動される機能針14と、CPU(Central Processing Unit)30と、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)35と、ROM(Read Only Memory)36と、RAM(Random Access Memory)37と、発振回路38と、分周回路39と、計時回路40と、電源部41と、アンテナ42を用いて受信した電波から信号を復調する検波回路43と、照明部45と、そのオンオフの駆動を行う照明駆動回路44と、指針位置の第1検出部31(第1時刻検出手段)と、第2検出部32(第2時刻検出手段)と、第3検出部33(機能針検出手段)などを備えている。
【0014】
本実施形態のアナログ電子時計1では、第1モータ51〜第4モータ54は、ステッピングモータである。秒針13は、第3モータ53により1秒に6度ずつ60秒間で60ステップ駆動されることで回転軸の周りを一周する。また、分針12は、第2モータ52により10秒に1度ずつ3600秒間(1時間)で360ステップ移動することで回転軸の周りを一周する。また、時針11は、第1モータ51により2分に1度ずつ720分間(12時間)で360ステップ移動することで回転軸の周りを一周する。これらの時針11、分針12、及び、秒針13は、時刻指針を構成する。機能針14は、1度ずつ360ステップの各方向を指示可能であり、機能表示の内容に従って第4モータ54により適宜駆動されたり、所定の方向を指示して停止したりする。
【0015】
CPU30は、アナログ電子時計1における各種演算処理を行うと共に、全体動作の制御統括を行う。RAM37は、CPU30に作業用のメモリ空間を提供し、展開されたプログラムや一時データなどを記憶する揮発性メモリである。また、RAM37には、時針11、分針12、秒針13、及び、機能針14(以降、まとめて指針11〜14とも記す)の針位置情報が記憶される。ROM36は、CPU30が実行するアナログ電子時計1の制御プログラムや種々の機能に係る動作プログラムを記憶する不揮発性メモリである。また、ROM36には、輪列機構23の秒針車(図2の231)に設けられた透孔部(図2のT3a〜T3g)及び遮光部の配列パターン(秒穴パターン)を記録した秒穴パターンデータテーブル36a、及び、指針位置検出処理の検査実行可能時刻リスト36bが格納されている。
【0016】
EEPROM35は、検査タイミング補正値35aや秒穴パターン特定データ35bなどの設定データが記憶された上書き更新可能な不揮発性メモリである。
【0017】
ここで、検査タイミング補正値とは、分針12に組付け誤差があった場合にこの組付け誤差の大きさに対応する検査タイミングのずれを秒値で示したものである。分針12の組付け誤差が無い場合には、検査タイミング補正値は「0」となる。一方、分針12に組付け誤差がある場合には、分針12は、1ステップ当たり10秒で回転するので、例えば、組付け誤差が時計回りに1ステップ、即ち、「+1」である場合には、検査タイミング補正値が「10」となる。また、例えば、組付け誤差が反時計回りに2ステップ、即ち、「−2」である場合には、検査タイミング補正値が「−20」となる。
【0018】
また、秒穴パターン特定データとは、上記の分針12の組付け誤差に対応して検査タイミングにずれが生じる場合に、秒針車の透過孔により秒値を同定する際の秒検出パターンを特定するためのデータである。上記の検査タイミング補正値35a、及び、秒穴パターン特定データ35bは、工場からの出荷前の検査時などにおいて分針12の組付け誤差が求められることで設定され、それぞれEEPROM35に記録される。
【0019】
発振回路38は、所定の周波数信号を発振して出力する。分周回路39は、発振回路38から入力された周波数信号を分周し、アナログ電子時計1で用いられる各種の周波数信号を生成して出力する。計時回路40は、分周回路39から出力された1秒周期信号を計数し、時刻データに毎秒加算していくことで現在時刻を保持する。
【0020】
アンテナ42及び検波回路43は、標準電波を受信してタイムコードを復調する回路である。復調されたタイムコードは、CPU30により復号、解読されて、CPU30は、現在時刻を取得する。また、この現在時刻データがCPU30から計時回路40に送られて現在時刻データが上書き修正される。
【0021】
照明部45は、指針11〜14による表示部分を照らす照明であり、この照明としては、例えば、LED(Light Emitting Diode)が用いられる。照明駆動回路44は、CPU30からの制御信号に基づいてこの照明部45の点灯状態及び消灯状態を切り替え駆動する。
【0022】
電源部41は、CPU30を介してアナログ電子時計1の各部に電力を供給する。この電源部41は、特には制限されないが、例えば、太陽電池と二次電池とを組み合わせたものである。
【0023】
第1検出部31は、時針11、分針12、秒針13、及び、機能針14が何れも所定の位置にあるか否かを検出する。また、第2検出部32は、時針11が所定の位置にあるか否かを判別するための検出部であり、第3検出部33は、機能針14が所定の位置にあるか否かを判別するための検出部である。これらの第1検出部31〜第3検出部33については、後述する。
【0024】
図2は、秒針13、分針12、時針11、及び、機能針14をそれぞれ回転動作させるための歯車の組み合わせである輪列機構23、22、21、24を表わした平面図である。なお、これらの図において、各歯車に形成されている歯は省略されている。また、この図では、各輪列機構21〜24における同一の回転軸Rの位置を縦方向にそれぞれずらして表示している。
【0025】
秒針13を回転動作させる輪列機構23は、図2(a)に示すように、秒針13と共に回転する秒針車231(四番車、第3時刻歯車)と、第3モータ53のロータ53aに連結された五番車232とにより構成される。ロータ53a、五番車232、及び、秒針車231の間のギア比を適宜に構成することにより、秒針車231は、ロータ53aが1ステップ(180度)回転動作するごとに6度回転するようになっている。通常の時刻表示運針の時には、第3モータ53が1秒ごとに1ステップ動作することで、秒針車231及び秒針13が60秒で60ステップ回転して回転軸Rの周りを一周する。
【0026】
秒針車231には、第1検出部31による検出位置D1(第1時刻検出位置)と重なる円周上に複数の透過孔T3a〜T3g(第3時刻被検出部)が設けられている。図2(a)に示したこの透過孔T3a〜T3gは、円周上において12度(2ステップ)を単位区分として透過孔の有無の配列パターンを形成し、この配列パターンは、次のような特徴を有している。即ち、1つ目の特徴は、透過孔が設けられている部分の180度反対側には透過孔が無く、透過孔の無い部分の180度反対側には透過孔が設けられていることである。この特徴により、秒針位置が分からなくても、現在の秒針位置、または、180度回転させた秒針位置の何れかにおいて、必ず透過孔が検出位置D1と重なることになる。2つ目の特徴は、透過孔の有無に係る連続する5単位の配列パターンが開始位置ごとに全て一意に定められていることである。即ち、連続する5単位の配列パターンを取得することで、秒針位置を判別することが出来る。具体的には、図2(a)の例では、透過孔T3a〜T3gが設けられている単位区分を「1」、透過孔T3a〜T3gが設けられていない単位区分を「0」で表現すると、透過孔T3aの位置から反時計回りに順番に15単位区分が
「100111110111001」と配列され、
残りの15単位区分が
「011000001000110」と配列されている。この様な配列の任意の連続する5つの数字列30個の中に、同一のものは含まれない。
【0027】
ここで、ロータ53aは、印加している磁場の極性を反転させることで180度回転する。従って、何らかの原因によりあるステップでロータ53aが回転しなかった場合に、次のステップで印加される磁場の極性は、ロータ53aを回転させない向きにかかることになり、ロータ53aは2ステップ続けて回転しないことになる。従って、上記透過孔の配列パターンも2ステップ毎に配置し、2ステップ毎に検出動作を行うことで、秒針13の位置を検出することが出来る。
【0028】
以上のような透過孔T3a〜T3gの形成により、検出位置D1において9又は10ステップの間に第1検出部31により連続した5単位分の配列パターンを取得することで、秒針位置を検出することが出来る。
なお、この配列パターンについては、連続する5単位分の配列パターンを配列の開始位置ごとに一意に定める配列に限られない。例えば、6〜10単位分の配列パターンを一意に定める公知の配列を用いても良い。
【0029】
分針12を回転させる輪列機構22は、図2(b)に示すように、分針12と共に回転する分針車(二番車、第1時刻歯車)221と、第2モータ52のロータ52aに連結された中間車223と、中間車223と分針車221とを連結する三番車222とにより構成される。ロータ52a、中間車223、三番車222、及び、分針車221のギア比を適宜に設定することにより、ロータ52aが1ステップ(180度)回転するごとに、中間車223が30度回転し、また、分針車221が1度回転するようになっている。通常の時刻表示運針時においては、第2モータ52が10秒ごとに1ステップ動作することで、分針車221及び分針12は、60分で360ステップ回転して回転軸Rの周りを一周する。
【0030】
分針車221及び中間車223には、それぞれ一個の透過孔T2a(第1時刻被検出部)、T2bが設けられている。ここで、分針車221は、図2に示すように、回転軸Rが秒針車231と同一位置に配置され、また、透過孔T2aは、秒針車231における透過孔T3a〜T3gと同一半径の位置に設けられる。また、中間車223は、分針車221と部分的に重なるように配置され、透過孔T2bは、検出位置D1において透過孔T2aと重なるように形成され、また、組付けが行われる。透過孔T2a、T2bは、そのサイズを何れも円周方向に±6°以下の大きさとすることで、検出位置D1において所定のタイミング(即ち、分針12による一の指示方向)以外で互いに重なることがないように形成されている。
【0031】
本実施形態の分針12は、55分00秒に検出位置D1において透過孔T2aが透過孔T2bと重なるように組み付けられる。しかしながら、分針12には、組付けの際に、±3°程度、即ち、±3ステップ程度の誤差(組付け誤差)が生じる場合がある。このような場合には、透過孔T2a、T2bが検出位置D1において重なる時刻が55分00秒から±30秒程度ずれることになる。
【0032】
時針11を回転させる輪列機構21は、図2(c)に示すように、分針12と共に回転する時針車(筒車、第2時刻歯車)211と、第1モータ51のロータ51aに連結された中間車215と、中間車215と時針車211とを順番に連結する三番車214、中間車213、及び、中間車212を含む。ロータ51a、中間車215、213、212、三番車214、及び、時針車211のギア比を適宜に設定することにより、ロータ51aが1ステップ(180度)回転するごとに、時針車211が1度回転するようになっている。通常の時刻表示運針時においては、第1モータ51が2分ごとに1ステップ動作することで、時針車211及び時針11は、12時間で360ステップ回転して回転軸Rの周りを一周する。
【0033】
時針車211には、12個の透過孔T1a(第2時刻被検出部)が円周方向に等間隔で設けられている。ここで、時針車211は、図2に示すように、回転軸Rの位置が秒針車231、及び、分針車221と同一に配置され、また、透過孔T1aは、透過孔T3a〜T3g及び透過孔T2aと同一半径の円周上に設けられる。これらの透過孔T1a、T2a、T3a〜T3gにより時刻被検出部が構成される。
【0034】
本実施形態の時針11は、毎時50分〜00分の間に、透過孔T1aの何れかが検出位置D1にあるように組み付けられる。即ち、透過孔T1aは、毎時55分前後に透過孔T2a、T2bが検出位置D1で重なるタイミングを含む期間に亘り、検出位置D1にある状態が維持されるように配置される。なお、透過孔T1aの数は、12個には限られない。また、これらの透過孔T1aが設けられている位置に対応する時刻(第1時刻検出時刻)は、指針位置の検査実行可能時刻リスト36bとして設定され、ROM36に記憶されている。
【0035】
また、三番車214には、中間車213に加えて検出車217が連結されている。この検出車217は、ロータ51aが1ステップ回転するごとに0.5度回転する。従って、検出車217は、24時間で720ステップ回転して回転軸Raの周りを一周する。この検出車217は、中間車215及び三番車214と部分的に重なるように配置され、これらの検出車217、中間車215、及び、三番車214(これら3個の歯車は、第2時刻中間歯車を構成する)が全て重なる位置には、第2検出部32の検出位置D2が設けられている。検出車217に設けられた透過孔T1b、中間車215に設けられた透過孔T1c、及び、三番車214に設けられたT1dは、所定の時刻(第2時刻検出時刻)にこの検出位置D2で重なるように形成され、また、組付けられている。透過孔T1bは、180度反対側に2箇所設けられ、12時間に一回、例えば、11時50分〜12時00分及び23時50分〜24時00分に交互に検出位置D2と重なる。第2検出部32は、検出位置D2(第2時刻検出位置)で透過孔T1b、T1c、T1d(第2中間車被検出部)の全てが重なった状態を検出することで、時針11の位置を確認する。なお、この所定の時刻は、上記検査実行可能時刻リスト36bに含まれていなくても良い。即ち、検出位置D1における第1検出部31による指針検出処理と、検出位置D2における第2検出部32による時針検出処理とは、異なる時間に実行させることが可能である。例えば、時針検出処理を指針検出処理の直前に実行させておくことで、指針検出処理の際に時針11が位置ずれを起こしている可能性を低減させることができる。
上記の時針車211、分針車221、及び、秒針車231は、時刻歯車を構成する。
【0036】
機能針14を回転させる輪列機構24は、図2(d)に示すように、機能針14と共に回転する機能針車(筒車、機能歯車)241と、第4モータ54のロータ54aに連結された中間車245と、中間車245と機能針車241とを順番に連結する三番車244、中間車243、中間車242を含む。ロータ54a、中間車245、243、242、三番車244、及び、機能針車241のギア比を適宜に設定することにより、ロータ54aが1ステップ(180度)回転するごとに、機能針車241が1度回転するようになっている。従って、第4モータ54が360ステップ動作することで、機能針車241及び機能針14は回転軸Rの周りを一周する。
【0037】
機能針車241には、1個の透過孔F1a(機能車被検出部)が設けられている。ここで、機能針車241は、図2に示すように、回転軸Rの位置が秒針車231、分針車221、及び、時針車211の回転軸Rの位置と同一に配置され、また、透過孔F1aは、透過孔T1a、T2a、T3a〜T3gと同一半径の円周上に設けられる。
【0038】
本実施形態の機能針14と透過孔F1aとの位置関係は、機能針14の指し示す内容により適宜設定される。例えば、機能針14が機能モードを表示する用途に用いられる場合には、機能針14が基準となる機能モードである現在時刻の表示状態であることを示す方向を指示している状態で、透過孔F1aが検出位置D1にあるように設けられる。
【0039】
また、三番車244には、中間車243に加えて検出車247が連結されている。この検出車247は、ロータ54aが1ステップ回転するごとに0.5度回転する。従って、検出車247は、720ステップ回転して回転軸Rbの周りを一周する。この検出車247は、中間車245及び三番車244と部分的に重なるように配置され、これら検出車247、中間車245、及び、三番車244(これら3個の歯車は、機能中間歯車を構成する)が全て重なる位置には、第3検出部33の検出位置D3(機能針検出位置)が設けられている。検出車247に設けられた透過孔F1b、中間車245に設けられた透過孔F1c、及び、三番車244に設けられたF1dは、機能針14が所定の方向を向いたときに検出位置D3で重なるように形成され、また、組付けられている。透過孔F1bは、回転軸Rbに対して対称な位置に2箇所設けられ、透過孔F1aが検出位置D1に重なる場合には、透過孔F1bの何れか一つが検出位置D3にあるように形成されている。第3検出部33は、検出位置D3で透過孔F1b、F1c、F1d(機能中間車被検出部)が何れも重なった状態を検出することにより機能針14の位置を確認する。
【0040】
このように、時針11の位置は、透過孔T1b〜T1dを用いて検出位置D2において第2検出部32により検出され、機能針14の位置は、透過孔F1b〜F1dを用いて検出位置D3において第3検出部33により検出される。また、分針12及び秒針13の位置は、時針11及び機能針14が所定の方向を指示している場合に、検出位置D1において透過孔T2a、T2b、T3a〜T3gを用いて第1検出部31により検出される。
【0041】
第1検出部31は、発光部311と光センサ312とを備えている。発光部311は、検出位置D1において、重なっている時針車211、分針車221、中間車223、秒針車231、及び機能針車241に対して垂直に貫通する方向に光を発する。光センサ312は、この発光部311から出力された光が時針車211の透過孔T1a、分針車221の透過孔T2a、中間車223の透過孔T2b、秒針車231の透過孔T3a〜T3gの何れか、及び、機能針車241の透過孔F1aが全て検出位置D1で重なった場合にのみ、これらの透過孔を通り抜けた発光部311からの光を検出する。少なくとも何れか一つの透過孔が検出位置D1と異なる位置にある場合には、発光部311からの光は、歯車に反射されて光センサ312により検出されない。
【0042】
本実施形態のアナログ電子時計1では、秒針車231に設けられた透過孔T3a〜T3gの配列パターンにより6単位以上遮光部分が連続することが無い。従って、機能針14の透過孔F1aを検出位置D1に移動させた状態で秒針13を回転動作させ、検出位置D1での第1検出部31による光の検出の有無のパターンを6単位分取得することで、時針11又は分針12の指示方向が正しくないという結果か、又は、時針11及び分針12の指示方向が正しい場合における秒針13の指示方向が得られる。このとき、分針12に組付け誤差がある場合には、EEPROM35に記憶された検査タイミング補正値35aと、秒穴パターン特定データ35bとを参照して検出タイミング及び秒針位置検出の補正を行う。
【0043】
ここで、通常の時刻表示状態のときに、秒針車231に設けられた透過孔の形成有無に係る配列パターンにおける6単位目のデータを取得しようとすると、秒針13の11ステップ目(10秒)の動作と同時に分針12が1ステップ動作することで透過孔T2bが検出位置D1から外れ、6単位目の配列パターンデータを取得することが不可能になる。そこで、本実施形態の透過孔T3a〜T3gの配列パターンでは、図2(a)に示したように、透過孔が形成されていない部分が5単位連続する区間(透過孔T3cと透過孔T3dの間)の先頭が00秒、10秒、20秒、30秒、40秒、50秒の何れにも当てはまらないように秒針13の組付けがなされている。このような組付けにより、秒針13の位置にずれが無い場合には、同一の分針位置に係る透過孔の配列パターンに透過孔が形成されていない部分が5単位続く場合が自動的に除外される。
また、時刻表示状態のときに取得された5単位分の検出データから透過孔が1つも検出されなかった場合には、計時処理において秒針13と分針12とが同時に駆動される前に秒針13のみを先に動作させることによって6単位目のデータを取得することで、全指針位置の検出処理を行わずに位置ずれがあるのが秒針13だけであるか否かを調べることが出来る。
【0044】
第2検出部32及び第3検出部33は、何れも第1検出部と同様の構成であり、説明を省略する。第2検出部32及び第3検出部33は、それぞれ検出位置D2、D3において、時針11に係る輪列機構21の検出車217、三番車214、及び、中間車215の透過孔の有無、及び、機能針14に係る輪列機構24の検出車214、三番車244、中間車245の透過孔の有無を検出することで、時針11及び機能針14の位置を同定する。
【0045】
次に、本実施形態の指針検出装置を備えたアナログ電子時計1における指針検出の動作手順について説明する。
【0046】
図3は、アナログ電子時計1のCPU30が実行する第1検出部31を用いた指針検出処理の制御手順を示すフローチャートである。
【0047】
この指針検出処理は、一日一回所定の検出処理開始時刻(機能針検出時刻)に開始される。この検出処理開始時刻は、検査実行可能時刻リスト36bに記憶された時刻の中から選択された時刻を基に設定される。本実施形態の指針検出処理では、例えば、機能針14が利用される頻度の高くない時刻として、2時55分が選択される。
ここで、機能針14の検出には、数秒を要する場合があるので(例えば、1秒間に機能針14を正転方向及び逆転方向にそれぞれ64ステップ及び32ステップ早送り移動可能な場合には、最長4秒弱)、機能針14の検出処理開始時刻は、上記選択された時刻より当該時間早く設定される。或いは、この検出処理開始時刻自体を検査実行可能時刻として検査実行可能時刻リスト36bに記憶させることとしても良い。
【0048】
指針検出処理が開始されると、CPU30は、先ず、現在時刻が機能針14の検出処理の開始可能時刻(検出可能時刻)であるか否かを判別する(ステップS11)。具体的には、CPU30は、検査実行可能時刻リスト36bと現在時刻とを比較して、現在時刻が検査実行可能時刻リスト36bに記憶された時刻に基づく機能針14の検出処理開始時刻として設定可能な時刻に該当するか否かを判別する。そして、機能針14の検出処理の開始可能時刻ではないと判別された場合には、機能針14の検出処理の開始可能時刻になるまで待機する。機能針14の検出処理の開始可能時刻であると判別された場合には、CPU30は、次に、機能針14が所定の機能に係る表示を行っているか否かを判別する(ステップS12)。この所定の機能に係る表示とは、通常の時刻表示以外の機能を実行中であることを示す表示であり、例えば、ストップウォッチ機能における経過時間の計測表示や、コンパス機能における方位の表示が挙げられる。機能針14が所定の機能に係る表示を行っていると判別された場合には、CPU30の処理は、ステップS11に戻る。即ち、12個の透過孔T1aが等間隔(1時間ごと)に設けられた本実施形態の時針車211を備えるアナログ電子時計1では、CPU30は、次の機能針14の検出処理の開始可能時刻まで1時間待機する。
【0049】
ステップS12の処理で機能針14が所定の機能に係る表示を行っていないと判別された場合には、CPU30は、第3検出部33を動作させて検出位置D3において第3検出部の光センサが発光部からの光を検出したか否かを判別する(ステップS13)。光を検出していないと判別された場合には、透過孔F1b〜F1dの少なくとも一つが検出位置D3に重なっていない状態であることを示すので、CPU30は、機能針14を1ステップ運針させ(ステップS14)、それから、処理をステップS13に戻す。第3検出部33の光センサが発光部からの光を検出したと判別された場合には、透過孔F1b〜F1dがいずれも検出位置D3で重なっている状態であると判断することができる。CPU30は、機能針14の位置情報を更新する(ステップS15)。
なお、ステップS14の処理において機能針14を359ステップ運針させたのにも関わらず光が検出されない場合には、アナログ電子時計1に何らかの異常が発生しているので、CPU30は、指針検出処理を異常終了させる。
【0050】
次に、CPU30は、第1検出部31を動作させて、発光部311の発光を光センサ312が検出したか否かについての検出結果を取得する(ステップS16)。CPU30は、検査実行可能時刻以降の検出結果を6回取得したか否かを判別し(ステップS17)、未だ6回取得されていないと判別された場合には、計時運針のタイミングを待って2回秒針13の運針を行わせる(ステップS18)。それから、CPU30の処理は、ステップS16に戻る。
なお、ステップS13〜S14のループ処理の実行回数が少ない段階で第3検出部33により光が検出され、ステップS15の処理が検査実行可能時刻よりも早く終了した場合には、CPU30は、検査実行可能時刻より前に第1検出部31による検出を行わせないこととしても良いし、検出を行わせて、参考データとして検出結果を取得しても良い。また、指針検出処理を開始してから検査実行可能時刻までの時刻指針11〜13の計時運針は、計時回路40からの入力信号に基づいて適宜実行される。
【0051】
ステップS17の判別処理で、検出結果が6回取得されたと判別された場合には、CPU30は、続いて、取得された6回の検出結果に光を検出したものが無かったか否かを判別する(ステップS19)。光を検出したものがあったと判別された場合には、CPU30は、秒穴パターン特定データ35bを参照し、最初の5回の検出結果における光検出の有無の配列と、秒穴パターン特定データ35bと比較して秒針13の位置を同定する。そして、CPU30は、この同定された秒針13の位置情報を更新する(ステップS20)。それから、CPU30の処理は、ステップS22に移行する。ステップS19の判別処理において、6回の検出結果に光を検出したものが無かったと判別された場合には、分針車221の透過孔T2a、及び/又は、時針車211の透過孔T1aが検出位置D1にはないと判断されて、CPU30は、指針位置の完全補正処理を呼び出して実行した(ステップS21)後に、ステップS22に処理を進める。
【0052】
ステップS22の処理に移行すると、CPU30は、第1モータ51〜第4モータ54に信号を送り、指針11〜14の更新された位置情報に基づき、時針11、分針12、及び、秒針13を現在時刻位置に移動させ、また、機能針14を指針検出処理開始前の指示位置に移動させる。そして、CPU30は、指針検出処理を終了する。
【0053】
次に、ステップS21における指針位置の完全補正処理について説明する。
図4は、CPU30による針位置完全補正処理の制御手順を示すフローチャートである。
この針位置完全補正処理は、指針検出処理において時針11及び又は分針12の指針位置情報が実際の指針位置と異なる場合に呼び出され、時針11、分針12、及び、秒針13の指針位置を検出して、RAM37に記憶されている針位置情報からずれている指針の位置を補正する処理である。
【0054】
針位置完全補正処理では、CPU30は、先ず、通常の計時運針を停止する(ステップS101)。それから、CPU30は、後述する分針12の検出処理を行う(ステップS102)。そして、CPU30は、分針12が検出されたか否かを判別し(ステップS103)、分針12が検出されたと判別された場合には、処理をステップS107に進める。分針12が検出されなかったと判別された場合には、CPU30は、後述する時針11の検出処理を行う(ステップS104)。そして、CPU30は、検出された時針位置情報に基づいて時針11の位置を補正し(ステップS105)、その後、改めて分針検出処理を行う(ステップS106)。それから、CPU30の処理は、ステップS107に移行する。
【0055】
ステップS107の処理に移行すると、CPU30は、取得された分針位置情報に基づいて、分針12の位置を補正する。CPU30は、後述する秒針検出処理を実行し(ステップS108)、検出された秒針位置情報に基づいて秒針13の位置を補正する(ステップS109)。そして、CPU30は、針位置完全補正処理を終了して機能針秒針検出処理に戻る。
なお、ステップS104の時針検出処理、ステップS106の分針検出処理、又は、ステップS108の秒針検出処理で指針が検出されなかった場合は、何らかの異常が発生しているので、CPU30は、処理を異常終了させる。
【0056】
図5〜図7は、それぞれ、指針完全補正処理で呼び出される分針検出処理、時針検出処理、及び、秒針検出処理のCPU30による制御手順を示すフローチャートである。
【0057】
ステップS102またはステップS106で分針検出処理が呼び出されると、図5に示すように、CPU30は、第1検出部31を動作させて光が検出されたか否かを判別する(ステップS201)。光が検出されたと判別された場合には、透過孔T2a、透過孔T1a、透過孔F1a、及び、透過孔T3a〜T3gの何れかが、全て検出位置D1に重なったと判断され、即ち、分針12の位置が同定されて、CPU30は分針検出処理を終了して、針位置完全補正処理に戻る。第1検出部31により光が検出されなかったと判別された場合には、CPU30は、第2モータ52に信号を送り、分針12を1ステップ運針させる(ステップS202)。それから、CPU30は、分針検出処理において分針12が360ステップ運針されたか否かを判別する(ステップS203)。分針12が360ステップ運針されていないと判別された場合には、CPU30の処理は、ステップS201に戻る。
【0058】
分針12が360ステップ運針されたと判別された場合には、CPU30は、第3モータ53に信号を送り、秒針13を30ステップ運針させる(ステップS204)。それから、CPU30は、第1検出部31により光が検出されたか否かを判別する(ステップS211)。光が検出されたと判別された場合には、分針12の位置が同定されて、CPU30は分針検出処理を終了し、針位置完全補正処理に戻る。第1検出部31により光が検出されなかったと判別された場合には、CPU30は、第2モータ52に信号を送り、分針12を1ステップ運針させる(ステップS212)。それから、CPU30は、分針検出処理において分針12が360ステップ運針されたか否かを判別する(ステップS213)。分針12が360ステップ運針されていないと判別された場合には、CPU30の処理は、ステップS211に戻る。分針12が360ステップ運針されたと判別された場合には、CPU30は、分針位置を同定出来ずに分針検出処理をNG終了して針位置完全補正処理に戻る。
【0059】
次に、ステップS104の処理で呼び出される時針検出処理は、機能針14の検出処理と同様の処理である。図6に示すように、CPU30は、先ず、第2検出部32を動作させて検出位置D2において光が検出されたか否かを判別する(ステップS301)。光が検出されたと判別された場合には、検出位置D2に透過孔T1bが重なったと判断されて時針11の位置が同定され、CPU30は時針検出処理を終了して、針位置完全補正処理に戻る。第2検出部32により光が検出されなかったと判別された場合には、CPU30は、第1モータ51に信号を送り、時針11を1ステップ運針させる(ステップS302)。それから、CPU30は、時針検出処理において時針11が360ステップ運針されたか否かを判別する(ステップS303)。時針11が360ステップ運針されたと判別された場合には、CPU30は時針検出処理をエラー終了して針位置完全補正処理に戻り、そのまま針位置完全補正処理もエラー終了する。一方、時針11が360ステップ運針されていないと判別された場合には、CPU30の処理は、ステップS301に戻る。
【0060】
ステップS108の処理で秒針検出処理が呼び出されると、図7に示すように、CPU30は、第1検出部31から光を検出したか否かの検出結果を取得する(ステップS401)。次に、CPU30は、第1検出部31から検出結果を6回取得したか否かを判別する(ステップS402)。6回検出結果を取得していないと判別された場合には、CPU30は、第3モータ53に信号を送り、秒針13を2ステップ運針させる(ステップS403)。それから、CPU30の処理は、ステップS401に戻る。
【0061】
第1検出部31から6回検出結果が取得されたと判別された場合には、CPU30は、続いて、6回の検出結果で1度も光を検出していないか否かを判別する(ステップS404)。1度も光を検出していないと判別された場合には、“YES”に分岐して、CPU30は、秒針検出処理をエラー終了して針位置完全補正処理に戻り、そのまま針位置完全補正処理も終了させる。一方、少なくとも一度光を検出したと判別された場合には、“NO”に分岐して、CPU30は、秒針13を検出したと判断して秒針検出処理を終了し、針位置完全補正処理に戻る。
【0062】
以上のように、本実施形態のアナログ電子時計1が備えた指針検出装置によれば、時針車211と、時針車211の回転に伴って回転する時針11と、時針車211と同一の回転軸Rに対して回転する分針車221と、分針車221の回転に伴って回転する分針12と、時針車211と同一の回転軸Rに対して回転する秒針車231と、秒針車231の回転に伴って回転する秒針13と、時針車211、分針車221、及び、秒針車231と同一の回転軸Rに対して回転する機能針車241と、機能針車241の回転に伴って回転する機能針14とについて、時針車211に設けられた透過孔T1a、分針車221に設けられた透過孔T2a、秒針車231に設けられた透過孔T3a〜T3gの何れか、及び、機能針車241に設けられた透過孔F1aが全て所定の検出位置D1で重なった状態を検出可能な第1検出部31と、機能針14の検出車247に設けられた透過孔F1b、中間車245に設けられた透過孔F1c、及び、三番車244に設けられた透過孔F1dを利用して機能針14の位置を検出する第3検出部33と、を備え、1日に一度所定のタイミングで機能針14を移動させて検出位置D3において第3検出部33による機能針14の位置検出を行う際に、続けて第1検出部31による時刻表示用の各指針11〜13の位置検出を行う。従って、機能針14の位置検出以外のタイミングで、他の指針位置検出のために機能針14の位置を移動させなければならない状況を防ぐことが出来るので、機能針14の表示機能を損なったり、不要な機能針14の移動で見栄えを損なったりすることを防ぐことが出来る。
【0063】
また、透過孔T2aが検出位置D1にある時刻(例えば、毎時55分)のうち、複数の時刻で透過孔T1aも検出位置D1にあるように透過孔T1aが複数個設けられ、一方、検出車217に設けられた透過孔T1b、中間車215に設けられた透過孔T1c、及び、三番車214に設けられたT1dが検出位置D2で重なった状態を検出する第2検出部32を設ける。このような構成とすることにより、時針11の位置が分針12及び秒針13と別個に検出可能となり、分針12又は秒針13にずれが生じた場合に少ない指針移動動作で時針11、分針12、及び、秒針13の全ての指針位置を同定することが出来る。
【0064】
また、通常の時刻表示状態において、機能針14の検出処理が終了したタイミングで透過孔T1a及び透過孔T2aと、透過孔T3a〜T3gの何れかとが検出位置D1にあるように機能針14の検出処理の実行開始タイミングを設定することで、時針11、分針12、及び、秒針13を余分に移動させる必要がなく時針11、分針12、及び、秒針13が正しい位置にあることを確認することが出来る。
【0065】
また、上記複数の透過孔T1aのうち一の透過孔が検出位置D1に重なるタイミングを選択して第1検出部31による分針12及び秒針13の指針位置検出を行うことが出来るので、機能針14による機能表示が行われている状況を避けたタイミングを選択して分針12及び秒針13の指針位置検出を行うことが出来る。
【0066】
また、透過孔F1bを検出位置D3に一致させた場合に、透過孔F1aが検出位置D1に一致するように透過孔F1a〜F1dの位置を配置させることで、機能針14を不要に移動させることを防ぐことが出来る。
【0067】
また、透過孔T1b〜T1dを用いた第2検出部32による時針11の位置の検出を第1検出部31による指針位置検出動作の前に実行することで、この第1検出部31による指針位置検出動作の際に時針11が位置ずれする可能性を抑えて、分針12及び秒針13の指針位置検出動作を容易にすることが出来る。
【0068】
また、秒針車231に設けられた透過孔T3a〜T3gは、秒針13の2ステップ分に当たる12度を1単位で透過孔の有無が配列されるように設けられ、また、5単位連続した透過孔の有無の配列が当該配列の開始ステップ毎に一意に定まるように設けられているので、秒針13のずれの大きさに関わらず、任意の5単位分の配列データを検出することで秒針13の位置を同定することが出来る。また、分針12及び/又は秒針13に組付け誤差がある場合であっても、当該組付け誤差の大きさに基づいて設定されたタイミングで5単位分の配列データを検出することで秒針13の位置を同定することが出来る。
【0069】
また、秒針車231における透過孔の形成有無の配列は、任意のステップにおける透過孔の形成有無がその180度(30秒)反対側のステップにおける透過孔の形成有無と必ず反対になるように配列されているので、分針12及び秒針13の位置が何れも同定されていない場合に、秒針13の位置を当該180度反対の2ステップに設定して分針12をそれぞれ回転動作させることで必ず分針12の位置を同定することが出来る。従って、分針検出処理における運針回数の最大値を小さく抑えることが出来る。
【0070】
また、機能針14が例えば機能モードの表示に用いられる場合に、時刻表示モードを示す指針位置といった基準となる指針位置が示されている状態で透過孔F1aが検出位置D1に重なるように、機能針車241に透過孔F1aが設けられているので、機能針14の検出時に機能針車241を回転動作させる必要が生じる可能性を抑えて機能針14の検出に必要な電力消費量を抑えることが出来る。
【0071】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施の形態では、分針の組付け誤差を考慮した透過孔T3a〜T3gを設けたが、他の透過孔の形成パターンを用いた場合にも本発明を適用することが出来る。また、複数の透過孔T1a及び時針11についての別個の第2検出部32を備えない指針位置検出装置に適用することも可能である。
【0072】
また、透過孔F1b〜F1dが検出位置D3に重なる機能針14の位置と透過孔F1aが検出位置D1に重なる機能針14の位置とを若干ずらすことで、電力消費量や検出処理の時間を大きく増加させないようにしながら機能針14の検出処理の状態と、分針12及び秒針13の検出処理の状態をユーザが識別可能とすることとしても良い。
【0073】
また、機能針14の指示方向が、例えば、60ステップなどで、2秒以内に機能針14の検出処理が終了できる場合や、分針12の指示方向が、例えば、180ステップなどで、20秒間隔で分針12が駆動される場合には、機能針14の検出処理を透過孔T1a、T2a、及び、T3a〜T3gの何れかが検出位置D1に重なるタイミングに開始することとしても、分針12が検出位置D1から移動する前に機能針14の検出と分針12及び秒針13の検出を終えることが出来る。また、この場合には、機能針14の検出に要した時間の長短に関わらず、機能針14の検出が終了すると同時に時刻指針11〜13の検出処理を同一条件で開始することが出来る。従って、指針検出処理をより容易に実行することが出来る。
【0074】
また、上記実施の形態では、機能針14が一本であるとして説明したが、複数の機能針が同一回転軸を中心に回動可能に設けられている場合に適用することも可能である。また、上記実施の形態では、時針11、分針12、及び、秒針13を備えたアナログ電子時計1における指針検出装置について説明したが、秒針13を備えないアナログ電子時計1の指針位置検出装置や、例えば、同一回転軸を中心に回動可能な曜日表示用の指針を更に備えるアナログ電子時計1の指針位置検出装置にも適用することが出来る。
その他、上記実施の形態で示した具体的な構成、手順や数値は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0075】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0076】
[付記]
<請求項1>
時刻歯車と、
前記時刻歯車の回転に伴って回転し、時刻を表示する時刻指針と、
前記時刻歯車と同一の回転軸に対して回転する機能歯車と、
前記機能歯車の回転に伴って回転し、時刻以外の所定の情報を表示する機能針と、
前記機能歯車と連動して回転する機能中間歯車と、
前記時刻歯車において、一の円周上に設けられた時刻被検出部と、
前記機能歯車において、前記機能針の一の指針位置と対応して、前記時刻被検出部と同一円周上に設けられた機能車被検出部と、
前記機能中間歯車上に設けられた機能中間車被検出部と、
前記時刻被検出部及び前記機能車被検出部が所定の第1時刻検出位置で重なった状態を検出する第1時刻検出手段と、
予め設定された機能針検出時刻に前記機能中間歯車を回転動作させて前記機能中間車被検出部が所定の機能針検出位置にある状態を検出する機能針検出手段と
を備え、
前記第1時刻検出手段は、前記機能針検出手段が前記機能中間車被検出部を検出した直後に検出動作を行う
ことを特徴とする指針位置検出装置。
<請求項2>
前記時刻歯車は、
第1時刻歯車と第2時刻歯車とを含み、
前記時刻指針は、
前記第1時刻歯車によって回転する第1時刻指針と、前記第2時刻歯車によって回転し、前記第1時刻指針より大きい時刻単位を表示する第2時刻指針と、を含み、
前記第1時刻歯車上に設けられた第1時刻被検出部と、
前記第2時刻歯車上に複数個設けられた第2時刻被検出部と、
前記第2時刻歯車と連動して回転する第2時刻中間歯車と、
前記第2時刻中間歯車に設けられた第2中間車被検出部と、
前記第2中間車被検出部が第2時刻検出位置にある状態を検出する第2時刻検出手段と
を備え、
前記第2中間車被検出部は、前記第2時刻指針が前記第2時刻検出時刻を示す指針位置にある場合にのみ第2時刻検出位置において前記第2時刻検出手段により検出されるように配置され、
前記第2時刻被検出部の各々は、前記第1時刻被検出部が前記第1時刻検出位置にあるタイミングのうち一部又は全部において当該第1時刻検出位置にあるように配置され、
前記第1時刻検出手段は、前記第2時刻被検出部の各々が前記第1時刻検出位置にある第1時刻検出時刻のうち何れか一の選択された時刻において前記第1時刻被検出部、前記第2時刻被検出部、及び、前記機能車被検出部の全てが前記第1時刻検出位置で重なった状態を検出する
ことを特徴とする請求項1記載の指針位置検出装置。
<請求項3>
前記機能針検出時刻は、前記一の選択された前記第1時刻検出時刻よりも、前記機能中間車被検出部の検出に必要な所定時間前に設定される
ことを特徴とする請求項2記載の指針位置検出装置。
<請求項4>
前記機能針検出手段は、一の前記第1時刻検出時刻の前に設定された前記機能針検出時刻に前記機能針が所定の機能に係る表示を行っている場合には、次の前記第1時刻検出時刻の前に設定された前記機能針検出時刻まで前記機能中間車被検出部の検出動作を延期し、
前記第1時刻検出手段は、前記機能針検出手段による前記機能中間車被検出部の検出が行われるまで前記時刻指針の検出動作を延期する
ことを特徴とする請求項3記載の指針位置検出装置。
<請求項5>
前記機能針検出手段による前記機能中間車被検出部の検出に必要な所定時間と、当該機能針検出手段による検出動作の直後に行われる前記第1時刻検出手段の検出動作に必要な最短時間との和は、前記第1時刻指針及び前記第2時刻指針の動作間隔未満であり、
前記機能針検出時刻は、前記第1時刻検出時刻に設定される
ことを特徴とする請求項2に記載の指針位置検出装置。
<請求項6>
前記機能車被検出部は、前記機能中間車被検出部が前記機能針検出位置にある場合に、前記第1時刻検出位置にあるように配置されている
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の指針位置検出装置。
<請求項7>
前記第2時刻検出手段は、前記一の選択された前記第1時刻検出時刻より前に前記第2中間車被検出部の検出動作を行う
ことを特徴とする請求項3〜6の何れか一項に記載の指針位置検出装置。
<請求項8>
前記時刻歯車には、
前記第1時刻歯車と同一の回転軸に対して所定の角度ステップで回転する第3時刻歯車が含まれ、
前記時刻指針には、
前記第3時刻歯車の回転に伴って回転し、前記第1時刻指針より小さい時刻単位を表示する第3時刻指針が含まれ、
前記第3時刻歯車において、前記回転軸を中心とする前記一の円周上に設けられた第3時刻被検出部を備え、
前記第3時刻被検出部は、前記一の円周上において前記所定の角度ステップの2倍の角度を単位角度とした複数の角度範囲に分割されて設けられ、前記単位角度N個(Nは5以上10以下の整数)に亘り連続した角度範囲における当該第3時刻被検出部の形成有無に係る配列パターンが当該角度範囲の開始位置ごとに一意に定まるように形成されており、
前記第1時刻検出手段は、前記第1時刻被検出部、前記機能車被検出部、及び、前記第2時刻被検出部が前記第1時刻検出位置で重なった状態において、連続した前記単位角度N個分の前記第3時刻被検出部の形成有無に係る配列パターンを検出することで前記第3時刻指針の位置を同定する
ことを特徴とする請求項3〜7の何れか一項に記載の指針位置検出装置。
<請求項9>
前記第3時刻被検出部は、各角度ステップにおける当該第3時刻被検出部の形成有無と、当該各角度ステップの前記回転軸に対して180度反対側の角度ステップにおける前記第3時刻被検出部の形成有無とが反転するように前記配列パターンが形成されている
ことを特徴とする請求項8に記載の指針位置検出装置。
<請求項10>
前記機能中間車被検出部の検出に必要な前記所定時間と、前記第1時刻検出手段による前記単位角度N個分に亘る前記第3時刻被検出部の形成有無に係る配列パターンの検出に必要な時間との和は、前記第1時刻指針及び前記第2時刻指針の動作間隔未満であり、
前記機能針検出時刻は、前記第1時刻検出時刻に設定される
ことを特徴とする請求項8又は9に記載の指針位置検出装置。
<請求項11>
前記機能車被検出部は、前記機能針が所定の基準となる指針位置にある場合に、前記機能針検出位置にあるように設けられている
ことを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の指針位置検出装置。
【符号の説明】
【0077】
1 アナログ電子時計
11 時針
12 分針
13 秒針
14 機能針
21〜24 輪列機構
30 CPU
31 第1検出部
311 発光部
312 光センサ
32 第2検出部
33 第3検出部
35 EEPROM
35a 検査タイミング補正値
35b 秒穴パターン特定データ
36 ROM
36a 秒穴パターンデータテーブル
36b 検査実行可能時刻リスト
37 RAM
38 発振回路
39 分周回路
40 計時回路
41 電源部
42 アンテナ
43 検波回路
44 照明駆動回路
45 照明部
51 第1モータ
51a ロータ
52 第2モータ
52a ロータ
53 第3モータ
53a ロータ
54 第4モータ
54a ロータ
211 時針車
212、213、215 中間車
214 三番車
217 検出車
221 分針車
222 三番車
223 中間車
231 秒針車
232 五番車
241 機能針車
242、243、245 中間車
244 三番車
247 検出車
D1、D2、D3 検出位置
F1a〜F1d、T1a〜T1d、T2a、T2b、T3a〜T3g 透過孔
R、Ra、Rb 回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時刻歯車と、
前記時刻歯車の回転に伴って回転し、時刻を表示する時刻指針と、
前記時刻歯車と同一の回転軸に対して回転する機能歯車と、
前記機能歯車の回転に伴って回転し、時刻以外の所定の情報を表示する機能針と、
前記機能歯車と連動して回転する機能中間歯車と、
前記時刻歯車において、一の円周上に設けられた時刻被検出部と、
前記機能歯車において、前記機能針の一の指針位置と対応して、前記時刻被検出部と同一円周上に設けられた機能車被検出部と、
前記機能中間歯車上に設けられた機能中間車被検出部と、
前記時刻被検出部及び前記機能車被検出部が所定の第1時刻検出位置で重なった状態を検出する第1時刻検出手段と、
予め設定された機能針検出時刻に前記機能中間歯車を回転動作させて前記機能中間車被検出部が所定の機能針検出位置にある状態を検出する機能針検出手段と
を備え、
前記第1時刻検出手段は、前記機能針検出手段が前記機能中間車被検出部を検出した直後に検出動作を行う
ことを特徴とする指針位置検出装置。
【請求項2】
前記時刻歯車は、
第1時刻歯車と第2時刻歯車とを含み、
前記時刻指針は、
前記第1時刻歯車によって回転する第1時刻指針と、前記第2時刻歯車によって回転し、前記第1時刻指針より大きい時刻単位を表示する第2時刻指針と、を含み、
前記第1時刻歯車上に設けられた第1時刻被検出部と、
前記第2時刻歯車上に複数個設けられた第2時刻被検出部と、
前記第2時刻歯車と連動して回転する第2時刻中間歯車と、
前記第2時刻中間歯車に設けられた第2中間車被検出部と、
前記第2中間車被検出部が第2時刻検出位置にある状態を検出する第2時刻検出手段と
を備え、
前記第2中間車被検出部は、前記第2時刻指針が前記第2時刻検出時刻を示す指針位置にある場合にのみ第2時刻検出位置において前記第2時刻検出手段により検出されるように配置され、
前記第2時刻被検出部の各々は、前記第1時刻被検出部が前記第1時刻検出位置にあるタイミングのうち一部又は全部において当該第1時刻検出位置にあるように配置され、
前記第1時刻検出手段は、前記第2時刻被検出部の各々が前記第1時刻検出位置にある第1時刻検出時刻のうち何れか一の選択された時刻において前記第1時刻被検出部、前記第2時刻被検出部、及び、前記機能車被検出部の全てが前記第1時刻検出位置で重なった状態を検出する
ことを特徴とする請求項1記載の指針位置検出装置。
【請求項3】
前記機能針検出時刻は、前記一の選択された前記第1時刻検出時刻よりも、前記機能中間車被検出部の検出に必要な所定時間前に設定される
ことを特徴とする請求項2記載の指針位置検出装置。
【請求項4】
前記機能針検出手段は、一の前記第1時刻検出時刻の前に設定された前記機能針検出時刻に前記機能針が所定の機能に係る表示を行っている場合には、次の前記第1時刻検出時刻の前に設定された前記機能針検出時刻まで前記機能中間車被検出部の検出動作を延期し、
前記第1時刻検出手段は、前記機能針検出手段による前記機能中間車被検出部の検出が行われるまで前記時刻指針の検出動作を延期する
ことを特徴とする請求項3記載の指針位置検出装置。
【請求項5】
前記機能針検出手段による前記機能中間車被検出部の検出に必要な所定時間と、当該機能針検出手段による検出動作の直後に行われる前記第1時刻検出手段の検出動作に必要な最短時間との和は、前記第1時刻指針及び前記第2時刻指針の動作間隔未満であり、
前記機能針検出時刻は、前記第1時刻検出時刻に設定される
ことを特徴とする請求項2に記載の指針位置検出装置。
【請求項6】
前記機能車被検出部は、前記機能中間車被検出部が前記機能針検出位置にある場合に、前記第1時刻検出位置にあるように配置されている
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の指針位置検出装置。
【請求項7】
前記第2時刻検出手段は、前記一の選択された前記第1時刻検出時刻より前に前記第2中間車被検出部の検出動作を行う
ことを特徴とする請求項3〜6の何れか一項に記載の指針位置検出装置。
【請求項8】
前記時刻歯車には、
前記第1時刻歯車と同一の回転軸に対して所定の角度ステップで回転する第3時刻歯車が含まれ、
前記時刻指針には、
前記第3時刻歯車の回転に伴って回転し、前記第1時刻指針より小さい時刻単位を表示する第3時刻指針が含まれ、
前記第3時刻歯車において、前記回転軸を中心とする前記一の円周上に設けられた第3時刻被検出部を備え、
前記第3時刻被検出部は、前記一の円周上において前記所定の角度ステップの2倍の角度を単位角度とした複数の角度範囲に分割されて設けられ、前記単位角度N個(Nは5以上10以下の整数)に亘り連続した角度範囲における当該第3時刻被検出部の形成有無に係る配列パターンが当該角度範囲の開始位置ごとに一意に定まるように形成されており、
前記第1時刻検出手段は、前記第1時刻被検出部、前記機能車被検出部、及び、前記第2時刻被検出部が前記第1時刻検出位置で重なった状態において、連続した前記単位角度N個分の前記第3時刻被検出部の形成有無に係る配列パターンを検出することで前記第3時刻指針の位置を同定する
ことを特徴とする請求項3〜7の何れか一項に記載の指針位置検出装置。
【請求項9】
前記第3時刻被検出部は、各角度ステップにおける当該第3時刻被検出部の形成有無と、当該各角度ステップの前記回転軸に対して180度反対側の角度ステップにおける前記第3時刻被検出部の形成有無とが反転するように前記配列パターンが形成されている
ことを特徴とする請求項8に記載の指針位置検出装置。
【請求項10】
前記機能中間車被検出部の検出に必要な前記所定時間と、前記第1時刻検出手段による前記単位角度N個分に亘る前記第3時刻被検出部の形成有無に係る配列パターンの検出に必要な時間との和は、前記第1時刻指針及び前記第2時刻指針の動作間隔未満であり、
前記機能針検出時刻は、前記第1時刻検出時刻に設定される
ことを特徴とする請求項8又は9に記載の指針位置検出装置。
【請求項11】
前記機能車被検出部は、前記機能針が所定の基準となる指針位置にある場合に、前記機能針検出位置にあるように設けられている
ことを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の指針位置検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−68494(P2013−68494A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206764(P2011−206764)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】