説明

振動警報装置

【課題】物品が受ける加速度を演算して予測し、当該予測加速度が制限値を超える場合に、運転者に警報を発するようにして、車両の速度を減速させて物品が受ける衝撃を事前に抑制する振動警報装置を提供する。
【解決手段】牽引車両1の路面9に近い部分に、トレーラ11の進行方向前方の路面9上の段差の有無と、段差の程度(値)を検知する路面検知手段4を備える。この路面検知手段4は、例えば、マイクロ波、或いは超音波を路面9に放射して、その反射波を検知するセンサで構成される。また、前輪5には、無回転ホイールキャップに牽引車両1の前輪5が受けている振動を検知する前輪振動検知手段5aを備える。更に、荷台6に積載された物品7には、物品7が現在受けている加速度を検知する加速度検知手段8を適所に設置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動警報装置に関し、特に、車両に搭載した物品を輸送中に、当該物品が受ける制限値以上の加速度を事前に予測して警報を発する振動警報装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
変電所においては、変圧器の点検又は故障の際に、或いは変電所の工事期間中に、停止した変圧器の代わりに移動用変圧器が使われる。この移動用変圧器は、移動に便利なようにトレーラの荷台に常備され、変電所の要請によりいつでも移動できるように待機している。そして要請があると牽引車両により変電所に移送されるが、変電所によっては山間部の道路を長距離移動しなければならない場合も発生するため、輸送中に受けた振動、及び衝撃により内部にダメージを受けている可能性がある。そこで、変圧器の安全性を確認するために、設置して稼動させる前に耐電圧試験を実施している。しかし、耐電圧試験は、大規模な試験装置を準備しなければならず、また、高電圧を印加するため危険性を伴うといった課題がある。
これらの課題を解消するために、輸送中の衝撃値を管理する方法が従来から提案されている。例えば、特許文献1には、荷台と荷物の三軸方向に夫々加速度センサを取り付け、これらの加速度センサからの値が閾値を超えた場合に警報を発する安全輸送システムについて開示されている。また、特許文献2には、輸送物に衝撃検出装置を取り付け、その情報をネットワークを介して利用者端末で受信して、閾値と比較して警報情報を発生するか否かを判断する輸送衝撃管理装置について開示されている。また、特許文献3には、荷台のGセンサのデータの大きさが閾値以上の場合に、運転席に警報を発する警報装置付輸送用衝撃測定器について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−14828公報
【特許文献2】特開2002−243755公報
【特許文献3】特開2009−133785公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、各特許文献に開示されている従来技術は、衝撃が閾値を超えた後に警報を発するため、輸送物への衝撃を事前に抑制することができないといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、 車両の進行方向の路面段差データ、及び車両運行状態から、物品が受ける加速度を演算して予測し、当該予測加速度が制限値を超える場合に、運転者に警報を発するようにして、車両の速度を減速させて物品が受ける衝撃を事前に抑制する振動警報装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、物品を積載した車両が道路を走行する際に、該道路の状況の変化に応じて該物品に加わる加速度の変化を事前に予測し、該加速度が制限値を超える虞がある場合に運転者に警報を発する振動警報装置であって、前記車両の進行方向前方の路面上の段差の有無と、該段差の程度(値)を検知する路面検知手段と、前記物品が現在受けている加速度を検知する加速度検知手段と、前記車両の現在の速度、及び前記現在の速度から予測される速度変化量、並びに操作ハンドルの操作角度から該車両が現在通過している道路のカーブ半径を検知する運行状態検知手段と、前記路面検知手段、前記加速度検知手段、及び前記運行状態検知手段より得られた各データに基づいて前記車両が前記段差を通過する際に前記物品が受けると予測される予測加速度を演算する演算手段と、該演算手段の指示により警報を発する警報手段と、を備えたことを特徴とする。
従来から、物品に加速度計を取り付け、加速度計の値が制限値を超えた場合に警報を発して運転者に報知していた。しかし、これは物品に制限値以上の衝撃が加わった後の措置であるため、衝撃から物品を保護することはできなかった。そこで本発明は、車両が段差を通過する際に、物品が受けると予測される予測加速度を演算して、予測加速度が制限値を超えた場合に運転者に警報を発することにより、物品に衝撃が加わる前に車両の速度を減速させることが可能となるので、物品が受けると予測される加速度(衝撃)を抑制することができる。
【0006】
請求項2は、前記演算手段は、前記加速度検知手段により検知した加速度データが予め定めた制限値に達していない時に、前記運行状態検知手段、及び前記路面検知手段から得られた各データに基づいて前記予測加速度を演算し、該演算結果が前記制限値を超える場合、安全速度を計算して前記現状速度から該安全速度を減算して必要減速値を導くと共に、前記警報手段に対して警報を発するように指示することを特徴とする。
加速度データが制限値に達している場合は、何らかの原因で既に物品が制限値を超える加速度を受けたことを示している。従って、その時点で車両を停止させて物品の輸送を中止する必要がある。本発明では、加速度検知手段が検知した加速度データが制限値に達していない条件で予測加速度を演算する。それには、車両の現在の速度、及び速度変化、並びに操作ハンドルの操作角度、更には路面の段差の程度(値)に基づいて予測加速度を演算する。演算結果が制限値を超えていない場合は走行を継続し、制限値を超えている場合は、安全速度を計算して必要減速値を導き警報を発する。これにより、制限値を超える加速度が物品に加わる直前に警報を発せられるので、制限値を超える加速度が物品に加わることを防止することができる。
請求項3は、前記必要減速値を表示する表示手段を更に備えたことを特徴とする。
予測加速度が制限値を超えると、車両の速度を減速させなければならない。そのためには、運転者に警報を発すると同時に、どの位の速度まで減速するかを報知する必要がある。そこで本発明では、必要減速値を表示する表示手段を更に備えて運転者に報知する。これにより、運転者は速度指示を目視で確認することができる。
【0007】
請求項4は、前記車両の速度変化をΔVx,前記車両の速度変化に要した時間をΔtx、前記車両の速度をVx、通過している道路のカーブ半径をR、前記車両落下時の地面着地速度をVz、地面着地時の速度吸収時間をΔtz、及び重力の加速度をgとしたとき、前記予測加速度αは、α=(ΔVx/Δtx)+(Vx2/R)+(Vz/Δtz)−gにより求めることを特徴とする。
予測加速度は、車両の速度変化により発生する加速度と、車両がカーブを周回するときの加速度と、前輪が路面の段差を走行するときに発生する加速度との和から重力の加速度を減算したものとして表される。これにより、簡単な演算で予測加速度を演算することができる。
請求項5は、前記車両の前輪が受けている振動を検知する前輪振動検知手段を更に備え、前記演算手段は、前記前輪振動検知手段により検知した前輪の振動データを後輪に加わる衝撃量に換算して、該衝撃量が制限値を超えた場合に、前記警報手段に対して予告警報を発するように指示することを特徴とする。
本発明では、車両の前輪に、前輪が受けている振動を検知する前輪振動検知手段を更に備える。前輪の振動は基本的に後輪に時間差をもって伝達される。そこで本発明では、前輪振動検知手段により検知した前輪の振動データを後輪に加わる衝撃量に換算して、この衝撃量が制限値を超えた場合に、警報手段により予告警報を発する。これにより、運転者が道路の路面状況を認識して、その路面状況に応じた運転を行うことができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、車両が段差を通過する際に、物品が受けると予測される予測加速度を演算して、予測加速度が制限値を超えた場合に運転者に警報を発することにより、車両の速度を減速させることが可能となるので、物品が受けると予測される加速度を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る振動警報装置を備えた車両の一例を示す概観図である。
【図2】本発明に係る振動警報装置の演算手段と各検知手段との関係を表す図である。
【図3】本発明に係る振動警報装置の演算手段の内部構成を示す図である。
【図4】本発明に係る振動警報装置の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0011】
図1は、本発明に係る振動警報装置を備えた車両の一例を示す概観図である。本実施形態では、車両として牽引車両1により荷台6を牽引するトレーラ11を例として説明する。トレーラ11は矢印の方向に走行するものとする。牽引車両1が走行する路面9に近く且つ前方部分に、トレーラ11の進行方向前方の路面上の段差の有無と、段差の程度(値)を検知する路面検知手段4を備える。この路面検知手段4は、例えば、マイクロ波、或いは超音波を路面9に放射して、その反射波を検知するセンサで構成される。また、前輪5には、無回転ホイールキャップ(車輪の上下方向の動きは伝達するが、車軸の回転力は伝達しな構成)に牽引車両1の前輪5が受けている振動を検知する前輪振動検知手段5aを備える。更に、荷台6に積載された物品7には、物品7が現在受けている加速度を検知する加速度検知手段8を適所に設置している。
尚、路面検知手段4、前輪振動検知手段5a、及び加速度検知手段8から得られたデータは有線、又は無線により演算手段3に送信される。本実施形態では、路面検知手段4、前輪振動検知手段5a、及び加速度検知手段8に夫々送信機を備え、得られたデータを送信して、アンテナ2を介して演算手段3により受信される構成として説明する。また、図示は省略するが、トレーラ11の現在の速度、及び速度変化、並びに操作ハンドルの操作角度から判定されるトレーラ11が現在通過している道路のカーブ半径を検知する運行状態検知手段10(図2参照)を備えている。
演算手段3は、路面検知手段4、加速度検知手段8、及び運行状態検知手段10より得られた各データに基づいて牽引車両1が段差を通過する際に物品7が受けると予測される予測加速度を演算する。また、運転席内には図示は省略するが演算手段3の指示により警報を発する警報装置13(図3参照)と、現状速度から安全速度を減算して求めた必要減速値を表示する表示装置14(図3参照)が備えられている。
【0012】
次に、本発明に係る振動警報装置50の概略動作について説明する。トレーラ11は、予め車両データとして車体重量、タイヤ径、空気圧を演算手段3に入力しておく。この車両データにより加速度の値が異なるため、正確な予測加速度を演算するためには必要である。入力が完了するとトレーラ11の運転を開始する。演算手段3には、リアルタイムに各センサからのデータが入力され、加速度検知手段8の加速度が制限値(通常の加速度の約3倍)を超えていない場合、演算手段3は常に予測加速度を演算する。もし、演算手段3により演算した予測加速度の結果が、制限値を超えた場合は、運転者に警報を発すると共に、安全速度を演算して、その結果から必要減速値を表示装置14に表示する。運転者は、その値を確認して必要減速値までトレーラ11の速度を減速する。尚、予測加速度を演算する以前に、加速度検知手段8の値が制限値を超えた場合は、何らかの原因により、物品7がダメージを受けている可能性があるので、トレーラ11を停止して、物品7の輸送を中止する。
従来から、物品7に加速度計8を取り付け、加速度計8の値が制限値を超えた場合に警報を発して運転者に報知していた。しかし、これでは物品7に制限値以上の衝撃が加わった後であるため、衝撃から物品7を保護することはできなかった。そこで本実施形態は、牽引車両1が段差を通過する際に、物品7が受けると予測される予測加速度を演算して、予測加速度が制限値を超えた場合に運転者に警報を発することにより、物品7に衝撃が加わる前にトレーラ11の速度を減速させることが可能となるので、物品7が受けると予測される加速度を抑制することができる。
【0013】
図2は本発明に係る振動警報装置の演算手段と各検知手段との関係を表す図である。演算手段3は、牽引車両1の運転席内に配置され、アンテナ2と接続されている。本発明では、路面検知手段4、前輪振動検知手段5、加速度検知手段8が無線で接続され、夫々が備える図示しない送信機によりデータが送信されて、アンテナ2を介して演算手段3で受信される。また、運転状態検知手段10は有線で接続されている。特に、前輪振動検知手段5は、回転する前輪の無回転ホイールキャップに取り付けてはいるが、有線で行うとケーブルが車輪に巻きつく虞があるため、無線でデータの送信を行うのが好ましい。また、荷台6の物品7に取り付けた加速度検知手段8は、物品7が移動用変圧器の場合、牽引車両1と荷台6を切り離すため、無線でデータを送信する形態が好ましい。また、運転状態検知手段は、速度計、ハンドルの操作角度、及びブレーキの操作を検知するため運転席内に設置して有線で各センサと接続される。
【0014】
図3は本発明に係る振動警報装置の演算手段の内部構成を示す図である。演算手段3は、各検知手段から受信したデータや、演算結果を記憶する記憶装置12と、予測加速度が制限値を超えたときに、演算装置18からの指示により警報を発する警報装置13と、予測加速度が制限値を超えたときに、安全速度を演算して、その結果から必要減速値を表示する表示装置14と、各検知手段からの検知データをアンテナ2を介して受信する受信機15と、トレーラ11の位置情報をGPS衛星から受信して、当該トレーラ11の位置を計算するGPS受信機16と、演算手段3の全体を制御する演算装置18と、各装置にバッテリから供給されたDC電圧を異なるDC電圧に変換して供給するDC/DCコンバータ17と、を備えて構成されている。また、運行状態検知手段10とは有線で接続されている。尚、各検知手段と有線で接続する場合は、アンテナ2と受信機15は不要である。また、GPS受信機16は本発明では必ずしも必要ではなく、備えなくとも構わない。
【0015】
図4は本発明に係る振動警報装置の動作を説明するフローチャートである。トレーラ11は、予め車両データとして車体重量、タイヤ径、空気圧を演算手段3に入力しておく(S1)。入力が完了するとトレーラ11の運転を開始する。演算手段3には、リアルタイムに各センサからのデータが入力され、前輪振動検知手段5から得られた前輪5の振動データを後輪に加わる衝撃量に換算する(S2)。そして、演算手段3は衝撃量が制限値を超えているか否かをチェックして、制限値を超えていた場合は(S3でY)、運転者に対して予告警報を発する(S4)。次に、加速度検知手段8の加速度が制限値(通常の加速度の約3倍)を超えていない場合(S5でY)、トレーラ11の現在の速度、速度変化、及びハンドルの操作角度を計測する(S6)。そして、路面検知手段4により、進行方向前方の路面上の段差の有無と、段差の値を計測する(S7)。演算手段3は計測したこれらのデータに基づいて予測加速度を演算する(S8)。尚、演算の方法は、現在の車両の速度から予測される速度変化量をΔVx,車両の速度変化に要した時間をΔtx、車両の速度をVx、通過している道路のカーブ半径をR、車両落下時の地面着地速度をVz(重力加速度をg、段差をhとすると、(2gh)1/2と等価)、地面着地時の速度吸収時間をΔtz(定数をkとすると、kVzと等価となる。ただし、データを事前に収集して、ΔVz=kVzとして、定数kを決定しておく。)、及び重力の加速度をgとしたとき、予測加速度αは、
α=(ΔVx/Δtx)+(Vx2/R)+(Vz/Δtz)−g
により求める。
【0016】
演算手段3が予測加速度を演算した結果が、制限値を超えた場合は(S9でY)、安全速度を演算して現状速度から安全速度を減算して必要減速値を導き(S10)、運転者に警報を発する(S11)と共に、その結果から必要減速値を表示装置14に表示する(S12)。運転者は、その値を確認して必要減速値までトレーラ11の速度を減速する。尚、予測加速度を演算する以前に、トレーラ11が停車中に、何らかの原因により、物品7が外部からダメージを受けているか否かを調べるために、加速度検知手段8の値を調べて、この値が制限値を超えている場合は(S5でN)、ダメージを受けていると判断して、物品7の輸送を中止する(S13)。
【0017】
以上の説明により、本発明によれば、車両が段差を通過する際に、物品7が受けると予測される予測加速度を演算して、予測加速度が制限値を超えた場合に運転者に警報を発することにより、物品に衝撃を与える前に車両の速度を減速することが可能となるので、物品7が受けると予測される加速度を抑制することができる。
【0018】
また、車両の現在の速度、及び速度変化、並びに操作ハンドルの操作角度、更には路面の段差の程度(値)に基づいて予測加速度を演算し、制限値を超える場合は、安全速度を計算して必要減速値を導き警報を発するので、制限値を超える加速度が物品7にかかる直前に警報を発して制限値を超える加速度が物品7にかかることを防止することができる。
また、必要減速値を表示する表示装置14を更に備えるので、運転者は速度指示を目視で確認することができる。
また、予測加速度は、車両の速度変化により発生する加速度と、車両がカーブを周回するときの加速度と、前輪が路面の段差を走行するときに発生する加速度との和から重力の加速度を減算したものとして表されるので、簡単な演算で予測加速度を演算することができる。
また、前輪振動検知手段5により検知した前輪の振動データを後輪に加わる衝撃量に換算して、この衝撃量が制限値を超えた場合に、警報装置13に対して予告警報を発するように指示するので、運転者が道路の路面状況を認識して、その路面状況に応じた運転を行うことができる。
【符号の説明】
【0019】
1 牽引車両、2 アンテナ、3 演算手段、4 路面検知手段、5 前輪、5a 前輪振動検知手段、6 荷台、7 物品、8 加速度検知手段、9 路面、10 運行状態検知手段、11 トレーラ、12 記憶装置、13 警報装置、14 表示装置、15 受信機、16 GPS受信機、17 DC/DCコンバータ、18 演算装置、50 振動警報装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を積載した車両が道路を走行する際に、該道路の状況の変化に応じて該物品に加わる加速度の変化を事前に予測し、該加速度が制限値を超える虞がある場合に運転者に警報を発する振動警報装置であって、
前記車両の進行方向前方の路面上の段差の有無と、該段差の程度(値)を検知する路面検知手段と、
前記物品が現在受けている加速度を検知する加速度検知手段と、
前記車両の現在の速度、及び前記現在の速度から予測される速度変化量、並びに操作ハンドルの操作角度から該車両が現在通過している道路のカーブ半径を検知する運行状態検知手段と、
前記路面検知手段、前記加速度検知手段、及び前記運行状態検知手段より得られた各データに基づいて前記車両が前記段差を通過する際に前記物品が受けると予測される予測加速度を演算する演算手段と、
該演算手段の指示により警報を発する警報手段と、
を備えたことを特徴とする振動警報装置。
【請求項2】
前記演算手段は、前記加速度検知手段により検知した加速度データが予め定めた制限値に達していない時に、前記運行状態検知手段、及び前記路面検知手段から得られた各データに基づいて前記予測加速度を演算し、該演算結果が前記制限値を超える場合、安全速度を計算して前記現状速度から該安全速度を減算して必要減速値を導くと共に、前記警報手段に対して警報を発するように指示することを特徴とする請求項1に記載の振動警報装置。
【請求項3】
前記必要減速値を表示する表示手段を更に備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の振動警報装置。
【請求項4】
前記車両の速度変化をΔVx、前記車両の速度変化に要した時間をΔtx、前記車両の速度をVx、前記通過している道路のカーブ半径をR、前記車両落下時の地面着地速度をVz、地面着地時の速度吸収時間をΔtz、及び重力の加速度をgとしたとき、
前記予測加速度αは、
α=(ΔVx/Δtx)+(Vx2/R)+(Vz/Δtz)−g
により求めることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の振動警報装置。
【請求項5】
前記車両の前輪が受けている振動を検知する前輪振動検知手段を更に備え、
前記演算手段は、前記前輪振動検知手段により検知した前輪の振動データを後輪に加わる衝撃量に換算して、該衝撃量が制限値を超えた場合に、前記警報手段に対して予告警報を発するように指示することを特徴とする請求項1に記載の振動警報装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−28311(P2013−28311A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166940(P2011−166940)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)