説明

捌き区間から個別の扁平な郵便物を引出すための装置

個別に支承された輸送ベルト(3)の案内ローラ(16)は、捌き区間(1)出口において、コンベヤベルト(3)と独立して駆動されて接続している、引渡し領域(6)の引渡しローラ(7)と一緒に回転可能に設けられている。
輸送経路の反対側で、引渡しローラ(7)の高さにおいて、バネ力でもって引渡しローラ(7)に抗して郵便物(5)を押圧している押圧ローラ(11)が設けられており、
この押圧ローラが、その手前で引出し方向で、かつ輸送経路から側方にずれた状態で設けられ、局部的に固定された支点(14)において揺動可能に支承されており、引渡しローラ(7)と同期して駆動されるローラ(13)が回転可能に支承されており、
揺動可能な揺動レバー(10)上の押圧ローラ(11)と駆動ローラ(13)にわたり、入口を形成しているベルト(12)が案内されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念による捌き区間から個別の郵便物を引き出すための装置
に関する。
【背景技術】
【0002】
捌き区間内で生じる郵便物流は、堅い、駆動された引渡しローラにより、及び相対する側で一方だけにバネ負荷がかけられた揺動アームに設けられた押圧ローラにより、あるいはこれらのローラ上を走行するベルトを介して機械的に捕捉され、かつ高速でその先へ輸送される(特許文献1〜3)。この場合、一方の側でのみ捕捉された郵便物における間隙は引渡しローラまでのベルト輸送において注意しなければならない。従って短い郵便物の一部が引っ掛かり、それにより不都合な場合には輸送に悪影響が現れ、郵便物はねじれ、あるいは郵便物に損傷が発生する。郵便物は案内部材により引渡し/押圧ローラに対して中心出しされる。薄い郵便物は厚い郵便物と比較して極めて有利な角度でローラペア内に走入する。厚い郵便物の場合、その前側縁部は所望ではない角度で引渡し/押圧ローラ内に走入し、かつローラに抗して押し潰される。
【0003】
特許文献4から、捌き区間内でベルトコンベヤの案内ローラが転向軸線上の引渡しローラと一緒に設けられている装置が公知である。この場合ベルトコンベヤと引渡しローラは単一モーターにより互いに独立して駆動されている。捌きローラにより最終的な捌きが行われた後、捌き区間の出口での郵便物は、捌き区間に引き続く引渡し領域の引渡しローラと押圧ローラとに引渡される。この場合、横方向で輸送管路からずれた状態で位置しており、局所的に固定された支点で揺動可能に支承された押圧ローラは、バネの力により引渡しローラの方へ押圧される。揺動可能に支承された板は、引渡し領域のための入口を形成する。
【0004】
特許文献5から捌き区間の出口において、ベルトコンベヤの案内ローラと引渡し領域の引渡しローラは一緒に駆動され、かつ共通の案内軸線上で固定された状態で配置されている。引渡しローラの高さにおける輸送経路の反対側には、揺動可能なアームに案内ローラが設けられており、この案内ローラの上方には引渡し領域の入口を形成しているベルトが延びている。
【0005】
特許文献6から捌き区間の出口において、コンベヤベルトの案内ローラと別のコンベヤベルトの別の案内ローラが軸上で一緒に駆動された状態で設けられている。捌き区間の出口の手前に、輸送ベルトに相対するように、揺動可能なフレームに支承されたローラが設けられている。このローラを経由して入り口を形成するフレームが案内されている。入り口を形成するベルトとベルトに所属しているローラは、郵便物の輸送方向と逆方向に駆動されている。捌かれた郵便物は、捌き区間の出口から、引渡しローラを経由して案内される引渡し領域のベルトに渡される。
【特許文献1】独国特許出願公開第2613261号明細書
【特許文献2】米国特許第5074540号明細書
【特許文献3】米国特許第6003857号明細書
【特許文献4】米国特許第3372925号明細書
【特許文献5】米国特許第3894732号明細書
【特許文献6】欧州特許第0060596号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の根底をなす課題は、郵便物の厚さに左右されない郵便物の引渡しができる限り衝撃のないように行われ、郵便物がその長さに左右されず、いつでも完全に案内される様式の、捌き区間から個別の扁平な郵便物を引き出すための装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、本発明によれば請求項1の特徴により解決される。
【0008】
この場合、捌き区間の出口で個別に支承された輸送ベルトの案内ローラは、輸送ベルトとは独立して駆動される接続している引渡し領域の引渡しローラと共に、共通の案内軸上で回転可能に設けられている。輸送経路と反対側において、引渡しローラの高さで郵便物が引渡しローラに抗してバネ力で押圧している押圧ローラを備え、この押圧ローラはその手前で引出し方向で、かつ輸送経路から側方にずれた状態で設けられ、局所的に固定された支点において揺動可能に支承されており、この支点において引渡しローラと同期して駆動されるローラが回転可能に支承されている。揺動可能な押圧ローラと駆動ローラにわたり入口を形成するベルトが延びている。従って捌き区間の最後の案内ローラと引渡しローラを共通案内軸上に配設することにより、側方で捕捉される郵便物の輸送経路内の間隙は回避される。郵便物の前側縁部が常に同じ角度で入口を形成するベルトに当るので、郵便物を保護する輸送力の導入は郵便物の厚さにかかわり無く行なわれる。
【0009】
本発明の有利な実施例は従属請求項において説明してある。
【0010】
したがって検出信号を使用して捌き区間の駆動装置を制御するために、輸送方向に垂直に、引渡しローラの転向軸の高さで郵便物の前方縁部および/または後方縁部を検出するためのセンサーを設けることは有利である。
【0011】
さらに引渡し区間までの捌き区間内に駆動されるアンダーベルトを備えることは有利であり、このアンダーベルト上には捌かれ、かつ片側だけ捕捉された郵便物は輸送の際に起立している。これにより輸送は特に厚い重量のある郵便物により支持されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に本発明を実施例において図に基づき説明する。
【実施例】
【0013】
捌き区間1の最後の輸送部分の引渡しユニットへの移行は、互いに輸送間隙なしで実現しなければならない。個別区間1において後方のベルトコンベヤ3に抗して保持ベルト2により押圧され、かつ真空室を用いて付加的に吸引される郵便物5は、矢印方向Sに輸送される。場合によっては付着して何枚も重なって引き出される物は、保持ベルト2の摩擦係数が高いことにより保持される。捌き区間1内の郵便物5の輸送を支持するために、郵便物は駆動されるアンダーベルト21上に立っている。捌き区間1の端部に設けられた引渡し領域6は、本実施例において、駆動ベルト8と所属するモーター9、ならびに押圧ローラ11と揺動ベルト12とを備えたバネ負荷されたベルト揺動アーム10で構成されている。揺動支点14は、この場合、引渡しローラ7に対して同期して駆動される、揺動ベルト12のためのローラ13の駆動軸線にある。押圧ローラ11は引渡しローラ7上の駆動ベルト8に抗して押圧バネ15により押圧されている。捌き区間1に所属するベルトコンベヤ3の個別に支承された案内ローラ16と、引渡し領域6に所属する引渡しローラ7は、引渡し点で共通の転向軸17上に取付けられている。捌き区間1のベルトコンベヤ3は引渡し位置においてある高さで引渡し領域6に属する駆動ベルト8と行き交う。捌き区間1の最後の案内ローラ16と案内ローラ7の共通の転向軸17により、輸送移行部の間隙は完全になくすことができる。郵便物の前側縁部がベルト揺動アーム10内に走入すること、すなわち揺動ベルト12の接触は郵便物の厚さには依存しないで常に同じ角度で行なわれる。揺動支点14が輸送経路に対し相対的に接近して設けられていると、すなわち輸送経路に対する揺動アーム10の走入角度が小さいと、異なる厚さの郵便物の容認できない衝突負荷は全く生じない。郵便物の前側縁部が引渡し位置で光バリヤ18/18aを遮光した後、必要であれば、捌き区間1の輸送ベルト3の駆動モーターのスイッチを切ってもよい。この瞬間から、郵便物5は捌き区間1の静止している輸送ベルト3に抗して、引渡し及び押圧ローラ7,11を備えた引渡しユニットにより引き出される。郵便物5に場合によっては付着して2枚重なって引き出された物は、このスタート−ストップモードで付加的に分離される。引渡し位置の後方で短い間隔をおいて、郵便物をその先へ輸送するための、第一案内ローラ19が示してあるカバーバンド輸送システムが後続している。郵便物の様々な厚さに適合するために、両案内ローラ19の一つは押圧バネ20に抗して移動可能である。郵便物5は輸送及び押圧ローラ7,11間、並びにカバーバンド輸送システムの案内ローラ19間で確実に把持されるので、輸送経路内のその間のわずかな間隙による悪影響は全くない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】引き出し装置の概略平面図である。
【図2】図1の断面A−Aを示す図である。
【符号の説明】
【0015】
1 捌き区間
3 コンベヤベルト
5 郵便物
6 引渡し領域
7 引渡しローラ
11 押圧ローラ
12 ベルト
13 駆動ローラ
14 支点
16 案内ローラ
18 センサー
18a センサー
21 アンダーベルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
案内ローラ(16)の上方で回動しており、起立している郵便物(5)に片側で作用している駆動されたコンベヤベルト(3)を備えた捌き区間(1)から個別の扁平な郵便物を引出すための装置において、
−個別に支承されたコンベヤベルト(3)の案内ローラ(16)が、捌き区間(1)の出口において、コンベヤベルト(3)と独立して駆動されて接続している、引渡し領域(6)の引渡しローラ(7)と一緒に、共通の案内軸(17)上で回転可能に設けられていること、
−搬輸送経路の反対側で、引渡しローラ(7)の高さにおいて、バネ力でもって引渡しローラ(7)に抗して郵便物(5)を押圧している押圧ローラ(11)が設けられていること、
−押圧ローラ(11)が、その手前で引出し方向で、かつ輸送経路から側方にずれた状態で設けられ、局部的に固定された支点(14)において揺動可能に支承されており、引渡しローラ(7)と同期して駆動されるローラ(13)が回転可能に支承されていること、そして
−揺動可能な押圧ローラ(11)と駆動ローラ(13)にわたり、入口を形成しているベルト(12)が案内されていることを特徴とする装置。
【請求項2】
輸送方向に対して垂直で、引渡しローラ(7)の案内軸(17)の高さにおいて、郵便物(5)の前側縁部および/または後側縁部を検出するためのセンサー(18,18a)が設けられていることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
捌き区間(1)内で引渡しローラ(7)まで、アンダーベルト(21)が設けられており、このアンダーベルト上に捌かれた郵便物(5)が搬送時に起立していることを特徴とする請求項1記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−507463(P2008−507463A)
【公表日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−522920(P2007−522920)
【出願日】平成17年4月22日(2005.4.22)
【国際出願番号】PCT/EP2005/004376
【国際公開番号】WO2006/012927
【国際公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(591209109)シーメンス アクチェンゲゼルシャフト (29)
【氏名又は名称原語表記】SIEMENS AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】