説明

捩り振動制振装置

【課題】ディスクの回転方向が正逆回転のときで液体からの負荷を受けて自動的に状態を切り替えることにより、特別な電気的な制御無しに液体負荷を切り替えることができ、捩り振動を有効的に制振することができる。
【解決手段】捩り振動が発生する回転軸の捩り振動を減衰させる捩り振動制振装置であって、回転軸に固定されたディスク11と、ディスクの全体を覆い内部に流体Rが封入されたケーシングと、ディスク11の端面に形成された凹部14に突没可能に収納された可動体13と、可動体13を凹部14外に向けて付勢する付勢部材16とを備え、可動体13は、回転軸が一方側に回転した際に付勢部材16の付勢力に抗して凹部14内に没入するように流体Rから圧力を受ける第1受圧面13aを有するとともに、回転軸が他方側に回転した際に流体Rから回転軸の接線方向に圧力を受ける第2受圧面13bを有するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、同一回転軸上に駆動側回転体と従動側回転体とを備え、駆動側回転体と従動側回転体との間の回転軸に従動側回転体からの負荷に起因して捩り振動が発生した場合にその捩り振動を制振する捩り振動制振装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、同一回転軸上に配置された駆動側回転体としてのタービンと従動側回転体としての発電機とを備えた装置では、タービンと発電機との間の回転軸に発電機からの負荷に起因して捩り振動が発生することがある。
特許文献1には、このような捩り振動が発生する装置において、逆起電力の直流成分と捩り振動による交流波形成分を制御装置で分離し、この分離した捩り振動による交流波形成分をとり出して位相を180°反転、即ち符号を反転させた信圧を電動機へ入力することで捩り振動成分を打ち消すように制御する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09−329191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の捩り振動を制御する技術においては、以下に示すような問題が生じていた。
すなわち、2サイクルエンジンのように、往復運動を行うクランク軸やカム軸といった比較的小型な回転軸に対しては有効であるものの、例えば、タービンと発電機との間で発生する捩り振動に対しては不向きであるという問題が生じていた。
より詳細に説明すると、同一回転軸上にタービンと発電機とが設けられ、タービン側で回転トルクを掛けて発電機側で発電を行う場合、発電機側では発電のための負荷が掛かることから、回転軸には回転方向と逆方向への力が作用した状態となっている。ここで、発電機はこの負荷が瞬間的に抜ける場合があり、この負荷が抜けた瞬間に回転軸には捩り振動が発生する。
従って、その際の直流成分と捩り振動による交流成分とを具体的に制御することは非常に困難であるという問題が生じていた。
さらに、近年のタービンは大型化する傾向に有り、相対的にタービンと発電機とを繋ぐ部分が細くなっているため、その細い部分に捩り振動による負荷が集中し易いことから、単に180°反転させた信圧を発電機側に入力するといった制御では捩り振動を有効に打ち消すことができないという問題が生じていた。
【0005】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、簡素でしかも安価な構成でありながら、回転軸に瞬間的に発生する捩り振動に対して有効的に制振することができる捩り振動制振装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る捩り振動制振装置は、回転軸の捩り振動を減衰させる減衰させる捩り振動制振装置であって、回転軸に固定されたディスクと、該ディスク全体を覆い、内部に流体が封入されたケーシングと、前記ディスクの端面に形成された凹部に突没可能に収納された可動体と、該可動体を前記凹部外に向けて付勢する付勢部材とを備え、前記可動体は、前記回転軸が一方側に回転した際に前記付勢部材の付勢力に抗して前記凹部内に没入するように前記流体から圧力を受ける第1受圧面を有するとともに、前記回転軸が他方側に回転した際に前記流体から前記回転軸の接線方向に圧力を受ける第2受圧面を有することを特徴とする。
【0007】
本発明では、ディスクの回転方向によって流体からの負荷を受けて自動的に状態を切り替えることにより、特別な電気的な制御無しに流体負荷を切り替えることができ、捩り振動を有効的に制振することができる。
【0008】
また、本発明に係る捩り振動制振装置は、前記第1受圧面は、前記可動体が前記凹部から突出した状態で、前記回転軸が一方側に回転した時の流体の流れ方向に沿って前記ディスクの端面から徐々に離間する傾斜面を有していることを特徴とする請求項1に記載の捩り振動制振装置。
【0009】
本発明では、ディスクの回転方向が切り替わった際の可動体の凹部外への突出が、第2受圧面によって促進される。また、第2受圧面から凹部内に至る広い範囲で流体負荷を増大することができることから捩り振動の負荷が大きい場合であっても捩り振動の制振を容易に対応することが可能となる。
【0010】
また、本発明に係る捩り振動制振装置は、前記第2受圧面は、前記可動体が前記凹部から突出した状態で、前記ディスクの端面に直交しまたは前記回転軸が他方側に回転した時の流体の流れ方向に沿って前記ディスクの端面に徐々に近接する1次面を有することを特徴とする。
【0011】
このような構成によれば、第2受圧面の1次面が流体から受ける力は、可動体が付勢部材から受ける付勢力の方向への分力成分を有する。これにより、可動体の凹部外への突出動作が促進される。
【0012】
また、本発明に係る捩り振動制振装置は、前記第2受圧面は、前記1次面における前記可動体の突出側に、前記回転軸が他方側に回転した時の流体の流れ方向に沿って前記1次面より緩やかに傾斜する2次面を有することを特徴とする。
【0013】
このような構成によれば、1次面より可動体の突出側に設けられた2次面が流体から受ける力も、可動体が付勢部材から受ける付勢力の方向への分力成分を有し、その大きさは1次面が流体より受ける力よりも大きい。従って、可動体の凹部外への突出動作が一層促進される。
【発明の効果】
【0014】
本発明の捩り振動制振装置によれば、ディスクの回転方向によって可動体の凹部内への没入または凹部外への突出を、流体からの負荷を利用して自動的に切り替えることにより、特別な電気的な制御無しに流体負荷を切り替えることができ、捩り振動を有効的に制振することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明による捩り振動制振装置の一例を示し、(A)は本発明の捩り振動制振装置を搭載したタービン発電機プラントを示す模式図、(B)は捩り振動発生時の負荷変化を示すグラフ図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による捩り振動制振装置を示し、(A)はディスク正回転時の捩り振動制振装置の縦断面図、(B)はディスク逆回転時の捩り振動制振装置の縦断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態による捩り振動制振装置を示し、ディスクの正面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態による捩り振動制振装置を示し、(A)はディスク正回転時の可動体の状態を示す要部の説明図、(B)はディスク逆回転時の可動体の状態を示す要部の説明図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態による捩り振動制振装置を示し、(A)はディスク正回転時の可動体の状態を示す要部の説明図、(B)はディスク逆回転時の可動体の状態を示す要部の説明図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態による捩り振動制振装置を示し、(A)はディスク正回転時の可動体の状態を示す要部の説明図、(B)はディスク逆回転時の可動体の状態を示す要部の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態による捩り振動制振装置について、タービン発電機プラントに適用し、図面に基づいて説明する。尚、以下に示す実施例は本発明の捩り振動制振装置における好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術的範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。また、以下に示す実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、以下に示す実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0017】
図1(A)に示すように、本発明の捩り振動制振装置10は、例えば、高圧の蒸気タービン20と発電機21とがタービン軸22及び発電機軸23を介して同軸上に回転可能に設けられており、図示を略すクラッチ機構等によって蒸気タービン20の回転力が発電機21に伝達されるタービン発電機プラント24に適用されている。
なお、捩り振動制振装置10は、本実施の形態においては、発電機21を挟んで両側に延びる発電機軸23(回転軸)のうち、捩り振動の要因となる負荷が発生し易いタービン20側の発電機軸23に捩り振動制振装置10が設けられているが、その設置位置は限定されるものではない。
【0018】
発電機21は、発電のための負荷が掛かっていることからタービン20の正回転方向とは逆向きの負荷が発生している。そして、このタービン20の正回転時における発電機21での逆回転方向の負荷によって、特に発電機軸23側に捩りが発生している。また、発電機21は、発電のための負荷が瞬間的に抜ける場合がある。
【0019】
これにより、図1(B)に示すように、発電機軸23には、瞬間的に無負荷状態の状態が存在し、その後、発電による負荷が再び加わる。尚、図1(B)のグラフ図では、無負荷状態の前後の負荷が同一レベルとなっているが、発電機軸23にかかる負荷は、厳密には、捩り状態にある発電機軸23が無負荷によって捩り解消方向、即ち、逆回転方向に回転しようとするため、無負荷状態から再び発電機軸23に逆向きの力が作用した際にはカウンタ的に負荷が増大することとなり、この負荷増大に起因して発電機軸23が損傷しやすい状態となってしまう。
【0020】
そこで、本発明の捩り振動制振装置10は、この無負荷状態となった後に発電機軸23に逆回転方向の力が作用した際の回転力を減衰して捩り振動を制振するものである。
【0021】
(第1の実施の形態)
図2に示すように、第1の実施の形態に係る捩り振動制振装置(以下、「捩り振動制振装置10A」という)は、発電機軸23の中途部に配置され、発電機21が配置された側(図示左側)の回転軸である発電機軸23に固定された円板状のディスク11と、ディスク11の全体を密閉状に覆いかつ内部に流体Rが封入されたケーシング12と、ディスク11の端面に設けられた可動体13と、を備えている。
【0022】
ディスク11は、腐食し難くかつ剛性の高い金属等から形成されており、その中心部に発電機軸23が挿通固定されている。また、ディスク11の端面には、図3に示すように、複数の凹部14が周方向に所定間隔で形成されている。
【0023】
ケーシング12は、腐食し難くかつ剛性の高い金属等から形成されており、その中心部を発電機軸23が貫通しており、この貫通部分をシール等で密閉することで内部の密閉性が確保されている。尚、ケーシング12の内部に封入された流体Rとしては、ディクス11及びケーシング12の腐食を防止し、且つ、粘性の高い油(例えば、所謂、機械油)が用いられている。
【0024】
可動体13は、図3及び図4に示すように、断面四角形の柱状の部材であって、その長さは凹部の径方向幅より若干短く形成されている。この可動体13は、第1受圧面13aと、第2受圧面13bと、取付面13cとによって周囲を包囲されている。ここで、第1受圧面13aと第2受圧面13bとは互いに鋭角をなしている。また、第2受圧面13bと取付面13cとは互いに鈍角をなしている。また、第1受圧面13aと取付面13cとは互いに鋭角をなしている。
【0025】
また、第2受圧面13bは、図4に示すように、取付面13cと互いに鈍角をなす1次面13dと、第1受圧面13aと互いに鋭角をなす2次面13eと、を有している。そして、この1次面13dと2次面13eとが互いに鈍角をなしている。
【0026】
このように構成される可動体13は、回動軸15によって回動可能に支持されている。具体的には、図3に示すように、凹部14の内部にはディスク11の径方向に延びるように回転軸15が設けられ、その両端部が凹部14の内壁面にそれぞれ固定されている。そして、図4に示すように、可動体13は、その取付面13cを凹部14側に向けた状態で、第1受圧面13aと取付面13cとによって形成される角部に回転軸15が挿通されている。これにより、可動体13は、この回転軸15を支点として、凹部14内に没入しまたは凹部14外に突出するように回動可能となっている。
【0027】
また、可動体13は、図4に示すように、付勢部材16によって凹部14外へ向かって付勢されている。具体的には、コイルバネである付勢部材16の一端が凹部14の底部に固定されるとともに、他端が可動体13の取付面13cにおける第2受圧面13b側の位置に固定されている。これにより、図4(B)に示すように、外力が作用しない状態において、可動体13は付勢部材16から受ける付勢力によって回転軸15を支点として回動することにより、凹部14外に突出した状態となっている。
【0028】
そしてこの時、第1受圧面13aは、取付面13c側から第2受圧面13b側に向かってディスク11の端面から徐々に離間するように傾斜した状態となっている。またこの時、第2受圧面13bの1次面13dは、取付面13c側から第1受圧面13a側に向かってディスク11の端面に徐々に近接するように傾斜した状態となっている。またこの時、第2受圧面13bの2次面13eは、1次面13d側から第1受圧面13a側に向かってディスクの端面に徐々に近接するようにして、1次面13dより緩やかに傾斜した状態となっている。
【0029】
上記の構成において、ディスク11が図4(A)に示す正回転方向Sに回転すると、即ち、発電機軸23が正回転すると、第1受圧面13aが流体Rから圧力を受ける。これにより、可動体13は回転軸15を支点として図4(A)で反時計回りに回動し、第1受圧面13aとディスク11の端面とが略面一となるように、凹部14内に没入する。従って、ディスク11は低負荷状態で正回転方向に回転する。
【0030】
一方、ディスク11が図4(B)に示す逆回転方向Gに回転すると、第2受圧面13bが流体Rから圧力を受ける。これにより、可動体13は回転軸15を支点として図4(B)で時計回りに回動し、第2受圧面13bの略全体で流体Rからの圧力を受けるように、凹部14外へ突出する。
この際、可動体13の第2受圧面13bが流体Rから受ける力は、付勢部材16から受ける付勢力の方向への分力成分を有している。従って、可動体13の凹部14外への突出が促進される。
更に、第2受圧面13bには2次面13eが設けられており、この2次面13eが流体Rから受ける力は、1次面13dが流体Rから受ける力と比較して、付勢部材16から受ける付勢力方向への分力成分が大きくなる。これにより、可動体13の凹部14外への突出が一層促進される。
【0031】
このように、本発明では、ディスク11の回転方向によって流体からの圧力を受けた可動体13が凹部14内に没入した状態から凹部14外に突出した状態へと切り替わるので、特別な電気的制御無しに流体負荷状態を切り替えることができる。
また、ディスク11の正回転時には第1受圧面13aが受ける流体からの圧力によって付勢部材16の付勢に抗して可動体13が凹部14内に埋没することから、流体負荷が少ない状態でディスク11を回転させることができる。一方、ディスク11の逆回転時には第2受圧面13bが受ける流体からの圧力に加えて付勢部材16の付勢によって、可動体13が凹部14内から瞬時に突出して流体負荷が大きい状態でディスク11を回転させることができ、捩り振動を有効的に制振することができる。
【0032】
次に、本発明の捩り振動制振装置による他の実施の形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第1の実施の形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第1の実施の形態と異なる構成について説明する。
【0033】
(第2の実施の形態)
図5に示すように、第2の実施の形態による捩り振動制振装置(捩り振動制振装置10B)は、第1の実施の形態で示した軸15を廃止し、可動体13を凹部14からディスク11の端面に略直交する方向へ突没させる構成となっている。
【0034】
具体的には、凹部14の側壁には底面から開放端側に向って直線状に延びる複数のガイド溝14aが形成されており、可動体13には、このガイド溝14aと係合する係合突起13cが形成されている。
これにより、ディスク11が正回転方向Sに回転すると、即ち、発電機軸23が正回転すると、図5(A)に示すように、第1受圧面13aが流体からの圧力を受け、可動体13が凹部14に没入する。従って、ディスク11は低負荷状態で正回転方向に回転する。
【0035】
一方、ディスク11が逆回転方向Gに回転すると、図5(B)に示すように、第2受圧面13bが流体からの圧力を受け、第2受圧面13bの略全体で流体負荷を受けるように、可動体13が凹部14外に突出する。この際、第1受圧面13aでの流体負荷が軽減されて付勢部材16の付勢が勝ることから、可動体13が凹部14から突出する状態変化が促進される。従って、ディスク11は高負荷状態で逆回転方向に回転する。
【0036】
尚、ガイド溝14aの長さや形状並びに付勢部材15の付勢位置(及び付勢力)を調整することにより、可動体13の頂点側の変位量と第2受圧面13b側の変位量とを調整することができ、この第2の実施の形態においても、第1の実施の形態の図4(A)で示したように、第1受圧面13aがディスク11の端面と略面一な状態とすることが可能となる。
【0037】
(第3の実施の形態)
図6に示すように、第3の実施の形態による捩り振動制振装置(捩り振動制振装置10C)は、上記第1,第2の実施の形態で示した凹部14を廃止したものである。
【0038】
具体的には、ディスク31は単なる平板状の円板である。また、ディスク31の端面には、一対の脚部32を介して平板状の可動体33が回動可能に設けられている。
【0039】
可動体33は、ディスク11の正回転方向Sと順方向となる一端側で軸34を介して脚部32に回動可能に支持されている。
これにより、可動体33は、本実施の形態では、図6(A)に示すように、ディスク31が正方向に回転しているときに流体Rからの負荷を受け難くいディスク31の一面と略平行な第1の状態と、図6(B)に示すように、ディスク31が逆方向に回転しているときに流体Rからの負荷によって第1の状態のときよりも流体Rからの負荷を受け易い起立した第2の状態と、に自動的に切り替わる構成が採用されている。
尚、可動体33の第2の状態は、ディスク31の正回転方向と順方向側の端部をディスク31の一面に当接させることで一面とでなす起立角度を設定することが可能となる。
【0040】
このような構成によれば、ディスク31の正逆回転時における可動体33の流体負荷の状態変化を、より簡素で安価な構成で実現することが可能となる。
【0041】
以上、本発明による捩り振動制振装置10の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施の形態では、一つのタービン21を配置したタービン発電機プラント24を開示したが、大型の発電システムでは、多くの場合、2つ以上の蒸気タービンを直列又は並列に配置して発電機を駆動させ、電力を生成することが多いことから、複数の蒸気タービン(高圧・低圧等)を連結して、発電機を駆動させるタイプへの適用も可能である。
また、タービン発電機プラント24以外の捩り振動が発生する回転軸全般に適用することができることは勿論である。
【符号の説明】
【0042】
10 捩り振動制振装置
11 ディスク
12 ケーシング
13 可動体
13a 第1受圧面
13b 第2受圧面
13c 取付面
13d 1次面
13e 2次面
14 凹部
15 回転軸
16 付勢部材
23 発電機軸(回転軸)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸の捩り振動を減衰させる減衰させる捩り振動制振装置であって、
回転軸に固定されたディスクと、
該ディスク全体を覆い、内部に流体が封入されたケーシングと、
前記ディスクの端面に形成された凹部に突没可能に収納された可動体と、
該可動体を前記凹部外に向けて付勢する付勢部材とを備え、
前記可動体は、前記回転軸が一方側に回転した際に前記付勢部材の付勢力に抗して前記凹部内に没入するように前記流体から圧力を受ける第1受圧面を有するとともに、前記回転軸が他方側に回転した際に前記流体から前記回転軸の接線方向に圧力を受ける第2受圧面を有することを特徴とする捩り振動制振装置。
【請求項2】
前記第1受圧面は、前記可動体が前記凹部から突出した状態で、前記回転軸が一方側に回転した時の流体の流れ方向に沿って前記ディスクの端面から徐々に離間する傾斜面を有していることを特徴とする請求項1に記載の捩り振動制振装置。
【請求項3】
前記第2受圧面は、前記可動体が前記凹部から突出した状態で、前記ディスクの端面に直交しまたは前記回転軸が他方側に回転した時の流体の流れ方向に沿って前記ディスクの端面に徐々に近接する1次面を有することを特徴とする請求項1に記載の捩り振動制振装置。
【請求項4】
前記第2受圧面は、前記1次面における前記可動体の突出側に、前記回転軸が他方側に回転した時の流体の流れ方向に沿って前記1次面より緩やかに傾斜する2次面を有することを特徴とする請求項3に記載の捩り振動制振装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−122545(P2012−122545A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−273725(P2010−273725)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)