掃除機ヘッド
【課題】向上した掃除性能を有する掃除機ヘッドを提供する。
【解決手段】掃除用電気器具のための掃除機ヘッドは回転可能攪拌器を含む。攪拌器は、駆動軸と、駆動軸に取り付けられた可撓性本体と、本体に取り付けられた表面係合部材を含む。攪拌器チャンバは、表面係合部材によって活動化された屑が掃除機ヘッドに入る、所定平面に配置された下向き開口部を含む。開口部は、可撓性本体に対して傾斜している平面に配置され、攪拌器の回転により、表面係合部材が開口部、好ましくは開口の前方の近くで突出するようになっている。
【解決手段】掃除用電気器具のための掃除機ヘッドは回転可能攪拌器を含む。攪拌器は、駆動軸と、駆動軸に取り付けられた可撓性本体と、本体に取り付けられた表面係合部材を含む。攪拌器チャンバは、表面係合部材によって活動化された屑が掃除機ヘッドに入る、所定平面に配置された下向き開口部を含む。開口部は、可撓性本体に対して傾斜している平面に配置され、攪拌器の回転により、表面係合部材が開口部、好ましくは開口の前方の近くで突出するようになっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掃除用電気器具のための掃除機ヘッドに関する。好適な実施形態において、掃除機ヘッドは、真空掃除用電気器具での使用に適している。
【背景技術】
【0002】
真空掃除機は、典型的には、汚れ及び塵埃分離器を収容する本体、本体に接続され吸引開口部を有する掃除機ヘッド、及び吸引開口部及び掃除機ヘッドを通して本体に汚れ含有空気を吸い込むためのモータ駆動ファンユニットを含む。吸引開口部は、清掃すべき床面と向かい合うように下方に向いている。汚れ含有空気は、空気が大気に排出される前に汚れ及び塵埃を空気から分離することができるように分離器に送られる。分離器は、フィルタ、フィルタバッグ、又は公知のサイクロン構成の形態を取ることができる。
【0003】
真空掃除機は、一般的に、円筒型又はキャニスタ型の掃除機、直立型掃除機、及び携帯型掃除機を含む。円筒型真空掃除機は、本体と掃除機ヘッドとの間に延びるホース及びワンド組立体によって床面を引きずられる1組の車輪によって支持される本体を含む。掃除機ヘッドは、一般的に、本体から離間したワンド端部に取り外し可能に取り付けられる。直立型真空掃除機は、典型的には、本体、清掃すべき床面上で真空掃除機を動かすために本体に取り付けられた転動組立体、及び本体に取り付けられた掃除機ヘッドを含む。使用時には、ユーザは、直立型真空掃除機の本体を床面方向に倒した後に、床面上で真空掃除機を動かすために本体に取り付けられたハンドを連続的に押し引きする。
【0004】
通常ブラシバー形態の駆動攪拌器は、掃除機ヘッドのブラシバーチャンバ内に回転可能に取り付けることができる。ブラシバーは、コアから半径方向外向きに延びる剛毛を支持する細長円筒型コアを含む。剛毛は、一般的に、ブラシバーのコアの周りでコアに沿って間隔をあけて配置される剛毛の群又房でもって提供される。吸引開口部は、ブラシバーチャンバの底部に配置され、ブラシバーは、吸引開口部からわずかに突出するようにチャンバ内に取り付けられる。ブラシバーチャンバの排気口は、一般的に、ブラシバーチャンバの後方に配置される。排気口は、通常、ブラシバーチャンバに形成された円形又は矩形開口の形態である。
【0005】
ブラシバーは、主に真空掃除機がカーペット敷き面を清掃するのに用いられる場合に作動する。長手方向軸線の周りのブラシバーの回転は、掃除機本体から電力を供給される電気モータによって、又は掃除機ヘッドを通過する又は掃除機ヘッドに入る空気流によって駆動されるタービンによって引き起こされる。例えば、国際特許公開2004/028330号には、掃除機ヘッドのブラシバーを回転駆動するためのタービン組立体を有する掃除機ヘッドが説明されている。タービン組立体は、ハウジング内に設けられガイドベーンプレートに対して回転するようになった羽根付きインペラを含む。ハウジングは、床用ツールの一方側に配置される。インペラは、プーリーシステムによってブラシバーに連結される。ハウジングは、真空掃除用電気器具の吸引開口部と本体との間に延びる吸引ダクトに接続された空気出口と、外気をハウジングに入れるための空気入口とを有する。電気器具のスイッチが入ると、外気は、ハウジングを通って吸い込まれ、インペラがブラシバーを回転させてブラシバーを回転駆動するようになっている。
【0006】
ブラシバーの回転により、剛毛が清掃すべきカーペットの繊維間を掃いて、カーペットの繊維と、カーペットの表面上及び/又はカーペットの繊維間にある塵埃粒子、繊維、及び毛髪等の屑の両者を激しく動かす。剛毛が繊維間を掃くと、カーペットが剛毛に付与する力により、剛毛が広がって剛毛の間に一部の屑が留まる。剛毛が繊維から離れて回転すると、剛毛が通常の形態に戻る際の剛毛の運動により、塵埃粒子又は他の比較的小さな屑が剛毛の房から取り除かれやすくなる。しかしながら、繊維及び毛髪等の屑は、剛毛の間に捕らえられたまま残る場合もある。長手方向軸線の周りのブラシバーの回転によって、このように捕らえられた全ての繊維は、ブラシバーのコアに向かって内向きに移動しやすくなり、結果としてブラシバーのコアに繊維を巻き付ける。その後、ユーザは、手動で適宜ブラシバーからこれらの毛髪及び繊維を取り除く必要がある。
【0007】
掃除時、特にラグカーペット又は厚いパイルカーペットの掃除時に、比較的大きなトルクがブラシバーの剛毛にかかる場合がある。ブラシバーにかかるトルクの大きさを制限して掃除中にブラシバーが止まるリスクを低減するために、ブラシバーは、該ブラシバーのコアの外面上で比較的柔軟な剛毛及び/又は比較的密度の低い剛毛の房とすることができる。柔軟な剛毛及び/又は少数の剛毛の房を使用すると、パイルカーペットの掃除中にブラシバーが止まるリスクは低減するが、薄いパイルカーペットに使用する際に掃除機ヘッドの掃除性能が悪化する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2004/028330号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様において、本発明は、掃除用電気器具のための掃除機ヘッドを提供するものであり、掃除機ヘッドは、
駆動軸、駆動軸に取り付けられた可撓性本体、及び本体に取り付けられた少なくとも1つの表面係合部材を含む、回転可能な攪拌器と、
攪拌器を収容する攪拌器チャンバと、を備え、撹拌器チャンバは、下向き開口部を含み、下向き開口部は平面内に配置されており、少なくとも1つの表面係合部材によって活動化された屑が、下向き開口部を通して掃除機ヘッドに入り、
本体が、攪拌器の回転により、少なくとも1つの表面係合部材が開口部を通して、好ましくは開口部の前部近くで突出するように、開口部の平面に対して傾斜している。
【0010】
長手方向軸線周りで回転可能な円筒型ブラシバーの形態の攪拌器を有する掃除機ヘッドを備える別の実施形態として、第1の態様において、本発明は、攪拌器が掃除機ヘッドの使用中に回転する回転軸を有する駆動軸と、駆動軸に連結された可撓性の本体と、清掃されるべき表面と係合するように本体に取り付けられた表面係合部材とを含む回転攪拌器を備える掃除機ヘッドを提供する。
【0011】
可撓性本体は好ましくは環状形状であって、攪拌器の少なくとも可撓性の外周部をもたらすことが好ましい。例えば、可撓性本体は、攪拌器の中心コアの周りに配置することができる。変形例では、本体は、表面係合部材が取り付けられた可撓部を有してもよく、従って、用語「可撓性本体」は、単一の可撓性部材又は部分を含む本体、及び複数の可撓性部材又は可撓性部分を含む本体の両方を含む。
【0012】
表面係合部材は、本体に取り付けられた複数の剛毛の形態であることが好ましい。これらの剛毛は、清掃面と係合するための第1の末端すなわち先端と、第1の末端に対向して配置された第2の末端とを有する。例えば、この第2の末端は、剛毛の他方の端部とすることができるが、剛毛の両端が清掃面と接触するように剛毛が曲げられるか、さもなければ成形される場合には、この第2の末端は剛毛の両端の中間部とすることができる。剛毛は、本体上に取り付けられた複数の剛毛の房又は群の形態で、又は本体上に取り付けられた実質的に連続する複数の列の形態で配置することができる。
【0013】
別の実施形態として又は追加的に、少なくとも1つの表面係合部材は、弾性材料の少なくとも1つのストリップ、又は他の弾性表面係合部材を含むことができる。表面係合部材は、攪拌器の本体よりも大きな剛性を有することが好ましく、ナイロンから形成されることが好ましい。
【0014】
別の実施形態として、少なくとも1つの表面係合部材は、本体に取り付けられる掃除用パッドを含むことができ、その場合、パッドの第1の末端はパッドの清掃面に対応し、パッドの第2の末端は本体に取り付けられるパッド表面に対応する。
【0015】
更に別の実施形態として、表面係合部材は本体と一体とすることができる。例えば、表面係合部材は本体の隆起部からなってもよい。
【0016】
攪拌器は、例えば、剛毛によって活動化された屑が掃除機ヘッドに入る下向き開口部を有する、攪拌器チャンバに収容される。攪拌器は、攪拌器の各回転によって各剛毛がその回転の一部中のみ開口部に突出するように、開口部に対して配置される。言い換えると、各剛毛は、駆動軸の回転軸周りの回転の第1の期間中に開口部から突出するが、駆動軸の回転軸周りの回転の第2の期間中には開口部の上方に配置される。
【0017】
本発明の本態様において、攪拌器は、本体が、開口部の平面に対して傾斜するように開口部に対して配置される。本体の少なくとも中心、好ましくは、実質的に全ては開口部平面の上方に配置することができる。剛毛の長さは、掃除機ヘッドが清掃面上に、開口部がこの表面に対向するように配置されると、各剛毛が、該剛毛の攪拌器の回転軸周りの3分の2回転未満、好ましくは2分の1回転未満の回転時に開口部から突出するように選択するのがよい。
【0018】
例えば、剛毛房の剛毛先端が清掃面と係合すると、剛毛房を支持する可撓性本体部分は、攪拌器の駆動軸に対して上方に屈曲する。これにより、清掃面に対して略平行な平面内に位置決めされた弧状の清掃面上を剛毛先端が動くことが可能になる。剛毛を清掃面上で弧状に動かすことによって、及びこれらの剛毛を可撓性本体上に配置することによって、例えば、厚いパイルカーペット又はラグカーペットの清掃中に剛毛に付与されるトルクは、同様の掃除中に円筒型ブラシバーの剛毛に付与されるトルクよりも著しく小さくできる。結果的に、攪拌器がパイルカーペット又はラグカーペットの清掃中に止まるリスクを低減できるので、清掃中に攪拌器が止まる可能性を高くすることなく剛毛の剛性を高くすることができる。本体の可撓性により、清掃面のいかなる起伏にも対応できるので、床面から剛毛に付与されるトルクが著しく変動することなく、起伏のある表面上で剛毛先端を引っ張ることが可能になる。同様に、剛毛が掃除機ヘッドの使用中に摩耗すると、本体は少しだけ屈曲して剛毛の摩耗を補い、剛毛先端と清掃面との間での係合を維持する。
【0019】
更に、カーペット表面上での剛毛先端の移動により、カーペット表面上の何らかの繊維又は毛髪がカーペット表面上で掃かれると、剛毛先端の前側及び/又は下側で塊にされる傾向がある。この繊維塊は、掃除機ヘッドが取り付けられた真空掃除用電気器具が発生する空気流に容易に取り込むことができ、攪拌器チャンバ開口部を通って掃除機ヘッドに入る。
【0020】
本体は、攪拌器の回転によって剛毛が開口部の前部近くで開口部を通して突出するように、開口部の平面に対して傾斜していることが好ましい。これにより、ユーザは、掃除機ヘッドの少なくとも前部が取り除かれるべき毛髪を通り越すように、直感的に毛髪のすぐ後に掃除機ヘッドを置いて掃除機ヘッドを毛髪上で移動させるので、表面から毛髪又は毛髪塊を取り除くためにツールを使用することが容易になる。開口部の前部の下方及び前方に剛毛が掃く表面領域を配置することにより、剛毛が攪拌器の回転中に毛髪と接触する可能性を最大にできる。
【0021】
可撓性本体上に剛毛又は他の表面係合部材を位置決めする別の実施形態として、剛毛は、剛毛先端と清掃面とが係合した状態で、攪拌器の駆動軸に関して移動可能である実質的に剛体上に配置することができる。例えば、本体は、剛毛先端と清掃面とが係合した状態で、本体を駆動軸に関して移動可能にする可撓性結合又は自在継手によって、駆動軸に連結することができる。可撓性結合により、剛毛の先端と清掃面とが係合した状態で、駆動軸の回転軸に関して本体が移動可能になり、又は、可撓性結合により、剛毛先端と清掃面とが係合した状態で、本体が駆動軸に関して枢動可能になる。
【0022】
前述の実施例の各々において、剛毛が結合される本体の少なくとも一部は、剛毛先端と清掃面とが係合した状態で駆動軸に関して移動可能であり、垂直方向に移動可能であることが好ましい。しかしながら、剛毛は、剛毛が清掃面と係合すると、駆動軸に対する各剛毛の第2の末端のある程度の移動が可能になるように、攪拌器の本体に剛結合する必要はない。従って、第2の態様において、本発明は、掃除用電気器具のための掃除機ヘッドを提供するものであり、掃除機ヘッドは、
駆動軸、駆動軸に取り付けられた本体、及び本体に取り付けられた少なくとも1つの表面係合部材を含み、各表面係合部材が、清掃面と係合する第1の末端と、第1の末端の反対側に配置され、第1の末端と清掃面とが係合した状態で駆動軸に対して移動可能な第2の末端とを有する、回転可能な攪拌器と、
攪拌器を収容する攪拌器チャンバと、を含み、前記攪拌器チャンバは、下向き開口部を含み、下向き開口部は平面内に配置され、少なくとも1つの表面係合部材によって活動化された屑が下向き開口部を通して掃除機ヘッドに入り、
本体が、攪拌器の回転により、各表面係合部材の第1の末端が開口部から突出するように、開口部平面に対して傾斜している。
【0023】
好適な実施形態において、本体は、全体的に平らな形状である。本体は、可撓性パッドの形態であり、可撓性シート材料から形成することができる。本体は、可撓性材料のシートから本体を型打ちすることで形成できるが、別の方法として、本体は、攪拌器の駆動軸又は他の部分の上にオーバーモールド成形できる。本体は、シリコーン、エラストマー、ポリウレタン、又は他のゴム状弾性材料から形成されることが好ましい。
【0024】
本体の厚さは、好ましくは1mmから10mmの範囲、より好ましくは2mmから5mmの範囲である。開口部の平面と本体に対して平行な平面との間で規定される角度は、好ましくは0°から20°である。
【0025】
別の実施形態において、本体は、非平坦形状とすることができる。例えば、本体は、湾曲、凸形又はドーム形、さもなければ本体中心を通る軸に対して対称な形とすることができる。剛毛又は他の表面係合手段は、本体の平らな可撓性部分、例えば本体の可撓性リム上に配置するのがよい。
【0026】
掃除機ヘッドは、駆動軸の回転軸周りで攪拌器を回転させる手段を含むことが好ましい。回転軸は本体中心を通ることが好ましい。本体が全体的に平らな形状である場合、回転軸は本体に対して実質的に直角であることが好ましい。この場合、回転軸は、開口部の平面に対して傾斜している。
【0027】
回転軸は、開口部を通ることが好ましい。回転軸と開口部の平面との間で定まる角度は70°から90°であることが好ましい。
【0028】
本体は円形であり、剛毛と清掃すべき平面との間で接触した状態で本体の一回転の間に比較的一定のトルクが本体に付与されるように、剛毛は、本体の周りで等間隔をあけて配置するのがよい。もしくは、本体は、剛毛が回転時の一定期間だけ開口部から突出するように非円形としてもよい。従って、本体、結果的に攪拌器を回転させるための駆動機構に付与されるトルクは、少なくとも一部又は比較的多数の剛毛が清掃面と接触している少なくとも1つの最大値と、比較的少数の剛毛が清掃面と接触している又は全く接触していない少なくとも1つの最小値との間で変わり得る。
【0029】
本体は、nが2に等しいか又は2よりも大きな整数であるn重回転対称形を有することができる。例えば、本体は、略矩形、三角形、正方形とすること、又は別の多角形であってもよい。もしくは、本体は、全体的に楕円形状とすることができる。別の実施形態において、本体は対称形とすることができる。例えば、本体は、駆動軸の回転軸周りで回転するアームの形態とすることができる。
【0030】
前述のように、本体は、該本体上に取り付けられた複数の剛毛を含むことが好ましい。これらの剛毛は、本体の底面を実質的に覆うことができる。変形例では、剛毛は、本体の底面上に環状配列で配置することができる。好適な実施形態において、剛毛は、本体上に取り付けられた剛毛房の複数列に配置される。剛毛房の各列は本体に取り付けられる剛毛保持部材に固定してもよい。例えば、各剛毛保持部材は本体に形成された開口に配置されることが好ましく、本体には剛毛保持部材を取り囲む連続面が形成されている。剛毛保持部材は、本体と剛毛保持部材との間の締まり嵌めにより保持できる。もしくは、連続面は、剛毛保持部材の対向部分を把持できる。例えば、剛毛保持部材の対向部分には、各開口の周縁部を受け入れる溝を形成することができ、溝の幅は、可撓性本体が変形して溝に入ると蓄積された弾性エネルギで開口内の剛毛保持部材を保持できるように、本体の厚さよりも狭い。これにより、剛毛保持部材は可撓性本体に手動で固定できる。
【0031】
第3の態様において、本発明は、掃除用電気器具の掃除機ヘッドのための攪拌器を提供するものであり、攪拌器は、複数の開口を有する可撓性本体、及び本体に取り付けられた少なくとも1つの表面係合部材を含み、各開口はその周りに延びる周囲面を有する、回転可能な攪拌器と、各々がそれぞれの本体開口内に配置され、各々が複数の剛毛を含む複数の剛毛保持部材とを備え、各々の開口の周囲面は、その中に配置される剛毛保持部材の対向する表面間で把持される。
【0032】
前述のように、各剛毛保持部材は剛毛房の列を含む。攪拌器は、複数セットの剛毛を含むのがよく、剛毛の各セットは、剛毛房の複数列を含み、剛毛の各セットは、本体のそれぞれの端部に又はその近くに又は角部に配置される。
【0033】
開口は、剛毛列が実質的に平行になるように配置されることが好ましい。例えば、剛毛列は、本体の長いほうの半径に対して実質的に平行に配置できる。もしくは、剛毛列は、本体上で半径方向に揃えることができる。
【0034】
掃除機ヘッドは、掃除機ヘッドから空気流を吸い込むための真空掃除用電気器具に接続可能であることが好ましい。空気流は、開口部を通って掃除機ヘッドに入り、攪拌器チャンバを通って空気出口に送られることが好ましい。空気出口は、空気流を掃除用電気器具に送るためのホース及びワンド組立体に接続可能であることが好ましい。もしくは、掃除機ヘッドは、直立型掃除用電気器具の本体、又は可搬性掃除用電気器具の本体に取り付けることができる。
【0035】
攪拌器は、駆動軸の回転軸周りで単一の角度方向に回転できる。もしくは、攪拌器は、駆動軸周りで2つの異なる角度方向に連続的に回転できる。
【0036】
攪拌器は、任意の好適な機構によって駆動軸の回転軸周りを回転できる。例えば、攪拌器は、表面係合部材と、掃除機ヘッドが表面上を移動すると回転する車輪との間の摩擦力の下で回転できる。好ましくは、掃除機ヘッドは、攪拌器を回転させるための駆動機構を含む。駆動機構は、掃除機ヘッドが取り付けられる真空掃除用電気器具のファンを駆動するためのモータに連結可能である。もしくは、攪拌器は、掃除機ヘッドに配置された専用モータで駆動できる。モータには、例えば掃除機ヘッドを真空掃除用電気器具に接続するホース及びワンド組立体に配置された電気コネクタを経由して真空掃除用電気器具から電力供給できる。もしくは、掃除機ヘッドは、モータに電力供給するバッテリを含むことができる。
【0037】
駆動機構は、好ましくは、500rpmから5,000rpmの範囲の速度で攪拌器を回転させるように構成される。好適な実施形態において、駆動機構は、約2,500rpmの速度で攪拌器を回転させるように構成される。
【0038】
掃除機ヘッド又は掃除機ヘッドが取り付けられる真空掃除用電気器具の電力消費を低減するために、掃除機ヘッドは、攪拌器を駆動するインペラを有する空気タービン組立体を含むことが好ましい。攪拌器は、インペラによって直接駆動されることができ、又は、攪拌器をインペラに連結するための駆動機構を設けることができる。このような駆動機構は、攪拌器の上方に配置されることが好ましい。駆動機構は、複数の駆動構成要素を含むことが好ましい。駆動構成要素は、インペラを攪拌器に連結する1つ又はそれ以上のベルトを含んでもよいが、好適な実施形態においては、駆動構成要素は複数の歯車を含む。各駆動構成要素はそれぞれの回転軸を有することが好ましく、駆動構成要素の回転軸は攪拌器の回転軸及びインペラの回転軸のうちの少なくとも一方に平行であることが好ましい。
【0039】
開口部は、第1の空気流を攪拌器チャンバに入れるように構成されることが好ましく、インペラは、この第1の空気流によって駆動できる。もしくは、掃除機ヘッドは、第1の空気流とは別の第2の空気流をタービン組立体に入れるためのタービン空気入口と、攪拌器チャンバからの第1の空気流及びタービン組立体からの第2の空気流を受け入れるためのダクトを含むことができ、ダクトは空気流を掃除機ヘッドの空気出口に送る。
【0040】
開口部及びタービン空気入口は、掃除機ヘッドの反対側に配置されることが好ましい。開口部は、掃除機ヘッドの下面に配置されることが好ましく、タービン空気入口は、掃除機ヘッドの上面に配置されることが好ましい。タービン空気入口は、掃除機ヘッドの上面の、上方に向かう部分に配置できる。もしくは、タービン空気入口は、タービン組立体の周りに広がるように上面の環状部分に配置してもよい。掃除機ヘッド上面に空気入口を配置することによって、掃除機ヘッドが比較的薄型となり例えば家具の下の掃除を容易にできることを可能にする。
【0041】
第4の態様において、本発明は、掃除用電気器具のための掃除機ヘッドを提供するものであり、掃除機ヘッドは、
上面と、第1の空気流を入れるための吸引開口を含む下面とを有する主本体と、
少なくとも1つの本体と、該本体に取り付けられ表面と係合するための表面係合部材とを含む、表面から屑を掃くための回転可能な攪拌器組立体と、
回転可能な攪拌器組立体を駆動するためのインペラを含む空気タービン組立体と、
主本体の上面に配置された、タービン組立体に第2の空気流を入れるためのタービン空気入口と、
ハウジングからの第1の空気流及びタービン組立体からの第2の空気流を受け入れるダクトと、を備える。
【0042】
ダクトは、タービン空気入口からの第1の空気流を受け入れるための上側部分と、開口部からの第2の空気流を受け入れるための下側部分とを含むことが好ましい。駆動機構は、開口部とタービン空気入口との間に配置された壁又は他の構造的仕切りの形態とするのがよい支持体の上に好都合に取り付けることができる。タービン空気入口は、攪拌器組立体の後方及び/又は開口部の後方に配置することが好ましい。
【0043】
本体は、本体の一部だけが常に開口部の直上に配置されるように攪拌器チャンバに配置されることが好ましい。本体の残りの部分は、ソールプレートの後方領域の上方に配置されることが好ましい。
【0044】
開口部の平面に対する本体の傾斜によって、本体に取り付けられた剛毛の変形度合いは、攪拌器の回転軸周りの剛毛の回転の第1の期間中、変化する傾向にある。従って、攪拌器の回転軸周りの回転の第1の期間中、剛毛房の剛毛は様々な量、広がる傾向にあるので、様々なサイズの屑を剛毛間に捕らえることが可能になり、その後、清掃面から離れて移動すると剛毛房は弛緩する。出願人は、このメカニズムが、本体が開口部の平面に対して実質的に平行であるものに比較して改善された本発明の掃除機ヘッドの捕捉性能をもたらすことを見いだした。
【0045】
剛毛房が攪拌器の回転軸周りの回転の第2の期間中、開口部の上方で回転すると、剛毛間に捕らえられた屑を剛毛の間から吸い出すことができ、掃除機ヘッドを通過する空気流に取り込むことができる。剛毛の間からの屑の放出を促進するために、掃除機ヘッドは、攪拌器チャンバに配置された剛毛攪拌面を含むのがよく、攪拌器の回転により剛毛は剛毛攪拌面上を動き、剛毛が広がって剛毛の間から屑を放出させるようになっている。その後、放出された屑は、掃除機ヘッドを通過する空気流に取り込むことができる。
【0046】
攪拌面は、開口部に隣接して配置されることが好ましい。開口部は、好ましくは前縁及び後縁を有し、攪拌面は、好ましくは剛毛が開口部の後方に位置した際に剛毛と係合するように開口部の後縁に隣接して配置され、剛毛から取り除かれた屑が開口部を通って清掃された面に落下するリスクを低減するようになっている。
【0047】
掃除機ヘッドは、攪拌器チャンバの開口部を形成するソールプレートを含むことが好ましい。攪拌面は、好ましくはソールプレートに結合され、より好ましくはソールプレートと一体になっている。ソールプレートは取り外し可能であり、ユーザは攪拌器チャンバの全ての障害物を取り除くこと、又は攪拌器組立体の部品を交換することができる。例えば、ユーザは、攪拌器の破損部品を交換すること、又は攪拌器組立体の本体を例えば別の表面係合手段を支持する別の本体に交換することを望む場合がある。掃除機ヘッドは、各々が、それぞれ別の表面係合手段を備えている1セットの本体とともに供給することができる。例えば、第1の本体は、比較的剛性の高い剛毛を有するのがよく、第2の本体は、比較的可撓性の剛毛を有するのがよく、第3の本体は、清掃面と係合するための研磨パッドを有するのがよい。
【0048】
前述のように、開口部は平面内に配置され、攪拌面は、開口部の平面に対して傾斜していることが好ましい。攪拌面は、剛毛が動く傾斜部の形態であることが好ましい。平面に対する傾斜部の傾斜角は、傾斜部の長さに沿って様々に変化する。もしくは、この角度は、傾斜部の長さに沿って比較的一定とすることができる。傾斜部は、湾曲してもよく、各剛毛が攪拌器の回転軸周りの剛毛の回転のある期間中、傾斜部と接触するように、攪拌器の回転軸周りに弧状に延びるのがよい。例えば、攪拌面は、30°から90°の範囲の角度だけ攪拌器の回転軸周りに延びるのがよい。もしくは、各剛毛は、傾斜部の端部近くで傾斜部と接触するのがよい。
【0049】
掃除機ヘッドは、清掃面と係合する単一の剛毛担持攪拌器又は他の表面係合部材を含むのがよい。もしくは、掃除機ヘッドは、複数の攪拌器を有する攪拌器組立体を含んでもよい。各攪拌器は、実質的に同一であることが好ましく、攪拌器チャンバ内で横並びに配置されることが好ましい。好適な実施形態において、攪拌器組立体は、2つの攪拌器を含むが、3つ又はそれ以上の攪拌器を含むこともできる。これらの攪拌器は、攪拌器チャンバ内に一直線状、弧状、又は任意の幾何学形状でもって配置できる。
【0050】
攪拌器の回転軸は、好ましくは平行であり、好ましくは開口部の平面に対して傾斜しており、好ましくは開口部を通過する平面内に配置される。もしくは、攪拌器の本体は、それぞれの別の平面に配置することができる。これらの平面は、平行にしてもよいし、又はこれらは交差してもよい。
【0051】
掃除機ヘッドは、好ましくは、各々が開口部に隣接して配置された複数の剛毛攪拌面を含み、その上をそれぞれの攪拌器の剛毛は、剛毛から物質を取り外すように攪拌器組立体の回転によって動かされる。
【0052】
各攪拌器は、それぞれの空気タービン組立体で駆動できる。しかしながら、単一の空気タービン組立体を各攪拌器に連結することが好ましく、各攪拌器はタービン組立体のインペラによって同時に駆動される。第5の態様において、本発明は、掃除用電気器具のための掃除機ヘッドを提供するものであり、掃除機ヘッドは、
ヘッドに対して第1の空気流を入れるための吸引開口部を有するハウジングと、
本体と、表面と係合するために本体に取り付けられた表面係合手段を含む、表面から屑を掃くための第1の回転可能な攪拌器及び第2の回転可能な攪拌器と、
攪拌器を駆動するためのインペラを含む空気タービン組立体と、
タービン組立体に第2の空気流を入れるためのタービン空気入口と、
ハウジングからの第1の空気流及びタービン組立体からの第2の空気流を受け入れるダクトと、
を備える。
【0053】
攪拌器をインペラに連結する駆動機構は、各攪拌器を逆方向に回転させるように構成されることが好ましい。駆動機構による攪拌器の回転方向は、各剛毛が、開口部の前方に配置される位置から、開口部の中心に配置される位置まで回転し、そこから開口部の後縁を超えるような回転方向であることが好ましい。
【0054】
第1の攪拌器は、好ましくは、回転軸周りで第2の攪拌器から角度方向にオフセットされる。第1の攪拌器は、好ましくは、45°から90°の範囲の角度だけ第2の攪拌器から角度的にオフセットされる。攪拌器を角度方向に関してオフセットすることによって、回転中に本体が衝突することなく、第1の攪拌器の剛毛が動く経路は第2の攪拌器の剛毛が動く経路と交差することができる。このことは、掃除機ヘッドの幅を短くするだけでなく、攪拌器の間に位置する全く掃かれない領域を最小にできる。
【0055】
各本体は円形とすることができ、表面係合手段又は剛毛は、第1の攪拌器の剛毛の経路が、第2の攪拌器の剛毛の経路と重なるように、各本体から外向きに延びる。しかしながら、好適な実施形態において、各攪拌器は、非円形、好ましくは円盤形の本体を含み、第1の攪拌器の本体は、第1の攪拌器の本体の経路が、第2の攪拌器の本体の経路と交差するように、第2の攪拌器の本体から回転軸の周りで角度方向にオフセットされる。
【0056】
本体は、好ましくは実質的に同一平面上にあり、本体が動く経路は、好ましくは実質的に同一平面上にある。前述のように、掃除機ヘッドは、好ましくは、攪拌器を収容する攪拌器チャンバを含み、攪拌器チャンバは、表面係合手段によって活動化された屑が掃除機ヘッドに入る下向き開口部を含み、表面係合手段は、攪拌器の回転によって開口部から下方に突出する。本体は、好ましくは、剛毛が、開口部の前方から開口部の中央に向かって内向きに移動するように回転する。表面係合手段の各経路は、好ましくは、開口部の中央において重なる。
【0057】
表面係合手段は、剛毛群、剛毛ストリップ、剛毛房、又は可撓性部材のストリップ等の複数の表面係合部材を含むことが好ましい。各本体は、攪拌器の回転によって表面係合部材が開口部から突出するように、開口部の平面に対して傾斜していることが好ましい。本体が非円形であれば、表面係合部材は回転の一部分の期間でのみ開口部から突出できる。従って、本体に、結果的に攪拌器を回転させるための駆動システムに付与されるトルクは、比較的多数の表面係合部材が清掃面に対して同時に接触する場合の少なくとも1つの最大値と、比較的少数の表面係合部材が清掃面に対して同時に接触する場合の少なくとも1つの最小値との間で変わり得る。攪拌器組立体が複数の攪拌器を含む場合のトルク最大値の大きさを低減するために、本発明の第1の態様において、第1の攪拌器の表面係合部材は、第2の攪拌器の表面係合部材から角度方向にオフセットされる。
【0058】
表面係合部材は、好ましくは、本体上に取り付けられる表面係合部材の複数セットで構成される。表面係合部材の各セットは、本体の回転軸周りに角度的に間隔をあけて配置されることが好ましく、実質的に等角度で間隔をあけて配置されることがより好ましい。表面係合部材の各セットは、本体のそれぞれの端部に、又はその近くに、又は角部に配置されるのが好ましく、従って、本体形状に応じて、表面係合部材のセットは60°から180°の範囲の角度だけ間隔をあけて配置できる。第1の攪拌器の表面係合部材のセットは、好ましくは、45°から90°の範囲の角度で第2の攪拌器の表面係合部材のセットから角度方向にオフセットされる。
【0059】
前述の本発明の第1の態様に関連する特徴は、本発明の第2の態様から第5の態様のいずれかにも同様に適用可能であり、逆もまた同じである。
【0060】
本発明の好ましい特徴は、以下に添付の図面を参照して単に例示的に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】掃除機ヘッドの上から見た正面斜視図である。
【図2】掃除機ヘッドの下から見た正面斜視図である。
【図3】掃除機ヘッドの下から見た後面斜視図である。
【図4】掃除機ヘッドの左側面図である。
【図5】掃除機ヘッドの正面図である。
【図6】掃除機ヘッドの平面図である。
【図7】掃除機ヘッドの底面図である。
【図8】図5の線A−Aに沿った側断面図である。
【図9】図6の線B−Bに沿った正面図である。
【図10】掃除機ヘッドのソールプレートの上から見た正面斜視図である。
【図11】ソールプレートの平面図である。
【図12】図11の線A−Aに沿った正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
図1から図7は、真空掃除用電気器具のための掃除機ヘッド10の外観図を示す。本実施形態において、掃除機ヘッド10は、円筒型の真空掃除用電気器具のワンド又はホースに接続可能に配置される。掃除機ヘッド10は、主本体12及び主本体12に連結された導管14を含む。主本体12は、上側本体部16及び上側本体部16に結合された下側本体部、又はソールプレート18を含む。本実施例において、導管14は、上側本体部16と一体になっているが、導管14は、例えば、溶接又は接着剤を用いて上側本体部16に結合することができる。導管14は、真空掃除用電気器具(図示せず)のホース及びワンド組立体のワンドに接続可能である。真空掃除用電気器具は、掃除機ヘッドから空気流を吸い込むためのファン組立体を含む。ソールプレート18は、主本体12の上側本体部16から取り外すことができる。
【0063】
ソールプレート18は、使用時に、清掃すべき床面と向かい合い、以下に詳細に説明するように掃除中に床面と係合する底面20を含む。底面20は、略平面であり、屑含有空気流が掃除機ヘッド10に吸い込まれる吸引開口部26の両側に配置される前方部分22及び後方部分24を含む。吸引開口部26は、略矩形形状であり、図4及び図8に示す吸引平面SPに配置される。また図9を参照すると、吸引開口部26は、各々がソールプレート18の底面から直立して底面と一体の側壁28、30、比較的長い前壁32、及び比較的長い後壁34によって範囲が定められる。
【0064】
ソールプレート18は、掃除機ヘッド10が床面上を動く際に、カーペット敷き床面の繊維を攪拌するための2つの作動縁部を含む。ソールプレート18の前方作動縁部36は、ソールプレート18の前方部分22の前壁32と底面との間の交差位置に配置され、側壁28、30の間に延びる。ソールプレート18の後方作動縁部38は、ソールプレート18の後方部分24の後壁34と底面との間の交差位置に配置され、側壁28、30の間に延びる。作動縁部36、38は鋭利であることが好ましい。
【0065】
掃除機ヘッド10は、主本体12の攪拌器チャンバ42内に収容された攪拌器組立体40を含む。本実施例において、攪拌器組立体40は、それぞれの回転軸R1、R2の周りで主本体12に対して各々回転可能である第1の攪拌器44及び第2の攪拌器46を含む。回転軸R1、R2は平行であり吸引開口部26を通る平面RPに包含される。吸引開口部26の前壁及び後壁32、34は、平面RPに対して略平行である。平面RPは、吸引平面SPに対して傾いており、吸引開口部26の後方に向かって傾斜している。平面RPと吸引平面SPとの間の角度αは、好ましくは70°から85°の範囲にあり、本実施例においては約80°である。
【0066】
各攪拌器44、46は、略環状の円盤形部材の形態である本体48を含む。攪拌器44、46の回転軸R1、R2は、本体48の中心を通過する。本体48は、攪拌器44、46の回転軸R1、R2に対して実質的に直角である。本体48は可撓性であって、好ましくはシリコーン、エラストマー、ポリウレタン又は他のゴム状材料から形成することができる可撓性シート材料から形成される。本体は、1から10mmの範囲の厚さであり、本実施例においては約3mmであることが好ましい。
【0067】
攪拌器44、46の本体48は、実質的に同一平面上にある。各本体48は、上側に膨らみ吸引開口部26に向かい合う下面を有する。本体46の下面は、吸引平面SPに対して傾き、吸引開口部26の前方に向かって傾斜している平面APに包含される。平面APと吸引平面SPとの間の角度βは好ましくは5°から20°の範囲にあり、本実施例においては約10°である。
【0068】
各本体48は、非円形の形状である。本実施例において、各本体48は、略楕円形の形状であり、長径r1及び長径r1に対して垂直である短径r2を有する。しかしながら、本体48は、別の非円形の形状を有することができる。例えば、本体48は、三角形、矩形とすること、又はnが2に等しいか又は2よりも大きい整数のn重回転対称を有する別の形状を有することができる。第1の攪拌器44の本体48は、第2の攪拌器46の本体48に対して、角度をなして、角度方向にオフセットしている。各本体48が略楕円形の形状である本実施例において、第1の攪拌器44の本体48は、約90°の角度だけ第2の攪拌器46の本体48からオフセットされるが、各本体48の相互オフセット角は、本体48の形状に応じてこの値とは異なることができる。
【0069】
また、各攪拌器44、46は複数の表面係合部材を含み、本実施例では、主本体12のソールプレート18に向かって下方に延びるように攪拌器44、46の本体48上に取り付けられた剛毛50の形態である。剛毛50は、好ましくは、本体48の下面に対して実質的に直交しており、攪拌器44、46の回転軸R1、R2に対して実質的に平行である。剛毛50は、好ましくはナイロン等の電気絶縁プラスチック材料から形成される。もしくは、剛毛50の少なくとも一部は、カーペット敷き床面に存在するあらゆる静電気を放電するために金属又は複合材料から形成することができる。剛毛50の別の実施例として又は追加的に、攪拌器44、46は、可撓性材料の少なくとも1つのストリップを含むことができる。剛毛50の剛性は、攪拌器44、46の本体48の剛性よりも高いことが好ましい。各剛毛50は、攪拌器44、46の本体48の下に配置され、清掃面と接触すると本体48に対して屈曲可能な第1の末端又は剛毛先端を有する。また、各剛毛50は、剛毛先端に対向して配置される第2の末端を有し、本実施例においては、剛毛50の反対端によってもたらされる。剛毛50の第2の末端は、本体48が攪拌器44、46の回転軸R1、R2の周りを回転するとき、本体48と一緒に移動する。
【0070】
剛毛50は、剛毛50が複数セットで配置されるように各本体48に配置されることが好ましい。剛毛50のセットは、攪拌器44、46の回転軸R1、R2の周りに所定の角度間隔をもって配置される。剛毛50の各セットは、本体48のそれぞれの端部に向かって配置されるので、剛毛の各セットは、本体48の形状に応じて60°から180°の範囲の角度だけ間隔をあけて配置することができる。本体48が略楕円形の形状を有する本実施例において、各本体48は、楕円形の本体48のそれぞれの端部に向かって配置された2つのセット52、54を各々含んでいるので、剛毛50のセット52、54は、約180°だけ間隔をあけて配置される。しかしながら、第1の攪拌器44の本体48が、約90°だけ第2の攪拌器46の本体48からオフセットされるので、第1の攪拌器44の剛毛50のセット52、54は、第2の攪拌器46の剛毛50の組52、54から約90°だけオフセットされる。
【0071】
各セット52、54内では、剛毛50は、複数列に配置される。剛毛50の列は、好ましくは実質的に平行であって、本実施例においては、本体48の長径r1に対して実質的に平行である。各列内で、剛毛50は、列に沿って間隔をあけて配置される複数の房又は群でもって配置される。もしくは、剛毛50の各列は、実質的に連続することができる。
【0072】
剛毛50の各列はそれぞれの剛毛保持部材56に固定された後に本体48に取り付けられる。本実施例において、各剛毛保持部材56は、5つの剛毛の房を含む。各剛毛保持部材56は、略楕円形の形状であり外周面の周りに延びる溝58を含む。溝58の幅は、本体48の厚さよりも狭い。各剛毛保持部材56は、本体48に形成されたそれぞれの楕円形開口内に配置される。各開口は連続周囲面60を有する。各剛毛保持部材56を本体48に固定するために、各剛毛保持部材56は、それぞれの開口内に配置され、開口の周囲面60は、該周囲面60が溝58に入るように手で変形される。溝58の幅は本体48の厚さよりも狭いので、変形すると本体48に蓄積される弾性エネルギは、本体48が実質的に弛緩すると本体48を溝58の表面に対して押し付ける。本体48と剛毛保持部材56との間のこの係合により、剛毛保持部材56が掃除中に剛毛50に加わったトルクによって本体48から外れることが防止される。
【0073】
図8及び図9は、掃除機ヘッド10の主本体12に対して攪拌器組立体40を回転させるための駆動機構を示す。駆動機構は、500rpmから5,000rpmの範囲の速度で攪拌器44、46を回転させるよう構成され、本実施例においては、駆動機構は、約2,500rpmの速度で攪拌器44、46を回転させるように構成される。駆動機構は、タービンチャンバ72内に配置されたタービン組立体70を含む。タービンチャンバ72は、上側本体部16に取り付けられたカバー74内に配置されており、掃除機ヘッド10の主本体12の上面を形成する。タービンチャンバは、掃除機ヘッド10が接続される真空掃除用電気器具のファンユニット作動中に、空気流がタービンチャンバ72に吸い込まれる略環状の空気入口76を含む。メッシュスクリーン等の多孔質カバーを空気入口76に配置してタービンチャンバ72の汚れ及び塵埃の侵入を防止することができる。
【0074】
タービンチャンバ72を通過した空気は、主本体12から導管14に向かって後方に延びる空気ダクトの上側部分78に排出される。空気ダクトは、攪拌器チャンバ42から空気を受け取るための下側部分80を有する。空気ダクトの上側部分78は、上側本体部16と一体の仕切り壁82によって空気ダクトの下側部分80から分離される。空気ダクトの上側部分78を通過した空気流と下側部分80を通過した空気流は、吸引開口部26及び空気入口76から下流の導管14内で合流する。
【0075】
タービン組立体70は、インペラ駆動軸86に一体化されて又は取り付けられて一緒に回転するようになっている。例えば、インペラ84は、インペラ駆動軸86にモールド成形又はプレスすることができる。インペラ84は、該インペラ84の外周に配置された、等距離のインペラブレード88の円周方向アレイを含む。インペラ駆動軸86の一方の端部は、タービン組立体72のステータ90に回転可能に取り付けられる。ステータ90は、インペラ駆動軸86が挿入される環状ステータ本体94の外周に円周方向に配置されるステータブレード92の環状アレイを含む。ステータ本体94は、インペラ84と実質的に同じ外径を有し、ステータブレード92は、インペラブレード88と実質的に同じサイズである。インペラ駆動軸86は、インペラブレード88がステータブレード92に対向して配置されるように、ステータ本体94のボア内に支持される。ステータ本体94は、ステータ本体94と共に、ステータブレード92が配置される環状チャネルを形成する環状ステータフレーム96によって取り囲まれる。また、ステータフレーム96は、インペラ84と共に、インペラブレード88が配置される環状チャネルを形成する。ステータブレード92、ステータ本体94、及びステータフレーム96は、一体成形品として好都合に形成できる。ステータフレーム96の下端は、上側本体部16によって支持され、駆動軸86の下端は、上側本体部16の仕切り壁82によって支持される。
【0076】
駆動機構は、インペラ84を攪拌器44、46に連結するための歯車列を更に含む。歯車列の歯車は、インペラ84の回転軸、及び攪拌器44、46の回転軸R1、R2に対して実質的に平行である回転軸を有する。歯車列は、ステータ本体94に対向するインペラ84の側面に取り付けられる駆動歯車98を含み、インペラ84と一緒に回転するようになっている。駆動歯車98は、締まり嵌めによってインペラ84に結合することができる。駆動歯車98の歯は、複合歯車の入力歯車100の歯と噛み合う。複合歯車の出力歯車102の歯は、第1の従動歯車104の歯と噛み合う。また、第1の従動歯車104の歯は、第2の従動歯車106の歯と噛み合う。従動歯車104、106の各々は、それぞれの攪拌器44、46の一部を形成するとみなすことができる。従動歯車104、106の各々は、仕切り壁82に形成されたそれぞれの開口を貫通する環状攪拌器駆動軸108を含む。従動歯車104、106の各々は、仕切り壁82と従動歯車104、106の攪拌器駆動軸108との間に配置された軸受装置110によって仕切り壁82に対して回転自在に支持される。複合歯車は、駆動歯車98を従動歯車104、106の1つに連結するためのベルト及びプーリーシステムに置き換えることができる。
【0077】
第1の攪拌器44の本体48は、第1の従動歯車104の攪拌器駆動軸108の端部に結合され、第2の攪拌器46の本体48は、第2の従動歯車106の攪拌器駆動軸108の端部に結合される。各本体48は、それぞれの環状端部キャップ110によってそれぞれの攪拌器駆動軸108に結合される。各端部キャップ110は、本体48が攪拌器駆動軸108の端部と端部キャップ110との間に挟まれるように、最初に本体48の中心開口に挿入され、次に、攪拌器駆動軸108に形成された溝112に挿入される一対のフィンガを含む。次に、端部キャップ110は、端部キャップ110及び本体48に形成された開口に差し込まれて攪拌器駆動軸108にねじ込まれるスクリュー又はボルト(図示せず)によって攪拌器駆動軸108に固定される。キャップ110を本体48に結合するためにスクリュー、ボルト、クリップ、又は他の取り外し可能な手段を使用すると、例えば、修理又は交換のために、ユーザは掃除機ヘッド10から本体48を取り外すことができる。
【0078】
結果的に、導管14が取り付けられる真空掃除用電気器具に収容されたモータ駆動ファンユニットの作用により、空気流がタービンチャンバ72を通って吸い込まれる際に、インペラ88は、空気流によってタービンチャンバ72に対して回転される。インペラ88の回転により歯車列が回転して、結果的に、第1の従動歯車104と第2の従動歯車106が逆方向に回転するので、第1の攪拌器44と第2の攪拌器46は逆方向に回転する。各攪拌器44、46の本体48は、図7に示すそれぞれの経路P1、P2の周りを動く。本体48の回転軸R1、R2の間隔及び長径r1のサイズは、経路P1、P2が交差するように選択される。経路P1、P2は実質的に同一平面上にあるので、攪拌器44、46の各本体48の移動領域は重なり合う。重なり領域OAは、図7の斜線部分である。重なり領域OAは、攪拌器44、46の間の中心に位置しており、吸引開口部26の後方に位置している。第2の攪拌器46の本体48からの第1の攪拌器44の本体48の角度方向オフセットにより、各本体48は、回転軸R1、R2周りの攪拌器44、46の回転中に衝突しないようになっている。
【0079】
攪拌器組立体40は、いかなる瞬間でも攪拌器44、46の剛毛50の全ては吸引開口部26から突出しないように、攪拌器チャンバ42内に配置されている。例えば、図2から図9に示すような攪拌器44、46の角度位置において、第1の攪拌器44の剛毛の第1のセット52が吸引開口部26から突出する際に、第1の攪拌器44の剛毛の第2のセット54は、吸引開口部26の後方に配置される。吸引開口部26を通る第1の攪拌器44の剛毛の第1のセット52の剛毛50の突出部は図4に示されている。一方で、攪拌器44、46のこの角度位置において、第2の攪拌器46の第1及び第2のセット50、52の剛毛の各々の剛毛の一部のみが吸引開口部26から突出する。
【0080】
本実施例において、攪拌器組立体40は、各剛毛50が、そのそれぞれの攪拌器44、46の回転軸R1、R2の周りの2分の1未満の回転期間に吸引開口部26から突出するように攪拌器チャンバ42内に配置される。吸引平面26に対する本体48の傾斜角度、本体48の中心と吸引平面SPとの間の間隔、並びに剛毛50の長さは、これらの回転軸R1、R2の周りの攪拌器44、46の回転中に、剛毛50が、掃除機ヘッド10が配置される表面上の略アーチ形領域SA1及びSA2を掃くように選択される。また、これらの掃く領域SA1、SA2は図7に明確になっており、勿論、剛毛50が掃く実際の領域は、剛毛50が清掃面と接触すると広がる度合い、剛毛の摩耗度合い、清掃面の均一性、及びカーペット敷き床面に対してカーペットが吸引開口部26の方向に又はその中に吸引される度合いに応じて様々である。掃かれる領域SA1及びSA2は、一般的に、吸引開口部26のそれぞれの側壁28、30から吸引開口部26の中心まで延び、その中間点において吸引開口部26の前壁32の近くを通る。掃かれる領域SA1、SA2は、吸引開口部26の中心において重なる場合もある。
【0081】
使用時、ソールプレート18の底面20は清掃面上に配置される。吸引開口部26から突出する剛毛50が清掃面と係合すると、剛毛50を支持する攪拌器44、46の本体48の一部分又は複数の部分は、剛毛50が表面に対して略垂直となるように攪拌器駆動軸108に対して上方に屈曲する。また、本体48が屈曲すると、剛毛50の第2の末端が本体48と一緒に攪拌器駆動軸108に対して上方に移動する。本体48の上面と攪拌器チャンバ42との間の間隔は、本体48が清掃面と接触して上方に屈曲する場合に、本体48が、攪拌器チャンバ42と接触しないように選択される。本実施例において、本体48の屈曲部分の上面は、掃除機ヘッド10の使用中に攪拌器チャンバ42と本体48との間の接触により本体48の何らかの摩耗を回避するように、1mmから5mmの範囲の距離だけ攪拌器チャンバ42から間隔をあけて配置されることが好ましい。
【0082】
また、剛毛50は可撓性があるので、ソールプレート18の前方作動縁部36の最も近くに配置され、結果的に吸引開口部26から最大限突出する、剛毛房の剛毛50は、バラバラに広がる傾向がある。掃除機ヘッド10が取り付けられた真空掃除用電気器具のスイッチを入れると、電気器具のファンユニットは、吸引開口部26を通して第1の空気流を攪拌器チャンバ42に吸い込み、空気入口76を通して第2の空気流をタービンチャンバ72に吸い込む。前述のように、第2の空気流は、攪拌器44、46を逆方向に回転させるインペラ84を回転させて、清掃面のアーチ形領域SA1及びSA2にわたって攪拌器44、46の剛毛50を動かすようになっている。清掃表面上における剛毛50の先端のカーブを描く運動は、清掃表面上に配置された繊維又は毛を含む全ての比較的大きな屑を、剛毛50の先端の前方及び/又は下方に配置される塊にする傾向がある。この繊維塊は、第1の空気流中に取り込むことができるので、攪拌器チャンバ42及びダクトの下側部分80を通って導管14に入り電気器具に送られることになる。
【0083】
剛毛房がこれらの領域上を動くと、剛毛50及び剛毛50を支持する本体48の部分は様々な量、曲がる。剛毛は吸引開口部26の前方に向かってバラバラに広がる傾向があるので、比較的小さな屑は各剛毛50の間にひっかかり、その後、剛毛50が清掃面を離れる際に弛緩するとき、捕捉される。
【0084】
屑を剛毛50から取り除くために、掃除機ヘッド10は一対の傾斜部120、122を含み、攪拌器44、46が回転すると剛毛50は傾斜部上を動く。図8から図12を参照すると、各傾斜部120、122は、ソールプレート18に結合しており、好ましくは一体になっている。傾斜部120、122はソールプレート18の上面に結合されており、傾斜部120、122が吸引開口部26の後方に配置された剛毛50と係合するように、傾斜部120、122が、吸引開口部26の後壁32に隣接して好ましくはすぐ後ろに配置されるようになっている。各傾斜部120、122は、吸引平面SPに対して傾斜している。吸引平面SPに対する傾斜部120、122の傾斜角度は、傾斜部120、122の長さに沿って変化してもよいが、本実施形態においては、吸引平面SPに対する傾斜部120、122の傾斜角度は、傾斜部120、122の長さに沿って略一定である。傾斜部120、122の傾斜角度は、平面APと吸引平面SPとの間で規定された角度βとほぼ同じである。
【0085】
傾斜部120、122の高さ及び傾きは、剛毛50が、傾斜部120、122の略全長にわたって傾斜部120、122と接触するように選択するのがよい。もしくは、剛毛50は、傾斜部120、122の端部近くでのみ傾斜部120、122と係合してもよい。各傾斜部120、122は、攪拌器44、46の各剛毛50が攪拌器の回転軸周りを回転する間、傾斜部120、122と接触するように、それぞれの攪拌器44、46の回転軸R1、R2の周りに弧状に延びる。本実施例において、各傾斜部120、122は、それぞれの攪拌器44、46の回転軸の周りに約70°の角度だけ延びる。剛毛50が傾斜部120、122上を動くと、剛毛50はバラバラに広がり剛毛の間に捕らえられた屑を解放する。その後、解放された屑は、掃除機ヘッド10を通過する第1の空気流に取り込まれることができる。
【符号の説明】
【0086】
10 掃除機ヘッド
12 本体
14 導管
16 上側本体部
18 ソールプレート
50 剛毛
52 剛毛の第1のセット
70 タービン組立体
72 タービンチャンバ
SP 吸引平面
【技術分野】
【0001】
本発明は、掃除用電気器具のための掃除機ヘッドに関する。好適な実施形態において、掃除機ヘッドは、真空掃除用電気器具での使用に適している。
【背景技術】
【0002】
真空掃除機は、典型的には、汚れ及び塵埃分離器を収容する本体、本体に接続され吸引開口部を有する掃除機ヘッド、及び吸引開口部及び掃除機ヘッドを通して本体に汚れ含有空気を吸い込むためのモータ駆動ファンユニットを含む。吸引開口部は、清掃すべき床面と向かい合うように下方に向いている。汚れ含有空気は、空気が大気に排出される前に汚れ及び塵埃を空気から分離することができるように分離器に送られる。分離器は、フィルタ、フィルタバッグ、又は公知のサイクロン構成の形態を取ることができる。
【0003】
真空掃除機は、一般的に、円筒型又はキャニスタ型の掃除機、直立型掃除機、及び携帯型掃除機を含む。円筒型真空掃除機は、本体と掃除機ヘッドとの間に延びるホース及びワンド組立体によって床面を引きずられる1組の車輪によって支持される本体を含む。掃除機ヘッドは、一般的に、本体から離間したワンド端部に取り外し可能に取り付けられる。直立型真空掃除機は、典型的には、本体、清掃すべき床面上で真空掃除機を動かすために本体に取り付けられた転動組立体、及び本体に取り付けられた掃除機ヘッドを含む。使用時には、ユーザは、直立型真空掃除機の本体を床面方向に倒した後に、床面上で真空掃除機を動かすために本体に取り付けられたハンドを連続的に押し引きする。
【0004】
通常ブラシバー形態の駆動攪拌器は、掃除機ヘッドのブラシバーチャンバ内に回転可能に取り付けることができる。ブラシバーは、コアから半径方向外向きに延びる剛毛を支持する細長円筒型コアを含む。剛毛は、一般的に、ブラシバーのコアの周りでコアに沿って間隔をあけて配置される剛毛の群又房でもって提供される。吸引開口部は、ブラシバーチャンバの底部に配置され、ブラシバーは、吸引開口部からわずかに突出するようにチャンバ内に取り付けられる。ブラシバーチャンバの排気口は、一般的に、ブラシバーチャンバの後方に配置される。排気口は、通常、ブラシバーチャンバに形成された円形又は矩形開口の形態である。
【0005】
ブラシバーは、主に真空掃除機がカーペット敷き面を清掃するのに用いられる場合に作動する。長手方向軸線の周りのブラシバーの回転は、掃除機本体から電力を供給される電気モータによって、又は掃除機ヘッドを通過する又は掃除機ヘッドに入る空気流によって駆動されるタービンによって引き起こされる。例えば、国際特許公開2004/028330号には、掃除機ヘッドのブラシバーを回転駆動するためのタービン組立体を有する掃除機ヘッドが説明されている。タービン組立体は、ハウジング内に設けられガイドベーンプレートに対して回転するようになった羽根付きインペラを含む。ハウジングは、床用ツールの一方側に配置される。インペラは、プーリーシステムによってブラシバーに連結される。ハウジングは、真空掃除用電気器具の吸引開口部と本体との間に延びる吸引ダクトに接続された空気出口と、外気をハウジングに入れるための空気入口とを有する。電気器具のスイッチが入ると、外気は、ハウジングを通って吸い込まれ、インペラがブラシバーを回転させてブラシバーを回転駆動するようになっている。
【0006】
ブラシバーの回転により、剛毛が清掃すべきカーペットの繊維間を掃いて、カーペットの繊維と、カーペットの表面上及び/又はカーペットの繊維間にある塵埃粒子、繊維、及び毛髪等の屑の両者を激しく動かす。剛毛が繊維間を掃くと、カーペットが剛毛に付与する力により、剛毛が広がって剛毛の間に一部の屑が留まる。剛毛が繊維から離れて回転すると、剛毛が通常の形態に戻る際の剛毛の運動により、塵埃粒子又は他の比較的小さな屑が剛毛の房から取り除かれやすくなる。しかしながら、繊維及び毛髪等の屑は、剛毛の間に捕らえられたまま残る場合もある。長手方向軸線の周りのブラシバーの回転によって、このように捕らえられた全ての繊維は、ブラシバーのコアに向かって内向きに移動しやすくなり、結果としてブラシバーのコアに繊維を巻き付ける。その後、ユーザは、手動で適宜ブラシバーからこれらの毛髪及び繊維を取り除く必要がある。
【0007】
掃除時、特にラグカーペット又は厚いパイルカーペットの掃除時に、比較的大きなトルクがブラシバーの剛毛にかかる場合がある。ブラシバーにかかるトルクの大きさを制限して掃除中にブラシバーが止まるリスクを低減するために、ブラシバーは、該ブラシバーのコアの外面上で比較的柔軟な剛毛及び/又は比較的密度の低い剛毛の房とすることができる。柔軟な剛毛及び/又は少数の剛毛の房を使用すると、パイルカーペットの掃除中にブラシバーが止まるリスクは低減するが、薄いパイルカーペットに使用する際に掃除機ヘッドの掃除性能が悪化する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2004/028330号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様において、本発明は、掃除用電気器具のための掃除機ヘッドを提供するものであり、掃除機ヘッドは、
駆動軸、駆動軸に取り付けられた可撓性本体、及び本体に取り付けられた少なくとも1つの表面係合部材を含む、回転可能な攪拌器と、
攪拌器を収容する攪拌器チャンバと、を備え、撹拌器チャンバは、下向き開口部を含み、下向き開口部は平面内に配置されており、少なくとも1つの表面係合部材によって活動化された屑が、下向き開口部を通して掃除機ヘッドに入り、
本体が、攪拌器の回転により、少なくとも1つの表面係合部材が開口部を通して、好ましくは開口部の前部近くで突出するように、開口部の平面に対して傾斜している。
【0010】
長手方向軸線周りで回転可能な円筒型ブラシバーの形態の攪拌器を有する掃除機ヘッドを備える別の実施形態として、第1の態様において、本発明は、攪拌器が掃除機ヘッドの使用中に回転する回転軸を有する駆動軸と、駆動軸に連結された可撓性の本体と、清掃されるべき表面と係合するように本体に取り付けられた表面係合部材とを含む回転攪拌器を備える掃除機ヘッドを提供する。
【0011】
可撓性本体は好ましくは環状形状であって、攪拌器の少なくとも可撓性の外周部をもたらすことが好ましい。例えば、可撓性本体は、攪拌器の中心コアの周りに配置することができる。変形例では、本体は、表面係合部材が取り付けられた可撓部を有してもよく、従って、用語「可撓性本体」は、単一の可撓性部材又は部分を含む本体、及び複数の可撓性部材又は可撓性部分を含む本体の両方を含む。
【0012】
表面係合部材は、本体に取り付けられた複数の剛毛の形態であることが好ましい。これらの剛毛は、清掃面と係合するための第1の末端すなわち先端と、第1の末端に対向して配置された第2の末端とを有する。例えば、この第2の末端は、剛毛の他方の端部とすることができるが、剛毛の両端が清掃面と接触するように剛毛が曲げられるか、さもなければ成形される場合には、この第2の末端は剛毛の両端の中間部とすることができる。剛毛は、本体上に取り付けられた複数の剛毛の房又は群の形態で、又は本体上に取り付けられた実質的に連続する複数の列の形態で配置することができる。
【0013】
別の実施形態として又は追加的に、少なくとも1つの表面係合部材は、弾性材料の少なくとも1つのストリップ、又は他の弾性表面係合部材を含むことができる。表面係合部材は、攪拌器の本体よりも大きな剛性を有することが好ましく、ナイロンから形成されることが好ましい。
【0014】
別の実施形態として、少なくとも1つの表面係合部材は、本体に取り付けられる掃除用パッドを含むことができ、その場合、パッドの第1の末端はパッドの清掃面に対応し、パッドの第2の末端は本体に取り付けられるパッド表面に対応する。
【0015】
更に別の実施形態として、表面係合部材は本体と一体とすることができる。例えば、表面係合部材は本体の隆起部からなってもよい。
【0016】
攪拌器は、例えば、剛毛によって活動化された屑が掃除機ヘッドに入る下向き開口部を有する、攪拌器チャンバに収容される。攪拌器は、攪拌器の各回転によって各剛毛がその回転の一部中のみ開口部に突出するように、開口部に対して配置される。言い換えると、各剛毛は、駆動軸の回転軸周りの回転の第1の期間中に開口部から突出するが、駆動軸の回転軸周りの回転の第2の期間中には開口部の上方に配置される。
【0017】
本発明の本態様において、攪拌器は、本体が、開口部の平面に対して傾斜するように開口部に対して配置される。本体の少なくとも中心、好ましくは、実質的に全ては開口部平面の上方に配置することができる。剛毛の長さは、掃除機ヘッドが清掃面上に、開口部がこの表面に対向するように配置されると、各剛毛が、該剛毛の攪拌器の回転軸周りの3分の2回転未満、好ましくは2分の1回転未満の回転時に開口部から突出するように選択するのがよい。
【0018】
例えば、剛毛房の剛毛先端が清掃面と係合すると、剛毛房を支持する可撓性本体部分は、攪拌器の駆動軸に対して上方に屈曲する。これにより、清掃面に対して略平行な平面内に位置決めされた弧状の清掃面上を剛毛先端が動くことが可能になる。剛毛を清掃面上で弧状に動かすことによって、及びこれらの剛毛を可撓性本体上に配置することによって、例えば、厚いパイルカーペット又はラグカーペットの清掃中に剛毛に付与されるトルクは、同様の掃除中に円筒型ブラシバーの剛毛に付与されるトルクよりも著しく小さくできる。結果的に、攪拌器がパイルカーペット又はラグカーペットの清掃中に止まるリスクを低減できるので、清掃中に攪拌器が止まる可能性を高くすることなく剛毛の剛性を高くすることができる。本体の可撓性により、清掃面のいかなる起伏にも対応できるので、床面から剛毛に付与されるトルクが著しく変動することなく、起伏のある表面上で剛毛先端を引っ張ることが可能になる。同様に、剛毛が掃除機ヘッドの使用中に摩耗すると、本体は少しだけ屈曲して剛毛の摩耗を補い、剛毛先端と清掃面との間での係合を維持する。
【0019】
更に、カーペット表面上での剛毛先端の移動により、カーペット表面上の何らかの繊維又は毛髪がカーペット表面上で掃かれると、剛毛先端の前側及び/又は下側で塊にされる傾向がある。この繊維塊は、掃除機ヘッドが取り付けられた真空掃除用電気器具が発生する空気流に容易に取り込むことができ、攪拌器チャンバ開口部を通って掃除機ヘッドに入る。
【0020】
本体は、攪拌器の回転によって剛毛が開口部の前部近くで開口部を通して突出するように、開口部の平面に対して傾斜していることが好ましい。これにより、ユーザは、掃除機ヘッドの少なくとも前部が取り除かれるべき毛髪を通り越すように、直感的に毛髪のすぐ後に掃除機ヘッドを置いて掃除機ヘッドを毛髪上で移動させるので、表面から毛髪又は毛髪塊を取り除くためにツールを使用することが容易になる。開口部の前部の下方及び前方に剛毛が掃く表面領域を配置することにより、剛毛が攪拌器の回転中に毛髪と接触する可能性を最大にできる。
【0021】
可撓性本体上に剛毛又は他の表面係合部材を位置決めする別の実施形態として、剛毛は、剛毛先端と清掃面とが係合した状態で、攪拌器の駆動軸に関して移動可能である実質的に剛体上に配置することができる。例えば、本体は、剛毛先端と清掃面とが係合した状態で、本体を駆動軸に関して移動可能にする可撓性結合又は自在継手によって、駆動軸に連結することができる。可撓性結合により、剛毛の先端と清掃面とが係合した状態で、駆動軸の回転軸に関して本体が移動可能になり、又は、可撓性結合により、剛毛先端と清掃面とが係合した状態で、本体が駆動軸に関して枢動可能になる。
【0022】
前述の実施例の各々において、剛毛が結合される本体の少なくとも一部は、剛毛先端と清掃面とが係合した状態で駆動軸に関して移動可能であり、垂直方向に移動可能であることが好ましい。しかしながら、剛毛は、剛毛が清掃面と係合すると、駆動軸に対する各剛毛の第2の末端のある程度の移動が可能になるように、攪拌器の本体に剛結合する必要はない。従って、第2の態様において、本発明は、掃除用電気器具のための掃除機ヘッドを提供するものであり、掃除機ヘッドは、
駆動軸、駆動軸に取り付けられた本体、及び本体に取り付けられた少なくとも1つの表面係合部材を含み、各表面係合部材が、清掃面と係合する第1の末端と、第1の末端の反対側に配置され、第1の末端と清掃面とが係合した状態で駆動軸に対して移動可能な第2の末端とを有する、回転可能な攪拌器と、
攪拌器を収容する攪拌器チャンバと、を含み、前記攪拌器チャンバは、下向き開口部を含み、下向き開口部は平面内に配置され、少なくとも1つの表面係合部材によって活動化された屑が下向き開口部を通して掃除機ヘッドに入り、
本体が、攪拌器の回転により、各表面係合部材の第1の末端が開口部から突出するように、開口部平面に対して傾斜している。
【0023】
好適な実施形態において、本体は、全体的に平らな形状である。本体は、可撓性パッドの形態であり、可撓性シート材料から形成することができる。本体は、可撓性材料のシートから本体を型打ちすることで形成できるが、別の方法として、本体は、攪拌器の駆動軸又は他の部分の上にオーバーモールド成形できる。本体は、シリコーン、エラストマー、ポリウレタン、又は他のゴム状弾性材料から形成されることが好ましい。
【0024】
本体の厚さは、好ましくは1mmから10mmの範囲、より好ましくは2mmから5mmの範囲である。開口部の平面と本体に対して平行な平面との間で規定される角度は、好ましくは0°から20°である。
【0025】
別の実施形態において、本体は、非平坦形状とすることができる。例えば、本体は、湾曲、凸形又はドーム形、さもなければ本体中心を通る軸に対して対称な形とすることができる。剛毛又は他の表面係合手段は、本体の平らな可撓性部分、例えば本体の可撓性リム上に配置するのがよい。
【0026】
掃除機ヘッドは、駆動軸の回転軸周りで攪拌器を回転させる手段を含むことが好ましい。回転軸は本体中心を通ることが好ましい。本体が全体的に平らな形状である場合、回転軸は本体に対して実質的に直角であることが好ましい。この場合、回転軸は、開口部の平面に対して傾斜している。
【0027】
回転軸は、開口部を通ることが好ましい。回転軸と開口部の平面との間で定まる角度は70°から90°であることが好ましい。
【0028】
本体は円形であり、剛毛と清掃すべき平面との間で接触した状態で本体の一回転の間に比較的一定のトルクが本体に付与されるように、剛毛は、本体の周りで等間隔をあけて配置するのがよい。もしくは、本体は、剛毛が回転時の一定期間だけ開口部から突出するように非円形としてもよい。従って、本体、結果的に攪拌器を回転させるための駆動機構に付与されるトルクは、少なくとも一部又は比較的多数の剛毛が清掃面と接触している少なくとも1つの最大値と、比較的少数の剛毛が清掃面と接触している又は全く接触していない少なくとも1つの最小値との間で変わり得る。
【0029】
本体は、nが2に等しいか又は2よりも大きな整数であるn重回転対称形を有することができる。例えば、本体は、略矩形、三角形、正方形とすること、又は別の多角形であってもよい。もしくは、本体は、全体的に楕円形状とすることができる。別の実施形態において、本体は対称形とすることができる。例えば、本体は、駆動軸の回転軸周りで回転するアームの形態とすることができる。
【0030】
前述のように、本体は、該本体上に取り付けられた複数の剛毛を含むことが好ましい。これらの剛毛は、本体の底面を実質的に覆うことができる。変形例では、剛毛は、本体の底面上に環状配列で配置することができる。好適な実施形態において、剛毛は、本体上に取り付けられた剛毛房の複数列に配置される。剛毛房の各列は本体に取り付けられる剛毛保持部材に固定してもよい。例えば、各剛毛保持部材は本体に形成された開口に配置されることが好ましく、本体には剛毛保持部材を取り囲む連続面が形成されている。剛毛保持部材は、本体と剛毛保持部材との間の締まり嵌めにより保持できる。もしくは、連続面は、剛毛保持部材の対向部分を把持できる。例えば、剛毛保持部材の対向部分には、各開口の周縁部を受け入れる溝を形成することができ、溝の幅は、可撓性本体が変形して溝に入ると蓄積された弾性エネルギで開口内の剛毛保持部材を保持できるように、本体の厚さよりも狭い。これにより、剛毛保持部材は可撓性本体に手動で固定できる。
【0031】
第3の態様において、本発明は、掃除用電気器具の掃除機ヘッドのための攪拌器を提供するものであり、攪拌器は、複数の開口を有する可撓性本体、及び本体に取り付けられた少なくとも1つの表面係合部材を含み、各開口はその周りに延びる周囲面を有する、回転可能な攪拌器と、各々がそれぞれの本体開口内に配置され、各々が複数の剛毛を含む複数の剛毛保持部材とを備え、各々の開口の周囲面は、その中に配置される剛毛保持部材の対向する表面間で把持される。
【0032】
前述のように、各剛毛保持部材は剛毛房の列を含む。攪拌器は、複数セットの剛毛を含むのがよく、剛毛の各セットは、剛毛房の複数列を含み、剛毛の各セットは、本体のそれぞれの端部に又はその近くに又は角部に配置される。
【0033】
開口は、剛毛列が実質的に平行になるように配置されることが好ましい。例えば、剛毛列は、本体の長いほうの半径に対して実質的に平行に配置できる。もしくは、剛毛列は、本体上で半径方向に揃えることができる。
【0034】
掃除機ヘッドは、掃除機ヘッドから空気流を吸い込むための真空掃除用電気器具に接続可能であることが好ましい。空気流は、開口部を通って掃除機ヘッドに入り、攪拌器チャンバを通って空気出口に送られることが好ましい。空気出口は、空気流を掃除用電気器具に送るためのホース及びワンド組立体に接続可能であることが好ましい。もしくは、掃除機ヘッドは、直立型掃除用電気器具の本体、又は可搬性掃除用電気器具の本体に取り付けることができる。
【0035】
攪拌器は、駆動軸の回転軸周りで単一の角度方向に回転できる。もしくは、攪拌器は、駆動軸周りで2つの異なる角度方向に連続的に回転できる。
【0036】
攪拌器は、任意の好適な機構によって駆動軸の回転軸周りを回転できる。例えば、攪拌器は、表面係合部材と、掃除機ヘッドが表面上を移動すると回転する車輪との間の摩擦力の下で回転できる。好ましくは、掃除機ヘッドは、攪拌器を回転させるための駆動機構を含む。駆動機構は、掃除機ヘッドが取り付けられる真空掃除用電気器具のファンを駆動するためのモータに連結可能である。もしくは、攪拌器は、掃除機ヘッドに配置された専用モータで駆動できる。モータには、例えば掃除機ヘッドを真空掃除用電気器具に接続するホース及びワンド組立体に配置された電気コネクタを経由して真空掃除用電気器具から電力供給できる。もしくは、掃除機ヘッドは、モータに電力供給するバッテリを含むことができる。
【0037】
駆動機構は、好ましくは、500rpmから5,000rpmの範囲の速度で攪拌器を回転させるように構成される。好適な実施形態において、駆動機構は、約2,500rpmの速度で攪拌器を回転させるように構成される。
【0038】
掃除機ヘッド又は掃除機ヘッドが取り付けられる真空掃除用電気器具の電力消費を低減するために、掃除機ヘッドは、攪拌器を駆動するインペラを有する空気タービン組立体を含むことが好ましい。攪拌器は、インペラによって直接駆動されることができ、又は、攪拌器をインペラに連結するための駆動機構を設けることができる。このような駆動機構は、攪拌器の上方に配置されることが好ましい。駆動機構は、複数の駆動構成要素を含むことが好ましい。駆動構成要素は、インペラを攪拌器に連結する1つ又はそれ以上のベルトを含んでもよいが、好適な実施形態においては、駆動構成要素は複数の歯車を含む。各駆動構成要素はそれぞれの回転軸を有することが好ましく、駆動構成要素の回転軸は攪拌器の回転軸及びインペラの回転軸のうちの少なくとも一方に平行であることが好ましい。
【0039】
開口部は、第1の空気流を攪拌器チャンバに入れるように構成されることが好ましく、インペラは、この第1の空気流によって駆動できる。もしくは、掃除機ヘッドは、第1の空気流とは別の第2の空気流をタービン組立体に入れるためのタービン空気入口と、攪拌器チャンバからの第1の空気流及びタービン組立体からの第2の空気流を受け入れるためのダクトを含むことができ、ダクトは空気流を掃除機ヘッドの空気出口に送る。
【0040】
開口部及びタービン空気入口は、掃除機ヘッドの反対側に配置されることが好ましい。開口部は、掃除機ヘッドの下面に配置されることが好ましく、タービン空気入口は、掃除機ヘッドの上面に配置されることが好ましい。タービン空気入口は、掃除機ヘッドの上面の、上方に向かう部分に配置できる。もしくは、タービン空気入口は、タービン組立体の周りに広がるように上面の環状部分に配置してもよい。掃除機ヘッド上面に空気入口を配置することによって、掃除機ヘッドが比較的薄型となり例えば家具の下の掃除を容易にできることを可能にする。
【0041】
第4の態様において、本発明は、掃除用電気器具のための掃除機ヘッドを提供するものであり、掃除機ヘッドは、
上面と、第1の空気流を入れるための吸引開口を含む下面とを有する主本体と、
少なくとも1つの本体と、該本体に取り付けられ表面と係合するための表面係合部材とを含む、表面から屑を掃くための回転可能な攪拌器組立体と、
回転可能な攪拌器組立体を駆動するためのインペラを含む空気タービン組立体と、
主本体の上面に配置された、タービン組立体に第2の空気流を入れるためのタービン空気入口と、
ハウジングからの第1の空気流及びタービン組立体からの第2の空気流を受け入れるダクトと、を備える。
【0042】
ダクトは、タービン空気入口からの第1の空気流を受け入れるための上側部分と、開口部からの第2の空気流を受け入れるための下側部分とを含むことが好ましい。駆動機構は、開口部とタービン空気入口との間に配置された壁又は他の構造的仕切りの形態とするのがよい支持体の上に好都合に取り付けることができる。タービン空気入口は、攪拌器組立体の後方及び/又は開口部の後方に配置することが好ましい。
【0043】
本体は、本体の一部だけが常に開口部の直上に配置されるように攪拌器チャンバに配置されることが好ましい。本体の残りの部分は、ソールプレートの後方領域の上方に配置されることが好ましい。
【0044】
開口部の平面に対する本体の傾斜によって、本体に取り付けられた剛毛の変形度合いは、攪拌器の回転軸周りの剛毛の回転の第1の期間中、変化する傾向にある。従って、攪拌器の回転軸周りの回転の第1の期間中、剛毛房の剛毛は様々な量、広がる傾向にあるので、様々なサイズの屑を剛毛間に捕らえることが可能になり、その後、清掃面から離れて移動すると剛毛房は弛緩する。出願人は、このメカニズムが、本体が開口部の平面に対して実質的に平行であるものに比較して改善された本発明の掃除機ヘッドの捕捉性能をもたらすことを見いだした。
【0045】
剛毛房が攪拌器の回転軸周りの回転の第2の期間中、開口部の上方で回転すると、剛毛間に捕らえられた屑を剛毛の間から吸い出すことができ、掃除機ヘッドを通過する空気流に取り込むことができる。剛毛の間からの屑の放出を促進するために、掃除機ヘッドは、攪拌器チャンバに配置された剛毛攪拌面を含むのがよく、攪拌器の回転により剛毛は剛毛攪拌面上を動き、剛毛が広がって剛毛の間から屑を放出させるようになっている。その後、放出された屑は、掃除機ヘッドを通過する空気流に取り込むことができる。
【0046】
攪拌面は、開口部に隣接して配置されることが好ましい。開口部は、好ましくは前縁及び後縁を有し、攪拌面は、好ましくは剛毛が開口部の後方に位置した際に剛毛と係合するように開口部の後縁に隣接して配置され、剛毛から取り除かれた屑が開口部を通って清掃された面に落下するリスクを低減するようになっている。
【0047】
掃除機ヘッドは、攪拌器チャンバの開口部を形成するソールプレートを含むことが好ましい。攪拌面は、好ましくはソールプレートに結合され、より好ましくはソールプレートと一体になっている。ソールプレートは取り外し可能であり、ユーザは攪拌器チャンバの全ての障害物を取り除くこと、又は攪拌器組立体の部品を交換することができる。例えば、ユーザは、攪拌器の破損部品を交換すること、又は攪拌器組立体の本体を例えば別の表面係合手段を支持する別の本体に交換することを望む場合がある。掃除機ヘッドは、各々が、それぞれ別の表面係合手段を備えている1セットの本体とともに供給することができる。例えば、第1の本体は、比較的剛性の高い剛毛を有するのがよく、第2の本体は、比較的可撓性の剛毛を有するのがよく、第3の本体は、清掃面と係合するための研磨パッドを有するのがよい。
【0048】
前述のように、開口部は平面内に配置され、攪拌面は、開口部の平面に対して傾斜していることが好ましい。攪拌面は、剛毛が動く傾斜部の形態であることが好ましい。平面に対する傾斜部の傾斜角は、傾斜部の長さに沿って様々に変化する。もしくは、この角度は、傾斜部の長さに沿って比較的一定とすることができる。傾斜部は、湾曲してもよく、各剛毛が攪拌器の回転軸周りの剛毛の回転のある期間中、傾斜部と接触するように、攪拌器の回転軸周りに弧状に延びるのがよい。例えば、攪拌面は、30°から90°の範囲の角度だけ攪拌器の回転軸周りに延びるのがよい。もしくは、各剛毛は、傾斜部の端部近くで傾斜部と接触するのがよい。
【0049】
掃除機ヘッドは、清掃面と係合する単一の剛毛担持攪拌器又は他の表面係合部材を含むのがよい。もしくは、掃除機ヘッドは、複数の攪拌器を有する攪拌器組立体を含んでもよい。各攪拌器は、実質的に同一であることが好ましく、攪拌器チャンバ内で横並びに配置されることが好ましい。好適な実施形態において、攪拌器組立体は、2つの攪拌器を含むが、3つ又はそれ以上の攪拌器を含むこともできる。これらの攪拌器は、攪拌器チャンバ内に一直線状、弧状、又は任意の幾何学形状でもって配置できる。
【0050】
攪拌器の回転軸は、好ましくは平行であり、好ましくは開口部の平面に対して傾斜しており、好ましくは開口部を通過する平面内に配置される。もしくは、攪拌器の本体は、それぞれの別の平面に配置することができる。これらの平面は、平行にしてもよいし、又はこれらは交差してもよい。
【0051】
掃除機ヘッドは、好ましくは、各々が開口部に隣接して配置された複数の剛毛攪拌面を含み、その上をそれぞれの攪拌器の剛毛は、剛毛から物質を取り外すように攪拌器組立体の回転によって動かされる。
【0052】
各攪拌器は、それぞれの空気タービン組立体で駆動できる。しかしながら、単一の空気タービン組立体を各攪拌器に連結することが好ましく、各攪拌器はタービン組立体のインペラによって同時に駆動される。第5の態様において、本発明は、掃除用電気器具のための掃除機ヘッドを提供するものであり、掃除機ヘッドは、
ヘッドに対して第1の空気流を入れるための吸引開口部を有するハウジングと、
本体と、表面と係合するために本体に取り付けられた表面係合手段を含む、表面から屑を掃くための第1の回転可能な攪拌器及び第2の回転可能な攪拌器と、
攪拌器を駆動するためのインペラを含む空気タービン組立体と、
タービン組立体に第2の空気流を入れるためのタービン空気入口と、
ハウジングからの第1の空気流及びタービン組立体からの第2の空気流を受け入れるダクトと、
を備える。
【0053】
攪拌器をインペラに連結する駆動機構は、各攪拌器を逆方向に回転させるように構成されることが好ましい。駆動機構による攪拌器の回転方向は、各剛毛が、開口部の前方に配置される位置から、開口部の中心に配置される位置まで回転し、そこから開口部の後縁を超えるような回転方向であることが好ましい。
【0054】
第1の攪拌器は、好ましくは、回転軸周りで第2の攪拌器から角度方向にオフセットされる。第1の攪拌器は、好ましくは、45°から90°の範囲の角度だけ第2の攪拌器から角度的にオフセットされる。攪拌器を角度方向に関してオフセットすることによって、回転中に本体が衝突することなく、第1の攪拌器の剛毛が動く経路は第2の攪拌器の剛毛が動く経路と交差することができる。このことは、掃除機ヘッドの幅を短くするだけでなく、攪拌器の間に位置する全く掃かれない領域を最小にできる。
【0055】
各本体は円形とすることができ、表面係合手段又は剛毛は、第1の攪拌器の剛毛の経路が、第2の攪拌器の剛毛の経路と重なるように、各本体から外向きに延びる。しかしながら、好適な実施形態において、各攪拌器は、非円形、好ましくは円盤形の本体を含み、第1の攪拌器の本体は、第1の攪拌器の本体の経路が、第2の攪拌器の本体の経路と交差するように、第2の攪拌器の本体から回転軸の周りで角度方向にオフセットされる。
【0056】
本体は、好ましくは実質的に同一平面上にあり、本体が動く経路は、好ましくは実質的に同一平面上にある。前述のように、掃除機ヘッドは、好ましくは、攪拌器を収容する攪拌器チャンバを含み、攪拌器チャンバは、表面係合手段によって活動化された屑が掃除機ヘッドに入る下向き開口部を含み、表面係合手段は、攪拌器の回転によって開口部から下方に突出する。本体は、好ましくは、剛毛が、開口部の前方から開口部の中央に向かって内向きに移動するように回転する。表面係合手段の各経路は、好ましくは、開口部の中央において重なる。
【0057】
表面係合手段は、剛毛群、剛毛ストリップ、剛毛房、又は可撓性部材のストリップ等の複数の表面係合部材を含むことが好ましい。各本体は、攪拌器の回転によって表面係合部材が開口部から突出するように、開口部の平面に対して傾斜していることが好ましい。本体が非円形であれば、表面係合部材は回転の一部分の期間でのみ開口部から突出できる。従って、本体に、結果的に攪拌器を回転させるための駆動システムに付与されるトルクは、比較的多数の表面係合部材が清掃面に対して同時に接触する場合の少なくとも1つの最大値と、比較的少数の表面係合部材が清掃面に対して同時に接触する場合の少なくとも1つの最小値との間で変わり得る。攪拌器組立体が複数の攪拌器を含む場合のトルク最大値の大きさを低減するために、本発明の第1の態様において、第1の攪拌器の表面係合部材は、第2の攪拌器の表面係合部材から角度方向にオフセットされる。
【0058】
表面係合部材は、好ましくは、本体上に取り付けられる表面係合部材の複数セットで構成される。表面係合部材の各セットは、本体の回転軸周りに角度的に間隔をあけて配置されることが好ましく、実質的に等角度で間隔をあけて配置されることがより好ましい。表面係合部材の各セットは、本体のそれぞれの端部に、又はその近くに、又は角部に配置されるのが好ましく、従って、本体形状に応じて、表面係合部材のセットは60°から180°の範囲の角度だけ間隔をあけて配置できる。第1の攪拌器の表面係合部材のセットは、好ましくは、45°から90°の範囲の角度で第2の攪拌器の表面係合部材のセットから角度方向にオフセットされる。
【0059】
前述の本発明の第1の態様に関連する特徴は、本発明の第2の態様から第5の態様のいずれかにも同様に適用可能であり、逆もまた同じである。
【0060】
本発明の好ましい特徴は、以下に添付の図面を参照して単に例示的に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】掃除機ヘッドの上から見た正面斜視図である。
【図2】掃除機ヘッドの下から見た正面斜視図である。
【図3】掃除機ヘッドの下から見た後面斜視図である。
【図4】掃除機ヘッドの左側面図である。
【図5】掃除機ヘッドの正面図である。
【図6】掃除機ヘッドの平面図である。
【図7】掃除機ヘッドの底面図である。
【図8】図5の線A−Aに沿った側断面図である。
【図9】図6の線B−Bに沿った正面図である。
【図10】掃除機ヘッドのソールプレートの上から見た正面斜視図である。
【図11】ソールプレートの平面図である。
【図12】図11の線A−Aに沿った正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
図1から図7は、真空掃除用電気器具のための掃除機ヘッド10の外観図を示す。本実施形態において、掃除機ヘッド10は、円筒型の真空掃除用電気器具のワンド又はホースに接続可能に配置される。掃除機ヘッド10は、主本体12及び主本体12に連結された導管14を含む。主本体12は、上側本体部16及び上側本体部16に結合された下側本体部、又はソールプレート18を含む。本実施例において、導管14は、上側本体部16と一体になっているが、導管14は、例えば、溶接又は接着剤を用いて上側本体部16に結合することができる。導管14は、真空掃除用電気器具(図示せず)のホース及びワンド組立体のワンドに接続可能である。真空掃除用電気器具は、掃除機ヘッドから空気流を吸い込むためのファン組立体を含む。ソールプレート18は、主本体12の上側本体部16から取り外すことができる。
【0063】
ソールプレート18は、使用時に、清掃すべき床面と向かい合い、以下に詳細に説明するように掃除中に床面と係合する底面20を含む。底面20は、略平面であり、屑含有空気流が掃除機ヘッド10に吸い込まれる吸引開口部26の両側に配置される前方部分22及び後方部分24を含む。吸引開口部26は、略矩形形状であり、図4及び図8に示す吸引平面SPに配置される。また図9を参照すると、吸引開口部26は、各々がソールプレート18の底面から直立して底面と一体の側壁28、30、比較的長い前壁32、及び比較的長い後壁34によって範囲が定められる。
【0064】
ソールプレート18は、掃除機ヘッド10が床面上を動く際に、カーペット敷き床面の繊維を攪拌するための2つの作動縁部を含む。ソールプレート18の前方作動縁部36は、ソールプレート18の前方部分22の前壁32と底面との間の交差位置に配置され、側壁28、30の間に延びる。ソールプレート18の後方作動縁部38は、ソールプレート18の後方部分24の後壁34と底面との間の交差位置に配置され、側壁28、30の間に延びる。作動縁部36、38は鋭利であることが好ましい。
【0065】
掃除機ヘッド10は、主本体12の攪拌器チャンバ42内に収容された攪拌器組立体40を含む。本実施例において、攪拌器組立体40は、それぞれの回転軸R1、R2の周りで主本体12に対して各々回転可能である第1の攪拌器44及び第2の攪拌器46を含む。回転軸R1、R2は平行であり吸引開口部26を通る平面RPに包含される。吸引開口部26の前壁及び後壁32、34は、平面RPに対して略平行である。平面RPは、吸引平面SPに対して傾いており、吸引開口部26の後方に向かって傾斜している。平面RPと吸引平面SPとの間の角度αは、好ましくは70°から85°の範囲にあり、本実施例においては約80°である。
【0066】
各攪拌器44、46は、略環状の円盤形部材の形態である本体48を含む。攪拌器44、46の回転軸R1、R2は、本体48の中心を通過する。本体48は、攪拌器44、46の回転軸R1、R2に対して実質的に直角である。本体48は可撓性であって、好ましくはシリコーン、エラストマー、ポリウレタン又は他のゴム状材料から形成することができる可撓性シート材料から形成される。本体は、1から10mmの範囲の厚さであり、本実施例においては約3mmであることが好ましい。
【0067】
攪拌器44、46の本体48は、実質的に同一平面上にある。各本体48は、上側に膨らみ吸引開口部26に向かい合う下面を有する。本体46の下面は、吸引平面SPに対して傾き、吸引開口部26の前方に向かって傾斜している平面APに包含される。平面APと吸引平面SPとの間の角度βは好ましくは5°から20°の範囲にあり、本実施例においては約10°である。
【0068】
各本体48は、非円形の形状である。本実施例において、各本体48は、略楕円形の形状であり、長径r1及び長径r1に対して垂直である短径r2を有する。しかしながら、本体48は、別の非円形の形状を有することができる。例えば、本体48は、三角形、矩形とすること、又はnが2に等しいか又は2よりも大きい整数のn重回転対称を有する別の形状を有することができる。第1の攪拌器44の本体48は、第2の攪拌器46の本体48に対して、角度をなして、角度方向にオフセットしている。各本体48が略楕円形の形状である本実施例において、第1の攪拌器44の本体48は、約90°の角度だけ第2の攪拌器46の本体48からオフセットされるが、各本体48の相互オフセット角は、本体48の形状に応じてこの値とは異なることができる。
【0069】
また、各攪拌器44、46は複数の表面係合部材を含み、本実施例では、主本体12のソールプレート18に向かって下方に延びるように攪拌器44、46の本体48上に取り付けられた剛毛50の形態である。剛毛50は、好ましくは、本体48の下面に対して実質的に直交しており、攪拌器44、46の回転軸R1、R2に対して実質的に平行である。剛毛50は、好ましくはナイロン等の電気絶縁プラスチック材料から形成される。もしくは、剛毛50の少なくとも一部は、カーペット敷き床面に存在するあらゆる静電気を放電するために金属又は複合材料から形成することができる。剛毛50の別の実施例として又は追加的に、攪拌器44、46は、可撓性材料の少なくとも1つのストリップを含むことができる。剛毛50の剛性は、攪拌器44、46の本体48の剛性よりも高いことが好ましい。各剛毛50は、攪拌器44、46の本体48の下に配置され、清掃面と接触すると本体48に対して屈曲可能な第1の末端又は剛毛先端を有する。また、各剛毛50は、剛毛先端に対向して配置される第2の末端を有し、本実施例においては、剛毛50の反対端によってもたらされる。剛毛50の第2の末端は、本体48が攪拌器44、46の回転軸R1、R2の周りを回転するとき、本体48と一緒に移動する。
【0070】
剛毛50は、剛毛50が複数セットで配置されるように各本体48に配置されることが好ましい。剛毛50のセットは、攪拌器44、46の回転軸R1、R2の周りに所定の角度間隔をもって配置される。剛毛50の各セットは、本体48のそれぞれの端部に向かって配置されるので、剛毛の各セットは、本体48の形状に応じて60°から180°の範囲の角度だけ間隔をあけて配置することができる。本体48が略楕円形の形状を有する本実施例において、各本体48は、楕円形の本体48のそれぞれの端部に向かって配置された2つのセット52、54を各々含んでいるので、剛毛50のセット52、54は、約180°だけ間隔をあけて配置される。しかしながら、第1の攪拌器44の本体48が、約90°だけ第2の攪拌器46の本体48からオフセットされるので、第1の攪拌器44の剛毛50のセット52、54は、第2の攪拌器46の剛毛50の組52、54から約90°だけオフセットされる。
【0071】
各セット52、54内では、剛毛50は、複数列に配置される。剛毛50の列は、好ましくは実質的に平行であって、本実施例においては、本体48の長径r1に対して実質的に平行である。各列内で、剛毛50は、列に沿って間隔をあけて配置される複数の房又は群でもって配置される。もしくは、剛毛50の各列は、実質的に連続することができる。
【0072】
剛毛50の各列はそれぞれの剛毛保持部材56に固定された後に本体48に取り付けられる。本実施例において、各剛毛保持部材56は、5つの剛毛の房を含む。各剛毛保持部材56は、略楕円形の形状であり外周面の周りに延びる溝58を含む。溝58の幅は、本体48の厚さよりも狭い。各剛毛保持部材56は、本体48に形成されたそれぞれの楕円形開口内に配置される。各開口は連続周囲面60を有する。各剛毛保持部材56を本体48に固定するために、各剛毛保持部材56は、それぞれの開口内に配置され、開口の周囲面60は、該周囲面60が溝58に入るように手で変形される。溝58の幅は本体48の厚さよりも狭いので、変形すると本体48に蓄積される弾性エネルギは、本体48が実質的に弛緩すると本体48を溝58の表面に対して押し付ける。本体48と剛毛保持部材56との間のこの係合により、剛毛保持部材56が掃除中に剛毛50に加わったトルクによって本体48から外れることが防止される。
【0073】
図8及び図9は、掃除機ヘッド10の主本体12に対して攪拌器組立体40を回転させるための駆動機構を示す。駆動機構は、500rpmから5,000rpmの範囲の速度で攪拌器44、46を回転させるよう構成され、本実施例においては、駆動機構は、約2,500rpmの速度で攪拌器44、46を回転させるように構成される。駆動機構は、タービンチャンバ72内に配置されたタービン組立体70を含む。タービンチャンバ72は、上側本体部16に取り付けられたカバー74内に配置されており、掃除機ヘッド10の主本体12の上面を形成する。タービンチャンバは、掃除機ヘッド10が接続される真空掃除用電気器具のファンユニット作動中に、空気流がタービンチャンバ72に吸い込まれる略環状の空気入口76を含む。メッシュスクリーン等の多孔質カバーを空気入口76に配置してタービンチャンバ72の汚れ及び塵埃の侵入を防止することができる。
【0074】
タービンチャンバ72を通過した空気は、主本体12から導管14に向かって後方に延びる空気ダクトの上側部分78に排出される。空気ダクトは、攪拌器チャンバ42から空気を受け取るための下側部分80を有する。空気ダクトの上側部分78は、上側本体部16と一体の仕切り壁82によって空気ダクトの下側部分80から分離される。空気ダクトの上側部分78を通過した空気流と下側部分80を通過した空気流は、吸引開口部26及び空気入口76から下流の導管14内で合流する。
【0075】
タービン組立体70は、インペラ駆動軸86に一体化されて又は取り付けられて一緒に回転するようになっている。例えば、インペラ84は、インペラ駆動軸86にモールド成形又はプレスすることができる。インペラ84は、該インペラ84の外周に配置された、等距離のインペラブレード88の円周方向アレイを含む。インペラ駆動軸86の一方の端部は、タービン組立体72のステータ90に回転可能に取り付けられる。ステータ90は、インペラ駆動軸86が挿入される環状ステータ本体94の外周に円周方向に配置されるステータブレード92の環状アレイを含む。ステータ本体94は、インペラ84と実質的に同じ外径を有し、ステータブレード92は、インペラブレード88と実質的に同じサイズである。インペラ駆動軸86は、インペラブレード88がステータブレード92に対向して配置されるように、ステータ本体94のボア内に支持される。ステータ本体94は、ステータ本体94と共に、ステータブレード92が配置される環状チャネルを形成する環状ステータフレーム96によって取り囲まれる。また、ステータフレーム96は、インペラ84と共に、インペラブレード88が配置される環状チャネルを形成する。ステータブレード92、ステータ本体94、及びステータフレーム96は、一体成形品として好都合に形成できる。ステータフレーム96の下端は、上側本体部16によって支持され、駆動軸86の下端は、上側本体部16の仕切り壁82によって支持される。
【0076】
駆動機構は、インペラ84を攪拌器44、46に連結するための歯車列を更に含む。歯車列の歯車は、インペラ84の回転軸、及び攪拌器44、46の回転軸R1、R2に対して実質的に平行である回転軸を有する。歯車列は、ステータ本体94に対向するインペラ84の側面に取り付けられる駆動歯車98を含み、インペラ84と一緒に回転するようになっている。駆動歯車98は、締まり嵌めによってインペラ84に結合することができる。駆動歯車98の歯は、複合歯車の入力歯車100の歯と噛み合う。複合歯車の出力歯車102の歯は、第1の従動歯車104の歯と噛み合う。また、第1の従動歯車104の歯は、第2の従動歯車106の歯と噛み合う。従動歯車104、106の各々は、それぞれの攪拌器44、46の一部を形成するとみなすことができる。従動歯車104、106の各々は、仕切り壁82に形成されたそれぞれの開口を貫通する環状攪拌器駆動軸108を含む。従動歯車104、106の各々は、仕切り壁82と従動歯車104、106の攪拌器駆動軸108との間に配置された軸受装置110によって仕切り壁82に対して回転自在に支持される。複合歯車は、駆動歯車98を従動歯車104、106の1つに連結するためのベルト及びプーリーシステムに置き換えることができる。
【0077】
第1の攪拌器44の本体48は、第1の従動歯車104の攪拌器駆動軸108の端部に結合され、第2の攪拌器46の本体48は、第2の従動歯車106の攪拌器駆動軸108の端部に結合される。各本体48は、それぞれの環状端部キャップ110によってそれぞれの攪拌器駆動軸108に結合される。各端部キャップ110は、本体48が攪拌器駆動軸108の端部と端部キャップ110との間に挟まれるように、最初に本体48の中心開口に挿入され、次に、攪拌器駆動軸108に形成された溝112に挿入される一対のフィンガを含む。次に、端部キャップ110は、端部キャップ110及び本体48に形成された開口に差し込まれて攪拌器駆動軸108にねじ込まれるスクリュー又はボルト(図示せず)によって攪拌器駆動軸108に固定される。キャップ110を本体48に結合するためにスクリュー、ボルト、クリップ、又は他の取り外し可能な手段を使用すると、例えば、修理又は交換のために、ユーザは掃除機ヘッド10から本体48を取り外すことができる。
【0078】
結果的に、導管14が取り付けられる真空掃除用電気器具に収容されたモータ駆動ファンユニットの作用により、空気流がタービンチャンバ72を通って吸い込まれる際に、インペラ88は、空気流によってタービンチャンバ72に対して回転される。インペラ88の回転により歯車列が回転して、結果的に、第1の従動歯車104と第2の従動歯車106が逆方向に回転するので、第1の攪拌器44と第2の攪拌器46は逆方向に回転する。各攪拌器44、46の本体48は、図7に示すそれぞれの経路P1、P2の周りを動く。本体48の回転軸R1、R2の間隔及び長径r1のサイズは、経路P1、P2が交差するように選択される。経路P1、P2は実質的に同一平面上にあるので、攪拌器44、46の各本体48の移動領域は重なり合う。重なり領域OAは、図7の斜線部分である。重なり領域OAは、攪拌器44、46の間の中心に位置しており、吸引開口部26の後方に位置している。第2の攪拌器46の本体48からの第1の攪拌器44の本体48の角度方向オフセットにより、各本体48は、回転軸R1、R2周りの攪拌器44、46の回転中に衝突しないようになっている。
【0079】
攪拌器組立体40は、いかなる瞬間でも攪拌器44、46の剛毛50の全ては吸引開口部26から突出しないように、攪拌器チャンバ42内に配置されている。例えば、図2から図9に示すような攪拌器44、46の角度位置において、第1の攪拌器44の剛毛の第1のセット52が吸引開口部26から突出する際に、第1の攪拌器44の剛毛の第2のセット54は、吸引開口部26の後方に配置される。吸引開口部26を通る第1の攪拌器44の剛毛の第1のセット52の剛毛50の突出部は図4に示されている。一方で、攪拌器44、46のこの角度位置において、第2の攪拌器46の第1及び第2のセット50、52の剛毛の各々の剛毛の一部のみが吸引開口部26から突出する。
【0080】
本実施例において、攪拌器組立体40は、各剛毛50が、そのそれぞれの攪拌器44、46の回転軸R1、R2の周りの2分の1未満の回転期間に吸引開口部26から突出するように攪拌器チャンバ42内に配置される。吸引平面26に対する本体48の傾斜角度、本体48の中心と吸引平面SPとの間の間隔、並びに剛毛50の長さは、これらの回転軸R1、R2の周りの攪拌器44、46の回転中に、剛毛50が、掃除機ヘッド10が配置される表面上の略アーチ形領域SA1及びSA2を掃くように選択される。また、これらの掃く領域SA1、SA2は図7に明確になっており、勿論、剛毛50が掃く実際の領域は、剛毛50が清掃面と接触すると広がる度合い、剛毛の摩耗度合い、清掃面の均一性、及びカーペット敷き床面に対してカーペットが吸引開口部26の方向に又はその中に吸引される度合いに応じて様々である。掃かれる領域SA1及びSA2は、一般的に、吸引開口部26のそれぞれの側壁28、30から吸引開口部26の中心まで延び、その中間点において吸引開口部26の前壁32の近くを通る。掃かれる領域SA1、SA2は、吸引開口部26の中心において重なる場合もある。
【0081】
使用時、ソールプレート18の底面20は清掃面上に配置される。吸引開口部26から突出する剛毛50が清掃面と係合すると、剛毛50を支持する攪拌器44、46の本体48の一部分又は複数の部分は、剛毛50が表面に対して略垂直となるように攪拌器駆動軸108に対して上方に屈曲する。また、本体48が屈曲すると、剛毛50の第2の末端が本体48と一緒に攪拌器駆動軸108に対して上方に移動する。本体48の上面と攪拌器チャンバ42との間の間隔は、本体48が清掃面と接触して上方に屈曲する場合に、本体48が、攪拌器チャンバ42と接触しないように選択される。本実施例において、本体48の屈曲部分の上面は、掃除機ヘッド10の使用中に攪拌器チャンバ42と本体48との間の接触により本体48の何らかの摩耗を回避するように、1mmから5mmの範囲の距離だけ攪拌器チャンバ42から間隔をあけて配置されることが好ましい。
【0082】
また、剛毛50は可撓性があるので、ソールプレート18の前方作動縁部36の最も近くに配置され、結果的に吸引開口部26から最大限突出する、剛毛房の剛毛50は、バラバラに広がる傾向がある。掃除機ヘッド10が取り付けられた真空掃除用電気器具のスイッチを入れると、電気器具のファンユニットは、吸引開口部26を通して第1の空気流を攪拌器チャンバ42に吸い込み、空気入口76を通して第2の空気流をタービンチャンバ72に吸い込む。前述のように、第2の空気流は、攪拌器44、46を逆方向に回転させるインペラ84を回転させて、清掃面のアーチ形領域SA1及びSA2にわたって攪拌器44、46の剛毛50を動かすようになっている。清掃表面上における剛毛50の先端のカーブを描く運動は、清掃表面上に配置された繊維又は毛を含む全ての比較的大きな屑を、剛毛50の先端の前方及び/又は下方に配置される塊にする傾向がある。この繊維塊は、第1の空気流中に取り込むことができるので、攪拌器チャンバ42及びダクトの下側部分80を通って導管14に入り電気器具に送られることになる。
【0083】
剛毛房がこれらの領域上を動くと、剛毛50及び剛毛50を支持する本体48の部分は様々な量、曲がる。剛毛は吸引開口部26の前方に向かってバラバラに広がる傾向があるので、比較的小さな屑は各剛毛50の間にひっかかり、その後、剛毛50が清掃面を離れる際に弛緩するとき、捕捉される。
【0084】
屑を剛毛50から取り除くために、掃除機ヘッド10は一対の傾斜部120、122を含み、攪拌器44、46が回転すると剛毛50は傾斜部上を動く。図8から図12を参照すると、各傾斜部120、122は、ソールプレート18に結合しており、好ましくは一体になっている。傾斜部120、122はソールプレート18の上面に結合されており、傾斜部120、122が吸引開口部26の後方に配置された剛毛50と係合するように、傾斜部120、122が、吸引開口部26の後壁32に隣接して好ましくはすぐ後ろに配置されるようになっている。各傾斜部120、122は、吸引平面SPに対して傾斜している。吸引平面SPに対する傾斜部120、122の傾斜角度は、傾斜部120、122の長さに沿って変化してもよいが、本実施形態においては、吸引平面SPに対する傾斜部120、122の傾斜角度は、傾斜部120、122の長さに沿って略一定である。傾斜部120、122の傾斜角度は、平面APと吸引平面SPとの間で規定された角度βとほぼ同じである。
【0085】
傾斜部120、122の高さ及び傾きは、剛毛50が、傾斜部120、122の略全長にわたって傾斜部120、122と接触するように選択するのがよい。もしくは、剛毛50は、傾斜部120、122の端部近くでのみ傾斜部120、122と係合してもよい。各傾斜部120、122は、攪拌器44、46の各剛毛50が攪拌器の回転軸周りを回転する間、傾斜部120、122と接触するように、それぞれの攪拌器44、46の回転軸R1、R2の周りに弧状に延びる。本実施例において、各傾斜部120、122は、それぞれの攪拌器44、46の回転軸の周りに約70°の角度だけ延びる。剛毛50が傾斜部120、122上を動くと、剛毛50はバラバラに広がり剛毛の間に捕らえられた屑を解放する。その後、解放された屑は、掃除機ヘッド10を通過する第1の空気流に取り込まれることができる。
【符号の説明】
【0086】
10 掃除機ヘッド
12 本体
14 導管
16 上側本体部
18 ソールプレート
50 剛毛
52 剛毛の第1のセット
70 タービン組立体
72 タービンチャンバ
SP 吸引平面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掃除用電気器具のための掃除機ヘッドであって、
駆動軸と、前記駆動軸に連結された本体と、前記本体に取り付けられた少なくとも1つの表面係合部材を含む回転可能な攪拌器を備え、前記表面係合部材の各々は、清掃されるべき表面と係合する第1の末端と、前記第1の末端の反対側に配置され、前記第1の末端と前記清掃されるべき表面とが係合した状態で前記駆動軸に関して移動可能な第2の末端とを有し、
前記掃除機ヘッドは、前記攪拌器を収容する攪拌器チャンバを備え、前記攪拌器チャンバは、下向き開口部を含み、前記下向き開口部は、平面内に配置されており、前記少なくとも1つの表面係合部材によって活動化された屑が、前記下向き開口部を通して前記掃除機ヘッドに入り、
前記本体が、前記攪拌器の回転により、前記表面係合部材の各々の前記第1の末端が前記開口部を通して突出するように、前記開口部平面に対して傾斜していることを特徴とする掃除機ヘッド。
【請求項2】
前記少なくとも1つの表面係合部材が、前記表面係合部材の第1の末端と前記清掃されるべき表面とが係合した状態で、駆動軸に関して移動可能な前記本体の一部に結合されている請求項1に記載の掃除機ヘッド。
【請求項3】
前記本体が、可撓性である請求項1又は請求項2に記載の掃除機ヘッド。
【請求項4】
掃除用電気器具のための掃除機ヘッドであって、
駆動軸と、前記駆動軸に連結された可撓性本体と、前記本体に取り付けられた少なくとも1つの表面係合部材を含む回転可能な攪拌器と、
前記攪拌器を収容する攪拌器チャンバと、を備え、
前記攪拌器チャンバは、下向き開口部を含み、前記下向き開口部は、平面内に配置されており、前記少なくとも1つの表面係合部材によって活動化された屑が、前記下向き開口部を通して前記掃除機ヘッドに入り、
前記本体が、前記攪拌器の回転により、前記少なくとも1つの表面係合部材が前記開口部を通して突出するように、前記開口部平面に対して傾斜していることを特徴とする掃除機ヘッド。
【請求項5】
前記各本体が、環状である請求項1〜請求項4のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項6】
前記本体が、円盤形である請求項1〜請求項5のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項7】
前記本体が、全体的に平らな形状である請求項1〜請求項6のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項8】
前開口部平面と前記本体に平行な平面との間の角度は5°から20°である請求項7に記載の掃除機ヘッド。
【請求項9】
前記本体が、非円形である請求項1〜請求項8のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項10】
前記本体が、nが2に等しいか又は2よりも大きな整数であるn重回転対称形を有する請求項9に記載の掃除機ヘッド。
【請求項11】
前記本体が、全体的に楕円形状である請求項1〜請求項10のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項12】
前記少なくとも1つの表面係合部材が、前記本体に取り付けられた複数の表面係合部材からなる請求項1〜請求項11のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項13】
前記表面係合部材が、前記本体に取り付けられた複数の列をなして配置されている請求項12に記載の掃除機ヘッド。
【請求項14】
前記複数の表面係合部材の列が、実質的に平行である請求項13に記載の掃除機ヘッド。
【請求項15】
前記表面係合部材の列が、前記本体の半径方向と実質的に平行に配置されている請求項14に記載の掃除機ヘッド。
【請求項16】
前記攪拌器を駆動するためのインペラを有する空気タービン組立体を含む請求項1〜請求項15のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項17】
前記攪拌器を前記インペラに連結するための駆動機構を含む請求項16に記載の掃除機ヘッド。
【請求項18】
前記駆動機構が、前記攪拌器の上方に配置される請求項17に記載の掃除機ヘッド。
【請求項19】
前記駆動機構が、複数の駆動部品を含む請求項17又は請求項18に記載の掃除機ヘッド。
【請求項20】
前記複数の駆動部品の回転軸が実質的に平行である請求項19に記載の掃除機ヘッド。
【請求項21】
前記開口部が、第1の空気流を前記攪拌器チャンバに入れるように構成されており、前記掃除機ヘッドが、第2の空気流をタービン組立体に入れるタービン空気入口と、前記攪拌器チャンバからの第1の空気流及び前記タービン組立体からの第2の空気流を受け入れるダクトとを含む請求項16〜請求項20のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項22】
前記本体が、前記表面係合部材の各々の前記第1の末端が、前記表面係合部材の前記駆動軸の回転軸周りを3分の2回転未満回転する間に前記開口部から突出するように構成されている請求項1〜請求項21のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項23】
前記本体が、前記開口部平面の上方に配置されている請求項1〜請求項22のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項24】
前記本体の一部だけが、前記開口部の直上に配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項23のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項25】
前記攪拌器を複数含み、前記攪拌器の各々が、前記攪拌器の回転により、前記攪拌器の表面係合部材が前記開口部の前縁近くで前記開口部から突出するように、前記開口部平面に対して傾斜している本体を有する請求項1〜請求項24のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項1】
掃除用電気器具のための掃除機ヘッドであって、
駆動軸と、前記駆動軸に連結された本体と、前記本体に取り付けられた少なくとも1つの表面係合部材を含む回転可能な攪拌器を備え、前記表面係合部材の各々は、清掃されるべき表面と係合する第1の末端と、前記第1の末端の反対側に配置され、前記第1の末端と前記清掃されるべき表面とが係合した状態で前記駆動軸に関して移動可能な第2の末端とを有し、
前記掃除機ヘッドは、前記攪拌器を収容する攪拌器チャンバを備え、前記攪拌器チャンバは、下向き開口部を含み、前記下向き開口部は、平面内に配置されており、前記少なくとも1つの表面係合部材によって活動化された屑が、前記下向き開口部を通して前記掃除機ヘッドに入り、
前記本体が、前記攪拌器の回転により、前記表面係合部材の各々の前記第1の末端が前記開口部を通して突出するように、前記開口部平面に対して傾斜していることを特徴とする掃除機ヘッド。
【請求項2】
前記少なくとも1つの表面係合部材が、前記表面係合部材の第1の末端と前記清掃されるべき表面とが係合した状態で、駆動軸に関して移動可能な前記本体の一部に結合されている請求項1に記載の掃除機ヘッド。
【請求項3】
前記本体が、可撓性である請求項1又は請求項2に記載の掃除機ヘッド。
【請求項4】
掃除用電気器具のための掃除機ヘッドであって、
駆動軸と、前記駆動軸に連結された可撓性本体と、前記本体に取り付けられた少なくとも1つの表面係合部材を含む回転可能な攪拌器と、
前記攪拌器を収容する攪拌器チャンバと、を備え、
前記攪拌器チャンバは、下向き開口部を含み、前記下向き開口部は、平面内に配置されており、前記少なくとも1つの表面係合部材によって活動化された屑が、前記下向き開口部を通して前記掃除機ヘッドに入り、
前記本体が、前記攪拌器の回転により、前記少なくとも1つの表面係合部材が前記開口部を通して突出するように、前記開口部平面に対して傾斜していることを特徴とする掃除機ヘッド。
【請求項5】
前記各本体が、環状である請求項1〜請求項4のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項6】
前記本体が、円盤形である請求項1〜請求項5のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項7】
前記本体が、全体的に平らな形状である請求項1〜請求項6のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項8】
前開口部平面と前記本体に平行な平面との間の角度は5°から20°である請求項7に記載の掃除機ヘッド。
【請求項9】
前記本体が、非円形である請求項1〜請求項8のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項10】
前記本体が、nが2に等しいか又は2よりも大きな整数であるn重回転対称形を有する請求項9に記載の掃除機ヘッド。
【請求項11】
前記本体が、全体的に楕円形状である請求項1〜請求項10のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項12】
前記少なくとも1つの表面係合部材が、前記本体に取り付けられた複数の表面係合部材からなる請求項1〜請求項11のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項13】
前記表面係合部材が、前記本体に取り付けられた複数の列をなして配置されている請求項12に記載の掃除機ヘッド。
【請求項14】
前記複数の表面係合部材の列が、実質的に平行である請求項13に記載の掃除機ヘッド。
【請求項15】
前記表面係合部材の列が、前記本体の半径方向と実質的に平行に配置されている請求項14に記載の掃除機ヘッド。
【請求項16】
前記攪拌器を駆動するためのインペラを有する空気タービン組立体を含む請求項1〜請求項15のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項17】
前記攪拌器を前記インペラに連結するための駆動機構を含む請求項16に記載の掃除機ヘッド。
【請求項18】
前記駆動機構が、前記攪拌器の上方に配置される請求項17に記載の掃除機ヘッド。
【請求項19】
前記駆動機構が、複数の駆動部品を含む請求項17又は請求項18に記載の掃除機ヘッド。
【請求項20】
前記複数の駆動部品の回転軸が実質的に平行である請求項19に記載の掃除機ヘッド。
【請求項21】
前記開口部が、第1の空気流を前記攪拌器チャンバに入れるように構成されており、前記掃除機ヘッドが、第2の空気流をタービン組立体に入れるタービン空気入口と、前記攪拌器チャンバからの第1の空気流及び前記タービン組立体からの第2の空気流を受け入れるダクトとを含む請求項16〜請求項20のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項22】
前記本体が、前記表面係合部材の各々の前記第1の末端が、前記表面係合部材の前記駆動軸の回転軸周りを3分の2回転未満回転する間に前記開口部から突出するように構成されている請求項1〜請求項21のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項23】
前記本体が、前記開口部平面の上方に配置されている請求項1〜請求項22のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項24】
前記本体の一部だけが、前記開口部の直上に配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項23のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【請求項25】
前記攪拌器を複数含み、前記攪拌器の各々が、前記攪拌器の回転により、前記攪拌器の表面係合部材が前記開口部の前縁近くで前記開口部から突出するように、前記開口部平面に対して傾斜している本体を有する請求項1〜請求項24のいずれかに記載の掃除機ヘッド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−125581(P2012−125581A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−273683(P2011−273683)
【出願日】平成23年12月14日(2011.12.14)
【出願人】(508032310)ダイソン テクノロジー リミテッド (286)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年12月14日(2011.12.14)
【出願人】(508032310)ダイソン テクノロジー リミテッド (286)
【Fターム(参考)】
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