掃除機
【課題】 吸い口部にロータリーブラシを具えた掃除機において、吸い口にロータリーブラシの掻き上げ不能領域をつくらない。
【解決手段】
吸い口部2に横長のロータリーブラシ3aを設けた掃除機において、ロータリーブラシ3aは両端部を余した位置で回転可能に支持され、ロータリーブラシ3aは自身の両端に近接した位置までブラシ毛30aを有している。ロータリーブラシ3aは自身の両端に近接した位置までブラシ毛30aを有しているから、吸い口部2の両端部でのブラシ毛の届かない領域を可及的に小さくできる。
【解決手段】
吸い口部2に横長のロータリーブラシ3aを設けた掃除機において、ロータリーブラシ3aは両端部を余した位置で回転可能に支持され、ロータリーブラシ3aは自身の両端に近接した位置までブラシ毛30aを有している。ロータリーブラシ3aは自身の両端に近接した位置までブラシ毛30aを有しているから、吸い口部2の両端部でのブラシ毛の届かない領域を可及的に小さくできる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸い口部に回転掻上げ部材を具えた掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図7に示す真空掃除機の吸い口部(2)に、ダストを掻き上げる回転掻上げ部材(3)として、図8、図9に示すロータリーブラシ(3a)を具えることが実施されている(特許文献1)。
上記掃除機は、吸い口部(2)に吸引を作用させると共に、ロータリーブラシ(3a)を強制回転させて絨毯の毛足の中のダストを掻き上げて、ダストの吸引効果を高めている。
又、図7、図10に示す如く、吸い口部(2)の前端(掃除機の前進側端部)に、軟質のリブ(44)付きバンパー(4)を具えた掃除機も知られている。リブ(44)は断面「く」の字状に屈曲している。
図10に示す如く、床面を掃除する際は、リブ(44)の下端が床面に摺接して掃除機の前進側を遮蔽し、リブ(44)よりも内側の吸引力を高めることができる。
図11に示す如く、バンパー(4)が部屋の壁面(6)に当たると同時にリブ(44)は内側に屈曲し、床面と壁面(6)とによって形成されるコーナ部(61)を吸引側に開放して吸引の死角を無くすことができる。
【0003】
【特許文献1】米国特許第5495634号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記掃除機のロータリーブラシ(3a)は、両端に具えたベアリング(34)の外側にベアリングホルダー(35)を圧入し、該ホルダー(35)を吸い口部(2)のホルダー嵌合部(図示せず)に嵌めて取り付けられている。
ロータリーブラシ(3a)は、ベアリング(34)(34)がロータリーブラシ(3a)の両端に取り付けられているから、ブラシ毛(30a)の植設はベアリング(34)(34)より内側部分に限られる。
従って、吸い口部(2)の長手方向の両端部ではブラシ毛(30a)が届かずダストの掻き上げが出来ないため、ダストの吸い残しが発生するという問題がある。
【0005】
又、リブ付きバンパー(4)は、リブ(44)が軟質であるからリブ(44)が予定外の弾性変形を行なうことがある。例えば、部屋の壁際でリブ(44)を床面に接地させたまま掃除機を該壁面から離れる方向に後退させてから壁側に前進させた場合、後退時にリブ(44)が床面との摩擦で前方に捲れ上がって、そのままの状態で壁面に押しつけられてしまう。この場合、リブ(44)がバンパー(4)と部屋の壁面とに間に挟み込まれてリブ(44)の損傷を早めたり、リブ(44)の後方への屈曲が一様でなく、床面と壁面とによって形成されるコーナ部(61)を吸い口部(2)へ開放することが不十分となって、コーナ部(61)のダストの吸引漏れの問題を生じる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、 吸い口部(2)に横長の回転掻上げ部材(3)を設けた掃除機において、回転掻上げ部材(3)は両端部を余した位置で回転可能に支持され、回転掻上げ部材(3)は回転支持部(5)(5)の外側にて自身の両端に近接した位置まで掻上げ片(30)を有している。
【0007】
又、吸い口部(2)の掃除機前進側の側縁に、吸い口部(2)の長手方向に伸びるバンパー(4)を上端を枢支して前後に揺動可能に配備し、該バンパー(4)に、リブ(41)の前面を押圧可能な押え片(42)を設け、吸い口部(2)にはバンパー(4)が内側に揺動したとき、リブ(41)の後面に当たって前記押え片(42)と共同してリブ(41)を内側に屈曲する様に弾性変形させる当り縁(25)を具えることができる。
【発明の効果】
【0008】
回転掻上げ部材(3)の回転支持部(5)(5)は、回転掻上げ部材(3)の両端部を余した位置にあり、回転掻上げ部材(3)は両端に近接した位置まで掻上げ片(30)を有しているから、吸い口部(2)の両端部での掻上げ片(30)の届かない領域を可及的に小さくでき、吸い口部(2)の両端部におけるダストの吸い残しを解消できる。
【0009】
又、リブ(41)付きのバンパー(4)は、バンパー(4)が内側に揺動したとき、押え片(42)がリブ(41)の前面を押してリブ(41)を後方に揺動させる。リブ(41)の後面は、吸い口部(2)の当り縁(25)に当たって、リブ(41)の当り縁(25)から下方は、押え片(42)の押圧によって後方に折れ曲がる様に弾性変形する。これによって、部屋の床面と壁面とで形成されるコーナ部は、吸い口部(2)の吸引が作用する様に開放される。
リブ(41)は予定外の部分で折れ曲がることはなく、リブ(41)の動作に確実性がある。従がって従来の様に、部屋の壁面とバンパー(4)との間にリブ(41)を挟み込んでしまったり、リブ(41)の予定外の弾性変形によって、部屋のコーナ部を吸い口部(2)へ開放することが不十分となって、コーナ部のダストの吸引漏れの問題を生じることを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は本発明を実施したアップライト型の真空掃除機を示している。
以下の説明で、前とは矢印Aで示す掃除機の前進側のことである。
縦長の掃除機本体(1)は、下端後部に主車輪(14)、上端に移動用ハンドル(13)、中間部に吸引用モータ(11)及び吸引ダスト収容部(12)を具えている。
掃除機本体(1)の下端に、回転掻上げ部材(3)を具えた吸い口部(2)が取り付けられている。
図2に示す如く、吸い口部(2)は左右に長いロータリーブラシ取付部(21)の両端側から後方にアーム(23)(23)を突設し、アーム(23)(23)間に掃除機本体(1)の下端を挟み、アーム先端側の支点(10)を中心に矢印Bで示す方向に揺動用可能に掃除機本体(1)に支持されている。
【0011】
吸い口部(2)は、ホース(20)によって前記吸引ダスト収容部(12)に繋がっている。
ロータリーブラシ取付部(21)には、下面に長さ方向のほぼ全長に亘って開口(22)が形成されており、該開口(22)内部に回転掻上げ部材(3)を収容している。
吸い口部(2)は、更に、前縁にバンパー(4)を設け、前記開口(22)より少し後側に補助車輪(24)(24)を具えている。
【0012】
回転掻上げ部材(3)は、図3に示す如く、筒体(31)の外周に掻上げ片(30)を突設して形成されている。
実施例の回転掻上げ部材(3)はロータリーブラシ(3a)であって、一端に短軸部(32)、他端に長軸部(33)を突設した筒体(31)の周面にブラシ毛(30a)を植設している。筒体(31)の両軸部(32)(33)の先端側に短筒(38)(38)をネジ止め固定し、短筒(38)(38)の周面にもブラシ毛(30a)を突設している。
筒体(31)上のブラシ毛(30a)は、単位本数を1組とし、多数組のブラシ毛(30a)が筒体(31)の略全長に亘って2条の螺旋を描く様に略等間隔に突設されている。但し、吸い口部(2)の内面の補強リブ(図示せず)との干渉を避けるため、該リブとの対応位置は、ブラシ毛(30a)は歯抜け状態となっている。
短筒(38)(38)上のブラシ毛(30a)は、該短筒の軸方向に伸びるブラシ毛列が、短筒(38)の周方向に、等間隔に複数箇所に設けられている。
短筒(38)上のブラシ毛(30a)は、筒体(31)から離れる様に外向きに傾いており、最も外側のブラシ毛(30a)は、軸部(32)(33)先端より外側にはみ出している。
【0013】
上記ロータリーブラシ(3a)の両側の軸部(32)(33)は、短筒(38)(38)より内側位置にベアリング(34)が嵌まり、該ベアリング(34)の外輪に合成樹脂製のベアリングホルダー(35)が圧入されている。
ベアリング(34)は、異物侵入を防止するシール付きである。
ロータリーブラシ(3a)の一端長軸部(33)には、ロータリーブラシ(3a)と一体に回転する駆動プーリ(36)と、ロータリーブラシ(3a)に対して空回りする空転プーリ(37)が取り付けられている。
公知の如く、駆動プーリ(36)と空転プーリ(37)には、掃除機本体(1)の下部に配備したロータリーブラシ駆動モータ(図示せず)によって周回駆動される無端状ベルト(図示せず)が選択的に掛け渡されて、ロータリーブラシ(3a)の回転駆動又はロータリーブラシ(3a)の回転停止が行われる。
【0014】
図4に示す如く、ベアリングホルダー(35)は、吸い口部(2)に設けたホルダー受け(26)に嵌まって回転できない形状に形成されている。
ベアリングホルダー(35)は、ホルダー受け(26)に脱着可能な固定部材(39)によって、ホルダー受け(26)に保持されている。
ロータリーブラシ(3a)を吸い口部(2)に取り付けた状態において、ロータリーブラシ(3a)の最外端のブラシ毛(30a)は、吸い口部(2)の両端内面に接する程に近接してしている。
【0015】
然して、ハンドル(13)を持って、掃除機を絨毯上にて前進又は後退させると、吸い口部(2)に吸引が作用すると共に、ロータリーブラシ(3a)が絨毯上の毛足に潜り込んだダストを後方へ掻き上げる様に回転する。
ロータリーブラシ(3a)の回転支持部(5)(5)は、回転掻上げ部材(3)の両端部を余した位置にあり、回転掻上げ部材(3)の両端のブラシ毛(30a)は、吸い口部(2)の両端内面に近接しているから、吸い口部(2)の有効吸い込み領域の略全長に亘ってロータリーブラシ(3a)の掻き上げが利き、絨毯内部に潜り込んダストまでを効果的に掻き上げて吸引できる。
【0016】
又、掃除機を前進させたときに、リブ(41)付きのバンパー(4)が部屋の壁面(6)に当たって、バンパー(4)が内側に揺動したとき、押え片(42)がリブ(41)の前面を押してリブ(41)を後方に揺動させる。リブ(41)の後面は、吸い口部(2)の当り縁(25)に当たって、リブ(41)の当り縁(25)から下方は、押え片(42)の押圧によって後方に折れ曲がる様に弾性変形する。これによって、部屋の床面と壁面とで形成されるコーナ部(61)は、吸い口部(2)の吸引が作用する様に開放される。
リブ(41)は予定外の部分で弾性屈曲することはなく、リブ(41)の動作に確実性がある。従って、従来の様に、部屋の壁面(6)とバンパー(4)との間にリブ(41)を挟み込んでしまう虞れはない。又、リブ(41)の予定外の弾性変形によって、部屋のコーナ部(61)を吸い口部(2)へ開放することが不十分となって、該コーナ部のダストの吸引漏れが生じることも防止できる。
【0017】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
例えば、実施例では、絨毯の毛足の間に潜りこんだダストを掻き出すだめの回転掻上げ部材(3)はロータリーブラシ(3a)であるが、これに限らず、円筒体の表面に、軸方向に延びる、或いは螺旋条に延びる可撓性のリブを突設し、該リブをブラシ毛(30a)に代わる掻上げ片(30)とする等、回転によって絨毯上或いは絨毯の毛足内のダストを掻き上げる機能があれば、構成は問わない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】起立状態のアップライト型掃除機の側面図である。
【図2】同上の底面図である。
【図3】ロータリーブラシの正面図である。
【図4】図3X−X線に沿う断面図である。
【図5】吸い口部の前部断面図である。
【図6】バンパーが部屋の壁面に当たった状態の断面図である。
【図7】従来のアップライト型掃除機の側面図である。
【図8】同上の底面図である。
【図9】従来のロータリーブラシの正面図である。
【図10】従来のバンパー付き吸い口の断面図である
【図11】同上の吸い口のバンパーが部屋の壁に当たった状態の断面図である。
【符号の説明】
【0019】
1 掃除機本体
2 吸い口部
25 当り縁
34 ベアリング
35 ベアリングホルダー
3 回転掻上げ部材
4 バンパー
41 リブ
42 押え片
43 当り片
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸い口部に回転掻上げ部材を具えた掃除機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図7に示す真空掃除機の吸い口部(2)に、ダストを掻き上げる回転掻上げ部材(3)として、図8、図9に示すロータリーブラシ(3a)を具えることが実施されている(特許文献1)。
上記掃除機は、吸い口部(2)に吸引を作用させると共に、ロータリーブラシ(3a)を強制回転させて絨毯の毛足の中のダストを掻き上げて、ダストの吸引効果を高めている。
又、図7、図10に示す如く、吸い口部(2)の前端(掃除機の前進側端部)に、軟質のリブ(44)付きバンパー(4)を具えた掃除機も知られている。リブ(44)は断面「く」の字状に屈曲している。
図10に示す如く、床面を掃除する際は、リブ(44)の下端が床面に摺接して掃除機の前進側を遮蔽し、リブ(44)よりも内側の吸引力を高めることができる。
図11に示す如く、バンパー(4)が部屋の壁面(6)に当たると同時にリブ(44)は内側に屈曲し、床面と壁面(6)とによって形成されるコーナ部(61)を吸引側に開放して吸引の死角を無くすことができる。
【0003】
【特許文献1】米国特許第5495634号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記掃除機のロータリーブラシ(3a)は、両端に具えたベアリング(34)の外側にベアリングホルダー(35)を圧入し、該ホルダー(35)を吸い口部(2)のホルダー嵌合部(図示せず)に嵌めて取り付けられている。
ロータリーブラシ(3a)は、ベアリング(34)(34)がロータリーブラシ(3a)の両端に取り付けられているから、ブラシ毛(30a)の植設はベアリング(34)(34)より内側部分に限られる。
従って、吸い口部(2)の長手方向の両端部ではブラシ毛(30a)が届かずダストの掻き上げが出来ないため、ダストの吸い残しが発生するという問題がある。
【0005】
又、リブ付きバンパー(4)は、リブ(44)が軟質であるからリブ(44)が予定外の弾性変形を行なうことがある。例えば、部屋の壁際でリブ(44)を床面に接地させたまま掃除機を該壁面から離れる方向に後退させてから壁側に前進させた場合、後退時にリブ(44)が床面との摩擦で前方に捲れ上がって、そのままの状態で壁面に押しつけられてしまう。この場合、リブ(44)がバンパー(4)と部屋の壁面とに間に挟み込まれてリブ(44)の損傷を早めたり、リブ(44)の後方への屈曲が一様でなく、床面と壁面とによって形成されるコーナ部(61)を吸い口部(2)へ開放することが不十分となって、コーナ部(61)のダストの吸引漏れの問題を生じる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、 吸い口部(2)に横長の回転掻上げ部材(3)を設けた掃除機において、回転掻上げ部材(3)は両端部を余した位置で回転可能に支持され、回転掻上げ部材(3)は回転支持部(5)(5)の外側にて自身の両端に近接した位置まで掻上げ片(30)を有している。
【0007】
又、吸い口部(2)の掃除機前進側の側縁に、吸い口部(2)の長手方向に伸びるバンパー(4)を上端を枢支して前後に揺動可能に配備し、該バンパー(4)に、リブ(41)の前面を押圧可能な押え片(42)を設け、吸い口部(2)にはバンパー(4)が内側に揺動したとき、リブ(41)の後面に当たって前記押え片(42)と共同してリブ(41)を内側に屈曲する様に弾性変形させる当り縁(25)を具えることができる。
【発明の効果】
【0008】
回転掻上げ部材(3)の回転支持部(5)(5)は、回転掻上げ部材(3)の両端部を余した位置にあり、回転掻上げ部材(3)は両端に近接した位置まで掻上げ片(30)を有しているから、吸い口部(2)の両端部での掻上げ片(30)の届かない領域を可及的に小さくでき、吸い口部(2)の両端部におけるダストの吸い残しを解消できる。
【0009】
又、リブ(41)付きのバンパー(4)は、バンパー(4)が内側に揺動したとき、押え片(42)がリブ(41)の前面を押してリブ(41)を後方に揺動させる。リブ(41)の後面は、吸い口部(2)の当り縁(25)に当たって、リブ(41)の当り縁(25)から下方は、押え片(42)の押圧によって後方に折れ曲がる様に弾性変形する。これによって、部屋の床面と壁面とで形成されるコーナ部は、吸い口部(2)の吸引が作用する様に開放される。
リブ(41)は予定外の部分で折れ曲がることはなく、リブ(41)の動作に確実性がある。従がって従来の様に、部屋の壁面とバンパー(4)との間にリブ(41)を挟み込んでしまったり、リブ(41)の予定外の弾性変形によって、部屋のコーナ部を吸い口部(2)へ開放することが不十分となって、コーナ部のダストの吸引漏れの問題を生じることを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は本発明を実施したアップライト型の真空掃除機を示している。
以下の説明で、前とは矢印Aで示す掃除機の前進側のことである。
縦長の掃除機本体(1)は、下端後部に主車輪(14)、上端に移動用ハンドル(13)、中間部に吸引用モータ(11)及び吸引ダスト収容部(12)を具えている。
掃除機本体(1)の下端に、回転掻上げ部材(3)を具えた吸い口部(2)が取り付けられている。
図2に示す如く、吸い口部(2)は左右に長いロータリーブラシ取付部(21)の両端側から後方にアーム(23)(23)を突設し、アーム(23)(23)間に掃除機本体(1)の下端を挟み、アーム先端側の支点(10)を中心に矢印Bで示す方向に揺動用可能に掃除機本体(1)に支持されている。
【0011】
吸い口部(2)は、ホース(20)によって前記吸引ダスト収容部(12)に繋がっている。
ロータリーブラシ取付部(21)には、下面に長さ方向のほぼ全長に亘って開口(22)が形成されており、該開口(22)内部に回転掻上げ部材(3)を収容している。
吸い口部(2)は、更に、前縁にバンパー(4)を設け、前記開口(22)より少し後側に補助車輪(24)(24)を具えている。
【0012】
回転掻上げ部材(3)は、図3に示す如く、筒体(31)の外周に掻上げ片(30)を突設して形成されている。
実施例の回転掻上げ部材(3)はロータリーブラシ(3a)であって、一端に短軸部(32)、他端に長軸部(33)を突設した筒体(31)の周面にブラシ毛(30a)を植設している。筒体(31)の両軸部(32)(33)の先端側に短筒(38)(38)をネジ止め固定し、短筒(38)(38)の周面にもブラシ毛(30a)を突設している。
筒体(31)上のブラシ毛(30a)は、単位本数を1組とし、多数組のブラシ毛(30a)が筒体(31)の略全長に亘って2条の螺旋を描く様に略等間隔に突設されている。但し、吸い口部(2)の内面の補強リブ(図示せず)との干渉を避けるため、該リブとの対応位置は、ブラシ毛(30a)は歯抜け状態となっている。
短筒(38)(38)上のブラシ毛(30a)は、該短筒の軸方向に伸びるブラシ毛列が、短筒(38)の周方向に、等間隔に複数箇所に設けられている。
短筒(38)上のブラシ毛(30a)は、筒体(31)から離れる様に外向きに傾いており、最も外側のブラシ毛(30a)は、軸部(32)(33)先端より外側にはみ出している。
【0013】
上記ロータリーブラシ(3a)の両側の軸部(32)(33)は、短筒(38)(38)より内側位置にベアリング(34)が嵌まり、該ベアリング(34)の外輪に合成樹脂製のベアリングホルダー(35)が圧入されている。
ベアリング(34)は、異物侵入を防止するシール付きである。
ロータリーブラシ(3a)の一端長軸部(33)には、ロータリーブラシ(3a)と一体に回転する駆動プーリ(36)と、ロータリーブラシ(3a)に対して空回りする空転プーリ(37)が取り付けられている。
公知の如く、駆動プーリ(36)と空転プーリ(37)には、掃除機本体(1)の下部に配備したロータリーブラシ駆動モータ(図示せず)によって周回駆動される無端状ベルト(図示せず)が選択的に掛け渡されて、ロータリーブラシ(3a)の回転駆動又はロータリーブラシ(3a)の回転停止が行われる。
【0014】
図4に示す如く、ベアリングホルダー(35)は、吸い口部(2)に設けたホルダー受け(26)に嵌まって回転できない形状に形成されている。
ベアリングホルダー(35)は、ホルダー受け(26)に脱着可能な固定部材(39)によって、ホルダー受け(26)に保持されている。
ロータリーブラシ(3a)を吸い口部(2)に取り付けた状態において、ロータリーブラシ(3a)の最外端のブラシ毛(30a)は、吸い口部(2)の両端内面に接する程に近接してしている。
【0015】
然して、ハンドル(13)を持って、掃除機を絨毯上にて前進又は後退させると、吸い口部(2)に吸引が作用すると共に、ロータリーブラシ(3a)が絨毯上の毛足に潜り込んだダストを後方へ掻き上げる様に回転する。
ロータリーブラシ(3a)の回転支持部(5)(5)は、回転掻上げ部材(3)の両端部を余した位置にあり、回転掻上げ部材(3)の両端のブラシ毛(30a)は、吸い口部(2)の両端内面に近接しているから、吸い口部(2)の有効吸い込み領域の略全長に亘ってロータリーブラシ(3a)の掻き上げが利き、絨毯内部に潜り込んダストまでを効果的に掻き上げて吸引できる。
【0016】
又、掃除機を前進させたときに、リブ(41)付きのバンパー(4)が部屋の壁面(6)に当たって、バンパー(4)が内側に揺動したとき、押え片(42)がリブ(41)の前面を押してリブ(41)を後方に揺動させる。リブ(41)の後面は、吸い口部(2)の当り縁(25)に当たって、リブ(41)の当り縁(25)から下方は、押え片(42)の押圧によって後方に折れ曲がる様に弾性変形する。これによって、部屋の床面と壁面とで形成されるコーナ部(61)は、吸い口部(2)の吸引が作用する様に開放される。
リブ(41)は予定外の部分で弾性屈曲することはなく、リブ(41)の動作に確実性がある。従って、従来の様に、部屋の壁面(6)とバンパー(4)との間にリブ(41)を挟み込んでしまう虞れはない。又、リブ(41)の予定外の弾性変形によって、部屋のコーナ部(61)を吸い口部(2)へ開放することが不十分となって、該コーナ部のダストの吸引漏れが生じることも防止できる。
【0017】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
例えば、実施例では、絨毯の毛足の間に潜りこんだダストを掻き出すだめの回転掻上げ部材(3)はロータリーブラシ(3a)であるが、これに限らず、円筒体の表面に、軸方向に延びる、或いは螺旋条に延びる可撓性のリブを突設し、該リブをブラシ毛(30a)に代わる掻上げ片(30)とする等、回転によって絨毯上或いは絨毯の毛足内のダストを掻き上げる機能があれば、構成は問わない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】起立状態のアップライト型掃除機の側面図である。
【図2】同上の底面図である。
【図3】ロータリーブラシの正面図である。
【図4】図3X−X線に沿う断面図である。
【図5】吸い口部の前部断面図である。
【図6】バンパーが部屋の壁面に当たった状態の断面図である。
【図7】従来のアップライト型掃除機の側面図である。
【図8】同上の底面図である。
【図9】従来のロータリーブラシの正面図である。
【図10】従来のバンパー付き吸い口の断面図である
【図11】同上の吸い口のバンパーが部屋の壁に当たった状態の断面図である。
【符号の説明】
【0019】
1 掃除機本体
2 吸い口部
25 当り縁
34 ベアリング
35 ベアリングホルダー
3 回転掻上げ部材
4 バンパー
41 リブ
42 押え片
43 当り片
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸い口部(2)に横長の回転掻上げ部材(3)を設けた掃除機において、回転掻上げ部材(3)は両端部を余した位置で回転可能に支持され、回転掻上げ部材(3)は回転支持部(5)(5)の外側にて自身の両端に近接した位置まで掻上げ片(30)を有している掃除機。
【請求項2】
吸引用モータ(11)、吸引ダスト収容部(12)、移動用ハンドル(13)を具えた縦長の掃除機本体(1)の下端に吸い口部(2)を具えた請求項1に記載の掃除機。
【請求項3】
回転掻上げ部材(3)は、筒体(31)の外面にブラシ毛(30a)を突設したロータリーブラシ(3a)であって両端のブラシ毛(30a)は、外側に傾いて突出している請求項1又は2に記載の掃除機。
【請求項4】
吸い口部(2)の掃除機前進側の側縁に、吸い口部(2)の長手方向に延びるバンパー(4)が上端を枢支して前後に揺動可能に配備され、該バンパーは、バンパーの長手方向に延びて下向きに突出したリブ(41)を具え、更にバンパーは、リブ(41)の前面を押圧可能な押え片(42)を具え、吸い口部(2)にはバンパー(4)が内側に揺動したとき、リブ(41)の後面に当たって前記押え片(42)と共同してリブ(41)を内側に屈曲する様に弾性変形させる当り縁(25)を有している請求項1乃至3の何れかに記載の掃除機。
【請求項5】
吸い口部(2)に横長の回転掻上げ部材(3)を設けた掃除機において、吸い口部(2)の掃除機前進側の側縁に、吸い口部(2)の長手方向に伸びるバンパー(4)が上端を枢支して前後に揺動可能に配備され、該バンパー(4)は、リブ(41)の前面を押圧可能な押え片(42)を具え、吸い口部(2)には、バンパー(4)が内側に揺動したとき、リブ(41)の後面に当たって前記押え片(42)と共同してリブ(41)を内側に屈曲する様に弾性変形させる当り縁(25)を有している掃除機。
【請求項1】
吸い口部(2)に横長の回転掻上げ部材(3)を設けた掃除機において、回転掻上げ部材(3)は両端部を余した位置で回転可能に支持され、回転掻上げ部材(3)は回転支持部(5)(5)の外側にて自身の両端に近接した位置まで掻上げ片(30)を有している掃除機。
【請求項2】
吸引用モータ(11)、吸引ダスト収容部(12)、移動用ハンドル(13)を具えた縦長の掃除機本体(1)の下端に吸い口部(2)を具えた請求項1に記載の掃除機。
【請求項3】
回転掻上げ部材(3)は、筒体(31)の外面にブラシ毛(30a)を突設したロータリーブラシ(3a)であって両端のブラシ毛(30a)は、外側に傾いて突出している請求項1又は2に記載の掃除機。
【請求項4】
吸い口部(2)の掃除機前進側の側縁に、吸い口部(2)の長手方向に延びるバンパー(4)が上端を枢支して前後に揺動可能に配備され、該バンパーは、バンパーの長手方向に延びて下向きに突出したリブ(41)を具え、更にバンパーは、リブ(41)の前面を押圧可能な押え片(42)を具え、吸い口部(2)にはバンパー(4)が内側に揺動したとき、リブ(41)の後面に当たって前記押え片(42)と共同してリブ(41)を内側に屈曲する様に弾性変形させる当り縁(25)を有している請求項1乃至3の何れかに記載の掃除機。
【請求項5】
吸い口部(2)に横長の回転掻上げ部材(3)を設けた掃除機において、吸い口部(2)の掃除機前進側の側縁に、吸い口部(2)の長手方向に伸びるバンパー(4)が上端を枢支して前後に揺動可能に配備され、該バンパー(4)は、リブ(41)の前面を押圧可能な押え片(42)を具え、吸い口部(2)には、バンパー(4)が内側に揺動したとき、リブ(41)の後面に当たって前記押え片(42)と共同してリブ(41)を内側に屈曲する様に弾性変形させる当り縁(25)を有している掃除機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−75458(P2006−75458A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−264986(P2004−264986)
【出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]