説明

掃除機

【課題】コンパクトな掃除機を提供する。
【解決手段】本発明によれば、本体(12)と、取っ手組立体(100)と、ホース(50)とを有する掃除機(10)が提供される。取っ手組立体は、管(104)と、管にしっかりと取り付けられた掴み部分(114)とを有する。ホースは、本体に取り付けられた一端部を有する。管は、管の少なくとも一部がホース内に位置する収納位置と、掃除機を使用の際に操るために掴み部分を用いることができる伸長位置との間で本体に対して動くことができる。かかる構成を提供することにより、取っ手組立体及びホースをコンパクトに収納することができる。ユーザが掃除機を仕舞おうと思った場合、管を収納のためにホース内に引っ込めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掃除機に関する。特に、本発明は、真空掃除機に関するが、これには限定されない。
【背景技術】
【0002】
直立(アップライト)形真空掃除機が周知である。さらに、床掃除モードから「床上方」(above-the-floor :床よりも上の)掃除モードに変換可能な直立形真空掃除機も周知である。これら掃除モードの両方を実施するため、直立形真空掃除機は、床上方掃除に必要な場合に使用できるワンド及びホース構造体を備えた取っ手組立体を有することが通例である。公知の構成が米国特許第4,519,113号明細書に記載されている。この構成では、取っ手組立体は、掃除機ヘッドに取り付けられた取っ手及びワンドを有し、取っ手及びワンドは、ワンド及びホース組立体は、真空掃除機が床掃除モードで用いられているときに真空掃除機内の空気流路の一部を形成するよう掃除機ヘッドに取り付けられている。取っ手及びワンドは、床上方掃除が必要な場合、掃除機ヘッドから解除可能又は取り外し可能である。この構成は、具体化が簡単であるが、空気は、真空掃除機が床掃除モードで用いられているとき、ワンド及びホースを通って流れなければならない。これにより、真空掃除機内におけるロス(効率的損失)が増大する。さらに、真空掃除機が床掃除モードで用いられるとき、ホースは、取っ手及びワンドの後ろにぶら下がる。これは、ユーザにとって厄介であり且ついらいらすることであり、しかも余分の収納スペースを必要とする。
【0003】
真空掃除機の一部を形成する取っ手組立体の別の公知の形式が、欧州特許第1265519号明細書に記載されている。この構成では、取っ手及びワンドは、キャッチによって真空掃除機の本体に解除自在に取り付けられている。ホースが、ワンドの一部の周りに収納される。取っ手及びワンドをホースの上端部から取り外し、ぐるりと回して再び連結することができる。このようにすると、取っ手組立体を床上方掃除に用いようとする場合、ホースを取っ手組立体に取り付け、この場合、ワンドは、ホースから遠ざかって突き出る。この構成は、到来空気を掃除機ヘッド中かホース中かのいずれかに選択的に差し向ける切り換え弁を含む。したがって、真空掃除機を床上方掃除に用いる場合、空気は掃除機ヘッドを通って引き込まれることはない。
【0004】
取っ手組立体の別の変形例が、国際公開第2006/008444号パンフレットに記載されている。この構成では、この特許文献に図示された真空掃除機は、ホース及び真空掃除機の取っ手に対して収納位置と伸長位置との間で摺動できる管状ワンドを含む取っ手組立体を有している。取っ手組立体は、真空掃除機の残部から解除可能である。取っ手は、真空掃除機に取り付けられた場合、本体に対して固定される。
【0005】
また、保管時に真空掃除機のサイズを減少させるために真空掃除機に取り付けられた伸長可能な取っ手を提供することが知られている。かかる構成は、米国特許第2,660,457号明細書に記載されている。この構成では、ワンドが、この特許文献に図示された真空掃除機の取っ手組立体の一部を形成する。ワンドは、ユーザが掴むことができる取っ手となるよう伸長可能である。ワンドは又、真空掃除機の残部から取り外し可能であり、このワンドは、床上方掃除目的で真空掃除機の前に設けられたホースに再び取り付け可能である。しかしながら、この構成では、ホースの別個の収納が必要であり、これは、ユーザにとって都合が悪く、しかも、掃除機の全体的サイズを増大させる。
【0006】
本発明の目的は、先行技術の構成を改良した真空掃除機用の改良型取っ手組立体を提供することにある。本発明の別の目的は、先行技術の構成よりもコンパクトであり且つ仕舞いやすい真空掃除機用改良型取っ手組立体を提供することにある。
【0007】
【特許文献1】米国特許第4,519,113号明細書
【特許文献2】欧州特許第1265519号明細書
【特許文献3】国際公開第2006/008444号パンフレット
【特許文献4】米国特許第2,660,457号明細書
【発明の開示】
【0008】
本発明によれば、本体と、取っ手組立体と、ホースとを有する掃除機であって、取っ手組立体は、管と、管にしっかりと取り付けられた掴み部分とを有し、ホースは、本体に取り付けられた一端部を有し、管は、管の少なくとも一部がホース内に位置する収納位置と、掃除機を使用の際に操るために掴み部分を用いることができる伸長位置との間で本体に対して動くことができることを特徴とする掃除機が提供される。
【0009】
かかる構成を提供することにより、取っ手組立体及びホースをコンパクトに収納することができる。ユーザが掃除機を仕舞おうと思った場合、管を収納のためにホース内に引っ込めることができる。しかしながら、ホースを伸長させると、掴み部分は、ユーザにより扱われるのに好都合な高さ位置にある。この構成では、従来型構成よりも必要とするスペースが狭くて済む。
【0010】
好ましくは、取っ手組立体は、本体から取り外し可能である。より好ましくは、取っ手組立体は、本体に解除可能に連結されるよう構成されると共に配置された連結部分を更に有し、管は、連結部分に対して摺動可能に動くことができる。かかる構成を提供することにより、真空掃除機を使用時に扱うよう用いられるために取っ手組立体を本体に解除可能に取り付けることができるが、床上方掃除を実施することができるようにするために取り外し可能でもある。
【0011】
好ましくは、取っ手組立体は、連結部分に連結された別の管を更に有し、管は、かかる別の管内で入れ子式に摺動可能である。より好ましくは、この別の管の少なくとも一部は、取っ手組立体が本体に解除可能に連結されたときにホース内に位置する。
【0012】
かかる構成を提供することにより、管及び別の管を伸長させて長いワンドを形成することができ、その結果、床の上方の領域、例えば天井又はドアを容易に掃除することができるようになる。しかしながら、管及び別の管を都合の良い収納のために又は大きなワンドには適していない領域の掃除を可能にするために互いに内部に引っ込めることができる。
【0013】
より好ましくは、掴み部分は、管から遠ざかって延びて取っ手の一部を形成する。かかる構成を提供することにより、真空掃除機を床掃除又は床上方掃除のために用いるときにユーザが取っ手を都合良く掴むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、添付の図面を参照して本発明の実施形態につき説明する。
【0015】
真空掃除機の形態をした本発明の掃除機が、図1に示されている。図1は、本体12を有する直立(アップライト)形真空掃除機10を示しており、本体12は、モータ・ファンユニット(図示せず)及び一対の車輪14を有している。掃除機ヘッド16が、本体12の下端部に回動可能又は旋回可能に取り付けられ、汚れ空気入口18が、床面に向いた掃除機ヘッド16の下面に設けられている。本体12は、上方に延びていて、空気流を運ぶダクト22を備えた背骨20を更に有している。
【0016】
分離装置24が、背骨20に隣接して本体12に解除可能に取り付けられた状態で保持されている。図示の実施形態では、分離装置24は、サイクロン分離器から成るが、これに代えて、フィルタ、バッグ又は種々の公知の分離の装置の組み合わせを用いても良い。分離装置24の性状は、本発明にとって重要ではない。
【0017】
分離装置24の内部は、背骨20内のダクト22を通って汚れ空気入口18と連通状態にある。さらに、空にする目的で分離装置24を本体12から取り外すことができる。本体12は、空気を真空掃除機10から排出するための複数の出口ポート26を更に有している。出口ポート26は、分離装置24の下に配置されている。これらの特徴は、本発明のとって重要ではないので、これ以上説明しない。
【0018】
真空掃除機10は、ホース50及び取っ手組立体100を有している。取っ手組立体100の一部は、図1に示すように真空掃除機10に取り付けられると、ホース50の中を延びる。取っ手組立体100を真空掃除機10から外して床上方掃除を可能にするよう配置することができる。これらの特徴については後で更に説明する。取っ手組立体100は、図1では収納形態で示されている。取っ手組立体100が収納形態にあるとき、真空掃除機10は、コンパクトであり、保管し又は仕舞っておくことが容易である。
【0019】
取っ手組立体100は、図2及び図3に詳細に示されている。分かりやすくするために、図2は、真空掃除機10の取っ手組立体100の上端部及び背骨20の一部のみを示している。図3は、真空掃除機10の残部から取り外された取っ手組立体100及びホース50の全体を示している。取っ手組立体100は、図2及び図3では収納形態で示されている。
【0020】
取っ手組立体100は、取っ手102、管状ワンド104、連結部分106及び固定管108を有している。連結部分106は、真空掃除機10の背骨20に連結されるようになっている。固定管108は、連結部分106に取り付けられた状態でこの連結部分106から下方に延びている。固定管108は、内部が中空であり、下端部には開口部109が設けられている。
【0021】
管状ワンド104は、引っ込み位置(図2及び図3に示されている)と伸長位置(図4及び図5に示されている)との間で連結部分106に対して摺動することができる。したがって、取っ手組立体100を真空掃除機10の本体12に取り付けると、管状ワンド104は、本体12に対して摺動することができる。管状ワンド104は、固定管108の直径よりも小さな直径を有し、したがって、管状ワンド104が引っ込み位置にあるとき、管状ワンド104の大部分を固定管108内に収納することができるようになっている。これは、図3に示されている。管状ワンド104と固定管108は、管状ワンド104が固定管108内で摺動することができるよう互いに対して同軸状に位置している。
【0022】
管状ワンド104は、内部が中空であり、その上端部110は開口している。開口上端部110は、床上方掃除が必要なときにホース50の端部を受け入れるようになったコネクタ112を形成する。管状ワンド104内に汚れやほこりが入るのを阻止し、しかも取っ手組立体100の見栄えを良くするために上端部110を覆ってカバー(図示せず)を設けるのが良い。
【0023】
取っ手102は、管状ワンド104の上端部110に取り付けられていて、管状ワンド104を引っ込み位置と摺動位置との間で摺動させると、連結部分106に対して動く。取っ手102は、掴み部分114及び支持部材116を有する。掴み部分114は、管状ワンド104から遠ざかって延びていて、この掴み部分は、床面を横切って又は床上方掃除中に真空掃除機10を操るときにユーザによって把持されるよう構成されている。支持部材116は、掴み部分114の機械的支持体となる。
【0024】
ホース50は、ホース50の第1の端部のところに設けられた第1のコネクタ52によって真空掃除機の本体12に固定されている。第1のコネクタ52は、ホース50をクリーニング又は交換のために取り外すことができるよう解除可能である。しかしながら、他の構成、例えば、真空掃除機10の本体12への永続的な連結が可能である。ホース50は、ホース50の第2の端部のところに設けられた第2のコネクタ54を更に有する。第2のコネクタ54は、床上方掃除が行われるとき、コネクタ112に連結されるよう構成されている。
【0025】
さらに、取っ手組立体100を真空掃除機10に取り付けて仕舞う場合、管状ワンド104及び固定管108の相当多くの部分は、ホース50内に位置する。これは、図3に示されている。ホース50は、固定管108の外部に沿ってこの周りに位置するが、これに密着するわけではない。管状ワンド104、固定管108及びホース50を互いに対して同軸状に収納することにより、取っ手組立体100は、コンパクトであり、仕舞い易い。
【0026】
図1及び図2に示す形態では、空気流は、ホース50によって運ばれない。これは、真空掃除機10が空気を掃除機ヘッド16に設けられた汚れ空気入口18中に又はホース50中に選択的に引き込む切り換え弁(図示せず)を有しているからである。切り換え弁は、固定管108の下端部によって作動される。取っ手組立体100を図1及び図2に示す形態で真空掃除機10に取り付けて仕舞う場合、固定管108は、切り換え弁を空気が汚れ空気入口18中に引き込まれる位置に動かすために、切り換え弁の一部に係合する。
【0027】
管状ワンド104が引っ込み位置(図2及び図3に示されている)にあるとき、取っ手102は、連結部分106の真上に位置し、管状ワンド104は、固定管108内に収納される。この形態では、真空掃除機10は、コンパクトであり、保管が容易である。しかしながら、ユーザが真空掃除機10を快適に用いて床面を掃除するためには、取っ手組立体100は、伸長形態に移される必要がある。
【0028】
取っ手組立体100が、図4及び図5に伸長形態で示されている。図4は、真空掃除機10の取っ手組立体100の上端部及び背骨20の一部のみを示している。図5は、分かりやすくするために真空掃除機10の残部から取り外された取っ手組立体100及びホース50の全体を示している。伸長形態では、管状ワンド104は、連結部分106から上方に遠ざかって延びる。この形態では、取っ手102は、立っているユーザによって把持されるのに都合の良い高さのところに位置する。したがって、取っ手102を用いて床面を横切って真空掃除機10を容易に操作することができる。
【0029】
図3及び図5に示す位置相互間における管状ワンド104の伸長及び引っ込みを容易にするため、管状ワンド104は、長手方向溝118を有し(これは、図4に最も良く示されている)、この長手方向溝は、連結部分106に設けられた相補形状の出張り(図示せず)と協働する。長手方向溝118及び出張りは、管状ワンド104を連結部分106に対して引っ込み位置と伸長位置との間で直線経路に沿って案内する。さらに、長手方向溝118及び出張りは、管状ワンド104が連結部分106に対して運動軸線回りに回転するのを阻止する。
【0030】
連結部分106は、ロック機構体120を更に有している。ロック機構体120は、図1、図2及び図4に示すように取っ手組立体100を真空掃除機10の背骨20に固定するよう構成されている。ロック機構体120は又、管状ワンド104を伸長位置(図4及び図5に示されている)にロックするよう構成されている。
【0031】
ロック機構体120は、連結部分106に回動可能に取り付けられたアクチュエータ122を有している。アクチュエータ122は、取っ手組立体100を背骨20から解除したり管状ワンド104をロック解除したりするようユーザによって握り締められるよう構成されている。アクチュエータ122は、取っ手組立体100を真空掃除機10に連結したときにユーザから遠ざかって前方に向く連結部分106の一部に設けられている。それにより、アクチュエータ122は、ユーザによって掴みやすくなっている。アクチュエータ122の上端部は、ユーザにより操作可能なボタンを構成する複数の互いに平行なリブ124を備えている。
【0032】
ロック機構体120は、ワンドキャッチ126、出張り128及び肩130を備えた第1のロック構造体を更に有している。ワンドキャッチ126(図3及び図5)は、連結部分106に回動可能に連結されている。ワンドキャッチ126は、管状ワンド104が下方に動くのを阻止するよう出張り128に係合する。管状ワンド104は又、連結部分106の上端部寄りに設けられた肩130によって上方に動くのが阻止される。ワンドキャッチ126が管状ワンド104に係合すると、管状ワンド104は、出張り128とワンドキャッチ126と肩130との間の相互作用により連結部分106に対して摺動するのが阻止される。これら部品相互間の係合により、管状ワンド104は、図5に示すように伸長位置にロックされる。
アクチュエータ122は、押され又は握り締められると、ワンドキャッチ126に係合してワンドキャッチ126を回動させて管状ワンド104から遠ざけ、それによりワンドキャッチ126を出張り132とのその係合状態から解除する。
【0033】
ロック機構体120は、本体キャッチ132を備えた第2のロック構造体を更に有する。本体キャッチ132は、取っ手組立体100を本体12に固定するために真空掃除機10の本体12の一部分(図示せず)に係合するようになっている。本体キャッチ132は又、アクチュエータ122を押すことにより解除可能である。
【0034】
上述の構成は、スティックバキューム(stick-vacuum)と通称されている小型の直立形真空掃除機に特に適している。スティックバキュームは、一般に、従来型の直立形真空掃除機よりもサイズが非常に小さい。したがって、かかるスティックバキュームは、力強さが小さく且つ特徴が少ない傾向がある。しかしながら、上述の構成により、ワンドキャッチ及び本体キャッチは、小さいが、優れた機能性を備えることができる。
【0035】
使用にあたり、ユーザは、真空掃除機10が図1に示す形態にある状態で始める。この形態では、取っ手組立体100は、収納形態にあり、即ち、取っ手組立体100は、真空掃除機10の本体12に固定され、管状ワンド104は、引っ込み位置にある。この位置では、管状ワンドの一部は、ホース50内に位置している。床面の掃除が可能であるように真空掃除機10を構成するため、ユーザは、取っ手102を上方に引っ張ることにより管状ワンド104を伸長させ、ついには、管状ワンド104が図4に示す伸長位置にロックされるようにする。ロック機構体120は、今や、図6に示すような第1の形態にある。
【0036】
ユーザは、次に、真空掃除機10をオンに切り換えてモータ・ファンユニットが汚れた空気を汚れ空気入口18経由で真空掃除機10内に引き込むようにする。ユーザは、掃除作業を実施するために、取っ手102を巧みに操って床面を横切って真空掃除機10を操る。床面から汚れ及びほこりを運ぶ汚れた空気は、背骨20のダクト22を介して分離装置24内に引き込まれる。汚れ及びほこりは、分離装置24により空気流から分離されてこの分離装置内に保持される。次に、きれいになった空気は、分離装置24からモータ前置フィルタ(図示せず)を通り、冷却のためにモータを横切り、そしてモータ後置フィルタ(図示せず)を通って流れ、その後、出口ポート26を介して真空掃除機10から放出される。
【0037】
ユーザは又、床の上方に位置する表面を掃除したいと思う場合がある。これを行うため、ユーザは、アクチュエータ122を押す。これにより、ロック機構体120が動き、それにより、本体キャッチ132がロック解除されて連結部分106が背骨20から解除される。すると、取っ手組立体100を真空掃除機10の本体12から取り外すことができる。ユーザが取っ手組立体100を本体12から取り外しているとき、固定管108は、ホース50から滑り出ることになる。固定管108が図2及び図3に示す収納位置から取り出されると、切り換え弁は、空気流路を切り換えて空気を汚れ空気入口18ではなく、ホース50中に引き込むようにする。
【0038】
取っ手組立体100を真空掃除機10の本体12及びホース50からいったん解除すると、ユーザは、取っ手組立体100の向きをくるりと変えてホース50の第2のコネクタ54を取っ手102に隣接して位置するコネクタ116に取り付ける。第2のコネクタ54は、キャッチ(図示せず)によりコネクタ116に取り付けられるが、変形例として、他の構成、例えば摩擦嵌め又はスナップ嵌めを用いても良い。真空掃除機10は、今や、床上方掃除が可能な形態になっている。この形態は、図9に示されている。ユーザは、次に、取っ手102の掴み部分114を掴み、そして取っ手組立体100を操って例えば壁、ドア又は天井を掃除する。オプションとして、付属ツール、例えば階段用ツール又は隙間用ツールを固定パイプ108の遠位端部に取り付けることができる。
【0039】
ユーザは、床上方掃除作業を終えると、真空掃除機10を床掃除モードに戻したいと思う場合がある。これを行うため、ユーザは、第2のコネクタ54をコネクタ116から切り離し、取っ手組立体100の向きをくるりと変えて固定管108をホース50の端部内に再び挿入して戻す。ユーザは又、取っ手組立体100を真空掃除機10の本体12に再び取り付けるために連結部分106を真空掃除機10の背骨20と整列させる。
【0040】
取っ手組立体100は、今や、本体キャッチ132と真空掃除機10の本体12の一部との係合により真空掃除機10の本体12に解除可能に固定される。また、管状ワンド104は、ワンドキャッチ126と出張り128と肩130との係合により伸長位置にロックされたままである。取っ手組立体100を真空掃除機10に取り付けて戻すことにより、切り換え弁が作動し、それにより、空気流路が逆に切り換えられて空気が汚れ空気入口18中に引き込まれる。真空掃除機10は、今や、床掃除が可能であるように再構成され、この場合、ユーザは、管状ワンド104を伸長位置に戻すかどうかについて気にする必要はない。また、管状ワンド104は、怪我を生じさせる場合があり又はいらいらさせる場合のある思いがけない押し込みが生じるのが阻止される。
【0041】
ユーザが掃除作業を終えると、真空掃除機10をオフに切り換える。真空掃除機10を図1に示すような保管形態に戻すため、ユーザは、アクチュエータ122を押す。この行為により、ワンドキャッチ126が管状ワンド104からロック解除され、管状ワンド104を伸長位置から収納のための引っ込み位置に畳み込むことができる。連結部分106の幾何学的形状により、取っ手組立体100は、ユーザが取っ手組立体100を取り外すことを望まない場合、このプロセス中、真空掃除機10から外れて落ちることはない。真空掃除機10は、今や、図1に示す形態に戻っている。
【0042】
本発明は、上述の詳細な説明には限定されない。変形例が当業者には明らかであろう。また、固定管を設ける必要はない。これに代えて、単一の管又は管状ワンドを設けても良い。
【0043】
加うるに、管又は管状ワンドの全体が、収納時にホース内に位置しても良い。さらに、固定管の全体も又、ホース内に位置しても良い。
【0044】
取っ手組立体は、真空掃除機の本体から取り外し可能である必要はない。重要なことは、管又は管状ワンドが、本体に対して動き、したがって、収納時、管又は管状ワンドの少なくとも一部分がホース内に位置することである。例えば、ホースに接近するために管又は管状ワンドを伸長させることができ、そして収納のためにホース内に引っ込めることができる。
【0045】
取っ手は、管状ワンドから延びる必要はない。その代わりに、異形又は表面模様付き掴み部分を管状ワンドの表面に設けてユーザが管状ワンドを快適に操ることができるようにしても良い。
【0046】
加うるに、管状ワンドは、単に引っ込み位置及び伸長位置よりも多くの位置を有しても良い。ワンドを多くの互いに異なる伸長位置にロックすることができるようにするために長手方向溝に切欠きを設けても良い。
【0047】
さらに、ワンドキャッチ及び本体キャッチの他の形態及び構成、例えば、電子式又は磁気式キャッチを用いることができる。機械式キャッチを用いる場合、回動可能なキャッチ以外の構成、例えば、摺動キャッチ又は変形可能なキャッチを用いることができる。
【0048】
別の形態のアクチュエータを用いても良い。アクチュエータは、回動可能である必要はなく、これがユーザにより操作可能なボタンを備える必要もない。アクチュエータは、電子式であっても良く、或いは、滑り又は変形可能なコンポーネントを有しても良い。
【0049】
掃除機は、直立形真空掃除機である必要はない。本発明は、他形式の真空掃除機、例えばスティックバキュームに利用できる。さらに、本発明は、他形式の掃除機、例えば乾湿式機械又はカーペット洗浄機に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】収納形態で示された取っ手組立体を有する直立形真空掃除機の真空掃除機の形態をした本発明の掃除機の側面図である。
【図2】取っ手組立体の等角図であり、取っ手組立体を収納形態で且つ図1の直立形真空掃除機の一部に取り付けられた状態で示す図である。
【図3】図2の取っ手組立体の側面断面図であり、取っ手組立体を収納形態で示す図である。
【図4】図2の取っ手組立体の等角図であり、取っ手組立体を伸長形態で示す図である。
【図5】図2の取っ手組立体の側面断面図であり、取っ手組立体を伸長形態で示す図である。
【図6】図1の真空掃除機の側面図であり、取っ手組立体を真空掃除機から取り外して床上方掃除を行うよう構成した状態で示す図である。
【符号の説明】
【0051】
10 掃除機(真空掃除機)
12 本体
14 車輪
16 ヘッド
18 汚れ空気入口
20 背骨
22 ダクト
24 分離装置
26 出口ポート
50 フレキシブルホース
52,54 コネクタ
100 取っ手組立体
104 伸長可能なワンド又は管
106 連結部分
108 固定管
114 掴み部分
120 ロック機構体
122 アクチュエータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、取っ手組立体と、ホースとを有する掃除機であって、前記取っ手組立体は、管と、前記管にしっかりと取り付けられた掴み部分とを有し、前記ホースは、前記本体に取り付けられた一端部を有し、前記管は、前記管の少なくとも一部が前記ホース内に位置する収納位置と、前記掃除機を使用の際に操るために前記掴み部分を用いることができる伸長位置との間で前記本体に対して動くことができる、掃除機。
【請求項2】
前記取っ手組立体は、前記本体から取り外し可能である、請求項1記載の掃除機。
【請求項3】
前記取っ手組立体は、前記本体に解除可能に連結されるよう構成されると共に配置された連結部分を更に有し、前記管は、前記連結部分に対して摺動可能に動くことができる、請求項2記載の掃除機。
【請求項4】
前記連結部分は、前記取っ手組立体を前記本体に解除可能に固定する第1のロック構造体を有する、請求項3記載の掃除機。
【請求項5】
前記連結部分は、前記管を前記伸長位置に解除可能にロックする第2のロック構造体を更に有する、請求項4記載の掃除機。
【請求項6】
前記取っ手組立体は、前記連結部分に連結された別の管を更に有し、前記管は、前記別の管内で入れ子式に摺動可能である、請求項3〜5のうちいずれか一に記載の掃除機。
【請求項7】
前記別の管の少なくとも一部は、前記取っ手組立体が前記本体に解除可能に連結されたときに前記ホース内に位置する、請求項6記載の掃除機。
【請求項8】
前記管は、中空であり、前記管は、前記ホースに連結されるようになった前記掴み部分に隣接して設けられた第1の開口部を有する、請求項1〜7のうちいずれか一に記載の掃除機。
【請求項9】
前記別の管は、中空であり、前記別の管は、前記第1の開口部と流体連通状態にある第2の開口部を有する、請求項6又は8記載の掃除機。
【請求項10】
前記第2の開口部は、付属ツール又は床用ツールを受け入れるよう構成されると共に配置されている、請求項9記載の掃除機。
【請求項11】
前記掴み部分は、前記管から遠ざかって延びて取っ手の一部を形成する、請求項1〜10のうちいずれか一に記載の掃除機。
【請求項12】
前記掃除機は、真空掃除機である、請求項1〜11のうちいずれか一に記載の掃除機。
【請求項13】
前記真空掃除機は、直立形真空掃除機である、請求項12記載の掃除機。
【請求項14】
前記真空掃除機は、スティックバキュームである、請求項12記載の掃除機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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