説明

排尿障害治療器

【課題】本発明は、簡便に適切な位置に刺激印加電極を配置されたことを把握することで適切な治療を行うことが可能な排尿障害治療器を提供する。
【解決手段】人体1の仙骨2背面側の皮膚上に配置される複数の刺激印加電極21と、前記人体1の任意の皮膚上に配置される接地電極15と、前記刺激印加電極21に向けて刺激信号を供給する刺激信号供給源14と、前記刺激印加電極21と前記接地電極15との間の皮膚の電気的特性を測定する測定部16と、前記測定部16で測定した電気的特性から皮膚インピーダンス成分を演算する演算部17と、制御部20とを備え、前記制御部20により前記演算部17で演算した皮膚インピーダンス成分に基づき、前記複数の刺激印加電極21に前記刺激信号供給源14から選択的に刺激信号を供給する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排尿障害の症状を緩和させる排尿障害治療器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、尿が漏れる(尿失禁)、尿が出る回数が多い(頻尿)といった蓄尿障害に対して症状を緩和させる排尿障害治療器がある。これは、仙骨背面側の皮膚上に所定間隔をおいて一対の刺激印加電極を配置し、これら一対の刺激印加電極に刺激信号供給源から刺激信号を供給する構成となっており、仙骨部排尿反射中枢を通る蓄排尿を司る神経を介して膀胱及び尿道部分を刺激し、蓄尿障害を緩和させるものである(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平3−26623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成では、適切な位置に刺激印加電極を配置されたことを把握できないため、適切な治療が行えないという課題を有していた。すなわち、適切な位置に刺激印加電極を配置されたことが把握できないため、仙骨背面側の皮膚上に適切な部分に一対の刺激印加電極を配置できず、仙骨部排尿反射中枢を通る蓄排尿を司る神経への刺激伝達が十分に行えず、その結果として適切な治療が行えないものであった。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、簡便に適切な位置に刺激印加電極を配置されたことを把握することで適切な治療を行うことが可能な排尿障害治療器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そして、この目的を達成するために本発明の排尿障害治療器は、人体の仙骨背面側の皮膚上に配置される複数の刺激印加電極と、前記人体の任意の皮膚上に配置される接地電極と、前記刺激印加電極に向けて刺激信号を供給する刺激信号供給源と、前記刺激印加電極と前記接地電極との間の皮膚の電気的特性を測定する測定部と、前記測定部で測定した電気的特性から皮膚インピーダンス成分を演算する演算部と、制御部とを備え、前記制御部により前記演算部で演算した皮膚インピーダンス成分に基づき、前記複数の刺激印加電極に前記刺激信号供給源から選択的に刺激信号を供給する構成としたもので、これにより所期の目的を達成することを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の排尿障害治療器によれば、人体の仙骨背面側の皮膚上に配置される複数の刺激印加電極と、前記人体の任意の皮膚上に配置される接地電極と、前記刺激印加電極に向けて刺激信号を供給する刺激信号供給源と、前記刺激印加電極と前記接地電極との間の皮膚の電気的特性を測定する測定部と、前記測定部で測定した電気的特性から皮膚インピーダンス成分を演算する演算部と、制御部とを備え、前記制御部により前記演算部で演算した皮膚インピーダンス成分に基づき、前記複数の刺激印加電極に前記刺激信号供給源から選択的に刺激信号を供給する構成としたものであるので、仙骨孔位置に刺激印加電極が配置されたことを把握することができるため、仙骨部排尿反射中枢を通る蓄排尿を司る神経への刺激伝達を十分に行うことができ、適切な治療を実施することができる。
【0008】
また、簡便に仙骨孔位置に刺激印加電極が配置されたことを把握することができるため、例えば、患者自身等、一部の専門的な知識を有する者が治療を実施しなくても、簡便に仙骨孔位置に刺激印加電極を配置し、治療を実施することができる。更に、仙骨孔以外の不適切な箇所に刺激信号を供給することを抑制できるため、刺激信号の供給による患者の痛みを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態1における排尿障害治療器を適用する人体の背面図
【図2】本発明の実施の形態1における排尿障害治療器を適用する人体の側断面図
【図3】本発明の実施の形態1における排尿障害治療器のブロック図
【図4】本発明の実施の形態1における排尿障害治療器の電極パッドの構成図
【図5】本発明の実施の形態1における排尿障害治療器の測定部のブロック図
【図6】本発明の実施の形態1における排尿障害治療器を適用した人体の背面図
【図7】本発明の実施の形態1における排尿障害治療器を適用した人体の側断面図
【図8】本発明の実施の形態1における排尿障害治療器の動作フローチャート
【図9】本発明の実施の形態1における排尿障害治療器の別例を示すブロック図
【図10】本発明の実施の形態2における排尿障害治療器のブロック図
【図11】本発明の実施の形態3における排尿障害治療器のブロック図
【図12】本発明の実施の形態3における排尿障害治療器の測定部のブロック図
【図13】本発明の実施の形態4における排尿障害治療器のブロック図
【図14】本発明の実施の形態4における排尿障害治療器の測定部のブロック図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の排尿障害治療器の実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
【0011】
(実施の形態1)
図1及び図2は、本発明の実施の形態1における排尿障害治療器を適用する人体の背面図及び側断面図である。
【0012】
図1は人体背面図であり、人体1背面には仙骨2を有し、仙骨2上部の皮膚には上りょう3a及び3b、次りょう4a及び4b、中りょう5a及び5b、下りょう6a及び6bの経穴(つぼ)が左右それぞれ4つずつ存在する。図2は、人体の側断面図であり、仙骨2には仙骨孔7が、左右4つずつ存在し、上りょう3a及び3b、次りょう4a及び4b、中りょう5a及び5b、下りょう6a及び6bのそれぞれの経穴に対応している。一方、蓄排尿の制御には、膀胱8、外尿道括約筋9に繋がる骨盤内臓神経10、陰部神経11及び下腹神経12が関与している。膀胱8に伸びる骨盤内臓神経10、外尿道括約筋9に伸びる陰部神経11に存在する。この骨盤内臓神経10及び陰部神経11は、次りょう4a及び4b、中りょう5a及び5b、下りょう6a及び6bの左右3つずつ存在する経穴に対応する仙骨孔7を通っているため、これらの経穴を介した刺激を供給することで、骨盤内臓神経10及び陰部神経11を刺激することができ、蓄尿障害を緩和することが可能となる。
【0013】
図3は、本発明の実施の形態1における排尿障害治療器のブロック図である。
【0014】
図3において、電極パッド13a及び13bは、人体1の仙骨2背面側に所定の間隔を置いて左右に対向配置されている。また、電極パッド13a及び13bは、少なくとも次りょう4a及び4b、中りょう5a及び5b、下りょう6a及び6bを覆う大きさで構成され、それぞれには複数の刺激印加電極21(図4参照)が一定の間隔で備えられている。刺激信号供給源14は、複数の刺激印加電極21それぞれに対して刺激信号を供給する
ことができるように、電極パッド13a及び13bに接続されている。接地電極15は、人体1の任意の位置の皮膚上に配置され、刺激印加電極21に供給された刺激信号は、刺激印加電極21と接地電極15との間の人体1の皮膚を通電する。
【0015】
そして、皮膚を通電した刺激信号は、経穴測定時においては、接地電極15と接続した測定部16で受信され、この刺激信号を測定部16が電気的特性として測定する。一方、蓄尿障害治療時においては、測定部16でこの測定を行わない。これら経穴測定時と蓄尿障害治療時とで測定部16による電気的特性の測定の切り替えは、後述する操作部19及び制御部20で制御される。
【0016】
経穴測定時に測定部16で測定された電気的特性は演算部17に送信される。この演算部17により、経穴測定時に測定部16で得られたそれぞれの刺激印加電極21に対応する電気的特性から皮膚インピーダンス成分を算出する。ここでいう皮膚インピーダンス成分とは、刺激印加電極21と接地電極15間の皮膚の直流抵抗値を指す。演算部17で得られたそれぞれの直流抵抗値は、演算部17と接続した表示部18で表示される。なお、表示部18は、電極パッド13a及び13bに備えられた複数の刺激印加電極21それぞれの位置関係と、その位置関係に対応する皮膚インピーダンス成分(直流抵抗値)とを表示すると患者及び操作者に分かり易くなり、使い勝手が向上する。
【0017】
操作部19は、経穴測定時と蓄尿障害治療時とで、測定部16で電気的特性を測定するか否かを切り替えることができる。すなわち、経穴測定時には測定部16で電気的特性の測定を行い、蓄尿障害治療時には測定部16で電気的特性の測定を行わないように設定するものである。また、操作部19は、測定部16及び演算部17から得られたそれぞれの電気抵抗値から経穴位置に相当する刺激印加電極21に対し、蓄尿障害治療時にその刺激印加電極21に集中的に刺激信号を供給できるように、刺激信号を供給する刺激印加電極21を選択することができる。更に、操作部19は、経穴測定時及び蓄尿障害治療時に供給する刺激信号の出力、刺激信号の供給時間、刺激信号を供給するパルス幅及びその周波数等も操作部19で行うことができる。これら操作部19で設定された情報は制御部20に送信され、その情報を基に制御部20で刺激信号供給源14及び測定部16の制御を行うように構成されている。
【0018】
図4は、本発明の実施の形態1における排尿障害治療器の電極パッド13a及び13bの構成図である。電極パッド13a及び13bは同一の構成であるため、図4においては、電極パッド13a及び13bの一方の構成のみ示している。
【0019】
図4に示す電極パッド13aは、図1及び図2に示す骨盤内臓神経10及び陰部神経11を通る仙骨孔7に対応する経穴(次りょう4a、中りょう5a、下りょう6a)を覆う大きさで構成され、絶縁性の素材で形成されている。また、電極パッド13bも同様に経穴(次りょう4b、中りょう5b、下りょう6b)を覆う大きさで構成されている。電極パッド13a及び13bの仙骨2背面側に貼り付ける面には、仙骨2背面側の皮膚と密着可能な接着面(図示せず)を有している。この接着面には、複数の刺激印加電極21が一定の間隔をおいて、アレイ状に配置されている。図4では、縦6枚、横4枚ずつ配置され合計24枚の電極が配置された電極パッド13a及び13bを示している。刺激印加電極21は、仙骨2背面側の経穴(次りょう4a、中りょう5a、下りょう6a、または次りょう4b、中りょう5b、下りょう6b)に刺激信号を供給するためのものであり、それぞれの刺激印加電極21に対して刺激信号が供給できるように刺激信号供給源14と接続されている。連結部22は、刺激印加電極21と刺激信号供給源14との接続を電極パッド13a或いは13bを介して連結する部分であり、この連結部22を介して電極パッド13a及び13bと刺激信号供給源14との接続が取り外し可能な構成となっている。
【0020】
図5は、本発明の実施の形態1における排尿障害治療器の測定部を示すブロック図である。なお、図5においては図が煩雑になるのを防ぐため、1つの刺激印加電極21とそれに対応する接地電極15の構成のみを示し、電極パッド13a及び13b、複数の刺激印加電極21の構成は図示していない。
【0021】
経穴測定時において、図5に示す測定部16は、刺激印加電極21と接地電極15間を通電時に、皮膚26を通った信号を検出するものである。
【0022】
図3に示した操作部19の経穴測定時の設定を基に制御部20が、測定部16及び刺激信号供給源14の制御を行うことにより、刺激信号供給源14より刺激印加電極21へ刺激信号が供給される。この刺激信号により刺激印加電極21と接地電極15間の皮膚26は通電され、皮膚26を通った信号は測定部16で検出される。測定部16は、検出抵抗23、増幅器24及びA/D変換器25を有し、検出抵抗23に生じる電位差を検出する。この検出された電位差を増幅器24で増幅し、この増幅された電位差をA/D変換器25によりアナログ信号からデジタル信号へ変換され、演算部17へ送信される。
【0023】
演算部17は、増幅された電位差と刺激信号供給源14の設定電圧を基に、刺激印加電極21と接地電極15間の電位差及び、刺激印加電極21と接地電極15間に通電される電流値が算出できるため、刺激印加電極21と接地電極15間の皮膚26の皮膚のインピーダンス成分として直流抵抗値を得ることができる。
【0024】
この構成により、電極パッド13a及び13bに備えたそれぞれの刺激印加電極21で仙骨背面側の皮膚26の直流抵抗値を測定した場合、経穴周辺の皮膚26の直流抵抗値は、経穴以外の皮膚26で得られる直流抵抗値と比較して低く現れる(以後、電気抵抗減弱点という)。つまり、表示部18に表示されたそれぞれの刺激印加電極21の電気抵抗値のうち、電気抵抗減弱点に相当する箇所の刺激印加電極21が仙骨孔7位置と判定できるため、この箇所に対して集中的に刺激信号を供給することで適切な蓄尿障害の治療を実施することができる。
【0025】
また、電気抵抗減弱点の判定には、測定した直流抵抗値に対して予め所定の閾値を設定し、それぞれの刺激印加電極21から得られた直流抵抗値のうち、この閾値以下を電気抵抗減弱点とみなすことも可能である。従って、表示部18で表示されたそれぞれの電気抵抗値のうち、閾値以下の電気抵抗値を電気抵抗減弱点とみなすことで次りょう5a及び5b、中りょう6a及び6b、下りょう7a及び7bといった経穴と判定することでき、その経穴に相当する刺激印加電極21を操作部19で選択して、集中的に刺激信号を供給することができる。
【0026】
しかしながら、この判定方法では、上りょう3a、3bとその他の経穴(次りょう5a及び5b、中りょう6a及び6b、下りょう7a及び7b)との違いは判定できないが、経穴に刺激信号を供給した場合、経穴以外に刺激信号を供給した場合と比較して患者の痛みは感じにくく、また、上りょう3a、3bに対応する仙骨孔7に刺激信号を供給しても、蓄尿障害の治療に影響を与えない。従って、電極パッド13a及び13bを上りょう3a及び3b、次りょう5a及び5b、中りょう6a及び6b、下りょう7a及び7b全てを覆う大きさの電極パッド13a及び13bを用い、これら電気抵抗減弱点に相当する全ての経穴に刺激信号を供給して治療を行うことも可能である。
【0027】
図6及び図7は、本発明の実施の形態1における排尿障害治療器の電極パッドを適用した人体の背面図及び側断面図である。
【0028】
電極パッド13a及び13bは、図6に示すように人体1の仙骨2背面側に所定の間隔
を置いて左右に対向に配置する。また、接地電極15は、人体1の任意の位置の皮膚上に配置する。配置された電極パッド13a及び13bの複数の刺激印加電極21に経穴を測定するために、刺激信号を供給して直流抵抗値を得る。得られた直流抵抗値の中から電気抵抗減弱点に相当する箇所を、上りょう3a及び3b、次りょう4a及び4b、中りょう5a及び5b、下りょう6a及び6bといった経穴と判定し、これら経穴と判定された箇所(図6の斜線部分の刺激印加電極21)に対し、集中的に刺激信号を供給することができる。また、仙骨2背面側に配置された電極パッド13a及び13bは、電気抵抗減弱点から上りょう3a及び3b、次りょう4a及び4b、中りょう5a及び5b、下りょう6a及び6bといった経穴と判定された箇所に対し、図7に示すように経穴と判定された箇所(図7の斜線部分の刺激印加電極21)に集中的に刺激信号を供給することで、上りょう4a及び4b、次りょう5a及び5b、中りょう6a及び6b、下りょう7a及び7bといった経穴(図7では図示せず)と対応した仙骨孔7を通る骨盤内臓神経10及び陰部神経11を刺激し、蓄尿障害を緩和するものである。
【0029】
図3〜図7の構成において、この排尿障害治療器を使用する時は、図8に示すフローチャートの手順に従う。
【0030】
先ず、図6のごとく電極パッド13a及び13bを人体1の仙骨2背面側に、接地電極15を人体1の任意の位置の皮膚上に配置する。(図8のS1)。
【0031】
次に、経穴を測定するため、操作部19で、電気的特性の測定するための測定部16の設定、電極パッド13a及び13bに備える刺激印加電極21に供給する刺激信号の出力、供給時間等の刺激信号供給源14の設定を行う(図8のS2)。操作部19の設定を基に制御部20を介して刺激信号供給源14から電極パッド13a及び13bの刺激印加電極21に刺激信号を供給する(図8のS3)。それぞれの刺激印加電極21への刺激信号の供給で得られる皮膚26の皮膚インピーダンス成分として電気抵抗値を測定部16、演算部17を介して算出する(図8のS4)。それぞれの刺激印加電極21から得られた直流抵抗値を表示部18に表示し、表示されたそれぞれの直流抵抗値のうち予め設定された所定の直流抵抗閾値以下の値を示す刺激印加電極21は、仙骨孔7に対応する経穴(上りょう3a及び3b、次りょう4a及び4b、中りょう5a及び5b、下りょう6a及び6b)上に配置されていると判定する(図8のS5)。一方、全ての刺激印加電極21が経穴上に相当する箇所に配置されていない、或いは、経穴上に相当する箇所に配置されている刺激印加電極21が少ない場合は、再度図8のS1に戻り、電極パッド13a及び13bを再度配置して電気抵抗値の測定を行う。
【0032】
仙骨孔7上の皮膚に存在する経穴が特定された後、蓄尿障害治療を開始する。まず、操作部19で、測定部16で電気的特性を測定しないよう設定を行う。次に表示部18に表示された電気抵抗値の電気抵抗減弱点を基に操作部19で、経穴上に配置されている刺激印加電極21を選択して治療刺激信号の出力及び供給時間等の刺激信号供給源14の設定を行う(図8のS6)。この設定を基に制御部20を介して刺激信号供給源14から電極パッド13a及び13bの選択された刺激印加電極21へ刺激信号が供給され、蓄尿障害治療を行う(図8のS7)。
【0033】
以上の構成から、本発明の実施の形態1における排尿障害治療器は、複数の刺激印加電極21をアレイ状に配置した電極パッド13a及び13bを用いて皮膚の直流抵抗値を測定し、電気抵抗減弱点を検出することで、仙骨孔7に対応する経穴(上りょう3a及び3b、次りょう4a及び4b、中りょう5a及び5b、下りょう6a及び6b)の位置を把握することができるため、適切な排尿障害治療を行うことができる。
【0034】
なお、刺激印加電極21に供給する刺激信号は、経穴測定時と蓄尿障害治療時とでの供
給出力及び時間を変えることで、患者への負担を軽減することができる。経穴測定時には、経穴以外の箇所にも刺激信号が供給されるため、特に経穴以外の箇所に患者に痛みを感じる。そのため、経穴測定時には、蓄尿障害治療時と比較して弱い出力及び短時間の刺激信号を供給し、蓄尿障害治療時には、選択された所望の刺激印加電極21に向けて蓄尿障害治療に適した出力で、パルス状の矩形波の刺激信号を供給することが望ましい。例えば、経穴測定時には、操作部19で、それぞれの刺激印加電極21と接地電極15間に通電される電流が数十μA程度の電流を1秒以下の通電時間となるように設定し、一方、蓄尿障害治療時には、数〜数十V、パルス幅が200μ秒、周波数30Hzの刺激信号を供給することで、患者への負担を軽減できるより適切な蓄尿障害治療が実施できる。
【0035】
また、実施の形態1においては、アレイ状の刺激印加電極21を配置した電極パッド13a及び13bの構成について示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、図9に示すように電極パッド13a及び13bを備えず、複数の刺激印加電極21を仙骨2背面に配置して、仙骨孔7に対応する経穴位置を把握する構成を用いても同様の効果が得られるが(刺激印加電極21以外は図3と同様の構成)、アレイ状の刺激印加電極21を配置した電極パッド13a及び13bを用いる方が使用者の使い勝手が良いことは言うまでもない。
【0036】
(実施の形態2)
図10は、本発明の実施の形態2における排尿障害治療器のブロック図である。
【0037】
実施の形態2では、操作部19を設けていない点が実施の形態1と異なる。すなわち、実施の形態2は、制御部20が演算部17から送信されたそれぞれの刺激印加電極21に相当する直流抵抗値を基に電気抵抗減弱点を判定して、刺激信号を供給する刺激印加電極21の選択、刺激信号の出力及び刺激信号の供給時間等の設定が行うものである。それ以外は、実施の形態1と同じである。なお、実施の形態1と同じ機能を有するブロックには同じ番号を付与し、説明を省略する。
【0038】
図10の演算部17は、測定部16で測定された人体1の仙骨2背面側の皮膚の電気的特性から直流抵抗値を算出し、電極パッド13a及び13bに備えられた複数の刺激印加電極21それぞれに相当する直流抵抗値を表示部18及び制御部20に送信できるように接続されている。制御部20は、実施の形態1の制御部20の機能に加え、電極パッド13a及び13bそれぞれの刺激印加電極21に相当する直流抵抗値に対する所定の閾値が設定され、演算部17から送信されたそれぞれの刺激印加電極21に相当する直流抵抗値に対し、この閾値以下の直流抵抗値を示す刺激印加電極21は、仙骨孔7に対応する経穴上に配置されていると判定され、経穴上に配置されている刺激印加電極21に対して、刺激信号を供給する機構を備える。
【0039】
以上の構成から、本発明の実施の形態2における排尿障害治療器は、演算部17からの情報を基に制御部20が電気抵抗減弱点を判定して、その箇所の刺激印加電極21に集中して刺激信号を供給する機構を備えるため、操作部19で複雑な設定を行う必要もなく、特に専門的な知識を有さない者が取り扱っても簡便に排尿障害の治療を行うことができる。
【0040】
(実施の形態3)
図11は、本発明の実施の形態3における排尿障害治療器のブロック図である。実施の形態1及び2では経穴を測定する際に、皮膚インピーダンス成分として直流抵抗値を測定した点に対し、実施の形態3は、経穴測定時に刺激信号として交流電流を供給し、交流インピーダンス法により皮膚インピーダンス成分を求めた点が異なる。皮膚インピーダンス成分は、皮膚の抵抗成分と皮膚の容量成分とを測定することでより正確に算出することが
できる。実施の形態1及び2の直流抵抗値を用いた場合は、刺激印加電極21と接地電極15間の皮膚の抵抗成分のみしか考慮できないが、交流インピーダンス法を用いた場合は、刺激印加電極21と接地電極15間の皮膚の抵抗成分に加え、皮膚の容量成分の両方を考慮できるため、より信頼性の高い測定が可能となる。同じ番号を付与して説明を省略しているブロックは、実施の形態1と同一の機能を有するブロックである。
【0041】
図11において、電極パッド13a及び13bは、人体1の仙骨2背面側に所定の間隔を置いて左右に対向配置されている。また、接地電極15は、人体1の任意の位置の皮膚上に配置する。刺激信号供給源14は、電極パッド13a及び13bの刺激印加電極21に対して、刺激信号として交流電流を供給するものであり、測定部16を介して電極パッド13a及び13bと接続されている。また、刺激信号供給源14から供給された交流電流は、刺激印加電極21と接地電極15との間を通電する構成となっている。
【0042】
測定部16は、電極パッド13a及び13b、刺激信号供給源14及び接地電極15と接続し、経穴測定時に刺激信号供給源14から刺激印加電極21へ供給される電流と、通電時にかかる刺激印加電極21と接地電極15間の人体1の皮膚の電位差とを電気的特性として測定する。演算部17は、測定部16と接続され、測定部16で測定された電気的特性を基に皮膚インピーダンス成分を算出する。演算部17で算出されたそれぞれの刺激印加電極21に対応する皮膚インピーダンス成分は、表示部18に表示される。この表示部18に表示されたそれぞれの刺激印加電極21に対応する皮膚インピーダンス成分に基づき、実施の形態1同様、操作部19で蓄尿障害治療時の設定を行い、蓄尿障害治療を実施する。
【0043】
図12は、本発明の実施の形態3における排尿障害治療器の測定部を示すブロック図である。なお、図12においては図が煩雑になるのを防ぐため、1つの刺激印加電極21とそれに対応する接地電極15の構成のみを示し、電極パッド13a及び13b、複数の刺激印加電極21の構成は図示していない。なお、実施の形態1と同じ機能を有するブロックには同じ番号を付与し、説明を省略する。
【0044】
経穴測定時において、図12に示す測定部16は、刺激信号供給源14から刺激信号として交流電流が供給された時の、皮膚26の電気的特性を測定するものである。
【0045】
操作部19の経穴測定時の設定を基に制御部20が、測定部16及び刺激信号供給源14の制御を行う。この測定部16は、更に増幅器24、フィルタ27、A/D変換器25及び電流検出器28を有し、刺激信号供給源14から刺激印加電極21へ供給された刺激信号は、測定部16の電流検出器28で測定される。また、この刺激信号により生じる刺激印加電極21と接地電極15間の皮膚26の電位差を増幅器24により検出し、その信号が増幅される。これら電流検出器28で測定された電流と増幅された電位差信号とを電気的特性とする。これら電気的特性は、不要な周波数成分を除去するフィルタ27を介してA/D変換器25に入力され、アナログ信号からデジタル信号へ変換されることで演算部17へと送信される。これら一連の電気的特性の測定は、複数の異なる周波数の刺激信号で行われる。
【0046】
演算部17は、これら複数の異なる周波数で測定された電気的特性から式1で示されるCole−Coleの円弧則に基づいて皮膚インピーダンス成分を算出することができる。
【0047】
【数1】

【0048】
式1のZ(ω)は皮膚インピーダンス、Zは周波数を限りなく無限大にした際の電気的特性から得られる皮膚インピーダンス、Zは周波数を限りなく0近づけた際の電気的特性から得られる皮膚インピーダンス、ωは角周波数、τmはCole−Cole円弧則の中心緩和時間、βは緩和時間の分布の程度を表すパラメータである。電気的特性からCole−Coleの円弧則に基づいて得られるこれらZ(ω)、Z、Z、ω、τm、βのいずれかの指標を選択して皮膚インピーダンス成分として用いることで、経穴位置を判定することができる。特にZ−Z、τmは、経穴と経穴以外との差を良く反映し、特に、τmは、刺激印加電極21の面積及び刺激印加電極21と皮膚26の貼付状態に依存しないため、経穴と経穴以外との差を明確に判定することができる。
【0049】
この構成により、仙骨背面側の皮膚26の皮膚インピーダンス成分を測定した場合、電極パッド13a及び13bに備えられた複数の刺激印加電極21のうち、経穴上に配置される刺激印加電極21で検出した皮膚インピーダンス成分は、経穴以外の皮膚上に配置される刺激印加電極21で検出した皮膚インピーダンス成分よりも低い値を示す。これら皮膚インピーダンス成分は表示部18に表示され、それぞれの刺激印加電極21に対応する皮膚インピーダンス成分の大きさより、経穴上に配置される電極を判定することができる。この経穴位置と判定された箇所に相当する刺激印加電極21を操作部19で選択供給設定して、集中的に刺激信号供給源14から刺激信号を供給することで適切な蓄尿障害の治療を実施することができる。
【0050】
また、経穴の判定には、Z−Zやτm等の皮膚インピーダンス成分に対して、予め所定の閾値を設定し、表示部18で表示されたそれぞれの刺激印加電極21の皮膚インピーダンス成分のうち、閾値以下に相当する刺激印加電極21を経穴位置と判定し、その箇所の刺激印加電極21を操作部19で選択し、集中的に刺激信号を供給することもできる。
なお、刺激信号は、実施の形態1同様、経穴測定時と蓄尿障害治療時とでの供給出力及び時間を変えることで、患者への負担を軽減することができる。そのため、経穴測定時には、蓄尿障害治療時と比較して弱い出力の刺激信号を供給し、蓄尿障害治療時には、選択した刺激印加電極21へ、蓄尿障害治療に適した出力で、パルス状の矩形波の刺激信号を供給することが望ましい。例えば、経穴測定時には、操作部19で、それぞれの刺激印加電極21と接地電極15間に通電される電流が、交流信号の周波数は10Hz〜400Hzの範囲で数十μA程度の電流となるように設定し、一方、蓄尿障害治療時には、数〜数十V、パルス幅が200μ秒、周波数30Hzの刺激信号を供給することで、患者への負担を軽減できる効率の良い蓄尿障害治療が実施できる。
【0051】
また、実施の形態2同様、操作部19を設けず、演算部17で算出されたそれぞれの刺激印加電極21に対応する皮膚インピーダンス成分の測定結果を基に制御部20が経穴を判定して、刺激印加電極21の選択、治療刺激信号の設定を行うことも可能である。
【0052】
(実施の形態4)
図13は、本発明の実施の形態4における排尿障害治療器のブロック図である。実施の形態3と同様、刺激信号として交流電流を印加し、交流インピーダンス法により皮膚インピーダンス成分を測定するものである。実施の形態3が刺激印加電極21と接地電極15
の2つの電極間の皮膚とその下層部を含めたインピーダンス成分を測定する2電極法を用いた点に対し、実施の形態4は、刺激印加電極21、接地電極15及び参照電極29の3つの電極を用い、刺激印加電極21直下の皮膚インピーダンス成分を測定できる3電極法を用いた点が異なる。同じ番号を付与して説明を省略しているブロックは、実施の形態1及び3と同一の機能を有するブロックである。
【0053】
図13において、電極パッド13a及び13bは、人体1の仙骨2背面側の皮膚上に所定の間隔を置いて左右に対向配置されている。また、接地電極15は、人体1の任意の位置の皮膚上に、参照電極29を刺激印加電極21近傍であり、且つ、刺激印加電極21と接地電極15間を通電する経路上である任意の位置に配置する。
【0054】
刺激信号供給源14は、電極パッド13a及び13bの刺激印加電極21に対して刺激信号として交流電流を供給するものであり、測定部16を介して電極パッド13a及び13bと接続されている。また、刺激信号供給源14から供給された交流電流は、刺激印加電極21と接地電極15との間を通電する構成となっている。
測定部16は、電極パッド13a及び13b、刺激信号供給源14、接地電極15及び参照電極29と接続し、経穴測定時に刺激信号供給源14から刺激印加電極21へ供給される電流と通電時にかかる刺激印加電極21と参照電極29の人体1の皮膚の電位差とを電気的特性として測定する。演算部17は、測定部16と接続され、測定部16で測定された電気的特性を基に皮膚インピーダンス成分を算出する。演算部17で算出されたそれぞれの刺激印加電極21に対応する皮膚インピーダンス成分は、表示部18に表示される。この表示部18に表示されたそれぞれの刺激印加電極21に対応する皮膚インピーダンス成分に基づき、実施の形態1同様、操作部19で蓄尿障害治療時の設定を行い、蓄尿障害治療を実施する。
【0055】
図14は、本発明の実施の形態4における排尿障害治療器の測定部を示すブロック図である。なお、図が煩雑になるのを防ぐため、1つの刺激印加電極21とそれに対応する接地電極15、参照電極29の構成のみ示し、電極パッド13a及び13bの構成は示していない。なお、実施の形態3の図12と同じ機能を有するブロックには同じ番号を付与し、説明を省略する。
【0056】
図14は、実施の形態3の図12と、参照電極29を備えた点が異なる。操作部19の経穴測定時の設定を基に制御部20が、測定部16及び刺激信号供給源14の制御を行われる。この測定部16は、更に増幅器24、フィルタ27、A/D変換器25及び電流検出器28を有し、刺激信号供給源14から刺激印加電極21へ供給された刺激信号は、測定部16の電流検出器28で測定される。また、この刺激信号により生じる刺激印加電極21と参照電極29間の皮膚26の電位差を増幅器24により検出し、その信号が増幅される。
【0057】
このような参照電極29を用いた3電極法の構成により、刺激印加電極21と接地電極15間の電位差を刺激印加電極21直下の皮膚インピーダンスによる電圧降下とみなすことができ、刺激印加電極21直下の皮膚インピーダンス成分を算出することができるため、2電極法と比較してより精度の高い測定が実現できる。
【0058】
実施の形態1〜4において、皮膚インピーダンス成分の測定方法として、直流による皮膚インピーダンス成分の測定、交流2電極法及び交流3電極極法による皮膚インピーダンス成分の測定の例を示した。直流での測定は、刺激印加電極21と接地電極15間の直流抵抗成分を皮膚インピーダンス成分として抽出するが、容量成分を考慮することができず、また、刺激印加電極21と接地電極15間の皮膚下層部の抵抗を反映してしまう。また、交流2極法による測定は、刺激印加電極21と接地電極15間の抵抗成分及び容量成分
を考慮した皮膚インピーダンス成分を抽出できるが、刺激印加電極21と接地電極15間の皮膚下層部の抵抗を反映してしまう。一方、交流3電極法による測定は、それぞれの刺激印加電極21直下の皮膚のインピーダンス成分を抽出でき、抵抗成分、容量成分ともに考慮できる。従って、本発明はいずれの測定方法を用いても皮膚インピーダンス成分を測定することが可能であるが、交流インピーダンス3極法により刺激印加電極21直下の皮膚インピーダンス成分を検出することにより、最も精度の良い皮膚インピーダンス測定が実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明の排尿障害治療器によれば、人体の仙骨背面側の皮膚上に配置される複数の刺激印加電極と、前記人体の任意の皮膚上に配置される接地電極と、前記刺激印加電極に向けて刺激信号を供給する刺激信号供給源と、前記刺激印加電極と前記接地電極との間の皮膚の電気的特性を測定する測定部と、前記測定部で測定した電気的特性から皮膚インピーダンス成分を演算する演算部と、制御部とを備え、前記制御部により前記演算部で演算した皮膚インピーダンス成分に基づき、前記複数の刺激印加電極に前記刺激信号供給源から選択的に刺激信号を供給する構成としたものであるので、簡便に仙骨孔位置に刺激印加電極が配置されたことを把握することができるため、仙骨部排尿反射中枢を通る蓄排尿を司る神経への刺激伝達を十分に行うことができ、適切な治療を実施することができる。
【0060】
このため、尿失禁や頻尿といった膀胱への蓄尿時に尿を保持できない蓄尿障害の治療を行う排尿障害治療器として広く活用が期待される。
【符号の説明】
【0061】
1 人体
2 仙骨
3a、3b 上りょう
4a、3b 次りょう
5a、5b 中りょう
6a、6b 下りょう
7 仙骨孔
8 膀胱
9 外尿道括約筋
10 骨盤内臓神経
11 陰部神経
12 下腹神経
13a、13b 電極パッド
14 刺激信号供給源
15 接地電極
16 測定部
17 演算部
18 表示部
19 操作部
20 制御部
21 刺激印加電極
22 連結部
23 検出抵抗
24 増幅器
25 A/D変換器
26 皮膚
27 フィルタ
28 電流検出器
29 参照電極


【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の仙骨背面側の皮膚上に配置される複数の刺激印加電極と、
前記人体の任意の部位の皮膚上に配置される接地電極と、
前記刺激印加電極に向けて刺激信号を供給する刺激信号供給源と、
前記刺激印加電極と前記接地電極との間の皮膚の電気的特性を測定する測定部と、
前記測定部で測定した電気的特性から皮膚インピーダンス成分を演算する演算部と、
制御部とを備え、
前記制御部により前記演算部で演算した皮膚インピーダンス成分に基づき、前記複数の刺激印加電極に前記刺激信号供給源から選択的に刺激信号を供給する構成とした排尿障害治療器。
【請求項2】
前記複数の刺激印加電極は、パッド上に備え、その一面にアレイ状に配置された請求項1に記載の排尿障害治療器。
【請求項3】
前記制御部は、前記刺激信号供給源から前記刺激印加電極に供給する刺激信号の大きさを制御する請求項1又は2に記載の排尿障害治療器。
【請求項4】
前記演算部は、演算された前記皮膚インピーダンス成分を表示する表示部と接続した請求項1〜3のいずれか一つに記載の排尿障害治療器。
【請求項5】
前記制御部には、前記刺激信号供給源から刺激信号を前記刺激印加電極に選択供給設定する操作部と接続された請求項1〜4のいずれか一つに記載の排尿障害治療器。
【請求項6】
前記制御部は、前記演算部が演算した皮膚インピーダンス成分が予め設定された所定の閾値以下の場合には、この皮膚インピーダンス成分が演算された前記刺激印加電極を仙骨孔に対応する経穴位置と判定し、この経穴位置と判定された前記刺激印加電極に対し、刺激信号を供給する請求項1〜4のいずれか一つに記載の排尿障害治療器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−182954(P2011−182954A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−51401(P2010−51401)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】