説明

排気ガス中に存在するルテニウムを捕捉する方法および装置

本発明は、排気ガス中存在するルテニウムを捕捉する方法および装置に関する。本発明の捕捉方法は、排気ガス中存在するルテニウムを捕捉するために、アルキレングリコールポリマーまたはアルキレングリコールコポリマーの水溶液または水性ペーストの使用を含み、ここで該アルキレン(単数または複数)は、2〜6炭素原子を持つ。本発明のルテニウム捕捉カートリッジは表面(S)を持ち、この上にアルキレングリコールポリマーまたはアルキレングリコールコポリマーが塗布され、ここで該アルキレン(単数または複数)は、2〜6炭素原子を持つものである。本発明は特に、酸化ルテニウムRuOを還元する化学的操作および捕捉両方を助けることを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気ガス中に存在するルテニウムを捕捉する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は特に、ルテニウムを含有するかまたは含有すると思われ、核燃料再処理から発生する排気ガスの濾過における適用を見出すものである。
【0003】
ルテニウムは、核反応に引き続いて生成される原子核分裂生成物の1つである。この表題において、それを照射燃料桿(ロッド)中に見出すことができる。それは該核分裂生成物全体の6重量%を占め、それのアイソトープ103Ruおよび106Ruは放射性である。
【0004】
核燃料処理プロセスにおいて、該燃料桿は硝酸中でまず剪断され、溶解される。ルテニウムを包含する該桿をなしている成分の殆どはその後、硝酸塩形態で溶液中へと溶け込む。この溶解溶液はその後、液体−液体抽出室へと送られる。ルテニウムは、該プロセスのこの段階において、核分裂生成物(PF)溶液と呼ばれる水相中に存在している。この溶液は、ガラス化室へと送られ、ここでは、それが炉中焼成され、これから結果得られる酸化物形態の元素が、その後ガラス化される。
【0005】
これ故に、ルテニウムは、他の放射性元素同様ガラス化される。不運にも、酸化物形態であるRuOは非常に揮発性であり、これらのプロセスから発生する排気ガスの処理により捕捉されるにも関わらず、あるフラクション、微細なものは、特に該処理サイクル中考えられ得るリーク(漏出)を介して、逃げてしまいがちである。
【0006】
この気体形態であるルテニウムRuOはその後、建物の換気中へと移動され、換気ダクト中を通り得る。それはその後、該換気システムの濾過バリア(障壁)全てを通過する。それはその後、第1次スタック中へと入り、環境中へと放出される。
【0007】
今日、殆どの照射燃料再処理設備において、ルテニウムを放出するセル(cellules)から発生する排気ガスは、2つのフィルター1組を通過するが、これらはそれらを最も粗い粒子から分離させ、以下の濾過段階における急速過ぎる目詰まりを防ぐものである。それらはその後、遮蔽されたコンテナ中に置かれた第1および第2の障壁フィルターを通過する。
【0008】
本発明は、ルテニウムの放出を防ぐ非常に有効な手段を構成するものであるが、特に、これらのフィルター構成部品上に、好ましく取り付けられ得る。
【0009】
該ルテニウムが固体のRuOの形態である場合、完全な濾過によりそれを捕捉することは、比較的簡単である。これは実際、それらの換気システム上の複数の濾過障壁を保有するガラス化室に関する場合である。第1、第2、および第3障壁の、非常に高効率な(THE)フィルターは、固体RuO粒子を通すようにはしない。勿論、該THEフィルターは、上流で形成された場合のRuOのみを捕捉する。RuOの還元が該THEフィルターの下流で起きる場合、RuOの環境中への放出があることは、明らかである。
【0010】
実際、該THE障壁のガラス繊維状フィルター媒体は、恐らくRuOへと変化して還元されて該スタック中へとその後通過し得る気体のRuOを、止めることができない。これ故に、このRuOを止める1つの手段は、該濾過障壁の上流でそれをRuOへと還元し、その後、THEフィルター上それを捕捉することからなる。
【0011】
ルテニウム含有排気ガスを、ポリ(4−ビニルピリジン)(PVP)のような還元性媒体上または触媒として働く湿った金属表面上を通過させることも可能である。しかしながら、固体、特に市販PVPによる捕捉は常温においては有効であるが、極めて重大なチャージ量損失を生じ、これ故に、その換気扇の能力の有意な増加を必要とする。
【0012】
恐らく水酸化ナトリウムのような反応剤を有する水溶液により、該排気ガスの浄化を行うことも可能である。しかしながら、大気中のCOの捕捉による水酸化ナトリウムの炭酸化は、該反応剤の実質的な補填、これ故に重篤な容積の排気液の生成を必要とする。
【0013】
一般的に、これらのシステムの効率は、限られたものとなる。実際、先行技術のフィルター構成部品はそれらのエアロゾルの殆どを止めるが、RuOを効率的に止めることができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
これ故に、エコロジーの明らかな問題に関して、放射性核燃料再処理工場の排気ガス中に特に存在することの多いルテニウムを捕捉する有効な方法の真の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、この必要性に応えるルテニウム捕捉方法および装置を開発した。
【0016】
特に、排気ガス中存在するルテニウムを捕捉する本発明の方法は、これが該排気ガスを水溶液または水性ペーストと接触させるようにすることを含み、この水溶液または水性ペーストが、少なくとも1つのアルキレングリコールポリマーおよび/または少なくとも1つのアルキレングリコールコポリマーを含み、ここで該アルキレン(単数または複数)が、2〜6炭素原子を持つことを特徴とする。
【0017】
本発明はまた、排気ガス中存在するルテニウムを捕捉するための該水溶液または該水性ペーストの使用にも関する。
【0018】
本発明の方法は、該ポリマーもしくは該コポリマーが次いで、浄化水へと加えられる反応剤として使用されるガス浄化設備中において、または、ルテニウム捕捉カートリッジの製造により、用いられ得る。該カートリッジは例えば、アルキレングリコールポリマーまたはアルキレングリコールコポリマーが塗布される基材を含み、ここで該アルキレン(単数または複数)が、2〜6炭素原子を持つ。
【0019】
水溶液中の該ポリマーまたは該コポリマーのお陰で、例えば排気ガス浄化設備中において、本発明は期せずして、使用される前記した炭酸化の問題を避けつつ、水酸化ナトリウムの場合に比較し得る効率を達成することを、可能にするものである。
【0020】
本発明の方法に従って排気ガスを浄化するのに使用され得る浄化設備は、当業者にとって既知のものである。例えば、該設備は、パッキング・カラム、ヴェンチュリ浄化器等であり得る。
【0021】
カートリッジにより行われる場合、該ポリマーおよび該コポリマー主体の本発明の方法および装置の柔軟な対応力は、既存の放射性核燃料処理設備に適するルテニウム捕捉装置を設計することを、有利に可能にするものである。更に、使用されなくてはならないポリマー量が非常に少なく、このことは、必要であり得る定期的な取り替えを行う場合、全ての安全性問題を真に防ぐようにできるものであり、本発明により生成される廃棄物の管理の困難さを発生させないようにするものである。
【0022】
該ポリマーまたはコポリマーの選択は、使用条件によって、例えば、使用温度、該排気ガス中存在する他の化学種の性質、使用される基材、コスト、換気力等によって、行われ得る。本発明によれば、本発明において使用され得る該ポリマーおよびコポリマーの選択の特性は、以下のものであり得る。
水溶液の含浸により基材上塗布され得るように、該ポリマーおよびコポリマーは有利に水溶性である。
該ポリマーまたはコポリマーの組成は有利に単純であり、例えば、炭素、酸素、および水素のみからなり、このことにより、本発明の方法および装置のコストを抑える。
水酸化ナトリウムの還元効果からの類推により、1つまたは複数の還元性基−OHを有するという事実により、該ポリマーまたはコポリマーは、RuOを捕捉(pie’gerまたはcapturer−これら2つの用語は、本願中では同等の使われ方で使用される)できる。
【0023】
好ましくは、該ポリマーまたはコポリマーは、水酸基末端を持つ。この場合、これは、水酸基末端で終わるアルキレングリコールポリマーおよびコポリマーである。
【0024】
本発明によれば、有利には、該アルキレングリコールポリマーは例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、またはこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0025】
有利には、該アルキレングリコールコポリマーは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびポリブチレングリコールからなる群から選択されるポリマーからなるコポリマーである。例えば、該アルキレングリコールコポリマーは同時に、エチレン、プロピレン、およびブチレングリコール主体のコポリマーであり得る。
【0026】
本発明によれば、有利には、該アルキレングリコールコポリマーは、以下の式(I):
【0027】
【化1】

【0028】
であり得、式中、mおよびpは独立して、1≦m≦8および3≦p≦12であるような整数である。
【0029】
式(I)のコポリマーは例えば、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールのコポリマーであり得る。
【0030】
本発明によれば、該ポリマーまたは該コポリマー単独の;これらの異なるアルキレングリコールポリマーの混合物の;あるいはこれらの異なるアルキレングリコールコポリマーの混合物の;あるいはこれらの1つまたは複数のポリアルキレングリコールおよびこれらの1つまたは複数のアルキレングリコールコポリマーの混合物の溶液もしくはペーストが、本発明の方法および装置において使用され得る。また、この記載中、「ポリマーまたはコポリマー」または「アルキレングリコールポリマーまたはコポリマー」との用語は勿論、本発明のこれらの異なる実施形態を網羅するものである。
【0031】
固体基材上でのルテニウムの捕捉のためには、該ポリマー(複数)は、それらの湿った特性により、基材上薄層として容易に塗布され得る利点を更に持っており、これ故に、チャージ量損失および展開される表面の観点から、先行技術製品よりもより良い特徴を提供する。
【0032】
これ故に、本発明を実施するために基材が使用される場合、該ポリマーまたはコポリマーの該水性ペーストが、該基材上塗布される。この実施形態は有利に、該基材のその周囲の湿気との界面張力を抑えることを可能にし、これ故に、該基材の表面上において処理されるべき排気ガス中含有される水からの該水の捕捉を助け、これ故に、ルテニウムの吸収およびその還元を容易化する。
【0033】
本発明により関係されるルテニウムの形態は、本質的にはRuOおよびRuOである。該基材との接触後、RuOはその表面上塗布された該ポリマーまたはコポリマーにより吸収され得、これと反応し得る。実際、該ポリマーおよびコポリマーがRuOの吸収を助け、それの脱離を制限し、これ故に、RuOが還元されるに充分長い時間、該表面上にRuOが留まることを可能ならしめる。更に、これらのポリマーおよびコポリマーの水酸基が、この形態(RuO)のルテニウムのRuOへの還元を可能ならしめる。本発明はこれ故に、RuOルテニウムの捕捉とその還元の化学的操作とを同時に助けることを可能ならしめる。
【0034】
更に、本発明によれば、有利に、該基材がチャージ量の少ない損失のために処理されるべき排気ガスとの大きな接触表面積を持つように、好ましく選択され得る。実際、該排気中存在するルテニウムが、衝突により該表面と接触し、最大量のルテニウムが捕捉されるよう、該衝突の率ができる限り高められることが好ましい。これ故に、最も好ましくは、該基材は粉砕された基材、例えば繊維(例えばウールまたは繊維塊)形態の基材であり、好ましくは、これを通じての該排気ガスの通過によるチャージ量損失を回避したい場合、コンパクトにされないものである。繊維状基材は更に、存在する恐れがあるルテニウム(RuO)の固体粒子を保持するという利点を持っている。このような基材の場合、該排気ガスとの接触が有利に、該排気を該繊維状基材を通過させることにより、行われるであろう。
【0035】
本発明によれば、該基材は例えば金属ウールであり得、好ましくはステンレス鋼ウールのような、低密度および大きく展開された表面積のものである。実際、このような基材が非常に高い効率を達成することを可能にし、その一方、非常に低いチャージ量損失しか発生させず、既存の換気扇の変更を必要としない。該基材は同様に、ガラスウールでもあり得る。
【0036】
該ポリマーまたはコポリマーは、当業者にとって既知の全ての適切な手段によって、該基材上塗布され得る。好ましくは、例えば該基材が繊維状である場合、この手段は該基材が目詰まりするのを防ぎ、これにより該排気ガスがそれを透過し得るようになり、もし必要ならば該ヘッドロスを制限する。有利には、本発明において使用される該ポリマーまたはコポリマーは水溶性であり、このことにより、含浸溶液と呼ばれる水溶液を調製可能にし、例えばそれを該含浸溶液中へと単に浸すことにより、これらは該基材上該ポリマーまたはコポリマーを塗布するに実用的である。該溶液濃度は特に、該基材上塗布されるべき該ポリマーまたはコポリマーの量によって、決められるであろう。この溶液の製造およびその含浸は、以下の実施例中記載される。好ましくは含浸後、例えば繊維から構成される基材がそれの全表面に亘り、この選択されたポリマーまたはコポリマーの水性ペーストの薄層またはフィルムにより覆われ、つまり、繊維の場合、それの構成繊維の全てに亘って、覆われるであろう。
【0037】
本発明によれば、任意に基材上塗布される該ポリマーまたはコポリマーの溶液またはペーストと該排気ガスを接触させるという操作は、適切な温度において実行されてよく、この接触された材料(ポリマー、基材)は壊されない。この操作は一般的に、20〜50℃の範囲の温度において行われるであろう。
【0038】
本発明の装置においては、前記カートリッジは更に、該アルキレングリコールポリマーまたはコポリマーが塗布される該基材を支持する構造物を含んでよい。本発明によれば、この構造物は、該基材を支持するその機能に加えて恐らく、既存の排気ガスライン中への該カートリッジの挿入に適した構造物であってよい。例えば、それはバスケット形態であってもよい。この構造物は、好ましくは、本発明の条件下でのそれの使用に適した材料、例えばステンレス鋼からできている。一般的に、該構造物は、該カートリッジにそれの形状(ジオメトリー)を与える。
【0039】
本発明によれば、該カートリッジの形状は、好ましくは、該カートリッジを該排気ガスが通過するようにさせるためのルテニウム含有気体ライン中、有利には取り外し可能な方式によってそれが設置され得るように、設計される。これ故に、このことは、該基材および支持体からなるモジュールの前もっての製作を可能にし、その取り付けは、これらのユニットの修飾もこれらの手順の修飾も必要としない。更に、該カートリッジは、該カートリッジを該ルテニウム含有排気ガスが通過するようにさせるよう意図された包囲シールと共に、好ましくは如何なるロスをももたらさないように、提供されてよい。このことは、ポリマーを含浸されたかまたはコポリマーを含浸された該基材を該排気ガスを通過させ、如何なるロスをも避けるために重要であることがあり、これは、該カートリッジ中の排気ガス中存在する全てのルテニウムを捕捉するためである。
【0040】
好ましい実施形態では、本発明のカートリッジはこれ故に:
−該アルキレングリコールポリマーまたはコポリマーが塗布される基材であって、その表面がグラスウールまたはステンレス鋼ウールの形態である基材;
−該アルキレングリコールポリマーまたはコポリマーが塗布された基材を支持する構造物または支持体であって、好ましくはバスケット、好ましくは格子状バスケットの形態である構造物;ならびに
−該排気ガスが該基材を必ず通過するようにする、該カートリッジをシールするための包囲具であって、例えばシール、例えばViton(商品名)もしくはシリコーン、によりできているもの
を含んでもよい。
【0041】
本発明によれば、もし必要ならば、例えば重ねられた一連の1つ以上のカートリッジが勿論使用されてよく、それにより、該排気ガスは連続してそれらを通過するようになる。
【0042】
本発明に含まれるルテニウムを捕捉するための換気システムは特に、前記ガラス化セルの抽出用および処理用のもの、ならびに、放射性核燃料再処理工場の設備を取り外すための該セル用のものである。再処理工場用換気システムは一般的に、幾つかの濾過障壁から構成される:
−該セル中直接的に、中効率(ME)前々フィルターおよび高効率(HE)前フィルター;
−遮蔽されたコンテナ中の第1および第2障壁用の、非常に高効率な(THE)フィルター;
−シールされたエアーロックコンテナ中の第3障壁のフィルター(THE);ならびに
−前記スタック底部にあるHEトラップ。
【0043】
RuOを上手く捕捉するには、本発明の少なくとも1つのカートリッジが、例えば前記したフィルター構成部品の1つ以上に挿入されてよい。工場における本発明の1実施形態が、実施例中以下に記載される。
【0044】
本発明によるカートリッジは、第1障壁中または第2障壁中備え付けられてもよい。第1障壁のフィルター構成部品は、好ましくは少なくとも約2年毎に取り替えられる。特に捕捉された放射性粒子のために高度に放射性になり過ぎた場合、そして恐らくそれらが目詰まりした場合、それらが交換される。第2障壁のフィルター構成部品は一般的に、より稀にしか取り替えられず、これは、放射能または目詰まりの実質的な増大が、ここでは観察されないからである。
【0045】
本発明のルテニウム捕捉システムを第1障壁中取り付けることは、それが効率のロスを被っているはずなのであれば、この第1障壁の定期的な取り替えによる利益という利点を持つ。しかしながら、このようにしてインストールされた場合、該ルテニウム捕捉基材または媒体は、それの経時劣化を加速させ易く、より実質的な放射能を受けるであろう。
【0046】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照しながら以降の例示的な実施例を読む際、当業者には更に明らかとなるであろう。
【実施例】
【0047】
実施例1:本発明により使用され得るポリマーおよびコポリマーの例
本発明において使用され得る種々のポリマー、コポリマー、および配合物が、以下の表1にまとめられる。
【0048】
それらは例えば:
−ランベール・リヴィエール(LAMBERT RIVIERE)(製造元:ICI)
−オルブライト&ウィルソン(ALBRIGHT&WILSON)
−ロート・ソシール(ROTH SOCHIEL)
から市販されている。
【0049】
【表1】

【0050】
実施例2:本発明によるコポリマーによるルテニウム捕捉の例
WB12(商品名)と呼ばれるステンレス鋼ウール見本(繊維直径(φ):12μm)が基材として、本発明によるコポリマーの5重量%溶液により含浸された。ここで使用された本発明のコポリマーは界面活性剤特性を持っており、PEG−PPG(ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール)コポリマーであって、室温下に液体であり、「COPO1」と上記表1中記される。それはAlbright&Wilsonからのものであり、商品名AMPLICAN。
【0051】
これらの試行の操作条件は、以下の通りである:
−T℃:18.5℃
−湿度:42%
−[O]:1.8mg.L−1
−流速:2.24m.時間−1
−試行期間:5時間
−非含浸ディスク1つ+COPO1を用いて100%含浸させたWB12ディスク3つ。
【0052】
図1は、この実施例に使用された試験床(1)を示す。それはガラス管(2)からなり、この中には、COPO1を用いて100%含浸させたこれら3つのWB12ディスク(S)およびこの非含浸ステンレス鋼コントロール用ディスク(6)が置かれている。矢印(8)は、管を通してのルテニウム含有排気ガスの流れの方向を指し示す。
【0053】
これら3つのディスクおよびこれらのトラップの上流にあるコントロール用ディスクが、分析された。これらのディスク中捕捉されたルテニウム量(QRu)が、以下の表2中与えられる。捕捉されたRu%は、生成したルテニウムの全量に対する、1ディスク上捕捉されたルテニウム量に対応する。該トラップ上衝突して捕捉されたRu%は、このディスク上衝突したルテニウム量に対する、1ディスク上捕捉されたルテニウム量に対応する。
【0054】
本装置の下流に置かれたガードとは、これらのディスクにより捕捉されないRu量が求められるようにするものである。
【0055】
【表2】

【0056】
これらの結果は、添付の図2中のグラフ上プロットされる。この図中、「Dv」は前記非含浸ステンレス鋼ディスクを指し、「D1、D2、およびD3」は前記した種々のディスクを指し、これらは、排気ガスの流れの方向中にある(D1からD3へと向かって)。実際に全てのルテニウムが一連のこれら3つの重ねられたトラップ上捕捉されたので、これらの結果は非常に満足なものである。
【0057】
実施例3:本発明によるポリマーまたはコポリマーの融点上昇効果
該ポリマーの融点における変化の程度をそれの効率において研究するため、本発明者らは、同一系統の一連のポリマーに関して研究を行ったが、これらに関しては、その分子量および水酸基数だけが変動した。
【0058】
これらのポリマーはポリエチレングリコール(PEG)であり、これらの特徴は、以下の表3中与えられる。
【0059】
【表3】

【0060】
図3中のグラフは、約100重量%の水準にてポリマーにより含浸された1層のWB12基材の、室温における捕捉効率を示す(ポリマー質量=ステンレス鋼質量)。
【0061】
この捕捉効率は、分子量(MM)における増加および水酸基指数(IOH)における減少と共に、大きく減少する。これら2つの特性は、お互い逆に変動する。該水酸基数は、ポリマー鎖末端の数の指標である(HO−エーテル鎖−オキシド−OH)。もしポリマー鎖が短くされると、この鎖末端(OH)数は増加する一方、その分子量は減少する。これらのパラメーターは、以下の表4中指し示されるように、関連付けられる。
【0062】
【表4】

【0063】
ポリマーの融点がより高くなるほど、その機械強度が増大し、より有効でないように見える。このため、機械強度と効率との間には妥協が見出され、当業者であれば、これを本記載から容易に見出すことができるであろう。
【0064】
以下の実施例に関しては、本発明者らは、約40℃の、選択された操作範囲内にある融点を持っているポリマーを選んだ。
【0065】
この温度では、該ポリマーはワックス状、いわば非液状であり、柔らかい固体の形態である。
【0066】
実施例4:ポリマー配合物
融点が40℃であるポリマーを探すのと並行して、本発明者らは、40℃の融点が達成されるポリマー配合物を作った。該配合物は、高分子量および高融点を持っているポリマーを、それに表面活性および水酸基数を与える低質量ポリマーと組み合わせることに基づいていた。
【0067】
調製された配合物は、前記表1中定義されたCOPO7、COPO11、COPO2、COPO9、およびCOPO10であった。
【0068】
ステンレス鋼ウールWB12は、前記した試験床上での試験前、これらの配合物の各々の約100%の量まで含浸された。該試験は、20℃および相対湿度40%において実施された。
【0069】
これらの結果は、添付の図4中示されるグラフ中与えられ、これは、各ディスクD1、D2、およびD3に関する、捕捉されたルテニウムの重量%を指し示すものである。
【0070】
第3層の効率が、上流の層の効率よりもより大きいという事実は、Ruによるこれら上流の層の飽和から来るものである。試験された全ての製品は非常に効率的であったが、その選択は、単一の基準としてリード時間拘束条件に基づいて、このため、反応剤の市販性に基づいてなされた。
【0071】
PEG2,000およびCOPO2が、工業規模での含浸を実施するに充分な量において利用可能であったので、本発明者らは、COPO11をこの実施例での対照製品として採用した。
【0072】
配合物は時々、再分離(de’mixtion)のような欠点を持つことがあり、これは、ポリマーのずっと変化した挙動という結果になることがある。これが、本発明によるコポリマーが、特にCOPO11の全ての特徴を持っているコポリマーが、融点および効率の観点から有利に好ましい理由である。これらの有用な特徴を持っているコポリマーは、例えばCOPO14であり、これは、エチレングリコール、プロピレングリコール、およびブチレングリコール主体のコポリマーであり、例えば商品名SYMPERONIC A20の下、Lambert Rivie`re(製造元ICI)により販売されている。
【0073】
実施例5:基材の含浸
前記基材上での該コポリマーによる含浸は、本発明による捕捉カートリッジを生産するに当たって重要なステップである。もしこれが不正確に実施され、特に該ポリマーが該基材全体をカバーしない場合、例えばこの実施例中でのように、該ステンレス鋼ウール全体をカバーしない場合、該カートリッジは幾らかのRuOを通してしまうことがあり、一般的に該カートリッジの効率が影響を被るであろう。加えて、抜け道を作り出さないようにするために、該含浸が一様であることが必要である。
【0074】
これらの試行はこのため、該含浸ステップの間に基材上塗布されるポリマーまたはコポリマーの量をコントロールすることに、狙いを定めた。
【0075】
第1の試行は、該含浸ポリマー濃度を変動させることに狙いがあった。該基材は、WB12(商品名)ステンレス鋼ウールであった。この実施例における該WB12ステンレス鋼ウールの見本は、70×100mmの寸法を持っていた。それらは該ポリマーの溶液中に浸され、その後、金属(ステンレス鋼)メッシュ上に置かれ、その後、40℃において終夜乾燥された。該含浸の結果は、以下の表5中与えられる。
【0076】
【表5】

【0077】
塗布されたポリマー量はこれ故に、該含浸溶液濃度にほぼ直線的に変動した。
【0078】
本発明者らはこのため、実際の選択により、このウールからの工業的規模でのトラップ製造に関し、10g.L−1の含浸溶液を選んだ。
【0079】
同様にして試行が、WB22(商品名)ステンレス鋼ウールを用いて実施された。このステンレス鋼ウールは、その繊維直径により、WB12(商品名)とは異なる(WB12の場合12μm、WB22に関しては22μm)。各層の単位面積当たりの重量は、両方のウールについて同じままであった(300g.mー2)。本発明者らはこのウールに関して、25g.L−1の含浸溶液を使用した。
【0080】
該含浸の結果は、以下の表6中与えられる。
【0081】
【表6】

【0082】
塗布されるポリマー量はこれ故に、該含浸溶液濃度にほぼ直線的に変動した。25g/Lの濃度が、ここでは使用された。
【0083】
ステンレス鋼ウール(WB12)から形成された基材表面上でのポリマー塗布の一様さをコントロールするために、本発明者らは、COPO14により含浸されたWB12ディスクを、ルテニウム含有エアー流へと付した。
【0084】
本発明者らはこの見本を、走査電子顕微鏡(MEB)下に観察した。本発明者らは次いで、同じ見本に関してのルテニウムに特異的な線のX線画像を比較し、これら2つの画像が重ね合わせ可能であり、ほぼ同一であることを明確に示した。このことは、ルテニウムが該ステンレス鋼ウール表面上一様に塗布され、この故にこのポリマーが該ステンレス鋼ウール繊維を完全に覆うことを確認した。
【0085】
実施例6:該ポリマーのNOxおよびオゾンに対する耐性
窒素酸化物もしくは亜硝酸蒸気(NOx)およびオゾンが、工業的な排気ガス中恐らく存在するので、本発明者らは、NOxおよびオゾンに関して、COPO14含浸支持体の挙動に関する試験を実施した。
【0086】
COPO類はNOxに対して敏感であり、その反応は結果的に、不安定で分解し、熱を発散する分解産物の形成に至る。しかしながら、この反応は、爆発的でも暴発的でもない。
【0087】
NOxに関してと同様に、COPO14により30%含浸されたステンレス鋼ウールが、これに関しては前記した試験床を使用して、オゾン流へと付された。その条件は、空気の放射線分解によるオゾン生成の仮定に基づいて定められた。見本が、湿った空気の0.7g.mー3のオゾン含量を有するオゾン化エアー流2.5m.時間−1へと付された。
【0088】
COPO14は、NOxおよびオゾンに関して、同様に挙動するように思われる。しかしながら、このオゾンにより誘導される分解現象は、減り張りが遙かに少ない。生成熱はより少なく、85℃にて発熱が始まった。
【0089】
実施例7:本発明によるルテニウム捕捉装置
この実施例中の溶液は、現場でのそのインストールの如何なる変更をも避けることを可能にした。それは、本発明のルテニウムトラップおよび第2障壁の円筒状THEフィルター中心を設置することにある。これは、該フィルターの上部を切ることと、COPO14含浸WB12ウール含有バスケットを挿入することとにより、生産された。
【0090】
コポリマー:
この実施例において選択されたコポリマーは、COPO14であった(表1参照)。
【0091】
基材
選択された基材はステンレス鋼ウールであったが、これは、これが、より低いヘッドロスのための、排気ガスとの大きな接触面積を与えるからであった。該ステンレス鋼ウールWB12(商品名)は、12ミクロンの直径を有するステンレス鋼繊維から構成される。その特定の表面積は、厚さ7mmのウールに関して13m/m、つまり、非圧縮ウールの約1857m/mである。その単位面積当たりの重量は300g/m、つまり、約43kg/m(ここでも非圧縮)である。
【0092】
含浸
幾つかの含浸技術が、該トラップを完全に(バスケット+2kgのステンレス鋼ウール)を含浸する目的で、試験された。多くの試行錯誤の後、シート毎にステンレス鋼ウールを含浸し、以下のように該トラップを組み立てることが決定された。意図された含浸度は、ステンレス鋼ウールのシートを浸す方法によれば、5%であった。
【0093】
質に関する基準がこの実験において設定され、これは、含浸度が2%未満または10%よりも大きい如何なるシートをも捨てることにあった。このため、約2kgのステンレス鋼ウールを含有するトラップに関しては、COPO14の最大量は200gであった。使用された含浸溶液は、コポリマー10g/水1Lであった(前記実施例参照)。この含浸されたウールは、40℃にて平らにして乾燥された。
【0094】
カートリッジ
該トラップカートリッジのバスケット型金属支持体は、添付の図5中示されるように、2重の円筒、つまり、内側円筒(Ci)および外側円筒(Ce)の形状を持っていた。該内側円筒(Ci)は、孔のあいた、つまり、10mmの穴および12mmの中心間距離(メッシュ)を有する、C10U12ステンレス鋼シートからできていた。この円筒は、より大きな直径のステンレス鋼シートでできた円形ベース(Bc)へと溶接され、これはその中心に、フィルター構成部品を支えるためのシャフトが通れるようにするための穴を有する(もしそのような円筒が必要とされる場合は、その中心に穴のない支持体が勿論可能である)。
【0095】
8層のコポリマー含浸ステンレス鋼ウールが、第1円筒(Ci)の周りに巻き付けられ、これらの層は、図6に示されるような基材(S)を形成した。コポリマーにより含浸されていない更に2層のステンレス鋼ウールが次いで、上載せされた。外側円筒(Ce)は該ステンレス鋼ウールを覆い、12.7×12.7のステンレス鋼メッシュを含んでいた。該支持体の該ベースは、ステンレス鋼でできた平底であり、THEフィルター構成部品を支えるためのシャフトが通れるようにするための穴を有していた。該トラップカートリッジはこれ故に、合計10層のステンレス鋼ウールを貫通した。最後に巻き付けられた2層は含浸されておらず、つまり、コポリマーを含有していなかった。それらは、該構成部品外側への該含浸コポリマーの如何なる移動をも防いだ。
【0096】
本発明により得られたカートリッジ(CA)が、図7に示される。それの全体の塊は、該バスケット+ウール+コポリマーからなり、約8kgであって、およそ以下のような内訳であった。
バスケット構造物:約5.5kg;
ステンレス鋼ウール:2〜2.5kg;
塗布されたコポリマー:200g(最大);
Viton(商品名)およびシリコーン・シール(同上、THE):300〜400g。
【0097】
[本発明による該カートリッジの、既存ユニット構造物への挿入]
完結させるために、本発明により製造された該トラップカートリッジが、孔をあけられたシート(Tp)により支えられたガラス繊維(F)からなるVHEフィルター構成部品の内側へと挿入された。この組み立て品全体が、添付の図8に示される。
【0098】
支持シャフト(Ax)はこれ故に、フィルター構成部品(F)から取り外され、トラップカートリッジ(CA)がそれの内側へと滑り込まされた。シリコーンシール(J)が次いで、該トラップカートリッジの両末端において適用され、該トラップカートリッジとフィルター構成部品(F)との間での接着およびシールを確実にした。該支持シャフトは次いで、所定の場所へと戻された。該フィルター構成部品およびそれのトラップカートリッジは容易に、ガラス化室の遮蔽された容器中へとフィットされた。
【0099】
[ヘッドロス測定]
処理されるべき気体の種々の流速について、この組み立て品に関するヘッドロス測定が実施された。それらが、以下の表7中与えられる。
【0100】
これらの値は、幾つかの試行±25%に関して測定された。
【0101】
コポリマーを用いた該ステンレス鋼ウールの含浸はこれ故に、本ケースにおいては、そのヘッドロスに関しては有意な効果を全く持たなかった。
【0102】
【表7】

【0103】
[実施例8:活性物質を用いた試行]
本発明による、1つまたは2つの一連の実験用カートリッジ(実施例1および実施例2);
0または1つのPVPカートリッジ;
一連の、1枚の濾紙および2つのPVPカートリッジ(PVP1およびPVP2);
容積計測計;および
ポンプ
をこの順で含む実験用ループが、製造された。排気ガスがこの順で、このループを通過した。該カートリッジの直径は5cmであった。ドロー・オフ速度は、0.5〜1m.s−1の流速(空のドラム)を達成させたが、これらの流速は、既存の放射性燃料再処理工場の第2障壁VHEフィルターにおける流速の代表である。
【0104】
本装置は、該フィルターの下流のガラス化室中フィットされた。
【0105】
最初の一連の試行は、100%COPO1により含浸されたガラスウールに関して実施された。これらの結果が、以下の表8中与えられるが、表8中、106Ru.Rh(Bq)とは、放射能測定器により測定されたルテニウム(およびその娘核であるロジウム)量を表す。
【0106】
【表8】

【0107】
1週間に亘る操作により、これらの結果は、該実験カートリッジの丁度下流のPVPが検出限界にあり、全くリークが起こらなかったことを指し示していることを、肯定していた。
【0108】
第2の一連の試行は、COPO1により100%まで含浸されたWB12ステンレス鋼ウールに関して実施された。該カートリッジは、8層のWB12からなっていた。それは耐久試験のために、所定の場所に残された。
【0109】
これらの結果が、以下の表9中与えられる。
【0110】
【表9】

【0111】
106Ru.Rh(Bq)とは、放射能測定器により測定されたルテニウム(およびその娘核であるロジウム)量を表す。
【0112】
試験21日後、本発明者らはリークを疑い、該カートリッジを更に7日後除去した。該下流PVPに関する結果および7日間の該カートリッジの再配備は、このリークを確かめたが、これはCOPO1のゆっくりとした移動によるものであり、この製品は該試験条件(40℃)下には、流動的に過ぎた。
【0113】
第3の一連の試行は、例えば商品名SYMPERONIC AllとしてLambert Rivie`reから販売の(製造元:ICI)COPO2により含浸されたWB22ステンレス鋼ウールの効率を評価することにあった。それは、22%の量で使用された。このカートリッジは、単一層のWB22からなっていた。これらの結果が、以下の表10中与えられる。
【0114】
【表10】

【0115】
これまでの試行の間よりも2〜3倍速い流速にもかかわらず、単一層でももはや非常に有効であることが証明された。
【0116】
第4の試行は、第2障壁トラップに使用されたものと同様の立体形状、つまり、COPO14を5.7%含浸させた8層のWB12(これらの8層は2つのカートリッジ(実施例1および実施例2)に亘って拡がり、厚さ8cmであった)における耐久試験である。これらの結果が、以下の表11中に与えられる。
【0117】
【表11】

【0118】
試行144日後、これは11,790mの処理に相当したが、これらの実験カートリッジは、効率の如何なる低下も観察されずに、取り外された。
【0119】
(*):シールの失敗が突き止められ、これは、これらのPVPに関する僅かな作用により実証された。これらのカートリッジは、ジョイントをフィットさせるために取り外され、再インストールされる前に計測された。
【0120】
[実施例9:コポリマー水溶液によるルテニウム捕捉]
本発明によれば、エチレングリコール、プロピレングリコール、およびブチレングリコールのポリマーおよびコポリマーが、気体浄化設備(パッキングカラム、ヴェンチュリ(venturi)等)中の浄化用水へと加えられる反応剤として利用され得る。
【0121】
特に、比較可能な試行が、種々の反応剤を用いて実施され、ここでは、RuOを有するエアーが、この液体表面上を流された。それらの物理的パラメーター(形状およびエアー速度)は全試行について同じであり、該溶液用の化学組成のみが変動した。
【0122】
以下の表12中与えられる結果は、例えばエチレングリコール−プロピレングリコールコポリマー(ここではCOPO1と呼ばれる)が、RuOの吸収に非常に効果的であることを示すものである。
【0123】
【表12】

【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】図1は、本発明を試験するために使用された試験床を示す。それは、ステンレス鋼ディスク(S)が本発明によるポリマーもしくはコポリマーにより含浸され、非含浸のコントロールのディスクが置かれたガラス管からなる。ルテニウム含有排気ガスが、この管を流れ抜けるようにされる。
【図2】図2は、本発明によるポリマーもしくはコポリマーにより含浸されたステンレス鋼ディスク中および非含浸ステンレス鋼コントロールディスク中捕捉されることにより、該排気ガスから捕捉されたルテニウム量を例示するグラフである。
【図3】図3は、約100重量%の含浸度で、分子量(MM)が異なるポリマーにより含浸されたWB12(商品名)基材層の、室温でのルテニウム捕捉効率(%、単層として)を示すグラフである。
【図4】図4は、本発明による種々のポリマーおよびコポリマーを使用した、図1の試験床の各ディスクD1、D2、およびD3に関する、捕捉されたルテニウム重量%を指し示すグラフである。
【図5】図5は、本発明によるポリマーまたはコポリマーにより含浸された基材を支持するよう意図された構造物を示すダイヤグラムである。この構造物は、同心円の2つのメッシュの円筒を含む。
【図6】図6は、本発明によるポリマーまたはコポリマーにより含浸された基材が、図5中示された構造物の内側円筒の周りにどのように置かれればよいか(この場合、巻き付けられた)を示すダイヤグラムである。
【図7】図7は、本発明によるカートリッジを形成させるために、図5中示された構造物の外側円筒が、図6中示された内側円筒の周りに巻き付けられた基材の周りにどのように取り付けられればよいかを示すダイヤグラムである。
【図8】図8は、図7中示された本発明によるカートリッジが置かれているTHEフィルターの、代表的なダイヤグラムである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気ガス中存在するルテニウムを捕捉するための、アルキレン(単数または複数)が2〜6炭素原子を持つ、少なくとも1つのアルキレングリコールポリマーおよび/または少なくとも1つのアルキレングリコールコポリマーを含む水溶液または水性ペーストの使用。
【請求項2】
前記アルキレングリコールポリマーが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、またはこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記アルキレングリコールコポリマーが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、またはこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーからなるコポリマーである、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
前記アルキレングリコールコポリマーが、エチレングリコール、プロピレングリコール、およびブチレングリコール主体のコポリマーである、請求項1に記載の使用。
【請求項5】
前記アルキレングリコールコポリマーが、以下の式(I):
【化1】

(式中、mおよびpが独立に、1≦m≦8および3≦p≦12であるような整数)
である、請求項1または3に記載の使用。
【請求項6】
前記アルキレングリコールコポリマーが、エチレングリコールとプロピレングリコールとのコポリマーである、請求項1または5に記載の使用。
【請求項7】
前記水溶液または水性ペーストが、繊維でできた基材上に塗布される、請求項1に記載の使用。
【請求項8】
前記基材が、ガラスウールまたはステンレス鋼ウールからなる、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
前記アルキレングリコールポリマーまたは前記アルキレングリコールコポリマーが、該ポリマーまたは該コポリマーの水溶液中へと前記基材を浸すことにより、該基材上塗布される、請求項7に記載の使用。
【請求項10】
前記アルキレングリコールポリマーまたは前記アルキレングリコールコポリマーが、水酸基末端を持つ、請求項1に記載の使用。
【請求項11】
アルキレン(単数または複数)が2〜6炭素原子を持つ、アルキレングリコールポリマーまたはアルキレングリコールコポリマーが塗布される基材を含む、ルテニウム捕捉カートリッジ。
【請求項12】
前記アルキレングリコールポリマーが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびポリブチレングリコールからなる群から選択される、請求項11に記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記アルキレングリコールコポリマーが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびポリブチレングリコールからなる群から選択されるポリマーからなるコポリマーである、請求項11に記載のカートリッジ。
【請求項14】
前記アルキレングリコールコポリマーが、エチレングリコール、プロピレングリコール、およびブチレングリコール主体のコポリマーである、請求項11に記載のカートリッジ。
【請求項15】
前記アルキレングリコールコポリマーが、以下の式(I):
【化2】

(式中、mおよびpが独立に、1≦m≦8および3≦p≦12であるような整数)
である、請求項11または12に記載のカートリッジ。
【請求項16】
前記アルキレングリコールコポリマーが、エチレングリコールとプロピレングリコールとのコポリマーである、請求項11または15に記載のカートリッジ。
【請求項17】
前記基材が繊維からなる、請求項11に記載のカートリッジ。
【請求項18】
前記基材が、ガラスウールまたはステンレス鋼ウールからなる、請求項11に記載のカートリッジ。
【請求項19】
前記アルキレングリコールポリマーまたは前記アルキレングリコールコポリマーが、該ポリマーまたは該コポリマーの水溶液中へと前記基材を浸すことにより、その表面上に塗布される、請求項11、17、または18に記載のカートリッジ。
【請求項20】
前記アルキレングリコールポリマーまたは前記アルキレングリコールコポリマーが塗布される前記基材を支持する構造体を更に包含する、請求項11に記載のカートリッジ。
【請求項21】
前記アルキレングリコールポリマーまたは前記アルキレングリコールコポリマーが塗布され、その表面がガラスウールまたはステンレス鋼ウールの形態である前記基材;
前記アルキレングリコールポリマーまたは前記アルキレングリコールコポリマーが塗布されている前記基材を支持する構造体;ならびに
前記排気ガスが該基材を必ず通過するようにする、前記カートリッジをシールするための包囲具
を含む、請求項11に記載のカートリッジ。
【請求項22】
前記水溶液が、気体浄化設備の浄化用水へと加えられる、請求項1に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−520680(P2006−520680A)
【公表日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502175(P2006−502175)
【出願日】平成16年2月6日(2004.2.6)
【国際出願番号】PCT/FR2004/050049
【国際公開番号】WO2004/071640
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(505302317)コンパニー・ジェネラル・デ・マティエール・ニュークレエール (8)
【氏名又は名称原語表記】COMPAGNIE GENERALE DES MATIERES NUCLEAIRES
【住所又は居所原語表記】2 rue Paul Dautier, 78140 Velizy Villacoublay, France
【Fターム(参考)】