説明

排気ガス浄化装置用の触媒担体

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、排気ガス浄化装置用の触媒担体に関する。すなわち、例えば自動車エンジン等の排気ガスを清浄化する触媒コンバータに用いられ、担持母体として触媒物質が付着される触媒担体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6はこの種従来例の要部を示し、(1)図は、その波板1および平板2の斜視図、(2)図は速度分布状態図である。さて、従来の排気ガス浄化装置用の触媒担体は、一般に、波形の凹凸が所定ピッチで連続的に折曲形成され帯状をなす金属製の波板1と、平坦な帯状をなす金属製の平板2とが、交互に位置するように多層にろう材にて接合され、もって、これらがセル壁3を形成しハニカム構造をなすと共に、全体がロール状,積層ブロック状等の所定形状をなしていた。ところで、このような触媒担体に用いられる波板1は、図示のごとく従来、全体の軸方向において区画されているようなことはなく、又、その両側部,中央部等の各部の波形のピッチも、ずれることなく共通なものが用いられていた。そしてこのような触媒担体が、例えば自動車エンジン等の排気ガスを清浄化する触媒コンバータに用いられ、担持母体として、そのセル壁3を形成する波板1および平板2の表面に、触媒物質が被覆・付着せしめられていた。もって自動車運転時等の使用時において、自動車エンジンからの有害物質を含む排気ガスが、従来は層流となってそのハニカム構造を通過し、触媒物質と反応し清浄化されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような従来例にあっては、次の問題が指摘されていた。まず第1に、図6の(2)図は、触媒担体の1つのセル4内において層流となって流れる排気ガスの流速Aを、矢示線の長さであらわした速度分布状態図であるが、同図にても明らかなごとく、最初、(イ)の上流部付近では等速度分布となっており、セル4の中心付近の流速Aも、セル4の外側つまりセル壁3付近の流速Aも等しくなっている。しかしながら、(ロ)の中央部そして(ハ)の下流部と下流に行くに従って、セル壁3付近の流速Aが中心付近の流速Aに比し、次第に遅く減速されて行く。そこで従来の触媒担体は、排気ガスとセル壁3に被覆・付着され担持された触媒物質との接触が弱く不活発となり、質的な面で触媒効率つまり排気ガス浄化性能が悪いという問題があった。第2に、排気ガスが層流となって触媒担体の各セル4を通過し、ストレートに通り抜けて行くので、排気ガスとセル壁3の触媒物質との接触が、触媒担体の長さ分程度と直線的で比較的少ない状態にある。もって、従来の触媒担体はこのような量的な面からも、触媒効率つまり排気ガスの浄化性能が悪いという問題があった。
【0004】第3に、従来の触媒担体では、セル壁3を形成する波板1の強度が十分でなく、特に上下左右方向からの圧縮荷重に対して弱く、強度面に問題が指摘されていた。第4に、従来の触媒担体は、一般に波板1と平板2を多層に接合してセル壁3が形成され、平板2を使用する分だけ重量が重いという問題があった。又、波板1は高温の排気ガスによる熱応力を吸収できるが、平板1は熱応力を吸収しにくく、更に、波板1と平板2とのろう付け接合箇所に応力歪が発生しやすく、破断や脱落を引き起こすこともあった。もって従来の触媒担体は、この面からも強度面に問題があった。
【0005】本発明は、このような実情に鑑み上記従来例の問題点を解決すべくなされたものであって、軸方向に区画され隣接する相互間で波形のピッチがずれた波板を用いてなると共に、区画され・ずれた波板の各部相互間が連結され、ずらした各面を閉鎖して段差を形成したこと、を特徴とする。もって本発明は、第1に、排気ガスのセル壁付近での減速がなく、質的な面で触媒効率が向上すると共に、第2に、排気ガスがストレートに通り抜けず、量的な面でも触媒効率が向上し、第3に、強度面にも優れ、第4に、平板を用いなくてもよいので、その分軽量化および強度の向上が可能となる、排気ガス浄化装置用の触媒担体を提案すること、を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成する本発明の技術的手段は、次のとおりである。この排気ガス浄化装置用の触媒担体は、少なくとも、波形の凹凸が所定ピッチで連続的に折曲形成された金属製の波板が、交互に位置するように多層に組み付けられ、全体が所定形状をなすと共に、多数の中空柱状のセルの平面的集合体たるハニカム構造をなす。そして該波板は、全体の軸方向において区画されたものが用いられ、区画された各部の波形のピッチが隣接する相互間でずれている。そして更に、該波板は、区画されてずれた隣接する各部相互間が連結され、ずらした各面が閉鎖されている。そこで、排気ガスが通り抜けるように軸方向に形成されたハニカム構造の各該セルは、各々独立すると共に、このような閉鎖箇所にて段差が形成されており、通過する排気ガスが該閉鎖箇所の段差に衝突しつつ流れること、を特徴とする。
【0007】
【作用】本発明は、このような手段よりなるので次のように作用する。使用時において排気ガスは、触媒担体の各セルを通過し、そのセル壁に被覆・付着せしめられた触媒物質と反応して、清浄化される。そしてこの触媒担体では、そのセル壁として、軸方向に区画され隣接する相互間で波形のピッチがずれた波板が用いられている。そこでまず、第1に、排気ガスは乱流となって通過し、セル壁付近での減速が解消されるので、排気ガスとセル壁の触媒物質との接触が活発化し、反応が促進される。第2に、排気ガスが乱流となって通過するので、排気ガスと触媒物質との接触が直線的ではなくなり、より多く増加し、この面からも反応が促進される。第3に、波板の支点が分散され圧縮荷重は分散される等、強度面にも優れている。第4に、平板を用いなくてもハニカム構造が形成できるので、その分、軽量化が可能であり、又、熱応力の吸収に優れ、更に、接合箇所の応力歪解消が可能となる。そして本発明では、セル壁について、ずらした各面が更に閉鎖されている。つまり、セル壁を形成する波板について、区画された各部分のずれた各部相互間が連結・閉鎖されており、もって、各々排気ガスが通り抜ける軸方向に形成された各セル間が、連通することなく、各セルは各々区画され独立している。本発明では、このように、ずらした各面が閉鎖され閉鎖箇所にて段差が形成されているので、排気ガスは、このような閉鎖箇所の段差に衝突しつつ流れ、もって乱流が、より激しく顕著に発生するようになる。そこで、前記第1および第2で述べた排気ガスとセル壁の触媒物質との接触が、質的により一段と活発化すると共に量的にも一段と増加し、もって、触媒効率が一段と向上するようになる。これと共に、このような閉鎖箇所を、ディーゼルエンジンの排気ガスのいわゆるパティキュレートトラップとしても利用できる、という利点がある。つまり、セル壁のこのような閉鎖箇所にて段差が形成され、通過する排気ガスのコーナーポケット的に機能するので、ディーゼルエンジンの場合その排気ガス中に含まれたすすを、ここに集めると共に一旦溜め、事後適宜除去する場所としても利用できる、という利点がある。
【0008】
【実施例】以下本発明を、図面に示すその実施例に基づいて詳細に説明する。図1は本発明には属さないが、その前提となる参考例の要部を示し、(1)図はその波板5および平板2の斜視図、(2)図は波板5の斜視図、(3)図は波板5の正面図である。図2,図3,図4も同参考例の説明に供し、図2は、全体の断面形状が真円のロール状をなす触媒担体6の斜視図であり、(1)図は成形途中のものを、(2)図は成形されたものを示す。図3は、積層ブロック状をなす触媒担体6の斜視図であり、(1)図は成形途中のものを、(2)図は成形されたものを示す。図4は、全体の断面形状が略楕円のロール状をなす触媒担体6の斜視図であり、(1)図は成形途中のものを、(2)図は成形されたものを示す。
【0009】そこでまず、これらの図面を参照しつつ、本発明の前提となる参考例について説明する。この排気ガス浄化装置用の触媒担体6は、波形の凹凸が所定ピッチで連続的に折曲形成された金属製の波板5が、図示例では、平坦な金属製の平板2と、交互に位置するように多層に組み付けられて接合され、全体が図2,図3,図4R>4のような各種形状をなすと共に、ハニカム構造をなす。これらについて詳述すると、まず波板5は、帯状をなすステンレス箔等の金属箔をコルゲート加工,プレス加工等することにより、所定ピッチと高さの直線的な波形の凹凸つまり山と谷が、後述により連続的に多数折曲形成されてなる。平板2は、帯状をなすステンレス箔等の金属箔がそのまま用いられる。
【0010】図2に示した触媒担体6は、このような波板5と平板2とが、一定中心点から交互に位置するように重ねて巻き付けられると共に、両者の当接部分の全部又は一部がろう材にて接合され、もって、全体の断面形状が真円のロール状をなしている。なお図示例では、波板5と平板2が各1枚ずつ用いられているが、重ねられた各1枚ずつの波板5と平板2をそれぞれ一組とし、これら複数組の波板5と平板2を同時に重ねて巻き付けることも考えられる。又、図3に示した触媒担体6は、所定長さ毎にそろえられプレート状をなす複数枚の波板5と平板2が、順次交互に位置するように上下多層に重ねられると共に接合され、もって、全体が積層ブロック状をなしている。更に、図4に示した触媒担体6は、波板5と平板2が中空の中心部から交互に重ねられ、一旦略真円のロール状に巻き付けられた後、中空の中心部を潰すように上下から押圧されると共に接合され、もって、全体の断面形状が略楕円でトラックフィールド的なロール状をなしている。
【0011】そしてこの触媒担体6は、ハニカム構造をなす。すなわち、波板5と平板2がセル壁3を形成し、略三角形,略四角形,略台形,略半六角形,その他各種形状の多数の中空柱状のセル4の平面的集合体たる、ハニカム構造をなす。もってこの触媒担体6は、重量比強度に優れ軽量性とともに高い剛性・強度を備え、又流体の整流効果にも優れ、かつ成形が容易でコスト面にも優れる、等々の特性が知られている。そして更に単位容積当りの表面積が大、つまりセル壁3たる波板5と平板2の表面積が大である等により、例えば、自動車エンジン等の排気ガスを清浄化する触媒コンバータに用いられ、担持母体としてセル壁3たる波板5と平板2の表面に触媒物質、つまり排気ガス中の有害物質を反応除去する酸化還元用の触媒活性物質(図示せず)が、被覆・付着せしめられる。図中7はケースであり、この外筒たるケース7は、真円,楕円,その他の筒状をなし内部に触媒担体6が収納保持され、両者はろう材にて接合される。
【0012】さて、この触媒担体6では特殊な波板5が用いられている。すなわち、この波板5は、帯状に一体をなすと共に、触媒担体6全体の軸方向において区画されたものが用いられ、区画された各部8の波形のピッチが、隣接する相互間でずれている。まず波板5は、長手方向に沿って複数に直線的に区画され、区画された各部8が、一体的に集合し帯状をなしている。そして、このように区画された各部8については、それぞれ波形が連続的に形成されると共に、その波形のピッチが、隣接する区画された各部8相互間で一致せず、任意の長さだけずれている。なお、図2,図3,図4に示した触媒担体6では、前述したごとく、このような波板5と共に平板2が用いられているが、係る図示例によらず、平板2を用いず波板5だけで触媒担体6を形成するようにしてもよい。参考例は、このように構成されている。
【0013】参考例の排気ガス浄化装置用の触媒担体6は、以上説明したごとく構成されている。そこで以下のようになる。図5の(1)図は、この参考例の作動説明図であり、要部の平断面図よりなる。以下、この図5の(1)図をも参照しつつ説明する。この排気ガス浄化装置用の触媒担体6は、例えば、自動車エンジン等の排気ガスBを清浄化する触媒コンバータに用いられ、自動車運転時等の使用時において、自動車エンジンからの有害物質を含む排気ガスBが、そのハニカム構造の各セル4を通過し、セル壁3に被覆・付着せしめられた触媒物質と反応して、清浄化される。そしてこの触媒担体6では、そのセル壁3として、軸方向に区画され隣接する相互間で波形のピッチがずれた波板5が用いられている。
【0014】そこでこの触媒担体6は、次の第1,第2,第3,第4のようになる。第1に、区画された各部8のピッチがずれた波板5がセル壁3を形成しているので、排気ガスBはセル4内を、この種従来例のように層流ではなく乱流となって通過する。つまり排気ガスBは直線的には流れず、波板5にて規制され乱流状態に拡散されつつ流れる。そこで、排気ガスBの流速A(図6の(2)図参照)は、セル4の上流部,中央部,下流部を問わず、セル4の中心付近での流速Aとセル壁3付近での流速Aが常に等速度分布となり、この種従来例のごとくセル壁3付近での減速は解消される。従って、排気ガスBとセル壁3の触媒物質との接触が質的に良くなって活発化し、両者の反応が促進される。第2に、ピッチがずれた波板5がセル壁3を形成しているので、排気ガスBは、同様に乱流となって通過する。従って、排気ガスBとセル壁3の触媒物質との接触が、この種従来例のように触媒担体6の長さ分程度と直線的で少ない事態は解消され、量的により多くなって増加し、この面からも両者の反応が促進される。
【0015】第3に、ピッチがずれた波板5がセル壁3を形成しているので、セル壁3は、支点が分散され強度が向上しており、特に、上下左右方向からの圧縮荷重が分散される等、全体的にも強度面に優れている。第4に、ピッチがずれた波板5が用いられるので、平板2を用いなくても容易にハニカム構造のセル壁3が形成される。そこで、平板2を使用しない分だけ軽量化が可能であり、又、熱応力の吸収に優れた波板5だけを用いることができ、更に、波板5と平板2のろう付け接合がなくなり、接合箇所の応力歪解消が可能となる。参考例では、このようになる。
【0016】以下、本発明について説明する。図5の(2)図は、本発明に係る排気ガス浄化装置用の触媒担体6について、実施例の要部の平断面図であり、その作動説明にも供する。本発明では、上述した参考例のものを前提としつつ、これを更に一歩進め、図5の(2)図に示したように、セル壁3について、ずらした各面が更に閉鎖されている。つまり、セル壁3を形成する波板5について、区画された各部8のピッチのずれを比較的小さくすると共に、このようにずれた相互間が連結・閉鎖されており、もって、図5の(1)図の参考例のように各セル4間が連通することなく、各セル4は各々区画され独立している。このように、本発明の触媒担体6にあっては、セル壁3を形成する波板5について、区画され・ずれた各部8相互間が連結されており、ずらした各面が閉鎖され、このような閉鎖箇所にて段差が形成されている。本発明は、このように構成されている。そこで次のようになる。排気ガスBは、各セル4を通過する際、図示のごとく係る閉鎖箇所の段差に衝突しつつ流れるので、乱流がより激しく顕著に発生するようになる。そこで、前述の第1および第2で述べた排気ガスBとセル壁3の触媒物質との接触が、質的により活発化すると共に量的にも増加し、もって、触媒効率が一段と向上するようになる。すなわち排気ガスBは、閉鎖箇所の段差への衝突により、激しく乱流状態で拡散されつつ通過するので、第1に、その流速Aが等速度分布となり、セル壁3付近での減速が確実に解消され、もって排気ガスBとセル壁3の触媒物質との接触が、前述した参考例や従来例に比し、質的に一段と活発化し、両者の反応がより一層促進される。第2に、排気ガスBとセル壁3の触媒物質との接触が、このような激しい乱流により量的に一段と増加し、前述した参考例や従来例に比し、この面からも反応がより一層促進される。これと共に、このような閉鎖箇所を、ディーゼルエンジンの排気ガスBのいわゆるパティキュレートトラップとしても利用できる、という利点がある。つまり、セル壁3のこのような閉鎖箇所にて図示のごとく段差が形成され、通過する排気ガスBのコーナーポケット的に機能するので、ディーゼルエンジンの場合その排気ガスB中に含まれたすすを、ここに集めると共に一旦溜め事後適宜除去する場所としても利用できるという利点がある。
【0017】
【発明の効果】本発明に係る排気ガス浄化装置用の触媒担体は、以上説明したごとく、軸方向に区画され隣接する相互間で波形のピッチがずれた波板を用いてなると共に、区画され・ずれた波板の各部相互間が連結され、ずらした各面を閉鎖して段差を形成したことにより、次の効果を発揮する。
【0018】まず第1に、排気ガスについてセル壁付近での減速がなくなり、触媒効率が良い。すなわち、この触媒担体では、排気ガスが、波板の各部間の閉鎖箇所の段差に衝突しつつ流れるので、排気ガスのセル壁付近での減速がなく、もって排気ガスとセル壁の触媒物質との接触が質的に活発化するので、触媒効率が良く排気ガスの浄化性能が向上する。第2に、排気ガスがストレートに通り抜けず、この面からも触媒効率が良い。すなわちこの触媒担体では、排気ガスが、波板の各部間の閉鎖箇所の段差に衝突しつつ流れ、セル内をストレートに通り抜けるようなことがなく、もって排気ガスとセル壁の触媒物質との接触が量的に多くなり増加するので、この面からも、触媒効率が良く排気ガスの浄化性能が向上する。更に、ディーゼルエンジンの排気ガス用に用いた場合は、このような閉鎖箇所の段差を、排気ガスに含まれたすすを一旦溜めて事後除去するための場所としても、利用できる利点がある。
【0019】第3に、強度も向上する。すなわちこの触媒担体は、セル壁を形成する波板の強度が向上しており、全体的にも強度面に優れている。第4に、平板を用いなくてもよいので、軽量化と共に強度の向上が可能となる。すなわち、この触媒担体は平板を使用しない分だけ、軽量化が可能となり、又、熱応力の吸収に優れ、更に、接合箇所の応力歪も解消可能となり破断や脱落が防止される等、これらの面からも強度の向上が図れる。このように、この種従来例に存した問題点が一掃される等、本発明の発揮する効果は顕著にして大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】排気ガス浄化装置用の触媒担体について、本発明には属さないが、その前提となる参考例の要部を示し、(1)図はその波板および平板の斜視図、(2)図は同波板の斜視図、(3)図は同波板の正面図である。
【図2】同参考例の説明に供し、全体の断面形状が真円のロール状をなす触媒担体の斜視図であり、(1)図は成形途中の段階のものを、(2)図は成形されたものを示す。
【図3】同参考例の説明に供し、積層ブロック状をなす触媒担体の斜視図であり、(1)図は成形途中の段階のものを、(2)図は成形されたものを示す。
【図4】同参考例の説明に供し、全体の断面形状が略楕円のロール状をなす触媒担体の斜視図であり、(1)図は成形途中の段階のものを、(2)図は成形されたものを示す。
【図5】作動説明図であり、(1)図は、同参考例の要部の平断面図、(2)図は、本発明に係る排気ガス浄化装置用の触媒担体の実施例の要部の平断面図である。
【図6】従来例の要部を示し、(1)図はその波板および平板の斜視図、(2)図は速度分布状態図である。
【符号の説明】
1 波板(従来のもの)
2 平板
3 セル壁
4 セル
5 波板(本発明のもの)
6 触媒担体
7 ケース
8 区画された各部
A 流速
B 排気ガス

【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも、波形の凹凸が所定ピッチで連続的に折曲形成された金属製の波板が、交互に位置するように多層に組み付けられ、全体が所定形状をなすと共に、多数の中空柱状のセルの平面的集合体たるハニカム構造をなす、排気ガス浄化装置用の触媒担体であって、該波板は、全体の軸方向において区画されたものが用いられ、区画された各部の波形のピッチが隣接する相互間でずれており、更に該波板は、区画されてずれた隣接する各部相互間が連結され、ずらした各面が閉鎖されており、排気ガスが通り抜けるように軸方向に形成されたハニカム構造の各該セルは、各々独立すると共に、このような閉鎖箇所にて段差が形成されており、通過する排気ガスが該閉鎖箇所の段差に衝突しつつ流れること、を特徴とする排気ガス浄化装置用の触媒担体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図4】
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【図6】
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【特許番号】特許第3222168号(P3222168)
【登録日】平成13年8月17日(2001.8.17)
【発行日】平成13年10月22日(2001.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−332625
【出願日】平成3年11月20日(1991.11.20)
【公開番号】特開平5−138040
【公開日】平成5年6月1日(1993.6.1)
【審査請求日】平成10年6月1日(1998.6.1)
【出願人】(000187208)昭和飛行機工業株式会社 (72)
【参考文献】
【文献】実開 平3−22521(JP,U)
【文献】実開 昭63−201631(JP,U)