説明

排水滅菌システム

【課題】加熱エネルギーと使用水量を削減でき、しかも真空排気の際の空気中に含まれる汚染源の漏出を防止できる排水滅菌システムを提供する。
【解決手段】排水タンク10内の排水Wdを、真空引きして密閉タンク13内に導入した後、その密閉タンク13内の排水を高温高圧に保って排水を滅菌する。密閉タンク13に水封式真空ポンプ20を接続し、密閉タンク13に、排水ライン14を介して貯留タンク15を接続し、排水ライン14に滅菌処理後の処理水Wtと排水タンク10内の排水Wdと熱交換する排水加熱用熱交換器24を接続し、貯留タンク15に、その貯留タンク15内の処理水Wtを、水封式真空ポンプ20に供給循環する処理水循環ライン21を接続したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオハザード施設等から排出される排水を高温高圧で滅菌処理するための排水滅菌システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
遺伝子組み換え植物工場などバイオハザード施設や医療施設、動物などを扱う実験研究施設、食品・医療品施設から排出される排水中には、遺伝子組み換え植物片や遺伝子組み換え細胞、病原菌、動植物細胞等の各種汚染源が活性状態のまま含んでいる。これらの活性状態の汚染源を含んだ排水の外部への漏出を防止するためには、各種汚染源を滅菌処理して外部に排水する必要がある。
【0003】
この排水の滅菌処理は、特許文献1に示されるように、培養液等の排水をフィルタを通して植物片や細胞を捕捉して排水し、その後植物片や細胞を捕捉したフィルタに高温・高圧の蒸気を供給して植物片や細胞を不活化して滅菌処理することが提案されている。しかし、フィルタで植物片や細胞を捕捉するためには、フィルタサイズの問題があり、また高温高圧の蒸気をフィルタに供給すると、滅菌後に蒸気がドレンとして大量に発生してしまう問題がある。
【0004】
特許文献2は、排水を密閉タンク内に導入し、密閉タンク内を高温高圧に保って排水を直接滅菌処理するもので、各種汚染された排水中に含まれる汚染源を排水毎処理するため、より安全な滅菌処理システムとすることが可能である。
【0005】
この滅菌処理システムを図2により説明する。
【0006】
図2の滅菌処理システムは、植物工場などからの培養液などの排水を貯留する排水タンク40と、排水タンク40内の排水を真空吸引し、これを高温高圧で滅菌処理する密閉タンク41と、密閉タンク41内を真空引きする水封式真空ポンプ42とから主に構成される。
【0007】
ここで排水タンク40は、ハザード管理区域内の植物工場内に設けられ、また密閉タンク41と水封式真空ポンプ42とは、植物工場と仕切られ、同じくハザード管理区域内の機械室に設けられている。
【0008】
この滅菌処理システムにおいては、排水タンク40内の排水を密閉タンク41に吸引する吸引ライン43の開閉弁44を閉じると共に密閉タンク41の排水ライン45の開閉弁46を閉じ、水封式真空ポンプ42を駆動して密閉タンク41内を真空引きする。この真空引きの際に、水道水等の給水を給水ライン47から水封式真空ポンプ42に供給し、水封式真空ポンプ42の真空シール、回転部の潤滑、摺動部の冷却を行い、密閉タンク41内の空気を吸引し、これを、水封式真空ポンプ42下流側の給水ライン47から給水と共に排水ライン45に排水する。
【0009】
密閉タンク41を真空引きした後、開閉弁44を開くことで、排水タンク40内の排水が密閉タンク41に吸引され、その後開閉弁44を閉じ、ヒータ48にて密閉タンク41内の排水を121℃(約0.2MPa)に加熱して高温高圧状態とし、これを約20分間保つことで、排水中の汚染源が滅菌処理される。滅菌処理後は、排水ライン45の開閉弁46を開くことで、密閉タンク41内の排水が排出される。この際、排水は高温のため、給水ライン47から分岐した冷水ライン49から冷水(水道水)を排水ライン45に供給し、排水の温度を、一般排水系に流してもよい耐熱温度以下(例えば60℃以下)に下げて排水を行う。
【0010】
滅菌処理後の密閉タンク41内の排水は、自身の圧力で排出されるが、排出と共に密閉タンク41内が負圧となるため、空気導入弁50を開いて密閉タンク41内に空気を導入して排出する。滅菌処理後の排水を排水した後は、再度水封式真空ポンプ42で真空引きして上述のように滅菌処理を行う。
【0011】
この排水滅菌システムにおいては、排水を直接高温高圧にするため、フィルタで除去できない、フィルタ孔径以下の汚染源も滅菌処理することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2010−166830号公報
【特許文献2】特開2008−200564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、密閉タンク41内をヒータ48で高温高圧にするため、その加熱のためのエネルギーが大きい。また真空引きの際には、60Lの密閉タンク41を真空引きし、水封式真空ポンプ42を10分間駆動するとした場合、その間に30Lの水道水を給水する必要がある。また、密閉タンク41内に導入する空気は、機械室内の空気であるが、機械室内の空気に汚染源が含まれている場合には、真空引きの際に、汚染源を含んだ空気が給水と共に排水ライン45に漏出してしまう問題がある。さらに滅菌処理後に密閉タンク41で121℃に加熱された排水を、一般排水系に流すためには、一般排水系の耐熱温度以下にする必要があり、10分かけて、例えば60℃以下に排水するとした場合には、冷水ライン49から、400Lもの多量の水道水を供給しなければならない問題がある。
【0014】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、加熱エネルギーと使用水量を削減でき、しかも真空排気の際の空気中に含まれる汚染源の漏出を防止できる排水滅菌システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、排水タンク内の排水を、真空引きして密閉タンク内に導入した後、その密閉タンク内の排水を高温高圧に保って排水を滅菌する排水滅菌システムにおいて、前記密閉タンクに水封式真空ポンプを接続し、前記密閉タンクに、排水ラインを介して滅菌処理後の処理水を貯留する貯留タンクを接続し、前記排水ラインに滅菌処理後の処理水と前記排水タンク内の排水と熱交換する排水加熱用熱交換器を接続し、前記貯留タンクに、その貯留タンク内の前記処理水を、前記水封式真空ポンプに供給循環する処理水循環ラインを接続したことを特徴とする排水滅菌システムである。
【0016】
請求項2の発明は、前記貯留タンクは密閉型に形成され、前記密閉タンクに対して5〜10倍の容積に形成される請求項1記載の排水滅菌システムである。
【0017】
請求項3の発明は、前記貯留タンクには、上端が貯留タンク内の上部に開口すると共に貯留タンクの下部から外部に延びた放水ラインが接続され、その放水ラインの上端に形成される気相部と前記密閉タンクとが、空気給排ラインで接続される請求項2記載の排水滅菌システムである。
【0018】
請求項4の発明は、前記排水タンクは、前記密閉タンクに対して3〜6倍の容積に形成され、その排水タンクに、前記排水加熱用熱交換器に排水を供給循環する排水加熱用循環ラインが接続される請求項1〜3のいずれかに記載の排水滅菌システムである。
【0019】
請求項5の発明は、前記貯留タンクから前記水封式真空ポンプに至る処理水循環ラインと前記排水加熱用熱交換器の上流側の排水ライン間に、前記貯留タンク内の処理水を、前記排水ラインを介して前記排水加熱用熱交換器に供給循環する熱回収ラインが接続される請求項1〜4のいずれかに記載の排水滅菌システムである。
【0020】
請求項6の発明は、前記排水加熱用熱交換器の下流側の排水ラインには、培養液などの供給液を加温する加温用熱交換器が接続される請求項1〜5のいずれかに記載の排水滅菌システムである。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、密閉タンク内を水封式真空ポンプで真空引きし、その密閉タンク内に排水を導入して高温高圧にして滅菌処理する際に、貯留タンクの処理水を水封式真空ポンプに供給循環することで、水道水等の給水量を削減できる。また密閉タンクから滅菌処理後の処理水を貯留タンクに排水する際に、処理前の排水タンク内の排水と熱交換してその熱を回収することで加熱エネルギーを削減できると共に、処理水を冷却するための水道水等の給水量を削減することができるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施の形態を示す図である。
【図2】従来例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の好適な一実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0024】
図1は、本発明の排水滅菌システムの一実施の形態を示す図である。
【0025】
図1において、10は、遺伝子組み換え植物工場や医療施設などハザード管理区域に設けられ、遺伝子組み換え植物工場などで使用された使用済の培養液、医療施設などで蒸気殺菌後のドレン水などの排水(被滅菌水)Wdを貯留する排水タンクであり、図では示していないが外周に断熱材が貼り付けられ高断熱性の排水タンク10とされる。排水タンク10には、ライン11から排水Wdが、連続的に或いは間欠的に供給され、これを貯留するようになっている。この排水Wdは、排水タンク10に貯留する際に、排水中に含まれる粒径100μm以上の大きな汚染源は、予めフィルタで取り除かれている。
【0026】
排水タンク10には、吸引ライン12が接続される。吸引ライン12の吸込口は、排水タンク10内の排水Wd内に位置するよう設けられ、排水タンク10が設けられた工場内などから、図示の二点線で囲ったハザード管理区域である機械室MRに延出されて密閉タンク13に接続される。なお排水タンク10は、植物工場などのハザード管理区域に設ける他に機械室MRに設けられてもよい。
【0027】
密閉タンク13は、排水ライン14を介して貯留タンク15に接続される。貯留タンク15は、排水タンク10と同様に断熱材が貼り付けられ高断熱性の貯留タンク15とされる。
【0028】
吸引ライン12には入口側開閉弁16が接続され、排水ライン14には出口側開閉弁17が接続される。排水タンク10は、密閉タンク13に対して3〜6倍の容積に形成され、貯留タンク15は、密閉タンクに対して5〜10倍の容積に形成される。
【0029】
密閉タンク13には、導入した排水Wdを121℃以上に加熱するヒータ18が設けられる。また密閉タンク13には密閉タンク13内を真空引きする水封式真空ポンプ20が吸入ライン19を介して接続される。水封式真空ポンプ20は、円型ケーシング20c内にインペラ20iを偏芯させて設けて構成される。
【0030】
この水封式真空ポンプ20には、貯留タンク15内の滅菌後の処理水Wtを供給循環する処理水循環ライン21が接続される。処理水循環ライン21は、貯留タンク15と水封式真空ポンプ20を結ぶ上流側循環ライン21aと水封式真空ポンプ20と排水ライン14に接続された下流側循環ライン21bとからなり、上流側循環ライン21aに処理水循環ポンプ22が接続され、下流側循環ライン21bにポンプ用開閉弁23が接続される。
【0031】
出口側開閉弁17の下流側の排水ライン14には、排水タンク10内の排水Wdを加熱する排水加熱用熱交換器24が接続されると共に培養液を加温する加温用熱交換器25が接続される。
【0032】
排水タンク10と排水加熱用熱交換器24とは、排水タンク10内の排水Wdを、排水加熱用熱交換器24に供給循環する排水循環ポンプ26を有する排水循環ライン27が接続される。また培養液タンク28と加温用熱交換器25とは、培養液タンク28内の培養液を加温用熱交換器25に供給循環する培養液循環ポンプ29を有する培養液循環ライン30が接続される。
【0033】
貯留タンク15は、密閉型に形成され、排水ライン14の下端14aは、貯留タンク15内の処理水Wt内に浸るように設けられる。貯留タンク15には、上端31aが貯留タンク15内の上部に開口すると共に貯留タンク15の下部から延出されると共に機械室MRから外部に延出された放水ライン31が接続される。放水ライン31の上端31aの上部に形成される気相部15gと密閉タンク13とが、空気給排ライン32で接続され、その空気給排ライン32に給排用開閉弁33が接続される。また、放水ライン31には、気相部15内の空気が、放水ライン31を通して排出されないようにU字状に形成された水封部31sが形成される。
【0034】
加温用熱交換器25の下流側排水ライン14には、貯留タンク15内に水道水等を給水する給水ライン34が接続され、その給水ライン34に給水弁35が接続される。
【0035】
貯留タンク15には、処理水Wtの温度を検出する温度計36が設けられる。処理水循環ライン21の上流側循環ライン21aには、その上流側循環ライン21aから分岐し、処理水を排水加熱用熱交換器24に供給循環する熱回収ライン37が接続され、その熱回収ライン37に熱回収用開閉弁38が接続される。この熱回収用開閉弁38は、温度計36の検出値で開閉制御されると共に、温度計36の検出値で排水循環ポンプ26と培養液循環ポンプ29とが駆動制御されるようになっている。
【0036】
次に、排水Wdの滅菌処理を説明する。
【0037】
先ず、入口側開閉弁16と出口側開閉弁17が閉じられた状態で、密閉タンク13内が、水封式真空ポンプ20により真空引きされる。
【0038】
水封式真空ポンプ20による真空引きは、円型ケーシング20c内のインペラ20iが回転駆動されることで、貯留タンク15内の処理水Wtが上流側循環ライン21aを介して円型ケーシング20c内に導入され、その処理水がインペラ20iで回転され、円型ケーシング20c内で遠心力により円環状となり、インペラ20iの円型ケーシング20cの側壁に形成した吸気口から吸入ライン19を介して密閉タンク13内の空気が吸引され、排気口から吸引した空気を処理水Wtと共に下流側循環ライン21bを介して貯留タンク15に排出される。貯留タンク15内では処理水Wtと空気が分離され、空気が気相部15g内に溜まる。
【0039】
この真空引きは、10分程度行い、処理水量は、30Lとなるが、貯留タンク15内の処理水Wtを循環して用いるため、水道水等を多量に消費することを防止できる。
【0040】
密閉タンク13内を真空引きした後は、水封式真空ポンプ20と処理水循環ポンプ22を停止し、入口側開閉弁16を開く。これにより排水タンク10内の排水Wdが吸引ライン12を介して密閉タンク13内に導入される。
【0041】
密閉タンク13内に排水Wdを導入した後、再度入口側開閉弁16を閉じ、ヒータ18にて排水Wdを121℃に加熱する。加熱により密閉タンク13は、飽和水蒸気圧(約0.2MPa)まで上昇し、この高温高圧状態を20分程度維持することで、排水中の植物片や細胞などの汚染源が不活化されて滅菌される。
【0042】
滅菌後、出口側開閉弁17を開くことで、密閉タンク13内の圧力により、排水ライン14を介して貯留タンク15に排水する。この際、排水循環ポンプ26を駆動し、排水循環ライン27にて排水タンク10内の排水Wdを排水加熱用熱交換器24に流すことで、排水ライン14を流れる滅菌処理後の処理水Wtと熱交換し、その熱が高断熱性の排水タンク10内に回収される。
【0043】
密閉タンク13内の滅菌処理後の処理水Wtが貯留タンク15内に全て排出された後は、出口側開閉弁17を閉じ、密閉タンク13内を、水封式真空ポンプ20により再度真空引きする。
【0044】
この際、貯留タンク15の処理水Wtの温度が温度計36にて検出され、貯留タンク15内の処理水Wtの温度が高い場合には、水封式真空ポンプ20で真空引きする前に、或いは真空引きと同時に処理水循環ポンプ22を駆動し、熱回収用開閉弁38を開として、上流側循環ライン21aから熱回収ライン37を介して排水ライン14に処理水Wtを流すことで、排水加熱用熱交換器24で、排水タンク10の排水Wdを加熱して、さらに熱回収することができる。
【0045】
このように密閉タンク13から排出される高温の処理水の熱を、処理前の排水に熱回収することで、密閉タンク13に導入される排水温度を常温より十分高く(60〜80℃程度)できるため、ヒータ18での加熱エネルギーを削減することができる。
【0046】
また上述したように密閉タンク13を真空引きした後、密閉タンク13内に導入された排水Wdをヒータ18で高温高圧で処理している間に、培養液循環ポンプ29を駆動し、培養液循環ライン30にて培養液を加温用熱交換器25に供給循環することで、培養液を加温することで、さらなる熱回収が行える。
【0047】
この熱回収において排水タンク10の容積は、密閉タンク13の容積に対して3〜6倍の容積に形成されており、密閉タンク13内で121℃に加熱された処理水Wtの熱を、排水タンク10内の排水Wdで回収しても、排水Wdの温度は、60〜80℃程度であり過度に上昇することはない。
【0048】
また、貯留タンク15では、水封式真空ポンプ20で真空引き時に密閉タンク13内の空気が、気相部15gに溜まるが、貯留タンク15は密閉タンク13の容積に対して5〜10倍にされ、気相部15gの容積も密閉タンク13の容積の約2倍程度あるため、真空引きが支障なく行える。
【0049】
高温高圧で滅菌処理後の処理水Wtは、密閉タンク13の圧力で、貯留タンク15に排出されるが、密閉タンク13内の圧力が排出とともに下がり、貯留タンク15の気相部15gの圧力と同じとなった後は、空気給排ライン32の給排用開閉弁33を開くことで、密閉タンク13内の処理水Wtは、重力で貯留タンク15に流下し、同時に気相部15gの空気が空気給排ライン32を介して密閉タンク13内に導入される。密閉タンク13と貯留タンク15とは共に密閉型であり、空気は、密閉タンク13と貯留タンク15を移動するだけであり、機械室MRから取り込んだ空気中に汚染源が含まれていても外部に漏出することはない。
【0050】
貯留タンク15内の処理水Wtの液面が、放水ライン31の上端31aより上昇した際には、処理水Wtは、機械室MRから放水ライン31より外部に排出される。
【0051】
なお、滅菌処理前は、貯留タンク15内は空であるため、給水ライン34から水道水等を給水しておく。また貯留タンク15から放水ライン31を介して処理水Wtを外部に排出する際に、その処理水Wtの温度が、過度に高い場合には、温度計36でこれを検出して貯留タンク15に適宜給水を行う。
【符号の説明】
【0052】
10 排水タンク
13 密閉タンク
14 排水ライン
15 貯留タンク
20 水封式真空ポンプ
21 処理水循環ライン
24 排水加熱用熱交換器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水タンク内の排水を、真空引きして密閉タンク内に導入した後、その密閉タンク内の排水を高温高圧に保って排水を滅菌する排水滅菌システムにおいて、前記密閉タンクに水封式真空ポンプを接続し、前記密閉タンクに、排水ラインを介して滅菌処理後の処理水を貯留する貯留タンクを接続し、前記排水ラインに滅菌処理後の処理水と前記排水タンク内の排水と熱交換する排水加熱用熱交換器を接続し、前記貯留タンクに、その貯留タンク内の前記処理水を、前記水封式真空ポンプに供給循環する処理水循環ラインを接続したことを特徴とする排水滅菌システム。
【請求項2】
前記貯留タンクは密閉型に形成され、前記密閉タンクに対して5〜10倍の容積に形成される請求項1記載の排水滅菌システム。
【請求項3】
前記貯留タンクには、上端が貯留タンク内の上部に開口すると共に貯留タンクの下部から外部に延びた放水ラインが接続され、その放水ラインの上端に形成される気相部と前記密閉タンクとが、空気給排ラインで接続される請求項2記載の排水滅菌システム。
【請求項4】
前記排水タンクは、前記密閉タンクに対して3〜6倍の容積に形成され、その排水タンクに、前記排水加熱用熱交換器に排水を供給循環する排水加熱用循環ラインが接続される請求項1〜3のいずれかに記載の排水滅菌システム。
【請求項5】
前記貯留タンクから前記水封式真空ポンプに至る処理水循環ラインと前記排水加熱用熱交換器の上流側の排水ライン間に、前記貯留タンク内の処理水を、前記排水ラインを介して前記排水加熱用熱交換器に供給循環する熱回収ラインが接続される請求項1〜4のいずれかに記載の排水滅菌システム。
【請求項6】
前記排水加熱用熱交換器の下流側の排水ラインには、培養液などの供給液を加温する加温用熱交換器が接続される請求項1〜5のいずれかに記載の排水滅菌システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−170878(P2012−170878A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−34874(P2011−34874)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成19年度、経済産業省、戦略的技術開発委託事業「植物機能を活用した高度モノ作り基盤技術開発/植物利用高付加価値物質製造基盤技術開発」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000150567)株式会社朝日工業社 (29)
【Fターム(参考)】