説明

排泄自動洗浄おむつ

【課題】
従来、寝たきり状態の要介護者に用いる排泄自動洗浄おむつは、斜面部内に固定された洗浄噴射ノズルから肛門部に向け噴射洗浄する仕組みであったが、排便後の洗浄時間の設定基準が曖昧であり、これらの不便を改善することが課題であった。
【解決手段】
腹筋圧センサ又は便臭センサと半導体素子とを連動させ、更にタイムの作動により洗浄器伸縮装置が肛門部に向け温水洗浄で自動的に外部に伸び、先端に取付けた噴射ノズルから所定時間噴射させた後、自動的に斜面部内に縮み納まる機能を有したことで、寝たきり状態の要介護者に利便性の介護が可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、排泄自動洗浄おむつに関する。より詳細には、被介護者の手を借りずに要介護者の排泄物の処理をすることができる排泄自動洗浄おむつ。
【背景技術】
【0002】
従来、寝たきり状態の要介護者に用いられるおむつは、これまでのおむつ斜面部には、噴射ノズルを設け無伸縮で固定されているため肛門部への洗浄が満足でなく、更に、腹筋圧センサ又は便臭センサとの連動もなく、排便後の肛門部洗浄タイミングと洗浄時間の設定にも課題があったが、洗浄器伸縮装置を備えた排泄自動洗浄おむつの改善で、要介護者の肛門部を容易に洗浄する装置の提供が必要であった。
【0003】
【特許文献1】特願2008−224282
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
寝たきり状態の要介護者に対して、被介護者が厄介とする課題に、とりわけ排泄物処理は、汚物と臭気が伴うため、最も面倒で憂慮される介護とされている。そこで自動おむつに内蔵の腹筋圧センサ又は便臭センサの作動で排便後において、一定時間排便兆候作動を示さない時に、半導体素子とタイム連動の作動により、洗浄器伸縮装置に内蔵の噴射孔が肛門部に向け自動的に外部に伸び、先端の噴射孔から所定時間噴射させた後、自動的に斜面部内に縮み納まる機能により、深刻な社会問題となっている課題が解決される。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みて案出されたものであって、交換の手間を省く洗浄器伸縮装置を備えた排泄自動処理おむつを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願請求項1に記載の、自動おむつの裏面内側の内部に設置するもので、給水タンクと接続した固定台の上部にL型脱落凸材と保持枠を設けたスライド板を取付け、固定台裏面に中性仕様両回回転モーターを備え、洗浄パイプ内蔵の伸縮器の底面中央に歯車回転用溝と両サイドに脱落凹溝を設けて、スライド板に組込み一体として組合わせた洗浄器伸縮装置として形成し、該モーターに付けた歯車と回転用溝に噛み合わせ、肛門部へ向けて伸縮スライドさせる機能を特徴とするものである。
【0007】
本願請求項2に記載の、前記請求項1記載の発明において、洗浄器伸縮装置をお尻の荷重から保護するため、プラスチック等で保護板を形成し、給水タンクの上部面及び下部面から夫々接続させ取付け、おむつ斜面部まで伸ばした保護板には円筒凸型の掛け具を付け、要所に設けた掛け具にバネを填め込むことで所定の空間を保ち、洗浄器伸縮装置を維持する構造を特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の排泄自動洗浄おむつは、半導体素子とタイム連動の作動により、洗浄器伸縮装置が肛門部に向け温水洗浄のため自動的に外部に伸び、先端に取付けた噴射ノズルから所定時間噴射させた後、自動的に斜面部内に縮み納まる機能とすることで効率よい洗浄効果が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態に係る排泄自動洗浄おむつについて詳細に説明する。図1は、本発明の好ましい実施の形態に係る排泄自動洗浄おむつを示した標準姿図である。前面内側防水厚被覆26と裏面内側耐熱緩衝材25には断熱製クッション材を用い、裏面内側防水被覆27にはポリエステル超高密度防水生地等の合成樹脂繊維を用い形成する。又、お尻部背面側の腰周りから横腹部に泡給水タンク17と温水洗浄給水タンク18と排便水給水タンク19とを備え、公知の自動開閉装置を用いたパイプとし、これら部材をプラスチック等合成樹脂製又は鋼材で形成しやや長方形等とし背面と横腹部に合う形状に組み立てる。おむつ斜面部15の中央部分に肛門部に向け、給水タンクから接続した固定台1を取付け、その上部にスライド板5を取付け固定し、スライド板には洗浄パイプ内蔵の伸縮器10を組込み一体として組合わせた洗浄器伸縮装置を形成する。
【0010】
図1において、おむつ斜面部15には温風パイプと泡水パイプの各噴射ノズルと尿・便臭センサと湿気センサが取付けられ、腹筋圧センサで排便兆候を示す場合と、腹筋力の兆候なく軟く排便する場合が想定されることから、腹筋圧センサと共に便臭センサとも中性仕様両回回転モーターと半導体素子内蔵で連動させ、洗浄器伸縮装置を伸縮スライドさせる機能とする。
【0011】
図1において更に説明する。おむつ斜面部15内に設けた洗浄器伸縮装置と腹筋圧センサ又は便臭センサとを半導体素子に連動させ、排便後において一定時間排便しないか兆候作動を示さない時に、洗浄器伸縮装置が自動的に斜面外に伸び、所定時間肛門部に洗浄噴射させた後、自動的に斜面部内に縮み納まる機能とするものである。
【0012】
図2は、洗浄器伸縮装置の固定台を示した標準拡大図である。固定台1は合成樹脂製又は鋼材で加工し、給水タンクとの接続部2はネジ止等防水ゴムを用い固定させ取付ける。固定台1の裏面に中性仕様両回回転モーター4を取付け固定させモーターには歯車を付け、固定台及びスライド板歯車回転窓9に歯車が出る構造とする。中性仕様両回回転モーターは小型製を用い予め低速回転に調整し前進及び後進にスライドさせる機能のモーターは、前進の場合は保持枠6まで伸びた時点(例えば、3〜4cm程度)で前進ストッパーの役割をし、自動的にストップし洗浄時間(予め設定した時間)が経過すると自動的に後進し、後部ストッパー8の作動で自動的にストップする仕組みである。
【0013】
図3は、洗浄器伸縮装置のスライド板を示した標準拡大図である。スライド板5は合成樹脂製又は鋼材で加工し形成する。スライド板5の保持枠6はこの中に洗浄パイプ内蔵の伸縮器10を入れ、しかもL型脱落凸材7にはサイド脱落凹溝12に挿入し、スライドによって洗浄パイプ内蔵の伸縮器10が脱落しないようにしている。又、スライドで後進したとき後部ストッパー8によって自動的にストップし停止する機能としている。更に、スライド板歯車回転窓9によって固定台とも固定台歯車回転窓が同一位置となり中性仕様両回回転モーターの歯車が出て作動する。そして、このスライド板5は固定台1の上部に載せ取付け固定し作動させる。
【0014】
図3において、スライド板5に保持枠6の外に洗浄器付伸縮装置10の収納にたいし、装置を保護するため保護カバー29を被せる、この保護被覆は丸型又は角型のいづれかとし、しかし保持枠6から被せるか又は保持枠から隙間を空けて設置するようにする。但し寝たきり状態において、保護カバー29に直接お尻により荷重を掛けないようにするため、裏面内側防水被覆の内部に荷重が掛かっても圧縮されないよう保護板30を用い掛け具31にバネの挿入で補強するものである。
【0015】
図4は、洗浄器伸縮装置の洗浄パイプ内蔵の伸縮器を示した標準拡大図である。洗浄パイプ内蔵の伸縮器10には銅製等の温水洗浄パイプ13を配管しその先端に噴射ノズル11を露出させ、装置自体は合成樹脂製又は鋼材で形成する。又、装置の先端部はおむつ斜面部15の勾配と同じくし、斜面内部に収納した時はその周囲に防水の役割をする防水ゴム16を取付けた伸縮装置はスライド板5の保持枠6を通してL型脱着凸材7に挿入しセットする。又、温水洗浄パイプ13にはスライドに際して自由に可動できる可撓パイプを1〜2箇所を取付ける。更に、中性仕様両回回転モーター4と腹筋圧センサ又は便臭センサと半導体素子及びタイマーの内蔵を通じて連動させ、排便後において一定時間(例えば排便後3〜5分)排便しないか、排便兆候作動を示さない場合に洗浄器伸縮装置が自動的に作動し肛門部に向け斜面外に伸び、所定時間(例えば5〜10秒程度)温水洗浄で噴射させた後、自動的に斜面内部に縮み収納さす機能とする。
【0016】
図5は、洗浄器伸縮装置の洗浄パイプ内蔵の伸縮器を示した標準断面図である。洗浄パイプ内蔵の伸縮器10の底部中心に底面歯車回転用溝14を付け、両サイドにサイド脱落凹溝12を設け、先端部に噴射ノズル11を露出させ、又、装置の中には銅製等の温水洗浄パイプ13を配管した構造の洗浄器付伸縮装置を形成する。
【産業上の利用可能性】
【0017】
図6は、おむつお尻部裏側の保護板とバネの構造を示した標準断面図である。おむつお尻部裏側内部に設置の洗浄器付伸縮装置10をお尻の荷重から保護する必要から、プラスチック等の強固な材質で保護板30をお尻の体型に概ね合わせ形成し、泡等給水タンク17の上部面及び下部面から各々接続させ取付けて、おむつ斜面部15まで伸ばした保護板30には円筒凸型の掛け具31を付け、要所に設けた掛け具31に強力なバネ32を填め込み空間を維持する(例えば、給水タンクの厚さが5cmとした場合、保護板と保護板との空間隔も5cmとなり、空間を支えるのをバネとする)又、保護板30の上面には裏面内側耐熱緩衝材25と、この表面に裏面内側防水被覆26で覆い、保護板30下面には裏面外側クッション材33とその表面には裏面外側被覆28で覆い、洗浄器伸縮装置に荷重が加わってもお尻部裏側の空間が維持される構造とするものである。この空間により各種の配線と配管等が製造段階で組立てが容易となり、一方、前面側の厚被覆内部にも保護板によるバネを活用することもできる。
【0018】
本発明は、超高齢化社会に伴い痴呆症等で寝たきり状態の要介護者に提供する洗浄器伸縮装置を備えた排泄自動洗浄おむつであり、交通事故や手術等で一時的に歩行困難となった患者にも利用できることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の好ましい実施の形態の洗浄器伸縮装置を示した姿図である。
【図2】洗浄器伸縮装置の固定台を示した拡大図である。
【図3】洗浄器伸縮装置のスライド板を示した拡大図である。
【図4】洗浄器伸縮装置の洗浄パイプ内蔵の伸縮器を示した拡大図である。
【図5】洗浄器伸縮装置の洗浄パイプ内蔵の伸縮器を示した断面図である。
【図6】おむつお尻部の保護板とバネの構造を示した断面図である。
【符号の説明】
【0020】
1 固定台
2 泡給水タンクとの接続部
3 固定台歯車回転窓
4 中性仕様両回回転モーター
5 スライド板
6 保持枠
7 L型脱落凸材
8 後部ストッパー
9 スライド板歯車回転窓
10 洗浄パイプ内蔵の伸縮器
11 噴射ノズル
12 サイド脱落凹溝
13 洗浄パイプ
14 底面歯車回転用溝
15 おむつ斜面部
16 防水ゴム
17 泡給水タンク
18 温水洗浄給水タンク
19 便排水給水タンク
20 配管配線用空間部
21 腹筋圧センサ
22 半導体素子制御部
23 便尿排出口
24 便尿仕切壁
25 裏面内側耐熱緩衝材
26 前面内側防水被覆
27 裏面内側防水被覆
28 裏面外側被覆
29 保護カバー
30 保護板
31 掛け具
32 バネ
33 裏面外側クッション材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動おむつの裏面内側の内部に設置するもので、給水タンクと接続した固定台の上部にL型脱落凸材と保持枠を設けたスライド板を取付け、固定台裏面に中性仕様両回回転モーターを備え、洗浄パイプ内蔵の伸縮器の底面中央に歯車回転用溝と両サイドに脱落凹溝を設けて、スライド板に組込み一体として組合わせた洗浄器伸縮装置として形成し、該モーターに付けた歯車と回転用溝に噛み合わせ、肛門部へ向けて伸縮スライドさせる機能を特徴とした排泄自動洗浄おむつ。
【請求項2】
前記請求項1記載の発明において、洗浄器伸縮装置をお尻の荷重から保護するため、プラスチック等で保護板を形成し、給水タンクの上部面及び下部面から夫々接続させ取付け、おむつ斜面部まで伸ばした保護板には円筒凸型の掛け具を付け、要所に設けた掛け具にバネを填め込むことで所定の空間を保ち、洗浄器伸縮装置を維持する構造を特徴とした排泄自動洗浄おむつ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−276(P2011−276A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−145521(P2009−145521)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【特許番号】特許第4446405号(P4446405)
【特許公報発行日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【出願人】(596059691)
【Fターム(参考)】