説明

掘削部の位置合わせ装置

本発明は、削岩装置における掘削部の位置合わせ方法およびソフトウェア製品、ならびに削岩装置に関するものである。削岩装置(1)に含まれる掘削部(5)は、次に掘削すべき穴(19)の開始位置(14)の方へ手動で移動される。削岩装置(1)の制御部(11)は、手動移動(A)後に、開始点に対して正確な自動位置合わせ(B)を行って、掘削を開始する。


【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
本発明は、削岩装置の掘削部を、掘削すべき穴の開始点に対して位置合わせして掘削を開始する方法およびソフトウェア製品に関するものである。本発明はまた、削岩装置に関するものであり、掘削ブームを穴の開始点まで動かすことで、掘削部の位置合わせをする。
【0002】
本発明の目的は、本願独立請求項の前段に、より詳細に規定されている。
【0003】
岩盤は、一般的に、所定のプランに従って掘削する。爆発物を使用する際に岩盤を希望通りに切削するために、あらかじめ計画した掘削プランに従って各亀裂に掘削穴をあける。掘削部の位置合わせを手動で行う場合、操作者は、掘削プランに示されている掘削すべき穴の位置に対して掘削部を正確に操作し、掘削プランに従って掘削部の位置の調整を行う。しかし、掘削部を開始点に正確に位置合わせするのは手間のかかることであり、困難である。
【発明の簡単な説明】
【0004】
本発明は、新たに改善された、掘削部を次に掘削すべき穴に位置合わせする方法およびソフトウェア製品を提供することを目的とする。本発明はまた、次に掘削すべき掘削穴に削岩部を位置合わせする機構を備えた、新たに改善された削岩装置を提供することを目的とする。
【0005】
本発明による方法は、掘削部を掘削すべき次の穴の方へ手動で移動させ、この手動移動後に自動位置合わせを行って、掘削部を制御部の制御によって掘削穴の開始点の位置まで移動させて、掘削を開始することを特徴とする。
【0006】
本発明によるソフトウェア製品は、掘削プランに基づく穴の少なくともいくつかの開始点に対して制御部の掘削部の位置を決めるために、ソフトウェア製品を掘削部で実行することで、操作者によって実行される、次に掘削すべき掘削穴への掘削部の手動移動を可能とし、手動移動後に、次に掘削する穴の開始点に対して自動位置合わせをして、掘削を開始することを特徴とする。
【0007】
本発明による削岩装置において、制御部は、掘削プランに基づく穴の少なくともいくつかの開始点に対して掘削部の位置を決めるためのものであり、掘削部はまず手動で次の掘削すべき穴へと移動され、制御部は手動移動後に次の穴の開始点に対して自動位置合わせを実行して、掘削を開始することを特徴とする。
【0008】
本発明は、操作者が、掘削プランに従って掘削すべき掘削穴の方へ掘削部を手動移動させることを意図している。手動移動中、操作者は、掘削部を次の穴に手動で誘導する。位置合わせの最終段階時、掘削部は制御部の制御を受けて、選択された掘削穴の開始点に自動的に位置合わせされる。位置合わせ後、掘削部は、掘削プランに応じた掘削が開始できるように配置される。
【0009】
本発明の有利な点として、手間がかかるうえに困難な掘削部の正確な位置合わせを、制御部で実行するように引き継ぎ、操作者は、例えば微細位置合わせと称する期間中、次の掘削穴の掘削準備をしたり、他にも削岩装置が掘削部や掘削装置を備えていれば、その運転を監視したりできる。それにもかかわらず、位置合わせの最終的な精度は、操作者の技量に左右されない。本発明は、操作者が、掘削プランに基づく穴のうち次に掘削する穴を独自に選択できるようにし、位置合わせ中に穴の自動位置合わせ機能を利用して、操作者の作業を簡素化できるようにする。
【0010】
本発明の実施例の意図は、制御部が次に掘削すべき穴を手動移動に基づいて特定することにある。
【0011】
本発明の別の実施例の意図は、掘削部を、掘削プランに従って掘削穴の開始点の方に手動で移動させることにある。それと同時に、制御部は手動移動をモニタし、掘削プランに従って掘削穴の開始点に対する手動移動が実行されたかどうかを検出する。その結果、制御部は、掘削部を移動させた穴が次に掘削すべき穴であると判断することができる。制御部は、なんらかの方法で、穴への自動位置合わせを提案してもよい。
【0012】
本発明の実施例の意図は、掘削プランに従って掘削穴の開始点に掘削部を手動で移動させると同時に、掘削プランに基づく穴のうちの少なくともいくつかの穴までの距離を計測することにある。制御部は、手動移動後に掘削部に最も近くなる掘削穴の開始点に対して自動位置合わせを実行するようにしてよい。それによって、操作者は、簡単で迅速な手動移動を行うことで、掘削部を次の穴の開始点付近まで移動でき、その後、手間がかかって困難な、正確な位置合わせを制御部で実行するように命令する。
【0013】
本発明の更なる実施例の意図は、制御部が、操作者に対して、手動移動に基づいて、検出した掘削すべき穴の開始点の表示を、例えば制御部の表示部によって与えることにある。操作者は手動移動を終えると、制御部の示した穴への自動位置合わせを始動させてよく、または手動移動を中断して制御部が示した穴への自動位置合わせの開始を許可してもよい。また、制御部が、表示した穴への自動位置合わせを自動的に開始するようにしてもよい。
【0014】
本発明の別の実施例の意図は、掘削部をまず、掘削プランに従って掘削穴の開始点の近くまで、あるいは十分近くまで手動で移動させることにある。掘削部が所定の距離より穴の開始点に近いところに配置されると、自動位置合わせに切り替わる。自動位置合わせにおいて、制御部は、穴の開始点に対して正確に掘削部の微細位置合わせを行い、その後、掘削が開始される。距離限界は事前に制御部で設定し、または状況に応じて設定してよい。距離限界の長さは、0.5メートルまたは同程度の適切な長さでよい。掘削部が、所定の距離限界よりも選択された掘削穴から離れたところに位置する場合、制御部は操作者に、自動位置合わせの開始の承認を求めるか、あるいは、自動位置合わせを開始する前に掘削部を選択した掘削穴近傍まで手動で移動させるように要求する。このように、必要に応じて、掘削部が次の掘削穴に十分近づくまで、手間のかかる最終的な位置合わせを実行しないようにできる。次の掘削穴の十分近くまで、すばやく手動移動できる。
【0015】
本発明のさらに別の実施例の意図は、制御部の表示部が掘削すべき穴の開始点および掘削部の位置を表示することにある。制御部に設けられた制御要素によって、掘削部を手動で動かして位置合わせすることができる。掘削部の位置は、表示部にカーソルで表示される。カーソルには、表示部において所定の大きさのロック領域を与えることもできる。掘削する穴の開始点がカーソルで制限されるロック領域内にある場合、制御部は、掘削部が開始点に十分接近するのを検知すると、自動位置合わせの開始を受け付けてもよい。
【0016】
本発明のまた別の実施例の意図は、本発明による制御機能が自動削岩装置の一部を構成することにある。そのため操作者は、必要に応じて本発明の制御機能を切り替えて、削岩部の自動掘削シーケンスから外れて、所望の掘削穴に対して掘削を実行してもよい。また、自動位置合わせをせずに手動でおおよその移動を行うことで、次に掘削すべき穴付近への移動を迅速にすることができる。
【0017】
本発明のさらに別の実施例の意図は、掘削プランに応じた掘削穴の掘削がすでに開始した後に、新しい穴を掘削プランに発生させる、あるいは追加させることにある。
【発明の実施例の詳細な説明】
【0018】
以下に、本発明の実施例を添付図面を参照しながら詳細に述べる。
【0019】
本発明を明確にするために、図では本発明を簡略な形で示す。各図における類似部分は、同一の参照符号で示す。
【0020】
図1に示す削岩装置1は、1つまたは複数の掘削ブーム3を備える移動荷台2を含んでもよい。掘削ブーム3は、1つ以上のブーム部分3a、3bを含んでもよく、これらは互いに連結され、かつ基部2に継手4で連結されて、ブーム3がいろいろな方向にさまざまに動くことができる。また、掘削ブーム3の自由端には掘削部5が設けられ、この掘削部は、送りビーム6、送り装置7、削岩機8、および外側先端にドリルビット9aを備える工具9を含んでもよい。削岩機8は送り装置7によって送りビーム6と連動して移動可能であり、掘削中に工具9を岩盤10の方へ送り出すことができる。削岩機8は、工具9に衝撃パルスを与える打撃装置を含んでよく、また、工具9をその長手軸を中心に回転させる回転装置を含んでもよい。さらに、削岩装置1は、掘削を制御する制御部11を1つまたは複数含んでよい。制御部11は1つ以上の処理装置、プログラム可能論理回路、またはそれに相当する装置を含んでよく、それによってソフトウェア製品を実行でき、その実行によって、本発明による掘削部の位置合わせ方法の達成が可能である。また、制御部11に掘削プランを配備してよく、これには掘削すべき穴の位置および方向が規定されている。以下に述べる図3および図4は、いくつかの可能な掘削プランを示す。また、制御部11に掘削手順を配備してよく、これには、少なくとも掘削の順番も規定されている。制御部11は、掘削ブーム3を動かす作動装置と、送り装置7と、掘削部5の位置合わせに作用する他の作動装置とに命令を与えることができる。また、掘削ブーム3の継手4に1個以上のセンサ12を設けてもよく、また、1個以上のセンサ13を掘削部5に設けてもよい。センサ12、13から得られる測定情報は制御部11に送ることができ、制御部は、この測定情報に基づいて、制御する掘削部5の位置と方向を判断することができる。制御部11は、掘削部5の位置を、ドリルビット9aの位置および工具9の長手軸の方向として処理するように構成してよい。
【0021】
図2は、本発明による、掘削すべき穴14に対する掘削部5の位置合わせをする方法を示す。掘削部5の位置合わせを行うために、掘削すべき穴の開始点14と掘削方向15を制御部11であらかじめ決めておいてもよい。図2から図6では、掘削部5を四角の記号で簡略的に示している。掘削部5には、本発明に基づいて位置合わせを開始するまでは開始位置5aが規定されていて、その位置から掘削部は、手動操作装置16を使用して操作者が選択した次に掘削すべき掘削穴の開始点14に向かって移動する。手動操作装置は、掘削階層17bまたは制御部11付近のどこかにある操縦室17aに設置してよい。最も簡単な形式では、操作者18が制御装置16を用いて、掘削ブーム3を動かすシリンダと、もしあれば他の作動装置を制御して、手動操作によって操作者が選択した掘削すべき穴19の開始点14の方へ掘削部5を移動させることができる。操作者18は直に目視操作で掘削部5を移動させることもできるが、掘削する場所の視界が悪い場合は、制御部11の表示部20が示す移動進捗状況に従ってもよい。操作者18は、掘削部5を、迅速に、複雑な自動制御なしで、図2に示す仮想中間位置5bに移動させることができ、この中間位置で手動移動Aを自動位置合わせBに切り替えられる。それによって、正確に掘削すべき穴19の開始点14への、最も正確で手間のかかる高精度な位置合わせを、制御部11の制御下で自動的に実行できる。中間位置5bは仮想位置でよいため、位置は特定されない。したがって、中間位置5bは、例えば、操作者18が手動移動Aを終了して、制御部11に選択した穴19に対する自動位置合わせBを許可する時刻を表すものでもよい。手動移動Aから自動位置合わせBに移行するための条件として、当然のことながら、制御部11は次にどの穴を掘削すべきかを認識していなければならない。手動移動A中に操作者18が選択した穴19を検出して、なんらかの形で制御部11に知らせることが可能であり、その場合、制御部11は、手動移動A後に、選択された掘削穴19の開始点14の自動位置合わせを実行できる。しかし、いつ制御部11に位置合わせを実行させるかを操作者18が決めてもよい。こうして、操作者18は手動移動Aを継続させて、掘削部5を開始点14のかなり近くまで動かすことができ、大まかな位置合わせを素早く行える。
【0022】
図3は掘削プラン21を示し、掘削部5の位置合わせを例示している。掘削部5は、掘削プラン21に従って所定の順番で掘削穴を掘削するように構成してよい。このような掘削順序22を図3に点線で示す。しかし、場合によっては、操作者18は所定の掘削順序からそれて、次に掘削すべき穴19として順序22に規定された掘削穴とは別の穴を選択したいときもあるだろう。そこで、操作者18は掘削順序22に割り込みをかけ、装置を手動位置合わせに切り替えて、操作者自身が選択した次の掘削穴19の方へ掘削部5の手動移動Aを行う。
【0023】
制御部11は、掘削プランに従って、掘削部5の位置および掘削穴までの距離を求めるように構成してもよい。制御部11はまた、掘削部5から最短距離にある掘削穴の開始点14に掘削部5を自動位置合わせBをするための制御機能を備えていてもよい。操作者18は、手動移動Aを利用して、掘削したい穴19に掘削部5を接近させる。この場合、その穴は掘削部5に最も近く、制御部11はその穴の開始点14に対して自動位置合わせBを実行してもよい。制御部11は、どの穴が掘削プラン21では掘削部5に最も近いかを示す、いろいろな補助装置または補助システムを含んでいてもよい。最も近い穴は、例えば制御部11の表示部に、異なった色や、穴の点滅記号、カーソルなどで表示でき、または他の記号より輝度の高い記号で穴を示すこともできる。次に、掘削部5が自動位置合わせBを利用して穴19の開始点に位置合わせされると、穴が掘削される。その後、掘削は、元の掘削順序22に従って続行されるか、または操作者18が新たに掘削する穴19を選択して、その穴に向かって手動移動Aを開始してもよい。
【0024】
図4は別の掘削プラン21を示し、それに関連する掘削部5の位置合わせを例示している。掘削部5は、開始点5aで掘削穴を掘削し、その後、操作者18は次の掘削すべき穴19を選択する。各穴は、図4に示すような番号などの識別子で掘削プラン21に示してもよい。本例では、操作者18は次の穴19として穴番号第5番を選択する。操作者18は、その穴に向かって手動移動Aを開始する。制御部11は、実行される位置合わせ方向を観察して、位置合わせ方向が掘削プランに応じた穴の方を指しているかどうかを検出するように構成してよい。制御部11は、この穴に向かう位置合わせを行うことを認識して穴の開始点への自動位置合わせが選択可能なことを、適切な方法で示してもよい。図4では、手動移動Aの方向を基準線23で示し、この線は穴番号第5番を通っている。掘削プラン21に基づく手動移動Aの線23上の穴とみなされるものは、例えば制御部11の表示部20に掘削穴の番号で表示される。制御部11は、穴が手動移動Aの線23上に確認された場合、操作者18が自動位置合わせBを承認するのを待つように構成してもよい。操作者18が制御部11の指定した穴を認証すると、自動位置合わせBが開始される。掘削プラン21の全体あるいはその一部が表示部20に表示されると、手動移動Aの線23上に位置する穴は、点滅する記号などの適切な視覚上の特殊効果で表示できる。
【0025】
また、次に掘削すべき穴19の識別子、例えば、穴番号やコードなどを、手動移動Aの開始前、移動中、または移動後に操作者18が制御部11に提供することも可能である。操作者18は、次に掘削すべき穴を制御部11の表示部にも表示できる。
【0026】
図5は、手動操作装置16を使用して行われる移動の他の方法として、制御部11において手動移動Aを実行する方式を示す。掘削プラン21またはその特定部分を、制御部11の表示部20に表示することができる。表示部20では、掘削部5の位置が記号5’で示され、これは本例では四角記号である。掘削部5の実際の位置はセンサ4で特定し、記号5’の位置は表示部20に表示されている掘削プラン21に結び付けることができる。掘削部5は、例えば矢印キー、ジョイスティック、タッチスクリーン、またはその他のコントローラ25によって記号5'が表示部20上を移動したときに、同時に移動するように構成してよい。図5では、掘削部5は開始点5aに位置合わせされ、この場合、掘削プランにおいてその位置に最も近い穴26を、表示部20に例えば太線で表示できる。操作者18がこの時に、最も近い穴26に対する掘削部5の位置合わせを望まず、次に掘削する穴19として別の穴を選択する場合、操作者18は次に、記号5’を選択した穴19に動かして、手動移動Aを実行してもよい。記号5’が選択した穴19の十分近くまで、つまり中間位置5bまで移動すると、穴19を穴26に代って太線で表示部20に表示できる。そして、制御部11は、選択した穴19の開始点14への自動位置合わせBを許可される。位置合わせに関し、制御部11に距離限界27を設けてもよく、また掘削部5は、手動移動Aの終点から短距離のところに配置されるべきである。
【0027】
図6は、表示部20上で位置合わせを行う様子を示す。掘削部5の記号5’には、距離限界28が設けられてよく、その場合、記号5’を移動させて、距離限界28が選択した穴と交差したとき、操作者はそれを表示部20で確認できる。その後、操作者18は自動位置合わせBに切り替えるとよい。
【0028】
掘削部5の手動移動Aは、手動操作装置16を使用して実時間で実行可能であり、または表示部20の制御要素25を使用して実行してもよい。制御要素16を使用する場合、掘削部の位置、掘削プラン21、およびその他の位置合わせを容易にするのに必要な情報を、一度に表示部20に表示できる。ユーザインタフェースの制御要素25を手動移動に使用する場合、掘削部5は、その記号が表示部20上で動くのと同時に移動することができる。
【0029】
上述の例に示すように、本発明は、次に掘削すべき穴の情報を制御部に知らせるために、さまざまな方法を利用できるようにする。操作者は、必ずしも手動移動を開始する前に次に掘削する穴を選択する必要がなく、代わりに、手動移動中に選択を行って、手動移動中に制御部に次の掘削すべき穴を提案させることもできる。手動移動から自動位置合わせに変える時点を選択する方法は、いくつもある。
【0030】
なお、削岩装置1の制御部11は、制御部11が有線または無線でセンサ12、13および削岩装置1に備えられている作動装置と通信可能な通信装置を1つ以上含んでいてよく、それによって測定データおよび制御コマンドを伝達する。制御部11はまた、ソフトウェア製品を読み取り、制御パラメータを出力する読取装置を1つ以上含んでいてもよい。または、制御部11のメモリに、キーボードまたは通信接続を用いて情報を入力してもよい。制御部11は、1つ以上の処理装置またはそれに相当する電子機器を含んでいてもよく、これらの装置でソフトウェア製品を実行して、本発明による位置合わせを実行することが可能である。ソフトウェア製品は、記憶手段から読み出すことができ、もしくは他のコンピュータまたはデータネットワークから読み込んでもよい。ソフトウェア製品はまた、ハードウェア方式として知られているものとしてもよい。
【0031】
場合によっては、本願に示す各特徴事項は、その他の特徴事項に無関係に、それ自体として使用することができる。一方、さまざまな組合せを構成する必要がある場合、本願で示す各特徴事項を組み合わせることも可能である。
【0032】
図面およびそれに関連する説明は、本発明の発想を例示しているにすぎない。詳細については、本発明は特許請求の範囲内において変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明による削岩装置を概略的に示す図である。
【図2】本発明による掘削部の位置合わせをする装置を概略的に示す図である。
【図3】掘削プラン、および次に掘削すべき穴への掘削部の位置合わせを概略的に示す図である。
【図4】掘削プラン、および次に掘削すべき穴に掘削部を位置合わせする別の装置を概略的に示す図である。
【図5】削岩装置の制御部のユーザインタフェースを概略的に示し、また本発明による掘削部の位置合わせ方法を示す図である。
【図6】表示部を概略的に示し、また掘削部の位置合わせの応用例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
削岩装置(1)が、少なくとも1つの掘削ブーム(3)と、該掘削ブーム(3)に設けられた掘削部(5)と、該掘削部(5)の位置および方向を測定する少なくとも1つのセンサ(4)と、掘削プランが配備された少なくとも1つの制御部(11)と、前記掘削部(5)の位置を手動で制御するための少なくとも1つの制御要素(16、25)とを含み、
前記掘削部(5)の位置を測定し、
前記掘削プラン(21)に定められている掘削穴の開始点(14)に該掘削部(5)を位置合わせし、
該掘削プラン(21)に定められている掘削方向(15)に該掘削部(5)の向きを調整し、
該掘削プラン(21)に従って掘削穴を掘削する削岩装置(1)の掘削部(5)の位置合わせ方法において、該方法は、
掘削すべき次の穴(19)に向かって前記掘削部(5)の手動移動(A)を実行し、
該手動移動(A)後、自動位置合わせ(B)を実行し、該掘削部(5)を前記制御部(11)の制御によって前記掘削穴(19)の開始点(14)の位置まで移動させて、掘削を開始することを特徴とする削岩装置の掘削部の位置合わせ方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、該方法は、前記制御部(19)において、前記次に掘削すべき穴(19)を手動移動(A)に基づいて特定することを特徴とする位置合わせ方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、該方法は、前記制御部(11)において、前記次に掘削すべき穴(19)を前記手動移動(A)の方向に基づいて特定し、該手動移動(A)後に前記自動位置合わせを可能にすることを特徴とする位置合わせ方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、該方法は、
前記制御部(11)において、前記掘削プラン(21)に従って前記掘削すべき穴の、少なくともいくつかの前記開始点(15)までの前記掘削部(5)の距離を測定し、
前記制御部(11)は操作者(18)に対し、前記手動移動(A)から前記自動位置合わせ(B)に移行して、最も近い穴に位置合わせすることを提案し、
前記操作者(18)の承認を受けて、最も近い掘削穴(23)の開始点(15)への自動位置合わせ(B)を実行することを特徴とする位置合わせ方法。
【請求項5】
請求項2に記載の方法において、該方法は、
前記制御部(11)において、前記掘削プラン(21)に従って前記穴の、少なくともいくつかの前記開始点(15)までの前記掘削部(5)の距離を測定し、
該制御部(11)において、前記次に掘削すべき穴(19)として、前記掘削プラン(21)に基づく該掘削部(5)に最も近い穴を前記手動移動(A)後に特定し、
前記自動位置合わせ(B)を可能にし、
該自動位置合わせ(B)を前記最も近い掘削穴の開始点(14)に対して実行することを特徴とする位置合わせ方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、該方法は、
前記制御部(11)の表示部(20)に、前記掘削プラン(21)に基づく前記掘削穴のいくつかの開始点(14)を表示し、
前記掘削部(5)の位置を記号(5’)で前記表示部(20)に表示し、
該掘削部を示す記号(5’)を、該表示部(20)の制御要素(25)によって前記次に掘削すべき穴(19)の方へ移動させることで、前記手動移動(A)を実行することを特徴とする位置合わせ方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、該方法は、
前記掘削部(5)の位置を前記記号(5')で前記表示部(20)に表示し、
該表示部(20)に、該掘削部(5)から最短距離に位置する前記掘削穴の開始点(14)を視覚的に示すことを特徴とする位置合わせ方法。
【請求項8】
前記請求項のいずれかに記載の方法において、該方法は、
前記制御部(11)に対し、前記掘削部(5)と前記選択した穴(19)の開始点(14)との間の許容最長距離を規定する距離限界を少なくとも1つ設定し、
前記掘削部(5)から前記操作者(18)が選択した前記穴(19)の開始点(14)までの距離が前記規定した距離限界より短くなるまで、前記自動位置合わせ(B)を開始させないことを特徴とする位置合わせ方法。
【請求項9】
前記請求項のいずれかに記載の方法において、該方法は、掘削中に、前記掘削プランに少なくとも1つの新たに掘削すべき穴の開始点(14)を割り当てることを特徴とする位置合わせ方法。
【請求項10】
少なくとも1つの掘削ブーム(3)と、該掘削ブーム(3)に設けられた掘削部(5)と、該掘削部(5)の位置および方向を測定する少なくとも1つのセンサ(4)と、少なくとも1つの制御部(11)と、前記掘削部(5)を手動移動させるための少なくとも1つの制御要素(16、25)とを含む削岩装置(1)における掘削部を制御し、
前記制御部(11)で実行されて、
該制御部(11)において前記掘削部(5)の位置を前記センサ(4)から得た測定結果に基づいて特定し、
前記掘削プラン(21)で決められている前記掘削穴の開始点(14)に対して該掘削部(5)の位置を合わせ、
前記掘削プラン(21)に従って前記掘削方向(15)に該掘削穴の掘削を行うように構成されたソフトウェア製品において、
該ソフトウェア製品はさらに、前記制御部(11)で実行されると、
該制御部(11)において、前記掘削プラン(21)による前記穴の少なくともいくつかの開始点(15)に対する前記掘削部(5)の位置を特定し、
前記操作者(18)によって実行される、前記次に掘削すべき掘削穴(19)の方への該掘削部(5)の手動移動(A)を可能とし、
該手動移動(A)後に、前記次に掘削すべき穴(19)の前記開始点(14)への前記自動位置合わせ(B)を実行して、掘削を開始するように構成されていることを特徴とするソフトウェア製品。
【請求項11】
請求項10に記載のソフトウェア製品において、該ソフトウェア製品はさらに、前記制御部(11)で実行されると、
前記手動移動(A)を観測し、該手動移動(A)に基づいて前記次に掘削すべき掘削穴(19)を特定し、
該手動移動(A)後に、前記次に掘削すべき穴(19)の前記開始点(14)への前記自動位置合わせ(B)を実行して、掘削を開始するように構成されていることを特徴とするソフトウェア製品。
【請求項12】
請求項10または11に記載のソフトウェア製品において、該ソフトウェア製品は、実行されると、前記手動移動(A)の終点において前記掘削部(5)からの距離が最も短い掘削穴に対して前記自動位置合わせ(B)を実現するように構成されていることを特徴とするソフトウェア製品。
【請求項13】
請求項10ないし12のいずれかに記載のソフトウェア製品において、該ソフトウェア製品は、実行されると、
前記制御部(11)に含まれる前記掘削プラン(21)を該制御部(11)の前記表示部(20)に表示し、その場合、少なくとも前記掘削すべき各穴の開始点(14)は該表示部(20)で可視状態であり、
前記掘削部(5)の位置を、前記制御部(11)の前記表示部(20)に前記記号(5’)で前記次に掘削すべき穴の開始点(14)に関連して表示し、
前記記号(5’)を前記表示部(20)に含まれる制御要素(25)によって移動させることで、前記手動移動(A)の実行を実現するように構成されていることを特徴とするソフトウェア製品。
【請求項14】
請求項10ないし13のいずれかに記載のソフトウェア製品において、該ソフトウェア製品は、実行されると、前記掘削部(5)が前記次に掘削すべき穴(19)の前記開始点(14)から所定の距離限界より長い距離に位置する場合、前記制御部(11)を前記手動移動(A)から前記自動位置合わせ(B)に移行させないように構成されていることを特徴とするソフトウェア製品。
【請求項15】
請求項10ないし14のいずれかに記載のソフトウェア製品において、該ソフトウェア製品は、実行されると、前記制御部(11)が、前記次に掘削すべき穴(19)を前記手動移動(A)に基づいて特定し、特定後に、当該穴の前記開始点(14)に対して前記自動位置合わせ(B)を直に実行できるように構成されていることを特徴とするソフトウェア製品。
【請求項16】
請求項10ないし15のいずれかに記載のソフトウェア製品において、該ソフトウェア製品は、実行されると、前記制御部(11)が、すべての穴の前記開始点(14)までの距離を前記掘削プラン(21)に従って実質的に継続的に特定するように構成されていることを特徴とするソフトウェア製品。
【請求項17】
移動架台(2)と、
少なくとも1つの掘削ブーム(3)、ならびに該掘削ブームに取り付けられた送りビーム(6)、該送りビーム(6)に対して送り装置(7)によって動かされる削岩機(8)、および該削岩機(8)に接続可能な工具(9)を含む少なくとも1つの掘削部(5)と、
少なくとも前記掘削すべき穴の開始点(15)を規定した掘削プラン(33)が設定された、前記掘削部(5)の自動制御を可能にする少なくとも1つの制御部(11)と、
該掘削部(5)を手動で制御するための少なくとも1つの制御要素(16、25)と、
該掘削部(5)の位置および方向(19)を測定する少なくとも1つのセンサ(4)と、
前記掘削すべき穴に対して該掘削部(5)の位置合わせをする手段とを含む削岩装置において、
前記制御部(11)は、前記掘削プラン(21)に従って掘削すべき穴の、少なくともいくつかの前記開始点(14)に対する前記掘削部(5)の位置を特定し、
該掘削部(5)は、まず前記次に掘削する掘削穴(19)の方へ手動で移動され、
前記制御部(11)は、前記手動移動(A)後に前記次の穴(19)の開始点(14)に対する前記自動位置合わせ(B)を実行して、掘削を開始することを特徴とする削岩装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2008−546938(P2008−546938A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518881(P2008−518881)
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際出願番号】PCT/FI2006/050275
【国際公開番号】WO2007/000488
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(506286478)サンドビク マイニング アンド コンストラクション オサケ ユキチュア (70)
【氏名又は名称原語表記】SANDVIK MINING AND CONSTRUCTION OY