説明

接着剤組成物

【課題】ポリオレフィン材料へ高い接着力を示すと共に、硬化速度も実用上十分に速く、汎用材料に対しても良好な接着性を発揮する接着剤組成物を提供すること。
【解決手段】アルキル基が炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位とアルキル基が炭素数10以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位とを含み加水分解性シリル基を有する共重合体(A1)、及び、加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体(A2)、を含有する湿気硬化性樹脂組成物(A)、塩素化ポリオレフィン(B)、2以上のフェニル基を有機基として有する加水分解性シラン(C)、並びに、湿気硬化性樹脂組成物(A)と相溶性を有し25℃で固形の粘着付与樹脂(D)、を含有し、加水分解性シラン(C)の含有量が、湿気硬化性樹脂組成物(A)100質量部に対して0質量部を超え9質量部未満である接着剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
変成シリコーン接着剤は、一般的に、加水分解性シリル基を有するポリエーテルポリマーを主成分に構成され、硬化後も柔軟で種々の被着体に対して良好な接着力を発揮することから、弾性接着剤として広く用いられている。
【0003】
しかし、従来の変成シリコーン接着剤は、ポリプロピレンやポリエチレンといった難接着性プラスチックに対しては接着力が不十分であり、このような素材に対する接着性が改善された接着剤組成物が検討されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−269935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された接着剤組成物は、確かにポリオレフィンに対する接着力が改善されているものの、硬化速度が従来の変成シリコーン接着剤よりも遅く、また、ポリオレフィン以外の汎用材料に対しては却って接着強度が低くなる。
【0006】
そこで、本発明の課題は、ポリオレフィン材料へ高い接着力を示すと共に、硬化速度も実用上十分に速く、汎用材料に対しても良好な接着性を発揮する接着剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、アルキル基が炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位とアルキル基が炭素数10以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位とを含み加水分解性シリル基を有する共重合体(A1)、及び、加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体(A2)、を含有する湿気硬化性樹脂組成物(A)、塩素化ポリオレフィン(B)、2以上のフェニル基を有機基として有する加水分解性シラン(C)、並びに、湿気硬化性樹脂組成物(A)と相溶性を有し25℃で固形の粘着付与樹脂(D)、を含有し、加水分解性シラン(C)の含有量が、湿気硬化性樹脂組成物(A)100質量部に対して0質量部を超え9質量部未満である接着剤組成物を提供する。なお、(メタ)アクリルとの記載はアクリル又はメタクリルを意味する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ポリオレフィン材料へ高い接着力を示すと共に、硬化速度も実用上十分に速く、汎用材料に対しても良好な接着性を発揮する接着剤組成物が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1と比較例1の接着剤組成物の初期接着力を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
実施形態に係る接着剤組成物は、湿気硬化性樹脂組成物(A)、塩素化ポリオレフィン(B)、加水分解性シラン(C)、及び粘着付与樹脂(D)を必須成分として含有する。
【0011】
ここで、湿気硬化性樹脂組成物(A)は、共重合体(A1)とオキシアルキレン重合体(A2)とを含有していればよく、共重合体(A1)とオキシアルキレン重合体(A2)のみから構成されていてもよい(以下、単に「A成分」と呼ぶ場合がある。)。共重合体(A1)は、加水分解性シリル基を有する共重合体であって、単量体単位として、アルキル基が炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位とアルキル基が炭素数10以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位とを含む共重合である(以下、単に「A1成分」と呼ぶ場合がある。)。一方、オキシアルキレン重合体(A2)は、A1成分が有するのと同種又は異種の加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体である(以下、単に「A2成分」と呼ぶ場合がある。)。
【0012】
なお、加水分解性シラン(C)は2以上のフェニル基を有機基として有する加水分解性シランであり(以下、単に「C成分」と呼ぶ場合がある。)、粘着付与樹脂(D)は、湿気硬化性樹脂組成物(A)と相溶性を有し25℃で固形の粘着付与剤である(以下、単に「D成分」と呼ぶ場合がある。)。
【0013】
従来の接着剤組成物、例えば特許文献1に開示されているような、加水分解性ジフェニルシランが接着剤組成物に含まれている場合、ポリオレフィンに対し、良好な接着性を示すものの、硬化速度が従来の変性シリコーン接着剤よりも長く、また、ポリオレフィン以外の汎用材料に対しては却って接着強度が低くなる傾向があった。これは、加水分解性ジフェニルシラン自身が水分を用いて反応する上、反応物が柔軟な構造を有しているため、この配合物が接着剤硬化物の硬度の低下(汎用材料への接着力の低下)と、接着剤の硬化反応速度の低減を招いているためであると考えられる。ところが、単に加水分解性ジフェニルシランの配合量を低減させると、硬化速度や汎用材料への接着力は向上するが、その一方でポリオレフィン材料への高い接着力を失う結果となる。
【0014】
しかし、本発明の実施形態の接着剤組成においては、A成分、B成分、C成分とともに、A成分と相溶性を有し、25℃で固形の粘着付与剤(D成分)を含み、A成分に対するC成分の含有量を所定量に調整することで、ポリオレフィン材料及び汎用材料双方に対する高い接着性を維持しながら、硬化速度を格段に高めることができることが見出された。たとえば、後述する測定条件において、ポリプロピレン板と綿帆布を接着した場合の180度はく離強さを80N/25mm以上、あるいは100N/25mm以上とすることができる。さらに、合板同士を接着した場合の最終的な引張りせん断強さを3.0MPa以上、初期的なせん断強さを1.5MPa以上とすることができる。
【0015】
以下、本実施形態の接着剤組成物を構成する各成分について具体的に説明する。
先ず、A1成分について説明する。
A1成分は、加水分解性シリル基を有しているが、この加水分解性シリル基は、以下の一般式(1)で表される基であることが好ましい。
【化1】

【0016】
上式において、Rは炭素数1〜20の置換若しくは非置換の1価有機基又はトリオルガノシロキシ基を表す。例えば、上記有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;シクロヘキシル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基;フェニル基等のアリール基;ベンジル基等のアラルキル基が挙げられる。上記トリオルガノシロキシ基としては、トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基等が挙げられる。Rとしては、炭素数1〜6の非置換の1価有機基が好ましく、炭素数1〜3の非置換の1価有機基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
【0017】
上式におけるXは、加水分解性基を表す。加水分解性基としては、水酸基;塩素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;アシルオキシ基;アミノ基;アミド基;メルカプト基;アルケニルオキシ基;アミノオキシ基;ケトキシメート基;ヒドリド基等が挙げられる。加水分解性基としては、特に、メトキシ基やエトキシ基が取扱の点より好ましい。
【0018】
上式におけるaは0、1又は2、bは0、1、2又は3であり、aとbは同時に0とならない。nは0〜18の整数を表す。特に、経済性等の点からn=0、b=1、2又は3が好ましい。
【0019】
A1成分は、単量体単位として、アルキル基が炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位(以下、「低アルキルアクリルモノマー単位」と呼ぶ場合がある。)と、アルキル基が炭素数10以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位(以下、「高アルキルアクリルモノマー単位」と呼ぶ場合がある。)を含む共重合体であるが、更に、エチレン性不飽和結合及び加水分解性シリル基(好ましくは上記一般式(1)のもの)を有する単量体単位を含むことが好ましい。すなわち、加水分解性シリル基は、低アルキルアクリルモノマー単位及び高アルキルアクリルモノマー単位以外の単量体単位に由来するものであることが好ましい。
【0020】
このような場合、A1成分は、低アルキルアクリルモノマー単位を与えるアルキル基が炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、高アルキルアクリルモノマー単位を与えるアルキル基が炭素数10以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、エチレン性不飽和結合及び加水分解性シリル基(好ましくは上記一般式(1)のもの)を有する単量体とを共重合する方法で得ることができる(合成法1)。また、低アルキルアクリルモノマー単位を与えるアルキル基が炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、高アルキルアクリルモノマー単位を与えるアルキル基が炭素数10以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、エチレン性不飽和結合と官能基Yを有する単量体とを共重合した後に、官能基Yと反応性の官能基Y’と加水分解性シリル基とを有する化合物をさらに反応させる方法で合成することもできる(合成法2)。なお、官能基YとY’の組合せとしては、一方がカルボン酸、他方がイソシアネート基が挙げられる。
【0021】
低アルキルアクリルモノマー単位は、例えば、以下の一般式(2)で表すことができる。
【化2】

【0022】
上式において、Rは水素又はメチル基を、Rは炭素数1〜8のアルキル基を示す。具体的には、Rとしては、炭素数1のメチル基、炭素数2のエチル基、炭素数3のプロピル基、炭素数4のn−ブチル基およびt−ブチル基、炭素数8の2−エチルヘキシル基等が挙げられる。Rとしては、特に炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、さらに炭素数1〜2のアルキル基がより好ましい。なお、Rのアルキル基は単独でも2種以上混合されていてもよい。
【0023】
高アルキルアクリルモノマー単位は、例えば、以下の一般式(3)で表すことができる。
【化3】

【0024】
上式において、Rは一般式(2)と同様である。Rは炭素数10以上のアルキル基を示す。具体的には、Rとしては、炭素数12のラウリル基、炭素数13のトリデシル基、炭素数16のセチル基、炭素数18のステアリル基、炭素数22のベヘニル基等が挙げられる。Rとしては、通常、炭素数10〜30のアルキル基が選択され、好ましくは、炭素数10〜20のアルキル基が選択される。なお、Rのアルキル基は単独でも、2種以上混合されていてもよい。
【0025】
A1成分を構成する全単量体単位に対して、低アルキルアクリルモノマー単位及び高アルキルアクリルモノマー単位の合計は、50重量%を超えることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましい。また、アルキルアクリルモノマー単位と高アルキルアクリルモノマー単位の比(質量比)は、前者:後者=95:5〜40:60が好ましく、90:10〜60:40がより好ましい。
【0026】
上記合成法1を採用した場合の、エチレン性不飽和結合及び加水分解性シリル基を有する単量体としては、CH=CHSiCH(OCH、CH=CHSiCHCl、CH=CHSi(OCH、CH=CHCOO(CHSiCH(OCH、CH=CHCOO(CHSi(OCH、CH=CHCOO(CHSiCH(OCH、CH=CHCOO(CHSi(OCH、CH=C(CH)COO(CHSiCH(OCH、CH=C(CH)COO(CHSi(OCH、CH=C(CH)COO(CHSiCH(OCH、CH=C(CH)COO(CHSi(OCH等が挙げられる。
【0027】
A1成分は、さらに上記以外の単量体単位を有していてもよく、そのような単量体単位としては、(メタ)アクリル酸等のカルボン酸を含む単量体単位;(メタ)アクリルアミドやN−メチロール(メタ)アクリルアミド等のアミド基を含む単量体単位;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を含む単量体単位;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートやアミノエチルビニルエーテル等のアミノ基を含む単量体単位;アクリロニトリル、イミノールメタクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、アルキルビニルエーテル、塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、エチレン等に起因する単量体単位が挙げられる。
【0028】
A1成分の数平均分子量は、取扱の点から500〜100,000が好ましい。また、A1成分中の加水分解性シリル基数は、平均1個以上、好ましくは1.1個以上、さらに好ましくは1.5個以上が硬化性の点から選択される。また、見かけ上、シリル基1個あたりの数平均分子量が3,000〜4,000であることが好ましい。A1成分は、例えば、特開昭63−112642号等に示される方法で製造することができる。
【0029】
次に、A2成分について説明する。
A2成分である、加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体の分子骨格は、例えば、以下の一般式(4)で表すことができる。
【化4】

【0030】
上式において、Rは2価の有機基である。Rは、特に炭素数3〜4の2価の炭化水素基であると好ましい。Rとしては、例えば、メチルエテニル基、エチルエテニル基、イソブチレニル基、ブテニル基等が挙げられる。この分子骨格は、1種のみの繰り返し単位でも、2種以上の繰り返し単位でもよい。特に、Rがメチルエテニル基であるポリオキシプロピレン骨格が好ましい。
【0031】
A2成分中の加水分解性シリル基は、A1成分中の加水分解性シリル基と同様である。また、A2成分中の加水分解性シリル基数は、平均で1個以上、さらには1.1個以上、特に1.5個以上が、分子末端に存在することが硬化性の点より好ましい。A2成分の数平均分子量は、500〜30,000が好ましい。A2成分は単独でも複数混合されていてもよい。A2成分は、例えば、特開昭63−112642号等に示される方法で製造することができる。
【0032】
次にA成分について説明する。
A成分である湿気硬化性樹脂組成物は、上述したA1成分とA2成分を含有するものであるが、A成分は、A1成分とA2成分とを別々に合成した後に、これらを混合したものであっても、A1成分とA2成分のいずれか一方を合成し、その合成物と他方の原料単量体を混合した状態で、この原料単量体を重合して得られるものであってもよい。
【0033】
また、A1成分とA2成分の比率は、A2成分100質量部に対しA1成分が0.5〜5,000質量部が好ましく、特に0.5〜2,000質量部が好ましい。
【0034】
次に、B成分について説明する。
B成分である塩素化ポリオレフィンとしては、ポリオレフィンの塩素化物が挙げられる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、その他のC5系α−オレフィンの重合体、ポリ(4−メチルペンタ−1−エン)、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン三元共重合体、その他α−オレフィンの共重合体、α−オレフィンと50%以下の他モノマーとの共重合体(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸三元共重合体等)等の塩素化合物が挙げられる。特に、炭素数2〜5の低級オレフィン重合体の塩素化合物が好ましい。このようなものとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンの塩素化合物等が挙げられる。
【0035】
これら塩素化ポリオレフィンの塩素含有率は、5〜60重量%が好ましく、10〜45重量%がさらに好ましい。また、塩素化ポリオレフィンの添加量は、A1成分とA2成分を含有するA成分100質量部に対し、0.1〜100質量部が好ましい。
【0036】
次に、C成分について説明する。
C成分である2以上のフェニル基を有機基として有する加水分解性シランは、例えば、以下の一般式(5)で表される。
【化5】

【0037】
上式において、XおよびRは前述のXおよびRとそれぞれ同様である。Rは2価の有機基を表す。Rは、水素又は有機基を表す。有機基としてはビニル基等が挙げられる。Rが有機基の場合、オルト、メタ、パラ位のいずれに置換されていてもよい。nおよびkは1、2又は3で、n+kが4以下となる整数をそれぞれ表す。mは0又は1を表す。
【0038】
C成分としては、ジフェニルジメトキシシラン(X=OCH,R=H,n=2,k=2,m=0),フェニルトリメトキシシラン(X=OCH,R=H,n=1,k=3,m=0),フェニルトリエトキシシラン(X=OC,R=H,n=1,k=3,m=0),3-スチリルプロピルトリメトキシシラン(X=OCH,R=CHCH,R=CHCHCH,n=1,k=3,m=1),N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(X=OCH,R=H,R=NHCHCHCH,n=1,k=3,m=1)等が挙げられる。
【0039】
C成分の添加量は、A1成分とA2成分を含有するA成分100質量部に対し、0質量部を超え9質量部未満であり、1質量部以上6質量部以下が好ましい。このような含有量にすることで、ポリオレフィン材料に対する高い接着力を維持しながら、実用上十分に速い硬化速度を得ることができる。
【0040】
次にD成分について説明する。
D成分はA成分と相溶性を有し25℃で固形の粘着付与樹脂である。ここで、相溶性は、D成分とA成分とを混合して混合物の透明性で決定でき、混合物が透明であるときは相溶性あり、混合物が不透明であるときは相溶性なしと判断する。具体的には、A成分100gとD成分を10gを、減圧下130℃にて2時間撹拌することによって混練および脱水を行い、冷却後、混合物にスズ系触媒を5g添加し混合物を調整する。そして、その混合物をガラス板上に塗布し、透明性を目視によって確認する。D成分は実使用温度範囲に含まれる25℃で固形である。D成分が25℃において液体或いは流動体の場合には接着剤の硬化物の凝集力、ひいては接着力の低下を招く。
【0041】
D成分としては、ロジンエステル樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族系石油樹脂及びクマロン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂が好ましい。このような粘着付与樹脂は、A成分との相溶性に優れており、これらを含有する接着剤組成物は、ポリオレフィン材料、汎用材料双方に対して充分な接着力を示し、硬化速度も優れる。
【0042】
ロジンエステル樹脂としては、エステルガムH、エステルガムHp、エステルガムAAG、スーパーエステルA100、スーパーエステルA115、パインクリスタルKE−311(以上、荒川化学工業(株)製);フォーラル85、フォーラル105、ステベライトエステル(以上、イーストマンケミカルジャパン製)が挙げられる。
【0043】
テルペンフェノール樹脂としては、YSポリスターT−80、YSポリスターT−100、YSポリスターT−115、YSポリスターT−130、YSポリスターT−145、YSポリスターS−145、YSポリスター#2100、YSポリスター#2300(以上、ヤスハラケミカル(株)製)が挙げられる。
【0044】
芳香族系石油樹脂としては、例えば、以下の一般式(6)で表される骨格を有する樹脂が挙げられる。
【化6】

【0045】
上式においてsは1以上の整数、rは0又は1以上の整数、tは0または1以上の整数を示す。このような芳香族系石油樹脂としては、FTR8120、タックエースA−100、タックエースF−100(以上、三井化学(株)製);ピコラスチックA75(イーストマンケミカルジャパン製)等が挙げられる。
【0046】
クマロン系樹脂としては、例えば、以下の一般式(7)で表される骨格を有する樹脂が挙げられる。
【化7】

【0047】
上式において、uは0又は1以上の整数、vは0又は1以上の整数、wは0又は1以上の整数を示す。但し、uとvは同時に0にはならない。このようなクマロン系樹脂としては、ニットレジンクマロンG‐90、ニットレジンクマロンG‐100N、ニットレジンクマロンV−120、ニットレジンクマロンV−120S(以上、日塗化学(株)製)が挙げられる。
【0048】
D成分の添加量は、A1成分とA2成分を含有するA成分100質量部に対し、1質量部以上200質量部以下が好ましい。また、B成分とD成分の合計量が、A成分100質量部に対して、5質量部以上200質量部以下であることが好ましく、5質量部以上100質量部以下がより好ましく、5質量部以上50量部以下が更に好ましい。A成分に対するB成分とD成分の合計量をこのような範囲にすることで、ポリオレフィン材料に対する接着性も汎用材料への接着性も更に優れるようになる。B成分に対するD成分の質量比(D成分/B成分)は、0.1以上10以下であることが好ましく、0.2以上8以下であることがより好ましく、0.3以上5以下がより好ましい。B成分に対するD成分の質量比をこのような範囲にすることで、塩素化ポリオレフィンの相溶性を向上させ、ポリオレフィンへの接着性を高く維持できる。B成分とD成分の合計量が5質量部未満では、ポリオレフィン材料への接着性が低下する傾向があり、200質量部を超えると接着剤粘度が高くなり取り扱いが困難になる場合がある。D成分/B成分が0.1未満の場合には硬化速度が低下する傾向があり、10を超える場合にはポリオレフィン材料への接着性が低下する場合がある。
【0049】
接着剤組成物は、以上説明したA成分、B成分、C成分及びD成分以外に、他の成分を含有していてもよい。
【0050】
このような成分としては、シランカップリング剤(有機基を有する加水分解性シラン)が挙げられ、有機基にグリシジル基、メタクリロキシ基、メルカプト基、アミノ基を有するシランカップリング剤が適用できる。シランカップリング剤としては、アミノ基を有するシランカップリング剤(アミノ基を有する加水分解性シラン)が好ましく、このようなシランカップリング剤は、例えば、以下の一般式(8)で表すことができる。このようなシランカップリング剤、特に、アミノ基を有する加水分解性シランを含有することで、硬化が促進され、汎用材料への接着力が更に向上する。
【化8】

【0051】
上式において、RおよびRは水素又は有機基を表す。有機基としては、例えば、メチル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基、アミノエチル基等の置換基を有するアルキル基等が挙げられる。RおよびRは同一でも異なっていてもよい。R10は2価の有機基である。RおよびXは前述のRおよびXと同様である。nは1、2又は3を表す。この加水分解性シランとして、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(R=R=H,R10=CHCHCH,X=OCH,n=3)およびN−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン(R=H,R=HNCHCH,R10=CHCHCH,X=OCH,n=3)等が挙げられる。
【0052】
シランカップリング剤の添加量は、A1成分とA2成分を含有するA成分100質量部に対し、0.1質量部以上50質量部以下が好ましく、1質量部以上20質量部以下がより好ましい。
【0053】
接着剤組成物にはまた、硬化触媒、充填剤、希釈剤、脱水剤、老化防止剤、揺変剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を添加することができる。
【0054】
硬化触媒としては、例えば、有機スズ、無機スズ、有機チタネート、アミン、リン酸エステル、リン酸エステルとアミンとの反応物、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物等公知の変成シリコーン樹脂用硬化触媒が使用できる。
【0055】
充填剤としては、炭酸カルシウム、タルク、クレー、カーボンブラック、シリカ、酸化チタン、ケイ酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、ガラスフィラー、有機系粉体、各種バルーン等公知の充填剤が使用できる。
【0056】
希釈剤としては、フタル酸エステル、ポリオキシアルキレン等公知の希釈剤が使用でき、脱水剤としては、ビニルアルコキシシラン、アルキルアルコキシシラン、オルトケイ酸エステル、無水硫酸ナトリウム、ゼオライト、等公知の脱水剤が使用できる。
【0057】
上述した接着剤組成物は、速硬化性を有しており、またポリオレフィン接着性に優れるため、速硬化性ポリオレフィン接着用として用いることができる。なお、被着体であるポリオレフィン材料には接着に先立ってプライマー処理することも可能であるが、本発明の接着剤組成物を用いる限りは、プライマー処理を省略することができる。
【実施例】
【0058】
以下、実施例及び比較例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0059】
(粘着付与剤の相溶性、固形性)
A成分に対するD成分の相溶性を下記のように確認した。
サイリルMA440((株)カネカ製:A成分)を100g、粘着付与剤(D成分)を10gそれぞれ自公転化撹拌機に添加し、減圧下130℃にて2時間撹拌することによって混練および脱水した。冷却後、その混合物にSCat‐27(日東化成製:ジブチルジメトキシスズ)を5g添加し樹脂組成物を調整した。その樹脂組成物をガラス板上に塗布し、透明性を目視によって確認した。透明性を示した場合を相溶性良好とし、白濁し透明性を損なった場合を非相溶とした。結果を以下の表1に示す。
なお、使用した粘着付与剤は、いずれも25℃で固形であった。なお、固形かどうかの判断は目視で行った。
【0060】
【表1】

【0061】
(ポリプロピレンに対する接着性:PP接着性)
実施例1〜6(表2)、比較例1〜11(表3及び表4)の接着剤組成物にてポリプロピレン板と綿帆布とを厚み約0.5mmの接着剤層により接着した。室温下7日間養生後、引張り試験機を用い、綿帆布を50mm/分の速度で180度方向に引張り、180度はく離強さ(N/25mm)を測定した。なお、養生時、室温は20±10℃に保ち、180度はく離強さは、25℃にて測定した。
【0062】
(接着力)
実施例1、比較例1の接着剤組成物にて合板相互を厚み約0.1mmの接着剤層により接着した。室温下1,2,4,および6時間養生後、引張り試験機を用い、50mm/分の速度でせん断方向に引張り、引張りせん断強さ(MPa)をそれぞれ測定した(図1)。実施例1〜6(表2)、比較例1〜11(表3)の接着剤組成物にて合板相互を接着した。室温下養生後、引張り試験機を用い、50mm/分の速度でせん断方向に引張り、引張りせん断強さ(MPa)を測定した。4時間養生後を初期接着力とし、硬化速度の指標とした(初期接着力の高いものほど硬化速度が速い)。また、7日間養生後を最終接着力とした。なお、養生時、室温は20±10℃に保ち、引張りせん断強さは、25℃にて測定した。
【0063】
(実施例1)
サイリルMA440を100g、ビゴット10(白石工業(株)製:炭酸カルシウム)を75g、スーパークロン814HS(日本製紙ケミカル(株)製:塩素化ポリプロピレン)を5g、FTR8120(粘着付与剤A)を3g、それぞれ自公転化撹拌機に添加し、減圧下130℃にて2時間撹拌することによって混練および脱水した。冷却後、その混合物にエチルシリケート28(コルコート(株)製:テトラエトキシシラン)を2g、KBM202SS(信越化学工業(株)製:ジフェニルジメトキシシラン)を3g、KBM603(信越化学工業(株)製:N‐(2‐アミノエチル)3‐アミノプロピルトリメトキシシラン)を5g、SCat‐27(日東化成製:ジブチルジメトキシスズ)を5g、それぞれ添加し接着剤組成物を調製した。
【0064】
(実施例2)
サイリルMA440を100g、ビゴット10を75g、スーパークロン814HSを5g、YSポリスターT‐100(粘着付与剤B)を10g、それぞれ自公転化撹拌機に添加し、減圧下120℃にて2時間撹拌することによって混練および脱水した。冷却後、その混合物にエチルシリケート28を2g、KBM202SSを3g、KBM603を5g、SCat‐27を5g、それぞれ添加し接着剤組成物を調製した。
【0065】
(実施例3)
サイリルMA440を100g、ビゴット10を75g、スーパークロン814HSを5g、ピコラスチックA75(粘着付与剤C)を10g、それぞれ自公転化撹拌機に添加し、減圧下120℃にて2時間撹拌することによって混練および脱水した。冷却後、その混合物にエチルシリケート28を2g、KBM202SSを3g、KBM603を5g、SCat‐27を5g、それぞれ添加し接着剤組成物を調製した。
【0066】
(実施例4)
サイリルMA440を100g、ビゴット10を75g、スーパークロン814HSを5g、ニットレジンクマロンG‐90(粘着付与剤D)を10g、それぞれ自公転化撹拌機に添加し、減圧下120℃にて2時間撹拌することによって混練および脱水した。冷却後、その混合物にエチルシリケート28を2g、KBM202SSを3g、KBM603を5g、SCat‐27を5g、それぞれ添加し接着剤組成物を調製した。
【0067】
(実施例5)
サイリルMA440を100g、ビゴット10を75g、スーパークロン814HSを5g、エステルガムH(粘着付与剤E)を10g、それぞれ自公転化撹拌機に添加し、減圧下120℃にて2時間撹拌することによって混練および脱水した。冷却後、その混合物にエチルシリケート28を2g、KBM202SSを3g、KBM603を5g、SCat‐27を5g、それぞれ添加し接着剤組成物を調製した。
【0068】
(実施例6)
サイリルMA440を100g、ビゴット10を75g、スーパークロン814HSを5g、FTR8120(粘着付与剤A)を3g、それぞれ自公転化撹拌機に添加し、減圧下130℃にて2時間撹拌することによって混練および脱水した。冷却後、その混合物にエチルシリケート28を2g、KBM202SSを6g、KBM603を5g、SCat‐27を5g、それぞれ添加し接着剤組成物を調製した。
【0069】
(比較例1)
粘着付与剤(D成分)を含まない接着剤組成物を以下の条件で作製した。
サイリルMA440を100g、ビゴット10を75g、スーパークロン814HSを5g、それぞれ自公転化撹拌機に添加し、減圧下120℃にて2時間撹拌することによって混練および脱水した。冷却後、その混合物にエチルシリケート28を2g、KBM202SSを9g、KBM603を5g、SCat‐27を5g、それぞれ添加し接着剤組成物を調製した。
【0070】
(比較例2)
粘着付与剤(D成分)を含まない接着剤組成物を以下の条件で作製した。
サイリルMA440を100g、ビゴット10を75g、スーパークロン814HSを5g、それぞれ自公転化撹拌機に添加し、減圧下120℃にて2時間撹拌することによって混練および脱水した。冷却後、その混合物にエチルシリケート28を2g、KBM202SSを3g、KBM603を5g、SCat‐27を5g、それぞれ添加し接着剤組成物を調製した。
【0071】
(比較例3)
塩素化ポリオレフィン(B成分)および加水分解性シラン(C成分)を含まない条件で粘着付与剤(D成分)を添加した接着剤組成物を以下の条件で作製した。
サイリルMA440を100g、ビゴット10を75g、FTR8120(粘着付与剤A)を10g、それぞれ自公転化撹拌機に添加し、減圧下130℃にて2時間撹拌することによって混練および脱水した。冷却後、その混合物にエチルシリケート28を2g、KBM603を5g、SCat‐27を5g、それぞれ添加し接着剤組成物を調製した。
【0072】
(比較例4)
塩素化ポリオレフィン(B成分)および加水分解性シラン(C成分)を含まない条件で粘着付与剤(D成分)を添加した接着剤組成物を以下の条件で作製した。
サイリルMA440を100g、ビゴット10を75g、FTR8120(粘着付与剤A)を20g、それぞれ自公転化撹拌機に添加し、減圧下130℃にて2時間撹拌することによって混練および脱水した。冷却後、その混合物にエチルシリケート28を2g、KBM603を5g、SCat‐27を5g、それぞれ添加し接着剤組成物を調製した。
【0073】
(比較例5)
A成分に対する相溶性のない粘着付与剤(D成分)を含む接着剤組成物を以下の条件で作製した。
サイリルMA440を100g、ビゴット10を75g、スーパークロン814HSを5g、アルコンP‐85(粘着付与剤F)を3g、それぞれ自公転化撹拌機に添加し、減圧下120℃にて2時間撹拌することによって混練および脱水した。冷却後、その混合物にエチルシリケート28を2g、KBM202SSを3g、KBM603を5g、SCat‐27を5g、それぞれ添加し接着剤組成物を調製した。
【0074】
(比較例6)
A成分に対する相溶性のない粘着付与剤(D成分)を含む接着剤組成物を以下の条件で作製した。
サイリルMA440を100g、ビゴット10を75g、スーパークロン814HSを5g、アルコンP‐85(粘着付与剤F)を10g、それぞれ自公転化撹拌機に添加し、減圧下120℃にて2時間撹拌することによって混練および脱水した。冷却後、その混合物にエチルシリケート28を2g、KBM202SSを3g、KBM603を5g、SCat‐27を5g、それぞれ添加し接着剤組成物を調製した。
【0075】
(比較例7)
A成分に対する相溶性のない粘着付与剤(D成分)を含む接着剤組成物を以下の条件で作製した。
サイリルMA440を100g、ビゴット10を75g、スーパークロン814HSを5g、YSレジンPX‐1000(粘着付与剤G)を3g、それぞれ自公転化撹拌機に添加し、減圧下120℃にて2時間撹拌することによって混練および脱水した。冷却後、その混合物にエチルシリケート28を2g、KBM202SSを3g、KBM603を5g、SCat‐27を5g、それぞれ添加し接着剤組成物を調製した。
【0076】
(比較例8)
A成分に対する相溶性のない粘着付与剤(D成分)を含む接着剤組成物を以下の条件で作製した。
サイリルMA440を100g、ビゴット10を75g、スーパークロン814HSを5g、YSレジンPX‐1000(粘着付与剤G)を10g、それぞれ自公転化撹拌機に添加し、減圧下120℃にて2時間撹拌することによって混練および脱水した。冷却後、その混合物にエチルシリケート28を2g、KBM202SSを3g、KBM603を5g、SCat‐27を5g、それぞれ添加し接着剤組成物を調製した。
【0077】
(比較例9)
A成分に対する相溶性のない粘着付与剤(D成分)を含む接着剤組成物を以下の条件で作製した。
サイリルMA440を100g、ビゴット10を75g、スーパークロン814HSを5g、YSレジンTO‐115(粘着付与剤H)を3g、それぞれ自公転化撹拌機に添加し、減圧下120℃にて2時間撹拌することによって混練および脱水した。冷却後、その混合物にエチルシリケート28を2g、KBM202SSを3g、KBM603を5g、SCat‐27を5g、それぞれ添加し接着剤組成物を調製した。
【0078】
(比較例10)
A成分に対する相溶性のない粘着付与剤(D成分)を含む接着剤組成物を以下の条件で作製した。
サイリルMA440を100g、ビゴット10を75g、スーパークロン814HSを5g、YSレジンTO‐115(粘着付与剤H)を10g、それぞれ自公転化撹拌機に添加し、減圧下120℃にて2時間撹拌することによって混練および脱水した。冷却後、その混合物にエチルシリケート28を2g、KBM202SSを3g、KBM603を5g、SCat‐27を5g、それぞれ添加し接着剤組成物を調製した。
【0079】
(比較例11)
サイリルMA440を100g、ビゴット10を75g、スーパークロン814HSを5g、FTR8120(粘着付与剤A)を3g、それぞれ自公転化撹拌機に添加し、減圧下130℃にて2時間撹拌することによって混練および脱水した。冷却後、その混合物にエチルシリケート28を2g、KBM202SSを9g、KBM603を5g、SCat‐27を5g、それぞれ添加し接着剤組成物を調製した。

【0080】
実施例1〜6におけるPP接着性(N/25mm)並びに初期及び最終接着力(MPa)を以下の表2に、比較例1〜11におけるPP接着性(N/25mm)並びに初期接着力(MPa)を以下の表3及び表4にそれぞれ示す。
【0081】
【表2】

【0082】
【表3】

【0083】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルキル基が炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位とアルキル基が炭素数10以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位とを含み加水分解性シリル基を有する共重合体(A1)、及び、加水分解性シリル基を有するオキシアルキレン重合体(A2)、を含有する湿気硬化性樹脂組成物(A)、
塩素化ポリオレフィン(B)、
2以上のフェニル基を有機基として有する加水分解性シラン(C)、並びに、
湿気硬化性樹脂組成物(A)と相溶性を有し25℃で固形の粘着付与樹脂(D)、を含有し、
加水分解性シラン(C)の含有量が、湿気硬化性樹脂組成物(A)100質量部に対して0質量部を超え9質量部未満である接着剤組成物。
【請求項2】
塩素化ポリオレフィン(B)と粘着付与樹脂(D)の合計量が、湿気硬化性樹脂組成物(A)100質量部に対して5質量部以上200質量部以下であり、塩素化ポリオレフィン(B)に対する粘着付与樹脂(D)の質量比が、0.1以上10以下である、請求項1記載の接着剤組成物。
【請求項3】
粘着付与樹脂(D)は、ロジンエステル樹脂、テルペンフェノール樹脂、芳香族系石油樹脂及びクマロン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂である、請求項1又は2に記載の接着剤組成物。
【請求項4】
アミノ基を有する加水分解性シランを更に含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項5】
アミノ基を有する加水分解性シランの含有量が、湿気硬化性樹脂組成物(A)100質量部に対して0.1質量部以上50質量部以下である、請求項4記載の接着剤組成物。
【請求項6】
ポリプロピレン板と綿帆布を接着し、室温下7日間養生後、50mm/分の速度で綿帆布を180度方向に引張りを加えた条件における、180度はく離強さが、80N/25mm以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項7】
合板同士を接着し、室温下で4時間養生後、50mm/分の速度で合板をせん断方向に引張った条件における引張りせん断強さが1.5MPa以上であり、室温下で7日間養生後、50mm/分の速度で合板をせん断方向に引張った条件における引張りせん断強さが3MPa以上である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の接着剤組成物。




【図1】
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【公開番号】特開2013−95873(P2013−95873A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241131(P2011−241131)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000111384)ノガワケミカル株式会社 (6)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】