説明

接続装置

【課題】スペーサの破壊を抑えて事故の発生を抑制するとともに、事故が発生した際には、その影響がガス絶縁開閉装置に波及するのを抑制することのできる接続装置を得ること。
【解決手段】接続装置3は、ガス絶縁開閉装置1と変圧器2とを接続させる接続装置であって、ガス絶縁開閉装置に隣接する第1中間室5を形成する第1タンク4と、第1中間室と変圧器との間に第2中間室7を形成する第2タンク6と、ガス絶縁開閉装置と第1中間室とを仕切る第1スペーサ11と、第1中間室と第2中間室とを仕切る第2スペーサ12と、第2中間室と変圧器とを仕切る第3スペーサ13と、第1タンクおよび第2タンクの内部に設けられるとともに、第1〜第3スペーサを貫通して、ガス絶縁開閉装置の導体と変圧器の導体とを電気的に接続させるタンク内導体8,14と、を備え、第1〜第3スペーサは、ガス絶縁開閉装置側に凸となる形状を呈する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス絶縁開閉装置と変圧器とを接続させる接続装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ガス絶縁開閉装置と変圧器とを接続して直結させる接続装置が用いられている。接続装置は、ガス絶縁開閉装置側の導体と変圧器側との導体とを電気的に接続させる接続導体と、接続導体を収容する中間室が内部に形成されたタンクと、を有して構成され、中間室には絶縁性能を確保するために絶縁ガスや油が充填される。
【0003】
例えば特許文献1には、内部に油が充填された変圧器と内部に絶縁ガスが充填されたガス絶縁開閉装置とを、タンクの内部に油が充填された接続装置とで接続する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭59−141429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の技術によれば、地絡事故などが発生して中間室での圧力が上昇した際に、中間室とガス絶縁開閉装置との間を仕切るスペーサが破壊されてしまうおそれがある。そして、スペーサが破壊されることで、油がガス絶縁開閉装置内に流入して、事故の影響がガス絶縁開閉装置にまで波及してしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、スペーサの破壊を抑えて事故の発生を抑制するとともに、事故が発生した際には、その影響がガス絶縁開閉装置に波及するのを抑制することのできる接続装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、ガス絶縁開閉装置と変圧器とを接続させる接続装置であって、ガス絶縁開閉装置に隣接する第1中間室を形成する第1タンクと、第1中間室と変圧器との間に第2中間室を形成する第2タンクと、ガス絶縁開閉装置と第1中間室とを仕切る第1スペーサと、第1中間室と第2中間室とを仕切る第2スペーサと、第2中間室と変圧器とを仕切る第3スペーサと、第1タンクおよび第2タンクの内部に設けられるとともに、第1〜第3スペーサを貫通して、ガス絶縁開閉装置の導体と変圧器の導体とを電気的に接続させるタンク内導体と、を備え、第1〜第3スペーサは、ガス絶縁開閉装置側に凸となる形状を呈することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、ガス絶縁開閉装置と変圧器との間に、第1中間室と第2中間室とを設けることで、事故の影響がガス絶縁開閉装置に波及しにくくすることができる。また、スペーサが、ガス絶縁開閉装置側に凸となる形状を呈するので、スペーサとタンク内導体との接触圧力を高めて、接続装置の信頼性の向上を図ることができる。また、ガス絶縁開閉装置側からの加圧によるスペーサの強度向上を図り、スペーサの破壊を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1にかかる接続装置を含む接続部分の内部構成を示す断面図である。
【図2】図2は、油絶縁におけるタンク内の圧力が大気圧であるとき、およびガス絶縁におけるタンク内のガス圧が0.5Mpaであるときのタンクの内径の最適寸法を説明するための図であって、タンクの内径と導体径の関係を示す図である。
【図3】図3は、油絶縁における圧力がタンク内の大気圧であるとき、およびガス絶縁におけるタンク内のガス圧が0.3Mpaであるときのタンクの内径の最適寸法を説明するための図であって、タンクの内径と導体径の関係を示す図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態2にかかる接続装置を含む接続部分の内部構成を示す断面図である。
【図5】図5は、図4に示すA部分を拡大した部分拡大図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態3にかかる接続装置を含む接続部分の内部構成を示す断面図である。
【図7】図7は、図6に示すB−B線に沿った矢視断面図である。
【図8】図8は、プレートの正面図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態4にかかる接続装置を含む接続部分の内部構成を示す断面図である。
【図10】図10は、図9に示すC−C線に沿った矢視断面図である。
【図11】図11は、スペーサの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施の形態にかかる接続装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる接続装置を含む接続部分の内部構成を示す断面図である。図1に示すように、接続装置3は、ガス絶縁開閉装置1の導体と変圧器2の導体とを接続させる。
【0012】
ガス絶縁開閉装置1は、円筒形状の密閉タンクの内部に導体が収容されており、密閉タンクの内部にはSFガス等の絶縁ガスが封入されている。ガス絶縁開閉装置1の密閉タンク内の圧力は、例えば0.3MPa〜0.5MPaの範囲で設定される。なお、ガス絶縁開閉装置1の構成や作用については、詳細な説明を省略する。
【0013】
変圧器2は、円筒形状の密閉タンクの内部に導体が収容されている。変圧器2は、密閉タンクの内部に油が充填された油絶縁変圧器である。変圧器2の密閉タンク内の圧力は、例えば大気圧と略同じ圧力に設定される。なお、変圧器2の構成や作用については、詳細な説明を省略する。
【0014】
接続装置3は、第1タンク4、第2タンク6、接続導体8、第1スペーサ11、第2スペーサ12、第3スペーサ13を備える。第1タンク4は、円筒形状を呈しており、ガス絶縁開閉装置1に隣接して配置される。第2タンク6は、円筒形状を呈しており、第1タンク4と変圧器2との間に配置される。第2タンク6は、労働安全衛生法による第二種圧力容器構造規格を満たす構造とされる。
【0015】
第1スペーサ11は、第1タンク4とガス絶縁開閉装置1の密閉タンクとの間に設けられ、第1タンク4の内部空間とガス絶縁開閉装置1の密閉タンクの内部空間とを仕切る。第2スペーサ12は、第1タンク4と第2タンク6との間に設けられて、第1タンク4の内部空間と第2タンク6の内部空間とを仕切る。第3スペーサ13は、第2タンク6と変圧器2の密閉タンクとの間に設けられて、第2タンク6の内部空間と変圧器2の密閉タンクとの間を仕切る。
【0016】
接続装置3には、第1タンク4、第1スペーサ11、および第2スペーサ12に囲まれた第1中間室5が形成される。また、第2タンク6、第2スペーサ12、および第3スペーサ13に囲まれた第2中間室7が形成される。すなわち、ガス絶縁開閉装置1と変圧器2との間に2つの中間室5,7が形成されることとなる。
【0017】
スペーサ11,12,13は、注型絶縁物による絶縁スペーサである。スペーサ11,12,13は、円錐形状を呈しており、ガス絶縁開閉装置1側に凸となるように配置される。スペーサ11,12,13は、その中央部分に開口11a,12a,13aが形成されている。開口11a,12a,13aには、それぞれ金属製の導体(埋め込み導体14)が埋め込まれている。
【0018】
埋め込み導体14は、スペーサ11,12,13を樹脂成形する際に、開口11a,12a,13aとなる位置に配置しておくことで、開口11a,12a,13a部分に埋め込まれる。これにより、埋め込み導体14とスペーサ11,12,13との間をより確実に密着させることができる。
【0019】
第1スペーサ11に埋め込まれた埋め込み導体14は、ソケット9によってガス絶縁開閉装置1の導体と電気的に接続される。また、第3スペーサ13に埋め込まれた埋め込み導体14は、ソケット9によって変圧器2の導体と接続される。第1中間室5、第2中間室7では、埋め込み導体14同士が接続導体8を介して電気的に接続される。なお、接続導体8と埋め込み導体14とは、ソケット9によって接続される。このように、ガス絶縁開閉装置1の導体と変圧器2の導体とが、接続導体8と埋め込み導体14とを介して電気的に接続される。なお、以下の説明において、接続導体8と埋め込み導体14とを合わせてタンク内導体ともいう。
【0020】
第1中間室5には、ガス絶縁開閉装置1の密閉タンク内と同様に、SFガス等の絶縁ガスが封入される。第1中間室5内の圧力は、例えば0.3MPa〜0.5MPaの範囲で設定される。第2中間室7には、変圧器2の密閉タンク内と同様に、油が充填される。第2中間室7内の圧力は、例えば大気圧と略同じ圧力に設定される。
【0021】
次に、第1タンク4および第2タンク6の内径d1と、ガス絶縁開閉装置1の密閉タンクの内径d2との関係について説明する。図2は、油絶縁におけるタンク内の圧力が大気圧であるとき、およびガス絶縁におけるタンク内のガス圧が0.5Mpaであるときのタンクの内径の最適寸法を説明するための図であって、タンクの内径と導体径の関係を示す図である。図3は、油絶縁におけるタンク内の圧力が大気圧であるとき、およびガス絶縁におけるタンク内のガス圧が0.3Mpaであるときのタンクの内径の最適寸法を説明するための図であって、タンクの内径と導体径の関係を示す図である。
【0022】
図2および図3における線分s1は、第2タンク6のように内部に油を充填させて油絶縁を行った場合に、許容電界の範囲内に抑えることのできるタンクの内径と導体径の関係を示している。そして、線分s1よりも上側の範囲でタンクの内径と導体径を選択すれば、許容電界を超えないようにすることができる。
【0023】
なお、線分s1については、油が充填されたタンク内の圧力が大気圧の場合を示しており、図2と図3とで違いはない。ここで、タンクの内径を小さくするほど製造コストを抑えやすくなるため、油が充填されたタンクでは、P1で示す点がコスト面において最適な内径を示していることとなる。すなわち、油が充填された第2タンク6では、内径d1をP1で示される値に設定することが好ましい。
【0024】
図2における線分t1および図3における線分t2は、ガス絶縁開閉装置1のように内部に絶縁ガスを封入してガス絶縁を行った場合に、許容電界の範囲内に抑えることのできるタンクの内径と導体径の関係を示している。また、線分u1およびu2は、絶縁ガスを封入したタンクの温度を、規格で定められた温度に抑えることができるタンクの内径と導体径との関係を示している。
【0025】
なお、図2に示す線分t1,u1については、タンク内のガス圧が0.5MPaである場合を示している。また、図3に示す線分t2,u2については、タンク内のガス圧が0.3MPaである場合を示している。そして、図2では、線分t1の上側かつ線分u1よりも上側の範囲でタンクの内径と導体径を選択すれば、許容電界および許容温度を超えないようにすることができる。また、図3では、線分t2の上側かつ線分u2よりも上側の範囲でタンクの内径と導体径を選択すれば、許容電界および許容温度を超えないようにすることができる。
【0026】
上述したように、タンクの内径を小さくするほど製造コストを抑えやすくなるため、絶縁ガスが充填されたタンクでは、ガス圧が0.5MPaであればQ1で示す点が、コスト面において最適な内径を示していることとなる。また、ガス圧が0.3MPaであればQ2で示す点が、コスト面において最適な内径を示していることとなる。すなわち、絶縁ガスが充填されるガス絶縁開閉装置1の密閉タンクでは、ガス圧が0.5MPaであればQ1で示される値、ガス圧が0.3MPaであればQ2で示される値に内径d2を設定することが好ましい。
【0027】
ここで、図2では、P1での内径とQ1での内径の比、すなわちd1/d2が約2.0となる。また、図3では、P1での内径とQ2での内径の比、すなわちd1/d2が約1.4となる。したがって、ガス絶縁開閉装置1や第1中間室5内の圧力を0.3MPa〜0.5MPaの範囲に設定する場合には、第2タンク6の内径d1とガス絶縁開閉装置1の密閉タンクの内径d2とが、1.4≦d1/d2≦2.0の関係を満たすようにすることで、接続装置3の製造コストの抑制を図ることができる。なお、第1タンク4の内径は、第2タンク6の内径と同径(d1)に設定している。
【0028】
以上説明したように、接続装置3は、ガス絶縁開閉装置1と変圧器2との間に2つの中間室5,7を備える。そのため、地絡事故の発生時などに、第2中間室7の圧力が上昇し、第2スペーサ12が破壊された場合であっても、第2タンク6内の油は第1中間室5に流入するので、ガス絶縁開閉装置1への油の流入を防ぐことができる。すなわち、事故の影響がガス絶縁開閉装置1にまで波及するのを防ぐことができる。
【0029】
また、第2タンク6を、第二種圧力容器構造規格を満たす構造としているので、第2中間室7内の圧力上昇時に、第2タンク6が破壊されにくくなる。第2タンク6が破壊されにくくなることで、圧力上昇時に第2スペーサ12のほうが破壊されやすくなるが、第2スペーサ12が破壊されてしまった場合であっても、上述したように、ガス絶縁開閉装置1まで事故の影響が波及するのを防ぐことができるので、接合部全体として事故の影響の極小化を図ることができる。
【0030】
また、スペーサ11,12,13をガス絶縁開閉装置1側が凸となるように設けているので、ガス絶縁開閉装置1側からの加圧に対する強度の向上を図ることができる。絶縁ガスが封入されるガス絶縁開閉装置1や第1中間室5は、内部の圧力が0.3MPa〜0.5MPaに設定されている。一方、油が充填される第2中間室7や変圧器2では、内部の圧力が大気圧と略同等に設定されている。
【0031】
すなわち、接続装置3を含む接続部では、変圧器2側からの圧力よりも、ガス絶縁開閉装置1側からの圧力のほうが大きくなっている。したがって、ガス絶縁開閉装置1側からの加圧に対する強度を向上させることで、スペーサ11,12,13が圧力によって破壊されるのを防ぐことができる。
【0032】
また、第2スペーサ12のように、凸側の空間の圧力のほうが凹側の空間の圧力より高い場合には、凸側の空間の圧力によって第2スペーサ12の開口12a部分が埋め込み導体14側に押し付けられることとなり、互いの接触圧力が増加する。したがって、開口12aと埋め込み導体14との間から絶縁ガスや油を漏れにくくすることができる。絶縁ガスが油に溶け込むと油の絶縁性能が低下する場合がある。したがって、開口12aと埋め込み導体14との間から絶縁ガスや油を漏れにくくすることで、接続装置3の信頼性の向上を図ることができる。
【0033】
なお、変圧器2の密閉タンクおよび第2タンク6の内部に、油の代わりに絶縁ガスを封入して、ガス絶縁変圧器を用いた接続部として構成しても構わない。
【0034】
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2にかかる接続装置を含む接続部分の内部構成を示す断面図である。図5は、図4に示すA部分を拡大した部分拡大図である。なお、上記実施の形態と同様の構成については、同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0035】
実施の形態2にかかる接続装置50では、第1タンク4内において接続導体8が、開閉装置側導体8aと変圧器側導体8bとに分割されている。そして、図5に示すように、開閉装置側導体8aと変圧器側導体8bとの間には、着脱接続部15が設けられる。
【0036】
着脱接続部15は、ボルト孔15aが形成されており、ボルト19によって開閉装置側導体8aと変圧器側導体8bとに固定されている。着脱接続部15は、金属等を用いて構成されており、開閉装置側導体8aと変圧器側導体8bとは着脱接続部15を介して電気的に接続されている。
【0037】
また、第1タンク4は、開閉装置側第1タンク4aと変圧器側第1タンク4bとに分割可能とされている。開閉装置側第1タンク4aと変圧器側第1タンク4bとの間は、図示しないボルトなどにより密封されている。
【0038】
開閉装置側第1タンク4aには、第1中間室5に手などを挿入可能とするハンドホール16が設けられている。ハンドホール16は、着脱可能に設けられた蓋17で塞がれている。変圧器側第1タンク4bには、ベローズ(伸縮部)18が設けられており、変圧器側第1タンク4bは、接続導体8の延びる方向と略平行に伸縮可能とされている。
【0039】
このように構成された接続装置50では、接続装置50の分解の容易化が図られる。上記実施の形態1のように、着脱接続部15が設けられていない場合には、第1タンク4内の接続導体8は、ソケット9間に嵌まっているため、ガス絶縁開閉装置1側にも変圧器2側にも動かすことができず、抜き取ることが難しい。そのため、接続導体8が邪魔になって第1タンク4を抜き取ることもできない。
【0040】
一方、本実施の形態2では、ハンドホール16を通して第1中間室5に手などを挿入して、着脱接続部15を取り外すことによって、接続導体8を移動可能とすることができる。具体的には、開閉装置側導体8aを変圧器2側に移動させてソケット9から抜き取ることができるようになり、変圧器側導体8bをガス絶縁開閉装置1側に移動させてソケット9から抜き取ることができるようになる。したがって、予め接続導体8を取り外すことができるので、第1タンク4の抜き取りが可能となる。
【0041】
また、上記実施の形態1で示すような分割されていない第1タンク4では、第1中間室5側に突出した第2スペーサ12の凸部分が邪魔になって、第1タンク4を抜き取ることが難しい。
【0042】
一方、本実施の形態2では、第1タンク4が分割可能とされているため、第2スペーサ12の凸部分に邪魔されずに開閉装置側第1タンク4aを抜き取ることができる。さらに、ベローズ18が設けられているため、変圧器側第1タンク4bを縮めることができるので、より容易に開閉装置側第1タンク4aを抜き取ることができる。
【0043】
なお、本実施の形態2では、開閉装置側第1タンク4aにハンドホール16を設け、変圧器側第1タンク4bにベローズ18を設けたが、これに限られない。例えば、開閉装置側第1タンク4aにベローズ18を設け、変圧器側第1タンク4bにハンドホール16を設けてもよいし、開閉装置側第1タンク4aおよび変圧器側第1タンク4bのいずれか一方に、ハンドホール16とベローズ18の両方を設けてもよい。
【0044】
実施の形態3.
図6は、本発明の実施の形態3にかかる接続装置を含む接続部分の内部構成を示す断面図である。図7は、図6に示すB−B線に沿った矢視断面図である。図8は、プレートの正面図である。なお、上記実施の形態と同様の構成については、同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0045】
本実施の形態3では、変圧器60の導体、および接続装置100の接続導体8が三相で構成され、変圧器60の密閉タンクや第1タンク104や第2タンク106の内部には、導体や接続導体8が3本一括で設けられる。それに合わせて、第1スペーサ11、第2スペーサ12、および第3スペーサ13はそれぞれ3枚ずつ用いられる。ガス絶縁開閉装置1は、3つ用いることで三相に対応させている。
【0046】
図7に示すように、3本の接続導体8および3枚の第2スペーサ12は、正三角形となる位置に配置される。そして、3枚の第2スペーサ12間の隙間を塞ぐために、第1タンク104と第2タンク106との間に第2プレート22が設けられる。なお、他のスペーサ11,13も同様に正三角形に配置され、それらの隙間を防ぐために第1プレート21および第3プレート23が設けられる。なお、プレート21,22,23は、第1タンク104や第2タンク106と同じ材料、例えば金属を用いて構成される。
【0047】
図8に示すように、プレート21,22,23には、スペーサ11,12,13が配置される位置に開口21a,22a,23aが形成されている。そして、第1タンク104および第2タンク106の内径d3とガス絶縁開閉装置1の密閉タンクの内径d2との比、すなわちd2/d3が、d2/d3<1/2.5となるように設定することで、スペーサ11,12,13の配置の最適化を図っている。
【0048】
なお、本実施の形態3では、プレート21,22,23とタンク104,106を別体構成したが、これに限られない。例えば、第1プレート21と第1タンク104を一体に構成してもよいし、第2プレート22と第2タンク106を一体に構成してもよい。
【0049】
また、第2タンク106を上記実施の形態1と同様に第二種圧力容器構造規格を満たす構造としてもよい。また、上記実施の形態2で説明した着脱接続部やハンドホールやベローズを本実施の形態3にかかる接続装置100に適用してもよい。
【0050】
実施の形態4.
図9は、本発明の実施の形態4にかかる接続装置を含む接続部分の内部構成を示す断面図である。図10は、図9に示すC−C線に沿った矢視断面図である。図11は、スペーサの正面図である。なお、上記実施の形態と同様の構成については、同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0051】
本実施の形態4では、ガス絶縁開閉装置70の導体、変圧器60の導体、および接続装置150の接続導体8が三相で構成され、ガス絶縁開閉装置70および変圧器60の密閉タンクや第1タンク154や第2タンク156の内部には、導体や接続導体8が3本一括で設けられる。それに合わせて、第1スペーサ161、第2スペーサ162、第3スペーサ163にはそれぞれ3箇所の開口161a,162a,163aが形成されている。
【0052】
そして、それぞれの開口161a,162a,163aに埋め込み導体14が埋め込まれている。また、第1スペーサ161、第2スペーサ162、第3スペーサ163は、3箇所の開口161a,162a,163a部分がガス絶縁開閉装置70側に凸となる形状を呈している。
【0053】
第1タンク154および第2タンク156の内径d4とガス絶縁開閉装置70の密閉タンクの内径d5との比、すなわちd5/d4が、d5/d4<1/2.0となるように設定することで、スペーサ161,162,163の形状の最適化を図っている。
【0054】
また、第2タンク156を上記実施の形態1と同様に第二種圧力容器構造規格を満たす構造としてもよい。また、上記実施の形態2で説明した着脱接続部やハンドホールやベローズを本実施の形態3にかかる接続装置150に適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
以上のように、本発明にかかる接続装置は、ガス絶縁開閉装置と変圧器とを接続させる接続装置に有用である。
【符号の説明】
【0056】
1 ガス絶縁開閉装置
2 変圧器
3 接続装置
4 第1タンク
4a 開閉装置側第1タンク
4b 変圧器側第1タンク
5 第1中間室
6 第2タンク
7 第2中間室
8 接続導体
8a 開閉装置側導体
8b 変圧器側導体
9 ソケット
11 第1スペーサ
11a 開口
12 第2スペーサ
12a 開口
13 第3スペーサ
13a 開口
14 埋め込み導体
15 着脱接続部
15a ボルト孔
16 ハンドホール
17 蓋
18 ベローズ
19 ボルト
21 第1プレート
21a 開口
22 第2プレート
22a 開口
23 第3プレート
23a 開口
50 接続装置
60 変圧器
70 ガス絶縁開閉装置
100 接続装置
104 第1タンク
106 第2タンク
150 接続装置
154 第1タンク
156 第2タンク
161 第1スペーサ
161a 開口
162 第2スペーサ
162a 開口
163 第3スペーサ
163a 開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス絶縁開閉装置と変圧器とを接続させる接続装置であって、
前記ガス絶縁開閉装置に隣接する第1中間室を形成する第1タンクと、
前記第1中間室と前記変圧器との間に第2中間室を形成する第2タンクと、
前記ガス絶縁開閉装置と前記第1中間室とを仕切る第1スペーサと、
前記第1中間室と前記第2中間室とを仕切る第2スペーサと、
前記第2中間室と前記変圧器とを仕切る第3スペーサと、
前記第1タンクおよび前記第2タンクの内部に設けられるとともに、前記第1〜第3スペーサを貫通して、前記ガス絶縁開閉装置の導体と前記変圧器の導体とを電気的に接続させるタンク内導体と、を備え、
前記第1〜第3スペーサは、前記ガス絶縁開閉装置側に凸となる形状を呈することを特徴とする接続装置。
【請求項2】
前記第1中間室に絶縁ガスが充填され、
前記第2中間室に油が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の接続装置。
【請求項3】
前記第1中間室および前記第2中間室に絶縁ガスが充填されていることを特徴とする請求項1に記載の接続装置。
【請求項4】
前記タンク内導体は、前記第1タンク内で前記ガス絶縁開閉装置側に設けられる開閉装置側導体と、前記第1タンク内で前記変圧器側に設けられる変圧器側導体とを有して構成され、
前記第1タンクは、前記ガス絶縁開閉装置側の開閉装置側第1タンクと、前記変圧器側の変圧器側第1タンクとに分割可能とされ、前記開閉装置側第1タンクおよび前記変圧器側第1タンクの少なくとも一方には伸縮部が設けられて前記導体の延びる方向と略平行に伸縮可能とされ、
前記開閉装置側導体と前記変圧器側導体との間に着脱可能に設けられて、前記開閉装置側導体と前記変圧器側導体とを電気的に接続させる着脱接続部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の接続装置。
【請求項5】
前記タンク内導体は単相で構成され、
前記第1タンクおよび第2タンクの内径をd1とし、前記ガス絶縁開閉装置の外郭を構成するタンクの内径をd2とした場合に、1.4≦d1/d2≦2.0となることを特徴とする請求項2に記載の接続装置。
【請求項6】
前記タンク内導体は三相で構成され、
前記第1〜第3スペーサは、それぞれのタンク内導体に対応して3つずつ設けられ、
前記ガス絶縁開閉装置と前記第1中間室とを仕切る第1プレートと、
前記第1中間室と前記第2中間室とを仕切る第2プレートと、
前記第2中間室と前記変圧器とを仕切る第3プレートと、をさらに備え、
前記第1〜第3プレートには、前記第1〜第3スペーサによって塞がれる3つの開口が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の接続装置。
【請求項7】
前記三相のタンク内導体は、前記ガス絶縁開閉装置において外郭を構成する3つのタンク内にそれぞれ設けられた導体に接続され、
前記第1タンクおよび第2タンクの内径をd3とし、前記ガス絶縁開閉装置の外郭を構成するタンクの内径をd2とした場合に、d2/d3<1/2.5となることを特徴とする請求項6に記載の接続装置。
【請求項8】
前記タンク内導体は三相で構成され、
前記第1〜第3スペーサは、1のスペーサに前記三相のタンク内導体を貫通させるとともに、その貫通部分が前記ガス絶縁開閉装置側に凸となる形状を呈することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の接続装置。
【請求項9】
前記三相のタンク内導体は、前記ガス絶縁開閉装置において外郭を構成する1のタンク内に設けられた導体に接続され、
前記第1タンクおよび第2タンクの内径をd3とし、前記ガス絶縁開閉装置において外郭を構成する1のタンクの内径をd5とした場合、d5/d4<1/2.0となることを特徴とする請求項8に記載の接続装置。
【請求項10】
前記第2タンクは、労働安全衛生法による第二種圧力容器構造規格を満たす構造であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の接続装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−59213(P2013−59213A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196404(P2011−196404)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】