説明

接続部を有するホース

【課題】取付具への取り付けのための接着を必要としない末端接続部を備える、螺旋チューブを形成する。
【解決手段】平滑管状壁2および平滑管状壁2上に螺旋状に巻かれたリブ3からなるホース1は、1つ以上のダクト部4および1つ以上の接続部5を備え、接続部5において、リブ3は、ダクト部4においてよりも狭いピッチで、螺旋状に巻かれる。接続部5における切断操作の後、チューブ1から得られた一端部は呼吸回路の接続要素に直接接続し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続部を有するホースに関する。
【0002】
特に、本発明は、説明が一般性を失うことなく明確である、呼吸回路チューブに言及する。呼吸回路は、患者の気管または気管切開チューブを、柔軟性のある形で、換気システムと連結するために、使用される。
【0003】
近年、該目的で使用されるチューブの種類には、一般的に、PVC製であり、可撓性平担部および連続螺旋で巻かれる剛体補強リブから成る螺旋チューブ、または一般的に、連続ブローポリエチレンもしくはポリプロピレン製であり、専用取付具への接続を容易にするための挿入部が備わっている波形チューブ、または同様に、一般的に、連続ブローポリプロピレン製であり、専用取付具への接続を容易にするための挿入部が備わっている伸縮チューブがある。後者は、パックされて供給される。
【0004】
凝縮は、呼吸回路チューブ内で形成され得て、これは、患者および回路自体の内部に存在する細菌にとっては媒体に相当し、それが肺に入り込み得るため、患者に対する重大な危険となることに加えて、その正しい機能を妨げる。この点に関して、好ましい種類のチューブは、透明壁を有することから、螺旋チューブであり、壁は平滑であるため、一方の波形チューブにおいては起こる現象である、凝縮の蓄積を促進し得る死角がない。
【0005】
一般的に、螺旋チューブは、溶媒接着により取付具に取り付けられる、可撓性末端接続部を有する。
【0006】
本発明の目的は、取付具への取り付けのための接着を必要としない末端接続部を備える、螺旋チューブを形成することである。
【0007】
本発明の対象は、平滑管状壁および該平滑管状壁に螺旋状に巻かれたリブを備えるホースであり、該ホースは、1つ以上のダクト部および1つ以上の接続部を備えることを特徴とし、該接続部において、該リブは、該ダクト部においてよりも狭いピッチで螺旋状に巻かれる。
【0008】
本発明のチューブの好適な実施形態に従い、該接続部において、螺旋状に巻かれたリブのピッチは、最小では、ほとんどゼロまで小さくなる。
【0009】
さらなる好適な実施形態に従い、螺旋状に巻かれたリブは、剛体材料製のコアを備える。
【0010】
以下の実施例は、添付図面の図の助けを借りて、例示的な限定されない目的で、本発明のよりよい理解に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1a】押出機により形成されるような、本発明に従ったチューブを示す図である。
【図1b】図1aに図解されるチューブから得られる、チューブを示す図である。
【図1c】図1bのチューブの縦断面図である。
【図2】本発明のさらなる実施形態に従った、チューブの縦断面図である。
【図3a】図2のチューブのリブの第一の断面を示す図である。
【図3b】図2のチューブのリブの第二の断面を示す図である。
【図3c】図2のチューブのリブの第三の断面を示す図である。
【図3d】図2のチューブのリブの第四の断面を示す図である。
【0012】
図1aにおいて、番号1は、本発明の対象となるホース全体を示す。
【0013】
チューブ1は、押出により形成され、平滑管状壁2、および螺旋が巻かれる平滑管状壁2と同一材料製のリブ3を備える。
【0014】
押出機により得られるようなチューブ1は、ダクト部4および接続部5の連続を備え、それらの1つのみが、図1aに見られ得る。ダクト部4のそれぞれが、ゼロとは異なり、かつ従来の螺旋チューブに共通している、一定のピッチを有する一方で、接続部5のそれぞれは、最小では、ほとんどゼロまで小さくなるピッチで螺旋状に巻かれたリブ3を備える。
【0015】
図1bおよび図1cにおいて、番号6は、接続部における切断操作の後の、チューブ1から得られたチューブを示す。このように、形成されたチューブ6は、チューブ1の接続部5の一部から生じ、呼吸回路の接続要素に直接接続し得るように、チューブ6の一端部6aに配置される、接続部5aを備える。
【0016】
図1cから明らかなように、接続部5および5aのリブ3のピッチは最小では、ほとんどゼロに小さくなり、そのためチューブの壁は厚くなる。
【0017】
図2において、本発明の対象となるチューブのさらなる実施形態では、全体が番号7で示される。
【0018】
チューブ1の構成に等しいチューブ7の構成は、同一の番号により示され、繰り返しの説明は省略する。
【0019】
チューブ7は、この場合番号8で示される異なるリブ構造で、チューブ1と区別される。ダクト部4に存在するリブ8は、剛体コア9を備える。特に、図2に示されるように、かつ図3a〜図3dに詳細に図解されるように、剛体コア9の厚さは、チューブ7の一端部7aに位置する接続部5aから離れるにつれて増加する。言い換えれば、ダクト部4において、接続部5a近傍のリブ8は、非常に小さい直径の剛体コア9(図3a)を有し、その直径は、ダクト部4の内側に近づくにつれて増加し(図3b〜3d)、一度特定の寸法に達すると、一定のままである。
【0020】
この第2の実施形態に従ったチューブは、3つの異なる押出機を使用した押出により、形成され得る。第1の押出機は、管状壁2の押出を担い、第2および第3の押出機はそれぞれ、リブの剛体コア、およびリブの外側部分の押出を担う。特に、第2および第3の押出機の押出スクリューの速度を変化させることにより、リブの外径を変化せずに維持しながら、剛体コア材料およびリブの外側材料の両方の量を加えていくことが可能である。言い換えれば、共押し出しの可変性の可変ピッチ回転軸との組み合わせは、剛体コアのスクリュー速度の減少、および軟質材料のスクリュー速度の増加と相まって、停止することなく、押出中にピッチの漸進的な減少を可能にする。
【0021】
本発明のチューブは、一構成要素で、チューブ自体の異なる部分の剛性および可撓性に関して、従来技術のホースと同一の特性を保証する利点を提供する。
【0022】
特に、本発明のチューブは、呼吸回路において、それらの組み立てのための特定の取付具の使用を必要とせず、したがって、接着剤による接着操作を必要としない。実際に、本
発明の対象となるチューブは、単純な挿入操作による回路の組み立てを可能にする。さらに、本発明の対象となるチューブは、PVCとは異なる材料で製造され得る。最後に、一度複数の接続部を備えるチューブが、押出により形成されると、チューブは、切断が行われる場所に従い、必要とされる長さの末端接続部を有して形成され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状壁(2)および前記管状壁(2)上に螺旋状に巻かれたリブ(3、8)を備えるホース(1)であって、
前記ホース(1)は、1つ以上のダクト部(4)および1つ以上の接続部(5)を備え、
前記接続部(5)において、前記リブ(3、8)は、前記ダクト部(4)においてよりも狭いピッチで、螺旋状に巻かれることを特徴とするホース(1)。
【請求項2】
前記接続部(5)において、螺旋状に巻かれた前記リブ(3、8)のピッチは、最小では、ほとんどゼロまで小さくなることを特徴とする請求項1に記載のホース(1)。
【請求項3】
螺旋状に巻かれた前記リブ(8)は、剛体材料のコア(9)を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のホース(1)。
【請求項4】
前記リブ(8)の前記剛体材料のコア(9)は、少なくとも前記ダクト部(4)内において存在することを特徴とする請求項3に記載のホース(1)。
【請求項5】
前記剛体材料のコア(9)は、前記接続部(5a)から離れて、前記ダクト部(4)の内側に近づくにつれて、その直径を増加させ、前記剛体材料のコア(9)の前記直径は、一度特定の寸法に達すると、一定のままであることを特徴とする請求項4に記載のホース(1)。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項による接続部(5)の特徴を有するホース(6、7)であって、
一端部(6a、7a)に配置される少なくとも1つの接続部(5a)を備えることを特徴とするホース(6、7)。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか一項に記載されるホース(1)の一つの接続部(5)における切断操作により、形成されることを特徴とする請求項6に記載のホース(6、7)。
【請求項8】
管状壁(2)および前記管状壁(2)上に螺旋状に巻かれたリブ(3、8)を備えるホース(1)を、押出により形成するための方法であって、
前記ホース(1)は、1つ以上のダクト部(4)および1つ以上の接続部(5)を備え、前記リブは、前記ダクト部(4)においてよりも狭いピッチで巻かれることを特徴とする方法。
【請求項9】
前記接続部(5)において、前記螺旋状に巻かれたリブ(3、8)のピッチは、最小では、ほとんどゼロまで小さくなることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記リブ(8)は、剛体材料のコア(9)を備えることを特徴とする請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
3つの異なる押出機を使用し、それぞれの押出機が、管状壁(2)、前記剛体材料のコア(9)、および前記リブの外側材料の押出を担うことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
請求項8から11のいずれか一項の方法により形成されるホース(1)の、一つの接続部(5)における切断操作により、ホース(6、7)を形成することを特徴とする方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【公開番号】特開2009−297514(P2009−297514A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−138445(P2009−138445)
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【出願人】(507253897)コヴィディエン アクチエンゲゼルシャフト (11)