説明

接触インターフェイスと非接触インターフェイスを有するカードリーダ

システム機能を実行するシステム(1)、たとえば、PCシステムは、第一に、接触結合データキャリア(40)から接触結合リードライトステーション(16)へ転送可能な接触結合特性ブロック(ATR)を処理し、この処理の結果として、少なくとも1個の制御信号(CS1,CS2,CS3)を生成するように設計された接触結合特性ブロック処理ステージ(9)と、第二に、非接触データキャリア(20,30)と協働するように設計され、非接触データキャリア(20,30)から非接触リードライト装置(14,15)へ転送された非接触特性ブロック(ATS,UID)を認識する接触結合特性ブロック認識ステージ(25,35)を含む非接触リードライト装置(14,15)と、第三に、認識された非接触特性ブロック(ATS,UID)を利用することにより接触結合ブロック(ATR)を生成し、それを接触結合特性ブロック処理ステージ(9)へ供給する接触結合特性ブロック生成ステージ(26,36)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも以下の手段、すなわち、接触結合データキャリアから接触結合リードライト装置へ転送可能である接触結合特性ブロックを処理するように設計され、接触結合特性ブロックの処理の結果として、少なくとも1個の制御信号を生成するようにするように設計された接触結合特性ブロック処理ステージを含み、システム機能を実行するシステムに関係する。
【0002】
本発明はさらに接触結合特性ブロックを生成する方法に関係する。
【背景技術】
【0003】
最初の段落で言及された構造に対応するシステムは知られており、すなわち、パーソナルコンピュータシステムの形式である。この既知のシステムは、標準規格ISO7816に準拠したリードライト装置が装備されたパーソナルコンピュータを含む。よって、リードライト装置は接触結合の構造で作られ、接触結合データキャリア、すなわち、同様に標準規格ISO7816に準拠する接触結合カードと協働するように作られる。接触結合リードライト装置は、備えられるとともに接触結合カードから接触結合リードライト装置へ転送された接触結合特性ブロックを認識するように設計された接触結合特性ブロック認識ステージを含む。接触結合特性ブロックは、標準規格ISO7816に従って規定された特性ブロックであり、「リセット応答(Answer to Reset)」という名前が付けられ、それに対して略語ATRが定められ、慣習的である。接触結合特性ブロックATRは、ISO7816に準拠したカードの初期化に使用され、当該カードを識別し、特に接触結合特性ブロックATRを用いて、当該カードのタイプ、および/または、当該カードの能力、および/または、当該カードの製造業者、および/または、当該カードの配給業者などがリードライト装置へ通信される。通信された接触結合特性ブロックは接触結合特性ブロック処理ステージを用いて処理され、接触結合特性ブロックATRの処理の結果として、複数の制御信号と制御コマンドの両方または一方が生成され、既知のシステムの種々の部分または領域を制御するために利用される。たとえば、既知のシステムをイネーブルにする制御信号が生成される。その他の生成された制御信号を用いて、既知のシステムの種々のシステム機能の自動起動が実行される。
【0004】
既知のシステムは、備えられるとともに上記の制御信号または制御コマンドが、接触結合データキャリア、および、接触結合データキャリアとの協働のため構成されたリードライト装置だけを用いて生成されるという制限がある。よって、接触結合データキャリアを接触結合リードライト装置に接触接続させることが常に必要であり、このことが不便さ、よって特に望ましくはない動作をかなり頻繁に要求する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記の問題を解決し、最初の段落の導入部に記載された構造に対応する改良型システムを実現することである。本発明のさらなる目的は、接触結合特性ブロックを作成する新しい方法を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明によるシステムにおいて、本発明による特長は、本発明によるシステムが以下に指定される様態で特徴付けられるように提供される。
【0007】
すなわち、システム機能を実行するシステムは、少なくとも以下に述べる手段、すなわち、接触結合データキャリアから接触結合リードライトステーションに転送可能である接触結合特性ブロックを処理するように設計され、その接触結合特性ブロックの処理の結果として、少なくとも1個の制御信号を生成するように設計された接触結合特性ブロック処理ステージと、非接触データキャリアと協働するように設計され、非接触データキャリアから非接触リードライト装置へ転送された非接触特性ブロックを認識するように設計された非接触特性ブロック認識ステージを含む非接触リードライト装置と、非接触特性ブロック認識ステージで認識された非接触特性ブロックを処理するように設計され、非接触特性ブロックの処理の結果として、接触結合特性ブロックを生成するように設計された接触結合特性ブロック生成ステージとを含み、非接触特性ブロックを処理することにより生成された接触結合特性ブロックが接触結合特性ブロック処理ステージへ供給される。
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明によるシステムにおいて、本発明による特長は、本発明による方法が以下に指定される様態で特徴付けられるように提供される。
【0009】
すなわち、接触結合特性ブロックを生成する方法は、以下に述べる方法ステップ、すなわち、非接触特性ブロックを非接触特性ブロック認識ステージへ供給するステップと、非接触特性ブロック認識ステージで非接触特性ブロックを認識するステップと、認識された非接触特性ブロックを接触結合特性ブロック生成ステージへ供給するステップと、接触結合特性ブロック生成ステージで供給された非接触特性ブロックを処理するステップと、接触結合特性ブロック生成ステージでの非接触特性ブロックの処理の結果として接触結合特性ブロック生成ステージで接触結合特性ブロックを生成するステップとを含む。
【0010】
本発明による特長を提供することにより、簡単な様態、かつ、適度の追加費用だけで、本発明によるシステムにおいて、非接触データキャリアおよびその非接触データキャリアと協働する非接触リードライト装置を用いて本発明によるシステムの信号処理回路のための制御信号または制御コマンドを生成することが可能である。このようにして、制御信号または制御コマンドの生成は十分により便利であり、かつ、より都合のよい様態で起動可能である。本発明による特長を提供することにより、本発明によるシステムにおいて、第一に、非接触特性ブロック認識ステージを備えた非接触リードライト装置と、第二に、非接触特性ブロックを使用して接触結合特性ブロックを生成する接触結合特性ブロック生成ステージとを別にして、既に知られその結果利用可能である回路だけが使用され、すなわち、備えられるとともに本発明によるシステムの信号処理回路のための制御信号または制御機能を生成するように設計された既知の接触結合特性ブロック処理ステージ、および、接触結合特性ブロック処理ステージを用いて制御可能である信号処理回路だけが使用されるという特に重大な利点が達成される。よって、さらに本発明によるシステムにおいて、信号処理回路の制御は、既存のシステムから知られている方法と全く同じ方法で制御信号または制御コマンドを用いて実行されるが、その理由は、制御信号または制御コマンドの生成が非接触特性ブロックを利用し処理することによってここでは生成された接触結合特性ブロックに基づく本発明によるシステムにおいても実行されるからである。
【0011】
本発明によるシステムにおいて、ちょうど1台の非接触リードライト装置に非接触特性ブロック認識ステージが備えられる。しかし、接触結合データキャリアと協働するように設計され、接触結合データキャリアから接触結合リードライト装置へ転送された接触結合特性ブロックを認識するように設計された接触結合特性ブロック認識ステージを含む接触結合リードライト装置が本発明によるシステムにさらに備えられるとき、接触結合特性ブロック認識ステージによって認識された接触結合特性ブロックが接触結合特性ブロック処理ステージへ供給され得ることは特に有利であることがわかった。このことは、本発明によるシステムの信号処理回路のための制御信号または制御コマンドの生成が非接触データキャリアと接触結合データキャリアの両方を用いて起動可能であるという利点を保証する。
【0012】
本発明によるシステムにおいて、接触結合領域は種々の可能性、規約、および、仕様に準拠する。本発明によるシステムでは、しかし、接触結合領域がISO7816に従う標準規格に準拠するとき、非常に有利であることがわかった。この接続では、本発明によるシステムにおいて、請求項3に記載された特長が備えられるときに有利であることがわかった。
【0013】
本発明によるシステムにおいて、非接触領域は種々の可能性、規約、および、仕様に準拠する。本発明によるシステムでは、しかし、非接触領域がISO14443−4に従う標準規格に準拠するとき、非常に有利であることがわかった。この接続では、本発明によるシステムにおいて、請求項4に記載された特長がさらに備えられるときに有利であることがわかった。この場合には、非接触特性ブロックは、ISO14443−4による標準規格に規定された特性ブロックであり、「選択応答(Answer to Select)」という名前が付けられ、それに対して略語ATSが定められ、慣習的に使用されている。
【0014】
本発明によるシステムでは、しかし、非接触領域がISO14443−3による標準規格に準拠するときも同様に非常に有利であることがわかった。この接続では、本発明によるシステムにおいて、請求項5に記載された特長がさらに備えられるときに有利であることがわかった。この場合には、非接触特性ブロックは、ISO14443−3による標準規格に規定された特性ブロックであり、「一意識別子(Unique Identifier)」という名前が付けられ、それに対して略語UIDが定められ、慣習的に使用されている。
【0015】
本発明によるシステムでは、しかし、非接触領域がISO15693−3による標準規格に準拠するときもさらに非常に有利であることがわかった。この接続では、本発明によるシステムにおいて、請求項6に記載された特長がさらに備えられるときに有利であることがわかった。この場合には、非接触特性ブロックは、ISO15693−3による標準規格に規定された特性ブロックであり、「一意識別子(Unique Identifier)」という名前が付けられ、それに対して略語UIDが定められ、慣習的に使用されている。
【0016】
本発明によるシステムは、たとえば、エンターテイメントエレクトロニクス部門からのオーディオ/ビデオシステムによって形成される。さらに、本発明によるシステムは通信システムによって形成される。本発明によるシステムがパーソナルコンピュータシステムの形式であるとき、特に有利であることがわかった。
【0017】
本発明の上記の態様およびその他の態様は、限定的でない例として、以下に記載された実施形態を参照して、理解され、かつ説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1はシステム機能を実行するシステム1を表す。システム1は、備えられるとともにそれ自体が長い間知られているように、複数のシステム機能を実行するように設計されたパーソナルコンピュータシステムである。
【0019】
システム1は信号処理回路2を含む。信号処理回路2は複数台の信号処理手段を含み、その中の6台の信号処理手段が図1では概略的に示されている。第一の信号処理手段3が備えられるとともにテキスト処理プログラムを使用するテキスト処理するように設計されている。第2の信号処理手段4が備えられるとともに表計算処理プログラムを使用する表形式計算形式のデータ処理するように設計されている。第3の信号処理手段5が備えられるとともに電子メール処理プログラムを使用して電子メールを送受信するように設計されている。第4の信号処理手段6が備えられるとともにインターネット問い合わせプログラムを使用するインターネット問い合わせするように設計されている。図1では、第5の信号処理手段7および第6の信号処理手段8が同様に示されているが、それらの機能の詳細はここでは説明されない。
【0020】
信号処理手段2は接触結合特性ブロック処理ステージ9を含む。接触結合特性ブロックATRは、信号処理回路2の接続部10を介して接触結合特性ブロック処理ステージ9へ供給される。このような接触結合特性ブロックATRは、本質的に長い間知られているように、接触結合データキャリアから接触結合リードライトステーションへ転送可能である。接触結合特性ブロック処理ステージ9が備えられるとともに接触結合特性ブロックATRを処理するように設計されている。接触結合特性ブロックATRの処理の結果として、接触結合特性ブロック処理ステージ9は、この場合、3個の制御信号CS1、CS2、CS3を生成するように設計されている。3個の制御信号CS1、CS2、CS3は信号処理回路2のそれぞれの部分の制御のため供給される。3個の制御信号CS1、CS2、CS3のそれぞれは、ライン11、12、13を介して、制御されるべき信号処理回路2の部分へ供給される。このような接触制御型特性ブロック処理ステージ9の用意と、少なくとも1個の制御信号CS1、CS2、CS3の生成および出力は、以前からそれ自体知られているので、ここで詳細な説明は行わない。
【0021】
制御信号CS1、CS2、CS3は様々な制御目的のため利用される。制御信号CS1はシステム1の信号処理回路2を有効にする役目をする。制御信号CS2およびCS3はその他の目的のために役立つが、それらの詳細は本発明に本質的ではないためここには記載されない。たとえば、制御信号CS2およびCS3はシステム1に接続された周辺機器を有効にする役目をする。
【0022】
接触結合特性ブロック処理ステージ9はシステム1の信号処理回路2の外部に備えてもよく、この場合に、接触結合特性ブロック処理ステージ9で生成された制御信号CS1、CS2、CS3はライン11、12、13を介して信号処理回路2へ供給されることに注意すべきである。
【0023】
システム1は、第1の非接触リードライト装置14と第2の非接触リードライト装置15と接触結合リードライト装置16とを含む。3台の装置14、15、16のそれぞれは出力17、18、19を有する。3出力17、18、19はすべてが信号処理回路2の接続部10に接続される。
【0024】
第1の非接触リードライト装置14はISO14443−4標準規格に準拠して設計されている。第2の非接触リードライト装置15はISO14443−3標準規格に準拠して設計されている。システム1の代替の実施形態では、第2の非接触リードライト装置15はISO15693−3標準規格に準拠して設計されている。接触結合ライト装置16はISO7816標準規格に準拠して設計されている。
【0025】
第1の非接触リードライトステーション14は第1の非接触データキャリア20と協働するように設計されている。第1の非接触データキャリア20は標準規格ISO14443−4に準拠するように設計されている。第1の非接触データキャリア20は、IC21と、IC21に接続されたデータキャリア伝送コイル22とを含む。第1の非接触リードライト装置14は、第1のデータキャリア20のデータキャリア伝送コイル22との非接触通信のため備えられた第1の伝送コイル23を含む。第1の伝送コイル23と接続されているのは、備えられるとともに第1の非接触リードライト装置14に現れるすべての信号を処理するように設計された第1の信号処理回路24である。第1の信号処理回路24は、備えられるとともに第1の非接触データキャリア20から第1の非接触リードライト装置14へ送信された第1の非接触特性ブロックATSを認識するように設計された第1の非接触特性ブロック認識ステージ25を含む。この第1の非接触特性ブロックATSはISO14443−4に従う標準規格に規定されている。
【0026】
第1の非接触リードライト装置14は第1の接触結合特性ブロック生成ステージ26を含むと有利である。第1の非接触特性ブロック認識ステージ25を用いて認識された第1の非接触特性ブロックATSは、接続部27を介して、第1の接触結合特性ブロック生成ステージ26へ供給される。第1の接触結合特性ブロック生成ステージ26は、第1の非接触特性ブロック認識ステージ25で認識された第1の非接触特性ブロックATSを処理するように設計されている。さらに、第1の非接触特性ブロックATSの処理の結果として、第1の接触結合特性ブロック生成ステージ26は、接触結合特性ブロックATRを生成するように設計され、第1の非接触特性ブロックATSの処理によって生成された接触結合特性ブロックATRは、出力17および接続部10を介して、接触結合特性ブロック処理ステージ9へ供給可能であるか、または、供給される。
【0027】
第2の非接触リードライトステーション15は第2の非接触データキャリア30と協働するように設計されている。第2の非接触データキャリア30は標準規格ISO14443−3に準拠するように構成される。第2の非接触データキャリア30は、IC31と、IC31に接続されたデータキャリア伝送コイル32とを含む。第2の非接触リードライト装置15は、第2のデータキャリア30のデータキャリア伝送コイル32との非接触通信のため備えられた第2の伝送コイル33を含む。第2の伝送コイル33と接続されているのは、備えられるとともに第2の非接触リードライト装置15に現れるすべての信号を処理するように設計された第2の信号処理回路34である。第2の信号処理回路34は、備えられるとともに第2の非接触データキャリア30から第2の非接触リードライト装置15へ送信された第2の非接触特性ブロックUIDを認識するように設計された第2の非接触特性ブロック認識ステージ35を含む。この第2の非接触特性ブロックUIDはISO14443−3に従う標準規格に規定されている。
【0028】
第2の非接触リードライト装置15は第2の接触結合特性ブロック生成ステージ36を含むと有利である。第2の非接触特性ブロック認識ステージ35を用いて認識された第2の非接触特性ブロックUIDは、接続部37を介して、第1の接触結合特性ブロック生成ステージ36へ供給される。第2の接触結合特性ブロック生成ステージ36は、第2の非接触特性ブロック認識ステージ35で認識された第2の非接触特性ブロックUIDを処理するように設計されている。さらに、第2の非接触特性ブロックUIDの処理の結果として、第2の接触結合特性ブロック生成ステージ36は、第2の接触結合特性ブロックATRを生成するように設計され、第2の非接触特性ブロックUIDの処理によって生成された接触結合特性ブロックATRは、出力18および接続部10を介して、接触結合特性ブロック処理ステージ9へ供給可能であるか、または、供給される。
【0029】
接触結合リードライト装置16が備えられるとともに接触結合データキャリア40と協働するように設計されている。接触結合データキャリア40は標準規格ISO7816に準拠するように構成される。接触結合データキャリア40は、IC41と、IC41に接続された接点セット42とを含み、この接点セットは、既に知られている様態で、全部で8個の接点を含むが、そのうちで5個の接点だけが信号伝送のため使用される。接触結合リードライト装置16は、接触結合データキャリア40を挿入することができる受信スロット43を含む。受信スロット43の領域には、同様に既に知られている様態で8個の接点を含み、そのうちの5個の接点だけが信号伝送のため使用される対向接点セット44が備えられる。対向接点セット44の接点と接続されるのは、接触結合リードライト装置16に現れるすべての信号が処理される第3の信号処理回路45である。第3の信号処理回路45は、備えられるとともに接触結合データキャリア40から接触結合リードライト装置16へ送信された接触結合特性ブロックATRを認識するように設計された接触結合特性ブロック認識ステージ46を含む。接触結合特性ブロックATRが接触結合特性ブロック認識ステージ46を用いて認識されると、接触結合特性ブロックATRは、出力19および接続部10を介して、接触結合特性ブロック処理ステージ9へ供給される。
【0030】
データキャリア20、30および40に関して、本例では、これらはカード形式のデータキャリアであることにさらに注意する必要がある。2個の非接触データキャリア20および30は必ずしもカード形式でなくてもよく、たとえば、キー形式またはバー形式のようなその他の形式でもよい。
【0031】
接触結合特性ブロック認識ステージ46を用いて認識されるISO7816標準規格に準拠した接触結合特性ブロックATRの構成は図2に示されている。接触結合特性ブロックATRは、「イニシャル文字(initial character)」、「フォーマット文字(format character)」、特定の個数の「インターフェイス文字(interface character)」、および、「コンテント(content)」としても知られているいわゆる「ヒストリカル文字(historical character)」を含み。イニシャル文字およびフォーマット文字のそれぞれは、8ビットずつを有する1バイトを含む。インターフェイス文字は数バイトを含む。ヒストリカル文字(コンテント)は最大で15バイトを含む。イニシャル文字は、たとえば、「3B」である。フォーマット文字は、たとえば、「1n」である。インターフェイス文字は、たとえば、「TA(1)」によって与えられる。ヒストリカル文字は、たとえば、zzz.......zによって示される。
【0032】
図3に示された接触結合特性ブロックATRの場合、接触結合特性ブロックATRは、第1の非接触リードライト装置14の第1の接触結合特性ブロック生成ステージ26を用いて生成されたブロックである。この接触結合特性ブロックATRは、第一に、この生成された接触結合特性ブロックATRがインターフェイス文字を含まない点、および、第二に、このヒストリカル文字がISO14443−4標準規格に準拠した非接触特性ブロックATS、すなわち、ISO14443−4標準規格に準拠したヒストリカルバイトによって形成される点で、ISO7816標準規格に準拠した接触結合特性ブロックATRとは異なる。
【0033】
図4に示された接触結合特性ブロックATRの場合、接触結合特性ブロックATRは、第2の非接触リードライト装置15の第2の接触結合特性ブロック生成ステージ36を用いて生成されたブロックである。この接触結合特性ブロックATRは、第一に、この生成された接触結合特性ブロックATRがインターフェイス文字を含まない点、および、第二に、ヒストリカル文字がISO14443−3標準規格に準拠した非接触特性ブロックUID、すなわち、ISO14443−3標準規格に準拠したヒストリカルバイトによって形成され、ISO7816−4標準規格の31頁に規定されているようにカテゴリーインデックスxxがヒストリカル文字の前に置かれている点で、ISO7816標準規格に準拠した接触結合特性ブロックATRとは異なる。
【0034】
図2、3および4に概略的に示された接触結合特性ブロックATRに関して、要約すると、これらの接触結合特性ブロックATRの構成は、ISO7816に準拠した標準規格に規定された構成に対応し、接触結合特性ブロックのコンテントだけが部分的に異なることに注意すべきである。図2、3および4による3個の接触結合特性ブロックのすべての構造がISO7816に準拠した標準規格に対応するという事実によって、すべての接触結合特性ブロックが接触結合特性ブロック処理ステージ9によって認識され処理されるという重大な利点が得られる。よって、システム1に備えられた単一の特性ブロック処理ステージだけを用いて、すなわち、接触結合特性ブロック処理ステージ9を用いて、2種類の非接触データキャリア20若しくは30によって出されるか、または、2種類の非接触データキャリア20若しくは30とは異なる接触結合データキャリア40によって出される制御信号CS1、CS2、CS3を生成することが可能である。
【0035】
図1を参照して説明されたシステム1において、2台の非接触リードライト装置14および15、並びに、付加的に接触結合リードライト装置16が備えられる。システム1の一変形例では、第3および任意的な第4の非接触リードライト装置を備えてもよい。図1によるシステム1のさらなる一変形例では、様々な標準規格、慣例、若しくは、取り決めに準拠した2台またはさらには3台以上の接触結合リードライト装置が、しばしばマルチプロトコルリーダとして知られている単一の併用型リードライト装置によって形成される。図1によるシステム1のさらなる一変形例では、代替的に、ちょうど1台の非接触リードライト装置が接触結合リードライト装置と一緒に備えられる。図1によるシステム1のさらなる一変形例では、代替的に、ちょうど1台の非接触リードライト装置が単独で備えられ、その場合、接触結合リードライト装置16とさらなる非接触リードライト装置はいずれも備えられない。
【0036】
図1によるシステム1では、接触結合特性ブロック生成ステージ26および36は、必ずしも非接触リードライト装置14および15のコンポーネントでなくてもよく、単一の信号処理回路2のコンポーネントでもよく、或いは、非接触リードライト装置14および15と信号処理回路2とは別個に備えても構わないことにさらに注意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明による典型的な実施形態に従うシステムをブロック図の形式で表す図である。
【図2】ISO7816標準規格による接触結合特性ブロックの構造を概略的に表す図である。
【図3】ISO14443−4標準規格による非接触特性ブロックを用いて作成された接触結合特性ブロックの構造を概略的に表す図である。
【図4】ISO14443−4またはISO15693−3標準規格による非接触特性ブロックを用いて作成された接触結合特性ブロックの構造を概略的に表す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触結合データキャリアから接触結合リードライト装置に転送可能である接触結合特性ブロックを処理するように設計され、前記接触結合特性ブロックの処理の結果として、少なくとも1個の制御信号を生成するように設計された接触結合特性ブロック処理ステージと、非接触データキャリアと協働するように設計された非接触リードライト装置であって、前記非接触データキャリアからこの非接触リードライト装置へ転送された非接触特性ブロックを認識するように設計された非接触特性ブロック認識ステージを含む非接触リードライト装置と、前記非接触特性ブロック認識ステージで認識された前記非接触特性ブロックを処理するように設計され、前記非接触特性ブロックの処理の結果として、前記接触結合特性ブロックを生成するように設計された接触結合特性ブロック生成ステージとを少なくとも含み、前記非接触特性ブロックを処理することにより生成された前記接触結合特性ブロックが前記接触結合特性ブロック処理ステージへ供給される、システム機能を実行するシステム。
【請求項2】
接触結合データキャリアと協働するように設計された接触結合リードライト装置であって、前記接触結合データキャリアからこの接触結合リードライト装置へ転送された接触結合特性ブロックを認識するように設計された接触結合特性ブロック認識ステージを含む接触結合リードライト装置を有し、前記接触結合特性ブロック認識ステージで認識された接触結合特性ブロックが前記接触結合特性ブロック処理ステージへ供給されることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記接触結合特性ブロック処理ステージが、ISO7816に従う標準規格に準拠する接触結合データキャリアからISO7816に従う標準規格に準拠する接触結合リードライト装置へ転送された、ISO7816に従う標準規格に準拠する接触結合特性ブロックを処理するように設計されていることを特徴とする、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記非接触特性ブロック認識ステージが、ISO14443−4に従う標準規格に準拠する非接触データキャリアからISO14443−4に従う標準規格に準拠する非接触リードライト装置へ転送された、ISO14443−4に従う標準規格に準拠する非接触特性ブロックを認識するように設計されていることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記非接触特性ブロック認識ステージが、ISO14443−3に従う標準規格に準拠する非接触データキャリアからISO14443−3に従う標準規格に準拠する非接触リードライト装置へ転送された、ISO14443−3に従う標準規格に準拠する非接触特性ブロックを認識するように設計されていることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記非接触特性ブロック認識ステージが、ISO15693−3に従う標準規格に準拠する非接触データキャリアからISO15693−3に従う標準規格に準拠する非接触リードライト装置へ転送された、ISO15693−3に従う標準規格に準拠する非接触特性ブロックを認識するように設計されていることを特徴とすることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
パーソナルコンピュータの形式であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
非接触特性ブロックを非接触特性ブロック認識ステージへ供給するステップと、前記非接触特性ブロック認識ステージで前記非接触特性ブロックを認識するステップと、前記認識された非接触特性ブロックを接触結合特性ブロック生成ステージへ供給するステップと、前記接触結合特性ブロック生成ステージで前記供給された非接触特性ブロックを処理するステップと、前記接触結合特性ブロック生成ステージでの前記非接触特性ブロックの処理の結果として、前記接触結合特性ブロック生成ステージで接触結合特性ブロックを生成するステップとを含む、接触結合特性ブロックを生成する方法。
【請求項9】
ISO14443−4に従う標準規格に準拠する非接触特性ブロックを前記非接触特性ブロック認識ステージへ供給するステップと、前記非接触特性ブロック認識ステージでISO14443−4に従う標準規格に準拠する前記非接触特性ブロックを認識するステップと、ISO14443−4に従う標準規格に準拠する前記認識された非接触特性ブロックを前記接触結合特性ブロック生成ステージへ供給するステップと、前記接触結合特性ブロック生成ステージでISO14443−4に従う標準規格に準拠する前記供給された非接触特性ブロックを処理するステップと、前記接触結合特性ブロック生成ステージでのISO14443−4に従う標準規格に準拠する前記非接触特性ブロックの処理の結果として、前記接触結合特性ブロック生成ステージでISO7816に従う標準規格に準拠する接触結合特性ブロックを生成するステップとを含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ISO14443−3に従う標準規格に準拠する非接触特性ブロックを前記非接触特性ブロック認識ステージへ供給するステップと、前記非接触特性ブロック認識ステージでISO14443−3に従う標準規格に準拠する前記非接触特性ブロックを認識するステップと、ISO14443−3に従う標準規格に準拠する前記認識された非接触特性ブロックを前記接触結合特性ブロック生成ステージへ供給するステップと、前記接触結合特性ブロック生成ステージでISO14443−3に従う標準規格に準拠する前記供給された非接触特性ブロックを処理するステップと、前記接触結合特性ブロック生成ステージでのISO14443−3に従う標準規格に準拠する前記非接触特性ブロックの処理の結果として、前記接触結合特性ブロック生成ステージでISO7816に従う標準規格に準拠する接触結合特性ブロックを生成するステップとを含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
ISO15693−3に従う標準規格に準拠する非接触特性ブロックを前記非接触特性ブロック認識ステージへ供給するステップと、前記非接触特性ブロック認識ステージでISO15693−3に従う標準規格に準拠する前記非接触特性ブロックを認識するステップと、ISO15693−3に従う標準規格に準拠する前記認識された非接触特性ブロックを前記接触結合特性ブロック生成ステージへ供給するステップと、前記接触結合特性ブロック生成ステージでISO15693−3に従う標準規格に準拠する前記供給された非接触特性ブロックを処理するステップと、前記接触結合特性ブロック生成ステージでのISO15693−3に従う標準規格に準拠する前記非接触特性ブロックの処理の結果として、前記接触結合特性ブロック生成ステージでISO7816に従う標準規格に準拠する接触結合特性ブロックを生成するステップとを含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−503645(P2007−503645A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524512(P2006−524512)
【出願日】平成16年8月24日(2004.8.24)
【国際出願番号】PCT/IB2004/051545
【国際公開番号】WO2005/022444
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】