説明

描画装置

【課題】花、動物、風景等の所定絵柄を繰り返し形成することができるだけでなく、拡散・反応等の科学現象を手軽に観察・学習しながら、その絵柄の繊細な色の違いや色彩変化を表現し、楽しむことができる。
【解決手段】
透明ブロック10内に、花、動物、風景等の所望絵柄に形成された流路断面が1mm以下の微細流路14Aが2次元的又は3次元的な流路構造に形成されており、透明ブロック10表面に形成されて微細流路14Aに連通する少なくとも1つの液溜め部24から1色以上の着色液を微細流路14A内に供給して満たすことで所望絵柄の色彩変化を視覚的に認識可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、描画装置に係り、特に、観賞用として絵柄を形成し、かつその絵柄の繊細な色彩変化を手軽に観賞することができる描画装置に関する。
【背景技術】
【0002】
部屋、店舗、事務所等において、娯楽用、観賞用等に使用されているディスプレイ(置物)としては、植木や水槽等を利用するものがある。例えば、特許文献1は、観賞用置物の装飾部をマグネットにより取替え可能にし、これにより、好みに応じて観賞用置物をデザインすることができる、とされている。
【特許文献1】特開2004−130756号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1のような観賞用置物では、微細な色彩の時間変化を表現することはできなかった。また、紙などに絵柄を描き、色を塗ることによって色彩を楽しむことはできるが、色は即時に紙の上で拡散してしまうため微細な色彩変化は観賞できず、紙も使いまわしすることができなかった。
【0004】
さらに、観賞用としてだけでなく、手軽に科学現象に親しめる学習用の教材も求められている。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、花、動物、風景等の所定絵柄を繰り返し形成することができるだけでなく、拡散・反応等の科学現象を手軽に観察・学習しながら、その絵柄の繊細な色の違いや色彩変化を表現し、楽しむことができる描画装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1は前記目的を達成するために、透明ブロック内に、花、動物、風景等の所望絵柄に形成された流路断面が1mm以下の微細流路が2次元的又は3次元的な流路構造に形成されており、前記透明ブロック表面に形成されて前記微細流路に連通する少なくとも1つの液溜め部から1色以上の着色液を前記微細流路内に供給して満たすことで前記所望絵柄の色彩変化を視覚的に認識可能としたことを特徴とする描画装置を提供する。
【0007】
本発明によれば、透明ブロック内に、花、動物、風景等の所望絵柄に形成された流路断面が1mm以下の微細流路が2次元又は3次元の流路構造に形成し、この微細流路に1色以上の着色液を流して所望絵柄に着色するようにしたので、微細流路に供給される着色液は層流の流れを形成して流路を満たすことになる。これにより、例えば微細流路中に2色の着色液を合流させるように供給すると2色の着色液は分離した状態で2つの線を描き、拡散現象により時間がたつと2色は次第に混合して異なる色を形成する。
【0008】
このように通常のペイントによる描画に比べて繊細な色の違いを表現できるだけでなく、微小流路による拡散現象を観察・学習することもできる。また、絵柄を形成する流路を平面的な2次元的な流路構造だけでなく、3次元的な流路構造にすれば、絵柄を立体的に表現することができる。
【0009】
なお、請求項1において、透明ブロックとは、視覚的に流路内の着色液の色彩変化が認識可能であるものを表し、透明度やブロック形状については、特に限定されない。また、微細流路の断面積としては、1mm以下が好ましく、0.0025〜0.6mmがより好ましく、0.01〜0.25mmがさらに好ましい。
【0010】
請求項2は請求項1において、前記透明ブロックは、アクリル製又はガラス製であることを特徴とする。
【0011】
請求項2によれば、透明ブロックがアクリル製又はガラス製であるので、流路内の液体の色彩変化を観察することができ、これにより、繰り返し所定の絵柄を形成でき、科学現象に利用して、絵柄の微細な色彩変化を観賞することができる。
【0012】
請求項3は請求項1又は2において、前記微細流路は断面が1mm以下のマイクロチューブで形成されていることを特徴とする。
請求項3によれば、微細流路は断面が1mm以下のマイクロチューブで形成されているので、好みに応じて絵柄の形状を自由に変えたり、選択したりすることが可能となる。
これにより、花、動物、風景等の所定絵柄を好みに応じて形成することができるとともに、拡散・反応等の科学現象を手軽に観察・学習しながら、絵柄の繊細な色の違いや色彩変化を表現し、楽しむことができる。
なお、請求項3において、マイクロチューブとは、内部がマイクロレベル(断面が1mm以下)の中空を有する筒状のチューブである。
【0013】
請求項4は請求項1〜3の何れか1において、前記透明ブロックは、板状体の表面に断面が1mm以下である前記絵柄の長溝が形成されている基板と、該基板の表面に密着配置され、前記長溝を覆うことにより該基板に前記2次元的な微細流路を形成する覆い板と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項4によれば、シンプルな構成で、かつ安価に組み立てられる描画装置を構成したので、観賞用としてだけでなく、学習用、玩具用としても手軽に花、動物、風景等の所定絵柄を繰り返し形成することができる。また、拡散・反応等の科学現象を観察・学習しながら、その絵柄の繊細な色の違いや色彩変化を表現し、楽しむことができる。
【0015】
請求項5は請求項4において、前記液溜め部が基板又は前記覆い板上に複数形成され、該複数の着色液にそれぞれ異なる色の着色液が溜められると共に、該複数の液溜め部にそれぞれ連通する複数の液体供給路と、該複数の液体供給路が一本に合流する流路と、を設け、前記複数の着色液を、前記複数の液溜め部より切り換えて前記流路に供給することを特徴とする。
【0016】
請求項5によれば、基板又は覆い板に液溜め部を複数形成し、それぞれの液溜め部から液体供給路を介して1の流路に合流させる構成としたので、異なる色の着色液を1の流路に切り換えて供給しやすくなる。これにより、異なる色の着色液を切り換えて、花、動物、風景等の所定絵柄を繰り返し形成することができるだけでなく、拡散・反応等の科学現象を手軽に観察・学習しながら、その絵柄の繊細な色の違いや色彩変化を表現し、楽しむことができる。
【0017】
なお、請求項5において、異なる色の着色液を切り換えて流路に供給する方法としては、所定の液溜め部のみを加圧する方法や配管切換手段を用いた方法等があるが、これに限定されない。
【0018】
請求項6は請求項4又は5において、前記微細流路に相対する部分の前記覆い板又は前記基板が、温度調節手段が密着できる形状であることを特徴とする。
請求項6によれば、流路に相対する部分の前記覆い板及び/又は前記基板に、温度調節手段が密着できる形状としたので、流路内を流通する液体の温度制御が行え、これにより各種科学現象(色彩変化等)を生じさせることができる。
したがって、花、動物、風景等の所定絵柄を繰り返し形成することができるだけでなく、拡散・反応等の科学現象を手軽に観察・学習しながら、その絵柄の繊細な色の違いや色彩変化を表現し、楽しむことができる。
請求項7は請求項4〜6の何れか1において、前記2次元的な微細流路の描画装置を2以上積層することにより、前記3次元的な微細流路の描画装置を形成することを特徴とする。
請求項7によれば、描画装置を積層することにより、2次元的な絵柄だけでなく、3次元的な絵柄を形成することができ、これにより、花、動物、風景等の所定絵柄を立体的に形成することができるだけでなく、拡散・反応等の科学現象を手軽に観察・学習しながら、その絵柄の繊細な色の違いや色彩変化を表現し、楽しむことができる。
なお、積層する描画装置は同一の絵柄のものでも、絵柄の種類や大きさが異なる描画装置を組み合わせてもよい。
【0019】
請求項8は請求項7において、複数種類の着色液をそれぞれ貯留する複数の液体貯留部と、前記複数の液体貯留部のうち、所定の液体貯留部と前記2次元的なそれぞれの描画装置とを連通させる配管切換手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項8によれば、複数の液体貯留部のうち、所定の液体貯留部と描画装置とを切り換えて連通させる構成としたので、描画装置の流路に送液する液体の種類を自動的又は手動的に切り換えることができ、好みに応じて種々の色を組み合わせて描画することができる。
これにより、花、動物、風景等の所定絵柄を繰り返し形成することができるだけでなく、拡散・反応等の科学現象を手軽に観察・学習しながら、その絵柄の繊細な色の違いや色彩変化を表現し、楽しむことができる。
請求項9は請求項1〜8の何れか1において、前記描画装置は前記微細流路を洗浄する洗浄液供給手段が設けられていることを特徴とする。
【0020】
請求項9によれば、微細流路内に着色液を流通させて描画した後、洗浄液を流通させて微細流路内を洗浄可能に構成したので、繰り返し、異なる色の着色液を用いて描画することができる。これにより、花、動物、風景等の所定絵柄を繰り返し形成することができるだけでなく、拡散・反応等の科学現象を手軽に観察・学習しながら、その絵柄の繊細な色の違いや色彩変化を表現し、楽しむことができる。
【0021】
なお、洗浄液とは、着色液を微細流路内から除去して洗浄するための液体であり、水等の無色の液体、界面活性剤を含む水、又は各種有機溶剤等が挙げられるが、特に経済的、環境負荷の観点から、無色の水であることが好ましい。
【0022】
また、洗浄液供給手段としては、洗浄液を溜める液溜め部を透明ブロックの表面に設けて、必要に応じて加圧することで洗浄液を供給する方法、洗浄液貯留部から配管切換手段を介して送液ポンプ(脈流ポンプ等)で描画装置に洗浄液を供給する方法等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0023】
請求項10は請求項1〜9の何れか1において、前記着色液は、温度、反応、光の何れかにより色が変化する機能及び/又は固まる機能を有することを特徴とする。
請求項10によれば、微細流路内に流通させる着色液を、温度、反応、光の何れかにより色が変化する機能及び/又は固まる機能を有する液体としたので、これにより、花、動物、風景等の所定絵柄を繰り返し形成することができるだけでなく、拡散・反応等の科学現象を手軽に観察・学習しながら、その絵柄の繊細な色の違いや色彩変化を表現し、楽しむことができる。また、固まる機能を有する着色液の場合には、固まった着色液を溶解して洗浄できる洗浄液を使用することで、描画装置を再使用することができる。
上記のような着色液としては、色素、又は、顔料などに代表される着色性液体(各種カラーインク、カラー試薬等)、温度、反応により色彩が変化する液体であり、具体的には、リトマス液、感温液晶、万能指示薬等が挙げられる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、花、動物、風景等の所定絵柄を繰り返し形成することができるだけでなく、拡散・反応等の科学現象を手軽に観察・学習しながら、その絵柄の繊細な色の違いや色彩変化を表現し、楽しむことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、添付図面に従って、本発明に係る描画装置の好ましい実施の形態について説明する。
【0026】
<第一実施形態>
本実施形態は、本発明に係る描画装置10に着色液(カラーインクやカラー試薬等)を流通させて、絵柄を形成する装置である。図1は、本発明に係る描画装置10の構成を説明する平面図である。図2及び図3は、図1の部分拡大断面図等であり、図2は、第1液溜め部24(図1の左上部点線内)を示し、図3は、第2液溜め部28(図1の右下部点線内)を示す。
【0027】
すなわち、描画装置10は、主に、板状体の表面に断面積が1mm以下の長溝14が、花、動物、風景等の所定絵柄の絵柄を形成するよう設けられた基板12と、この基板12の表面に密着固定され、長溝14を覆うことにより基板12に微細な流路14Aを形成する透明な覆い板22と、より構成される。
【0028】
上記の長溝14により形成される微細な流路14Aは、平面視で絵柄(本実施形態では蝶の絵柄)を形成している。この流路14Aの一端は、覆い板22に形成された円柱状空洞部である第1液溜め部24と連通しており、流路14Aの他端は、基板12に形成された円柱状空洞部である第2液溜め部28と連通している。
【0029】
更に、覆い板22の第2液溜め部28に相対する部分には、第2液溜め部28と外気とが連通可能な貫通孔30が形成されている
第1液溜め部24及び第2液溜め部28の容積は、5〜5000mmであることが好ましい。このような容積にすることにより、マイクロなチャンネルの中で起こる各現象のコントロールが容易に行える。
【0030】
基板12及び覆い板本体22の平面サイズは、特に制限はないが、観賞用だけでなく学習用にも手軽に取り扱い可能な描画装置10の性質上より、携帯できるサイズ、たとえば、80×50mmとすることができる。基板12及び覆い板22の厚さも、特に制限はないが、強度、経済性等より、たとえば、それぞれ5mm程度とすることができる。
【0031】
基板12の材質としては、特に制限はないが、後述する製造方法を容易にする点より、樹脂材料、より具体的には、ポリ・ジメチル・スルホキシド(PDMS)、ポリ・メチル・メタアクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、紫外線硬化樹脂、ポリカーボネート(PC)等が好ましく使用できる。
【0032】
基板12の表面に形成する長溝14の断面積としては、既述のように、1mm以下が好ましく、0.0025〜0.64mmがより好ましく、0.01〜0.25mmが最も好ましい。この長溝14の断面形状は、特に制限はなく、矩形(正方形、長方形)、台形、V形、半円形等、各種の形状が採用できる。
【0033】
覆い板22の材質としては、特に制限はないが、流路内の色彩変化を視覚により認識可能とすることより、透明であることが好ましい。このような材料として、各種樹脂板、より具体的には、ポリジメチルスルホキシド(PDMS)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、紫外線硬化樹脂、ポリカーボネート(PC)等、各種樹脂膜、より具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、トリアセチルセルロース(TAC)等が採用できる。
【0034】
なお、覆い板22が不透明であり、基板12を透明とする構成、及び基板12及び覆い板22ともに透明とする構成も採用できる。
【0035】
基板12の表面(長溝が形成される面)及び覆い板22の裏面(基板12に密着する面)は、流路14Aの形成、及び液漏れの防止等の点より、充分な平坦性を確保できていることが好ましい。
【0036】
次に、基板12の形成方法について説明する。先ず、基板12の長溝14の反転形状が表面に形成されている反転型板を準備する。この反転型板の表面には、更に第2液溜め部28の反転形状を形成しておく必要がある。この反転型板の製造方法としては、マシニングセンタ等による機械加工、放電加工、超音波加工、フォトエッチング加工等、レーザー加工等、公知の各種加工方法が採用できる。
【0037】
次いで、この反転型板の表面に剥離剤を塗布する。この剥離剤としては、基板12となる樹脂材の種類、加工条件(温度等)等に応じて適宜のものが採用できる。
【0038】
次いで、反転型板の表面に樹脂材を塗布し、この樹脂材を硬化させる。樹脂材が、たとえば紫外線硬化樹脂である場合には、塗布後の樹脂材に紫外線を照射して硬化させる。樹脂材が、たとえばポリ塩化ビニル(PVC)のような熱可塑性樹脂である場合には、反転型板の表面に樹脂材を当ててホットプレス機により熱転写成形を行う。
【0039】
そして、硬化後の樹脂材を反転型板より剥離する。
【0040】
このような方法によれば、長溝が精度よく、かつ、安価に形成でき、評価装置を安価にできる。
【0041】
次に、基板12と覆い板22との密着固定方法について説明する。
【0042】
最初に、基板12と覆い板22とを洗浄する。洗浄方法としては、洗浄機による自動洗浄、手洗浄等、公知の各種洗浄方法が採用できる。
【0043】
次いで、乾燥工程を実施する。この工程においては、公知の各種装置が適用できるが、たとえば、真空オーブンが好ましく使用できる。このような真空オーブン内において、基板12及び覆い板22を、治具等を使用して直立させる保持状態とすることが、真空オーブンの内容積の利用効率からも、基板12及び覆い板22の乾燥状態の点からも好ましい。
【0044】
乾燥工程に続き、積層工程を実施する。この積層工程において、基板12と覆い板22とを積層する。この作業は、クリーンベンチやクリーンルーム内において、クラス100以下の清浄度のもとで行うことが、描画装置10の品質の点で好ましい。
【0045】
積層工程に続き、密着工程を実施する。この密着工程において使用する装置(設備)としては、基板12と覆い板22との積層体を、これらのガラス転移点Tg以上の温度に加熱しながら、加圧して密着固定させることができれば、公知の各種装置(設備)、たとえばホットプレス機が使用できる。
【0046】
ここでは、簡便な設備として、オーブンと錘(デッドウェイト)を使用した構成により説明する。
【0047】
密着工程において、先ず、基板12と覆い板22との積層体の上下面に定盤を当て、この定盤で積層体をサンドイッチする。
【0048】
定盤でサンドイッチした積層体を、オーブン内の棚(積層体を載置する部分)に載置した後、この上に錘(デッドウェイト)を載置する。
【0049】
密着工程において重要なことは、雰囲気温度を高く設定し過ぎたり、処理時間を長く設定し過ぎたりして、長溝の断面形状を損うことがないように管理することであり、雰囲気温度を低く設定し過ぎたり、処理時間を短く設定し過ぎたりして、基板12と覆い板22とを密着固定できない(液漏れを生じたり、密着面に気泡が残存したりする)ことがないように管理することである。
【0050】
次に、本発明に係る描画装置10の使用方法について説明する。
【0051】
描画装置10としては、以下の1)〜6)の部材(必要に応じて7)も)を用意する必要がある。
【0052】
1)基板12と覆い板22(覆い板本体22A及び透明板22B)との密着積層体
2)着色液用スポイト32
(表現したい色に応じて、必要な着色液を、第1液溜め部24に供給するために使用する。着色液ごとに専用でも、1つを洗浄して使いまわしても構わない)。
【0053】
3)着色液出入り口封止用のテープ36
(着色液供給用ホールである第1液溜め部24の蓋となる。着色液をピペットで第1液溜め部24に供給後、蓋をするためのものである。また、第2液溜め部28の蓋として使用することもできる)。
【0054】
4)針
(着色液を供給又は回収する場合、液体が送受液される時に液体の変動分の空気を第1液溜め部24に入れるため、必要に応じてテープに孔を開けるためのものである)。
【0055】
5)送液手段
(第1液溜め部24にテープで蓋をした状態で、この第1液溜め部24及び第2液溜め部28に熱を加えると(指先をテープに当て、体温で加熱等すると)、この第1液溜め部24内の液体、及び/又は、気体が体積膨張する。この現象を利用した送液方法である。その他、第1液溜め部24内をポンプの原理を利用した方法で加圧して、内部の液体を送り出す方法、などが可能である。
【0056】
この場合、前述4)の針を用いて、第2液溜め部28にテープが貼られている場合には、これに小さな孔を開ける。
【0057】
また、第2液溜め部28側を、ポンプ等を用いて減圧したり、第2液溜め部28上に氷塊を置き、第2液溜め部28内部の気体を収縮させて減圧したりすることにより、第1液溜め部24内にある着色液を流路14Aに入れる場合には、第1液溜め部24テープ蓋に前述4)の針を用いて小さな孔を開けることにより送液を可能にする)。
【0058】
6)着色液及び洗浄液
描画装置10を用いて描画し、各種色を呈する着色液をサンプル瓶等に入れて用意しておく。なお、絵柄を形成するための着色液としては、たとえば、色素、又は、顔料などに代表される着色性液体、温度、反応、光の何れかにより色彩が変化する機能又は固まる機能を有する液体等、が挙げられる。具体的には、酸性度で色が変化するリトマス液、光により色彩が変化するスマートゲル調光材料溶液、砂糖水(偏向板で挟んで使用)、熱や光で固まる熱硬化性インク、UV硬化性インク等、が挙げられる。
【0059】
上記スマートゲル調光材料とは、熱や電気などの外部刺激に反応して液体を吸収・放出して可逆的に体積変化するスマートゲル中に高濃度の顔料を分散・保持した着色高分子ゲル粒子であり、例えば富士ゼロックス製のものが使用される(非特許文献:http://www.fujixerox.co.jp/research/category/chem/func_materials2/ 参照)。
【0060】
上記砂糖水は、光学異性体であり、旋光性を有するため、偏光板で砂糖水を挟み、偏光板の角度を変えることで、様々な色の変化が観賞できる。また、砂糖水の他、光学異性体である物質で安全なものが使用される。(非特許文献:http://www.edu.city.kyoto.jp/science/science/sci-news/jikken/h12jikken/h12buturi-2.htm参照)。
【0061】
また、流路14A内を洗浄するための洗浄液としては、上記着色液を流路14Aより除去でき、かつ部材を侵さないものであれば特に限定されず、水等の無色の液体、界面活性剤を含んだ水、各種有機溶剤等が挙げられる。
【0062】
7)接着剤又はねじ(及びシーリング材)
基板12と覆い板22との密着積層体を提供せず、実験の際に基板12と覆い板22とを接着剤で密着固定、又はねじで締め付け固定して組み立てる場合に使用する。
【0063】
次に、このセットを使用した描画方法の詳細について詳述する。
【0064】
図4は、描画方法の手順を示す断面図であり、第1液溜め部24における時系列的な手順を示す。
【0065】
図4(a)に示されるように、着色液用スポイト32により第1液溜め部24に所定量の着色液L1を供給する。この着色液L1は、図4(b)に示されるように、第1液溜め部24内の流路14Aと連通する部分を塞ぐように供給される。
【0066】
次いで、図4(c)に示されるように、着色液出入り口封止用のテープ36により第1液溜め部24に蓋をする。このテープ36は、片面(図では下面)に粘着材がコートされているものであり、これにより、第1液溜め部24が外気と遮断される。
【0067】
次いで、図4(d)に示されるように、テープ36の上に指先38を接触させる。これにより、第1液溜め部24Aに送液手段が形成される。この送液手段は、指先38でテープ36を押して下方に撓ませ、第1液溜め部24Aの容積を減少させることにより、着色液Lを流路14Aに送り込むことによりなされる。
【0068】
また、図4(d)に示される同様の構成において、着色液L1が体温よりも低温である場合に、指先38の熱により第1液溜め部24内の気体を体積膨張させ、着色液L1を流路14Aに送り込むことによりなされるのであってもよい。
【0069】
その後、上述と同様にして、着色液L2を第1液溜め部24Bに供給する。そして、透明な覆い板22の上より流路14A内の着色液L1、L2が流通、拡散、及び反応することによって、形成する絵柄及びその色彩変化を観賞する。また、温度制御手段を基板12の下面に当接させながら流路14A内の着色液L1、L2の挙動を観賞してもよい。
【0070】
さらに、絵柄の色彩変化を観賞した後、洗浄液(本実施形態では無色の水)を第1液溜め部24よりスポイト等で流路14A内に供給し、流路14A内の残っている着色液L1、L2及び反応生成物等を除去する。これにより、流路14A内が洗浄される。
【0071】
なお、洗浄液供給手段としては、上記の方法の他に、洗浄液を溜める液溜め部を基板12上に設けて、必要に応じて加圧することで洗浄液を供給する方法、洗浄液貯留部から配管切換手段、及び配管を介して送液ポンプ(脈流ポンプ等)で描画装置10に洗浄液を供給する方法等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0072】
また、第2液溜め部28を超える容量の洗浄液が必要となる場合でも、洗浄液を貫通孔30より描画装置10の外部へ回収してもよいし、第1液溜め部24をスポイト等により減圧して、流路14内の着色液L1、L2、及び反応生成物を吸い出すことも可能である。また、このときの描画装置の詳細な作用については、後述の実施例(図16及び17に参照)で説明する。
【0073】
なお、本実施形態では、1つの第1液溜め部24より着色液L1、L2を供給する構成としたが、図1において、第1液溜め部24の位置と第2液溜め部28A、28Bの位置とを入れ替えて、2つの第1液溜め部24A、24Bより着色液L1、L2を別々に供給する構成としてもよい。これにより、異なる色の着色液L1、L2を切り換えて、流路14A内に供給することが可能となる。
【0074】
以上に説明した本実施形態の描画装置10によれば、流路14A内に着色液L1、L2を順次流通させて花、動物、風景等の所定絵柄を形成することができ、着色液L1、L2の拡散・反応等による科学現象を手軽に観察・学習しながら、絵柄の繊細な色の違いや色彩変化を表現し、楽しむことができる。また、洗浄液を流路14内に流通させて洗浄することにより、繰り返し描画することができる。
【0075】
以上、本発明に係る描画装置の第一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
【0076】
たとえば、本実施形態において、基板12と覆い板22とが熱圧着により密着固定される方法が採用されているが、これ以外の方法(例えば、接着剤による接着、ねじで四隅を固定する方法等)をも採用できる。また、光造形技術等を用いて、透明ブロック内に微細流路による2次元的な絵柄を形成させた構成としてもよい。
【0077】
また、本実施形態において、覆い板22は1枚の平板状としたが、流路14Aと相対する覆い板22に温度制御手段が密着可能な構成としてもよい。図5は、覆い板22上に温度制御手段が密着可能である描画装置10を示す平面図である。
【0078】
すなわち、図5に示されるように、覆い板22は、中央に矩形の孔を有する枠状部材である覆い板本体22Aと、平面サイズが矩形の孔23と略同一サイズであり、厚さが覆い板本体22A未満であり、覆い板本体の矩形の孔23に嵌合される透明板22Bとより構成される。
【0079】
なお、覆い板本体22Aに形成される矩形の孔23のサイズは、これに嵌合される透明板22Bより若干大きく形成することが好ましい。
【0080】
また、透明板22Bとしては、光学顕微鏡用の市販のスライドグラス又はカバーグラスが好ましく採用できる。このようなガラス板は、いずれも比較的安価であるうえ、入手が容易であり、透明板としてふさわしい。
【0081】
光学顕微鏡用のスライドグラスは、平面サイズが76×26mmであり、板厚が1.0〜1.3mmが一般的なサイズであり、カバーグラスは、平面サイズが18×18mm〜60×25mmであり、板厚で0.12〜0.17mmが一般的なサイズである。したがって、使用する透明板22Bの平面サイズに対応するように、覆い板本体22Aの矩形の孔23のサイズを決定する必要がある。
【0082】
また透明板22Bは、接着剤等により基板12上へ貼り付けられることによって固定される。これに使用される接着剤として、特に制限はないが、シアノアクリレート系の接着剤(たとえば、商品名:アロンアルファ)が好ましく採用できる。このようなシアノアクリレート系の接着剤は、瞬間的に硬化し、粘度が低く、また必要量が微小であることより、流路14Aからの液のリークを防止できる点でも好ましい。
【0083】
上記の如く形成された覆い板22の凹部に、温度制御手段27が当接されて、流路14A内の着色液の温度制御が行われる。これにより、流路14A内の着色液L1の温度が極めて短時間で温度制御手段の温度に接近するようになる。
【0084】
なお、着色液を冷却する場合の温度制御手段27としては、たとえば、水、氷、ドライアイス、アイスノン等が使用でき、着色液を加熱する場合の温度制御手段27としては、たとえば、オーブンで予め所定温度に加熱しておいた金属ブロックや、カイロ、各種保温剤等、が使用できる。また、流路14A、もしくは第1、第2液溜め部24、28A、28Bに高温液体又は所定温度の着色液を封入又は流通させる方法、覆い板22の凹部に高温液体を注入する方法等、も採用することができる。
【0085】
また、温度制御手段27が密着可能な描画装置10の構成としては、上述の例に限らず、流路14Aと相対する領域に凹状となっている1枚の覆い板22としてもよいし、基板12の板厚みを薄くしてもよい。
【0086】
<第二実施形態>
本実施形態は、図6の描画装置10’において、マイクロチューブを用いて数種類の絵柄の絵柄を形成する装置である。図6は、本実施形態の描画装置10’の構成を説明する平面図であり、このうち図6(A)は、描画装置10’の上面図を示し、図6(B)は第1液溜め部24(第2液溜め部28)の断面図である。なお、図6において、図1と同様の符号、部材等についての説明は省略する。
【0087】
図6(A)に示されるように、描画装置10’は、主に、1枚の基板12’の表面に、花、動物、風景等の数種類の絵柄を形成するよう設けられた長溝14と、該長溝14内に内径1mm以下のマイクロチューブ14A’とを備え、第2液溜め部28を一つにしたこと、及びねじで組み立て可能に構成したこと以外は、図1の描画装置10とほぼ同様に構成される。
すなわち、図6の描画装置10’の長溝14は、基板12’上に数種類(本実施形態ではウサギとゾウの絵柄)を形成している。長溝14の形状及び内径は、ほぼ第一実施形態と同様であるが、後述するマイクロチューブ14A’の外径全体が、一定の余裕をもって収納される大きさであることが好ましい。なお、基板12’及び覆い板22は、透明な部材であることが好ましい。
【0088】
マイクロチューブ14A’は、内径が1mm以下のマイクロ空間を形成した透明な1本の筒状の流路であり、図6(B)に示されるように、長溝14内に埋設、固定される。
上記マイクロチューブ14A’の材質としては、折り曲げても破損しない強度、可塑性を有し、さらに耐薬品性を有するものが好ましく、例えば、シリコン、フッ素樹脂等が挙げられる。
【0089】
また、基板12’及び覆い板22の四隅には、板厚み方向に貫通したねじ穴57…が形成されており、使用者が組み立てることができるようになっている。
次に、描画装置10’の組み立て方法について説明する。まず、図6(A)に示されるように、上記マイクロチューブ14A’を、第1液溜め部24から第2液溜め部28までを連結するように長溝14内に埋設させる。本実施形態では、ウサギ又はゾウのうち、好きな絵柄を選び、この絵柄に沿ってマイクロチューブ14A’を固定して絵柄を形成する。
次いで、溝14内にマイクロチューブ14A’を固定した基板12’上に覆い板22を被せ、ねじ(不図示)をねじ穴57…に通し、締め付けることによって固定する。
また、描画装置10’の使用方法、及びその使用に必要な着色液等の材料については、第一実施形態と同様である。
【0090】
このように、1つの基板12’上に数種類の絵柄から好きな絵柄を選び、この絵柄に沿ってマイクロチューブ14A’を配置することにより、自由に所定絵柄を形成することができる。また、このマイクロチューブ14A’内に、着色液L1、L2を順次供給することによって、両者間の拡散・反応等の科学現象を手軽に観察・学習しながら、その絵柄の繊細な色の違いや色彩変化を表現し、楽しむことができる。また、マイクロチューブ14A’中に洗浄液を流通させるか、又はチューブそのものを新品に取り替えることにより、繰り返し絵柄を形成することができる。
【0091】
以上、本発明に係る描画装置の第二実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
【0092】
たとえば、本実施形態では、長溝14にマイクロチューブ14A’を埋設して絵柄を形成する構成としたが、上述に限定されず、平板状の基板12上にマイクロチューブ14A’を粘着性のシールや接着材等のその他の固定手段によって、透明ブロック内に2次元的、3次元的な絵柄を形成し、固定する構成としてもよい。この場合、透明ブロックの表面に形成された着色液供給用の液溜め部が、着色液回収用の液溜め部とマイクロチューブ14’により連通するように組み立てられればよい。
【0093】
また、本実施形態では、着色液L1、L2を供給する第1液溜め部24又は第2液溜め部を、それぞれ1つずつ設ける構成としたが、これに限定されず、それぞれ複数設ける構成としてもよい。これにより、必要に応じて異なる色の着色液を切り換えて、流路14A内に供給することが可能となる。
【0094】
<第三実施形態>
本実施形態は、第一実施形態と類似の密着積層体10を鉛直方向に複数枚積層して、3次元の絵柄を形成する積層型の描画装置50である。図7は、本発明に係る積層型の描画装置50の構成を説明する図であり、図8は、図7を構成する密着積層体10の構成を説明する図である。このうち、図7(A)は、積層型の描画装置50の上面図であり、図7(B)は図7(A)の矢印A方向の側面図である。なお、図7及び図8において、図1の描画装置10と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0095】
すなわち、図7に示されるように、積層型の描画装置50は、主に、透明な板状体の表面に断面積が1mm以下の長溝14が花、動物、風景等の所定絵柄を形成するように設けられた基板12と、覆い板22と、の密着積層体10…が、鉛直方向に積層されて構成される。本実施形態では、密着積層体10…を3部積層し、このうち中央に、絵柄の大きさが異なる密着積層体10を使用する例について説明するが、これに限定されない。
【0096】
図7の密着積層体10は、図8に示されるように、第1液溜め部24の液体供給口が、覆い板22の表面ではなく側面に形成され、第2液溜め部28の貫通孔30が覆い板22の側面に連通するように形成されたこと以外は、図1の描画装置10とほぼ同様に構成されている。なお、基板12及び覆い板22が、透明な部材であることが好ましい。
【0097】
図7の密着積層体10の第1液溜め部24の液体供給口は、図7(A)に示されるように、覆い板22の表面と側面に開口するように形成され、さらに覆い板22と基板12とが密着積層されて、第1液溜め部24が形成される。
【0098】
積層型の描画装置50の組み立て方法については、第一実施形態と同様に拡散接合により密着積層されることが好ましいが、これに限定されることはなく、接着剤等による接合や、ねじにより組み立て固定する方法等であってもよい。
次に、本発明に係る積層型の描画装置50の使用方法について、図7(B)を用いて説明する。なお、必要な着色液等の材料については、第一実施形態と同様である。
【0099】
まず、着色液用スポイト32を指でゆっくり押しながら、各密着積層体10…の第1液溜め部24…に着色液L1を強制的に供給する。次いで、着色液L2についても、同様に、第1液溜め部24…に順次強制的に供給する。
【0100】
第1液溜め部24から強制的に供給された着色液L1、L2は、流路14A内を流通した後、第2液溜め部28に貯留される。流路14A内は、この着色液L1、L2の強制供給により加圧されるが、第2液溜め部28の貫通孔30より空気が排出されるので、特に問題はない。
【0101】
着色液L2を第1液溜め部24…に供給した後、封止用のキャップ46…をそれぞれ第1液溜め部24…に被せて封止し、しばらく積層型の描画装置50を静置させる。
【0102】
以上に説明した本実施形態の描画装置50によれば、流路14A内の着色液L1、L2により、3次元的な絵柄を形成することができるだけでなく、着色液L1、L2の拡散・反応等の科学現象を手軽に観察・学習しながら、その絵柄の繊細な色の違いや色彩変化を表現し、楽しむことができる。また、描画した後でも、洗浄液を第1液溜め部24より流路14A内に供給して、流路14内に残った着色液L1、L2、及び反応生成物等を除去することができ、これにより、花、動物、風景等の所定絵柄を繰り返し形成することができる。
【0103】
なお、洗浄液が第2液溜め部28を超える容量になった場合でも、貫通孔30より描画装置10の外部へ排出させてもよいし、第1液溜め部24をスポイト等により減圧して、流路14内の着色液L1、L2、及び反応生成物を吸い出すことも可能である。
【0104】
以上、本発明に係る描画装置の第三実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
【0105】
たとえば、本実施形態では、密着積層体10を鉛直方向に密着して積層固定する構成としたが、これに限定されることはなく、棚状の固定枠に各密着積層体10を、所定の間隔ごとに積層する構成としてもよい。また、光造形技術等を用いて、透明ブロック内に微細流路による3次元的な絵柄を形成させた構成としてもよい。
【0106】
また、本実施形態では、1つの第1液溜め部24より着色液L1、L2を供給する構成としたが、図7及び8において、第1液溜め部24を複数設けて、それぞれの第1液溜め部24A、24Bより異なる色の着色液L1、L2を切り換えて供給する構成としてもよい。
【0107】
また、本実施形態では、各密着積層体10…に、それぞれ同じ着色液L1、L2を順次供給する例について説明したが、密着積層体10…ごとに異なる色又は種類の着色液を供給し、より多様な色彩変化を楽しむことも可能である。さらに、絵柄の種類又は大きさが異なる密着積層体10…を自由に組み合わせて積層することにより、3次元的な絵柄を形成することもできる。
【0108】
<第四実施形態>
本実施形態は、第三実施形態と類似の密着積層体10を水平方向に複数枚積層して、3次元の絵柄を形成する積層型の描画装置50である。図9は、本発明に係る積層型の描画装置50の構成を説明する図であり、図10は、図9を構成する密着積層体10の構成を説明する図である。なお、図9及び図10において、第三実施形態における図7の密着積層体10と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0109】
図9に示されるように、積層型の描画装置50は、主に、透明な板状体の表面に断面積が1mm以下の長溝14が花、動物、風景等の所定絵柄(本実施形態では蝶の絵柄)を形成するように設けられた基板12と、覆い板22と、の密着積層体10…が、水平方向に積層されて構成される。
【0110】
図9の密着積層体10は、図10に示されるように、第2液溜め部28の貫通孔30が、基板12の第1液溜め部24の液面よりも高い位置で外気と連通するように構成されたこと以外は、第三実施形態の密着積層体10と同様に構成される。なお、貫通孔30は、着色液が第2液溜め部28より積層型の描画装置50の外部へ漏れることなく、外気と連通できる構成(すなわち、液体供給部の液面よりも高い位置で外気と連通する構成)であれば、本実施形態に限定されない。
積層型の描画装置50の組み立て方法、使用方法、必要な着色液等の材料、及び各種別態様については、第三実施形態とほぼ同様である。
【0111】
以上に説明した本実施形態の描画装置50によれば、流路14A内の着色液L1、L2により、3次元的な絵柄を形成することができるだけでなく、着色液L1、L2の拡散・反応等の科学現象を手軽に観察・学習しながら、その絵柄の繊細な色の違いや色彩変化を表現し、楽しむことができる。また、描画した後でも、洗浄液を第1液溜め部24より流路14A内に供給して、流路14内に残った着色液L1、L2、及び反応生成物等を除去することができ、これにより、花、動物、風景等の所定絵柄を繰り返し形成することができる。また、本実施形態では、積層型の描画装置50を立てた状態で設置することができるため、観賞用として好適である。
【0112】
なお、本実施形態では、各密着積層体10の配置方法は、絵柄が同じ方向を示すように積層した例について述べたが、観賞用の置物として種々の配置形態(たとえば、密着積層体10、10同士が直交する方向に配置される等)をとることができ、特に限定されることはない。
【0113】
<第五実施形態>
本実施形態は、第四実施形態の積層型の描画装置50において、温度制御手段27を設置できる構成としたものである。図11は、本実施形態の密着積層体10を説明する図である。
【0114】
図11の密着積層体10は、基板12の流路14Aが形成されていない面(裏面)に、矩形の凹部25が形成され、透明な板状の温度制御手段27が差し込まれたこと以外は、図10の密着積層体10と同様に構成されている。
【0115】
積層型の描画装置50の組み立て方法、使用方法、着色液等の材料、及び各種別態様については、第三実施形態とほぼ同様である。
【0116】
このような構成により、積層型の描画装置50における密着積層体10同士の間の、流路14Aに相対する領域に隙間(凹部25)が形成され、ここに温度制御手段27が差し込まれることで、流路14A内の着色液の温度制御が行われる。
【0117】
上記温度制御手段27としては、第一実施形態に挙げたように金属ブロック、カイロ、各種保温剤等が使用できる。また、凹部25に所定温度の無色の水等を注ぐ方法でもよい。
【0118】
以上に説明した本実施形態の描画装置50によれば、流路14A内の着色液L1、L2が形成する3次元的な絵柄(本実施形態では、蝶の絵柄)を形成することができるだけでなく、着色液L1、L2の温度変化による繊細な色の違いや色彩変化を表現し、楽しむことができる。また、描画した後でも、洗浄液で流路14A内に残った着色液L1、L2、及び反応生成物等を除去することにより、花、動物、風景等の所定絵柄を繰り返し形成することができる。
【0119】
<第六実施形態>
本実施形態は、第一実施形態と類似の基板12…を水平方向に複数枚積層し、1の液体供給口より着色液を一括で各基板12…の流路14Aに分配供給し、一括して回収する積層型の描画装置50である。図12は、本発明に係る積層型の描画装置50の構成を説明する図であり、図13は、図12を構成する基板12の構成を説明する図である。このうち、図13(A)は、基板12の上面図であり、図13(B)は、第1液溜め部24(第2液溜め部28)の断面図である。なお、図12及び図13において、第一実施形態における図1の描画装置10と同一、類似の部材については、同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0120】
図12に示されるように、積層型の描画装置50は、主に、透明な板状体の表面に断面積が1mm以下の長溝14が花、動物、風景等の所定絵柄(本実施形態では蝶の絵柄)を形成するように設けられた基板12…と、1枚の覆い板22と、が水平方向に積層されて構成される。
【0121】
基板12は、図13(B)に示されるように、第1液溜め部24及び第2液溜め部28が、基板12の厚み方向に貫通した穴状に形成されていること以外は、第一実施形態の基板12と同様に構成される。
【0122】
次に、積層型の描画装置50の組み立て方法について説明する。
【0123】
まず、一方の基板12の流路14Aが形成された面(表面)と、他方の基板12の流路14Aが形成されていない面(裏面)とが隣接するように積層し、最も端の基板12に覆い板22を積層する。次いで、これらを固定用の枠などで積層固定し、第一実施形態の密着工程と同様にして、基板12、12同士、及び基板12と覆い板22とを熱圧着により密着固定させる。
【0124】
この基板12、12同士、及び基板12と覆い板22との密着固定方法としては、上述の例に限られず、一方の基板12の表面の流路14Aの周囲部と他方の基板12の裏面とを、各種接着剤等により固定させる方法、又は基板12及び覆い板22にねじ穴を形成し、これらを積層してねじで締め付け固定する方法等でもよい。
【0125】
図14は、図12の積層型の描画装置50を矢印Aの方向からみた側面図である。上記の如く基板12…及び覆い板22が積層されることにより、図14に示されるように、各基板12の第1液溜め部24…が連通して一つの液体供給路44を形成し、各基板12の第2液溜め部28…が連通して液体排出路48Aを形成する。
【0126】
これにより、液体供給路44より供給された着色液L1、L2は、各基板12の流路14A内へ均等に分配供給され、それぞれの基板12上の流路14A内を流通する。そして、流路14A内を流通した着色液は、液体排出路48Aへ回収される。
【0127】
なお、封止用のキャップ46(穴を開けたシール36等でもよい)を液体供給路44の入口端及び/又は液体排出路48Aの出口端に嵌め込み、着色液L1、L2が積層型の描画装置50から漏れ出さないようにしてもよい。
また、積層型の描画装置50の使用方法、及び必要な着色液等の材料については、第三実施形態とほぼ同様である。
【0128】
以上に説明した本実施形態の積層型の描画装置50によれば、流路14A内の着色液L1、L2が形成する3次元的な絵柄を形成することができるだけでなく、着色液L1、L2の拡散・反応等による繊細な色の違いや色彩変化を表現し、楽しむことができる。
【0129】
また、本実施形態の描画装置50によれば、洗浄液を流路14Aへ供給、排出して流路14内を洗浄しやすい構成となっているので、花、動物、風景等の所定絵柄を繰り返し形成することができる。
【0130】
以上、本発明に係る描画装置の第六実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
【0131】
本実施形態の積層型の描画装置50は、各基板12があらかじめ密着積層されておらず、使用者が組み立てる構成としたが、あらかじめ第一実施形態と同様に、密着積層された積層型の描画装置50として用意されてもよい。この場合、基板12、12同士、及び基板12と覆い板22との密着工程が不要となる。また、光造形技術等を用いて、透明ブロック内に微細流路による3次元的な絵柄を形成させた描画装置50を使用してもよい。
【0132】
また、本実施形態では、中央部に絵柄(蝶)の大きな密着積層体10を組み合わせた例を示したが、これに限定されず、絵柄のデザインや大きさの異なる基板12を、自由に組み合わせて積層してもよい。
【0133】
また、本実施形態では、基板12、12同士、及び基板12と覆い板22とを拡散接合で密着固定する例について説明したが、上述の例に限定されず、各部材をねじによって締め付け固定する方法等でもよい。
【0134】
また、本実施形態では、基板12の片面のみに長溝14が形成される例について説明したが、上述の例に限定されず、基板12の両面に長溝14が形成される構成であってもよい。
【0135】
また、本実施形態では、流路14A内を流通した着色液は、液体排出路48に回収されたままの状態としたが、積層型の描画装置50の外部に回収手段を取り付けて、積層型の描画装置50の外部へ回収させる構成としてもよい。
【0136】
<第七実施形態>
本実施形態は、積層型の描画装置50において、着色液の供給・排出等を自動化させた描画装置70である。図15は、積層型の描画装置50を用いた描画装置70の構成を説明する図である。
【0137】
描画装置70は、主に、描画装置本体50と、着色液L1、L2、及び洗浄液Wをそれぞれ貯留する液体貯留部74a、74b、及び74c(まとめて液体貯留部74とする)と、液体貯留部74より描画装置本体50に着色液L1、L2を切り換えて送液する配管切換手段76と、液体回収部78と、より構成される。
【0138】
液体貯留部74a、74b、及び74cは、着色液L1、L2、及び洗浄液Wを貯留しており、1つの液体貯留部74を形成する。
【0139】
配管切換手段76は、着色液L1、L2又は洗浄液Wの液体貯留部74a、74b、74cと連通する配管82a、82b、82c、を定期的又は必要に応じて切り換えて、描画装置本体50に連通する配管84に接続する。
【0140】
配管切換手段76の具体的な例としては、ダンパ、バルブ等が挙げられるが、配管を切り換える機能を有するものであれば他の手段でもよい。また、配管切換手段76にタイマ機能を設け、一定時間ごとに送液する液体を切り換える構成としてもよい。
【0141】
液体回収部78は、配管86により描画装置本体72と連通されており、描画装置本体50より排出される着色液L1、L2又は洗浄液Wを回収する。
【0142】
次に、描画装置70の作用について説明する。なお、描画装置70は、プログラムにより自動制御されるものとする。
【0143】
まず、配管切換手段76が作動し、配管82aと配管84とが連通される。次いで、送液ポンプ77が作動し、着色液L1が配管82a、84を介して描画装置本体50に送液される。そして、所定時間経過後、送液ポンプ77が停止される。
【0144】
その後、再び配管切換手段76が作動し、配管82bと配管84とが連通される。次いで、送液ポンプ77が作動し、着色液L2が配管82b、84を介して描画装置本体50に送液される。そして、所定時間経過後、送液ポンプ77が停止される。このとき、描画装置本体50内では、着色液L1、L2によって絵柄が形成され、両者間の拡散・反応による色彩変化が生じる。
【0145】
また、描画装置本体50の流路内を流通した着色液L1、L2又は反応生成物は、液体回収部78に回収される。そして、充分な時間が経過した後、配管切換手段76が作動し、配管82cと配管84とが連通される。
【0146】
次いで、送液ポンプ77が作動し、洗浄液Wが配管82c、84を介して描画装置本体50に送液される。そして、所定時間経過後、送液ポンプ77が停止し、洗浄を終了する。これにより、描画装置本体72の流路14A内に残った着色液L1、L2、及び反応生成物等が除去及び洗浄され、運転前と同様の状態にもどされる。
【0147】
なお、洗浄液供給手段としては、上記の方法の他に、洗浄液を溜める液溜め部を描画装置50の表面に設けて、必要に応じて加圧することで洗浄液を供給する方法やスポイト等で洗浄液Wを適宜供給する方法等でもよく、これらに限定されない。
以上説明した本実施形態の描画装置70によれば、描画装置の流路に送液する異なる色又は種類の着色液を自動的に切り換えることができるので、種々の色を切り換え又は組み合わせて絵柄を形成することができる。これにより、絵柄の繊細な色の違いや色彩変化を表現し、楽しむことができる。
【0148】
以上、本発明に係る描画装置70の第七実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
【0149】
たとえば、本実施形態では、描画装置本体50として積層型の描画装置50を用いたが、描画装置10を用いてもよい。また、異なる色の着色液を順次、描画装置本体50に供給する構成としたが、異なる色または種類の着色液を、同時又は切り換えて描画装置本体50の2次元的な流路の描画装置にそれぞれ供給する構成や、3次元的な流路の描画装置に供給する構成としてもよい。これにより、意図的に種々の色の着色液を供給することができる。
【0150】
以上に説明した本発明の第一〜第七実施形態の描画装置によれば、シンプルな構成で、安価に組み立てられ、かつ、高精度な絵柄を繰り返し形成することができるだけでなく、拡散・反応等の科学現象を手軽に観察・学習しながら、繊細な色の違いや色彩変化を表現し、楽しむことができる。
【0151】
また、本発明は、観賞用の置物としてだけでなく、学習用教材や玩具としても使用することができる。
【実施例】
【0152】
次に、実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。図1に示される描画装置10を使用して、着色液L1、L2による絵柄の形成、及び拡散・反応による色彩変化等に関する目視観察を行った。
(着色液L1、L2の種類)
着色液L1:水溶性青色インク(市販)、着色液L2:水溶性赤色インク(市販)
(実施例1)
まず、流路全長に相当する量の着色液L1(青色)を第2液溜め部28より着色液用スポイト32で供給した後、供給を止め、次に、流路全長の約半量に相当する量の着色液L2(赤色)を第2液溜め部28より着色液用スポイト32で供給した。このときの絵柄の色彩変化を観察した(図16参照)。なお、着色液の供給方向を矢印で示す。
【0153】
図16(A)に示すように、着色液L1のみを供給すると、青い絵柄(本実施例では蝶の絵柄)が形成された。次いで、第2液溜め部28より着色液L2(赤色)を供給しはじめると、図16(B)に示すように、第2液溜め部28近傍から着色液L2の赤色が流通方向に拡散し始めた。その後、着色液L2の供給を止め、絵柄の色彩変化を経時的に観察したところ、図16(C)に示すように、第2液溜め部28付近から、着色液L1とL2との拡散が進行し、絵柄が紫色に変色し始める様子が認められた。さらに約20分間放置した後、絵柄はほぼ全体が均一に紫色を呈した。
【0154】
このように、着色液L1、L2間の拡散を、色彩変化として視覚的に認識できることが解った。
【0155】
(実施例2)
まず、第1液溜め部24Aから、流路全長の約半量に相当する量の着色液L1を着色液用スポイト32で供給した後、さらに第1液溜め部24Bから、同量の着色液L2を着色液用スポイト32で供給した。そして、絵柄の色彩変化を観察した(図17参照)。
【0156】
図17(A)に示すように、着色液L1、L2は、それぞれの流路を流通して、合流領域Pで合流したが、相互に層流を形成していたため、瞬時に両者が混合されず、それぞれの色を維持した状態で流通した。その後、分岐すると、再び着色液L1、L2の青色、赤色に分離して流通した。
【0157】
次いで、図17(B)に示すように、合流領域P近傍から両者が反応しはじめ、色彩が紫色に変化し始めた。さらに、約20分経過後、図17(C)に示すように、絵柄全体で着色液L1、L2が拡散及び反応することにより、絵柄全体が紫色に変化した。
【0158】
このように、着色液L1、L2間の拡散を、色彩変化として視覚的に認識できることが解った。
【図面の簡単な説明】
【0159】
【図1】本発明に係る第一実施形態の描画装置の構成を説明する平面図である
【図2】図1の部分拡大断面図である
【図3】図1の部分拡大断面図等である
【図4】描画方法の手順を示す断面図である
【図5】図1の別態様を説明する平面図である
【図6】本発明に係る第二実施形態の描画装置の構成を説明する図である
【図7】本発明に係る第三実施形態の描画装置の構成を説明する図である
【図8】図7の別態様を説明する図である
【図9】本発明に係る第四実施形態の描画装置の構成を説明する斜視図である
【図10】図9の密着積層体を説明する図である
【図11】本発明に係る第五実施形態の描画装置の構成を説明する図である
【図12】本発明に係る第六実施形態の描画装置の構成を説明する斜視図である
【図13】図12の基板及び覆い板を説明する図である
【図14】図12の矢印A方向の側面図である
【図15】本発明に係る第七実施形態の描画装置の構成を説明する斜視図である
【図16】本実施例における観察結果を示す図である
【図17】本実施例における観察結果を示す図である
【符号の説明】
【0160】
10、10’…描画装置(密着積層体)、12…基板、14…長溝、14A…流路、14A’…チューブ状の流路、22…覆い板、22A…覆い板本体、22B…透明板、24…第1液溜め部、28…第2液溜め部、30…貫通孔、32…着色液用スポイト、36…テープ、38…指先、50…積層型の描画装置、44…液体供給路、48…液体排出路、70…描画装置、74…液体貯留部、76…配管切換手段、78…液体回収部、82a、82b、82c、84、86…配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明ブロック内に、花、動物、風景等の所望絵柄に形成された流路断面が1mm以下の微細流路が2次元的又は3次元的な流路構造に形成されており、前記透明ブロック表面に形成されて前記微細流路に連通する少なくとも1つの液溜め部から1色以上の着色液を前記微細流路内に供給して満たすことで前記所望絵柄の色彩変化を視覚的に認識可能としたことを特徴とする描画装置。
【請求項2】
前記透明ブロックは、アクリル製又はガラス製であることを特徴とする請求項1の描画装置。
【請求項3】
前記微細流路は断面が1mm以下のマイクロチューブで形成されていることを特徴とする請求項1又は2の描画装置。
【請求項4】
前記透明ブロックは、
板状体の表面に断面が1mm以下である前記絵柄の長溝が形成されている基板と、
該基板の表面に密着配置され、前記長溝を覆うことにより該基板に前記2次元的な微細流路を形成する覆い板と、を備えたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1の描画装置。
【請求項5】
前記液溜め部が基板又は前記覆い板上に複数形成され、該複数の着色液にそれぞれ異なる色の着色液が溜められると共に、該複数の液溜め部にそれぞれ連通する複数の液体供給路と、該複数の液体供給路が一本に合流する流路と、を設け、前記複数の着色液を、前記複数の液溜め部より切り換えて前記流路に供給することを特徴とする請求項4の描画装置。
【請求項6】
前記微細流路に相対する部分の前記覆い板又は前記基板が、温度調節手段が密着できる形状であることを特徴とする請求項4又は5の描画装置。
【請求項7】
前記2次元的な微細流路の描画装置を2以上積層することにより、前記3次元的な微細流路の描画装置を形成することを特徴とする請求項4〜6の何れか1の描画装置。
【請求項8】
複数種類の着色液をそれぞれ貯留する複数の液体貯留部と、
前記複数の液体貯留部のうち、所定の液体貯留部と前記2次元的なそれぞれの描画装置とを連通させる配管切換手段と、
を備えたことを特徴とする請求項7の描画装置。
【請求項9】
前記描画装置は前記微細流路を洗浄する洗浄液供給手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜8の何れか1の描画装置。
【請求項10】
前記着色液は、温度、反応、光の何れかにより色が変化する機能及び/又は固まる機能を有することを特徴とする請求項1〜9の何れか1の描画装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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