揚送研磨装置
【課題】 揚送研磨装置において、研磨パッドの有効使用期間の延長を可能にする。
【解決手段】 研磨パッドの幅をレール体の幅よりも小さく、かつ、レール体の幅方向両端の球案内溝の外縁間距離よりも大きくし、研磨パッドの幅方向一端をレール体の幅方向一端の延長上に整列させてその研磨パッドを上扉に設置した状態において、レール体の球案内溝の中心線間距離をD1、その研磨パッドの幅方向他端から前記レール体の幅方向他端に最も近い球案内溝の中心線までの距離をD2、研磨パッドの幅方向一端から前記レール体の幅方向一端に最も近い球案内溝の中心線までの距離をD3とすると、不等式D2<D1<D3が成立つように、D1、D2、D3を設定した。
【解決手段】 研磨パッドの幅をレール体の幅よりも小さく、かつ、レール体の幅方向両端の球案内溝の外縁間距離よりも大きくし、研磨パッドの幅方向一端をレール体の幅方向一端の延長上に整列させてその研磨パッドを上扉に設置した状態において、レール体の球案内溝の中心線間距離をD1、その研磨パッドの幅方向他端から前記レール体の幅方向他端に最も近い球案内溝の中心線までの距離をD2、研磨パッドの幅方向一端から前記レール体の幅方向一端に最も近い球案内溝の中心線までの距離をD3とすると、不等式D2<D1<D3が成立つように、D1、D2、D3を設定した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機から排出される遊技球を集めて所定の高さまで揚送しながら研磨し、その研磨した遊技球をリサイクル補給用の上部タンクに排出する揚送研磨装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の揚送研磨装置には、横断面角型U字形の縦長の本体内の上部に設けた従動プーリと下部に設けた駆動プーリの間に無端の揚送ベルトを巻回して張設し、その揚送ベルトを所定方向に回転させる駆動体を設け、前記本体の開口面側、すなわち揚送ベルトの上昇面側において下上二つの扉をそれぞれ開閉可能に取付け、下扉の内面には複数の球案内溝を有する縦長帯状のレール体を備えるとともに、その下扉の内面にレール体を全長に渡って被覆する研磨布を交換可能に保持し、上扉の内面には研磨パッドを交換可能に保持して、上下の扉を閉じてロックしたときは、研磨布及び研磨パッドがそれぞれ揚送ベルトの上昇面に遊技球の直径よりも小さな所定の距離を持って対向するように構成され、パチンコ機から排出されて所定の位置まで回収された遊技球は、揚送ベルトの下端部付近に設けてある球流入口から、回転されている揚送ベルトと研磨布の間に進入して、研磨布にレール体の球案内溝にならって形成された各球案内溝に沿って1列ずつ転動して揚送されながら研磨され、引き続いて、揚送ベルトと研磨パッドの間を揚送されながら研磨され、揚送ベルトの上端部から上部タンクに排出されるように構成されているものがある(特許文献1、2)。
【0003】
旧来の揚送研磨装置において使用されてきた研磨布は、布製であって、研磨性能が高くなかったので、本体の全長とほぼ等しい長さの研磨布のみが用いられていたが、近年、研磨布の研磨性能が高くなったことに伴い、上記のように、従来の本体の高さを維持したまま、その高さの下半部には研磨性能の高い研磨布が備えられ、上半部には補助的な研磨性能を有する研磨パッドが備えられるようになったものがある。
本明細書においては、研磨布が設けられている区間を便宜的に研磨区間といい、研磨パッドが設けられている区間を便宜的に揚送区間という。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4408611号公報
【特許文献2】特開2010−115748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、図10に示すように、従来の揚送研磨装置における揚送区間に設置される研磨パッドPは、研磨区間に設置されるレール体Rの幅W1と等しい幅W2を有し、しかも、研磨パッドPの幅方向両端とレール体Rの幅方向両端とを共通の垂直線上に整列させて交換可能に取付けられていた。
【0006】
そして、研磨パッドPの有効使用期間を長くし、費用対効果を良くするため、従来は、表裏両面に研磨性能を有する研磨パッドを用い、一つの面を使用した後は、表裏を反転してもう一つの面を使用していた。
【0007】
しかしながら、上記のように幅の等しい研磨パッドPとレール体Rとを、それらの幅方向両端を共通の垂直線上に整列させて取付けていたので、図11の(1)に示すように、研磨パッドPの使用前の表面sには研磨による汚れが付着していないが、同図(2)に示すように、使用後の表面には研磨区間のレール体Rの各球案内溝g1〜g7(図10参照)の底部中央の延長線上に汚れ(研磨痕跡)d1が線状に付着し、その研磨パッドを表裏反転した後の使用前の裏面bには、同図(3)に示すように、当然、研磨による汚れが付着していないが、同図(4)に示すように、使用後の裏面には研磨区間のレール体Rの各球案内溝g1〜g7の底部中央の延長線上に汚れ(研磨痕跡) d2が線状に付着する。そして、表面sの研磨痕跡d1と裏面bの研磨痕跡d2は研磨パッドPの表裏対称の位置に存在することとなる。
従って、従来の研磨パッドPの使用可能な面は、表面と裏面の一方向に限られるため、有効使用期間は、研磨パッドの一面のみの有効使用期間の2倍を超えることはできなかった。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、解決しようとする第一の課題は、研磨区間と揚送区間とを有する揚送研磨装置において、揚送区間の研磨パッドの有効使用期間を一面のみの有効使用期間の2倍を超えることができるようにすることにある。
【0009】
本発明の第二の課題は、研磨区間と揚送区間とを有して、揚送区間の研磨パッドの有効使用期間を一面のみの有効使用期間の2倍を超えることができるようにした揚送研磨装置において、研磨パッドを所定位置に容易に取付けることができ、かつ、容易に交換可能に保持する構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記第一の課題を解決するため、研磨区間と揚送区間とを有する揚送研磨装置において、表裏両面に研磨性能を有する研磨パッドを用い、その研磨パッドの幅をレール体の幅よりも小さく、かつ、レール体の幅方向両端の球案内溝の外縁間距離よりも大きくするとともに、研磨パッドの幅方向一端をレール体の幅方向一端の延長上に整列させてその研磨パッドを上扉に設置した状態において、前記レール体の球案内溝の中心線間距離をD1、その研磨パッドの幅方向他端から前記レール体の幅方向他端に最も近い球案内溝の中心線までの距離をD2、研磨パッドの幅方向一端から前記レール体の幅方向一端に最も近い球案内溝の中心線までの距離をD3とすると、不等式D2<D1<D3が成立つように、D1、D2、D3を設定したことを特徴としている。
また、本発明は、上記第一の課題を解決するため、上扉の内面に上記研磨パッドを上下反転及び表裏反転して装着可能にしたことを特徴としている。
【0011】
本発明は、第二の課題を解決するため、上扉の両側壁の内側に、その両側壁間距離よりも小さな幅を有する保持部材を固着し、その保持部材に研磨パッドを交換可能に固定したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、研磨パッドの有効使用期間を従来品の4倍に延長することができる。従って、揚送研磨装置のメンテナンス性が改善され、研磨パッドの費用対効果が格段に向上する。
【0013】
請求項2の発明によれば、研磨パッドの所定位置への取付及び交換が容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る揚送研磨装置の正面図である。
【図2】同じく側面図である。
【図3】同じく扉を開放した状態の一部が省略された斜視図である。
【図4】下扉の分解斜視図である。
【図5】下扉に設けてある研磨布保持機構を示す斜視図である。
【図6】上扉の分解斜視図である。
【図7】レール体と研磨パッドの幅寸法及び保持位置の関係を示す図であり、(a)は一部省略正面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図である。
【図8】図7の(a)中のレール体と研磨パッドのみを抽出した図である。
【図9】本発明における研磨パッドの使用態様を説明する図である。
【図10】従来の揚送研磨装置におけるレール体と研磨パッドの幅と保持位置の関係を示す図である。
【図11】従来の揚送研磨装置における研磨パッドの使用態様を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
続いて、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1、2において、Aは揚送研磨装置であり、横断面角型U字形の縦長の本体1の上部に設けられた従動プーリ2と本体1の下部に設けられた駆動プーリ3との間に中間のテンションプーリ4を介して無端ベルトからなる揚送ベルト5を巻回して張設し、駆動プーリ3の軸上に固着したプーリ12aと、本体1の下部に設けられたモータ12の回転軸上に固着したプーリ12bの間に伝動ベルト12cを巻回して、駆動プーリ3に回転力を与えるための駆動手段を備え、本体1の開口面側、すなわち、揚送ベルト5の上昇面5U側に、下扉6Lと上扉6Uとが既知のヒンジ9及びロック機構10a、10bによりそれぞれ開閉可能に、かつ、ロック可能に取付けられており、本体1の下部には、各パチンコ遊技台の下方を回収樋その他の回収部材により回収される球を受入れて、モータ12により所定方向に回転される揚送ベルト5の上昇面5Uの下端部と後述される研磨布の間に流し込むシュータ11が設けられ、また、本体1の上部には、回転される揚送ベルトの上昇面の上端部と研磨布との間から排出される球を上部タンク(不図示)に向けて排出するダクト13が設けられている。
【0016】
下扉6Lは、その内面に、後述されるように、弾性体15とレール体16を保持し、そのレール体の全面を被覆する研磨布18を交換可能に保持するものであり、揚送ベルト5と研磨布18との間に研磨区間が形成されている。
さらに詳述すると、下扉6Lは、図3、4に示すように、横断面凹字形に形成され、その下扉6Lの裏面に弾性体取付板(以下、単に取付板という。)14が密着してねじ止め、その他周知の方法で固定され、その取付板14には弾性体15、例えば、図示の例のような板バネ、コイルバネ又はスポンジ板が固着されており、その弾性体15の表面にレール体16が当接され、下扉6Lの両側壁6aの内面に固着された押さえ部材17により、所定の位置以上には移動しないように保持されている。弾性体15がスポンジ板である場合は、取付板14を用いずに、直接に下扉6Lに貼り付ける。
【0017】
上記レール体16は、図4、図7に示すように、幅方向両側に押さえ部材17により押さえられる固定部16aと、その間に形成されている複数条(図示の例では7条。球案内溝の本数は任意である。)の球案内溝16b1〜16b7とを有し、各球案内溝の間には、球案内溝を転動する球の相互接触を避けるためのランド部16cが形成されている。
【0018】
図3、8には研磨布の図示が省略されているが、図4、5に示すように、研磨布18は、下扉6Lよりも長い長さを有し、かつ、レール体16とほぼ等しい幅を有しており、図5に示すように、下扉6Lの外面の上下に設けた研磨布固定手段であるクランプ19を操作して、例えば、クランプ19のハンドルレバー19aにより回転されるカム19bと下扉6Lの間に研磨布18の上端部及び下端部を挟持して、緊張させた状態で交換可能に固定されている。
【0019】
研磨布18は、例えばパルプ55%、PET(ポリテレフタル酸エチレン)45%を原料とする厚さが一例として0.3〜0.5mm程度の薄手の不織布を、一例として、幅160mm、長さ1.7m程度の帯状に切断して構成されていて、布製の研磨布よりも格段に高い研磨性能を有している。
【0020】
下扉6Lが閉鎖状態にあるときは、レール体16の球案内溝16bが揚送ベルト5の上昇面5Uに対向し、研磨布18がレール体16の表面全体を被覆するように装着される。そして、揚送ベルト5と研磨布18との間が遊技球の直径よりも若干小さな所定の距離に隔てられている。
研磨布18は、揚送ベルト5とレール体16の球案内溝16b1〜16b7の間を通過する球から受ける押圧力により、各球案内溝16b1〜16b7に沿って変形してその球案内溝16bに密着される。
【0021】
上扉6Uは、図3に示すように、その内面に縦帯状の研磨パッド20が直接に、又は弾性体を介在させた後、交換可能に備えられている。上扉6Uの主たる目的は、下側の研磨区間を通過した遊技球を揚送ベルトの上端部まで揚送することにあるから、研磨パッド20は、下扉6Lから揚送される遊技球に揚送ベルトと協働して搬送力を与える程度の適度な力で押圧することができる材質で作られていれば良い。しかし、揚送される遊技球は、下扉6Lの研磨布18により研磨されて、付着していた汚れ等はほぼ全てが除去されるが、汚れの一部が除去されずに残る場合があり、また研磨により新たに金属微粉等が付着したりすることもあるので、上扉6Uにおいてさらに良く除去して光沢を付けるため、研磨パッド20には、補助的な研磨性能を有する材質のものが使用される。
【0022】
そのような研磨パッド20には、研磨布よりも研磨性能の小さい、例えば、ウレタンゴムやPET(ポリエチレンテレフタレート)などで織製又は編製されたもの、もしくは不織製で、表面に球案内溝を有するもの又は有しないものを用いることができる。
【0023】
本発明においては、所期の目的を達成するため、第1の条件として、研磨パッド20に表裏両面に研磨性能を有するものを用い、第2の条件として、図7、図8に示すように、研磨パッド20の幅W2をレール体16の幅W1よりも小さく、かつ、レール体の幅方向両端の球案内溝16bの外縁間距離W3よりも大きくするとともに、第3の条件として、研磨パッド20の幅方向一端e21をレール体16の幅方向一端e11の延長上に整列させてその研磨パッド20を上扉6Uに設置した状態において、レール体16の隣接する球案内溝16bの中心線間距離をD1、その研磨パッド20の幅方向他端e12からレール体16の幅方向他端e22に最も近い球案内溝16b7の中心線までの距離をD2、研磨パッド20の幅方向一端e11からレール体16の幅方向一端e21に最も近い球案内溝16b1の中心線までの距離をD3とすると、前記D1、D2、D3は不等式D2<D1<D3が成立するように設定されている。
【0024】
D1、D2、D3の具体値は、遊技球の直径に依存し、後述されるように、研磨パッドの表裏反転及び天地逆転した場合に、研磨パッドの各面に生じる汚れ線が重ならないように設定されれば良い。具体例を挙げると、D1は10mm、D2は15.6mm、D3は17.8mmである。
【0025】
上記全条件を満たす研磨パッド20は、図7、図8に示すように、その幅方向一端e21をレール体16の幅方向一端e11の延長線上に合致させた状態で上扉6Uに交換可能に固定されている。研磨パッド20を上扉6Uの所定位置に所定の状態で交換可能に固定するには任意の固定手段を用いることができる。一例を挙げれば、図6に示すように、上扉6Uの両側壁間距離よりも短い幅を有する縦長矩形の4辺又は少なくとも左右2辺に起立壁を有する箱状の保持部材21を上扉6Uの内面に固着し、その保持部材21の中に弾性を有する研磨パッド20の幅を圧縮して緊密に嵌合して固定してある。単に嵌合して固定するので、後述される研磨パッド20の表裏反転、上下反転が容易にできる利点がある。研磨パッド20を上扉6Uに固定した後は、上扉6Uの押さえ部材17と同様の押さえ部材17’を取付けるとよい。
【0026】
続いて、上記条件の全てを満たした研磨パッド20の使用態様、すなわち、どのような使用の仕方ができるかについて、図9に基づいて説明する。図9において、a、b、c、dは、研磨パッド20の4つの特定の辺を示す。
図8に示すように、幅方向一端e21をレール体16の幅方向一端e11の延長上に整列させた所定の位置に取付けられた研磨パッド20が未使用の場合は、レール体の球案内溝16bと共通の垂直面の上方に位置する面を表面とすると、すなわち、揚送ベルトの上昇面に対向させると、その表面は当然ながら図9の(1)に示すように汚染されていない。揚送研磨装置が一定期間運転されると、レール体16の各球案内溝16b1〜16b7から上方に揚送される遊技球に残存していた汚れが研磨パッド20に擦り取られるため、その研磨パッドの表面に同図(2)に実線で示すように、各球案内溝16b1〜16b7の底部中央の上方延長上に筋状に汚れd1が付着し、堆積する。この筋状の汚れを以下、研磨痕という。
【0027】
研磨パッドの一つの面(表面)の有効使用期間が到来したときは、揚送研磨装置の運転を一旦停止し、上扉6Uを開け、押さえ部材17’を取り外し、研磨パッド20を保持部材21から取り出すとともに、垂直線周りに回転して表裏反転し、再び保持部材21に嵌合して、押さえ部材17’を取付けた後、運転を再開する。この研磨パッド20の裏面を揚送ベルトの上昇面に対向させたときは、図9の(3)に示すように、汚染されていない。(3)の鎖線 d1は、表面に生じた研磨痕を示す。そして、揚送研磨装置が一定期間運転されると、その研磨パッドの裏面に、表面の場合と同様に、同図(4)に実線で示すように、レール体16の各球案内溝16b1〜16b7の底部中央の上方延長上に研磨痕d2が発生する。この場合、鎖線で示された表面の研磨痕d1と裏面の実線の研磨痕d2は、レール体16と研磨パッド20の上記の条件によって重ならない位置に存在する。
【0028】
その裏面の有効使用期間が到来したときは、揚送研磨装置の運転を一旦停止し、上扉6Uを開け、押さえ部材17’を取り外して研磨パッド20をその研磨パッドに直角な水平線周りに回転して上下反転し、再び、押さえ部材17’を取付けた後、運転を再開する。図9の(5)に示すように、上下反転された研磨パッドの裏面の実線の研磨痕d2は、反転前の裏面の実線の研磨痕とは異なる位置に移動する。従って、図9の(6)に示すように、運転再開により、その裏面には反転前の裏面の実線の研磨痕とは異なる位置に研磨痕d3が発生する。図示の例では、図9の(5)に鎖線で示された表面の研磨痕d1と重なる位置に発生する。
【0029】
そして、上下反転後の裏面の有効使用期間が到来したときは、前述と同様に、研磨パッド20を垂直線周りに回転して表裏反転すると、図9の(7)に示すように、その表面には(4)の研磨痕と左右対称形の研磨痕が現れる。従って、この研磨パッド20には、(8)に示すように、表面の(7)の裏面の鎖線の研磨痕d2と重なるが、まだ研磨痕が生じていない位置に研磨痕d4が発生する。研磨痕が発生したことは、その研磨パッドが研磨性能を有効に発揮したことを意味する。
【0030】
上述した形態において、表裏反転と上下反転の順序は任意であり、要するに発生する研磨痕の位置が重ならないように、研磨パッドの揚送ベルトに対向する面を順次変えればよい。
【0031】
以上のように、本発明は、研磨パッドの有効使用期間を従来品の4倍に延長することができるものであり、揚送研磨装置のメンテナンスが改善され、研磨パッドの費用対効果が格段に向上する。
【符号の説明】
【0032】
A 揚送研磨装置
1 本体
5 揚送ベルト
6L 下扉
6U 上扉
16 レール体
16a 固定部
16b1〜16b7 球案内溝
16c ランド部
17、17‘ 押さえ部材
18 研磨布
20 研磨パッド
21 保持部材
d1〜d4 研磨痕(汚れ)
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機から排出される遊技球を集めて所定の高さまで揚送しながら研磨し、その研磨した遊技球をリサイクル補給用の上部タンクに排出する揚送研磨装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の揚送研磨装置には、横断面角型U字形の縦長の本体内の上部に設けた従動プーリと下部に設けた駆動プーリの間に無端の揚送ベルトを巻回して張設し、その揚送ベルトを所定方向に回転させる駆動体を設け、前記本体の開口面側、すなわち揚送ベルトの上昇面側において下上二つの扉をそれぞれ開閉可能に取付け、下扉の内面には複数の球案内溝を有する縦長帯状のレール体を備えるとともに、その下扉の内面にレール体を全長に渡って被覆する研磨布を交換可能に保持し、上扉の内面には研磨パッドを交換可能に保持して、上下の扉を閉じてロックしたときは、研磨布及び研磨パッドがそれぞれ揚送ベルトの上昇面に遊技球の直径よりも小さな所定の距離を持って対向するように構成され、パチンコ機から排出されて所定の位置まで回収された遊技球は、揚送ベルトの下端部付近に設けてある球流入口から、回転されている揚送ベルトと研磨布の間に進入して、研磨布にレール体の球案内溝にならって形成された各球案内溝に沿って1列ずつ転動して揚送されながら研磨され、引き続いて、揚送ベルトと研磨パッドの間を揚送されながら研磨され、揚送ベルトの上端部から上部タンクに排出されるように構成されているものがある(特許文献1、2)。
【0003】
旧来の揚送研磨装置において使用されてきた研磨布は、布製であって、研磨性能が高くなかったので、本体の全長とほぼ等しい長さの研磨布のみが用いられていたが、近年、研磨布の研磨性能が高くなったことに伴い、上記のように、従来の本体の高さを維持したまま、その高さの下半部には研磨性能の高い研磨布が備えられ、上半部には補助的な研磨性能を有する研磨パッドが備えられるようになったものがある。
本明細書においては、研磨布が設けられている区間を便宜的に研磨区間といい、研磨パッドが設けられている区間を便宜的に揚送区間という。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4408611号公報
【特許文献2】特開2010−115748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、図10に示すように、従来の揚送研磨装置における揚送区間に設置される研磨パッドPは、研磨区間に設置されるレール体Rの幅W1と等しい幅W2を有し、しかも、研磨パッドPの幅方向両端とレール体Rの幅方向両端とを共通の垂直線上に整列させて交換可能に取付けられていた。
【0006】
そして、研磨パッドPの有効使用期間を長くし、費用対効果を良くするため、従来は、表裏両面に研磨性能を有する研磨パッドを用い、一つの面を使用した後は、表裏を反転してもう一つの面を使用していた。
【0007】
しかしながら、上記のように幅の等しい研磨パッドPとレール体Rとを、それらの幅方向両端を共通の垂直線上に整列させて取付けていたので、図11の(1)に示すように、研磨パッドPの使用前の表面sには研磨による汚れが付着していないが、同図(2)に示すように、使用後の表面には研磨区間のレール体Rの各球案内溝g1〜g7(図10参照)の底部中央の延長線上に汚れ(研磨痕跡)d1が線状に付着し、その研磨パッドを表裏反転した後の使用前の裏面bには、同図(3)に示すように、当然、研磨による汚れが付着していないが、同図(4)に示すように、使用後の裏面には研磨区間のレール体Rの各球案内溝g1〜g7の底部中央の延長線上に汚れ(研磨痕跡) d2が線状に付着する。そして、表面sの研磨痕跡d1と裏面bの研磨痕跡d2は研磨パッドPの表裏対称の位置に存在することとなる。
従って、従来の研磨パッドPの使用可能な面は、表面と裏面の一方向に限られるため、有効使用期間は、研磨パッドの一面のみの有効使用期間の2倍を超えることはできなかった。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、解決しようとする第一の課題は、研磨区間と揚送区間とを有する揚送研磨装置において、揚送区間の研磨パッドの有効使用期間を一面のみの有効使用期間の2倍を超えることができるようにすることにある。
【0009】
本発明の第二の課題は、研磨区間と揚送区間とを有して、揚送区間の研磨パッドの有効使用期間を一面のみの有効使用期間の2倍を超えることができるようにした揚送研磨装置において、研磨パッドを所定位置に容易に取付けることができ、かつ、容易に交換可能に保持する構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記第一の課題を解決するため、研磨区間と揚送区間とを有する揚送研磨装置において、表裏両面に研磨性能を有する研磨パッドを用い、その研磨パッドの幅をレール体の幅よりも小さく、かつ、レール体の幅方向両端の球案内溝の外縁間距離よりも大きくするとともに、研磨パッドの幅方向一端をレール体の幅方向一端の延長上に整列させてその研磨パッドを上扉に設置した状態において、前記レール体の球案内溝の中心線間距離をD1、その研磨パッドの幅方向他端から前記レール体の幅方向他端に最も近い球案内溝の中心線までの距離をD2、研磨パッドの幅方向一端から前記レール体の幅方向一端に最も近い球案内溝の中心線までの距離をD3とすると、不等式D2<D1<D3が成立つように、D1、D2、D3を設定したことを特徴としている。
また、本発明は、上記第一の課題を解決するため、上扉の内面に上記研磨パッドを上下反転及び表裏反転して装着可能にしたことを特徴としている。
【0011】
本発明は、第二の課題を解決するため、上扉の両側壁の内側に、その両側壁間距離よりも小さな幅を有する保持部材を固着し、その保持部材に研磨パッドを交換可能に固定したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、研磨パッドの有効使用期間を従来品の4倍に延長することができる。従って、揚送研磨装置のメンテナンス性が改善され、研磨パッドの費用対効果が格段に向上する。
【0013】
請求項2の発明によれば、研磨パッドの所定位置への取付及び交換が容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る揚送研磨装置の正面図である。
【図2】同じく側面図である。
【図3】同じく扉を開放した状態の一部が省略された斜視図である。
【図4】下扉の分解斜視図である。
【図5】下扉に設けてある研磨布保持機構を示す斜視図である。
【図6】上扉の分解斜視図である。
【図7】レール体と研磨パッドの幅寸法及び保持位置の関係を示す図であり、(a)は一部省略正面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は(a)のB−B断面図である。
【図8】図7の(a)中のレール体と研磨パッドのみを抽出した図である。
【図9】本発明における研磨パッドの使用態様を説明する図である。
【図10】従来の揚送研磨装置におけるレール体と研磨パッドの幅と保持位置の関係を示す図である。
【図11】従来の揚送研磨装置における研磨パッドの使用態様を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
続いて、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1、2において、Aは揚送研磨装置であり、横断面角型U字形の縦長の本体1の上部に設けられた従動プーリ2と本体1の下部に設けられた駆動プーリ3との間に中間のテンションプーリ4を介して無端ベルトからなる揚送ベルト5を巻回して張設し、駆動プーリ3の軸上に固着したプーリ12aと、本体1の下部に設けられたモータ12の回転軸上に固着したプーリ12bの間に伝動ベルト12cを巻回して、駆動プーリ3に回転力を与えるための駆動手段を備え、本体1の開口面側、すなわち、揚送ベルト5の上昇面5U側に、下扉6Lと上扉6Uとが既知のヒンジ9及びロック機構10a、10bによりそれぞれ開閉可能に、かつ、ロック可能に取付けられており、本体1の下部には、各パチンコ遊技台の下方を回収樋その他の回収部材により回収される球を受入れて、モータ12により所定方向に回転される揚送ベルト5の上昇面5Uの下端部と後述される研磨布の間に流し込むシュータ11が設けられ、また、本体1の上部には、回転される揚送ベルトの上昇面の上端部と研磨布との間から排出される球を上部タンク(不図示)に向けて排出するダクト13が設けられている。
【0016】
下扉6Lは、その内面に、後述されるように、弾性体15とレール体16を保持し、そのレール体の全面を被覆する研磨布18を交換可能に保持するものであり、揚送ベルト5と研磨布18との間に研磨区間が形成されている。
さらに詳述すると、下扉6Lは、図3、4に示すように、横断面凹字形に形成され、その下扉6Lの裏面に弾性体取付板(以下、単に取付板という。)14が密着してねじ止め、その他周知の方法で固定され、その取付板14には弾性体15、例えば、図示の例のような板バネ、コイルバネ又はスポンジ板が固着されており、その弾性体15の表面にレール体16が当接され、下扉6Lの両側壁6aの内面に固着された押さえ部材17により、所定の位置以上には移動しないように保持されている。弾性体15がスポンジ板である場合は、取付板14を用いずに、直接に下扉6Lに貼り付ける。
【0017】
上記レール体16は、図4、図7に示すように、幅方向両側に押さえ部材17により押さえられる固定部16aと、その間に形成されている複数条(図示の例では7条。球案内溝の本数は任意である。)の球案内溝16b1〜16b7とを有し、各球案内溝の間には、球案内溝を転動する球の相互接触を避けるためのランド部16cが形成されている。
【0018】
図3、8には研磨布の図示が省略されているが、図4、5に示すように、研磨布18は、下扉6Lよりも長い長さを有し、かつ、レール体16とほぼ等しい幅を有しており、図5に示すように、下扉6Lの外面の上下に設けた研磨布固定手段であるクランプ19を操作して、例えば、クランプ19のハンドルレバー19aにより回転されるカム19bと下扉6Lの間に研磨布18の上端部及び下端部を挟持して、緊張させた状態で交換可能に固定されている。
【0019】
研磨布18は、例えばパルプ55%、PET(ポリテレフタル酸エチレン)45%を原料とする厚さが一例として0.3〜0.5mm程度の薄手の不織布を、一例として、幅160mm、長さ1.7m程度の帯状に切断して構成されていて、布製の研磨布よりも格段に高い研磨性能を有している。
【0020】
下扉6Lが閉鎖状態にあるときは、レール体16の球案内溝16bが揚送ベルト5の上昇面5Uに対向し、研磨布18がレール体16の表面全体を被覆するように装着される。そして、揚送ベルト5と研磨布18との間が遊技球の直径よりも若干小さな所定の距離に隔てられている。
研磨布18は、揚送ベルト5とレール体16の球案内溝16b1〜16b7の間を通過する球から受ける押圧力により、各球案内溝16b1〜16b7に沿って変形してその球案内溝16bに密着される。
【0021】
上扉6Uは、図3に示すように、その内面に縦帯状の研磨パッド20が直接に、又は弾性体を介在させた後、交換可能に備えられている。上扉6Uの主たる目的は、下側の研磨区間を通過した遊技球を揚送ベルトの上端部まで揚送することにあるから、研磨パッド20は、下扉6Lから揚送される遊技球に揚送ベルトと協働して搬送力を与える程度の適度な力で押圧することができる材質で作られていれば良い。しかし、揚送される遊技球は、下扉6Lの研磨布18により研磨されて、付着していた汚れ等はほぼ全てが除去されるが、汚れの一部が除去されずに残る場合があり、また研磨により新たに金属微粉等が付着したりすることもあるので、上扉6Uにおいてさらに良く除去して光沢を付けるため、研磨パッド20には、補助的な研磨性能を有する材質のものが使用される。
【0022】
そのような研磨パッド20には、研磨布よりも研磨性能の小さい、例えば、ウレタンゴムやPET(ポリエチレンテレフタレート)などで織製又は編製されたもの、もしくは不織製で、表面に球案内溝を有するもの又は有しないものを用いることができる。
【0023】
本発明においては、所期の目的を達成するため、第1の条件として、研磨パッド20に表裏両面に研磨性能を有するものを用い、第2の条件として、図7、図8に示すように、研磨パッド20の幅W2をレール体16の幅W1よりも小さく、かつ、レール体の幅方向両端の球案内溝16bの外縁間距離W3よりも大きくするとともに、第3の条件として、研磨パッド20の幅方向一端e21をレール体16の幅方向一端e11の延長上に整列させてその研磨パッド20を上扉6Uに設置した状態において、レール体16の隣接する球案内溝16bの中心線間距離をD1、その研磨パッド20の幅方向他端e12からレール体16の幅方向他端e22に最も近い球案内溝16b7の中心線までの距離をD2、研磨パッド20の幅方向一端e11からレール体16の幅方向一端e21に最も近い球案内溝16b1の中心線までの距離をD3とすると、前記D1、D2、D3は不等式D2<D1<D3が成立するように設定されている。
【0024】
D1、D2、D3の具体値は、遊技球の直径に依存し、後述されるように、研磨パッドの表裏反転及び天地逆転した場合に、研磨パッドの各面に生じる汚れ線が重ならないように設定されれば良い。具体例を挙げると、D1は10mm、D2は15.6mm、D3は17.8mmである。
【0025】
上記全条件を満たす研磨パッド20は、図7、図8に示すように、その幅方向一端e21をレール体16の幅方向一端e11の延長線上に合致させた状態で上扉6Uに交換可能に固定されている。研磨パッド20を上扉6Uの所定位置に所定の状態で交換可能に固定するには任意の固定手段を用いることができる。一例を挙げれば、図6に示すように、上扉6Uの両側壁間距離よりも短い幅を有する縦長矩形の4辺又は少なくとも左右2辺に起立壁を有する箱状の保持部材21を上扉6Uの内面に固着し、その保持部材21の中に弾性を有する研磨パッド20の幅を圧縮して緊密に嵌合して固定してある。単に嵌合して固定するので、後述される研磨パッド20の表裏反転、上下反転が容易にできる利点がある。研磨パッド20を上扉6Uに固定した後は、上扉6Uの押さえ部材17と同様の押さえ部材17’を取付けるとよい。
【0026】
続いて、上記条件の全てを満たした研磨パッド20の使用態様、すなわち、どのような使用の仕方ができるかについて、図9に基づいて説明する。図9において、a、b、c、dは、研磨パッド20の4つの特定の辺を示す。
図8に示すように、幅方向一端e21をレール体16の幅方向一端e11の延長上に整列させた所定の位置に取付けられた研磨パッド20が未使用の場合は、レール体の球案内溝16bと共通の垂直面の上方に位置する面を表面とすると、すなわち、揚送ベルトの上昇面に対向させると、その表面は当然ながら図9の(1)に示すように汚染されていない。揚送研磨装置が一定期間運転されると、レール体16の各球案内溝16b1〜16b7から上方に揚送される遊技球に残存していた汚れが研磨パッド20に擦り取られるため、その研磨パッドの表面に同図(2)に実線で示すように、各球案内溝16b1〜16b7の底部中央の上方延長上に筋状に汚れd1が付着し、堆積する。この筋状の汚れを以下、研磨痕という。
【0027】
研磨パッドの一つの面(表面)の有効使用期間が到来したときは、揚送研磨装置の運転を一旦停止し、上扉6Uを開け、押さえ部材17’を取り外し、研磨パッド20を保持部材21から取り出すとともに、垂直線周りに回転して表裏反転し、再び保持部材21に嵌合して、押さえ部材17’を取付けた後、運転を再開する。この研磨パッド20の裏面を揚送ベルトの上昇面に対向させたときは、図9の(3)に示すように、汚染されていない。(3)の鎖線 d1は、表面に生じた研磨痕を示す。そして、揚送研磨装置が一定期間運転されると、その研磨パッドの裏面に、表面の場合と同様に、同図(4)に実線で示すように、レール体16の各球案内溝16b1〜16b7の底部中央の上方延長上に研磨痕d2が発生する。この場合、鎖線で示された表面の研磨痕d1と裏面の実線の研磨痕d2は、レール体16と研磨パッド20の上記の条件によって重ならない位置に存在する。
【0028】
その裏面の有効使用期間が到来したときは、揚送研磨装置の運転を一旦停止し、上扉6Uを開け、押さえ部材17’を取り外して研磨パッド20をその研磨パッドに直角な水平線周りに回転して上下反転し、再び、押さえ部材17’を取付けた後、運転を再開する。図9の(5)に示すように、上下反転された研磨パッドの裏面の実線の研磨痕d2は、反転前の裏面の実線の研磨痕とは異なる位置に移動する。従って、図9の(6)に示すように、運転再開により、その裏面には反転前の裏面の実線の研磨痕とは異なる位置に研磨痕d3が発生する。図示の例では、図9の(5)に鎖線で示された表面の研磨痕d1と重なる位置に発生する。
【0029】
そして、上下反転後の裏面の有効使用期間が到来したときは、前述と同様に、研磨パッド20を垂直線周りに回転して表裏反転すると、図9の(7)に示すように、その表面には(4)の研磨痕と左右対称形の研磨痕が現れる。従って、この研磨パッド20には、(8)に示すように、表面の(7)の裏面の鎖線の研磨痕d2と重なるが、まだ研磨痕が生じていない位置に研磨痕d4が発生する。研磨痕が発生したことは、その研磨パッドが研磨性能を有効に発揮したことを意味する。
【0030】
上述した形態において、表裏反転と上下反転の順序は任意であり、要するに発生する研磨痕の位置が重ならないように、研磨パッドの揚送ベルトに対向する面を順次変えればよい。
【0031】
以上のように、本発明は、研磨パッドの有効使用期間を従来品の4倍に延長することができるものであり、揚送研磨装置のメンテナンスが改善され、研磨パッドの費用対効果が格段に向上する。
【符号の説明】
【0032】
A 揚送研磨装置
1 本体
5 揚送ベルト
6L 下扉
6U 上扉
16 レール体
16a 固定部
16b1〜16b7 球案内溝
16c ランド部
17、17‘ 押さえ部材
18 研磨布
20 研磨パッド
21 保持部材
d1〜d4 研磨痕(汚れ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表裏両面に研磨性能を有する研磨パッドを用い、その研磨パッドの幅をレール体の幅よりも小さく、かつ、レール体の幅方向両端の球案内溝の外縁間距離よりも大きくするとともに、研磨パッドの幅方向一端をレール体の幅方向一端の延長上に整列させてその研磨パッドを上扉に設置した状態において、前記レール体の球案内溝の中心線間距離をD1、その研磨パッドの幅方向他端から前記レール体の幅方向他端に最も近い球案内溝の中心線までの距離をD2、研磨パッドの幅方向一端から前記レール体の幅方向一端に最も近い球案内溝の中心線までの距離をD3とすると、不等式
D2<D1<D3
が成立するように、前記D1、D2、D3を設定したことを特徴とする揚送研磨装置。
【請求項2】
上扉の内面に上記研磨パッドを上下反転及び表裏反転して装着可能にしたことを特徴とする請求項1に記載の揚送研磨装置。
【請求項3】
上扉の両側壁の内側に、その両側壁間距離よりも小さな幅を有する保持部材を固着し、その保持部材に研磨パッドを交換可能に固定したことを特徴とする請求項1又は2 に記載の揚送研磨装置。
【請求項1】
表裏両面に研磨性能を有する研磨パッドを用い、その研磨パッドの幅をレール体の幅よりも小さく、かつ、レール体の幅方向両端の球案内溝の外縁間距離よりも大きくするとともに、研磨パッドの幅方向一端をレール体の幅方向一端の延長上に整列させてその研磨パッドを上扉に設置した状態において、前記レール体の球案内溝の中心線間距離をD1、その研磨パッドの幅方向他端から前記レール体の幅方向他端に最も近い球案内溝の中心線までの距離をD2、研磨パッドの幅方向一端から前記レール体の幅方向一端に最も近い球案内溝の中心線までの距離をD3とすると、不等式
D2<D1<D3
が成立するように、前記D1、D2、D3を設定したことを特徴とする揚送研磨装置。
【請求項2】
上扉の内面に上記研磨パッドを上下反転及び表裏反転して装着可能にしたことを特徴とする請求項1に記載の揚送研磨装置。
【請求項3】
上扉の両側壁の内側に、その両側壁間距離よりも小さな幅を有する保持部材を固着し、その保持部材に研磨パッドを交換可能に固定したことを特徴とする請求項1又は2 に記載の揚送研磨装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−200550(P2012−200550A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−70612(P2011−70612)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000146663)株式会社新興製作所 (60)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000146663)株式会社新興製作所 (60)
【Fターム(参考)】
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