説明

換気式微量拡散によるフッ化物定量法およびその装置

【課題】換気式微量拡散によるフッ化物定量法およびそれに用いる装置を提供することを課題とする。
【解決手段】試料に強酸からなる拡散液を拡散反応させ、生じるフッ化物を捕集液に吸着させて捕集し捕集液中のフッ化物イオン濃度を測定して、試料中のフッ化物を定量する、微量拡散によるフッ化物定量法において、体積可変の反応槽内で拡散反応を行い、体積可変の捕集槽で捕集を行い、該反応槽と該捕集槽とは密閉系で連結しており交互に槽内の気体を換気することができる換気式微量拡散によるフッ化物定量法により、信頼性があり且つ再現性のある試料中のフッ化物の定量値が得られる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、換気式微量拡散によるフッ化物定量法およびそれに用いる装置に関する。
更に詳細には、本発明は、食品などの試料に強酸からなる拡散液を拡散反応させ生じるフッ化物を捕集液に吸着させて捕集し捕集液中のフッ化物イオン濃度を測定して試料中のフッ化物を定量する微量拡散によるフッ化物定量法であって、体積可変の反応槽内で拡散反応を行い、体積可変の捕集槽で捕集を行い、該反応槽と該捕集槽とは密閉系で連結しており交互に槽内の空気を換気することができることを特徴とする換気式微量拡散によるフッ化物定量法およびそれに用いる装置に関する。
本発明の定量法および装置により、再現性があり且つ信頼性のある、食品などの試料中のフッ化物の定量が可能である。
【0002】
【従来の技術】
フッ化物の全身的応用によるう蝕予防効果と過剰摂取による歯のフッ素症を防ぐためには、一日のフッ化物摂取量を予め推定しておくことが重要である。従って、食品などの試料中のフッ化物の分析法を確立しておくことが急務である。しかしながら、食品などの有機物を多量に含む試料についてのフッ化物分析法は特殊な定量操作を必要とし、特に食品試料などの低濃度フッ化物試料を精度よく分析する統一的方法がないのが現状である。
従来から、食品や生体試料などのフッ化物分析法として、Tavesが開発した微量拡散法(Taves,D.R., Talanta, 15: 1015−1023, 1968)が広く用いられている。この方法は、下記反応式
【0003】
【式1】
試料 + 過塩素酸 ――> 試料分解産物 + HF
HF  + NaOH  ――> Na + F + H
【0004】
に示されるように、試料に過塩素酸などの強力な酸を反応させ、生じたフッ化物(HFガス)を水酸化ナトリウムの捕集液に吸着させ捕集し、この捕集液中のフッ化物イオン濃度をイオン電極法により測定して、試料中のフッ化物を定量するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この従来の微量拡散法は、固定された密閉空間内で行うように設計されている。そのため、拡散容器内の反応液やガスの膨張によって内部圧力が増大し、反応フッ化物が拡散容器外に漏れる危険性をはらんでいる。捕集液の回収はバッチ処理であり、一サンプルから一測定値しか得られない。また、一回の測定に供する試料量が少量(約0.5〜1g程度)に限られ、濃度濃縮のため前処置としての灰化処理が必要な場合もある。
従って、本発明の課題は、反応フッ化物が拡散容器外に漏れる危険性を回避でき、比較的多量の試料を測定に供することができ、再現性および信頼性の高いフッ化物の定量を可能にする分析法およびそれに用いる装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記した課題を解決するために鋭意研究した結果、体積可変の反応槽内で試料と強酸からなる拡散液との拡散反応を行い、生じるフッ化物の捕集を捕集液を有する体積可変の捕集槽内で行い、該反応槽と該捕集槽とは密閉系で連結しており交互に槽内の空気を換気することができるようにして、試料中のフッ化物を定量することにより、上記した課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
従って、本発明は、試料に強酸からなる拡散液を拡散反応させ、生じるフッ化物を捕集液に吸着させて捕集し捕集液中のフッ化物イオン濃度を測定して、試料中のフッ化物を定量する、微量拡散によるフッ化物定量法において、
体積可変の反応槽内で拡散反応を行い、体積可変の捕集槽で捕集を行い、該反応槽と該捕集槽とは密閉系で連結しており交互に槽内の空気を換気することができる
ことを特徴とする、換気式微量拡散によるフッ化物定量法に関する。
更に本発明は、試料に強酸からなる拡散液を拡散反応させ、生じるフッ化物を捕集液に吸着させて捕集し捕集液中のフッ化物イオン濃度を測定して、試料中のフッ化物を定量する、微量拡散によるフッ化物定量のための装置において、
拡散反応を行うための体積可変の反応槽および捕集を行うための体積可変の捕集槽を有し、該反応槽と該捕集槽とは密閉系で連結しており交互に槽内の空気を換気することができるようにされている
ことを特徴とする、換気式微量拡散によるフッ化物定量のための装置に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の装置の一例を示す図1から7を引用して本発明の定量法および装置を詳細に説明する。
本発明の換気式微量拡散によるフッ化物定量法においては、体積可変の反応槽中で試料を強酸からなる拡散液と拡散反応させ、次いで生成するフッ化物を、体積可変の捕集槽内の捕集液に吸着させて捕集し、捕集液中のフッ化物イオン濃度を測定して、試料中のフッ化物を定量する。
本発明において試料の対象となるものは、血液、唾液などの生体試料、牛乳、ミルク、野菜、緑茶などの液状の食品、固形状の食品などの各種の性状の食品等である。
試料と拡散反応させる強酸からなる拡散液としては、通常、ヘキサメチルジシロキサン(HMDS)を飽和させた過塩素酸(HClO)溶液が好ましく用いられる。特に、ヘキサメチルジシロキサン飽和の5.0M過塩素酸溶液が好ましい。拡散液は、図1の左側に示すように、シリンジからなる拡散液槽を設け、この拡散液槽内に拡散液を入れるのが好ましい。反応槽も図1に示すように同様にシリンジからなるのが好ましく、図1および図2R>2に示すように、拡散液槽と反応槽とは、密閉系となるように連結させるのが好ましく、通常、タイゴンチューブ、テフロンチューブなどを用いて両者を接続し気密性を高めるのが好ましい。接続チューブの途中には、図2に示すように、逆止弁および栓を設けておくのが好ましい。図2に示すように、試料が入った反応槽のシリンジの内筒を先に引いて減圧して拡散液が入った拡散液槽から、試料が入った反応槽に拡散液を注入し、反応槽側のチューブに栓をした後に、拡散液槽を反応槽から除いて、反応槽中で試料と拡散液とを反応させる。反応槽にはシリコンラバーヒーターなどを設けて、例えば60℃などの一定の温度に調節できるようにするのが好ましい。反応槽は体積可変であるため、試料と拡散液との拡散反応が進行してフッ化物や他の反応ガスが多く生成しても反応槽の体積が増加できるため、圧力が上昇してHFガスが漏れることがない。
【0008】
次いで、図1および図3に示すように、反応槽と体積可変の捕集槽とを、同様にチューブなどで連結させる。捕集槽もシリンジからなるものが好ましい。捕集槽には、試料と拡散液との拡散反応によって生成するフッ化物であるHFガスを捕集する捕集液が入れられている。捕集液としては、通常水酸化ナトリウム(NaOH)溶液が用いられ、特に0.1M水酸化ナトリウム溶液が好ましい。捕集槽において、HFガスと捕集液との気液接触を良好にしてHFガスの吸着を効率よく行わせるために、図4に示すように、螺旋形の攪拌子を捕集槽内に入れて、捕集槽を上下に振動させて、攪拌子が不規則に振動し、捕集液が捕集槽の空間全体で激しく飛散し、HFガスと捕集液との気液接触が促進されるようにするのが好ましい。あるいは、図5に示すように、捕集槽の上部にスポンジを設置し、捕集液の全体がスポンジに吸収された状態で、HFガスを捕集するのが好ましい。
【0009】
反応槽と捕集槽とを連結させて、反応槽を60℃などの一定温度に保ち、適当な振動などを加えることにより、試料と拡散液との拡散反応が進行する。図3に示すように、拡散反応を進行させながら、捕集槽を減圧し反応槽を加圧して反応槽内の反応ガスであるHFガスと空気から主としてなる気体を捕集槽に引き込み、捕集槽内の捕集液とHFガスとが接触するようにし、次いで一定時間後に、図1および図6に示すように、反応槽を減圧し捕集槽を加圧して捕集槽内の気体を反応槽に引き込み、捕集槽内と反応槽内の主としてHFガスと空気からなる気体を一定間隔で相互に入れかえるようにして換気する。このように換気することにより、拡散反応およびHFガスの捕集を速やかに且つ完全に進行させることができる。この換気は、例えば図7に示すような自動換気動力装置に捕集槽と反応槽とをセットして行うことも出来る。この装置では、反応槽内と捕集槽内のシリンジの内筒の部分を一定時間の間隔で自動的に交互に動かし、反応槽内と捕集槽内の気体を、大気圧と同じ1気圧以上にならない状態で相互に換気することができる。
以上説明した拡散液槽からの拡散液の反応槽への注入から始まって、捕集槽でのHFガスの捕集までの工程を、一定間隔で数回繰り返して、各工程における反応および操作を一定条件のもとで行うのが好ましい。
また、例えば、拡散反応開始後、一定時間毎に新たな補集槽に交換して、新たな捕集槽でHFガスを捕集することにより、拡散反応により生成するHFガスを経時的に定量することが出来る。
【0010】
かくしてHFガスを捕集した捕集槽を装置から除いて、捕集液中のフッ化物イオン濃度を通常のイオン電極法により測定することにより、試料中のフッ化物を定量することができる。具体的には、捕集槽より水酸化ナトリウム溶液を1ml程度採取し、イオン緩衝液TISAB III(ORION社製)を0.1ml程度加え、フッ化物イオン複合電極(ORION社製96−06)を用いて、フッ化物イオン濃度を測定する。試料中のフッ化物濃度は、試料重量、捕集液重量を基に、またブランク値を減じて以下に示す計算式により算出することができる。
【0011】
【式1】
試料中フッ化物濃度=
(捕集液中のフッ化物イオン濃度値−ブランク値)×(捕集液重量/試料重量)
【0012】
【実施例】
以下に、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0013】
実施例1
本発明の換気式微量拡散によるフッ化物定量法および
その装置を用いた試料中のフッ化物の定量
(1)対象および方法:
図1に示す装置を用いて定量した。本装置は、拡散液槽、反応槽、捕集槽から構成されており、それらには市販のシリンジ(50ml:TERUMOシリンジ、100ml:JMSシリンジ)を用いた。拡散液槽、反応槽、捕集槽はタイゴンチューブ、テフロンチューブを用いて接続し、気密性を高めた。拡散液には、HMDS飽和の5.0M HClO溶液を、捕集液として0.1M NaOHを用いた。
作業手順は以下の通りであった。
1.拡散液注入:試料を入れた反応槽に拡散液を注入し、反応槽側に栓をした後、拡散液槽を除去した。
2.拡散:反応槽と捕集槽を接続し、空気を反応槽に引き込んだ状態で、60℃の恒温水槽に浸漬した。
3.捕集:一定時間(3分、5分または10分)後、恒温水槽より取り出した反応槽を攪拌した後、反応槽内の空気と反応ガス(HF)からなる気体を捕集槽に引き込み(図1中→換気)、捕集槽内のNaOHと気体を攪拌した。その後、捕集槽内の気体を反応槽に引き込んだ(図1中←換気)。この左右方向の換気を2、3回繰り返した。捕集槽には、攪拌子を入れ、気体とNaOHが混和しやすいようにした。換気は、先に送り込まれる側のシリンジを引き、後で送り込む側のシリンジを押すことによりシリンジ内の圧が1気圧以上にならないよう留意した。上記2.の拡散と3.の捕集の作業をあわせて1クールとした。
拡散終了後、捕集槽よりNaOH 1mlを採取し、TISAB III(ORION社製)を0.1ml加え、F複合電極(ORION社製96−06)を用いて、F濃度を測定した。試料中のF濃度は、試料重量、捕集液重量を基にブランク値(n=5,平均0.005ppm)を減じて算出した。
【0014】
実験1:標準液のF濃度回収試験
10ppmFの標準液1ml、拡散液4ml、捕集液 2mlを用いた。換気は3分毎に3回(3回の換気に3分程度必要であった)行い、10クール繰り返した。10クール終了後、捕集液のF濃度を測定した。
実験2:牛乳中のF濃度測定
牛乳10ml、拡散液10ml、捕集液2mlを用いた。拡散時間2時間、換気は10分毎に2回の換気を12クール繰り返した。
実験3:F添加回収試験
牛乳5mlに0.02ppm Fの標準液を5ml添加し試料とした。拡散・捕集条件は、実験2と同様である。回収率は、実験2で得られた牛乳中F濃度と添加F濃度の合計値として期待されるF含有量を求め、これを分母として算出した。
実験4:牛乳のF濃度と拡散速度
牛乳10ml、拡散液10ml、捕集液2mlを用いた。トータルの拡散時間を3時間とし、拡散速度測定のため、1時間毎に捕集槽を交換した。5分間隔2回の換気を繰り返し1時間当たり12クールの換気を行った。
各実験の試料数を5とした。
【0015】
(2)結果および考察:
実験1:
10ppm Fの標準液の回収率は97.1%(SD=2.3%)と高く、CV値は2.4%であった(表1)。
【0016】
【表1】



【0017】
実験2:
牛乳中のF濃度は0.0194ppm、CV値1.7%であった(表2)。一般には測定しにくいと考えられている性状の食品にもかかわらずCV値が比較的小さい。別所らは、昭歯誌7:154−165, 1987に、20種の牛乳を「直接微量拡散法−GC法」により測定し、 Fの平均を0.018ppmと報告している。今回の結果はその値とほぼ同様であった。
【0018】
【表2】



【0019】
実験3:
牛乳に標準液を添加した回収率は113.5%,CV値1.2%であった(表3)。ここでの回収率は、標準液調整に用いる蒸留水(イオン交換処理)中Fの影響が考えられ、今回は10倍濃縮法により得たデータより、蒸留水中Fを0.0015ppmとして回収率を計算した。
【0020】
【表3】



【0021】
実験4:
牛乳(10ml)を3時間拡散して捕集した平均のF濃度は0.021μgであった。この全体のF量に対して、各1時間毎で捕集されたF量の割合を算出すると、1時間で91.0%(SD=3.7%)、2時間で6.3%(SD=2.9%)、3時間で2.7%(SD=2.1%)であった。3時間目の捕集はほぼブランク値に近似したことから、牛乳においては、2時間でほぼ拡散が終了すると推察される。
【0022】
この結果から、拡散速度、即ち経時的な拡散率を把握できることが示された。また、全実験結果を通して、CV値が低く、5%以下で測定することができた。これは、測定試料のF濃度を2.5倍〜10倍に濃縮して測定できること(反応槽を2重に用いれば20倍にすることも可能)、密閉式ではあるが、温度と反応ガスの発生で反応槽、捕集槽内の気体膨張に対応して、管内の容積を大きくできることが有効に作用していることが考えられる。また、反応槽と捕集槽が別々であることから、反応槽は高温で、捕集槽は室温に置けるために、拡散、捕集の効率が上がるものと思われる。
【0023】
【発明の効果】
以上に説明した本発明の換気式微量拡散によるフッ化物定量法および装置は以下の利点を有する。
1)反応槽は体積可変であるため、内圧が外気圧の1気圧以上にならないので、反応槽内部から外部に反応ガスが漏れることはない。
2)反応槽と捕集槽の内部の気体を連続的に換気できるため、拡散と捕集の反応が速やかに行われる。
3)反応槽と捕集槽が別になっているため、反応槽を振盪しても拡散反応液と捕集液が混じりあうことはない。
4)反応槽は、例えば100cc程度の体積にすることができ、この場合一本の反応槽に20g程度の試料を用いることができる。20g程度の試料を用いれば、捕集槽の捕集液を2cc(2g)程度とすると、10倍の濃度濃縮となる。また、必要に応じ測定試料の加算ができ、最終的に捕集液のフッ化物濃度を元試料の何倍でも任意に濃縮することができる。
5)拡散反応開始後、一定時間ごとにあらたな捕集槽を付け替えることにより、拡散反応の経時的測定が可能となる。
6)拡散反応と捕集作業の過程でロスが少ないので再現性のある試料中のフッ化物の定量値が得られる。
7)低濃度フッ化物の試料でも、測定に供する試料の量を多くすれば、フッ素電極の測定可能レベルの中で測定でき、信頼性のある定量値が得られる。
8)試料毎の拡散時間を追ったデータから、拡散率の経時パターンを把握し、拡散率がゼロになったところを拡散反応終末点とし、ここで得られた値から、より正確なその食品のフッ化物含有量、また濃度を算出することができる。既存の方法では、バッチ処理であることから、拡散反応終末点を求めることはできなかったが、本発明はこれを可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の換気式微量拡散によるフッ化物定量の作業手順およびそれに用いる装置を示す。
【図2】図2は、本発明の装置における拡散液槽と反応槽および拡散液槽から反応槽への拡散液の注入を示す。
【図3】図3は、本発明の装置における捕集槽と反応槽および反応槽から捕集槽への反応ガス(HFガス)の流れを示す。
【図4】図4は、螺旋形の攪拌子が設けられた捕集槽を示す。
【図5】図5は、スポンジが設けられた捕集槽を示す。
【図6】図6は、本発明の装置における捕集槽と反応槽および捕集槽から反応槽への反応ガス(HFガス)の流れを示す。
【図7】図7は、反応槽と捕集槽内の気体の換気を自動的に行う自動換気動力装置を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料に強酸からなる拡散液を拡散反応させ、生じるフッ化物を捕集液に吸着させて捕集し捕集液中のフッ化物イオン濃度を測定して、試料中のフッ化物を定量する、微量拡散によるフッ化物定量法において、
体積可変の反応槽内で拡散反応を行い、体積可変の捕集槽で捕集を行い、該反応槽と該捕集槽とは密閉系で連結しており交互に槽内の気体を換気することができる
ことを特徴とする、換気式微量拡散によるフッ化物定量法。
【請求項2】
強酸として過塩素酸を用い、捕集液として水酸化ナトリウム溶液を用いる請求項1のフッ化物定量法。
【請求項3】
反応槽および捕集槽として体積可変のシリンジを用い、該反応槽と該捕集槽はチューブで連結しており、該反応槽と該捕集槽は、それぞれ新たな反応槽と捕集槽に交換可能なものである請求項1または2のフッ化物定量法。
【請求項4】
捕集槽内に螺旋形の攪拌子を設けて、捕集槽内の捕集液と、拡散反応により生じる反応槽からのフッ化物との接触が促進されるようにした、請求項1から3のいずれかのフッ化物定量法。
【請求項5】
捕集槽内の捕集液を捕集槽内のスポンジに吸着させた、請求項1から3のいずれかのフッ化物定量法。
【請求項6】
強酸からなる拡散液を拡散液槽内に入れ、該拡散液槽を、試料を含む反応槽に連結させて、該拡散液槽から拡散液を反応槽に注入して拡散反応を行う、請求項1から5のいずれかのフッ化物定量法。
【請求項7】
試料に強酸からなる拡散液を拡散反応させ、生じるフッ化物を捕集液に吸着させて捕集し捕集液中のフッ化物イオン濃度を測定して、試料中のフッ化物を定量する、微量拡散によるフッ化物定量のための装置において、
拡散反応を行うための体積可変の反応槽および捕集を行うための体積可変の捕集槽を有し、該反応槽と該捕集槽とは密閉系で連結しており交互に槽内の気体を換気することができるようにされている
ことを特徴とする、換気式微量拡散によるフッ化物定量のための装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2004−53400(P2004−53400A)
【公開日】平成16年2月19日(2004.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−210803(P2002−210803)
【出願日】平成14年7月19日(2002.7.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
テフロン
【出願人】(899000057)学校法人日本大学 (650)