説明

換気装置

【課題】ショートサーキットを抑制するためのダクトの配設が容易で、しかも、換気性能に優れた換気装置を提供する。
【解決手段】給気パスP1及び排気パスP2のうち、一方のパスは、外気吸込口61及び排気吸込口63のうちの一方の吸込口からケース21内に吸い込まれた空気が、第1素子41を通過した後、第2素子42を通過する経路を有している。他方のパスは、外気吸込口61及び排気吸込口63のうちの他方の吸込口からケース21内に吸い込まれた空気が、第1素子41を通過しない迂回路Bを経由して第1素子41よりも他方の側板25側に流れて第2素子42を先に通過した後、一方の側板24側に戻って第1素子41を通過する旋回した経路を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、換気装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、外気吸込口からケース内に吸い込まれた室外空気と排気吸込口からケース内に吸い込まれた室内空気との間で全熱(顕熱と潜熱)を交換させる全熱交換素子を備えた換気装置が知られており、性能向上のための種々の工夫がなされている。例えば特許文献1には、性能向上を図ることを目的として、ケース内に2つの全熱交換素子(第1素子と第2素子)が並設された換気装置が開示されている。
【0003】
通常、特許文献1のような従来の換気装置では、ケースを構成する対向配置された一対の側板のうち、一方の側板に外気吸込口が設けられ、他方の側板に排気吸込口が設けられている。そして、排気吸込口から吸い込まれた室内空気が吹き出される排気吹出口は、外気吸込口と同じ前記一方の側板に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−285584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の換気装置のように、外気吸込口と排気吹出口とが同じ側板に設けられている場合、排気吹出口から吹き出された室内空気の一部を外気吸込口から再び吸い込んでしまうショートサーキットが生じることがある。したがって、このショートサーキットが生じないように、外気吸込口に接続されるダクト及び排気吹出口に接続されるダクトの配設位置に注意を払う必要がある。特に、換気装置のサイズが小さくなると外気吸込口と排気吹出口との距離が近くなるので、ショートサーキットが起こりやすくなる。
【0006】
ショートサーキットを抑制するには、例えば、外気吸込口に接続されるダクト及び排気吹出口に接続されるダクトの一方又は両方を大きく曲げて配設し、ダクト同士の距離を離して施工するなどの対策が必要になる。また、このような施工は、ダクトを曲げて配設するための設置空間が必要となるので、例えば天井裏の設置空間を広くとることができないなどの制約が多い場合には不向きである。
【0007】
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ショートサーキットを抑制するためのダクトの配設が容易で、しかも、換気性能に優れた換気装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 本発明の換気装置は、ケース(21)と、第1素子(41)及び第2素子(42)とを備えている。前記ケース(21)は、対向配置された一対の主板(22,23)、及び対向配置され、前記一対の主板(22,23)の端部をつなぐ一対の側板(24,25)を含み、外気吸込口(61)、室内給気口(62)、排気吸込口(63)及び排気吹出口(64)を有している。前記第1素子(41)及び第2素子(42)は、室外空気と室内空気との間で全熱交換させる。前記外気吸込口(61)は、一方の側板(24)又はその近傍に設けられ、前記排気吹出口(64)は、他方の側板(25)又はその近傍に設けられている。前記第1素子(41)は、前記第2素子(42)よりも前記一方の側板(24)側に位置している。
【0009】
前記外気吸込口(61)から前記室内給気口(62)に至る給気パス(P1)、及び前記排気吸込口(63)から前記排気吹出口(64)に至る排気パス(P2)のうち、一方のパスは、前記外気吸込口(61)及び前記排気吸込口(63)のうちの一方の吸込口からケース(21)内に吸い込まれた空気が、前記第1素子(41)を通過した後、前記第2素子(42)を通過する経路を有している。他方のパスは、前記外気吸込口(61)及び前記排気吸込口(63)のうちの他方の吸込口からケース(21)内に吸い込まれた空気が、前記第1素子(41)を通過しない迂回路(B)を経由して前記第1素子(41)よりも前記他方の側板(25)側に流れて前記第2素子(42)を先に通過した後、前記一方の側板(24)側に戻って前記第1素子(41)を通過する旋回した経路を有している。
【0010】
このような構成を有する換気装置では、ショートサーキットを抑制するためのダクトの配設が容易で、しかも換気性能に優れている。具体的に説明すると以下の通りである。
【0011】
まず、ショートサーキットを抑制するためのダクトの配設を容易にするために、この構成では、一方の側板(24)又はその近傍に外気吸込口(61)を設け、これに対向する他方の側板(25)又はその近傍に排気吹出口(64)を設けている。したがって、外気吸込口(61)と排気吹出口(64)を同じ側面に設ける場合と比較して外気吸込口(61)と排気吹出口(64)の距離を遠ざけることができるので、外気吸込口(61)に接続したダクト及び排気吹出口(64)に接続したダクトの一方又は両方を、互いの距離を離すために大きく曲げて配設する必要がない。これにより、例えば天井裏の設置空間を広くとることができないなどの制約が多い場合であっても、ショートサーキットを抑制するためのダクトの配設が容易になる。
【0012】
具体例として、外気吸込口(61)に接続したダクトを建物の一壁面まで延ばし、排気吹出口(64)に接続したダクトを前記一壁面の反対側に位置する他の壁面まで延ばす施工を行う場合を想定する。この場合、外気吸込口(61)と同じ一方の側板(24)に排気吹出口(64)を設けると、排気吹出口(64)に接続したダクトを前記他の壁面に向けるためにUターンさせる施工が必要になる一方で、本構成では、ダクトをUターンさせるような施工をすることなく各ダクトをほぼ直線状に配設することができる(例えば、後述する図5参照)。
【0013】
ところで、吸込口(外気吸込口(61)又は排気吸込口(63))及び吹出口(排気吹出口(64)又は室内給気口(62))を本構成のような配置にした場合、仮にこれらの配置順に沿って空気が各パスを流れるパス構造であるときには、給気パス及び排気パスともに、空気が第1素子(41)を先に通過し、第2素子(42)を後で通過することになる。この場合には、上流側の第1素子(41)では、室外空気と室内空気との温度差が大きい一方で、下流側の第2素子(42)では、室外空気と室内空気との温度差が極端に小さくなることがある。この場合、下流側の第2素子(42)においては熱交換量が少なくなってしまう。したがって、このようなパス構造は、換気装置の性能の点では好ましくなく、全熱交換素子を複数設けることによるメリットが十分に得られないことがある。
【0014】
そこで、本構成では、第1素子(41)及び第2素子(42)を備えているメリットを十分に生かして換気装置の性能を高めるために、前記他方のパスが特徴的な経路を有している。すなわち、給気パス(P1)及び排気パス(P2)のうち、外気吸込口(61)及び排気吸込口(63)のうちの一方の吸込口からケース(21)内に吸い込まれた空気が、第1素子(41)を通過した後、第2素子(42)を通過する経路を有している。他方のパスは、外気吸込口(61)及び排気吸込口(63)のうちの他方の吸込口からケース(21)内に吸い込まれた空気が、第1素子(41)を通過しない迂回路(B)を経由して第1素子(41)よりも他方の側板(25)側に流れて第2素子(42)を先に通過した後、一方の側板(24)側に戻って第1素子(41)を通過する旋回した経路を有している。
【0015】
このように他方のパスでは、前記迂回路(B)を設け、しかも旋回した経路とすることによって空気を先に第2素子(42)に通過させ、その後で第1素子(41)に通過させることが可能になる。これにより、各素子において、室外空気と室内空気との温度差が極端に小さくなるのを抑制できるので、第1素子(41)及び第2素子(42)を備えているメリットを十分に生かして高い性能を維持することができる。
【0016】
(2) 前記換気装置は、前記一方の主板(22)と前記第1素子(41)との間に配置された第1案内板(51)と、前記一方の主板(22)と前記第2素子(42)との間に配置された第2案内板(52)と、をさらに備えているのが好ましく、この場合において、前記第1素子(41)及び前記第2素子(42)は、前記一対の側板(24,25)同士が対向する側板対向方向(D1)に延びる横流路(F1,F2)と、前記主板(22,23)同士が対向する主板対向方向(D2)に延びる縦流路(F3,F4)とを有する直交流式であり、前記第1案内板(51)は、前記第1素子(41)の前記縦流路(F3)に前記他方のパスを流れる空気が流入するのを抑制するとともに当該空気を前記第2素子(42)の前記縦流路(F4)に案内する前記迂回路(B)を形成しており、前記第2案内板(52)は、前記第1素子(41)の縦流路(F3)を通過した前記他方のパスを流れる空気が前記第2素子(42)の前記縦流路(F4)に再流入するのを抑制するとともに当該空気を前記排気吹出口(64)又は前記室内給気口(62)側に案内する案内路(G)を形成しているのが好ましい。
【0017】
この構成では、第1素子(41)及び前記第2素子(42)が上記のような横流路(F1,F2)と縦流路(F3,F4)とを有する直交流式である場合において、一方の主板(22)と第1素子(41)との間に第1案内板(51)を配設し、一方の主板(22)と第2素子(42)との間に第2案内板(52)を配設することにより、前記他方のパスにおいて上述の旋回した経路に沿って円滑に空気を案内することができる。
【0018】
(3) 前記換気装置において、前記第1素子(41)及び前記第2素子(42)は、長手方向が前記一方の側板(24)に平行な方向に延びる直方体形状を有し、前記側板対向方向(D1)に並設されており、前記一方のパスの吸込口である前記外気吸込口(61)又は前記排気吸込口(63)は、前記一方の側板(24)において、前記第1素子(41)及び第2素子(42)に対して前記長手方向の一方向(D3)に偏った位置にあり、前記他方のパスの吸込口である前記排気吸込口(63)又は前記外気吸込口(61)は、前記一方の側板(24)において、前記第1素子(41)及び第2素子(42)に対して前記長手方向の他方向(D4)に偏った位置にあるのが好ましく、この場合において、前記第2案内板(52)は、その一端(52a)が前記第2素子(42)における前記一方向(D3)の端部又はその近傍に位置し、他端(52b)が一端(52a)よりも前記他方向(D4)に位置し、他端(52b)から一端(52a)に向かうにつれて前記第2素子(42)との距離が小さくなるように前記第2素子(42)の長手方向に対して傾斜した姿勢で配置されているのが好ましい。
【0019】
この構成では、旋回経路を有する他方のパスの吸込口は、一方の側板(24)において、第1素子(41)及び第2素子(42)に対して長手方向の他方向(D4)に偏った位置にあるので、第2素子(42)の縦流路(F4)には、当該吸込口に近い領域、すなわち第2素子(42)における長手方向の他方向(D4)の領域に比較的多くの空気が流入する。したがって、他方のパスの空気が第2素子(42)の縦流路(F4)に流入する量は、第2素子(42)の長手方向の一方向(D3)に向かうほど減少する。
【0020】
そこで、第2案内板(52)を上記のように傾斜した姿勢で配置することにより、空気の流入量が減少する長手方向の一方向(D3)に向かうほど第2案内板(52)の内面と第2素子(42)の縦流路(F4)の入口との距離を小さくしている。一方向(D3)の領域では、第2案内板(52)の内面との距離を小さくしても圧力損失の点での悪影響が少ないからである。そして、長手方向の一方向(D3)においては、第2案内板(52)の内面と第2素子(42)との距離を小さくした分だけ、第2案内板(52)の外面と一方の主板(22)の内面との間隔を大きくとることができる。その結果、第1素子(41)の縦流路(F3)を通過した他方のパスの空気が吹出口に案内される案内路(G)の断面積を大きくすることができる。
【0021】
このように本構成では、第2案内板(52)を上記のように傾斜した姿勢で配置することにより、他方のパスにおいて空気が流れる各流路の断面積を効率よく配分することができるので、他方のパスにおける圧力損失を低減することができる。
【0022】
(4) 前記換気装置において、前記第1素子(41)及び前記第2素子(42)は、長手方向が前記一方の側板(24)に平行な方向に延びる直方体形状を有し、前記側板対向方向(D1)に並設されており、前記一方のパスの吸込口である前記外気吸込口(61)又は前記排気吸込口(63)は、前記一方の側板(24)において、前記第1素子(41)及び第2素子(42)に対して前記長手方向の一方向(D3)に偏った位置にあり、前記他方のパスの吸込口である前記排気吸込口(63)又は前記外気吸込口(61)は、前記一方の側板(24)において、前記第1素子(41)及び第2素子(42)に対して前記長手方向の他方向(D4)に偏った位置にあるのが好ましく、この場合において、前記第1案内板(51)は、その一端(51a)が前記第1素子(41)における前記他方向(D4)の端部又はその近傍に位置し、他端(51b)が一端(51a)よりも前記一方向(D3)に位置し、一端(51a)から他端(51b)に向かうにつれて前記第1素子(41)との距離が大きくなるように前記第1素子(41)の長手方向に対して傾斜した姿勢で配置されているのが好ましい。
【0023】
この構成では、前記一方のパスの吸込口は、一方の側板(24)において、第1素子(41)及び第2素子(42)に対して長手方向の一方向(D3)に偏った位置にあるので、第1素子(41)の横流路(F1)には、当該吸込口に近い領域、すなわち第1素子における長手方向の一方向(D3)の領域に偏って空気が流入しやすい。
【0024】
そこで、本構成では、第1案内板(51)を上記したように傾斜した姿勢で配置することにより、第1素子(41)の縦流路(F3)を流れる他方のパスの空気を、縦流路(F3)の出口と第1案内板(51)との距離が小さい長手方向の他方向(D4)の領域よりも一方向(D3)の領域に多く配分している。これにより、第1素子(41)において、横流路(F1)を流れる一方のパスの空気と、縦流路(F3)を流れる他方のパスの空気との間で効率よく熱交換させることができる。
【0025】
しかも、長手方向の他方向(D4)において第1案内板(51)の内面と第1素子(41)の縦流路(F3)の入口との距離を小さくした分だけ、第1案内板(51)の外面と一方の主板(22)の内面との間隔を大きくとることができるので、迂回路(B)の断面積を大きくすることができる。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、本発明によれば、ショートサーキットを抑制するためのダクトの配設が容易で、しかも、換気性能に優れた換気装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】(A)は、本発明の一実施形態にかかる換気装置を示す平面図であり、(B)は、その正面図であり、(C)は、その右側面図であり、(D)は、その左側面図である。
【図2】(A)は、前記換気装置のケースの天板を取り外した状態を示す平面図であり、(B)は、(A)のIIB−IIB線断面図であり、(C)は、(A)のIIC−IIC線断面図である。
【図3】前記換気装置を底面側から見た斜視図であり、ケースの底板の一部を取り外した状態を示している。
【図4】前記換気装置のケース内に配設された2つの全熱交換素子(第1素子及び第2素子)を示す斜視図である。
【図5】前記換気装置の設置例1を示す概略図である。
【図6】前記換気装置の設置例2を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の一実施形態にかかる換気装置11について図面を参照しながら詳細に説明する。図1(A)〜(D)に示すように、本実施形態にかかる換気装置11は、ケース21と、第1素子41及び第2素子42と、ファン92,93と、スイッチボックス91とを備えている。
【0029】
ケース21は、略直方体形状を有している。ケース21は、対向配置された一対の主板22,23(底板22及び天板23)と、これらの主板22,23の端部同士をつなぐ4つの側板24,25,26,27とを含む。側板24と側板25とは方向D1に対向している。底板22と天板23とは方向D2に対向している。側板26と側板27とは方向D1及び方向D2に直交する方向(第1素子41及び第2素子42の長手方向)に対向している。ケース21は、方向D2の寸法が方向D1の寸法及び前記直交方向の寸法よりも小さい偏平な形状を有している。第1素子41、第2素子42及びファン92,93は、ケース21内に配置されている。スイッチボックス91は、ケース21の側板27の外面に取り付けられており、ファン92,93の制御などを行う図略の制御部を有している。
【0030】
ケース21は、外気吸込口61、排気吸込口63、室内給気口62及び排気吹出口64を有している。外気吸込口61及び排気吸込口63は、側板24に設けられており、室内給気口62及び排気吹出口64は、側板25に設けられている。側板24,25の長手方向は、第1素子41及び第2素子42の長手方向と一致している。側板24において、外気吸込口61は、側板24の長手方向の一方(方向D3)に偏った位置にあり、排気吸込口63は、側板24の長手方向の他方(方向D4)に偏った位置にある。室内給気口62は、方向D4に偏った位置にあり、排気吹出口64は、方向D3に偏った位置にある。各吸込口61,63及び各吹出口62,64には、ダクト接続用継手94が取り付けられている。
【0031】
第1素子41及び第2素子42は、外気吸込口61から室内給気口62に至る給気パスP1を流れる室外の空気と、排気吸込口63から排気吹出口64に至る排気パスP2を流れる室内の空気との間で熱及び水分の少なくとも一方を授受(交換)させる。
【0032】
図4に示すように、第1素子41及び第2素子42は、直方体形状を有している。第1素子41及び第2素子42は、波板状フィン71と仕切板72とが交互に積層されてなる。第1素子41及び第2素子42は、前記積層方向に長い形状を有しており、この長手方向が方向D3,D4に略平行な方向に延びる姿勢でケース21内に配置されている。第1素子41は、第2素子42よりも側板24側に位置している。第1素子41は、側板24に沿うように側板24に近接して配置されている。
【0033】
積層方向に隣り合う仕切り板72,72間には、波板状フィン71により空気の流路が形成されている。前記積層方向に隣り合う波板状フィン71,71は、互いの流路の方向が直交するように配置されている。具体的には、第1素子41は、方向D1に延びる複数の貫通孔からなる横流路F1と、方向D2に延びる複数の貫通孔からなる縦流路F3とを有している。第2素子42は、方向D1に延びる複数の貫通孔からなる横流路F2と、方向D2に延びる複数の貫通孔からなる縦流路F4とを有している。
【0034】
図2(B)及び図4に示すように、第1素子41は、横流路F1が開口する一対の対向面41A,41Bのうち、横流路F1の入口側の面41Aが側板24側に位置し、第2素子42は、横流路F2が開口する一対の対向面42A,42Bのうち、横流路F2の入口側の面42Aが側板24側に位置している。また、第1素子41は、縦流路F3が開口する一対の対向面41C,41Dのうち、縦流路F3の入口側の面41Cが天板23側に位置し、第2の素子42は、縦流路F4が開口する一対の対向面42C,42Dのうち、縦流路F4の入口側の面41Dが底板22側に位置している。横流路F1,F2の各対向面は、側板24に略平行である。縦流路F3,F4の各対向面は、天板23及び底板22に略平行である。第1素子41の横流路F1の入口側の面41Aにはフィルタ81が取り付けられており、第2素子の縦流路F4の入口側の面41Dにはフィルタ82が取り付けられている。
【0035】
ファン92,93は、素子41,42よりも側板25側に位置し、側板25に隣接して配置されている。ファン92,93としては、例えば多翼ファンなどの遠心ファンを用いることができる。ファン92,93は、天板23及び底板22の一方又は両方に対向する位置に設けられた空気の吸引口と、側板25に隣接する位置に設けられた空気の吐出口とをそれぞれ有している。ファン92の吐出口は、排気吹出口64に接続されており、ファン93の吐出口は、室内給気口62に接続されている。ファン92は、排気パスP2の空気の流れをつくり、ファン93は、給気パスP1の空気の流れをつくる。
【0036】
図2(A)に示すように、給気パスP1の吸込口である外気吸込口61は、側板24において、第1素子41に対してその長手方向の方向D3に偏った位置にある。排気パスP2の吸込口である排気吸込口63は、側板24において、第1素子41に対してその長手方向の方向D4に偏った位置にある。
【0037】
図2(A)〜(C)及び図3に示すように、ケース21内には、第1案内板51、第2案内板52及び仕切部材53〜59が設けられている。これらの案内板51,52及び仕切部材53〜59は、ケース21の内壁面とともに給気パスP1の流路及び排気パスP2の流路を形成している。
【0038】
給気パスP1では、室外の空気OA(外気吸込OA)は、外気吸込口61、第1素子41の横流路F1、第2素子42の横流路F2、ファン93、室内給気口62の順にケース21内を流れ、室内給気口62から室内に室内給気SAとして給気される。
【0039】
排気パスP2では、室内の空気(排気吸込RA)は、排気吸込口63、第2素子42の縦流路F4、第1素子41の縦流路F3、ファン92、排気吹出口64の順にケース21内を流れ、排気吹出口64から室外に排気吹出EAとして排気される。具体的には、排気パスP2は、排気吸込口63からケース21内に吸い込まれた空気が、第1素子41を通過しない後述する迂回路B(図3参照)を経由して第1素子41よりも側板25側に流れて第2素子42を先に通過した後、側板24側に戻って第1素子41を通過して排気吹出口64に至る旋回した経路(図2(B)参照)を有している。
【0040】
図2(A)に示すように、仕切部材56は、給気パスP1において外気吸込口61から吸い込まれた外気吸込OAと、排気パスP2において排気吸込口63から吸い込まれた排気吸込RAとが混ざらないように、第1素子41の横流路F1の入口側の面41Aと側板24との間に設けられている。仕切部材56の一端は、第1素子41の方向D4の端部近傍に固定され、仕切部材56の他端は、側板24に近接又は当接した位置にある。また、仕切部材57は、第1素子41の方向D3の端部と側板24との間に設けられている。仕切部材56と仕切部材57は、一体の板状部材であり、外気吸込口61の領域に外気吸込OAが通る開口が設けられている。
【0041】
仕切部材58及び仕切部材59は、給気パスP1において第2素子42の横流路F2を通過した空気(外気吸込OA)をファン93に案内するとともに、当該空気が排気パスP2を流れる空気と混ざらないように給気パスP1と排気パスP2とを仕切るためのものである。仕切部材58は、第2素子42の横流路F2の出口側の面42Bのうち方向D3の領域を覆っている。仕切部材59は、ファン92とファン93との間に立設された板状部材である。仕切部材59の一端は、仕切部材58の方向D4の端部につながっており、仕切部材59の他端は、側板25につながっている。
【0042】
図2(B),(C)及び図3に示すように、第1案内板51は、底板22と、第1素子41との間に配置されている。第1案内板51は、内面が第1素子41の縦流路F3の出口側の面41Dに対面し、外面が底板22に対面している。第2案内板52は、底板22と、第2素子42との間に配置されている。第2案内板52は、内面が第2素子42の縦流路F4の入口側の面42Dに対面し、外面が底板22に対面している。
【0043】
第1案内板51の一端辺51aは、第1素子41における方向D4の端部に位置している。第1案内板51の他端辺51bは、一端辺51aよりも方向D3に位置している。第1案内板51は、第1素子41の長手方向の中央付近まで延びている。第1案内板51は、一端辺51aから他端辺51bに向かうにつれて第1素子41の縦流路F3の出口側の面41Dとの距離が大きくなるように第1素子41の長手方向に対して傾斜した姿勢で配置されている。
【0044】
第2案内板52の一端辺52aは、第2素子42における方向D3の端部に位置している。第2案内板52の他端辺52bは、一端辺52aよりも方向D4に位置している。第2案内板52は、第2素子41の長手方向の中央付近まで延びている。第2案内板52は、他端辺52bから一端辺52aに向かうにつれて第2素子42の縦流路F4の入口側の面42Dとの距離が小さくなるように第2素子42の長手方向に対して傾斜した姿勢で配置されている。
【0045】
本実施形態では、第1案内板51は、その一端辺51aが第1素子41の方向D4の端部に固定されており、第2案内板52は、その一端辺52aが第2素子42の方向D3の端部に固定されているが、これに限定されない。第1案内板51及び第2案内板52は、例えば底板22の内面に固定されていてもよい。
【0046】
第1案内板51は、一端辺51a及び他端辺51bと、これらの間に延びる一方の側辺51c及び他方の側辺51dとを有し、平面視で略長方形の形状を有する板状の部材である。一方の側辺51cは、吸込口側(側板24側)に位置し、他方の側辺51dは、吹出口側(側板25側)に位置している。第2案内板52は、一端辺52a及び他端辺52bと、これらの間に延びる一方の側辺52c及び他方の側辺52dとを有する板状の部材である。一方の側辺52cは、吸込口側(側板24側)に位置し、他方の側辺52dは、吹出口側(側板25側)に位置している。第1案内板51の他端辺51bと第2案内板52の他端辺52bとは、方向D1からの側面視で互いに近接した位置にある。
【0047】
上記した傾斜姿勢で第1案内板51が配置されることにより生まれる一方の側辺51cと第1素子41との間の隙間は、仕切部材53によって塞がれており、他方の側辺51dと第1素子41との間の隙間は、仕切部材54によって塞がれている。
【0048】
仕切部材53は、第1素子41における底板22側でかつ側板24側の縁部(長手方向に延びる稜線)の近傍から側辺51cに向かって立設され、第1案内板51の内面に当接又は近接している板状の部材である。仕切部材53は、第1素子41の方向D4の端部近傍から第1案内板51の他端辺51bを超えたあたり(第1素子41の長手方向の中央を超えたあたり)まで方向D3に延びている。仕切部材53は、第1案内板51の傾斜方向に沿って傾斜した縁部を有しており、この縁部が第1案内板51の内面に当接又は近接している。
【0049】
仕切部材54は、第1素子41の方向D4の端部近傍から方向D3の端部近傍まで延びる板状の部材である。仕切部材54における方向D4の約半分の領域は、第1案内板51の側辺51dと第1素子41との間の隙間を塞ぐ役割を担い、方向D3の約半分の領域は、第2案内板52の側辺52cと第2素子42との間の隙間を塞ぐ役割を担っている。
【0050】
仕切部材54は、第1素子41における底板22側でかつ第2素子42側の縁部(長手方向に延びる稜線)の近傍から第1案内板51の側辺51d及び第2案内板52の側辺52cに向かって立設されている。仕切部材54は、第1案内板51の傾斜方向に沿って傾斜した縁部を有しており、この縁部が第1案内板51の内面に当接又は近接している。また、仕切部材54は、第2案内板52の傾斜方向に沿って傾斜した縁部を有しており、この縁部が第2案内板52の内面に当接又は近接している。このように仕切部材54は、第1案内板51の傾斜及び第2案内板52の傾斜に沿っているので、吸込口側から方向D1に側面視すると、底板22側に凸の三角形又は台形に近い形状を有している。
【0051】
第2案内板52の側辺52dと第2素子42との間の隙間は、仕切部材55によって塞がれている。この仕切部材55は、第2素子42における底板22側でかつ側板25側の縁部(長手方向に延びる稜線)の近傍から側辺52dに向かって立設され、第2案内板52の内面に当接又は近接している板状の部材である。
【0052】
仕切部材55は、第2素子42の方向D3の端部近傍から第2案内板52の他端辺52bを超えたあたり(第2素子42の長手方向の中央を超えたあたり)まで延びる傾斜縁部と、この傾斜縁部からさらに第2素子42の方向D4の端部近傍まで延びる平行縁部とを有している。前記傾斜縁部は、第2案内板52の傾斜方向に沿って傾斜しており、第2案内板52の内面に当接又は近接している。前記平行縁部は、底板22に略平行であり、底板22とともに排気パスP2の経路の一部を構成している。
【0053】
図3に示すように、第1案内板51は、第1素子41の縦流路F3に排気パスP2を流れる空気が流入するのを抑制するとともに当該空気を第2素子42の縦流路F4に案内する迂回路Bの一部を形成している。この迂回路Bは、第1案内板51の外面(底板22側の面)と底板22の内面との間の領域と、第1素子41の方向D4の端面と側板27の内面との間の領域とを含む。第1案内板51の傾斜角度を調整することにより、迂回路Bの断面積(空気の流れ方向に垂直な断面)を調整できる。
【0054】
また、第1案内板51は、第1素子41の縦流路F3を流れる排気パスP2の空気を第1素子41の長手方向の方向D3の領域に多く配分する役割を担う。すなわち、第1素子41の方向D4の領域は、第1案内板51との距離が小さいので、縦流路F3から流出する空気が流れる際の抵抗も大きくなる。したがって、第1素子41の縦流路F3を流れる排気パスP2の空気は、第1素子41の長手方向の方向D4の領域よりも方向D3の領域に多く配分される。第1案内板51の傾斜角度を調整することにより、前記配分を調整できる。
【0055】
第2案内板52は、第1素子41の縦流路F3を通過した給気パスP2を流れる空気が第2素子42の縦流路F4に再流入するのを抑制するとともに当該空気を室内給気口62側に案内する案内路Gを形成している。第2案内板52の傾斜角度を調整することにより、案内路Gの断面積(空気の流れ方向に垂直な断面)を調整できる。
【0056】
[設置例1]
図5は、換気装置11の設置例1を示す概略図である。図5は、マンションなど集合住宅の間取りを示しており、図中の換気装置11は、天井裏の空間に設置されている。この換気装置11の外気吸込口61、排気吸込口63、室内給気口62及び排気吹出口64は、図2に示すように配置されている。換気装置11は、共用廊下側の一壁面87とベランダ側の他の壁面88との間のほぼ中央に位置している。具体的には、ケース21の側板24(図2)が一壁面87側に向き、側板25が他の壁面88側に向いている。
【0057】
外気吸込口61に接続されたダクト83は、建物の一壁面87まで延びている。この一壁面87には、ダクト83につながる吸込口83aが設けられている。排気吹出口64に接続されたダクト84は、一壁面87の反対側に位置する他の壁面88まで延びている。この他の壁面88には、ダクト84につながる吹出口84aが設けられている。室内給気口62に接続されたダクト85は、ベランダに隣接した部屋まで延びている。この部屋の天井には、ダクト85につながる吹出口85aが設けられている。
【0058】
本実施形態では、外気吸込口61が側板24に設けられており、排気吹出口64が側板24に対向する側板25に設けられているので、ダクト83又はダクト84をUターンさせるような施工をすることなくダクト83及びダクト84をほぼ直線状に配設することができる。
【0059】
[設置例2]
図6は、換気装置11の設置例2を示す斜視図である。この設置例2では、換気装置11の外気吸込口61が設けられた側板24を下方に向け、室内給気口62及び排気吹出口64が設けられた側板25を上方に向けて配置している。排気吸込口61は、主板22(図2の底板22)に設けられている。主板22において排気吸込口61が設けられている位置は、側板24の近傍の位置であり、具体的には、第1素子41及び/又は第2素子42に対向する領域である。この換気装置11では、図2に示す側板24の排気吸込口63は塞がれている。換気装置11は、外壁96と部屋の内壁95との間に設けられた空間に配置されており、部屋の床面98に近い高さに位置している。
【0060】
外気吸込口61に接続されたダクト83は、下方に延び、外壁96側に屈曲し、外壁96まで延びている。外壁96には、ダクト83につながる吸込口83aが設けられている。室内給気口62に接続されたダクト85は、内壁95と外壁96との間の空間において天井97を超えるあたりまで上方に延び、天井裏の空間を天井97に沿って延びている。天井97には、ダクト85につながる吹出口85aが設けられている。排気吹出口64に接続されたダクト84は、内壁95と外壁96との間の空間において天井97を超えるあたりまで上方に延び、外壁96側に屈曲し、外壁96まで延びている。外壁96には、ダクト84につながる吹出口84aが設けられている。
【0061】
本実施形態では、外気吸込口61が下方に向いた側板24に設けられており、排気吹出口64が上方に向いた側板25に設けられているので、ダクト83又はダクト84をUターンさせるような施工をすることなくダクト83及びダクト84をほぼ直線状に配設することができる。
【0062】
[実施形態の概要]
上記実施形態をまとめると、以下の通りである。
【0063】
(1) 本実施形態の換気装置11では、給気パスP1では、外気吸込口61、第1素子41、第2素子42及び室内給気口62の配置順に沿って空気が流れる経路を有している。一方、排気パスP2では、排気吸込口63、迂回路Bを経由して第2素子42を先に通過した後、側板24側に戻って第1素子41を通過する旋回した経路を有している。
【0064】
このように給気パスP1では空気が第1素子41を先に通過し、第2素子42を後で通過する一方で、排気パスP2では、迂回路Bを設けることによって空気を先に第2素子42に通過させ、その後で第1素子41に通過させることが可能になる。これにより、各素子において、室外空気と室内空気との温度差が極端に小さくなるのを抑制できるので、第1素子41及び第2素子42を備えているメリットを十分に生かして高い性能を維持することができる。
【0065】
(2) 本実施形態の換気装置11では、第1素子41及び第2素子42が横流路F1,F2と縦流路F3,F4とを有する直交流式であり、底板22と第1素子41との間に第1案内板51を配設し、底板22と第2素子42との間に第2案内板52を配設することにより、排気パスP2において上述した旋回する経路に沿って円滑に空気を案内することができる。
【0066】
(3) 本実施形態の換気装置11では、排気パスP2の排気吸込口63が側板24において第1素子41に対してその長手方向の方向D4に偏った位置にあるので、第2素子42の縦流路F4には、排気吸込口63に近い領域、すなわち第2素子42における長手方向の方向D4の領域に比較的多くの空気が流入する。したがって、排気パスP2の空気が第2素子42の縦流路F4に流入する量は、第2素子42の長手方向の方向D3に向かうほど減少する。
【0067】
そこで、本実施形態では、第2案内板52を上記のように傾斜した姿勢で配置することにより、空気の流入量が減少する長手方向の方向D3に向かうほど第2案内板52の内面と第2素子42の縦流路F4の入口側の面42Dとの距離を小さくしている。縦流路F4に流入する空気量が少なくなる方向D3の領域では、前記距離を小さくしても圧力損失の点での悪影響は少ない。一方、長手方向の方向D3において第2案内板52の内面と第2素子42の縦流路F4の入口との距離を小さくした分だけ、第2案内板52の外面と底板22の内面との間隔を大きくとることができる。したがって、第1素子41の縦流路F3を通過した排気パスP2の空気が排気吹出口64に案内される案内路Gの断面積(空気の流れ方向に垂直な断面)を大きくすることができる。
【0068】
このように本実施形態では、第2案内板52を上記のように傾斜した姿勢で配置することにより、排気パスP2において空気が流れる各流路の断面積を効率よく配分することができるので、排気パスP2における圧力損失を低減することができる。
【0069】
(4) 本実施形態の換気装置11では、給気パスP1の外気吸込口61が側板24において第1素子41に対して長手方向の方向D3に偏った位置にあるので、第1素子41の横流路F1には、外気吸込口61に近い領域、すなわち第1素子41における長手方向の方向D3の領域に偏って空気が流入しやすい。
【0070】
そこで、本実施形態では、第1素子41の縦流路F3を流れる排気パスP2の空気を第1素子41の長手方向の方向D3の領域に多く配分するために、第1案内板51を上記したように傾斜した姿勢で配置している。このような配置によって、縦流路F3を流れる排気パスP2の空気は、縦流路F3の出口と第1案内板51との距離が小さい長手方向の方向D4の領域よりも方向D3の領域に多く配分される。これにより、第1素子41において、縦流路F3を流れる排気パスP2の空気と、横流路F1を流れる給気パスP1の空気との間で効率よく熱交換することができる。
【0071】
しかも、長手方向の方向D4において第1案内板51の内面と第1素子41の縦流路F3の入口との距離を小さくした分だけ、第1案内板51の外面と底板22の内面との間隔を大きくとることができるので、迂回路Bの断面積を大きくすることができる。
【0072】
なお、本発明は、前記実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。
【0073】
例えば、前記実施形態では、ケースの外気吸込口(61)、排気吸込口(63)、室内給気口(62)及び排気吹出口(64)が側板に設けられている場合を例示したが、これに限定されず、主板に設けられていてもよく、この場合、主板の全領域のうち前記側板の近傍に位置する部分に設けられる。
【0074】
また、前記実施形態では、排気パスP2が旋回した経路を有している場合を例示したが、給気パスP1が旋回した経路を有していてもよい。
【0075】
また、前記実施形態では、第1案内板及び第2案内板が底板と第1素子及び第2素子との間に配置されている場合を例示したが、第1案内板及び第2案内板は、天板と第1素子及び第2素子との間に配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0076】
11 換気装置
21 ケース
22 底板(一方の主板)
23 天板(他方の主板)
24 第1側板(一方の側板)
25 第2側板(他方の側板)
26 第3の側板
27 第4の側板
41 第1素子(全熱交換素子)
42 第2素子(全熱交換素子)
51 第1案内板
52 第2案内板
61 外気吸込口
62 室内給気口
63 排気吸込口
64 排気吹出口
B 迂回路
D1 側板対向方向
D2 主板対向方向
D3 長手方向の一方
D4 長手方向の他方
F1,F2 横流路
F3,F4 縦流路
G 案内路
OA 外気吸込
SA 室内給気
RA 排気吸込
EA 排気吹出

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向配置された一対の主板(22,23)、及び対向配置され、前記一対の主板(22,23)の端部をつなぐ一対の側板(24,25)を含み、外気吸込口(61)、室内給気口(62)、排気吸込口(63)及び排気吹出口(64)を有するケース(21)と、室外空気と室内空気との間で全熱交換させる第1素子(41)及び第2素子(42)と、を備えた換気装置であって、
前記外気吸込口(61)は、一方の側板(24)又はその近傍に設けられ、前記排気吹出口(64)は、他方の側板(25)又はその近傍に設けられ、前記第1素子(41)は、前記第2素子(42)よりも前記一方の側板(24)側に位置し、
前記外気吸込口(61)から前記室内給気口(62)に至る給気パス(P1)、及び前記排気吸込口(63)から前記排気吹出口(64)に至る排気パス(P2)のうち、
一方のパスは、前記外気吸込口(61)及び前記排気吸込口(63)のうちの一方の吸込口からケース(21)内に吸い込まれた空気が、前記第1素子(41)を通過した後、前記第2素子(42)を通過する経路を有し、
他方のパスは、前記外気吸込口(61)及び前記排気吸込口(63)のうちの他方の吸込口からケース(21)内に吸い込まれた空気が、前記第1素子(41)を通過しない迂回路(B)を経由して前記第1素子(41)よりも前記他方の側板(25)側に流れて前記第2素子(42)を先に通過した後、前記一方の側板(24)側に戻って前記第1素子(41)を通過する旋回した経路を有している換気装置。
【請求項2】
前記一方の主板(22)と前記第1素子(41)との間に配置された第1案内板(51)と、前記一方の主板(22)と前記第2素子(42)との間に配置された第2案内板(52)と、をさらに備え、
前記第1素子(41)及び前記第2素子(42)は、前記一対の側板(24,25)同士が対向する側板対向方向(D1)に延びる横流路(F1,F2)と、前記主板(22,23)同士が対向する主板対向方向(D2)に延びる縦流路(F3,F4)とを有する直交流式であり、
前記第1案内板(51)は、前記第1素子(41)の前記縦流路(F3)に前記他方のパスを流れる空気が流入するのを抑制するとともに当該空気を前記第2素子(42)の前記縦流路(F4)に案内する前記迂回路(B)を形成しており、
前記第2案内板(52)は、前記第1素子(41)の縦流路(F3)を通過した前記他方のパスを流れる空気が前記第2素子(42)の前記縦流路(F4)に再流入するのを抑制するとともに当該空気を前記排気吹出口(64)又は前記室内給気口(62)側に案内する案内路(G)を形成している、請求項1に記載の換気装置。
【請求項3】
前記第1素子(41)及び前記第2素子(42)は、長手方向が前記一方の側板(24)に平行な方向に延びる直方体形状を有し、前記側板対向方向(D1)に並設されており、
前記一方のパスの吸込口である前記外気吸込口(61)又は前記排気吸込口(63)は、前記一方の側板(24)において、前記第1素子(41)及び第2素子(42)に対して前記長手方向の一方向(D3)に偏った位置にあり、前記他方のパスの吸込口である前記排気吸込口(63)又は前記外気吸込口(61)は、前記一方の側板(24)において、前記第1素子(41)及び第2素子(42)に対して前記長手方向の他方向(D4)に偏った位置にあり、
前記第2案内板(52)は、その一端(52a)が前記第2素子(42)における前記一方向(D3)の端部又はその近傍に位置し、他端(52b)が一端(52a)よりも前記他方向(D4)に位置し、他端(52b)から一端(52a)に向かうにつれて前記第2素子(42)との距離が小さくなるように前記第2素子(42)の長手方向に対して傾斜した姿勢で配置されている、請求項2に記載の換気装置。
【請求項4】
前記第1素子(41)及び前記第2素子(42)は、長手方向が前記一方の側板(24)に平行な方向に延びる直方体形状を有し、前記側板対向方向(D1)に並設されており、
前記一方のパスの吸込口である前記外気吸込口(61)又は前記排気吸込口(63)は、前記一方の側板(24)において、前記第1素子(41)及び第2素子(42)に対して前記長手方向の一方向(D3)に偏った位置にあり、前記他方のパスの吸込口である前記排気吸込口(63)又は前記外気吸込口(61)は、前記一方の側板(24)において、前記第1素子(41)及び第2素子(42)に対して前記長手方向の他方向(D4)に偏った位置にあり、
前記第1案内板(51)は、その一端(51a)が前記第1素子(41)における前記他方向(D4)の端部又はその近傍に位置し、他端(51b)が一端(51a)よりも前記一方向(D3)に位置し、一端(51a)から他端(51b)に向かうにつれて前記第1素子(41)との距離が大きくなるように前記第1素子(41)の長手方向に対して傾斜した姿勢で配置されている、請求項2に記載の換気装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−132592(P2012−132592A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−283426(P2010−283426)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)