揮発性セシウム化合物を捕集するフィルター型捕集材及びそれを用いた揮発性セシウム化合物を捕集する方法
【課題】揮発性セシウム化合物を捕集するフィルター型捕集材及びそれを用いた揮発性セシウム化合物を捕集する方法を提供する。
【解決手段】シリカ40〜65重量%、アルミナ15〜30重量%、鉄酸化物5〜15重量%、モリブデン酸化物1〜15重量%、クロム酸化物1〜10重量%及びバナジウム酸化物1〜10重量%を含む揮発性セシウム化合物を捕集するフィルター型捕集材及びそれを用いた揮発性セシウム化合物を捕集する方法。揮発性セシウム化合物を捕集するフィルター型捕集材及び捕集する方法は核分裂ガスの中からセシウムのみを選択的に分離することで、セシウムが捕集されたフィルターのみを処分することができ、後続の排気体工程効率が向上し、廃フィルターの処分費用の減少、廃フィルターのセシウム同位元素の再活用などに用いることができるので、多様な形態のセシウム化合物ガスを不溶化するのに有用である。
【解決手段】シリカ40〜65重量%、アルミナ15〜30重量%、鉄酸化物5〜15重量%、モリブデン酸化物1〜15重量%、クロム酸化物1〜10重量%及びバナジウム酸化物1〜10重量%を含む揮発性セシウム化合物を捕集するフィルター型捕集材及びそれを用いた揮発性セシウム化合物を捕集する方法。揮発性セシウム化合物を捕集するフィルター型捕集材及び捕集する方法は核分裂ガスの中からセシウムのみを選択的に分離することで、セシウムが捕集されたフィルターのみを処分することができ、後続の排気体工程効率が向上し、廃フィルターの処分費用の減少、廃フィルターのセシウム同位元素の再活用などに用いることができるので、多様な形態のセシウム化合物ガスを不溶化するのに有用である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揮発性セシウム化合物を捕集するフィルター型捕集材及びそれを用いた揮発性セシウム化合物を捕集する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高準位放射性気体廃棄物であるセシウムは、原子炉で照射された核燃料または使用後核燃料の酸化工程、電解工程、フッ化工程及び塩化工程などの使用後核燃料物質の処理工程、使用後核燃料のガラス化処理工程及び高準位放射性廃液の焙焼などによって発生し、再処理時に発生する高準位放射性廃液の焙焼及びガラス化工程中に発生する。これら使用後の核燃料を扱う各種工程では、熱処理温度、雰囲気ガス等によって、セシウム(Cs)だけでなく、I、Tc、Ru、Teなど多様な準揮発性核分裂ガスが発生する。発生した核分裂ガスの中で高放射能、高放熱核種であるセシウムを環境に放出されないように選択的に安全に捕集する技術開発が至急に求められている実情である。
【0003】
従来は、気体状セシウムを効果的に除去するために、気体状セシウムから微細なエアゾール(aerosol)粒子を生成させた後、高性能フィルターを用いて除去する凝縮法などの物理的方法を主に用いていた。しかし、従来の方法は、放射線的危険度が大きくて化学的反応性が大きい放射性セシウムを化学的に安定した形態及び耐浸出性が大きい物質で捕集する技術ではないため、セシウムの処分時に問題になっている。また、最近、石炭火力発電所の副産物である石炭灰からフィルターを製造して、これを気体状セシウムと反応させてセシウムアルミノシリケートを形成させてセシウムを捕集する方法が開発された。しかし、石炭火力発電所で使用される炭種の変化によって石炭灰の組成が変わって品質管理ができない点、すなわち、その石炭灰からフィルターを製造する時に化学的組成が一定しないため、ポルサイト(pollucite,CsAlSi2O6)を形成するのに相応しくないという問題点がある。また、石炭灰に含まれるCaO、MgO、TiO2、SO3、Na2O、K2O、BaO、PbO、MnO2等の多様な化学的組成物によって、選択的にセシウムのみを除去しにくいという問題点がある。
【0004】
実際に石炭灰フィルターの場合、セシウムだけではなくテクネチウム−99が同時に捕集される問題がある。石炭灰フィルターにセシウムだけではなくテクネチウムが同時捕集される場合、これら核種が捕集された廃フィルターを永久処分時に短半減期核種、高放射性、高放熱核種であるセシウム(137Cs:30.2年)と長半減期核種であるテクネチウム(99Tc:21万年)とが同時に処分されて、セシウム及びテクネチウムの効率的な処分性と再利用性を期待することができないという問題点がある。
【0005】
その他に、自然界に存在するメタカオリナイト(metakaolinite,Al2O3・2SiO2)、ベントナイト(bentonite,Al2O3・4SiO2・6H2O)、パイロフィライト(pyrophyllite,Al2O3・4SiO2・H2O)などをセシウムの捕集原料物質に用いている。しかし、Si/Alのモル比が1.04のメタカオリナイト、2.07のパイロフィライト及び3.53のベントナイトなどのような粘土物質の場合、セシウムの安定した化合物であるポルサイト(CsAlSi2O6)を形成するのに相応しくない化学的組成及びそれらの高い吸湿性のため、これらの原料物質からフィルターを製造した時の強度が弱くて形態が維持されないという問題がある。また、特許文献1は、石油化学工場の重質油分解工程中に発生する廃流動床触媒分解(Fluid catalytic cracking)のための触媒を用いた気体状セシウム(Cs)の捕集材に関するものである。しかし、特許文献1の技術では、流動床触媒分解のための触媒には水気を吸収するゼオライト成分が含まれていて、フィルターの製造時に完全に焼成化されず、強度が非常に弱く、運転が容易なフィルターへの加工性及び成形性などの点で多くの問題点がある。そして、単純に廃流動床触媒分解のための触媒を粉砕して粉末形態とした場合、気体状セシウムを捕集する際に飛散して管壁が詰まる現象及び圧力降下、チャネリング(channeling)現象による低い気体/固体接触効率などにより、排気体処理時の運転上の問題がある。また、現在、石炭灰フィルター及び廃FCC触媒を用いて気体状セシウムを除去するために運転温度を600〜1300℃及び500〜1000℃にそれぞれ維持しなければならないので、原子力施設の排気体処理システムに適用する場合、排気ガスを低い温度状態で反応させることができず、別途の加熱設備が必要になるという問題点がある。
【0006】
そこで、本発明者等は、セシウム化合物を捕集する方法を研究中、シリカ40〜65重量%、アルミナ15〜30重量%、鉄酸化物5〜15重量%、モリブデン酸化物1〜15重量%、クロム酸化物1〜10重量%及びバナジウム酸化物1〜10重量%を含むフィルター型捕集材を用いて揮発性セシウム化合物を捕集する方法を開発して、本発明を完成した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国登録特許第10−0184254号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、揮発性セシウム化合物を捕集するフィルター型捕集材を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、揮発性セシウム化合物を捕集する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明は、シリカ40〜65重量%、アルミナ15〜30重量%、鉄酸化物5〜15重量%、モリブデン酸化物1〜15重量%、クロム酸化物1〜10重量%及びバナジウム酸化物1〜10重量%を含む、揮発性セシウム化合物を捕集するフィルター型捕集材を提供する。
【0010】
また、本発明は、シリカ40〜65重量%、アルミナ15〜30重量%、鉄酸化物5〜15重量%、モリブデン酸化物1〜15重量%、クロム酸化物1〜10重量%及びバナジウム酸化物1〜10重量%を含むフィルター型捕集材を用いて使用後の核燃料高温熱処理工程、ガラス化工程、フッ化物製造工程、塩化物製造工程、チッ化物製造工程及び乾式工程から発生される揮発性セシウム化合物を捕集する方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明による揮発性セシウム化合物を捕集するフィルター型捕集材及び捕集する方法は、核分裂ガス中のセシウムのみを選択的に分離することで、セシウムが捕集されたフィルターのみを処分することができ、後続の排気体工程の効率が向上し、廃フィルターの処分費用の減少、廃フィルターのセシウム同位元素の再利用などに用いることができるので、多様な形態のセシウム化合物ガスを不溶化するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明による捕集材(実施例1)を用い、空気雰囲気下にて10cm/秒の流速で、600℃、3時間にわたり、セシウム化合物を捕集した後(実施例2)の捕集材写真である。
【図2】本発明による捕集材を用い、それぞれ400、600、800及び1000℃、空気雰囲気下で3時間にわたり、セシウム化合物を捕集した後の捕集量を示したグラフである(400℃:実施例4;600℃:実施例5;800℃:実施例6;及び1000℃:実施例8)。
【図3】本発明による捕集材を用いて900℃、空気雰囲気下でセシウム化合物を捕集したフィルター(実施例3)のX線回折(XRD)分析結果を示したグラフである。
【図4】本発明による捕集材(実施例1)及びSi/Alのモル比が2の従来の捕集材(比較例1)を用いてセシウム捕集量を熱重量分析機で分析した結果を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、揮発性セシウム化合物を捕集するフィルター型捕集材を提供する。
以下、本発明を詳しく説明する。
核燃料製造工程から発生する揮発性セシウム化合物を捕集する前記フィルター型捕集材は、シリカ40〜65重量%、アルミナ15〜30重量%、鉄酸化物5〜15重量%、モリブデン酸化物1〜15重量%、クロム酸化物1〜10重量%及びバナジウム酸化物1〜10重量%を含む。
【0014】
本発明による前記揮発性セシウム化合物を捕集する捕集材は、固体状フィルターの形状で提供することができる。このようなフィルターの形状としては、セラミックス気泡型、多孔性球形及び円筒状などの多様な形態で提供することができる。固体状フィルター形状で提供するためには、捕集材の成分が飛散しないようにしなければならず、加工性に優れていることも求められる。前記加工性については、捕集材の構成成分の中でシリカ、アルミナ、鉄酸化物及びモリブデン酸化物の成分が一定量以上含有したものが求められる。フィルター形状で提供される本発明の捕集材は、従来の粉末型捕集材と比較して飛散化により管壁が詰まる現象及び圧力降下などの問題を解決することによって、作業環境を改善する長所があり、それ以外にも、微細な多孔性のフィルター型捕集材を用いることで、粉末型捕集材のチャネリング(Channeling)問題を解決することは勿論、気体/固体接触効率を増加させて排気体捕集効率を増加させることができるという利点がある。
【0015】
さらに、本発明による前記フィルター型捕集材は、前記構成元素からなる組成物を1200〜1500℃の範囲で焼結させて製造することができる。万一、前記捕集材の焼結温度が1200℃未満の場合には、捕集材原料粉末粒子がフィルターに成形された後、熱的活性化過程である焼結過程での焼結温度が低くて、多孔性フィルターの形態を維持することができない問題があり、1500℃を超過する場合には高温によって原料粉末粒子がガラス質に溶融してフィルターの形態が破壊される問題がある。
【0016】
また、本発明は、上述したフィルター型捕集材を用いて、使用後の核燃料高温熱処理工程、ガラス化工程、フッ化物製造工程、塩化物製造工程、チッ化物製造工程及び乾式工程を含む核燃料製造工程から発生する揮発性セシウム化合物を捕集する方法を提供する。
【0017】
具体的に、本発明による揮発性セシウム化合物捕集方法は、上述したフィルター型捕集材を、除去が求められる気体状のセシウム化合物が存在する作業場に供給した後、揮発する気体状のセシウム化合物と接触させて捕集することによって除去することができる。ここで、捕集するための作業環境の温度は、400〜1200℃が好ましい。万一、捕集温度が400℃未満の場合には、気体状セシウムと捕集材とが反応するためのエネルギーが充足されなくて捕集反応が起きない問題があり、1200℃を超過する場合には、高温の捕集温度によって装置の腐食、安定性及び運転費用などの諸般の問題が発生する問題がある。
【0018】
捕集反応においては、前記温度範囲でセシウム化合物が選択的に捕集され、ここで、捕集されるセシウム化合物は、ポルサイト(pollucite,CsAlSi2O6)形態で固定化される。捕集材は、シリカ40〜65重量%、アルミナ15〜30重量%、鉄酸化物5〜15重量%、モリブデン酸化物1〜15重量%、クロム酸化物1〜10重量%及びバナジウム酸化物1〜10重量%を含むことによって、セシウム化合物のみを選択的に捕集することができる最適の組成比で構成され、核分裂ガス中のテクネチウム、ルテニウム、アンチモン、テルルとの反応なしにセシウム化合物のみを捕集することができる。
【0019】
以下、本発明を実施例によってさらに詳しく説明する。但し、下記の実施例は、発明を例示するだけのものあって、本発明の内容が下記の実施例によって制限されるのではない。
<実施例1>揮発性セシウム化合物捕集材
シリカ、アルミナ、酸化鉄、モリブデン酸化物、クロム酸化物及びバナジウム酸化物を均一に混合した後、結合剤としてポリビニルアルコール0.5%溶液と50:50重量%で均質に混合してスラリー溶液を製造した。前記スラリー溶液を25ppi(pores per inch)ポリウレタンスポンジに5回含浸させた後、余剰のスラリーを除去するために空気を噴射させた。スラリー含浸及び空気噴射を5回反覆した後、120℃で6時間の乾燥過程を経てフィルターを成形した。成形物内各々の粒子集合体が緻密で強度が高い多結晶体に製造するために、前記フィルターを1400℃で0.5時間焼結して、シリカ60重量%、アルミナ25重量%、酸化鉄8重量%、モリブデン酸化物3重量%、クロム酸化物2重量%及びバナジウム酸化物2重量%を含む揮発性セシウム化合物捕集材を製造した。
<実施例2>揮発性セシウム化合物の捕集1
排気体実験装置を用いてヨウ化セシウム(CsI)から発生した揮発性セシウム化合物を前記実施例1の捕集材で、空気雰囲気下に10cm/秒の流速で600℃で3時間捕集した。
<実施例3>揮発性セシウム化合物の捕集2
捕集温度を900℃で行なったことを除き、前記実施例2と同一方法で揮発性セシウム化合物を捕集した。
<実施例4>揮発性セシウム化合物の捕集3
排気体実験装置を用いて揮発ゾーンの温度1000℃で空気雰囲気下に20cm/秒の流速で45gのCsNO3から気体状セシウムを発生させ、捕集ゾーンに配置した前記実施例1の捕集材で400℃の捕集温度で3時間、捕集した。
<実施例5>揮発性セシウム化合物の捕集4
捕集温度を600℃に設定したことを除き、前記実施例4と同一な方法で揮発性セシウム化合物を捕集した。
<実施例6>揮発性セシウム化合物の捕集5
捕集温度を800℃に設定したことを除き、前記実施例4と同一な方法で揮発性セシウム化合物を捕集した。
<実施例7>揮発性セシウム化合物の捕集6
捕集時間を2時間に設定したことを除き、前記実施例6と同一な方法で揮発性セシウム化合物を捕集した。
<実施例8>揮発性セシウム化合物の捕集7
捕集温度を1000℃に設定したことを除き、前記実施例4と同一な方法で揮発性セシウム化合物を捕集した。
<比較例1>揮発性セシウム化合物捕集材
シリカ、アルミナ、酸化鉄、モリブデン酸化物を均一に混合した後、結合剤としてポリビニルアルコール1.0%溶液と60:40の重量%で均質に混合してスラリー溶液を製造した。前記スラリー溶液を60ppiポリウレタンスポンジに4回含浸させた後、余剰のスラリーを除去するために空気を噴射させた後、120℃で6時間の乾燥過程を経てフィルターを成形した。成形物内各々の粒子集合体が緻密で強度が高い多結晶体に製造するために、前記フィルターを1380℃で0.5時間焼結して、SiO2:60重量%、Al2O3:24.2重量%、Fe2O3:12.8重量%及びMoO3:3重量%を含むSi/Alのモル比が2.0の揮発性セシウム化合物捕集材を製造した。
<比較例2>揮発性セシウム化合物の捕集8
排気体実験装置を用いて揮発ゾーンの温度1000℃で空気雰囲気下20cm/秒の流速で10gのCsNO3から気体状セシウムを発生させ、捕集ゾーンに配置した前記比較例1の捕集材で800℃の捕集温度で2時間捕集した。
【0020】
下記の表1に、実施例2ないし8及び比較例2の捕集条件を整理して示した。
【0021】
【表1】
<実験例1>セシウム化合物を捕集した後の捕集材の模様分析
セシウム化合物を捕集後の捕集材の様子を調べるために写真撮影して、その結果を図1に示した。
【0022】
排気体実験装置を用いてヨウ化セシウム(CsI)から発生した揮発性セシウム化合物を、前記実施例1の捕集材で空気雰囲気下に10cm/秒の流速で600℃で3時間捕集した(実施例2)。
【0023】
図1に示したように、多孔性球形にセシウム化合物が捕集されていることが分かる。
<実験例2>捕集温度による気体状セシウムの捕集量測定
捕集温度による気体状セシウムの捕集量を測定し、その結果を図2に示した。
【0024】
排気体実験装置を用いて揮発ゾーンの温度1000℃で空気雰囲気下にて20cm/秒の流速で45gのCsNO3から気体状セシウムを発生させ、捕集ゾーンに配置した前記実施例1の捕集材に、それぞれ400℃(実施例4)、600℃(実施例5)、800℃(実施例6)及び1000℃(実施例8)の捕集温度で3時間捕集した。
【0025】
図2に示されたように、捕集温度が高いほど、フィルター深さの浅い所でセシウム捕集量が増加することが分かる。
<実験例3>セシウム化合物を捕集後の捕集材の相分析
セシウム化合物を捕集後の捕集材相を分析するために、X線回折分析(XRD,Simens,D−5000)を行なって、その結果を図3に示した。
【0026】
排気体実験装置を用いて前記実施例1の捕集材でCsIから発生した揮発性セシウム化合物を空気雰囲気下にて20cm/秒の流速で900℃で3時間捕集した後(実施例3)、捕集材の相を分析した。
【0027】
図3に示されたように、X線回折分析でポルサイト(CsAlSi2O6)が形成されたことが分かった。
<実験例4>捕集材によるセシウム化合物捕集量比較
Si/Alのモル比が2.0の捕集材(比較例1)とシリカ、アルミナ、鉄酸化物、クロム酸化物、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物を含む捕集材(実施例1)のセシウム化合物捕集量を比較するために、熱重量分析機(TGA,Setaram,92−12)で分析して、その結果を図4に示した。
【0028】
気体状セシウム発生源にCsNO3試薬を使用し、空気雰囲気下にて20℃/分の昇温速度で800℃まで加熱した後、2時間等温維持して熱重量分析を行なった。
図4に示されたように、実施例1を用いたセシウム化合物の捕集(実施例7)が、比較例1を用いたセシウム化合物の捕集(比較例2)より、セシウムの捕集反応速度が約1.5倍増加したことが分かる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、揮発性セシウム化合物を捕集するフィルター型捕集材及びそれを用いた揮発性セシウム化合物を捕集する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高準位放射性気体廃棄物であるセシウムは、原子炉で照射された核燃料または使用後核燃料の酸化工程、電解工程、フッ化工程及び塩化工程などの使用後核燃料物質の処理工程、使用後核燃料のガラス化処理工程及び高準位放射性廃液の焙焼などによって発生し、再処理時に発生する高準位放射性廃液の焙焼及びガラス化工程中に発生する。これら使用後の核燃料を扱う各種工程では、熱処理温度、雰囲気ガス等によって、セシウム(Cs)だけでなく、I、Tc、Ru、Teなど多様な準揮発性核分裂ガスが発生する。発生した核分裂ガスの中で高放射能、高放熱核種であるセシウムを環境に放出されないように選択的に安全に捕集する技術開発が至急に求められている実情である。
【0003】
従来は、気体状セシウムを効果的に除去するために、気体状セシウムから微細なエアゾール(aerosol)粒子を生成させた後、高性能フィルターを用いて除去する凝縮法などの物理的方法を主に用いていた。しかし、従来の方法は、放射線的危険度が大きくて化学的反応性が大きい放射性セシウムを化学的に安定した形態及び耐浸出性が大きい物質で捕集する技術ではないため、セシウムの処分時に問題になっている。また、最近、石炭火力発電所の副産物である石炭灰からフィルターを製造して、これを気体状セシウムと反応させてセシウムアルミノシリケートを形成させてセシウムを捕集する方法が開発された。しかし、石炭火力発電所で使用される炭種の変化によって石炭灰の組成が変わって品質管理ができない点、すなわち、その石炭灰からフィルターを製造する時に化学的組成が一定しないため、ポルサイト(pollucite,CsAlSi2O6)を形成するのに相応しくないという問題点がある。また、石炭灰に含まれるCaO、MgO、TiO2、SO3、Na2O、K2O、BaO、PbO、MnO2等の多様な化学的組成物によって、選択的にセシウムのみを除去しにくいという問題点がある。
【0004】
実際に石炭灰フィルターの場合、セシウムだけではなくテクネチウム−99が同時に捕集される問題がある。石炭灰フィルターにセシウムだけではなくテクネチウムが同時捕集される場合、これら核種が捕集された廃フィルターを永久処分時に短半減期核種、高放射性、高放熱核種であるセシウム(137Cs:30.2年)と長半減期核種であるテクネチウム(99Tc:21万年)とが同時に処分されて、セシウム及びテクネチウムの効率的な処分性と再利用性を期待することができないという問題点がある。
【0005】
その他に、自然界に存在するメタカオリナイト(metakaolinite,Al2O3・2SiO2)、ベントナイト(bentonite,Al2O3・4SiO2・6H2O)、パイロフィライト(pyrophyllite,Al2O3・4SiO2・H2O)などをセシウムの捕集原料物質に用いている。しかし、Si/Alのモル比が1.04のメタカオリナイト、2.07のパイロフィライト及び3.53のベントナイトなどのような粘土物質の場合、セシウムの安定した化合物であるポルサイト(CsAlSi2O6)を形成するのに相応しくない化学的組成及びそれらの高い吸湿性のため、これらの原料物質からフィルターを製造した時の強度が弱くて形態が維持されないという問題がある。また、特許文献1は、石油化学工場の重質油分解工程中に発生する廃流動床触媒分解(Fluid catalytic cracking)のための触媒を用いた気体状セシウム(Cs)の捕集材に関するものである。しかし、特許文献1の技術では、流動床触媒分解のための触媒には水気を吸収するゼオライト成分が含まれていて、フィルターの製造時に完全に焼成化されず、強度が非常に弱く、運転が容易なフィルターへの加工性及び成形性などの点で多くの問題点がある。そして、単純に廃流動床触媒分解のための触媒を粉砕して粉末形態とした場合、気体状セシウムを捕集する際に飛散して管壁が詰まる現象及び圧力降下、チャネリング(channeling)現象による低い気体/固体接触効率などにより、排気体処理時の運転上の問題がある。また、現在、石炭灰フィルター及び廃FCC触媒を用いて気体状セシウムを除去するために運転温度を600〜1300℃及び500〜1000℃にそれぞれ維持しなければならないので、原子力施設の排気体処理システムに適用する場合、排気ガスを低い温度状態で反応させることができず、別途の加熱設備が必要になるという問題点がある。
【0006】
そこで、本発明者等は、セシウム化合物を捕集する方法を研究中、シリカ40〜65重量%、アルミナ15〜30重量%、鉄酸化物5〜15重量%、モリブデン酸化物1〜15重量%、クロム酸化物1〜10重量%及びバナジウム酸化物1〜10重量%を含むフィルター型捕集材を用いて揮発性セシウム化合物を捕集する方法を開発して、本発明を完成した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国登録特許第10−0184254号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、揮発性セシウム化合物を捕集するフィルター型捕集材を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、揮発性セシウム化合物を捕集する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明は、シリカ40〜65重量%、アルミナ15〜30重量%、鉄酸化物5〜15重量%、モリブデン酸化物1〜15重量%、クロム酸化物1〜10重量%及びバナジウム酸化物1〜10重量%を含む、揮発性セシウム化合物を捕集するフィルター型捕集材を提供する。
【0010】
また、本発明は、シリカ40〜65重量%、アルミナ15〜30重量%、鉄酸化物5〜15重量%、モリブデン酸化物1〜15重量%、クロム酸化物1〜10重量%及びバナジウム酸化物1〜10重量%を含むフィルター型捕集材を用いて使用後の核燃料高温熱処理工程、ガラス化工程、フッ化物製造工程、塩化物製造工程、チッ化物製造工程及び乾式工程から発生される揮発性セシウム化合物を捕集する方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明による揮発性セシウム化合物を捕集するフィルター型捕集材及び捕集する方法は、核分裂ガス中のセシウムのみを選択的に分離することで、セシウムが捕集されたフィルターのみを処分することができ、後続の排気体工程の効率が向上し、廃フィルターの処分費用の減少、廃フィルターのセシウム同位元素の再利用などに用いることができるので、多様な形態のセシウム化合物ガスを不溶化するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明による捕集材(実施例1)を用い、空気雰囲気下にて10cm/秒の流速で、600℃、3時間にわたり、セシウム化合物を捕集した後(実施例2)の捕集材写真である。
【図2】本発明による捕集材を用い、それぞれ400、600、800及び1000℃、空気雰囲気下で3時間にわたり、セシウム化合物を捕集した後の捕集量を示したグラフである(400℃:実施例4;600℃:実施例5;800℃:実施例6;及び1000℃:実施例8)。
【図3】本発明による捕集材を用いて900℃、空気雰囲気下でセシウム化合物を捕集したフィルター(実施例3)のX線回折(XRD)分析結果を示したグラフである。
【図4】本発明による捕集材(実施例1)及びSi/Alのモル比が2の従来の捕集材(比較例1)を用いてセシウム捕集量を熱重量分析機で分析した結果を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、揮発性セシウム化合物を捕集するフィルター型捕集材を提供する。
以下、本発明を詳しく説明する。
核燃料製造工程から発生する揮発性セシウム化合物を捕集する前記フィルター型捕集材は、シリカ40〜65重量%、アルミナ15〜30重量%、鉄酸化物5〜15重量%、モリブデン酸化物1〜15重量%、クロム酸化物1〜10重量%及びバナジウム酸化物1〜10重量%を含む。
【0014】
本発明による前記揮発性セシウム化合物を捕集する捕集材は、固体状フィルターの形状で提供することができる。このようなフィルターの形状としては、セラミックス気泡型、多孔性球形及び円筒状などの多様な形態で提供することができる。固体状フィルター形状で提供するためには、捕集材の成分が飛散しないようにしなければならず、加工性に優れていることも求められる。前記加工性については、捕集材の構成成分の中でシリカ、アルミナ、鉄酸化物及びモリブデン酸化物の成分が一定量以上含有したものが求められる。フィルター形状で提供される本発明の捕集材は、従来の粉末型捕集材と比較して飛散化により管壁が詰まる現象及び圧力降下などの問題を解決することによって、作業環境を改善する長所があり、それ以外にも、微細な多孔性のフィルター型捕集材を用いることで、粉末型捕集材のチャネリング(Channeling)問題を解決することは勿論、気体/固体接触効率を増加させて排気体捕集効率を増加させることができるという利点がある。
【0015】
さらに、本発明による前記フィルター型捕集材は、前記構成元素からなる組成物を1200〜1500℃の範囲で焼結させて製造することができる。万一、前記捕集材の焼結温度が1200℃未満の場合には、捕集材原料粉末粒子がフィルターに成形された後、熱的活性化過程である焼結過程での焼結温度が低くて、多孔性フィルターの形態を維持することができない問題があり、1500℃を超過する場合には高温によって原料粉末粒子がガラス質に溶融してフィルターの形態が破壊される問題がある。
【0016】
また、本発明は、上述したフィルター型捕集材を用いて、使用後の核燃料高温熱処理工程、ガラス化工程、フッ化物製造工程、塩化物製造工程、チッ化物製造工程及び乾式工程を含む核燃料製造工程から発生する揮発性セシウム化合物を捕集する方法を提供する。
【0017】
具体的に、本発明による揮発性セシウム化合物捕集方法は、上述したフィルター型捕集材を、除去が求められる気体状のセシウム化合物が存在する作業場に供給した後、揮発する気体状のセシウム化合物と接触させて捕集することによって除去することができる。ここで、捕集するための作業環境の温度は、400〜1200℃が好ましい。万一、捕集温度が400℃未満の場合には、気体状セシウムと捕集材とが反応するためのエネルギーが充足されなくて捕集反応が起きない問題があり、1200℃を超過する場合には、高温の捕集温度によって装置の腐食、安定性及び運転費用などの諸般の問題が発生する問題がある。
【0018】
捕集反応においては、前記温度範囲でセシウム化合物が選択的に捕集され、ここで、捕集されるセシウム化合物は、ポルサイト(pollucite,CsAlSi2O6)形態で固定化される。捕集材は、シリカ40〜65重量%、アルミナ15〜30重量%、鉄酸化物5〜15重量%、モリブデン酸化物1〜15重量%、クロム酸化物1〜10重量%及びバナジウム酸化物1〜10重量%を含むことによって、セシウム化合物のみを選択的に捕集することができる最適の組成比で構成され、核分裂ガス中のテクネチウム、ルテニウム、アンチモン、テルルとの反応なしにセシウム化合物のみを捕集することができる。
【0019】
以下、本発明を実施例によってさらに詳しく説明する。但し、下記の実施例は、発明を例示するだけのものあって、本発明の内容が下記の実施例によって制限されるのではない。
<実施例1>揮発性セシウム化合物捕集材
シリカ、アルミナ、酸化鉄、モリブデン酸化物、クロム酸化物及びバナジウム酸化物を均一に混合した後、結合剤としてポリビニルアルコール0.5%溶液と50:50重量%で均質に混合してスラリー溶液を製造した。前記スラリー溶液を25ppi(pores per inch)ポリウレタンスポンジに5回含浸させた後、余剰のスラリーを除去するために空気を噴射させた。スラリー含浸及び空気噴射を5回反覆した後、120℃で6時間の乾燥過程を経てフィルターを成形した。成形物内各々の粒子集合体が緻密で強度が高い多結晶体に製造するために、前記フィルターを1400℃で0.5時間焼結して、シリカ60重量%、アルミナ25重量%、酸化鉄8重量%、モリブデン酸化物3重量%、クロム酸化物2重量%及びバナジウム酸化物2重量%を含む揮発性セシウム化合物捕集材を製造した。
<実施例2>揮発性セシウム化合物の捕集1
排気体実験装置を用いてヨウ化セシウム(CsI)から発生した揮発性セシウム化合物を前記実施例1の捕集材で、空気雰囲気下に10cm/秒の流速で600℃で3時間捕集した。
<実施例3>揮発性セシウム化合物の捕集2
捕集温度を900℃で行なったことを除き、前記実施例2と同一方法で揮発性セシウム化合物を捕集した。
<実施例4>揮発性セシウム化合物の捕集3
排気体実験装置を用いて揮発ゾーンの温度1000℃で空気雰囲気下に20cm/秒の流速で45gのCsNO3から気体状セシウムを発生させ、捕集ゾーンに配置した前記実施例1の捕集材で400℃の捕集温度で3時間、捕集した。
<実施例5>揮発性セシウム化合物の捕集4
捕集温度を600℃に設定したことを除き、前記実施例4と同一な方法で揮発性セシウム化合物を捕集した。
<実施例6>揮発性セシウム化合物の捕集5
捕集温度を800℃に設定したことを除き、前記実施例4と同一な方法で揮発性セシウム化合物を捕集した。
<実施例7>揮発性セシウム化合物の捕集6
捕集時間を2時間に設定したことを除き、前記実施例6と同一な方法で揮発性セシウム化合物を捕集した。
<実施例8>揮発性セシウム化合物の捕集7
捕集温度を1000℃に設定したことを除き、前記実施例4と同一な方法で揮発性セシウム化合物を捕集した。
<比較例1>揮発性セシウム化合物捕集材
シリカ、アルミナ、酸化鉄、モリブデン酸化物を均一に混合した後、結合剤としてポリビニルアルコール1.0%溶液と60:40の重量%で均質に混合してスラリー溶液を製造した。前記スラリー溶液を60ppiポリウレタンスポンジに4回含浸させた後、余剰のスラリーを除去するために空気を噴射させた後、120℃で6時間の乾燥過程を経てフィルターを成形した。成形物内各々の粒子集合体が緻密で強度が高い多結晶体に製造するために、前記フィルターを1380℃で0.5時間焼結して、SiO2:60重量%、Al2O3:24.2重量%、Fe2O3:12.8重量%及びMoO3:3重量%を含むSi/Alのモル比が2.0の揮発性セシウム化合物捕集材を製造した。
<比較例2>揮発性セシウム化合物の捕集8
排気体実験装置を用いて揮発ゾーンの温度1000℃で空気雰囲気下20cm/秒の流速で10gのCsNO3から気体状セシウムを発生させ、捕集ゾーンに配置した前記比較例1の捕集材で800℃の捕集温度で2時間捕集した。
【0020】
下記の表1に、実施例2ないし8及び比較例2の捕集条件を整理して示した。
【0021】
【表1】
<実験例1>セシウム化合物を捕集した後の捕集材の模様分析
セシウム化合物を捕集後の捕集材の様子を調べるために写真撮影して、その結果を図1に示した。
【0022】
排気体実験装置を用いてヨウ化セシウム(CsI)から発生した揮発性セシウム化合物を、前記実施例1の捕集材で空気雰囲気下に10cm/秒の流速で600℃で3時間捕集した(実施例2)。
【0023】
図1に示したように、多孔性球形にセシウム化合物が捕集されていることが分かる。
<実験例2>捕集温度による気体状セシウムの捕集量測定
捕集温度による気体状セシウムの捕集量を測定し、その結果を図2に示した。
【0024】
排気体実験装置を用いて揮発ゾーンの温度1000℃で空気雰囲気下にて20cm/秒の流速で45gのCsNO3から気体状セシウムを発生させ、捕集ゾーンに配置した前記実施例1の捕集材に、それぞれ400℃(実施例4)、600℃(実施例5)、800℃(実施例6)及び1000℃(実施例8)の捕集温度で3時間捕集した。
【0025】
図2に示されたように、捕集温度が高いほど、フィルター深さの浅い所でセシウム捕集量が増加することが分かる。
<実験例3>セシウム化合物を捕集後の捕集材の相分析
セシウム化合物を捕集後の捕集材相を分析するために、X線回折分析(XRD,Simens,D−5000)を行なって、その結果を図3に示した。
【0026】
排気体実験装置を用いて前記実施例1の捕集材でCsIから発生した揮発性セシウム化合物を空気雰囲気下にて20cm/秒の流速で900℃で3時間捕集した後(実施例3)、捕集材の相を分析した。
【0027】
図3に示されたように、X線回折分析でポルサイト(CsAlSi2O6)が形成されたことが分かった。
<実験例4>捕集材によるセシウム化合物捕集量比較
Si/Alのモル比が2.0の捕集材(比較例1)とシリカ、アルミナ、鉄酸化物、クロム酸化物、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物を含む捕集材(実施例1)のセシウム化合物捕集量を比較するために、熱重量分析機(TGA,Setaram,92−12)で分析して、その結果を図4に示した。
【0028】
気体状セシウム発生源にCsNO3試薬を使用し、空気雰囲気下にて20℃/分の昇温速度で800℃まで加熱した後、2時間等温維持して熱重量分析を行なった。
図4に示されたように、実施例1を用いたセシウム化合物の捕集(実施例7)が、比較例1を用いたセシウム化合物の捕集(比較例2)より、セシウムの捕集反応速度が約1.5倍増加したことが分かる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリカ40〜65重量%、アルミナ15〜30重量%、鉄酸化物5〜15重量%、モリブデン酸化物1〜15重量%、クロム酸化物1〜10重量%及びバナジウム酸化物1〜10重量%を含む、揮発性セシウム化合物を捕集するフィルター型捕集材。
【請求項2】
前記捕集材が、セラミックス気泡型、多孔性球形及び円筒状であることを特徴とする、請求項1に記載の揮発性セシウム化合物を捕集するフィルター型捕集材。
【請求項3】
前記捕集材が、1200〜1500℃の範囲で焼結されることを特徴とする、請求項2に記載の揮発性セシウム化合物を捕集するフィルター型捕集材。
【請求項4】
シリカ40〜65重量%、アルミナ15〜30重量%、鉄酸化物5〜15重量%、モリブデン酸化物1〜15重量%、クロム酸化物1〜10重量%及びバナジウム酸化物1〜10重量%を含むフィルター型捕集材を用いて、使用後の核燃料の高温熱処理工程、ガラス化工程、フッ化物製造工程、塩化物製造工程、チッ化物製造工程及び乾式工程から発生される揮発性セシウム化合物を捕集する方法。
【請求項5】
前記捕集が、捕集材を400〜1200℃の温度範囲で揮発性セシウム化合物と接触させてポルサイト(CsAlSi2O6)形態で前記セシウム化合物を固定化させることで、選択的にセシウム化合物のみを捕集することを特徴とする、請求項4に記載の揮発性セシウム化合物を捕集する方法。
【請求項1】
シリカ40〜65重量%、アルミナ15〜30重量%、鉄酸化物5〜15重量%、モリブデン酸化物1〜15重量%、クロム酸化物1〜10重量%及びバナジウム酸化物1〜10重量%を含む、揮発性セシウム化合物を捕集するフィルター型捕集材。
【請求項2】
前記捕集材が、セラミックス気泡型、多孔性球形及び円筒状であることを特徴とする、請求項1に記載の揮発性セシウム化合物を捕集するフィルター型捕集材。
【請求項3】
前記捕集材が、1200〜1500℃の範囲で焼結されることを特徴とする、請求項2に記載の揮発性セシウム化合物を捕集するフィルター型捕集材。
【請求項4】
シリカ40〜65重量%、アルミナ15〜30重量%、鉄酸化物5〜15重量%、モリブデン酸化物1〜15重量%、クロム酸化物1〜10重量%及びバナジウム酸化物1〜10重量%を含むフィルター型捕集材を用いて、使用後の核燃料の高温熱処理工程、ガラス化工程、フッ化物製造工程、塩化物製造工程、チッ化物製造工程及び乾式工程から発生される揮発性セシウム化合物を捕集する方法。
【請求項5】
前記捕集が、捕集材を400〜1200℃の温度範囲で揮発性セシウム化合物と接触させてポルサイト(CsAlSi2O6)形態で前記セシウム化合物を固定化させることで、選択的にセシウム化合物のみを捕集することを特徴とする、請求項4に記載の揮発性セシウム化合物を捕集する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図2】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2011−50951(P2011−50951A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−193397(P2010−193397)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(597060645)コリア アトミック エナジー リサーチ インスティテュート (22)
【出願人】(506094677)コリア ハイドロ アンド ヌクリア パワー カンパニー リミテッド (11)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(597060645)コリア アトミック エナジー リサーチ インスティテュート (22)
【出願人】(506094677)コリア ハイドロ アンド ヌクリア パワー カンパニー リミテッド (11)
【Fターム(参考)】
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