説明

揮発性物質放出基材およびそれを調製する方法

揮発性物質を吐出する加熱および/または吹付け装置で使用する基材が提供される。基材はポリマー材料(ポリシロキサンなど)によりコーティングされた内孔を有する多孔質材料(例えば多孔質セラミック)である。基材には除虫菊などの揮発性物質が含浸されている。基材は目詰まりの影響を受けにくい。さらに、ポリマー材料が揮発性溶剤を基材内に吸入する、これら基材を形成する方法が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は芯体、マットまたはプラグなどの基材から揮発性物質を放出させる装置、特に加熱装置に関する。さらに詳細には、本発明は放出の間におけるこのような基材の目詰まりを低減する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
揮発性物質を吐出する各種の装置が周知である。このような揮発性物質は空気香または脱臭剤(例えば、芳香剤またはマスク)、害虫駆除剤(例えば、殺虫剤、防虫剤または害虫成長抑制剤)、アレルギー抑制成分、消毒剤、または他の物質であってもよい。
【0003】
これら装置のいくつかにおいては、揮発性物質を容器から吐出領域に引き出す芯体(典型的には、基本的に円柱形の芯体)が設けられる。芯体の上端/外側端が加熱される。例えば特許文献1を参照されたい。この特許文献および他のすべての出願の開示内容は、参照により本明細書に引用したものとする。
【0004】
他のこのような装置では、多孔質マットが揮発性物質で含浸されている。これらの含浸されたマットは、揮発性物質を蒸発させるために加熱プレート上に置かれる。この種類のマットの例は特許文献2において提供されている。このようなマットから揮発性物質を吐出するのに適する電気ヒータの例が、特許文献3に開示されている。
【0005】
さらに別の種類のこのような装置では、揮発性物質を含浸されている多孔質マットが装置内に置かれ、燃料バーナー(例えば、ろうそく)からの高温気体の流れがマットを通過することにより、揮発性物質を蒸発させる。この種類の装置の例が特許文献4に開示されている。
【0006】
さらに別の種類のこのような吐出装置では、移動する空気が基材に当たって通過するように向けられ、これにより基材が含浸されている物質を蒸発させる。この種類の装置の例は特許文献5に開示されている。
【0007】
本発明の譲受人は2003年1月30日に、米国特許出願番号第10/354,876号(特許文献6)により特許出願を提出した。この出願は、揮発性物質を吐出するのに用いられる芯体、マットおよびプラグ構造体のさまざまな改良点を範囲に含んでいた。この出願は結合剤(例えば、熱硬化性ポリマー材料)でコーティングされた顆粒粒子(例えば、砂)の配列を設けて、芯体に細孔の網状組織を形成することを開示しており、芯体はさまざまな揮発性物質を含浸されている。この装置は多くの揮発性物質に対して改良されたが、特定のその他の対象物(例えば、除虫菊、望ましい殺虫剤を含む対象物)において使用するには最適でない。
【0008】
この点に関しては、加熱によって芯体、マットまたはプラグから活性剤を吐出する多くの吐出装置が、特定の揮発性物質における目詰まり問題を経験している。これは、加熱されるときの揮発性物質の分解、あるいは加熱されるときに揮発性物質を含んで発生する反応または結合に起因する。このような目詰まりが発生すると、揮発性物質の放出速度が不均一となり、場合によっては、早期に完全に停止することもあり、これにより、基材内に閉じ込められて残留する活性剤を無駄にする。ある程度の放出が継続する場合であっても、放出は低レベルであって、装置は設計目的に対して有効ではない。
【0009】
例えば、除虫菊殺虫剤は加熱されると不揮発性ワックスまたはポリマーを生成し、芯体、マットおよびプラグを目詰まりさせる傾向がある。同様な問題がテルペンを含む物質で発生する。
【0010】
この問題に対する1つの提案される解決策では、含浸液中に酸化防止剤を使用してきた。例えば特許文献7を参照されたい。しかし、これは調合物のコストを引き上げる可能性があり、酸化が目詰まり発生の主要原因である場合だけある程度の効果を発揮する。さらに、酸化防止剤を含有していても、特定液調合物中のイソプレン単位の交差結合が多少は発生し、最終的には、いずれにせよ、芯体、マットまたはプラグを目詰まりさせる。これは特に、長期間の殺虫剤保護を提供するように意図された芯体について問題となる。
【特許文献1】米国特許第4,663,315号公報
【特許文献2】米国特許第6,309,986号公報
【特許文献3】米国特許第6,031,967号公報
【特許文献4】国際特許出願WO00/78135号公報
【特許文献5】米国特許第5,547,616号公報
【特許文献6】米国特許出願第10/354,876号明細書
【特許文献7】米国特許第4,968,487号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、このような吐出装置において使用できる、目詰まり傾向を低減した、改良された吐出基材に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様においては、吐出される揮発性物質が含浸された基材を提供する。基材は細孔および通路を備える媒体で形成されており、媒体は細孔および通路のポリマー材料コーティング内面を有する。細孔内には揮発性物質が配置され、この揮発性物質はポリマー材料より大きい揮発性を有するように選択されている。ポリマー材料は、基材が加熱されたときに、揮発性物質が基材を目詰まりさせるのを防止する。
【0013】
好ましい形態においては、ポリマー材料はポリシロキサン、特にアルキル基が10未満の炭素を有する、ポリアルキルシロキサン(polyalkylsiloxane)およびポリアルキルアリルシロキサン(polyalkylarylsiloxane)である。最も好ましい形態においては、ポリシロキサンはポリジメチルシロキサン(polydimethylsiloxane)、ポリメチルフェニルシロキサン(polymethylphenylsiloxane)、およびポリメチルオクチルシロキサン(polymethyloctylsiloxane)からなるグループから選択され、いずれの場合も、このポリシロキサンが750ドルトン以上の分子量を有する。
【0014】
代替として、例えばフェノールホルムアルデヒド、ポリウレタン、および、ポリテトラフルオロエチレンおよびポリジフルオロエチレンのようなフルオロカーボンポリマーなどの他のポリマー材料を使用できる。いずれにせよ、好ましくは、ポリマー材料の重量は基材に対して約0.2%〜約4%(例えば、約1%)の間である。
【0015】
最も好ましい形態においては、基材を200℃に加熱することにより基材から揮発性物質の少なくとも90または95%を放出することができ、基材は芯体、マットおよびプラグからなるグループから選択され、媒体はセラミック、砂、おがくず、セルロース系材料および金属からなるグループから選択される。基材は200℃で24時間加熱された場合、結果的に、ポリマー材料が分解されないように設計されることが望ましい。
【0016】
揮発性物質は広範囲の調合物から選択できる。加熱吐出装置における使用に適することが公知の多くの害虫抑制物質、脱臭剤、芳香剤および消毒剤の開示に関しては米国特許第6,309,986号(特許文献2)を参照されたい。典型的には、(キャリヤとして)高沸点を有する少なくとも1つの炭化水素溶剤と、1つまたは複数の活性剤(例えば、殺虫剤)と、任意選択的には、酸化防止剤および芳香剤がある。調合は用途に応じて調整され、その用途について一般的なさまざまな異なる成分を有する。本発明者らは、除虫菊と合成殺虫剤の混合物と、芳香剤(オレンジ油)、イソパラフィン溶剤および酸化防止剤(BHT)とを併せて有する殺虫剤の調合において本発明が用いられることを望む。
【0017】
理論により限定されることを意図していないが、本発明者は、ポリマー材料が、基材により移動および吐出される揮発性物質に対して、基材の内面を比較的大きい接触角表面から比較的小さい接触角表面に変換すると考える。芯体は一連の細い断面の毛細管部分からなる。小さい接触角は良好な湿潤と毛細管現象(大きい表面エネルギー)を実現する。
【0018】
除虫菊などの多くの揮発性物質は、ラジカル重合を放出しやすい。比較的大きい接触角を有するコーティングされていない芯体では、揮発性物質が細孔全体を満たしてしまう(図12A参照)。重合が開始されると、重合がコアの開口にわたって発生し、芯体の目詰まりを生じる。本発明のポリマー材料でコーティングされた芯体では、揮発性物質は細孔表面に対して平坦な状態で接し、したがって、発生する重合は、細孔の開口をわたって発生することはなく、細孔の表面に沿って進行する(図12B参照)。このようにして、重合現象は芯体に目詰まりを生じさせない。さらに、ポリマーコーティングは鉱物基材内の有効重合箇所をマスクし、これにより最初の段階で重合事象が発生するのを防止する。
【0019】
別の態様においては、本発明は上述の種類の基材を形成する方法を提供する。この方法では、多孔質媒体を設け、揮発性溶剤内でポリマー材料を溶解して溶液を生成し、この溶液を細孔および通路内に吸入(または含浸)する。次に、好ましくは、基材を加熱するか、または基材を負圧にさらすか、または基材表面上に気体を通すか、またはこれら手法を組み合わせることにより、基材が、基材から揮発性溶剤の少なくとも一部(好ましくは、ほぼすべて)を放出するようにする。
【0020】
この目的に望ましい溶剤はクロロフォルム、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)、ジオキサン、塩化メチレン、アセトン、超臨界二酸化炭素およびジメチルスルフォキシドからなるグループから選択される。最も望ましい機能は、吸入目的のためにポリマー材料を溶解する一方で、その後、基材から容易に除去できる能力である。
【0021】
代替的な方法では、本発明の基材を生成するために、適切なポリマー材料の樹脂ビーズをある材料と混合して、多孔質媒体を生成する。この混合物に多孔質媒体を生成する従来の処理を施す。この処理は当業者であれば容易に達成できる。このように生成された基材は、その表面がポリマー材料でコーティングされている細孔および通路を有する。
【0022】
上述および以下の説明から、本発明がセラミック芯体、マットまたはプラグの内孔を、基材の目詰まりを防止する物質でコーティングする方法を提供することが理解されるであろう。ポリシロキサン類がコーティングとして特に好ましい。これらは耐熱性があるため別個の目詰まり問題を発生せず、不快な臭いを放散することもない。
【0023】
詳細には、本発明は、基材が基本的にすべての活性剤を基材内に放出するようにすることによって、活性剤の浪費を低減している点で有用である。さらに、本発明は活性剤をより均一に、予測可能な状態で放出する基材を提供する。
【0024】
本発明のこれらの利点およびさらに別の利点は、以下の説明および添付の図面から明らかになろう。以下の説明および図面では、特定の実施形態を参照する。ただし、本発明の全範囲を判断するには、特許請求の範囲に注目すべきであり、特許請求の範囲は、好ましい実施形態だけに限定されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
最初に図1Aおよび1Bを参照すると、これら図は従来技術の吐出装置20を示しており、この装置では加熱源を用いて、容器に収容された揮発性液体に浸漬されている芯体から揮発性物質を吸入して放出する作用を促進させる。吐出装置20は本体21を含み、この本体21はそれの上面の中央に形成された蒸気出口24を有する。本体21内部の蒸気出口24の下には、垂直に貫通して延びる開口を備えるリングヒータ25が設けられている。リングヒータ25はステー26により支持されている。ヒータ25の下には、垂直に貫通して延びる開口を備えるボトルソケット27が設けられている。ソケット27はそれの内側周辺にねじ部分30が形成され、このねじ部分30は、揮発性液体ボトル28の口28aの外側周辺のねじ部分29とねじ結合する。
【0026】
ボトル28は、ボトル28がその口28aをソケット27にねじ込まれたとき、リングヒータ25に同心状に挿入できる芯体31を備える。芯体31はボトル28内の液34に浸漬され、ボトル28に収容された液34を毛細管作用により上方に輸送する。芯体31は一般に、焼成多孔質セラミックまたは焼結プラスチック材料から形成される。
【0027】
電気プラグブレード32が本体21の背面に取り付けられている。プラグブレード32は従来の方法でリングヒータ25に接続される。リングヒータ25はプラグブレード32を電気コンセントに差し込み、スイッチ35を起動することにより通電され、これにより、リングヒータ25が熱を発生して芯体31の上部を加熱する。熱は通常、芯体31の内部の液34の上方への輸送を促進する。芯体31内の液体化学物質34はリングヒータ25からの熱により蒸発する。このタイプの装置の詳細な説明は、米国特許第5,290,546号に見ることができる。
【0028】
本発明の芯体は、芯体31と同一形状にすることができることを理解されたい。このようにした場合、図に示されたように、改良された芯体を図1Bの装置において使用できる。
【0029】
次に図2および3を参照すると、このような装置は改良された芯体/プラグ70を使用できる。図2に示されるプラグは、アルミナから形成される標準的は芯体セラミック基材から(例えば、RauscherまたはCeram Tec製)から作製できる。このような芯体は次に、本発明に従ってポリシロキサンでコーティングされることができる。次に、結果として得られた基材を使用して炭化水素溶剤中に自然除虫菊を含む溶液を吸入できる。
【0030】
プラグ70は頂部が平坦な円錐形の頭部72と、頭部72から下方に延びる円柱形本体部74とを有する。プラグ70の本体部74は吐出装置20の開口24に上方から挿入するのに十分な細さに作られている。一方、頭部72は開口24にはまり込むには大きすぎるように作られている。プラグ70の本体部74はさらに、図3に示されるとおり、リングヒータ25に同心状に挿入するのに十分な細さに作られている。プラグ70の上端の頭部72は取扱いに便利である。
【0031】
多孔質プラグ70は、プラグ70を図2に示される「A」方向に(ここでは下方に)移動することにより吐出装置20に挿入される。次にプラグブレード32を電気コンセントに挿入し、スイッチ35を起動することにより、リングヒータ25が通電される。これによりリングヒータ25が熱を発生し、プラグ70の本体部74を加熱する。プラグ70中の揮発性物質22は、リングヒータ25からの熱により蒸発し、周囲の大気中に入る。
【0032】
次に図4Aおよび4Bを参照すると、別の従来技術の加熱式揮発性物質吐出装置20aが示されている。この装置は、本体21の上部の中央に異なる蒸気出口24aが形成されていることを除いては、図1Aの装置と同様である。蒸気出口24aは、基本的に矩形の開口部24cを形成する内側に突き出たフィンガ24bを有する。
【0033】
図5および6は、芯体が異なり、および上部開口24a〜cがわずかに異なることを除いて、図2および3と同様である。ここでは、本発明による多孔質プラグまたはペグ80は揮発性物質を含浸している。多孔質プラグ80は円板形頭部82と、頭部82から下方に延びる本体部84とを有する。プラグ80の本体部84は、図5の側面図に示されている。側面視でプラグ80の本体部84の周囲はほぼ矩形である。
【0034】
プラグ80の本体部84は図6の正面図に示されている。正面図では、プラグ80の本体部84がほぼ矩形の周囲を有する下部84aと、ほぼV形の周囲を有する中間部84bと、中間部84bから頭部82に延びる上部83とを含む。プラグ84が図5に示される方向に向けられた状態では、プラグ80の本体部84は十分に細く、吐出装置20aの矩形開口24cに上方から挿入できる。一方、頭部82は矩形開口24cにはまり込むには大きすぎるように作られている。プラグ80の本体部84はさらに、図6に示されるとおり、リングヒータ25に同心状に挿入するのに十分な細さに作られている。
【0035】
多孔質プラグ80は、プラグ80を図5に示される「B」方向に(ここでは下方に)移動することにより吐出装置20aに挿入される。次の多孔質プラグ80を90°回転させて、図6に示される位置にする。プラグ80がこの位置にあるとき、蒸気出口24aの内側に突き出たフィンガ24bが、プラグ80の中間部84bと頭部82との間の溝83aおよび溝83bに位置合わせされる。これにより、プラグ80が吐出装置20aに固定され、プラグが90°回転して、吐出装置20aから外に持ち上げられまで固定されたままとなる。このように、図示された形状の方形にされた軸部が、ヒータの上端の既存の矩形開口24cに収まり、正しい位置まで回転されたときだけ差し込まれる。
【0036】
所定の位置に配置されると、プラグは回転され、再度回転されて元の位置にくるまでは、取り外しできない。プラグ80が挿入された後、次にプラグブレード32を電気コンセントに挿入し、スイッチ35を起動することにより、リングヒータ25が通電され、これによりリングヒータ25が熱を発生し、プラグ80の本体部84を加熱する。プラグ80中の揮発性物質は、リングヒータ25からの熱により蒸発し、周囲の大気中に入る。
【0037】
次に図7を参照すると、揮発性物質を含浸された固体多孔質マットが揮発性物質を放出するために加熱される、従来技術の揮発性物質の吐出装置が示されている。図7では全体として40で表される電気ヒータが図示されている。ヒータは、このヒータにおいて従来使用されたマットを本発明のマット50に置き換えたことを除いては、上述の「FUYIVAPE」ヒータである。ヒータ40は電気抵抗ヒータであり、平面の、上方に露出された加熱プレート42を有し、このプレート上に本発明のマット50が置かれている。
【0038】
電気プラグ46が電気コード47により加熱プレート42に電力を供給する。加熱プレート42は、プラグ46を電気コンセントに挿入することにより通電され、これにより加熱プレート42が熱を発生してマット50を加熱する。揮発性物質は、加熱プレート42からの熱により蒸発する。加熱プレートはセラミックまたは金属プレートであってもよい。
【0039】
次に図8を参照すると、本発明によるマット50の一実施形態が示されている。マット50は基材(例えば、セラミック基材またはガラス化砂)から作製され、基材は、すでにポリシロキサンおよび溶剤を内部に吸入しており、溶剤は次いで排出される。次に、基材は除虫菊またはピロスロイドなどの揮発性活性剤を内部に吸入する。
【0040】
マット50は本体部52と、本体部52から外側に突き出たハンドル54とを含む。マット50は、図7に示される「C」方向に(図における横方向)移動することによりヒータ40に挿入される。これにより、マット50は加熱プレート42の上に載る。次にプラグ46を電気コンセントに挿入することにより、ヒータ40が通電される。これにより加熱プレート42が熱を発生し、マット50の本体部52を加熱する。次に、マット50中の揮発性物質22は、加熱プレート42からの熱により蒸発し、マット50の表面56から放出されて、周囲の大気中に入る。
【0041】
次に図9を参照すると、本発明によるマット60の別の実施形態が示されている。マット60は本発明の基材で作製され、本体部62と、本体部62から外側に突き出たハンドル64とを含む。マット60がマット50と異なる点は、マット60が第1揮発性物質を含浸された第1部分68と、第2揮発性物質を含浸された第2部分69とを有することである。
【0042】
図10には、本発明による固体多孔質マットが使用されている、従来技術の揮発性物質吐出装置が示されている。マットは揮発性物質を含浸されており、揮発性物質を放出するために加熱される。吐出装置110は、着脱式チムニー(煙突)114を支持するベース112を備え、チムニー114は、チムニーの下端に形成された、ベース112に形成された固定スロット115にかみ合う固定タブを用いてベース112に取り付けられる。チムニー114は耐熱性の透明または半透明プラスチックで作製できる。ベース112は、チムニー114内の中心に位置するキャンドルカップ116を支持する。キャンドルカップ116は、ワックスキャンドル(ろうそく)を収容する。ベース112は、中心に通気開口129を備えるベースフロア128を有する。
【0043】
天井部138はチムニー114の上端に位置する。天井部138は天井穴140と、チムニー114の内部と上方の外気とを連通する挿入スロット142とを備える。燃焼するキャンドル118から上方に流れる高温気体は、天井穴140を通過してチムニー114から外に出ることができる。挿入スロット142は、本発明によるマット144を収容できるサイズを備える。マット144は、横に突き出る耳部148とともに揮発性物質保持部146を含む。マット144の揮発性物質保持部146は挿入スロット142に上方から挿入するのに十分な薄さに作られている。一方、耳部148は挿入スロット142にはまり込むには大きすぎるように作られている。
【0044】
このように構成することにより、揮発性物質保持部146はチムニー114内に吊り下げられ、マット144が耳部148で引っ掛かるようになっている。金属などの耐熱材料で形成されたバッフルストリップ(調節板)150が、天井部138の下側に固定されている。バッフルストリップ150は揮発性物質保持部146下方に向く端部が、キャンドルで発生する最高温度のガスに直接的にさらされるのを防止する。図10の吐出装置110では、加熱は揮発性物質保持部146をキャンドルからの気体に直接さらすことで達成される。揮発性物質保持部146が気体で加熱されると、揮発性物質が放出され、排出される高温気体と共に吐出装置110から外に運ばれる。
【0045】
図11には、本発明による別の固体多孔質構造体を使用している、従来技術の揮発性物質吐出装置110aが示されている。この固体多孔質構造体は揮発性物質を含浸され、揮発性物質を放出するために加熱される。図11の揮発性物質吐出装置110aは、図10の吐出装置110のマット144が図11の吐出装置110aの多孔質プラグ144aに置き換えられていることを除いては、図10の吐出装置110と同様の形態である。多孔質プラグ144aは吐出装置110aの天井部138aの円形穴188内に取り付けられている。
【0046】
多孔質プラグ144aは円板形頭部144bと、頭部144bから下方に延びる円柱形本体部144cとを有する。プラグ144aの本体部144cは、穴188に上方から挿入するのに十分小さく作られている。一方、頭部144bは穴188にはまり込むには大きすぎるように作られている。このように構成することにより、多孔質プラグ144aはチムニー114内に吊り下げることができ、本体部144cが頭部144bにより吊り下がるようになっている。図11の吐出装置110aでは、加熱は多孔質プラグ144aをキャンドルからの気体に直接露出することで達成される。多孔質プラグ144aが気体で加熱されると、揮発性物質が放出され、排出される高温気体と共に吐出装置110aから外に運ばれる。揮発性物質をプラグ144aの下部に供給することにより、ユーザは、頭部144b(プラグ144aの最上部)だけを操作して、揮発性物質に全く触れずにすむことができる。
【0047】
上述の種類の加熱装置は一般に、基材の表面に沿って100℃〜180℃の温度を発生するが、一部の高温度がキャンドル炎の直ぐ上に生じるか、または一部の低コストの加熱装置で高温箇所が発生することもある。したがって、24時間以上にわたり200℃の温度であっても安定であるようなポリマー材料を選択するのが望ましい。
【0048】
ポリマーのコーティング材料はホモポリマーまたはコポリマーのいずれであってもよい。本発明において使用できるポリマー材料の例には、これらに限定されないが、ポリシロキサン、フェノール樹脂(例えば、フェノールホルムアルデヒド)、ポリウレタンおよびフルオロカーボンポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレンおよびポリジフルオロエチレン)が含まれる。使用できるポリシロキサンの例には、これらに限定されないが、ポリアルキルシロキサン(例えば、ポリジメチルシロキサンおよびポリメチルオクチルシロキサンなどのポリジアルキルシロキサン)およびポリアルキルアリルシロキサン(例えば、ポリメチルフェニルシロキサン)が含まれる。好ましくは、多孔質媒体をコーティングするのに使用されるポリマー材料の量は、重量で多孔質媒体の約0.2%〜約4%、最も好ましくは、約1%である。
【0049】
多孔質媒体は芯体、マット、プラグまたは他の吐出形態の形状で実現され、媒体はセラミック、ガラス化砂、おがくず、または金属である。セラミックが最も好ましく、特に細孔サイズが約15〜約30μmの多孔質セラミックが好ましい。
【0050】
本発明の基材により吐出できる揮発性物質の例には、これらに限定されないが、除虫菊、ピレスロイド殺虫剤、カーバメート殺虫剤および有機リン酸系殺虫剤、天然および合成芳香物質などの芳香剤(例えば、炭化水素系、d−リモネンおよびシトロネラルなどのテルペン系、アルコール系、フェノール系、アルデヒド系、ケトン系、ラクトン系、酸化物系、およびエステル系)、脱臭剤、殺菌剤、および防虫剤が含まれる。全体としては、米国特許第5,038,394号、4,968,487号(特許文献7)、および4,663,315号(特許文献1)を参照されたい。
【0051】
本発明の基材を形成するには、従来の多孔質セラミック媒体を形成するかまたは得ることにより可能になる。次に、従来の基材の内面をコーティングするのに適するポリマー材料を溶剤中に溶解させる。例えば、14%のOV−17(Ohio Valley Specialty Chemical, Marietta,OH−ポリメチルフェニルシロキサン)溶液は86%クロロフォルムに溶解させることができる。あるいは、ポリシロキサンは1〜15%の混合物であってもよい。次に、芯体または他の基材を溶剤/ポリマー材料槽内に置き、混合物が数分〜数時間にわたり基材の細孔および通路内に吸引されるようにすることができる。例えば、本発明者らは、約1gの溶剤/ポリマー材料が4gのセラミック芯体内の空気に約4分で置き換わったことを観測した。別の実験では、本発明者らは、ポリジメチルシロキサン(OV−101,Ohio Valley Specialty Chemical, Marietta,OH)を使用した。
【0052】
次に、芯体は排気形オーブン中で、50℃、1時間で乾燥させることができる。代替的に方法では、芯体は室温に一晩放置して乾燥させることができる。これにより、基材の細孔および通路の内面にコーティングされたポリマー材料を残すと同時に、クロロフォルムを放出する。
【0053】
芯体を図1Bに示される形状にし、図1Bのヒータにおいて使用できる。揮発性物質は例えば、2.5%のKenya除虫菊(50%吸引)、約93%炭化水素溶剤(例えば、Isopar MおよびVの混合物)(Exxon Mobil, Industry Chemicals)、約1%の天然芳香物質(例えば、オレンジ油)、任意選択的に約1%の1つまたは複数の合成殺虫剤(例えば、プラレスリン)、および任意選択的に2、6−ジテルチアリブチルフェノールなどの約2%の酸化防止剤であってもよい。当然であるが、必要に応じて、揮発性物質に対しては他の多くの調合物を使用できる。
【0054】
このような芯体のセラミック媒体の好ましい重量は、約4gである。クロロフォルムをセラミック媒体の空間に充填すると、重量は典型的には5gである。
【0055】
本発明の基材を形成する別の方法では、ポリマー材料を多孔質媒体を形成する材料と混合し、次に、その混合物を処理して多孔質媒体を形成する。例えば、場合によりセラミック芯体を形成するのに使用される材料であるアルミナを、所望の細孔サイズを生成するために特定の直径のポリシロキサンビーズと混合することができる。次に、アルミナのスラリーおよびポリシロキサンを金型ヘッドを通して押し出し、「グリーン」芯体を形成できる。次の、この芯体を「焼成」して、アルミナを化学的に結合させ、背後に残るポリシロキサンの層を除いて、ポリシロキサンの大部分を除去することにより、芯体の細孔および通路をコーティングできる。
【0056】
芯体にポリマーを含む溶液を含浸することにより形成されるポリマーコーティング芯体を、ポリマーコーティングされていない類似構造のセラミック芯体と比較して評価した。芯体の性能は、1%の50%濃度除虫菊(ケニア産除虫菊)を含む高沸点イソパラフィン溶剤(Isopar−V)の溶液を用いて評価した。制御剤として、各タイプの芯体においてブランクIsopar−Vを使用した。
【0057】
芯体の性能は、害虫を抑制するためにこのような製品を使用する典型的なユーザをシミュレートして評価した。芯体および補充したボトルを壁に取り付けた電気式気化器ユニット(Baygon, EV−7; Raid Mazda−II,ALL−out)に接続した。気化器ユニットは、ライン電圧230ボルトAC 200±0.2Vに維持した特殊回路により通電した。テストユニットを設置した部屋は、無風状態で80°Fに維持した。各テストユニットは8時間のオンおよび4時間のオフのサイクルで繰返したが、毎日8時間サイクルの害虫抑制を加速した。放出される液の重量は、各8時間サイクル後に精密化学天秤(Mettler)を用いて各補充ボトルの重量を測定して評価した。
【0058】
抑制の目的だけにIsolar−Vを用いると、セラミック処理しない芯体は定常状態でそれぞれ、45±3mg/hおよび49±4mg/hを放出した。コーティングされない芯体は、0.5%除虫菊溶液では、時間経過と共に47mg/hのピークからほぼゼロに低下した。OV−101でコーティングされた芯体は、0.5%除虫菊溶液では、の350時間にわたって、コーティングされない芯体が100〜180時間でゼロになった後にも、47±11mg/hの放出速度を維持した。
【0059】
類似のテストを、ガラス化砂で作製された芯体で実施した。除虫菊溶液はこれら芯体に容易に目詰まりを発生させ、溶液の放出率の大幅な低下を生じた。OV−17またはOV−101で芯体をコーティングすることにより、目詰まりを防止し、および制御剤が大幅に性能を低下させた後も、一定期間当たりの放出率の低下が延長された。
【0060】
このように、本発明は基材を効率的に処理して、加熱される各種の揮発性物質による目詰まりの問題を基本的に克服する方法を提供する。基材は低コストであって、製造も容易である。さらに、本発明の基材は高信頼性であり、揮発性物質の放出量を予測できる。
【0061】
上記において、多くの好ましい実施形態を説明しているが、他の実施形態も本発明の範囲に含まれることは理解されるべきである。例えば、基材は他の形状を有していてもよい。
【0062】
さらに、ポリマー材料および/または揮発性物質を基材に含浸するには、投与、浸漬、または他の方法(単なる吸入と異なる)により可能である。さらに、多くのタイプの吐出装置が開示されているが、ヒータまたは吹付装置の正確な特性は重要でない。
【0063】
したがって、本発明の全体範囲を判断するためには特許請求の範囲を参照されたい。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は揮発性物質を吐出するための、詳細には、電気加熱装置から除虫菊殺虫剤を吐出するのに使用するための改良された芯体、マット、プラグ等を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1A】揮発性物質を吐出する従来技術の装置を示す斜視図である。
【図1B】図1Aの装置の縦断面図である。
【図2】図1Bの装置の一部の縦断面図とともに、これに挿入されようとしている本発明の芯体である。
【図3】図2と類似の図であるが、芯体が完全に挿入されている。
【図4A】図1Aと類似の図であるが、出口部分が若干変更されている。
【図4B】図1Bと類似の図であるが、図4Aの実施形態の図である。
【図5】図2と類似の図であるが、装置は図4A種類の芯体と異なる、本発明の変形例である芯体を有する。
【図6】図3と類似の図であるが、本発明の別の実施形態の芯体を有する。
【図7】多孔質マットから揮発性物質を吐出する従来技術の加熱装置であって、本発明の多孔質マットが使用されている加熱装置を示す上面斜視図である。
【図8】図7のマットの拡大した上面斜視図である。
【図9】本発明の第2の多孔質マットの上面斜視図である。
【図10】別の従来技術タイプの加熱装置の一部を切開した正面/側面斜視図であるが、ただし本発明のまた別の多孔質マットが使用されている。
【図11】図10と類似の図であり、図10のタイプの加熱装置を示すが、ただし本発明の多孔質プラグが使用されている。
【図12A】本発明の基材の細孔および通路内の揮発性物質分布についてのポリマーコーティングの効果を示す。
【図12B】本発明の基材の細孔および通路内の揮発性物質分布についてのポリマーコーティングの効果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材から吐出される揮発性物質が含浸された基材であって、
細孔および通路を備え、かつ前記細孔および通路の内面をコーティングするポリマー材料を有する媒体から形成された基材と、
前記細孔内に配置された揮発性物質と、
を備え、
前記揮発性物質が前記ポリマー材料より大きい揮発性を有し、前記ポリマー材料は、前記基材が加熱されたときに、揮発性物質が基材を目詰まりさせるのを防止する、基材。
【請求項2】
前記ポリマー材料がポリシロキサンである、請求項1に記載の基材。
【請求項3】
前記ポリシロキサンがポリアルキルシロキサンおよびポリアルキルアリルシロキサンからなるグループから選択される、請求項2に記載の基材。
【請求項4】
前記ポリシロキサンのアルキル基がC1〜C10のアルキル基である、請求項3に記載の基材。
【請求項5】
前記ポリシロキサンが、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、およびポリメチルオクチルシロキサンからなるグループから選択されている、請求項4に記載の基材。
【請求項6】
前記ポリシロキサンが750ドルトン以上の分子量を有する、請求項1に記載の基材。
【請求項7】
前記基材は200℃に加熱されることができ、これにより、基材から前記揮発性物質の少なくとも90%を放出することができる、請求項1に記載の基材。
【請求項8】
前記基材は200℃に加熱されることができ、これにより、基材から前記揮発性物質の少なくとも95%を放出することができる、請求項7に記載の基材。
請求項1に記載の基材。
【請求項9】
前記基材が芯体、マットおよびプラグからなるグループから選択される、請求項1に記載の基材。
【請求項10】
前記媒体がセラミック、砂、おがくず、セルロース系材料および金属からなるグループから選択される、請求項1に記載の基材。
【請求項11】
前記媒体がセラミックである、請求項10に記載の基材。
【請求項12】
基材が200℃で24時間加熱された場合、結果的に、基板内の前記ポリマー材料が分解されない、請求項1に記載の基材。
【請求項13】
前記ポリマー材料がフェノール樹脂系材料である、請求項1に記載の基材。
【請求項14】
前記フェノール材料がフェノールホルムアルデヒドである、請求項13に記載の基材。
【請求項15】
前記ポリマー材料がポリウレタンである、請求項1に記載の基材。
【請求項16】
前記ポリマー材料がフルオロカーボンポリマーである、請求項1に記載の基材。
【請求項17】
前記フルオロカーボンポリマーがポリテトラフルオロエチレンおよびポリジフルオロエチレンらなるグループから選択される、請求項16に記載の基材。
【請求項18】
前記ポリマー材料の重量が基材に対して4%未満である、請求項1に記載の基材。
【請求項19】
前記揮発性物質が殺虫剤、防虫剤または害虫成長抑制剤からなるグループから選択される、請求項1に記載の基材。
【請求項20】
前記揮発性物質が除虫菊であり、前記媒体がセラミックである、請求項19に記載の基材。
【請求項21】
前記揮発性物質がテルペンである、請求項19に記載の基材。
【請求項22】
揮発性物質が含浸された基材を形成する方法であって、
前記基材が、
細孔および通路を備え、かつ前記細孔および通路の内面をコーティングするポリマー材料を有する媒体から形成された基材と、
前記細孔内に配置された揮発性物質と、を備え、
前記揮発性物質が前記ポリマー材料より大きい揮発性を有し、前記ポリマー材料は、前記基材が加熱されたときに、揮発性物質が基材を目詰まりさせるのを防止する、基材であって、
前記方法が、
多孔質媒体を設け、
揮発性溶剤に前記ポリマー材料を溶解して溶液を生成し、
前記溶液を前記細孔および通路内に吸引し、
前記基材から前記揮発性溶剤の少なくとも一部を放出する、
ことを含む方法。
【請求項23】
前記溶剤がテトラヒドロフラン、ジオキサン、塩化メチレン、クロロフォルム、アセトン、超臨界二酸化炭素およびジメチルスルフォキシドからなるグループから選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記溶剤の放出が、加熱、負圧、および/または前記基材の表面上に気体を通過させることにより促進される、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記媒体がセラミック媒体であり、前記ポリマー材料がポリシロキサン材料である、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
揮発性物質を含浸された基材を形成する方法であって、
前記基材が、
細孔および通路を備え、かつ前記細孔および通路の内面をコーティングするポリマー材料を有する媒体から形成された基材と、
前記細孔内に配置された揮発性物質と、を備え、
前記揮発性物質が前記ポリマー材料より大きい揮発性を有し、前記ポリマー材料は、前記基材が加熱されたときに、揮発性物質が基材を目詰まりさせるのを防止する、基材であって、
前記方法が、
ポリマー材料を、細孔および通路を有する多孔質媒体を形成できる第2材料と混合し、
前記混合物に、前記第2材料だけに使用できる処理を施して、細孔および通路を有する多孔質媒体を生成する、
ことを含む方法。
【請求項27】
前記ポリマー材料がビーズ形状である、請求項26に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【公表番号】特表2007−517903(P2007−517903A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549559(P2006−549559)
【出願日】平成17年1月12日(2005.1.12)
【国際出願番号】PCT/US2005/000944
【国際公開番号】WO2005/070203
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】