説明

搬送ベルトおよび印刷装置

【課題】突起物を有する印刷媒体を効率的に搬送可能な搬送ベルト及びこれを備えた印刷装置を提供すること。
【解決手段】突起物を有するプレートを連続して搬送可能な搬送ベルト10は複数の板状部材43とそれをベルト状に連結する連結部44で構成され、プレートを載置して位置決めするための第1セット部40aおよび第2セット部40bが設けられている。第1セット部40aを構成する板状部材43は連結部間にプレートP2の凸部が係合するための第1凹部が形成され、第2セット部40bを構成する板状部材43は、隣り合う板状部材の連結位置にプレートの凸部が係合するための第2凹部が形成され、さらに第1凹部または第2凹部を覆う蓋が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は搬送ベルト及び印刷装置に係り、特に、表面に凸部を有する印刷媒体を搬送可能な搬送ベルトとそれを備えた印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、カード状の記録媒体等のプレートに画像・文字などの各種情報を印刷する印刷装置が知られている。この種の印刷装置において、専用の搬送トレイを用いて突起物のない(凹凸のない)プレートを支持して搬送する印刷装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この印刷装置では、印字ヘッドを備え、該印字ヘッドに対向してプラテンローラが設けられ、印字ヘッドとプラテンローラとで印刷部が構成されている。印刷部の両側(上流側、下流側)には、搬送ローラ対で構成された搬送部が配設されており、プレートを支持する搬送トレイが、搬送部により、印刷部に搬送され、そこでプレートに画像が形成された(印刷された)後、さらに搬送され、搬送トレイからプレートが自動的に分離されて排出される構造が採られている。また、専用の搬送トレイを用いずに、搬送ローラ対によって突起物のないプレート(カード)をニップして搬送し、印刷処理を施す印刷装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
一方、突起物を有する(凹凸のある)プレートに印刷処理を施す際は、上述した搬送トレイとは別の専用搬送トレイにプレートを一枚ずつ手作業でセット(載置)し、印刷処理をした後に手作業で取り外していた。また、突起物を有するプレートは、特許文献2に開示されているような搬送ローラ対でプレートをニップして搬送して印刷をすることは、搬送ローラ対にプレートの突起物が当たってしまい、搬送が困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許3892287号
【特許文献2】特開2008−179088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、突起物を有するプレートに印刷処理を施す際は、プレートを専用の搬送トレイに一枚ずつ手作業でセットし、印刷処理が終了したら手作業で取り外していたため、生産性が悪い上に人が常に操作していなければならないという問題があった。
【0007】
本発明は上記事案に鑑み、突起物を有する印刷媒体(プレート)を効率的に搬送可能な搬送ベルト及びこれを備えた印刷措置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、表面に凸部を有する印刷媒体を搬送するための搬送ベルトにおいて、複数の板状部材と、隣り合う前記板状部材を連結する連結部と、を備え、前記複数の板状部材を前記連結部で連結することによってベルト状に構成され、ベルト状に形成された前記板状部材の表面に前記印刷媒体を載置して位置決めする第1セット部および第2セット部が設けられ、前記第1セット部を構成する前記板状部材は前記連結部間に前記印刷媒体の凸部が係合するための第1凹部が形成され、前記第2セット部を構成する前記板状部材は、隣り合う前記板状部材の連結位置に前記印刷媒体の凸部が係合するための第2凹部が形成され、前記第1凹部または前記第2凹部を覆う蓋を備えたことを特徴とする。
【0009】
本態様において、前記第2凹部は、前記隣り合う板状部材に設けられた切り欠きを合わせることによって形成され、前記隣り合う板状部材が前記連結部を中心に屈曲した際に、前記第2凹部の開口が広がるように構成してもよい。
【0010】
また、上記課題を解決するために、本発明の第2の態様は、表面に凸部を有する印刷媒体に印刷可能な印刷装置において、前記印刷媒体を積重して保持する供給部と、前記印刷媒体を搬送するための搬送パスと、前記印刷媒体を排出する排出部と、前記搬送パスに設けられ前記印刷媒体を搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトを駆動させる駆動手段と、を備え、前記搬送ベルトは、複数の板状部材と、隣り合う前記板状部材を連結する連結部と、を有し、前記複数の板状部材を前記連結部で連結することによってベルト状に形成され、ベルト状に形成された前記板状部材の表面に前記印刷媒体を載置して位置決めする第1セット部および第2セット部が設けられ、前記第1セット部を構成する前記板状部材は前記連結部間に前記印刷媒体の凸部が係合するための第1凹部が形成され、前記第2セット部を構成する前記板状部材は、隣り合う前記板状部材の連結位置に前記印刷媒体の凸部が係合するための第2凹部が形成され、さらに、前記第1凹部または前記第2凹部を覆う蓋を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、凸部を有する印刷媒体を、搬送ベルトを用いて供給、搬送および印刷を行うため従来に比べて生産性が向上するという効果を得ることができる。さらに、この搬送ベルトは複数の板状部材とそれを連結する連結部とでベルト状に形成されており、印刷媒体を載置して位置決めする第1セット部を構成する板状部材は連結部間に、印刷媒体の凸部が係合する第1凹部が形成されている。よって、印刷処理を行うときに、印刷媒体に対する印字ヘッドの圧力が逃げないため、印刷の品位が向上する。また、第2セット部では、印刷媒体の凸部が係合するための第2凹部が隣り合う板状部材の連結位置に設けられている。よって、印刷媒体を排出する際に連結部を中心として、隣り合う板状部材が屈曲することで凹部の開口が広がり、印刷媒体の排出性が向上する。そして、第1セット部または第2セット部を覆う蓋を設けたため、用途に応じて第1セット部と第2セット部とを使い分けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明が適用可能な実施形態のプリンタの外観斜視図である。
【図2】本発明が適用可能な実施形態のプリンタの外観斜視図である。
【図3】実施形態のプリンタの正断面図である。
【図4】実施形態のプリンタの正断面図で、搬送ベルトがセットされた状態を示す。
【図5】実施形態のプリンタの供給部を示す部分拡大図である。
【図6】実施形態のプリンタの供給部を示す部分拡大図である。
【図7】搬送ベルトの詳細を示す図である。
【図8】搬送ベルトの詳細を示す図で、第1セット部にプレート(第2の印刷媒体)がセットされ、第2セット部に蓋がセットされた状態を示す。
【図9】搬送ベルトの詳細を示す図で、第1セット部に蓋がセットされ、第2セット部にプレート(第2の印刷媒体)がセットされた状態を示す。
【図10】搬送ベルトの第1セット部を示す部分拡大図である。
【図11】搬送ベルトの第2セット部を示す部分拡大図である。
【図12】搬送ベルトの結合部を示す部分拡大図である。
【図13】凹凸部を有するプレート(第2の印刷媒体)を示し、(A)はプレートの表面側の外観斜視図、(B)はプレートの底面側の外観斜視図、(C)はプレートに多数配列されたチップの拡大外観斜視図である。
【図14】チップの使用例を示し、(A)は電線に結束された結束バンドとチップとの関係を示す側面図、(B)は結束バンドの平面図、(C)は印刷され結束バンドに嵌着されたチップの平面図である。
【図15】平坦形状のプレート(第1の印刷媒体)の搬送・印刷状態を模式的に示す正面図であり、(A)はプレートがセットされた状態、(B)はプレートに印刷処理を行っている状態、(C)はプレートが排出されている状態を示す。
【図16】凹凸部を有するプレート(第2の印刷媒体)の搬送・印刷状態を模式的に示す正面図であり、(A)はプレートがセットされた状態、(B)はプレートに印刷処理を行っている状態、(C)はプレートが排出されている状態を示す。
【図17】凹凸部を有するプレート(第2の印刷媒体)の供給動作を示す状態図である。
【図18】搬送ベルトの連結部を示す部分拡大図で、セット部が水平の状態を示す図である。
【図19】搬送ベルトの連結部を示す部分拡大図で、セット部が屈曲している状態を示す図である。
【図20】搬送ベルトの第1または第2セット部を覆う蓋の構成を示した図。
【図21】ロールシート(第1の印刷媒体)の印刷状態を模式的に示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明を印刷媒体であるプレートに文字や記号を印刷するプリンタに適用した実施の形態について説明する。
(構成)
<プリンタ>
図1および図2に示すように、本実施形態のプリンタ1は、後述する印字ヘッド21を有する印刷部20が設けられており、印刷リボンを交換する場合等の必要な場合以外はカバー2aで覆われている。該カバー2aは前方から後方に向かって跳ね上げることにより開くようにプリンタ1の本体に係合されている。
【0014】
印刷部20に平坦形状のプレートP1を送り込む際にはプレートP1が印刷方向に対して横方向にずれないように、印刷方向に対して平行な1対のサイドガイド8とプレートP1を一枚ずつ分離するための分離ゲート9が設けられている。そして分離ゲート9はカバー2aに、サイドガイド8はカバー2bによって覆われている。
【0015】
カバー2bは印刷方向に沿って印字部から離れる方向に揺動して開くように印刷機1の本体に係合されている。また、プリンタ1の正面には、プリンタ1を操作するための入力ボタンおよびプリンタ1の状態等を表示するためのLCDを有する操作表示部6が配置されている。
【0016】
プリンタ1はインターフェースを有しており、通信コード4を介して、例えば、パーソナルコンピュータ(以下、PCと略称する。)3等の上位装置に接続可能である。このため、オペレータは操作表示部6の入力ボタンからの入力に代えて、PC3からの操作も可能であり、さらに、RAMカード等の外部記憶装置を装着することで外部記憶装置に格納されたデータの利用も可能である。
【0017】
図2、3に示すように、本実施形態のプリンタ1は、大別して、上述した操作表示部6、プレートに所望の文字や記号を印刷する印刷部20、プレートP1を搬送する搬送部および搬送パス15、プレート群を積重して保持するプレート供給部5、各部を制御する制御部およびこれらを収容する筺体で構成されている。
【0018】
印刷部20は、供給部5に対してプレートの搬送方向下流側に配置されており、印刷時に、プレートとの間に介在するインクリボンRを介して、マトリクス状に配設された多数の発熱素子を選択的に加熱する印字ヘッド21と、プレートP1の底面側と後述する搬送ベルト10を支持するプラテンローラ22とで構成されている。
【0019】
搬送パス15に設けられた搬送ローラ対23は、それぞれ、下側に配設された駆動ローラ23aおよび上側に配設された従動ローラ23bで構成されており、駆動ローラ23a、ピックアップローラ24およびプラテンローラ22には、ステッピングモータMからの回転駆動力が不図示の連結機構を介して伝達される。ここで、ピックアップローラ24は、不図示の電磁クラッチによって駆動の伝達が切り替え可能に構成されている。よって、プレートP1を供給したら電磁クラッチによりピックアップローラ24の回転を停止する。なお、ローラ対23と印刷部20との間には、発光素子および受光素子からなり、プレートP1の位置を把握するためのポジションセンサ27が配置されている。本例では、ポジションセンサ27は反射一体型のセンサで構成されている。
【0020】
搬送ローラ対23は初期状態では図3に示すような待機位置に位置づけられており、印刷動作が開始すると不図示の移動機構で搬送ローラの従動ローラ23bは図15(A)に示すような搬送位置に移動する。このとき不図示のセンサにより印刷媒体の厚みを検知して、その結果に応じて従動ローラ23bの搬送位置を調節している。また、印字ヘッドも初期状態では図3に示す待機位置に位置づけられているが、印刷媒体の厚みに応じて図15(B)に示すような印刷位置に移動して、印刷媒体に印刷処理を施す。また、従動ローラ23bのうち、印刷部20よりも上流側に配置されたローラの1つは表面が粘着性のクリーニングローラで、印刷前に印刷媒体からゴミを除去している。
【0021】
搬送ローラ対23の上流側には、所定枚(例えば、50枚)のプレートP1を積重して保持可能な供給部5が配置されている。供給部5は載置台16と上述したサイドガイド8および分離ゲート9で構成されている。ユーザは、プレートP1を載置台16に載せてサイドガイド8でプレートP1の側面をガイドし、調整つまみ17によって分離ゲート9の隙間をプレートP1の1枚分の厚さに設定する。なお、供給部5の下方にはプレートの有無を検出するエンプティセンサ28が設けられている。
【0022】
ここで、プリンタ1は上述したように平坦な形状のプレートP1に対して印刷可能であるが、表面に突起部を有するプレートP2(図13)についても印刷が可能である。プレートP1を印刷する際は、搬送ローラ対23によってプレートP1が搬送されて印刷されるが、プレートP2を印刷する際は後述する搬送ベルト10を用いてプレートP2を搬送して印刷を行う(図4参照)。
【0023】
<搬送ベルトおよびプレートP2>
図7に示すように、搬送ベルト10は複数の板状の樹脂製部材43(以下、板状部材43という。)を連結部44で連結してベルト状(キャタピラ状)に形成されている。そして、プレートP2を載置して位置決めする第1セット部40a、第2セット部40bを有している。第1セット部40aは、プレートP2の凸部(後述する脚部32B、突起33、図13参照)に係合する溝13aおよび凹部14aが板状部材43の連結部間に形成されている(図10)。第2セット部40bは、プレートP2の凸部に係合する溝13bおよび凹部14bが隣り合う板状部材43の連結位置に形成されている(図11)。つまり、隣り合う板状部材43の切り欠き同士を合わせることで1つの溝13bを形成している。また、それぞれのセット部にプレートP2の凸部間の底面を支持する底面支持部12を有している。さらに、搬送ベルト10の内側(板状部材43の裏側)には、図16に示したガイドローラ25に当接するガイド溝42が設けられている。なお、第1セット部40aおよび第2セット部40b以外の部分を形成する板状部材43は摺接部41として構成されているため、プレートP2の凸部が係合するような凹部は設けられておらず、後述する供給部5においてプレートP2の突起33が摺接部41と摺接する。
【0024】
図8は搬送ベルト10の第1セット部40aにプレートP2がセットされている状態を示している。この状態で第2セット部40bは蓋49によって溝13bおよび凹部14bは覆われている。一方、図9は第2セット部40bにプレートP2がセットされている状態を示している。この状態で第1セット部40aは蓋49によって溝13aおよび凹部14aは覆われている。なお、図20に示すように蓋49は裏側に凹部14aまたは14bに嵌合する突起49Aを有しており、セット部40aまたは40bに固定可能に構成されている。また、蓋49は伸縮可能な材質で構成されており、搬送ベルト10がガイドローラ25に沿って屈曲した際は、蓋49が伸びるため、蓋49が外れることはない。さらに、蓋49の端部はテーパ49Bが設けられており、後述する供給部5において、プレートP2の凸部が係合しないように形成されている。
【0025】
図13(A)に示すように、プレートP2は、本例では、プレートP2の外縁を構成する矩形状の枠体31と、枠体31の長手方向と交差する方向に略等間隔で配設された複数本(本例では4本)のリブ34と、リブ34の長手方向に沿って脆弱部を介して延設された複数個(本例では1つのリブにつき8個)のチップ32とで構成されており、塩化ビニル等の合成樹脂がその材質とされている。従って、プレートP2には多数個(本例では32個)のチップ32が配設されており、表面に印刷可能で少なくとも裏面に凹凸部を有している。
【0026】
図13(C)に示すように、チップ32は、略水平の表面を有する板状部32Aと、断面略L字状で下方に突出した脚部32Bとで構成されている。このようなチップ32は、例えば、図14に示すように、電線35に結束された結束バンド36に嵌合させることで、配電盤に使用される電線の誤配線等を防止するものである。すなわち、図14(A)、(B)に示すように、結束バンド36は、電線35に結束されたバンド36B、バンド36Bに固着されたチップ受け36Aとで構成されており、チップ受け36Aには、チップ32の脚部32Bが嵌合可能な嵌合溝36Cが形成されている。このため図14(A)、(C)に示すように、プリンタ1でチップ32の板状部32Aの表面に文字、記号等を印刷した後、プレート30からチップ32を分離し、結束バンド36のチップ受け36Aに嵌合させることで、電線35を識別することが可能となる。
【0027】
図13(B)に示すように、プレートP2の底面(裏面)側からはチップ32の脚部32Bが突出しているとともに、枠体31の所定箇所にはプレートP2を供給するための突起33が突設されている。従って、プレートP2は凹凸部を有している。
【0028】
図8はプレートP2が第1セット部40aにセットされた状態を表している。この状態で、プレートP2のチップ32の脚部32Bが溝13aと係合し、突起33は凹部14aに係合している。また、第1セット部40aの先端には、ポジションセンサ27の発光素子から光を透過する開口19aが形成されている。このため、プリンタ1のCPUは、センサ制御部を介してポジションセンサ27の出力を監視することにより、プレートP2を支持した搬送ベルト10がプリンタ1の搬送部によりポジションセンサ27の位置まで搬送されたことを把握でき、印刷部20による印刷に対するプレートP2の頭出しが可能となる。
【0029】
同様に図9はプレートP2が第2セット部40bにセットされた状態を表している。この状態で、プレートP2のチップ32の脚部32Bが溝13bと係合し、突起33は凹部14bに係合している。また、第2セット部40bの先端には、ポジションセンサ27の発光素子から光を透過する開口19bが形成されている。
【0030】
なお、本例では、第1セット部40aおよび第2セット部40bはそれぞれ搬送ベルト10の2ヶ所に配置されており(図7の搬送ベルト10の周の反対側にもう1組設けられている。)、1枚目のプレートP2を印刷して排出し終わった後に、次のプレートP2を供給するように配置されている。(ここでは、セット部400、401を用いて説明する。)つまり、セット部400にセットされたプレートP2が排出された時点ではまだセット部401の先端が供給部5にセットされたプレートP2の先端側の突起33に到達していない(図14(C)参照)。言い換えるとセット部400の後端からセット部401の先端までの距離が、供給部5の先端(排出部側)から排出部7(プレートP2と搬送ベルト10が分離する点)までの距離よりも長く設定されている。
【0031】
また、搬送ベルト10は図4に示したとおりに、プリンタ1の搬送パス15に対して着脱可能に構成されている。搬送ベルト10は結合部11で結合することで無端ベルト形状に構成されているが、結合部11の結合を解除することができる(図12の状態)。図3の状態から搬送ベルト10をセットする際は、搬送ベルト10の結合を解除して、供給部5側からサイドガイド8の間を搬送パス15の上側に沿って搬送ベルト10を通していく。搬送ベルト10の先端が排出部7まで到達したら、ガイド溝42がガイドローラ25に係合するようにして、そのまま搬送パス15の下側(搬送ローラ23の下側)に沿って搬送ベルト10を通す。そして、先端が供給部5側に到達したら反対側のガイドローラ25に沿って搬送ベルト10を引き出し、結合部11で搬送ベルト10を結合する(図4の状態)。なお、搬送ベルト10は搬送ローラ対32にニップされて、搬送ローラ32aの回転により駆動される。
【0032】
結合部11は、つまみ45と、つまみ45の移動に連動して移動するピン46と、ピン46が嵌合する穴47で構成されている。搬送ベルト10が結合状態にあるときは、ピン46が穴47に嵌合しているが、つまみ45を内側に移動させることでピン46が移動して穴47から抜けるため、結合が解除される。なお、つまみ45およびピン46はバネ48により搬送ベルト10の外側に付勢されている。また、搬送ベルト10を結合させるときは、つまみ45を内側に移動させることでピン46も移動し、ピン46を穴47に合わせた状態でつまみ45を放すことで、バネ48によりピン46が外側に移動してピン46と穴47とが嵌合する。よって搬送ベルト10は結合され無端ベルト形状になる。
【0033】
プレートP2を供給部5にセットする際は、搬送ベルト10がセットされた状態で、サイドガイド8の間でかつ搬送ベルト10の上に積載する。このとき、サイドガイド8に設けられたプレートP2の後端部(枠体31の後端)を支持する後端支持部18を支持位置に引き倒す(図5)。後端支持部18はプレートP2をセットするとき以外は退避位置に引き起こされるように構成されている。よって、プレートP2を供給部5にセットすると、プレートP2の先端部は搬送ベルト10の摺接部41と当接し、後端部は後端支持部18に支持されているのでプレートP2は搬送ベルト10に対して傾いた状態で保持される。なお、プレートP1およびロールシートSをセットする際は後端支持部18を退避位置に移動させる(図6)。
【0034】
制御部は、中央処理装置として高速で機能するCPU、プリンタ1の基本制御プログラムおよびプログラムデータを格納したROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM等を有しており、これらCPU、ROM、RAMは内部バスで接続されている。
【0035】
制御部には外部バスが接続されている。外部バスには、操作表示部6を制御する操作表示制御部、印字ヘッド21を制御するヘッド制御部、ステッピングモータMの動作を制御するドライバ、ポジションセンサ27を含む各種センサからの情報を制御するセンサ制御部が接続されている。また、外部バスには、上述した上位装置との接続用のインターフェースや上位装置からのデータを一時的に格納するバッファが接続されている。
【0036】
(プレートP1の印刷動作)
次に、本実施形態のプリンタ1の動作について説明する。まず、プリンタ1に電源が投入されると、ROMに格納されたプログラムおよびプログラムデータをRAMに展開するとともに、各種センサを介して上述した各部が所定のホーム位置にあるかを確認し、ホーム位置にない場合にはホーム位置に移動させる復帰処理、および、供給部5にプレートP1が格納されているかを確認する確認処理を含む初期設定処理を行った後、操作表示部6にプリンタ1の状態を表示し、以下のルーチンを実行する。
【0037】
CPUは、PC3から印刷するプレートの種類がプレートP1に設定されると、センサ制御部を介してエンプティセンサ28からの出力を監視するとともに、供給部5にプレートP1がセットされたかを判断し、否定判断のときはその旨を操作表示部6に表示するとともにセットされるまで待機し、肯定判断のとき(図15(A))はドライバを介してステッピングモータMを駆動させ、ピックアップローラ24および駆動ローラ23aを回転させる。これにより積重されたプレート群の最下段のプレートP1がピックアップローラ24により供給され、その際分離ゲート9によって1枚ずつ分離される。この時点で電磁クラッチによりピックアップローラ24への駆動を伝達させないようにする。プレートP1が1枚供給された時点で搬送ローラ対23の従動ローラ23bを図3に示した待機位置から搬送位置に移動させてプレートP1の厚さを検知して、従動ローラ23bの搬送位置と印字ヘッド21の印刷位置が決定される。
【0038】
その後、供給されたプレートP1は搬送ローラ対23によって印刷部20に向けて搬送される。プレートP1がポジションセンサ27を通過したら、プレートP1は印字ヘッド21に対して頭出しがされる。この時点でCPUは、図示を省略した移動機構により印字ヘッド21を退避位置から先ほど設定された印刷位置に移動させ(印字ヘッド21でプレートP1を押圧して)、ヘッド制御部に、バッファに格納された印刷データを熱エネルギーに変換させて印字ヘッド21に出力させる(図15(B))。印刷処理が終了したプレートP1は排出口7から排出される(図15(C))。このプレートP1の排出動作が完了すると、CPUは、ステッピングモータMの回転駆動を停止させ、1ルーチンを終了し、新たな指示を受けるまで待機する。全ての印刷が終了したらステッピングモータMの駆動を停止し、搬送ローラ23および印字ヘッド21を待機位置に移動させて動作を終了する。
【0039】
(プレートP2の印刷動作)
次にプレートP2に対する印刷動作について説明する。なお、プリンタ1への電源投入時の初期動作については上述したので説明を省略する。また、本実施形態では、第2セット部40bに蓋49をセットした状態で印刷する例を説明する。CPUは、PC3より印刷するプレートの種類がプレートP2に設定されると、センサ制御部を介してベルト有無センサ29からの出力を監視するとともに、搬送ベルト10がセットされたかを判断し、否定判断のときはその旨を操作表示部6に表示するとともに搬送ベルト10がセットされるまで待機し、肯定判断のときはさらにエンプティセンサ28からの出力を監視するとともに供給部5にプレートP2がセットされたかを判断し、否定判断のときはその旨を操作表示部6に表示するとともにプレートP2がセットされるまで待機し、肯定判断のとき(図16(A))はドライバを介してステッピングモータMを駆動させ、搬送ローラ対23の回転により搬送ベルト10を駆動させる。
【0040】
ここで、プレートP2の供給動作について説明する。まず、搬送ベルト10の凹部14aが到達するまでは、突起33は搬送ベルト10の摺接部41に摺接(接触しているが、搬送ベルト10および蓋49の表面を滑っている。)している(図17(A)の状態)。そして、搬送ベルト10の第1セット部40aが供給部5を通過する際に、プレートP2の先端側の突起33が搬送ベルト10の凹部14aに係合して(図17(B)の状態)積重されたプレートの最下段のプレートP2が引き出されるように供給される。その際、分離ゲート9により最下段から2枚目のプレートP2は引き出されずに、最下段のプレートP2のみ供給される。このとき、最下段のプレートP2は、プレートP2の後端側を支持する後端支持部18の支持を外れて、すべての凸部(脚部32B、突起33)が搬送ベルト10(第1セット部40a)の凹部(溝13a、凹部14a)に係合し、第1セット部40aの底面支持部12によってプレートP2が支持される(図17(C)の状態)。プレートP2が供給された時点で、搬送ローラ対23の従動ローラ23bを図4に示した待機位置から搬送位置に移動させて搬送ベルト10およびプレートP2の厚さを検知して、従動ローラ23bの搬送位置と印字ヘッド21の印刷位置が決定される。
【0041】
その後、搬送ベルト10の第1セット部40aにセットされたプレートP2は搬送ベルト10の移動により印刷部20に搬送される。搬送ベルト10の開口19aがポジションセンサ27を通過し、プレートP2の先端が検出されたらプレートP2は印字ヘッド21に対して頭出しがされる。この時点でCPUは、図示を省略した移動機構により印字ヘッド21を退避位置から先ほど設定された印刷位置に移動させ(印字ヘッド21でプレートP2および搬送ベルト10を押圧して)、ヘッド制御部に、バッファに格納された印刷データを熱エネルギーに変換させて印字ヘッド21に出力させる(図16(B))。印刷処理が終了したプレートP1は排出口7から排出される(図16(C))。このプレートP1の排出動作が完了すると、CPUは、ステッピングモータMの回転駆動を停止させ、1ルーチンを終了し、新たな指示を受けるまで待機する。
【0042】
なお、プレートP2を連続印刷する場合、1枚目のプレートP2が排出された直後にもう1つのセット部40で次のプレートP2を供給する。その後の動作は上述した通りであるため説明を省略する。全ての印刷が終了したらステッピングモータMの駆動を停止し、搬送ローラ23および印字ヘッド21を待機位置に移動させて動作を終了する。
【0043】
ここで、第1セット部40aに蓋49をセットして、第2セット部40bを用いてプレートP2に印刷する例を説明する。なお、プレートP2の供給から印刷終了までは第1セット部40aを用いた場合と同様のため説明を省略する。第1セット部40aを用いた場合と第2セット部40bを用いた場合では、プレートP2の排出動作が異なる。第1セット部40aを用いた場合は、図14(C)の状態で第1セット部40aとプレートP2との係合が解除されるが、例えば、プレートP2の脚部32Bが長い場合、溝13aに脚部32Bが引っかかってしまい、係合が解除できない可能性がある。
【0044】
よって、第2セット部40bを用いた場合のプレートP2の排出動作について説明する。上述したように、第2セット部40bの溝13bは隣り合う板状部材43の連結位置に設けられているため、隣り合う板状部材43が連結部44を中心に屈曲した際は、図17に示すように溝13bの開口(の幅)が広がっている。つまり、第2セット部40bが水平の状態(図18)に比べて、第2セット部40bが屈曲した状態のときの方が溝13bの開口の幅が広がっている(図19)。よって、図16(C)に示したように、第2セット部40bが排出部7のガイドローラ25を通過するとき(図16(C))、第2セット部40bにおける板状部材43は図19に示すように連結部44を中心として屈曲する。よって、溝13bに係合しているプレートP2の脚部32Bが第2セット部40bから外れやすくなる。また溝13bの底面は、隣り合う板状部材43の切り欠きが櫛歯状に噛合しているため、搬送ベルト10が屈曲した際にプレートP2の脚部32Bを押し出すことができるため、第1セット部40aに比べて排出性が向上している。
【0045】
(効果等)
次に、本実施形態の搬送ベルト10およびプリンタ1の作用効果について説明する。本実施形態のプリンタ1では、表面が平坦形状のプレートP1および表面に凹凸部を有するプレートP2に対して印刷可能に構成されている。プレートP1を搬送する際は搬送パス15に設けられた搬送ローラ対23でプレートP1をニップして搬送して印刷を行い、プレートP2を搬送する際は搬送ベルト10を搬送パス15にセットしてプレートP2を搬送して印刷を行う。この搬送ベルト10は板状部材43を連結部44で連結してキャタピラ状に形成しており、結合部11で結合することにより無端ベルト形状に構成されている。そして、搬送ベルト10はプレートP2を載置して位置決めするための第1セット部40aおよび第2セット部40bが設けられており、プレートP2の種類に応じて第1セット部40aを用いるか第2セット部40bを用いるか選択可能である。そのために蓋49が第1セット部40aまたは第2セット部40bにセット可能に構成されている。
【0046】
第1セット部40aはプレートP2の凸部が係合する溝13aが、第1セット部40aを構成する板状部材43の連結部間に形成されているため、プレートP2の印刷される部分(チップ32の板状部32A)が溝13a上、つまり板状部材43の連結部間に位置決めされる。よって、印字ヘッド21とプラテンローラ22との間で搬送ベルト10およびプレートP2を押圧したときに、板状部32Aに対して均一に圧をかけることが可能である。第2セット部40bにプレートP2をセットした場合は、板状部32Aは溝13b上、つまり連結部44上に位置決めされることになる。よって、このまま印字ヘッド12の圧をかけると連結部44のガタつきにより板状部32Aに対して均一に圧がかからない場合があるため、第2セット部40bを用いて印刷する場合に対して第1セット部40aを用いて印刷する方が印刷品位は高い。
【0047】
一方、第2セット部40bは、溝13bが隣り合う板状部材43の連結位置に設けられている。これにより、排出部7において搬送ベルト10がガイドローラ25に沿って屈曲したときに、隣り合う板状部材43は連結部44を中心として屈曲する。これにより溝13bの開口が広がるため、プレートP2の脚部32Bが外れやすくなり、排出性が向上している。また、また溝13bの底面は、隣り合う板状部材43の切り欠きが櫛歯状に噛合しているため、搬送ベルト10が屈曲した際にプレートP2の脚部32Bを押し出すことができるため、第1セット部40aを用いて排出する場合に比べて第2セット部40bを用いた方が排出性は向上している。
【0048】
このように、例えば、プレートP2の脚部32Bが長く排出性の優れたベルトを使用したい場合は第1セット部40aに蓋49をセットして、第2セット部40bを用いて印刷し、逆に板状部32Aに高圧力をかけて印刷する場合は第2セット部40bに蓋49をセットして第1セット部40aを用いて印刷すればよい。なお、印刷部がインクジェット方式など、プレートP2に圧力をかけないで印刷する構成では、第2セット部40bを用いると第1セット部40aを用いる場合に比べて排出性が高いので有利である。このように、この搬送ベルト10はプレートP2の種類に応じて第1セット部40aと第2セット部40bを使い分けることが可能である。
【0049】
なお、本実施形態ではプレートP2の印刷位置がチップ32の脚部32Bの裏側である板状部32Aである例を開示したが、これに限定されるものではない。例えば、隣り合う脚部32Bの間(リブ34の位置)に印刷する場合は、リブ34の位置が印字ヘッド21によって押圧される。このとき、第2セット部40bにプレートP2をセットすると連結部44の間の底面支持部12上にリブ34が位置づけられる。よって、リブ34に対して均一に印字ヘッド21の圧力がかかるため、印刷品位が高い。このように、プレートP2の印刷する位置に応じて第1セット部40aと第2セット部40bとを使い分けることが可能である。
【0050】
さらに、プレートP2の突起33がセット部40の凹部に係合した状態で搬送ベルト10が移動することで供給部5に積載されたプレートP2を一枚ずつ供給することができる。よって、例えばローラ搬送時に搬送ローラとプレートがすべる心配がないのでプレートP2の搬送が安定する。また、サイドガイド8にプレートP2の後端を支持する後端支持部18が設けられている。これによりプレートP2を供給部5にセットすると、プレートP2の先端部は搬送ベルト10と当接し、後端部は後端支持部18に支持されているのでプレートP2は搬送ベルト10に対して傾いた状態で保持される。よって、プレートP2の後端側の突起33が最初に搬送ベルトの凹部14に係合してしまうことがないので、プレートP2の凸部が搬送ベルト10(セット部40)の凹部に1対1で係合することができる。なお、プレートP2の突起33がプレートP2の搬送方向に沿うようなリブ形状に形成された場合、プレートP2の後端を支持する必要はない。
【0051】
なお、蓋49の先端はテーパ49Bが形成されているため、蓋49が供給部5を通過する際はプレートP2の突起33が引っかかることがなく、蓋49の表面と突起33は摺接する。これにより、蓋49がセットされていないセット部の凹部に対してのみプレートP2の突起33が係合するため、1枚ずつ適正にプレートP2を供給可能である。
【0052】
また、蓋49は伸縮性の材質で形成されている例を示したが、搬送ベルト10と同様に板状部材と連結部による構成にしてもよい。この構成でも搬送ベルト10がガイドローラ25に沿って屈曲する際に蓋49も屈曲可能であるためセット部から外れない。
【0053】
また、本実施形態では蓋49が搬送ベルトに対して着脱可能に構成されている例を示したが、第1セット部40aと第2セット部40bとの間に揺動可能に固着されていてもよい。さらに、蓋49はセット部の凹部14に嵌合して固定される例を示したが、これに限定されるものではなく、蓋49がセット部の溝13、凹部14および開口19を覆って固定できればよい。よって、蓋49に突起を設ける必要はなく、磁力等でセット部に固定してもよい。
【0054】
さらに、本実施形態の搬送ベルト10には第1セット部40aおよび第2セット部40bがそれぞれ2ヶ所ずつ設けられており、1枚目のプレートP2が印刷されて排出(搬送ベルト10から離間)された後に、次のプレートP2を供給されるようにそれぞれのセット部が配置されている。これにより、それぞれのセット部が1ヶ所の場合に比べるとプレートP2を連続印刷する場合に生産性が向上する。また、印刷中のプレートP2が排出される前に次のプレートP2が供給されてしまうと、仮に現在印刷しているプレートP2で全ての印刷処理を終了する場合、印刷する予定の無いプレートP2を供給してしまう。この状態で電源を切ると、搬送パス15に印刷前のプレートP2が残ったままになってしまう。しかし、本実施形態のプリンタ1の搬送ベルト10は印刷中のプレートP2が排出される前に次のプレートP2を供給してしまうことの無いようにセット部(400、401)を配置したため、このような問題は起こらない。なお、セット部は2ヶ所である必要はなく、先のプレートが搬送ベルト10から離間した後に次のプレートを供給する構成であれば、セット部は何ヶ所に設けてもよい。
【0055】
また、搬送ベルト10は、平坦形状のプレートP1を搬送するための搬送ローラ対23にニップされて駆動される。よって、多種の印刷媒体を搬送する際に駆動が変わらない(搬送ベルト10専用の駆動を用意する必要がない)ため、コストを抑えることができる。なお、部品点数のことを考えなければ、搬送ローラ対23とは別の駆動を用いて搬送ベルト10を駆動させてもよい。
【0056】
なお、本実施形態では平坦形状のプレートP1にカード状のカットプレートを用いた例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、長尺状のプレートや図21に示すようにロールシート(テープ)Sを供給部5にセットして搬送ローラ対23でロールシートをニップして搬送し、印刷部20で印刷処理を施してもよい。その場合、印刷されたロールシートは排出部7から排出され、不図示のカッターユニットでカット処理が行われる。
【0057】
また、本実施形態では、インクリボンと印字ヘッドを用いて印刷媒体に印刷処理を施す例を示したが、インクジェット等の印刷手段を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、表面に凸部を有する印刷媒体を搬送可能な搬送ベルトおよび、この搬送ベルトを用いて印刷媒体を効率よく印刷可能な印刷装置を提供するものであるため、搬送ベルトおよび印刷装置の製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0059】
1 プリンタ
5 供給部
7 排出部
8 サイドガイド
9 分離ゲート
10 搬送ベルト
11 結合部(連結部の一部)
12 底面支持部
13a 溝(凹部の一部)
13b 溝(凹部の一部)
14a 凹部(凹部の一部)
14b 凹部(凹部の一部)
15 搬送パス
20 印刷部
21 印字ヘッド
22 プラテンローラ
23 搬送ローラ対
25 ガイドローラ
32B 脚部(凹凸部の一部)
33 突起(凹凸部の一部)
40a 第1セット部
40b 第2セット部
41 摺接部
42 ガイド溝
43 板状部材
44 連結部
49 蓋
M ステッピングモータ(駆動手段の一部)
P1 平坦形状のプレート(第1の印刷媒体)
P2 凹凸部を有するプレート(第2の印刷媒体)
S ロールシート(第1の印刷媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に凸部を有する印刷媒体を搬送するための搬送ベルトにおいて、
複数の板状部材と、
隣り合う前記板状部材を連結する連結部と、を備え、
前記複数の板状部材を前記連結部で連結することによってベルト状に構成され、
ベルト状に形成された前記板状部材の表面に前記印刷媒体を載置して位置決めする第1セット部および第2セット部が設けられ、
前記第1セット部を構成する前記板状部材は前記連結部間に前記印刷媒体の凸部が係合するための第1凹部が形成され、
前記第2セット部を構成する前記板状部材は、隣り合う前記板状部材の連結位置に前記印刷媒体の凸部が係合するための第2凹部が形成され、
前記第1凹部または前記第2凹部を覆う蓋を備えたことを特徴とする搬送ベルト。
【請求項2】
前記第2凹部は、前記隣り合う板状部材に設けられた切り欠きを合わせることによって形成され、前記隣り合う板状部材が前記連結部を中心に屈曲した際に、前記第2凹部の開口が広がるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の搬送ベルト。
【請求項3】
前記セット部以外の前記板状部材および前記蓋は前記印刷媒体の凸部が摺接する摺接部として構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の搬送ベルト。
【請求項4】
さらに、ベルト状に形成された前記板状部材の内側には、この搬送ベルトが搬送されるためのガイド溝が設けられたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の搬送ベルト。
【請求項5】
表面に凸部を有する印刷媒体に印刷可能な印刷装置において、
前記印刷媒体を積重して保持する供給部と、
前記印刷媒体を搬送するための搬送パスと、
前記印刷媒体を排出する排出部と、
前記搬送パスに設けられ前記印刷媒体を搬送する搬送ベルトと、
前記搬送ベルトを駆動させる駆動手段と、を備え、
前記搬送ベルトは、複数の板状部材と、隣り合う前記板状部材を連結する連結部と、を有し、前記複数の板状部材を前記連結部で連結することによってベルト状に形成され、
ベルト状に形成された前記板状部材の表面に前記印刷媒体を載置して位置決めする第1セット部および第2セット部が設けられ、
前記第1セット部を構成する前記板状部材は前記連結部間に前記印刷媒体の凸部が係合するための第1凹部が形成され、
前記第2セット部を構成する前記板状部材は、隣り合う前記板状部材の連結位置に前記印刷媒体の凸部が係合するための第2凹部が形成され、
さらに、前記第1セット部または前記第2セット部を覆う蓋を備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
前記第2凹部は、前記隣り合う板状部材に設けられた切り欠きを合わせることによって形成され、前記排出部は前記搬送ベルトをガイドするガイドローラを有し、前記搬送ベルトが、該ガイドローラに沿って搬送された際に前記隣り合う板状部材が前記連結部を中心に屈曲して、前記第2凹部の開口が広がるように構成されたことを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記供給部は、前記搬送ベルトの側面をガイドするサイドガイドと、前記印刷媒体の後端側の底面を支持する後端支持部とを有し、前記後端支持部で印刷媒体の後端側を支持することにより、該供給部において該印刷媒体を前記搬送パスに対して傾斜して保持することを特徴とする請求項5または6に記載の印刷装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図8】
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