説明

搬送手段を備えたバックホー

【課題】 簡易な構成で、掘削した土砂を載置し、後方の運搬車等に積載することのできるように搬送手段40の傾斜角度を調整するほか、搬送手段を幅方向へ移動可能とし、掘削作業範囲を広くすることのできるバックホー1を提供する。
【解決手段】 クローラ等を備える走行体20と、該走行体20の上方に設けられ、掘削作業手段15を有する旋回体10と、前記走行体20の走行方向前方に設けられ、上下方向へ揺動するブレード25とを備えたバックホー1において、前記走行体20の上方に、前記走行体20の走行方向を長さ方向とするベルトコンベア等の搬送手段40を設け、前記搬送手段40の一方を前記ブレード25に回動可能に連結すると共に、前記搬送手段40の前記ブレード25との連結位置より後方側を、前記走行体20の走行方向後部に回動可能に連結して、前記ブレード25の上下動により前記搬送手段40を上下方向に揺動可能としたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地面等の掘削に使用されるバックホー(ショベル系掘削機)に関し、より詳細には、掘削した土砂を後方で待機するトラック等の運搬車へと搬送する搬送手段を備えたバックホーに関する。
【背景技術】
【0002】
溝等を形成する掘削工事において一般に使用される掘削機としては、クローラ等の走行手段を備える走行体と、該走行体の上方に位置し、掘削作業手段等を有する旋回体とを備えたバックホーがあるが、前記掘削作業手段のバケットにより掘削して掬い上げた土砂をバックホー近傍に位置する運搬車等へと積載する際には、該バケットを上方へと高く持ち上げた状態で前記旋回体ごと旋回させる。そのため、バケットの旋回を可能とすべく作業スペースを広く確保する必要があり、周囲や上方に塀や立木等の障害物を有し、高さや幅が制限されているような空間では掘削が困難であるという問題がある。また、一度掘削するごとに運搬車への積載作業のための旋回を行なう必要があることから、作業効率が悪いという問題もある。
【0003】
そこで、バケットを旋回させることなく、掘削した土砂の積込みを可能とすべく、土砂を前方(掘削側)から後方(積載側)へと搬送するコンベアを備えたバックホーが提案されており、例えば、運転室の側部にコンベアを前傾させた姿勢で前後スライド可能に設けた溝掘り用掘削機(特許文献1参照)や、上部旋回体にベルトコンベアを設け、該コンベアを左右方向に回動する回動手段と、該コンベアの傾きと高さを変化させる第1の昇降手段と第2の昇降手段とを備えた油圧ショベル(特許文献2参照)等が挙げられる。
【0004】
本発明の先行技術文献としては下記のものがある。
【特許文献1】特開平6−306889号公報
【特許文献2】特開平11−148145号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1の掘削機や特許文献2に記載の油圧ショベルによれば、バケットによって掘削され掬い上げられた土砂をコンベアを用いて搬送し、運搬車へと積載することから、バケットを高い位置まで持ち上げたり旋回させる必要がなく、周囲や上方に障害物を有するような限られた空間等、狭い作業スペースであっても好適に掘削作業を進めることができる。
【0006】
また、前記コンベアは前端に対して後端が高くなるように前傾させた姿勢で使用されるため、前方ではバケットを高く持ち上げずともコンベアへ土砂を載置することができ、バケットの移動距離を短くして操作を簡単化することが可能となり、掘削作業の効率化を図ることができる。さらに、コンベア後方では好適な高さから土砂が運搬車へと積載される。
【0007】
しかし、バックホーに前述のような傾斜したコンベアを備える場合、前記コンベアを傾斜させたままであると、該コンベアの前端が地面に接触あるいはそれに近い状態となっていることから、バックホーを走行させる際に地面と接触するおそれが高く、また、後端が上方へ突き出た状態となっていることから、上方の障害物と接触するおそれがあり、走行による移動や、運搬車による移送が困難であるという問題がある。
【0008】
このような問題に関し、特許文献1に記載の掘削機では、コンベアを前傾姿勢のまま前後にスライド可能とし、移動の際には該コンベアを後方側の上部へとスライドさせて固定することによって、コンベア前端が走行時の妨げにならないよう構成している。しかし、スライドにより前記コンベアの後端が上方及び後方へとさらに張り出すことから、前記上方や後方の各種障害物との接触のおそれが一層高くなってしまい、掘削機の走行ないしは移送時の弊害を解消するには至らない。
【0009】
また、前記コンベアの前端をバケットによる土砂の載置に好適な位置へと調整したり、後端を運搬車への土砂の積載に好適な位置へと調整するためには、該コンベアの傾斜を適宜調整する必要があるが、前記特許文献1の掘削機にあっては、「前傾角度を任意に変更可能とした構成にしてもよい」と記載されているものの(特許文献1の「0016」欄)、その構成は開示されておらず、実質的にはコンベアは前傾状態が一定に維持されたものとなっている。
【0010】
文献1の技術では,旋回体にコンベアを取り付けていることから、旋回体を旋回させると運転席から見えにくくバックホーの後方へ大きく張り出しているコンベアの後端を障害物に接触させるおそれがあり危険であることと、駆動部の前方(コンベアの前方)を掘削しようとした場合にコンベアが邪魔になり掘削ができないという問題点があった。
【0011】
これに対し、特許文献2記載の油圧ショベルにあっては、ベルトコンベアの長手方向両端それぞれを上下方向に個々に変位させるための第1の昇降手段と第2の昇降手段とを備えていることから、該ベルトコンベアの傾斜角度を場合に応じて自在に変更することができる。したがって、掘削作業現場と格納庫間を運搬車で移送する際にはベルトコンベアの傾斜角度を小さくして移送に都合のよい角度に調整すること等ができる。
【0012】
また、前記油圧ショベルは、ベルトコンベアを左右方向に回動(水平方向に旋回)させる回動手段も備えていることから、左右方向における備えつけ位置を調整し、掘削作業などに際して当該ベルトコンベアが掘削作業の障碍とはならない。
【0013】
しかし、特許文献2記載の油圧ショベルにあっては、上述のような利点を得るにあたって、ベルトコンベアの傾斜角度を調整する手段として該ベルトコンベアの長手方向両端に油圧シリンダを備えた昇降手段(第1の昇降手段及び第2の昇降手段)をそれぞれ設けており、油圧ショベルの走行や旋回、掘削作業手段の操作等に用いられる油圧回路のほか、これらの昇降手段の油圧シリンダを駆動するためにさらに2つの油圧回路を別途設ける必要があるため、装置構成が煩雑となるほか、設備コストも高くなり、メンテナンスの面でも問題となる。
【0014】
また、ベルトコンベアの前端がバックホーの前方(駆動部前方)から横方向外側へ回動することから、バックホーの駆動部前方の掘削作業範囲を文献1よりも広くすることができるが、バックホー直近の駆動部前方は、コンベアの中央部分が邪魔になって掘削作業ができない。掘削時にコンベアの中央部分が邪魔にならないようするにはコンベアを大きく回動しなければらず、この場合コンベアの前端部がバックホーの横方向外側へ大きく張り出しバケットですくい上げた土砂をコンベアに積み込み難くなるという問題が生ずる。さらに、コンベアの回動幅を大きくすると、バックホーの左右方向の幅が広くなり狭小地での作業に適さないものとなる。
【0015】
また、文献2記載の技術では文献1と同様に旋回体にコンベアを取り付けていることから、旋回体を旋回させると運転席から見えにくくバックホーの後方へ大きく張り出しているコンベアの後端を障害物に接触させるおそれがある。
【0016】
そのため、本発明は、簡易な構成で、掘削した土砂を好適に載置し、後方の運搬車等に積載することのできるように搬送手段の傾斜角度を調整するほか、コンベアを幅方向へ移動可能とし、掘削作業範囲を広くすることのできるバックホーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成すべく、本発明のバックホー1は、
クローラ等を備える走行体20と、該走行体20の上方に設けられ、基台11,駆動部13,運転室12及び,アーム33及びブームを介して,土砂を掘削する掘削作業手段15を有する旋回体10と、前記走行体20の走行方向前方に設けられ、上下方向へ揺動するブレード25とを備えたバックホーにおいて、
前記走行体20の上方に、前記走行体20の走行方向を長さ方向とするベルトコンベア等の搬送手段40を設け、
前記搬送手段40の一方を、前記ブレード25に回動自在に連結すると共に、前記搬送手段40の他方を、前記走行体20の走行方向後部に回動自在に連結して、前記ブレード25の上下動により前記搬送手段40を上下・揺動自在に構成したことを特徴とする (請求項1)。
【0018】
前記搬送手段40の他方と前記走行体20の走行方向後部との連結が連結杆46を介して行なわれ、該連結杆46の上端を前記搬送手段40の他方と回動自在に連結し、下端を前記走行体の走行方向後部に回動自在に連結し,連結杆46により前記搬送手段40を支持するよう構成することができる(請求項2)。
【0019】
前記連結杆46は、前記ブレード25を下降させた状態において、前記搬送手段40との(上端)連結部が前記走行体20との(下端)連結部よりも前記走行体の走行方向後方側に位置する傾斜状態で取付けられていることが好ましい(請求項3)。
【0020】
前記搬送手段40と前記ブレード25との連結は、図1に示すように2本の連結杆42,42を介して行なうこととしてもよく、この場合には、該連結杆42,42の一端を共に前記ブレード25に設けられた支持ブラケットと回動自在に連結し、他端を搬送手段の長さ方向に所定間隔を介してそれぞれ前記搬送手段40の一方に設けられた支持ブラケットと連結して、謂わば,これらの連結杆42,42が略V字状を成した状態で前記搬送手段40を支持するよう構成することができる(請求項4)。なお,前記搬送手段40と前記ブレード25との連結は、このほか、図2に示すように1本の連結杆42を介して行ってもよく、この場合には、前記連結杆42の一端を前記ブレード25の上端と回動自在に連結し、他端を前記搬送手段40と連結してもよい。
【0021】
前記搬送手段40は、前記旋回体10の駆動部13の上方に配置することが好ましい(請求項5)。
【0022】
また、本発明のバックホー1は、前記搬送手段40を、前記旋回体10の旋回中心に対して離間ないしは近接するよう前記走行体の幅方向に変位させるスライド機構50を備えることが好ましい(請求項6)。前記スライド機構50としては、例えば図3〜図5に示すように、前記ブレード25の上端及び前記突出部材27の先端に設けられた車輪52,56を備えるレール51,55と、前記レール51,55に沿って車輪52,56上を走行する枠体53,57とを備えた構成とすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明のバックホー1によれば、土砂を搬送する搬送手段40を備えていることから、掘削作業手段15のバケット30を高い位置まで持ち上げたり旋回させる必要がなく、周囲や上方に障害物を有するような限られた空間等、狭い作業スペースであっても好適に掘削作業を進めることができる。
【0024】
また、本発明のバックホー1によれば、前記搬送手段40の一方を前記ブレード25に回動自在に連結すると共に、前記搬送手段40のブレード25との連結位置より後方側を、前記走行体20に回動自在に連結して、ブレード25の上下動により搬送手段40を上下方向に揺動可能としていることから、該ブレード25を上下方向に揺動させることで搬送手段40の前端40a、後端40bをそれぞれ上下方向に変位させて傾斜角度を変更することができる。したがって、バックホー1を運搬車により移送したり走行体20を用いて移動させる際には、前記ブレード25を上昇させて該搬送手段40を水平状態に近くすることで上下の障害物との接触を避けることができる。また、掘削作業時には前記ブレード25を下降させて該搬送手段40を前端40aに対して後端40bが高くなるように前傾させた姿勢で使用することにより、搬送手段40の前端40aではバケット30を高く持ち上げずとも搬送手段40へ土砂を載置することができ、バケット30の移動距離を短くして操作を簡単化することが可能となり、掘削作業の効率化を図ることができるほか、搬送手段40の後端40bでは好適な高さから土砂を運搬車へと積載することができる。
【0025】
さらに、本発明のバックホー1にあっては、このような搬送手段40の傾斜角度の調整をブレード25を上下方向に揺動させるのみで行なうことができるため、搬送手段40を角度調整可能とするために別途に油圧回路等の駆動手段を設ける必要がなく、装置構成を簡易化してコストの低減やメンテナンスの容易化を図ることができる。
【0026】
前記搬送手段40の他方と前記走行体20の走行方向後方との連結を、上端を前記搬送手段40の他方と回動自在に連結し、下端を前記走行体20の走行方向後方に回動自在に連結する連結杆(後方連結杆)46を介して行なうことにより、前記ブレード25を上昇させて搬送手段40の前端40aを上昇させると、該連結杆46が走行体20との連結部(下端)を中心に後方へと回動し、これに伴って前記搬送手段40の後端40bも回動するため、該後端40bを大幅に変位させることができる。
【0027】
特に、前記連結杆46を、前記ブレード25が下降した状態において、前記搬送手段40との連結部(上端)が前記走行体20との連結部(下端)よりも前記走行体の走行方向後方に位置する傾斜状態で取付けておくことにより、前記ブレード25を上昇させ前記連結杆46が回動するとその上端が即座に下降することから、これに連結する搬送手段40の後端40bも下方へと回動して該搬送手段40の後端40bを好適に下降させることができる。
【0028】
このほか、前記搬送手段40の一方における該搬送手段40と前記ブレード25との連結を、2本の連結杆42,42を介して行ない、該連結杆42,42の一端を共に前記ブレード25に設けられた支持ブラケット44と回動自在に連結し、他端を搬送手段40の長さ方向に所定間隔を介してそれぞれ前記搬送手段40の一方に設けられた支持ブラケット43と連結することにより、該連結杆42,42と前記搬送手段40とが成す角度を一定に保つことができ、搬送手段40の一方を好適に支持することができる。
【0029】
また、前記搬送手段40を前記旋回体10の駆動部13の上方に位置するように設ければ、旋回体10の運転室12上方に設ける場合等と比較して高さを低減できるほか、重心を低位置とすることができ、バックホー1全体としての安定性を維持することができる。
【0030】
ベルトコンベアをクローラとフレームとの間又は左右のクローラの間に設けると、重量のある旋回体の位置が高くなるので通常のバックホーよりも重心が大幅に高くなって不安定となる。本発明のように,旋回体の駆動部の上方に搬送手段を配置したことによる効果は、重量のある旋回体の全高が通常のバックホーと変わらないことから安定する。本発明は搬送手段を設けた分バックホーの重心がわずかに高くなるが安定性を維持できる範囲となる。
【0031】
このほか、本発明のバックホー1は、前記搬送手段40を旋回体10の旋回中心に対して離間ないしは近接するよう前記走行体の幅方向(左右方向)に変位させるスライド機構50を備えることにより、該搬送手段40を場合に応じて左右方向にも位置調整することができ、例えば,搬送手段をバックホーの外側へ(旋回体の旋回中心に対して離間するように)スライドさせるとバックホー直近の駆動部前方の掘削をする場合に搬送手段が邪魔にならず、掘削作業範囲を広くすることができ,さらに,搬送手段をスライドさせても横方向外側への張り出しが小さく、バケットですくい上げた土砂をコンベアに積み込み易い。加えて,搬送手段をスライドさせてもバックホーの左右方向幅が狭く狭小地での作業に適しているほか,バックホー1の後方に位置する運搬車への土砂の積載位置を調整すること等ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明のバックホー1は、走行体20と、該走行体20の上部に設けられ、掘削作業手段15を有する旋回体10と、前記走行体20の一方すなわち走行方向前方に設けられたブレード25とを備えるほか、前記掘削作業手段15により掘削して掬い上げられた土砂を後方へと搬送する搬送手段40を備え、該搬送手段40を前記走行体20の走行方向を長さ方向として配置し、その一部を前記ブレード25と回動自在に連結すると共に、他の一部を前記走行体20と回動自在に連結することによって、前記ブレード25の上下方向への揺動に伴って搬送手段40を揺動させ、傾斜角度を変更可能としたものである。
【0033】
以下、本発明のバックホー1の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0034】
〔装置構成〕
(1)旋回体
前記旋回体10は、運転室12、各種部材や手段に動力を提供する駆動部13、アーム33及びブームを介してバケット30が連結された掘削作業手段15等、掘削作業に必要な種々の構成を基台11上に配置して成り、旋回手段によって該基台11上に配置された各構成を基台11ごと旋回することができるよう構成されている。
【0035】
図示の実施形態にあっては、走行方向前方からみて右側(図1において奥側)に運転室12、左側(図1において手前側)に駆動部13、その間に掘削作業手段15が配置されているが、旋回体10における配置はこれに限定されるものではなく、例えば運転室12と駆動部13を逆にしてもよく、また、運転室12の後方に駆動部13を設けることとしてもよく、種々の配置が可能である。
【0036】
前記掘削作業手段15は、土砂を掘削して掬い上げるバケット30をアーム33及びブーム36,39と連結して成る。本実施形態にあっては、図1〜図3に示すように、基台11上に図示しない水平軸を介して回動自在に連結されたロアブーム39と、該ロアブーム39の先端と垂直軸38を介して連結されたアッパーブーム36と、該アッパーブーム36の先端と垂直軸19を介して連結されたオフセットブラケット18と、前記ロアブーム39とオフセットブラケット18とを垂直軸14を介して連結するオフセットリンク17から成るオフセットブームとしており、アッパーブーム36が前記垂直軸38を中心に回動してロアブーム39に対して左右方向(幅方向)に変位し、前記オフセットブラケット18はロアブーム39に対して並行に変位可能に構成されている。また、アーム33は、前記オフセットブラケット18と水平軸35を介して連結され、該水平軸35を中心に前記オフセットブラケット18に対して上下方向(高さ方向)へと回動自在となっている。さらに、アーム33の前記オフセットブラケット18との連結側と反対の端部には水平軸32を介してバケット30が連結されており、該水平軸32を中心にバケット30を回動して上下方向(高さ方向)へ変位可能としている。
【0037】
このような構成から、前記バケット30の位置は、上下方向を前記アーム33によって、左右方向を前記アッパーブーム36によって自在に調整することができ、該バケット30を掘削位置まで移動したり(図4及び図5中、二点鎖線で示すバケット30)、掘削した土砂を掬い上げた後に所定位置まで移動させることができる。なお、前記バケット30により土砂を掘削する際は、掘削位置において該バケット30を前記アーム33に対して上下方向に回動することで行なえる。
【0038】
前記バケット30、アーム33、及びアッパーブーム36、ロアブーム39の回動は、各々に対応づけて設けられた油圧シリンダ16,31,34,37によって実現される。図示の実施形態にあっては、前記バケット30を上下方向へ回動させるバケットシリンダ31は一端をアーム33に連結すると共に他端をバケットに連結し、前記アーム33を上下方向へ回動させるアームシリンダ34は一端をオフセットブラケット18に連結すると共に他端をアーム33に連結し、前記アッパーブーム36を左右方向へ回動させるオフセットシリンダ16は一端をロアブーム39に連結すると共に他端をアッパーブーム36に連結する。前記ロアブーム39を上下方向へ回動させるブームシリンダ37は,一端を基台11に連結すると共に他端をロアブーム39に連結している。これらの油圧シリンダ16,31,34,37は別個の油圧回路の一部を構成していることから、該油圧シリンダ16,31,34,37それぞれに連結されたバケット30、アーム33、アッパーブーム36、ロアブーム39を個々に動作させることができる。
【0039】
前記運転室12は、オペレータが本発明のバックホー1の諸操作を行なう際に使用され、前記バケット30やアーム33、アッパーブーム36、ロアブーム39のほか、後述する走行体20や搬送手段40、ブレード25、また前記基台11を旋回する旋回手段等、バックホー1を構成する各種手段や部材を操作するためのレバーやペダル等の操作手段を備える。
【0040】
前記駆動部13は、前記運転室12において操作される本発明のバックホー1を構成する各種手段や部材に対して動力を付与する原動機をボンネット内に配置して成る。
【0041】
(2)走行体
前記旋回体10の下部には、バックホー1全体での移動に用いられる走行体20が設けられている。本実施形態にあっては、凹凸を有する足場の悪い作業現場においても安定した走行が可能となるよう、フレーム21、起動輪22、遊動輪23、クローラベルト24等を備えて成るクローラを前記旋回体10の左右両側に配置したクローラ式の走行体20を用いるが、走行体20は必ずしもこれに限定されるものではなく、ホイール式や、その他の走行方式を採用することもできる。
【0042】
(3)ブレード
また、前記走行体20の一方すなわち走行方向前方には、バックホー1が前進する際に前方の土砂を押し集めるブレード25を備えている。該ブレード25は走行体20の走行方向前方(図1において右側)に配置され、油圧駆動により上下方向に揺動するよう構成されている。
【0043】
(4)搬送手段
本発明のバックホー1は、上述のような各構成に加え、掘削作業手段15のバケット30により掘削した土砂をバックホー1の後方に位置するトラック等の運搬車へと搬送するための搬送手段40を備える。
【0044】
前記搬送手段40は、走行体20の走行方向を長さ方向として前記走行体20の上方に設けられる。図示の実施形態にあっては前記旋回体10の左側(図1において手前側)に位置する駆動部13の上方に位置するよう配置され、重心を低くしてバックホー1全体のバランスを保持している。なお、前記旋回体10の駆動部13を反対側に設けた場合には前記搬送手段40もこれに併せて反対側へ配置することとしてよく、また、前記搬送手段40を2つ備えて走行体20の幅方向の両側に各々配置することも可能であり、バックホー1の一方すなわち走行方向前方から後方へと土砂を搬送できるものであれば種々の配置が可能である。
【0045】
前記搬送手段40としては、掘削した土砂を後方へ好適に搬送することができるのであればその構成は特に限定されず、例えばスクリューコンベア、バケットコンベア、チェーンコンベア等の他の搬送手段を用いることも可能であるが、主として図示の実施形態のようにベルトコンベア40を用いることが好ましい。
【0046】
なお、図示の実施形態にあっては、搬送手段たるベルトコンベア40の前端40aには、バケット30からベルトコンベア40へと載置された土砂が漏れることを防止すべくホッパー41が設けられている。
【0047】
(4−1)傾斜角度の調整
本発明にあっては、前記搬送手段40の一方(図1において右側)を前記ブレード25に回動自在に連結すると共に、前記搬送手段40の前記ブレード25との連結位置より後方側(図1において左側)を、前記走行体20に回動自在に連結しており、前記ブレード25を上下方向に揺動させることによって前記搬送手段40を上下方向に揺動可能に構成している。
【0048】
図1に示す実施形態にあっては、ブレード25と搬送手段40とを2本の連結杆(以下「前方連結杆」という。)42,42を介して連結している。具体的には、前記ブレード25の上端に前方支持ブラケット44を固設し、該前方支持ブラケット44に前記2本の前方連結杆42,42の一端を前後方向に回動自在に連結すると共に、これらの前方連結杆42,42の他端を、ベルトコンベア40の一方において前後方向に間隔を介した任意の2箇所(前端40a付近及び前端40aから所定間隔を介した位置)に固設された前方支持ブラケット43,43へとそれぞれ連結して、該2本の前方連結杆42,42が略V字状を成す状態でベルトコンベア40の一方を支持するよう構成している。
【0049】
そのため、前記ベルトコンベア40は、前方連結杆42,42と成す角度が一定に保たれた状態で該前方連結杆42,42に支持されており、前方連結杆42,42の下端に連結する前記ブレード25を上下方向に揺動した場合には、ベルトコンベア40及び前方連結杆42,42は前記角度を一定に保ちつつ該ブレード25と共に揺動し(図1中の二点鎖線参照)、ベルトコンベア40の前端40aが上下方向に変位する。
【0050】
なお、前記図1に示す実施形態にあっては、ベルトコンベア40を2本の前方連結杆42、42を介してブレード25と連結することとしたが、ベルトコンベア40の一方の任意位置とブレード25とを回動自在に連結することができればその構成は特に限定されず、例えば、該ベルトコンベア40とブレード25とを直接回動自在に連結してもよい。また、図2に示すように、1本の前方連結杆42を用い、該前方連結杆42の一端をベルトコンベア40の一方の任意位置において固定状態で連結すると共に、前方連結杆42の他端をブレード25の上端と回動自在に連結した構成とすることもできる。図2に示す実施形態にあっては、前方連結杆42のベルトコンベアとの連結部(上端)の両側に補強49等で、前記ベルトコンベア40と前方連結杆42とを固定状態で支持できるよう構成している。なお、前方連結杆42は、ブレード25を下降させた状態において、垂直状態であるか、ベルトコンベア40との連結部(上端)がブレード25との連結部(下端)よりも後方側に位置する傾斜状態で取付けられていることが好ましい。
【0051】
また、前記走行体20の走行方向後部と前記ベルトコンベア40の他方も連結杆(以下「後方連結杆」という。)46を介して連結されている。
【0052】
図1に示す実施形態にあっては、前記走行体20には、該走行体20から後方へと突出する突出部材27が備えられており、該突出部材27の先端に後方支持ブラケット48が固設されていて、この後方支持ブラケット48に後方連結杆46の一端(下端)を前後方向へ回動自在に連結している。また、後方連結杆46の他端(上端)は、前記ベルトコンベア40の前記ブレード25との連結位置である前方支持ブラケット43よりも後方側の任意位置に設けられた後方支持ブラケット47へと回動自在に連結され、ベルトコンベア40が後方連結杆46を介して前記走行体20の突出部材27に支持されるよう構成されている。
【0053】
前記後方連結杆46は、前記ブレード25を下降して地面に近接させた状態において、前記ベルトコンベア40との連結部(上端)が前記走行体20との連結部(下端)よりも後方側に位置する傾斜状態で取付けられていることが好ましい。
【0054】
上述するような構成から、本発明のバックホー1は、前記ブレード25を上下方向に揺動させることによって前記ベルトコンベア40を上下方向に揺動させ、傾斜角度を変更することができる。
【0055】
すなわち、前記ブレード25を上昇させると、ベルトコンベア40の前端40aは前方連結杆42,42と共に前記ブレード25の揺動支点を中心に後方へと回動して円弧状に上昇する。一方、ベルトコンベア40の後端40bは、前記後方連結杆46が走行体20の突出部材27と連結する端部(下端)を中心に後方へと回動するのに伴って円弧状に下降する。したがって、ベルトコンベア40全体としては傾斜角度が小さくなり、水平状態へと近付く(図1における二点鎖線)。
【0056】
また、前記ブレード25を下降させると、ベルトコンベア40の前端40aは前方連結杆42,42と共に該ブレード25の揺動支点を中心に前方へと回動して円弧状に下降し、ベルトコンベア40の後端40bは後方連結杆46が下端を中心に前方へ回動するのに伴って円弧状に上昇するため、ベルトコンベア40全体としては傾斜角度が大きくなる(図1における実線)。
【0057】
なお、前記ブレード25を下降させた状態において、前記後方連結杆46を上端が下端よりも後方に位置するよう傾斜させた状態に取付けていることにより、前記ブレード25を上昇させて後方連結杆46が下端を中心に後方へ回動する際に、該後方連結杆46の上端を上方に変位させることなく即座に下降させることができ、これに伴ってベルトコンベア40の後端40bを好適に下降させることができる。
【0058】
以上のように、本発明のバックホー1によれば、ブレード25を上下方向に揺動させるだけでベルトコンベア40の前端40aと後端40bをそれぞれ上下方向に変位させて傾斜角度を調整することができるため、ブレード25を駆動する油圧回路のみを備えればよく、前記ベルトコンベア40の傾斜角度を変更するために別途油圧回路を設ける必要がない。したがって、前記特許文献2に記載の油圧ショベルのようにベルトコンベアの両端それぞれを変位させる油圧回路を個々に設ける場合と比較して構成を簡単化することができ、またメンテナンスの面でも容易化を図ることができる。
【0059】
また、前記ベルトコンベア40の他方と走行体20の走行方向後部との連結を、両端が回動自在な後方連結杆46を介して行なうことにより、該後方連結杆46が走行体20との連結部(下端)を中心に回動することから、ベルトコンベア40の後端40bを大幅に上下方向に変位させることができる。
【0060】
(4−2)左右方向への位置調整
本発明のバックホー1は、前述するように搬送手段(ベルトコンベア)40の傾斜角度を変更可能とするほか、さらに、該搬送手段40を前記旋回体10の旋回中心に対して離間ないしは近接するよう前記走行体20の幅方向(左右方向)に変位させるためのスライド機構50を備えることが好ましい。
【0061】
前記スライド機構50としては、前記走行体20の幅方向に水平に延び、車輪52,56を備えるレール51,55と、該レールに沿って車輪上を走行する枠体53,57とを備えたものを挙げることができるが、前記ベルトコンベア40を前記旋回体10の旋回中心に対して離間ないしは近接するよう前記走行体20の幅方向に水平移動可能とするものであれば該構成に限定されない。
【0062】
図3〜図5に示す実施形態にあっては、前記ブレード25の上端及び前記走行体20から後方に突出する突出部材27の先端に幅方向(図5において左右方向)に水平にレール51,55を設けると共に、前記レール51,55に沿って幅方向に回動自在な複数の車輪52,56を該レールに所定間隔で取付け、前方連結杆42と連結する前方支持ブラケット44及び後方連結杆46と連結する後方支持ブラケット48の下端に枠体53,57を設け、例えば手動で前記レール51,55に沿って車輪52,56上に枠体を走行させてベルトコンベア40を旋回体10や走行体20から離間する方向へ移動させたり(図4及び図5中の二点鎖線)、該ベルトコンベア40を原位置(図4及び図5中の実線)へと戻すことができるよう構成している。また、油圧駆動によってベルトコンベア40を走行体20の幅方向(左右方向)に変位させるように構成してもよい。
【0063】
したがって、バックホー1直近の駆動部13前方を掘削する場合には、前記ベルトコンベア40を旋回体10の旋回中心から離間する方向へと移動して掘削作業範囲を広くしたり、運搬車への土砂の積載位置を変更して土砂の偏在を緩和することができるほか、バックホー1の移動や移送を行う際には該ベルトコンベア40を原位置へと戻して幅方向にベルトコンベア40が突出していない状態とし、周囲の障害物との接触を好適に防止することができる。
【0064】
〔動作〕
本発明のバックホー1により掘削作業を行なう場合の動作について説明する。
【0065】
まず、バックホー1をトラック等の運搬車を用いて格納庫から作業現場へと移送し、掘削作業現場において走行体20を操作して該バックホー1を所定位置へと移動させる。前記移送や移動の際には、該バックホー1のブレード25を上昇させて前記ベルトコンベア40の前端40aを上昇させると共に後端40bを下降させた状態(図1における二点鎖線)とする。この場合、前記ベルトコンベア40は傾斜角度が小さく水平に近い状態となっていることから、バックホー1の周囲、特に下方及び上方に障害物を有する場合であっても該障害物等と接触するのを防止してバックホー1を好適に移送、移動することができる。
【0066】
掘削作業現場への移動後は、ブレード25を下降して前記ベルトコンベア40の前端40aを下降させると共に該ベルトコンベア40の後端40bを上昇させて、ベルトコンベア40が所定の傾斜角度となるように調整する(図1における実線)。バックホー1の後方には掘削した土砂を運搬するためのトラック等の運搬車を配置し、前記ベルトコンベア40の後端下方に該運搬車の荷台が配置されるようにする。このようにベルトコンベア40の傾斜角度を調整することにより、バケット30からの土砂の載置や後方の運搬車への土砂の積載に適した位置へベルトコンベアの前端及び後端を配置することができ、掘削作業を容易化することができる。
【0067】
次に、前記バックホー1の掘削作業手段15を操作し、バケット30により土砂を掘削する。前記バケット30の位置は、アーム33及びロアブーム39を上下方向に回動すると共に、アッパーブーム36を左右方向に回動することで、細かく決定することができる。このようにしてバケット30を位置決めした後、該バケット30を回動して旋回体10側へ掻き寄せ、土砂を掘削し、該バケット30を持ち上げて土砂を掬い上げる。
【0068】
その後バケット30をベルトコンベア前端40aのホッパー41の上方へと移動し、バケット30を先程とは反対方向へと回動して、バケット30内部の土砂を前記ホッパー41へと投入する。ホッパー41へ投入された土砂はベルトコンベア40により後方へと搬送され、ベルトコンベア後端40bから運搬車へと積載される。なお、ホッパー41は比較的幅広に形成されていることから、バケット30をベルトコンベア40の真上まで移動させずとも、ホッパー41の投入可能位置まで移動させればベルトコンベア40に土砂を載置することができる。
【0069】
目前の掘削作業が終了して掘削箇所を左右へと変更する場合には、旋回体10を旋回させて掘削作業手段15の向きを変更したり、走行体20により走行してバックホー1の位置を変更してもよいが、掘削作業手段15に左右方向への移動が可能な前記アッパーブーム36を備えたオフセットブームを用いていることから、該アッパーブーム36の変位によってバケット30を掘削に好適な位置へと移動することができる(図4及び図5における二点鎖線)。
【0070】
また、ベルトコンベア40を前記スライド機構50により旋回体10の旋回中心から離間するように走行体20の幅方向(図5において左方向)へ移動させると、バックホー1の運転席12前方のみならず駆動部13前方を掘削でき、掘削作業範囲を広くすることができる。また、ベルトコンベア40を旋回体10の旋回半径の外側まで移動させると、旋回体10を旋回しても該旋回体がベルトコンベア40に干渉せず、アッパーブーム36を左右方向へ変位させなくても掬い上げた土砂を旋回体10の旋回でバケット30をベルトコンベア40の上方へ移動して載置することが可能である。さらに、本実施形態のオフセットブームをアッパーブーム36とロアブーム39が一体的に構成するブームに代えても、旋回体10を旋回することによりバケット30をベルトコンベア40の上方へ移動して土砂を該ベルトコンベアへ載置することができる。ベルトコンベア40は走行体20と連結し旋回体10と分離していることから、旋回体10を旋回してもベルトコンベア40は旋回せず、該ベルトコンベアの後端40bが塀や立木などへ接触することがない。
【0071】
さらに、前記ブレード25を上下動してベルトコンベア40の傾斜角度を大きく又は小さくするよう調整すると、該ベルトコンベア40は前後方向へも変位することから、ベルトコンベア後端40bの前後方向の位置を変更することにより、前記運搬車の荷台において土砂が積載される部分を変更することができ、土砂の偏在を緩和することができる。また、前記運搬車における土砂の偏在防止は、前記スライド機構50によりベルトコンベア40を左右方向に変位させることによっても行うことができる。
【0072】
掘削作業終了後は、前記スライド機構50を用いてベルトコンベア40を原位置(実施形態にあっては旋回体10の駆動部13上方、図4及び図5の実線)へと戻すほか、前記ブレード25を上昇させて、前記ベルトコンベア40を支持する前方連結杆42と共にベルトコンベア40の前端40aを上昇させ、ベルトコンベア40の後端40bを後方連結杆46と共に回動させて下降させ、該ベルトコンベア40の傾斜角度を小さくして水平状態に近い状態とし、走行体20による移動や運搬車を用いた格納庫への移送を好適に行えるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明のバックホー1の一実施形態を示す側面図。
【図2】本発明のバックホー1の別の実施形態を示す側面図。
【図3】本発明のバックホー1のさらに別の実施形態を示す側面図。
【図4】図3に示す実施形態の平面図。
【図5】図3に示す実施形態の正面図。
【符号の説明】
【0074】
1 バックホー
10 旋回体
11 基台
12 運転室
13 駆動部
14 垂直軸
15 掘削作業手段
16 オフセットシリンダ
17 オフセットリンク
18 オフセットブラケット
19 垂直軸
20 走行体(クローラ)
21 フレーム
22 起動輪
23 遊動輪
24 クローラベルト
25 ブレード
27 突出部材
30 バケット
31 バケットシリンダ
32 水平軸(バケット・アーム間の)
33 アーム
34 アームシリンダ
35 水平軸(アーム・アッパーブーム間の)
36 アッパーブーム
37 ブームシリンダ
38 垂直軸(アッパーブーム・ロアブーム間の)
39 ロアブーム
40 搬送手段(ベルトコンベア)
41 ホッパー
42 前方連結杆
43 前方支持ブラケット(ベルトコンベアと前方連結杆間の)
44 前方支持ブラケット(ブレードと前方連結杆間の)
46 後方連結杆
47 後方支持ブラケット(ベルトコンベアと後方連結杆間の)
48 後方支持ブラケット(突出部材と後方連結杆間の)
49 補強
50 スライド機構
51 レール(一方の)
52 車輪(一方の)
53 枠体(一方の)
55 レール(後方の)
56 車輪(後方の)
57 枠体(後方の)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行体と、該走行体の上方に設けられ、土砂を掘削する掘削作業手段を有する旋回体と、前記走行体の走行方向前方に設けられ、上下方向へ揺動するブレードとを備えたバックホーにおいて、
前記走行体の上方に、前記走行体の走行方向を長さ方向とする搬送手段を設け、
前記搬送手段の一方を、前記ブレードに回動自在に連結すると共に、前記搬送手段の他方を、前記走行体の走行方向後部に回動自在に連結して、前記ブレードの上下動により前記搬送手段を揺動自在に構成したことを特徴とするバックホー。
【請求項2】
前記搬送手段の他方と前記走行体の走行方向後部とを連結杆を介して連結し、該連結杆の上端と前記搬送手段の他方を、下端と前記走行体の走行方向後部を、それぞれ回動自在に連結したことを特徴とする請求項1記載のバックホー。
【請求項3】
前記連結杆が、前記ブレードを下降させた状態において、上端が下端よりも前記走行体の走行方向後方に位置する傾斜状態で取付けられていることを特徴とする請求項2記載のバックホー。
【請求項4】
前記搬送手段の一方と前記ブレードとの連結が2本の連結杆を介して行なわれ、該連結杆の一端を,前記ブレードに設けられた支持ブラケットと回動自在に連結し、他端を搬送手段の長さ方向に所定間隔を介してそれぞれ前記搬送手段の一方に設けられた支持ブラケットと連結したことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載のバックホー。
【請求項5】
前記搬送手段を前記旋回体の駆動部の上方に配置したことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載のバックホー。
【請求項6】
前記搬送手段を前記旋回体の旋回中心に対して離間ないしは近接するよう前記走行体の幅方向に変位させるスライド機構を備えることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載のバックホー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−200268(P2006−200268A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−14770(P2005−14770)
【出願日】平成17年1月21日(2005.1.21)
【出願人】(000241795)北越工業株式会社 (86)
【出願人】(504161434)株式会社機電サービス (1)