搬送機構
【課題】球状の物品収納体が収納庫から排出されて目的位置まで移動路を転動している状態を視覚的に楽しむ搬送機構を提供する。
【解決手段】搬送機構2は、物品収納体を受け止めて移動路21の輪郭を構成する少なくとも4本の弾性変形可能な線状体3と、物品収納体が通過可能な開口を有し、線状体3の長さ方向に配列されて線状体3を移動路21の輪郭を構成するように支持する複数のリング部材4とを備える。リング部材4には、内周面に線状体3が挿通されるC字状の切欠溝により構成される複数の切欠溝41がリング部材4の下端部に対して左右対象に形成される。隣接する切欠溝41の周方向の間隔は物品収納体の直径よりも狭くなっている。切欠溝41に線状体3を挿通させた時に線状体3が切欠溝41から抜けることなく、リング部材4の内周面より突出した状態となって、線状体3のみで物品収納体を支持する。
【解決手段】搬送機構2は、物品収納体を受け止めて移動路21の輪郭を構成する少なくとも4本の弾性変形可能な線状体3と、物品収納体が通過可能な開口を有し、線状体3の長さ方向に配列されて線状体3を移動路21の輪郭を構成するように支持する複数のリング部材4とを備える。リング部材4には、内周面に線状体3が挿通されるC字状の切欠溝により構成される複数の切欠溝41がリング部材4の下端部に対して左右対象に形成される。隣接する切欠溝41の周方向の間隔は物品収納体の直径よりも狭くなっている。切欠溝41に線状体3を挿通させた時に線状体3が切欠溝41から抜けることなく、リング部材4の内周面より突出した状態となって、線状体3のみで物品収納体を支持する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具、景品などの物品が収納される球状の物品収納体が収納庫から排出されて目的位置まで転動する移動路を備える搬送機構に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、物品が収納される球状の物品収納体としては、ボール状のカプセル内に玩具を収納して販売されるカプセル入り商品が知られており、カプセル入り商品は自動販売機によって販売されている(特許文献1)。
また、飲食店においては、玩具などの物品がボール状のカプセル内に収納された景品をお客に提供する景品取り出し装置を各テーブルに配置させて、テーブルに着席したまま、お客にカプセルに入った景品を提供するようにした飲食店がある(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平6−7436号公報
【特許文献2】特許第3859962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、上記カプセル入り商品は自動販売機の下部に設けられた取り出し口から排出され、また、カプセルに入った景品も景品取り出し装置の下部に設けられた取り出し口から排出されるようになっている。
【0005】
カプセル入り商品やカプセルに入った景品は、お客にどのような品物であるかを期待させるために、直ぐにお客の手元に渡るよりも、カプセル入りの商品や景品が収納された収納庫からお客の手元に渡るまでの時間をかけて、お客の手元まで移動するカプセルを眺めながら待つようにすれば、お客の期待感がさらに強くなるし、視覚的にも楽しめる。
【0006】
本発明は、物品が収納される球状の物品収納体が収納庫から排出されて目的位置まで転動する移動路を備え、物品収納体が移動路を転動している状態を視覚的に楽しむことができるようにする搬送機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、物品が収納される球状の物品収納体が収納庫から排出されて目的位置まで転動する移動路を備える搬送機構であって、
物品収納体を受け止めて前記移動路の輪郭を構成する少なくとも4本の弾性変形可能な線状体と、
物品収納体が通過可能な開口を有し、前記線状体の長さ方向に配列されて前記線状体を移動路の輪郭を構成するように支持する複数のリング部材とを備え、
前記リング部材は、内周面に前記線状体が挿通されるC字状の切欠溝を複数有し、
各切欠溝は、リング部材への装着時に隣接する線状体の間隔が物品収納体の直径よりも狭くなるように形成されると共に、線状体が切欠溝から内周側に抜けないように内周面の切欠幅が線状体の直径よりも小さく形成され、かつ、線状体の一部がリング部材の内周面より突出した状態となるように形成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の搬送機構によれば、弾性変形可能な線状体を複数のリング部材により移動路の輪郭を構成するように支持することができる。しかも、切欠溝はC字状に形成されているので、線状体は、その外周面がリング部材の内周面より突出した状態で切欠溝から抜けないように切欠溝に挿通される。その結果、線状体がリング部材により確実に支持されながら、物品収納体がリング部材の内周面に接触することを阻止できる。また、各切欠溝は、リング部材への装着時に隣接する線状体の間隔が物品収納体の直径よりも狭くなるように形成されているので、物品収納体が線状体の間から抜け落ちることがない。このように、物品収納体を線状体の間から抜け落ちることなく収納庫から目的位置まで確実に、かつ、円滑に転動させることができる。
また、移動路の輪郭を構成する線状体は、弾性変形可能な部材で形成されているので、直線の移動路と曲線の移動路とが組み合わされるような所望の立体的な移動路を容易に形成できる。
さらに、移動路は、複数の線状体で構成されているので、物品収納体の移動状態を容易に把握できる。その結果、例えば、物品収納体が、景品が収納されたカプセルである場合には、景品を取得した者は、移動路を転動しているカプセルを見て楽しみながらカプセル内の景品に期待してカプセルの到着を待つことが出来る。
【0009】
また、本発明の搬送機構は、前記リング部材の外周面には、複数のLEDを配置するLEDテープが貼り付けられると共に、当該LEDテープの端部を装着するテープ保持部が形成されており、
前記テープ保持部は、リング部材の幅方向一端部から立ち上がる立ち上がり部と、この立ち上がり部から幅方向他端部に向けて屈曲する上面部とにより構成され、テープ保持部の上面部とリング部材の外周面との間の隙間にLEDテープの端部を挿入する構成とすることが好ましい。
【0010】
このような構成によれば、リング部材の外周面にLEDテープが貼り付けられているので、LEDテープのLEDを所望の色に発光させてリング部材を光らすことができ、移動路全体の外観を美しくできる。その結果、移動路を見る者を楽しませることができる。
また、LEDテープは、リング部材の外周面に形成されるテープ保持部により確実にリング部材の外周面に保持される。
【0011】
さらに、本発明の搬送機構は、
前記移動路の軌道に沿ったガイド部材を備え、
前記ガイド部材は、硬質の部材から形成される断面形状が上方に開放するコ字状の溝部を有しており、溝部内に配線用ケーブルを配置可能とし、
前記リング部材は、内周面の上部に前記ガイド部材が嵌め込まれる凹部を備え、
凹部に隣接する切欠溝は、リング部材への装着時に隣接するガイド部材と線状体との間隔が物品収納体の直径よりも狭くなる位置に形成されている構成することが好ましい。
【0012】
このような構成によれば、複数本の配線用ケーブルを移動路に組み付ける場合、複数本のケーブルは単にガイド部材の溝部内に配置させるだけで移動路に組み付けることができるので、結束バンドや結束チューブで結束させる場合に比べて現場でのケーブル取り付け作業が容易になる。
また、凹部に隣接する切欠溝は、リング部材への装着時に隣接するガイド部材と線状体との間隔が物品収納体の直径よりも狭くなる位置に形成されているので、物品収納体がガイド部材と線状体との間から抜け落ちることがない。
【0013】
さらに、リング部材にガイド部材を取り付ける場合、リング部材は、内周の上部に、凹部に嵌め込まれたガイド部材の底部を受け止める支持部材を取り付け可能とすることが好ましい。このような構成によれば、支持部材によってガイド部材をリング部材に確実に保持させることができる。しかも、ガイド部材は、硬質の部材により移動路の軌道に沿った形状に形成されるので、弾性変形可能な線状体により移動路を形成しても、ガイド部材を利用して移動路の形状を確実に固定することができる。
【0014】
本発明の搬送機構は、さらに、リング部材でガイド部材を支持する場合には、線状体の少なくとも長手方向両端部を支持する支持部材が取り付けられたリング部材を建物の天井からワイヤで吊り下げるように構成することが好ましい。
本発明の搬送機構によれば、ガイド部材が硬直にリング部材と支持部材とによって保持されるので、天井から移動路を吊り下げる際に、吊り下げ用のワイヤの本数をできるだけ少なくすることができる。
【0015】
さらに、本発明の搬送機構は、線状体をフッ素樹脂で形成することが好ましい。フッ素樹脂は摩擦係数が非常に低いので、線状体をフッ素樹脂により形成することにより、線状体をリング部材の切欠溝へ挿通させる時に、線状体の表面が損傷することなく線状体を切欠溝内で円滑に滑らせながら装着作業を行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明の搬送機構によれば、物品収納体がリング部材の内周面に接触することなく、かつ、物品収納体が線状体の間から抜け落ちることなく物品収納体を線状体のみで確実に支持して、物品収納体を収納庫から目的位置まで円滑に転動させることができる。しかも、移動路の輪郭を構成する線状体は、弾性変形可能な部材で形成されているので、直線の移動路と曲線の移動路とが組み合わされるような所望の立体的な移動路を容易に形成できる。
さらに、移動路は、複数の線状体で構成されているので、物品収納体の移動状態を容易に把握できる、例えば、物品収納体が景品が収納されたカプセルの場合には、景品を取得した者は、移動路を転動しているカプセルを見て楽しみながらカプセル内の景品に期待してカプセルの到着を待つことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態1に係る搬送機構が配置された店舗内の全体構成を示す平面図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る搬送機構の移動路の一部を示す斜視図である。
【図3】図2の移動路におけるリング部材の正面から見た断面図である。
【図4】図2の移動路に用いるリング部材の組み付け状態の斜視図である。
【図5】図4のリング部材の分解斜視図である。
【図6】図4のリング部材に組み付けられた支持部材の斜視図である。
【図7】図1における搬送機構の移動路の直線部分の構成を示す斜視図である。
【図8】図7に示す移動路の部分拡大斜視図である。
【図9】本発明の実施形態2に係る搬送機構の移動路に用いるリング部材と線状体の断面図である。
【図10】本発明の搬送機構に接続される2つの取り出し口を備える景品取り出し装置の内部構造を示す構造説明図であって、一方の取り出し口に景品入りカプセルを案内している状態を示す。
【図11】本発明の搬送機構に接続される2つの取り出し口を備える景品取り出し装置の内部構造を示す構造説明図であって、他方の取り出し口に景品入りカプセルを案内している状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施形態1)
以下に、本発明の実施形態1に係る搬送機構について、図1から図8を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る搬送機構がレストランの店舗内に配置されている状態を示す平面図である。
【0019】
レストランの店舗内には、複数のテーブル11と、各テーブル11に配置される景品取り出し装置12と、景品が入った球状のカプセル(物品収納体)10が収納される収納庫13と、景品入りカプセル10が収納庫13から排出されて各景品取り出し装置12まで転動される移動路21を備える搬送機構2とが配置されている。本実施形態1では、テーブル11は、説明の便宜上3つとしているが、3つ以上としても差し支えない。その場合、景品取り出し装置12もテーブル数に合わせて設置される。
【0020】
収納庫13は、多数の景品入りカプセル10が収納され、店舗内の上部に配置されている。搬送機構2の移動路21は、複数のコースで構成され、収納庫13から直線状に伸びた後、螺旋状に下方に向かっていくように湾曲させて、各景品取り出し装置12に接続されている。本実施形態1では、搬送機構2は、テーブル11の数に合わせて3コースの移動路21を備えている。
【0021】
本実施形態1に係るレストランでは、各テーブル席の客に景品をプレゼントするシステムを採用しており、任意のテーブル客に景品が当たった場合には、収納庫13から景品入りカプセル10が当選者のテーブル11の景品取り出し装置12に送られて、当選者は、景品取り出し装置12から景品入りカプセル10を受け取ることができるようになっている。
【0022】
収納庫13は、各テーブル11に配置される景品取り出し装置12よりも高い位置に配置されており、収納庫13から排出される景品入りカプセル10は、収納庫13と景品取り出し装置12との間の高低差に基づいて下方に向けて傾斜させている移動路21を転動して景品取り出し装置12に到達するようになっている。従って、移動路21は、景品入りカプセル10が転動し易く、移動路21から外れて落ちない構造としている。また、移動路21は、例えば、2°程度の緩い傾斜としており、景品入りカプセル10がゆっくりと転がっていくようになっている。
【0023】
本実施形態1に係る搬送機構2の移動路21は、図2及び図3に示すように、景品入りカプセル10を受け止め、移動路21の輪郭を構成する4本の弾性変形可能な樹脂製の線状体3と、景品入りカプセル10が通過可能な開口を有し、線状体3を移動路21の輪郭を構成するように支持する複数のリング部材4と、リング部材4の外周面に配置され、複数のLED52が長手方向に間隔を空けて配置されたLEDテープ5と、LEDテープ5のLED52に電気を供給するための配線用ケーブル(図示せず)が配置され、移動路21の軌道に沿ったガイド部材6と、リング部材4に固定されてガイド部材6の底部を受け止める支持部材7とを備える。
【0024】
線状体3は、フッ素樹脂などの弾性変形可能で摩擦係数の小さい合成樹脂で形成されている。フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)などが挙げられる。
【0025】
線状体3は、所望の移動路21の形状に変形させやすくするために、直径5φ〜10φのものを使用する。線状体3は、図3に示すようにパイプ状のチューブを使用している。線状体31をチューブとすることにより、軽量化が図れる。本実施形態1では、4本の線状体3を使用し、景品入りカプセル10の下半分をこれら4本の線状体3で受け止める構成となっている。
【0026】
リング部材4は、図1及び図7に示すように、複数のリング部材4が線状体3の長さ方向に沿って配列されて、図2、図7及び図8に示すように、4本の線状体3を移動路21の輪郭を管状に構成するように支持する。
【0027】
リング部材4は、硬質の合成樹脂で形成され、図3〜図5に示すように、所定の厚みを有し、景品入りカプセル10が通過可能な大きさの開口を有するリング状に形成されている。リング部材は、図7及び図8に示すように、一つのリング部材4により4本の線状体3を支持する場合と、支持部材7により2つのリング部材4を組み付けて4本の線状体3を支持する場合とがある。
【0028】
さらに、リング部材4は、内周面に線状体3が挿通される4つのC字状の切欠溝41が形成されている。各切欠溝41は、リング部材4への装着時に隣接する線状体3の間隔が景品入りカプセル10のカプセルの直径よりも狭くなるようにリング部材4の下部に対して左右対象に分けて形成されている。
【0029】
切欠溝41は、図3に示すように、この切欠溝41に線状体3を挿通させた時に線状体3が切欠溝41から内周面側に抜けないように内周面の切欠幅が線状体3の直径よりも小さく形成され、かつ、線状体3の一部がリング部材4の内周面より突出した状態となるように形成されている。従って、線状体3を切欠溝41に取り付ける場合には、リング部材4の平面側から軸方向に線状体3を切欠溝41内に挿通させる。
【0030】
このように、本実施形態1の搬送機構2では、移動路21を弾性変形可能な4本の線状体3で形成しても、これら線状体3を複数のリング部材4により移動路21の輪郭を構成するように支持することができる。従って、弾性変形可能な線状体3により、直線の移動路21と曲線の移動路21とが組み合わされるような所望の立体的な移動路21を容易に形成できる。さらに、移動路21は、4本の線状体3で構成されているので、景品入りカプセル10の移動状態を容易に把握でき、景品が当選した者は、移動路21を転動している景品入りカプセル10を見て楽しみながら景品の中身を期待して景品入りカプセル10の到着を待つことができる。
【0031】
さらに、線状体3は、その外周面がリング部材4の内周面より突出した状態で切欠溝41から抜けないように切欠溝41に挿通され、隣接する線状体3の間隔が景品入りカプセル10のカプセルの直径よりも狭くなっているので、線状体3がリング部材4により確実に支持され、かつ、景品入りカプセル10がリング部材4の内周面に接触することを阻止できる。しかも、景品入りカプセル10は、線状体3の間から抜け落ちることなく線状体3で確実に支持されて、移動路21が2°程度の緩やかな傾斜であっても、収納庫13から景品取り出し装置12まで円滑に転動させることができる。
【0032】
また、リング部材4は、図5に詳記するように、内周面における上部に、長尺なガイド部材6が長手方向にスライド可能に嵌め込まれる凹部42が形成され、外周面における上部には、凹部42の周方向外方に、LEDテープ5の端部が装着される1対のテープ保持部43が形成されている。
【0033】
LEDテープ5は、図2に示すように、透明合成樹脂で形成されたテープ部51と、このテープ部51に長手方向に間隔を空けて配置される複数のLED52と、テープ部51の長手方向一端部に形成される複数の端子53とを備える。LEDテープ5は、リング部材4の外周面に貼り付けられ、リング部材4の上部において形成されるテープ保持部43により、LEDテープ5の端部が保持される。
【0034】
リング部材4の外周面の上部に形成される1対のテープ保持部43は、図5に示すように、リング部材4の幅方向一端部から立ち上がる立ち上がり部43aと、この立ち上がり部43aから幅方向他端部に向けて屈曲する上面部43bとにより構成される。テープ保持部43の上面部43bとリング部材4の外周面との間の隙間の大きさはLEDテープ5の厚みよりやや大きくなっている。このテープ保持部43の上面部43bとリング部材4の外周面との間にLEDテープ5の端部を配置させることにより、リング部材4の外周面にLEDテープ5が貼り付けられた状態で、このLEDテープ5がリング部材4から剥がれ落ちるのを防止できる。
【0035】
このように、リング部材4の外周面に、LEDテープ5を粘着材を用いて貼り付けることにより、LEDテープ5のLED52を所望の色に発光させてリング部材4を光らすことができるので、移動路21全体の外観を美しくできる。その結果、移動路21を見る者を楽しませることができる。
【0036】
また、LEDテープ5は、移動路21のコースごとに発光色を変えるようにリング部材4に取り付けるようにしてもよいし、移動路21のコースに沿ってランダムに光るように取り付けるようにしてもよい。
【0037】
LEDテープ5のLED52に電気を供給するための配線用ケーブル(図示せず)が配置されるガイド部材6は、ステンレスなどの金属で形成される複数本のレール61を移動路21を形成するように長手方向に配置することにより構成される。
【0038】
ガイド部材6を構成するレール61は、図2及び図3に示すように、上方に開放する溝部62が形成されるように断面形状がコ字状となるように形成されている。この溝部62内にLEDテープ5のLED52に電気を供給するための配線用ケーブル(図示せず)が配置される。レール61は、ケーブルが溝部62に収納された状態で、溝部62の上方開放部の一部がリング部材4で覆われるように、リング部材4に形成する凹部42内に配置される。このように、レール61の溝部62に複数本のケーブルを収納させることにより、複数本のケーブルを結束バンドや結束チューブで結束させる場合に比べて現場でのケーブル取り付け作業が容易になる。
【0039】
また、図2〜図4に示すように、2つのリング部材4を組み付ける場合には、リング部材4の内周の上部に、凹部42に嵌め込まれたガイド部材6の底部を受け止める支持部材7が取り付けられる。この支持部材7は、図2、図4及び図5に示すように、2つの同一形状のリング部材4を対向配置させて組み付けた状態で、これら2つのリング部材4に固定される。この支持部材7により、2つのリング部材4を結合状態にできる。
【0040】
支持部材7は、図6に示すように、ガイド部材6の底部を受け止める支持面71と、この支持面71から上方に立ち上がる2対の固定片72を備える。2対の固定片72は、重ね合わされた2つのリング部材4の厚み分だけ離れた位置に平面部が対向するように突設されると共に、固定片72の対向する側面部の距離がガイド部材6の幅だけ離れた位置になるように突設されている。
【0041】
支持部材7は、図2及び図5に示すように、2つのリング部材4をテープ保持部43の対向する立ち上がり部43aがそれぞれ外側に位置するように重ね合わせた状態で、凹部42を塞ぐようにして、支持部材7の固定片72により2つのリング部材4を挟み込み、リング部材4に形成されるボルト挿通孔44及び各固定片72に形成されるボルト挿通孔73に図示しないボルトを挿通させる。そして、図示しないナットで締め付けてリング部材4に支持部材7を固定する。また、2つのリング部材4を組み付ける場合、図8に示すように、立ち上がり部43aが幅方向の同じ側に位置するように配置させて組み付けるようにしてもよい。
【0042】
さらに、ガイド部材6は、金属などの硬質部材で形成しているので、線状体3が柔軟性を有していても、移動路21の軌道を固定することができる。即ち、直線の移動路21を構成する場合には、直線のレール61を用い、螺旋状の移動路21を構成する場合には、湾曲したレール61を用い、これらレール61を線状体3と共にリング部材4で支持することにより、複数のレール61を長手方向にほぼ連結した状態にできる。各レール61を接続する場合には、レール61の対向する端部を組み付けられた1対のリング部材4で保持することにより、レール61を接続することができる。
【0043】
また、凹部42に隣接する切欠溝41は、図3に示すように、リング部材4への装着時に隣接するガイド部材6と線状体3との間隔が景品入りカプセル10のカプセルの直径よりも狭くなる位置に形成される。ガイド部材6と線状体3との間の距離、及び、隣接する線状体3間の距離が景品入りカプセル10のカプセルの直径よりも狭くなるので、リング部材4で支持された状態の4本の線状体3及びガイド部材6により景品入りカプセル10の外周囲を確実に保持できる管状の移動路21が形成される。その結果、線状体3及びガイド部材6の間から景品入りカプセル10が落ちるのを阻止して、確実に景品入りカプセル10を収納庫13から景品取り出し装置12まで移動させることができる。
【0044】
さらに、2つのリング部材4は、テープ保持部43の対向する立ち上がり部43aがそれぞれ外側に位置するように重ね合わされるので、対向配置されるテープ保持部43の立ち上がり部43a及び上面部43bにより閉鎖空間が形成される。この閉鎖空間により、テープ保持部43で保持されるLEDテープ5の端部が確実にリング部材4に保持され、LEDテープ5がリング部材4の外周面から剥がれるのを阻止できる。なお、本実施形態1では、一方のリング部材4の外周面にのみLEDテープ5を取り付けたが双方のリング部材4の外周面にLEDテープ5を取り付けることもできる。
【0045】
本実施形態1では、リング部材4に支持部材7を取り付けた後で、凹部42と支持部材7の支持面71とにより囲まれた孔にガイド部材6を挿通させることもできるし、凹部42にガイド部材6を配置させた状態で、リング部材4に支持部材7を取り付けることもできる。
【0046】
また、本実施形態1では、図7に示すように、リング部材4は、線状体3の長手方向の複数箇所に配置されるが、ガイド部材6を構成する各レール61に対しては、支持部材7が固定されたリング部材4を少なくとも長手方向両端部に配置されていればよい。本実施形態1では、図7に示すように、支持部材7で固定された2つのリング部材4によりレール61の両端部を支持し、支持部材7が固定されていない単独リング部材4でレール61の中間部を支持している。しかし、確実にガイド部材6及び線状体3を支持するためには、各レール61に対して、支持部材7が固定されたリング部材4をレール61の長さや形状に応じて3つ以上配置させることが好ましい。支持部材7が固定されていないリング部材4は、ガイド部材6の横ズレを防止する。
【0047】
さらに、線状体3、ガイド部材6及びリング部材4で構成される移動路21は、店舗内の上部に配置させることが好ましいので、この場合、移動路21を店舗の天井から吊り下げて支持する必要がある。移動路21を天井から吊り下げるために、図5に示すように、リング部材4の上部に吊り下げ用の金属ワイヤ22を挿通させるためのワイヤ挿通孔45が形成され、図7及び図8に示すように、2つのリング部材4が組み付けられているもの対してワイヤ22が取り付けられる。
【0048】
本実施形態1では、移動路21は、金属で形成されるガイド部材6、このガイド部材6を支持するリング部材4及び支持部材7により収納庫13から景品取り出し装置12まで移動路21の軌道を確実に固定することができるので、移動路21における少なくとも長手方向の離れた2箇所、例えば、収納庫13の近くと、景品取り出し装置12の近くとで線状体3を支持するリング部材4を天井から金属ワイヤで吊り下げても、移動路21を所定の軌道で支持することが可能となる。このように、ガイド部材6が硬直にリング部材4により保持されるので、移動路21を形成するために柔軟な線状体3を用いていても、天井から移動路21を吊り下げる際に、吊り下げ用の金属ワイヤの本数をできるだけ少なくすることができる。
【0049】
以上のように、本実施形態1によれば、客は、表示装置のタッチ画面でゲームを楽しんだ後に、景品を取得して楽しむこともでき、この景品を取得した際に、景品入りカプセル10が収納庫13から景品取り出し装置12まで移動路21を転動しながら移動する様子を見ることができるので、景品を獲得するまでの期待感が増し、しかも、リング部材4に取り付けたLEDテープ5のLED52の発光も視覚的に楽しむことができる。
【0050】
(実施形態2)
実施形態1では、線状体3はチューブを使用したが、図9に示すように線状体31に中実のものを使用してもよい。
【0051】
さらに、図9に示すように、リング部材4は、その内周面の円弧面を、切欠溝41間の円弧面の曲率を上部の円弧面の曲率より大きくして凹ませることもできる。このようにリング部材4の下部の円弧面の曲率を大きくすることにより、リング部材4内を通過する景品入りカプセル10を確実にリング部材4の内周面に接触しないようにすることができる。特に、景品入りカプセル10の径に比べてリンク部材4の内径をかなり大きくする場合には、下部の円弧面の曲率を大きくして凹ませることにより、景品入りカプセル10のリング部材4の内周面への接触を確実に阻止することができる。
【0052】
また、実施形態2のリング部材4は、各切欠溝41に連通するネジ挿通46がリング部材4の外周面に形成されている。このネジ挿通孔46に切欠溝41に装着された線状体3を内周面に押さえ付けるようにねじを押込むことにより、切欠溝41に装着された線状体3を確実にリング部材4の内周面から突出させることができる。その結果、景品入りカプセル10がリング部材4の内周面に接触することを確実に阻止することができる。
【0053】
(その他)
さらに、実施形態1に係る景品取り出し装置は、1箇所から景品を排出する構成としたが、景品取り出し装置を挟むように2つのテーブルを配置させて、それぞれのテーブルに景品を排出できるように、1つの景品取り出し装置に2つ取り出し口を設けるようにしてもよい。この場合、景品取り出し装置内に、図10及び図11に示すように、2つの取り出し口への切り替え手段83を設ける。
【0054】
切り替え手段83を備える景品取り出し装置は、内部に景品入りカプセル10を一方の取り出し口に案内する第1ガイド81と他方の取り出し口に案内する第2ガイド82とを備える。そして、切り替え手段83は、アクチュエータ83aと、リンク部材83bと、カプセル受け部83cとを備える。このカプセル受け部83cは、景品入りカプセル10を受け止める支持面を有し、支持面の裏側が軸83dにより景品取り出し装置内に揺動可能に支持される。さらに、この支持面の裏側には、リンク部材83bの一端部が揺動可能に支持され、リンク部材83bの長手方向の途中部分が軸83eにより景品取り出し装置内に揺動可能に支持される。また、リンク部材83bの他端部は、アクチュエータ83aの軸に揺動可能に支持されている。アクチュエータ83aを動作させることにより、リンク部材83bを介してカプセル受け部83cの支持面が第1ガイド81側と第2ガイド82側とに切り替わり、景品取り出し装置内に取り込まれた景品入りカプセル10が一方の取り出し口、又は、他方の取り出し口に排出される。
【0055】
さらに、本発明に係る搬送機構は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の設計変更を施すことが可能である。
本実施形態1では、4本の線状体3を使用したが、線状体3は、4本以上でもよい。
本実施形態では、物品が収納される球状の物品収納体は、景品入りカプセルとしたが、自動販売機で販売されるカプセル入り商品に対しても適用できる。この場合、カプセル入り商品が収納される収納庫から本発明の移動路を有する搬送機構を介して販売機の取り出し口へとカプセル入り商品を移動させる。
また、本発明の搬送機構は、飲食店に配置されるだけでなく、ゲームセンターや、その他の娯楽施設にも適用することができる。
【符号の説明】
【0056】
2 搬送機構
3 線状体
4 リング部材
5 LEDテープ
6 ガイド部材
7 支持部材
10 景品入りカプセル
11 テーブル
12 景品取り出し装置
13 収納庫
21 移動路
41 切欠溝
42 凹部
43 テープ保持部
43a 立ち上がり部
43b 上面部
52 LED
61 レール部材
62 溝部
【技術分野】
【0001】
本発明は、玩具、景品などの物品が収納される球状の物品収納体が収納庫から排出されて目的位置まで転動する移動路を備える搬送機構に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、物品が収納される球状の物品収納体としては、ボール状のカプセル内に玩具を収納して販売されるカプセル入り商品が知られており、カプセル入り商品は自動販売機によって販売されている(特許文献1)。
また、飲食店においては、玩具などの物品がボール状のカプセル内に収納された景品をお客に提供する景品取り出し装置を各テーブルに配置させて、テーブルに着席したまま、お客にカプセルに入った景品を提供するようにした飲食店がある(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平6−7436号公報
【特許文献2】特許第3859962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、上記カプセル入り商品は自動販売機の下部に設けられた取り出し口から排出され、また、カプセルに入った景品も景品取り出し装置の下部に設けられた取り出し口から排出されるようになっている。
【0005】
カプセル入り商品やカプセルに入った景品は、お客にどのような品物であるかを期待させるために、直ぐにお客の手元に渡るよりも、カプセル入りの商品や景品が収納された収納庫からお客の手元に渡るまでの時間をかけて、お客の手元まで移動するカプセルを眺めながら待つようにすれば、お客の期待感がさらに強くなるし、視覚的にも楽しめる。
【0006】
本発明は、物品が収納される球状の物品収納体が収納庫から排出されて目的位置まで転動する移動路を備え、物品収納体が移動路を転動している状態を視覚的に楽しむことができるようにする搬送機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、物品が収納される球状の物品収納体が収納庫から排出されて目的位置まで転動する移動路を備える搬送機構であって、
物品収納体を受け止めて前記移動路の輪郭を構成する少なくとも4本の弾性変形可能な線状体と、
物品収納体が通過可能な開口を有し、前記線状体の長さ方向に配列されて前記線状体を移動路の輪郭を構成するように支持する複数のリング部材とを備え、
前記リング部材は、内周面に前記線状体が挿通されるC字状の切欠溝を複数有し、
各切欠溝は、リング部材への装着時に隣接する線状体の間隔が物品収納体の直径よりも狭くなるように形成されると共に、線状体が切欠溝から内周側に抜けないように内周面の切欠幅が線状体の直径よりも小さく形成され、かつ、線状体の一部がリング部材の内周面より突出した状態となるように形成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の搬送機構によれば、弾性変形可能な線状体を複数のリング部材により移動路の輪郭を構成するように支持することができる。しかも、切欠溝はC字状に形成されているので、線状体は、その外周面がリング部材の内周面より突出した状態で切欠溝から抜けないように切欠溝に挿通される。その結果、線状体がリング部材により確実に支持されながら、物品収納体がリング部材の内周面に接触することを阻止できる。また、各切欠溝は、リング部材への装着時に隣接する線状体の間隔が物品収納体の直径よりも狭くなるように形成されているので、物品収納体が線状体の間から抜け落ちることがない。このように、物品収納体を線状体の間から抜け落ちることなく収納庫から目的位置まで確実に、かつ、円滑に転動させることができる。
また、移動路の輪郭を構成する線状体は、弾性変形可能な部材で形成されているので、直線の移動路と曲線の移動路とが組み合わされるような所望の立体的な移動路を容易に形成できる。
さらに、移動路は、複数の線状体で構成されているので、物品収納体の移動状態を容易に把握できる。その結果、例えば、物品収納体が、景品が収納されたカプセルである場合には、景品を取得した者は、移動路を転動しているカプセルを見て楽しみながらカプセル内の景品に期待してカプセルの到着を待つことが出来る。
【0009】
また、本発明の搬送機構は、前記リング部材の外周面には、複数のLEDを配置するLEDテープが貼り付けられると共に、当該LEDテープの端部を装着するテープ保持部が形成されており、
前記テープ保持部は、リング部材の幅方向一端部から立ち上がる立ち上がり部と、この立ち上がり部から幅方向他端部に向けて屈曲する上面部とにより構成され、テープ保持部の上面部とリング部材の外周面との間の隙間にLEDテープの端部を挿入する構成とすることが好ましい。
【0010】
このような構成によれば、リング部材の外周面にLEDテープが貼り付けられているので、LEDテープのLEDを所望の色に発光させてリング部材を光らすことができ、移動路全体の外観を美しくできる。その結果、移動路を見る者を楽しませることができる。
また、LEDテープは、リング部材の外周面に形成されるテープ保持部により確実にリング部材の外周面に保持される。
【0011】
さらに、本発明の搬送機構は、
前記移動路の軌道に沿ったガイド部材を備え、
前記ガイド部材は、硬質の部材から形成される断面形状が上方に開放するコ字状の溝部を有しており、溝部内に配線用ケーブルを配置可能とし、
前記リング部材は、内周面の上部に前記ガイド部材が嵌め込まれる凹部を備え、
凹部に隣接する切欠溝は、リング部材への装着時に隣接するガイド部材と線状体との間隔が物品収納体の直径よりも狭くなる位置に形成されている構成することが好ましい。
【0012】
このような構成によれば、複数本の配線用ケーブルを移動路に組み付ける場合、複数本のケーブルは単にガイド部材の溝部内に配置させるだけで移動路に組み付けることができるので、結束バンドや結束チューブで結束させる場合に比べて現場でのケーブル取り付け作業が容易になる。
また、凹部に隣接する切欠溝は、リング部材への装着時に隣接するガイド部材と線状体との間隔が物品収納体の直径よりも狭くなる位置に形成されているので、物品収納体がガイド部材と線状体との間から抜け落ちることがない。
【0013】
さらに、リング部材にガイド部材を取り付ける場合、リング部材は、内周の上部に、凹部に嵌め込まれたガイド部材の底部を受け止める支持部材を取り付け可能とすることが好ましい。このような構成によれば、支持部材によってガイド部材をリング部材に確実に保持させることができる。しかも、ガイド部材は、硬質の部材により移動路の軌道に沿った形状に形成されるので、弾性変形可能な線状体により移動路を形成しても、ガイド部材を利用して移動路の形状を確実に固定することができる。
【0014】
本発明の搬送機構は、さらに、リング部材でガイド部材を支持する場合には、線状体の少なくとも長手方向両端部を支持する支持部材が取り付けられたリング部材を建物の天井からワイヤで吊り下げるように構成することが好ましい。
本発明の搬送機構によれば、ガイド部材が硬直にリング部材と支持部材とによって保持されるので、天井から移動路を吊り下げる際に、吊り下げ用のワイヤの本数をできるだけ少なくすることができる。
【0015】
さらに、本発明の搬送機構は、線状体をフッ素樹脂で形成することが好ましい。フッ素樹脂は摩擦係数が非常に低いので、線状体をフッ素樹脂により形成することにより、線状体をリング部材の切欠溝へ挿通させる時に、線状体の表面が損傷することなく線状体を切欠溝内で円滑に滑らせながら装着作業を行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明の搬送機構によれば、物品収納体がリング部材の内周面に接触することなく、かつ、物品収納体が線状体の間から抜け落ちることなく物品収納体を線状体のみで確実に支持して、物品収納体を収納庫から目的位置まで円滑に転動させることができる。しかも、移動路の輪郭を構成する線状体は、弾性変形可能な部材で形成されているので、直線の移動路と曲線の移動路とが組み合わされるような所望の立体的な移動路を容易に形成できる。
さらに、移動路は、複数の線状体で構成されているので、物品収納体の移動状態を容易に把握できる、例えば、物品収納体が景品が収納されたカプセルの場合には、景品を取得した者は、移動路を転動しているカプセルを見て楽しみながらカプセル内の景品に期待してカプセルの到着を待つことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態1に係る搬送機構が配置された店舗内の全体構成を示す平面図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る搬送機構の移動路の一部を示す斜視図である。
【図3】図2の移動路におけるリング部材の正面から見た断面図である。
【図4】図2の移動路に用いるリング部材の組み付け状態の斜視図である。
【図5】図4のリング部材の分解斜視図である。
【図6】図4のリング部材に組み付けられた支持部材の斜視図である。
【図7】図1における搬送機構の移動路の直線部分の構成を示す斜視図である。
【図8】図7に示す移動路の部分拡大斜視図である。
【図9】本発明の実施形態2に係る搬送機構の移動路に用いるリング部材と線状体の断面図である。
【図10】本発明の搬送機構に接続される2つの取り出し口を備える景品取り出し装置の内部構造を示す構造説明図であって、一方の取り出し口に景品入りカプセルを案内している状態を示す。
【図11】本発明の搬送機構に接続される2つの取り出し口を備える景品取り出し装置の内部構造を示す構造説明図であって、他方の取り出し口に景品入りカプセルを案内している状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施形態1)
以下に、本発明の実施形態1に係る搬送機構について、図1から図8を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る搬送機構がレストランの店舗内に配置されている状態を示す平面図である。
【0019】
レストランの店舗内には、複数のテーブル11と、各テーブル11に配置される景品取り出し装置12と、景品が入った球状のカプセル(物品収納体)10が収納される収納庫13と、景品入りカプセル10が収納庫13から排出されて各景品取り出し装置12まで転動される移動路21を備える搬送機構2とが配置されている。本実施形態1では、テーブル11は、説明の便宜上3つとしているが、3つ以上としても差し支えない。その場合、景品取り出し装置12もテーブル数に合わせて設置される。
【0020】
収納庫13は、多数の景品入りカプセル10が収納され、店舗内の上部に配置されている。搬送機構2の移動路21は、複数のコースで構成され、収納庫13から直線状に伸びた後、螺旋状に下方に向かっていくように湾曲させて、各景品取り出し装置12に接続されている。本実施形態1では、搬送機構2は、テーブル11の数に合わせて3コースの移動路21を備えている。
【0021】
本実施形態1に係るレストランでは、各テーブル席の客に景品をプレゼントするシステムを採用しており、任意のテーブル客に景品が当たった場合には、収納庫13から景品入りカプセル10が当選者のテーブル11の景品取り出し装置12に送られて、当選者は、景品取り出し装置12から景品入りカプセル10を受け取ることができるようになっている。
【0022】
収納庫13は、各テーブル11に配置される景品取り出し装置12よりも高い位置に配置されており、収納庫13から排出される景品入りカプセル10は、収納庫13と景品取り出し装置12との間の高低差に基づいて下方に向けて傾斜させている移動路21を転動して景品取り出し装置12に到達するようになっている。従って、移動路21は、景品入りカプセル10が転動し易く、移動路21から外れて落ちない構造としている。また、移動路21は、例えば、2°程度の緩い傾斜としており、景品入りカプセル10がゆっくりと転がっていくようになっている。
【0023】
本実施形態1に係る搬送機構2の移動路21は、図2及び図3に示すように、景品入りカプセル10を受け止め、移動路21の輪郭を構成する4本の弾性変形可能な樹脂製の線状体3と、景品入りカプセル10が通過可能な開口を有し、線状体3を移動路21の輪郭を構成するように支持する複数のリング部材4と、リング部材4の外周面に配置され、複数のLED52が長手方向に間隔を空けて配置されたLEDテープ5と、LEDテープ5のLED52に電気を供給するための配線用ケーブル(図示せず)が配置され、移動路21の軌道に沿ったガイド部材6と、リング部材4に固定されてガイド部材6の底部を受け止める支持部材7とを備える。
【0024】
線状体3は、フッ素樹脂などの弾性変形可能で摩擦係数の小さい合成樹脂で形成されている。フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)などが挙げられる。
【0025】
線状体3は、所望の移動路21の形状に変形させやすくするために、直径5φ〜10φのものを使用する。線状体3は、図3に示すようにパイプ状のチューブを使用している。線状体31をチューブとすることにより、軽量化が図れる。本実施形態1では、4本の線状体3を使用し、景品入りカプセル10の下半分をこれら4本の線状体3で受け止める構成となっている。
【0026】
リング部材4は、図1及び図7に示すように、複数のリング部材4が線状体3の長さ方向に沿って配列されて、図2、図7及び図8に示すように、4本の線状体3を移動路21の輪郭を管状に構成するように支持する。
【0027】
リング部材4は、硬質の合成樹脂で形成され、図3〜図5に示すように、所定の厚みを有し、景品入りカプセル10が通過可能な大きさの開口を有するリング状に形成されている。リング部材は、図7及び図8に示すように、一つのリング部材4により4本の線状体3を支持する場合と、支持部材7により2つのリング部材4を組み付けて4本の線状体3を支持する場合とがある。
【0028】
さらに、リング部材4は、内周面に線状体3が挿通される4つのC字状の切欠溝41が形成されている。各切欠溝41は、リング部材4への装着時に隣接する線状体3の間隔が景品入りカプセル10のカプセルの直径よりも狭くなるようにリング部材4の下部に対して左右対象に分けて形成されている。
【0029】
切欠溝41は、図3に示すように、この切欠溝41に線状体3を挿通させた時に線状体3が切欠溝41から内周面側に抜けないように内周面の切欠幅が線状体3の直径よりも小さく形成され、かつ、線状体3の一部がリング部材4の内周面より突出した状態となるように形成されている。従って、線状体3を切欠溝41に取り付ける場合には、リング部材4の平面側から軸方向に線状体3を切欠溝41内に挿通させる。
【0030】
このように、本実施形態1の搬送機構2では、移動路21を弾性変形可能な4本の線状体3で形成しても、これら線状体3を複数のリング部材4により移動路21の輪郭を構成するように支持することができる。従って、弾性変形可能な線状体3により、直線の移動路21と曲線の移動路21とが組み合わされるような所望の立体的な移動路21を容易に形成できる。さらに、移動路21は、4本の線状体3で構成されているので、景品入りカプセル10の移動状態を容易に把握でき、景品が当選した者は、移動路21を転動している景品入りカプセル10を見て楽しみながら景品の中身を期待して景品入りカプセル10の到着を待つことができる。
【0031】
さらに、線状体3は、その外周面がリング部材4の内周面より突出した状態で切欠溝41から抜けないように切欠溝41に挿通され、隣接する線状体3の間隔が景品入りカプセル10のカプセルの直径よりも狭くなっているので、線状体3がリング部材4により確実に支持され、かつ、景品入りカプセル10がリング部材4の内周面に接触することを阻止できる。しかも、景品入りカプセル10は、線状体3の間から抜け落ちることなく線状体3で確実に支持されて、移動路21が2°程度の緩やかな傾斜であっても、収納庫13から景品取り出し装置12まで円滑に転動させることができる。
【0032】
また、リング部材4は、図5に詳記するように、内周面における上部に、長尺なガイド部材6が長手方向にスライド可能に嵌め込まれる凹部42が形成され、外周面における上部には、凹部42の周方向外方に、LEDテープ5の端部が装着される1対のテープ保持部43が形成されている。
【0033】
LEDテープ5は、図2に示すように、透明合成樹脂で形成されたテープ部51と、このテープ部51に長手方向に間隔を空けて配置される複数のLED52と、テープ部51の長手方向一端部に形成される複数の端子53とを備える。LEDテープ5は、リング部材4の外周面に貼り付けられ、リング部材4の上部において形成されるテープ保持部43により、LEDテープ5の端部が保持される。
【0034】
リング部材4の外周面の上部に形成される1対のテープ保持部43は、図5に示すように、リング部材4の幅方向一端部から立ち上がる立ち上がり部43aと、この立ち上がり部43aから幅方向他端部に向けて屈曲する上面部43bとにより構成される。テープ保持部43の上面部43bとリング部材4の外周面との間の隙間の大きさはLEDテープ5の厚みよりやや大きくなっている。このテープ保持部43の上面部43bとリング部材4の外周面との間にLEDテープ5の端部を配置させることにより、リング部材4の外周面にLEDテープ5が貼り付けられた状態で、このLEDテープ5がリング部材4から剥がれ落ちるのを防止できる。
【0035】
このように、リング部材4の外周面に、LEDテープ5を粘着材を用いて貼り付けることにより、LEDテープ5のLED52を所望の色に発光させてリング部材4を光らすことができるので、移動路21全体の外観を美しくできる。その結果、移動路21を見る者を楽しませることができる。
【0036】
また、LEDテープ5は、移動路21のコースごとに発光色を変えるようにリング部材4に取り付けるようにしてもよいし、移動路21のコースに沿ってランダムに光るように取り付けるようにしてもよい。
【0037】
LEDテープ5のLED52に電気を供給するための配線用ケーブル(図示せず)が配置されるガイド部材6は、ステンレスなどの金属で形成される複数本のレール61を移動路21を形成するように長手方向に配置することにより構成される。
【0038】
ガイド部材6を構成するレール61は、図2及び図3に示すように、上方に開放する溝部62が形成されるように断面形状がコ字状となるように形成されている。この溝部62内にLEDテープ5のLED52に電気を供給するための配線用ケーブル(図示せず)が配置される。レール61は、ケーブルが溝部62に収納された状態で、溝部62の上方開放部の一部がリング部材4で覆われるように、リング部材4に形成する凹部42内に配置される。このように、レール61の溝部62に複数本のケーブルを収納させることにより、複数本のケーブルを結束バンドや結束チューブで結束させる場合に比べて現場でのケーブル取り付け作業が容易になる。
【0039】
また、図2〜図4に示すように、2つのリング部材4を組み付ける場合には、リング部材4の内周の上部に、凹部42に嵌め込まれたガイド部材6の底部を受け止める支持部材7が取り付けられる。この支持部材7は、図2、図4及び図5に示すように、2つの同一形状のリング部材4を対向配置させて組み付けた状態で、これら2つのリング部材4に固定される。この支持部材7により、2つのリング部材4を結合状態にできる。
【0040】
支持部材7は、図6に示すように、ガイド部材6の底部を受け止める支持面71と、この支持面71から上方に立ち上がる2対の固定片72を備える。2対の固定片72は、重ね合わされた2つのリング部材4の厚み分だけ離れた位置に平面部が対向するように突設されると共に、固定片72の対向する側面部の距離がガイド部材6の幅だけ離れた位置になるように突設されている。
【0041】
支持部材7は、図2及び図5に示すように、2つのリング部材4をテープ保持部43の対向する立ち上がり部43aがそれぞれ外側に位置するように重ね合わせた状態で、凹部42を塞ぐようにして、支持部材7の固定片72により2つのリング部材4を挟み込み、リング部材4に形成されるボルト挿通孔44及び各固定片72に形成されるボルト挿通孔73に図示しないボルトを挿通させる。そして、図示しないナットで締め付けてリング部材4に支持部材7を固定する。また、2つのリング部材4を組み付ける場合、図8に示すように、立ち上がり部43aが幅方向の同じ側に位置するように配置させて組み付けるようにしてもよい。
【0042】
さらに、ガイド部材6は、金属などの硬質部材で形成しているので、線状体3が柔軟性を有していても、移動路21の軌道を固定することができる。即ち、直線の移動路21を構成する場合には、直線のレール61を用い、螺旋状の移動路21を構成する場合には、湾曲したレール61を用い、これらレール61を線状体3と共にリング部材4で支持することにより、複数のレール61を長手方向にほぼ連結した状態にできる。各レール61を接続する場合には、レール61の対向する端部を組み付けられた1対のリング部材4で保持することにより、レール61を接続することができる。
【0043】
また、凹部42に隣接する切欠溝41は、図3に示すように、リング部材4への装着時に隣接するガイド部材6と線状体3との間隔が景品入りカプセル10のカプセルの直径よりも狭くなる位置に形成される。ガイド部材6と線状体3との間の距離、及び、隣接する線状体3間の距離が景品入りカプセル10のカプセルの直径よりも狭くなるので、リング部材4で支持された状態の4本の線状体3及びガイド部材6により景品入りカプセル10の外周囲を確実に保持できる管状の移動路21が形成される。その結果、線状体3及びガイド部材6の間から景品入りカプセル10が落ちるのを阻止して、確実に景品入りカプセル10を収納庫13から景品取り出し装置12まで移動させることができる。
【0044】
さらに、2つのリング部材4は、テープ保持部43の対向する立ち上がり部43aがそれぞれ外側に位置するように重ね合わされるので、対向配置されるテープ保持部43の立ち上がり部43a及び上面部43bにより閉鎖空間が形成される。この閉鎖空間により、テープ保持部43で保持されるLEDテープ5の端部が確実にリング部材4に保持され、LEDテープ5がリング部材4の外周面から剥がれるのを阻止できる。なお、本実施形態1では、一方のリング部材4の外周面にのみLEDテープ5を取り付けたが双方のリング部材4の外周面にLEDテープ5を取り付けることもできる。
【0045】
本実施形態1では、リング部材4に支持部材7を取り付けた後で、凹部42と支持部材7の支持面71とにより囲まれた孔にガイド部材6を挿通させることもできるし、凹部42にガイド部材6を配置させた状態で、リング部材4に支持部材7を取り付けることもできる。
【0046】
また、本実施形態1では、図7に示すように、リング部材4は、線状体3の長手方向の複数箇所に配置されるが、ガイド部材6を構成する各レール61に対しては、支持部材7が固定されたリング部材4を少なくとも長手方向両端部に配置されていればよい。本実施形態1では、図7に示すように、支持部材7で固定された2つのリング部材4によりレール61の両端部を支持し、支持部材7が固定されていない単独リング部材4でレール61の中間部を支持している。しかし、確実にガイド部材6及び線状体3を支持するためには、各レール61に対して、支持部材7が固定されたリング部材4をレール61の長さや形状に応じて3つ以上配置させることが好ましい。支持部材7が固定されていないリング部材4は、ガイド部材6の横ズレを防止する。
【0047】
さらに、線状体3、ガイド部材6及びリング部材4で構成される移動路21は、店舗内の上部に配置させることが好ましいので、この場合、移動路21を店舗の天井から吊り下げて支持する必要がある。移動路21を天井から吊り下げるために、図5に示すように、リング部材4の上部に吊り下げ用の金属ワイヤ22を挿通させるためのワイヤ挿通孔45が形成され、図7及び図8に示すように、2つのリング部材4が組み付けられているもの対してワイヤ22が取り付けられる。
【0048】
本実施形態1では、移動路21は、金属で形成されるガイド部材6、このガイド部材6を支持するリング部材4及び支持部材7により収納庫13から景品取り出し装置12まで移動路21の軌道を確実に固定することができるので、移動路21における少なくとも長手方向の離れた2箇所、例えば、収納庫13の近くと、景品取り出し装置12の近くとで線状体3を支持するリング部材4を天井から金属ワイヤで吊り下げても、移動路21を所定の軌道で支持することが可能となる。このように、ガイド部材6が硬直にリング部材4により保持されるので、移動路21を形成するために柔軟な線状体3を用いていても、天井から移動路21を吊り下げる際に、吊り下げ用の金属ワイヤの本数をできるだけ少なくすることができる。
【0049】
以上のように、本実施形態1によれば、客は、表示装置のタッチ画面でゲームを楽しんだ後に、景品を取得して楽しむこともでき、この景品を取得した際に、景品入りカプセル10が収納庫13から景品取り出し装置12まで移動路21を転動しながら移動する様子を見ることができるので、景品を獲得するまでの期待感が増し、しかも、リング部材4に取り付けたLEDテープ5のLED52の発光も視覚的に楽しむことができる。
【0050】
(実施形態2)
実施形態1では、線状体3はチューブを使用したが、図9に示すように線状体31に中実のものを使用してもよい。
【0051】
さらに、図9に示すように、リング部材4は、その内周面の円弧面を、切欠溝41間の円弧面の曲率を上部の円弧面の曲率より大きくして凹ませることもできる。このようにリング部材4の下部の円弧面の曲率を大きくすることにより、リング部材4内を通過する景品入りカプセル10を確実にリング部材4の内周面に接触しないようにすることができる。特に、景品入りカプセル10の径に比べてリンク部材4の内径をかなり大きくする場合には、下部の円弧面の曲率を大きくして凹ませることにより、景品入りカプセル10のリング部材4の内周面への接触を確実に阻止することができる。
【0052】
また、実施形態2のリング部材4は、各切欠溝41に連通するネジ挿通46がリング部材4の外周面に形成されている。このネジ挿通孔46に切欠溝41に装着された線状体3を内周面に押さえ付けるようにねじを押込むことにより、切欠溝41に装着された線状体3を確実にリング部材4の内周面から突出させることができる。その結果、景品入りカプセル10がリング部材4の内周面に接触することを確実に阻止することができる。
【0053】
(その他)
さらに、実施形態1に係る景品取り出し装置は、1箇所から景品を排出する構成としたが、景品取り出し装置を挟むように2つのテーブルを配置させて、それぞれのテーブルに景品を排出できるように、1つの景品取り出し装置に2つ取り出し口を設けるようにしてもよい。この場合、景品取り出し装置内に、図10及び図11に示すように、2つの取り出し口への切り替え手段83を設ける。
【0054】
切り替え手段83を備える景品取り出し装置は、内部に景品入りカプセル10を一方の取り出し口に案内する第1ガイド81と他方の取り出し口に案内する第2ガイド82とを備える。そして、切り替え手段83は、アクチュエータ83aと、リンク部材83bと、カプセル受け部83cとを備える。このカプセル受け部83cは、景品入りカプセル10を受け止める支持面を有し、支持面の裏側が軸83dにより景品取り出し装置内に揺動可能に支持される。さらに、この支持面の裏側には、リンク部材83bの一端部が揺動可能に支持され、リンク部材83bの長手方向の途中部分が軸83eにより景品取り出し装置内に揺動可能に支持される。また、リンク部材83bの他端部は、アクチュエータ83aの軸に揺動可能に支持されている。アクチュエータ83aを動作させることにより、リンク部材83bを介してカプセル受け部83cの支持面が第1ガイド81側と第2ガイド82側とに切り替わり、景品取り出し装置内に取り込まれた景品入りカプセル10が一方の取り出し口、又は、他方の取り出し口に排出される。
【0055】
さらに、本発明に係る搬送機構は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の設計変更を施すことが可能である。
本実施形態1では、4本の線状体3を使用したが、線状体3は、4本以上でもよい。
本実施形態では、物品が収納される球状の物品収納体は、景品入りカプセルとしたが、自動販売機で販売されるカプセル入り商品に対しても適用できる。この場合、カプセル入り商品が収納される収納庫から本発明の移動路を有する搬送機構を介して販売機の取り出し口へとカプセル入り商品を移動させる。
また、本発明の搬送機構は、飲食店に配置されるだけでなく、ゲームセンターや、その他の娯楽施設にも適用することができる。
【符号の説明】
【0056】
2 搬送機構
3 線状体
4 リング部材
5 LEDテープ
6 ガイド部材
7 支持部材
10 景品入りカプセル
11 テーブル
12 景品取り出し装置
13 収納庫
21 移動路
41 切欠溝
42 凹部
43 テープ保持部
43a 立ち上がり部
43b 上面部
52 LED
61 レール部材
62 溝部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品が収納される球状の物品収納体が収納庫から排出されて目的位置まで転動する移動路を備える搬送機構であって、
物品収納体を受け止めて前記移動路の輪郭を構成する少なくとも4本の弾性変形可能な線状体と、
物品収納体が通過可能な開口を有し、前記線状体の長さ方向に配列されて前記線状体を移動路の輪郭を構成するように支持する複数のリング部材とを備え、
前記リング部材は、内周面に前記線状体が挿通されるC字状の切欠溝を複数有し、
各切欠溝は、リング部材への装着時に隣接する線状体の間隔が物品収納体の直径よりも狭くなるように形成されると共に、線状体が切欠溝から内周側に抜けないように内周面の切欠幅が線状体の直径よりも小さく形成され、かつ、線状体の一部がリング部材の内周面より突出した状態となるように形成されている搬送機構。
【請求項2】
請求項1に記載の搬送機構において、
前記リング部材の外周面には、複数のLEDを配置するLEDテープが貼り付けられると共に、当該LEDテープの端部を装着するテープ保持部が形成されており、
前記テープ保持部は、リング部材の幅方向一端部から立ち上がる立ち上がり部と、この立ち上がり部から幅方向他端部に向けて屈曲する上面部とにより構成され、テープ保持部の上面部とリング部材の外周面との間の隙間にLEDテープの端部が挿入される搬送機構。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の搬送機構において、
前記移動路の軌道に沿ったガイド部材を備え、
前記ガイド部材は、硬質の部材から形成される断面形状が上方に開放するコ字状の溝部を有しており、溝部内に配線用ケーブルを配置可能とし、
前記リング部材は、内周面の上部に前記ガイド部材が嵌め込まれる凹部を備え、
凹部に隣接する切欠溝は、リング部材への装着時に隣接するガイド部材と線状体との間隔が物品収納体の直径よりも狭くなる位置に形成されている搬送機構。
【請求項4】
請求項3に記載の搬送機構において、
前記リング部材は、内周の上部に、凹部に嵌め込まれたガイド部材の底部を受け止める支持部材を取り付け可能としている搬送機構。
【請求項5】
請求項4に記載の搬送機構において、
線状体の少なくとも長手方向両端部を支持する支持部材が取り付けられたリング部材を建物の天井からワイヤで吊り下げるように構成される搬送機構。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載の搬送機構において、
線状体がフッ素樹脂で形成されている搬送機構。
【請求項1】
物品が収納される球状の物品収納体が収納庫から排出されて目的位置まで転動する移動路を備える搬送機構であって、
物品収納体を受け止めて前記移動路の輪郭を構成する少なくとも4本の弾性変形可能な線状体と、
物品収納体が通過可能な開口を有し、前記線状体の長さ方向に配列されて前記線状体を移動路の輪郭を構成するように支持する複数のリング部材とを備え、
前記リング部材は、内周面に前記線状体が挿通されるC字状の切欠溝を複数有し、
各切欠溝は、リング部材への装着時に隣接する線状体の間隔が物品収納体の直径よりも狭くなるように形成されると共に、線状体が切欠溝から内周側に抜けないように内周面の切欠幅が線状体の直径よりも小さく形成され、かつ、線状体の一部がリング部材の内周面より突出した状態となるように形成されている搬送機構。
【請求項2】
請求項1に記載の搬送機構において、
前記リング部材の外周面には、複数のLEDを配置するLEDテープが貼り付けられると共に、当該LEDテープの端部を装着するテープ保持部が形成されており、
前記テープ保持部は、リング部材の幅方向一端部から立ち上がる立ち上がり部と、この立ち上がり部から幅方向他端部に向けて屈曲する上面部とにより構成され、テープ保持部の上面部とリング部材の外周面との間の隙間にLEDテープの端部が挿入される搬送機構。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の搬送機構において、
前記移動路の軌道に沿ったガイド部材を備え、
前記ガイド部材は、硬質の部材から形成される断面形状が上方に開放するコ字状の溝部を有しており、溝部内に配線用ケーブルを配置可能とし、
前記リング部材は、内周面の上部に前記ガイド部材が嵌め込まれる凹部を備え、
凹部に隣接する切欠溝は、リング部材への装着時に隣接するガイド部材と線状体との間隔が物品収納体の直径よりも狭くなる位置に形成されている搬送機構。
【請求項4】
請求項3に記載の搬送機構において、
前記リング部材は、内周の上部に、凹部に嵌め込まれたガイド部材の底部を受け止める支持部材を取り付け可能としている搬送機構。
【請求項5】
請求項4に記載の搬送機構において、
線状体の少なくとも長手方向両端部を支持する支持部材が取り付けられたリング部材を建物の天井からワイヤで吊り下げるように構成される搬送機構。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載の搬送機構において、
線状体がフッ素樹脂で形成されている搬送機構。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−218852(P2012−218852A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−84592(P2011−84592)
【出願日】平成23年4月6日(2011.4.6)
【出願人】(591178849)株式会社太幸 (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月6日(2011.4.6)
【出願人】(591178849)株式会社太幸 (7)
【Fターム(参考)】
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