説明

搬送用バッグ

【課題】
内容物の収納梱包作業が容易であり、再使用することができ、介護用ベッドのように非定型な複数の部品に分解されるような比較的大型の機材の収納に適している搬送用バッグを提供すること。
【解決手段】
底部7を介して連接されている第1半部2aおよび第2半部2bを展開状態と閉塞状態とを可変とした柔軟な素材からなるバッグ部2と、前記閉塞状態におけるバッグ部2の開口部3を開閉自在とするファスナ4と、前記両半部2a、2bの頂部よりそれぞれ上方に延出された搬送用索体5と、前記両半部2a、2bの少なくとも一方の表面に設けられている少なくとも1個の搬送用持ち手6とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送用バッグに係り、比較的大型の機材の搬送に好適な搬送用バッグに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電動式の介護用ベッド等の比較的大型の機材を搬送する場合には、ベッドの構成各部を分解し、ダンボール製の搬送用ケース内に収納して搬送するようにしている。必要に応じて、発泡スチロール製のクッション材を用いている。
【0003】
しかしながら、このようなダンボール製の搬送用ケース等は使い捨て方式のものであり、比較的大型の機材の搬送後に廃棄のための始末をする必要があった。
【0004】
そこで、繰り返し使用することができる運搬用カバーや梱包体等が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2002−284223号公報
【特許文献2】特開2004−175418号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、前記従来例においては、被梱包物を梱包するのに手間がかかり、また、全体形状が矩形の箱状に形成されているために、介護用ベッドのように非定型な複数の部品に分解されるような比較的大型の機材の収納には適用できないという問題点があった。更に、介護用ベッドはレンタルによって患者が利用することが多いので、組立、分解、搬送を頻繁に行うものであり、簡単に収納できかつ搬送も容易な搬送手段の開発が養成されていた。
【0007】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、内容物の収納梱包作業が容易であり、再使用することができ、介護用ベッドのように非定型な複数の部品に分解されるような比較的大型の機材の収納、搬送に適している搬送用バッグを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明の搬送用バッグは、底部を介して連接されている第1半部および第2半部を展開状態と閉塞状態とを可変とした柔軟な素材からなるバッグ部と、前記閉塞状態におけるバッグ部の開口部を開閉自在とするファスナと、前記両半部の頂部よりそれぞれ上方に延出された搬送用索体と、前記両半部の少なくとも一方の表面に設けられている少なくとも1個の搬送用持ち手とを有することを特徴とする。このようにしたことにより本発明の搬送用バッグによれば、バッグ部を展開した状態において搬送対象物をいずれかの半部に載せ、その後他方の半部を底部から折りたたむようにして搬送対象物の上に掛け、ファスナを閉めることによりバッグ部の開口部を全閉とすることにより、極めて簡単に搬送対象物の収納作業を行うことができる。搬送する場合には、搬送用索体を肩に掛け、搬送用持ち手部分を手で持つことにより簡単に搬送することができる。
【0009】
また、本発明の他の態様における搬送用バッグは、前記両半部の頂部よりそれぞれ上方に延出された搬送用索体は、前記両半部の底部を通して連続するように形成されていることを特徴とする。このようにしたことにより本発明の搬送用バッグによれば、丈夫な搬送用索体がバッグ部の底部をも支承することとなり、バッグ部が丈夫となり、重い搬送対象物も搬送することができる。
【0010】
また、本発明の他の態様における搬送用バッグは、組立分解自在な介護用ベッドを分解状態にして収納自在に形成されていることを特徴とする。このようにしたことにより本発明の搬送用バッグによれば、介護用ベッドを分解して簡単に搬送することができる。
【0011】
また、本発明の他の態様における搬送用バッグは、レンタル対象である前記介護用ベッドを収納するように形成されていることを特徴とする。このようにしたことにより本発明の搬送用バッグによれば、レンタル対象とされている介護用ベッドをレンタルの搬送時に手際よく簡単に、しかも介護用ベッドを損傷させることなく安全に搬送することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の搬送用バッグはこのように形成され作用するために、内容物の収納梱包作業が容易であり、繰り返し再使用することができ、介護用ベッドのように非定型な複数の部品に分解されるような比較的大型の機材の収納に適している等の優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を図1から図7について説明する。
【0014】
図1および図2は本発明の搬送用バッグの1実施形態を示す。
【0015】
本実施形態の搬送用バッグ1は、介護用ベッド等の搬送対象物を収納する柔軟な素材からなるバッグ部2と、バッグ2の開口3部を開閉するファスナ4と、搬送時に用いる搬送用索体5と、搬送用持ち手6とを有している。バッグ部2は底部7をもって一体的に連続している第1半部2aと第2半部2bとで形成されており、図1の閉塞状態と図2の展開状態とを可変自在として形成されている。バッグ部2の大きさは収納する搬送対象物の大きさ応じて複数種類用意するとよい。柔軟な素材としてはキャンバス地を用いるとよい。このキャンバス地は更に耐久性に優れているとともに汚れ難いという特性もある。また、キャンバス地を表素材とし、裏素材として内側に布や可撓性のクッション材を用いるとよい。ファスナ3はバッグ部2の第1半部2aおよび第2半部2bの折りたたみ時に互いに対面する外周分からなる開口部3を開閉する物であり、本実施形態においては、第1半部2aおよび第2半部2bの左右の半分ずつの外周部分を開閉する2分割されたファスナ4a、4bにより形成されている。搬送用索体5は、丈夫な帯状素材により形成されており、本実施形態においては、バッグ部2の第1半部2aおよび第2半部2bの表面側に底部7をも通して全体としてループ状に形成されており、両半部2a、2bの表面部分に縫製され、更に両半部2a、2bの頂部よりループ状に延出されている。搬送用索体5の各半部2a、2bからの延出長さは、搬送用索体5を肩に掛けて搬送する際にちょうど良い程度の長さとするとよい。搬送用持ち手6は、搬送用索体5を肩に掛けてバッグ部2を搬送する際に、手で搬送用持ち手6を把持して搬送対象物の重さを支承するためのものであり、本実施形態においては、一方の第1半部2aに搬送用索体5と同一の帯状素材をもって左右の搬送用索体5の間に掛け渡すとともに両端部をそれぞれ第1半部2aに縫製して形成されている。なお、この搬送用持ち手6はバッグ部2の第1半部2aおよび第2半部2bの少なくとも一方に少なくとも1個設ければよく、必要に応じて両半部2a、2bに複数個設けるようにしてもよい。
【0016】
図3から図7は、本実施形態の搬送用バッグ1に収容する比較的大型の機材の1例である電動式の介護用ベッドの構成各部を示している。図3は駆動部11を示しており、電動機器が装着されている。図4はアクセサリー枠部12を示し、図5はベースフレーム13を示し、図6は人が横臥するボトム部14を示し、図7はヘッドボード15とフットボード16とを示している。
【0017】
次に、本実施形態の搬送用バッグ1の作用を説明する。
【0018】
まず、図2に示すように、バッグ部2を展開した状態において搬送対象物8として図3から図7に示す電動式の介護用ベッドの構成各部(11〜16)を1個若しくは複数個を組合わせて一方の第2半部2bの内面上に載せる。なお、複数の部材を収納する場合には、適宜に仕切部材を介在させるとよい。その後、他方の第1半部2aを図2の矢印に示すように、底部7から折りたたむようにして搬送対象物8の上に掛け、両ファスナ4a、4bを閉めることによりバッグ部2の開口部3を全閉とすることにより、搬送対象物8を収納する。このように、本実施形態による搬送用バッグ1によれば極めて簡単に搬送対象物8の収納作業を行うことができる。搬送する場合には、搬送用バッグ1を図1に示すように底部7を下にして立て、その後搬送用索体5、5を肩に掛け、搬送用持ち手6を手で持つことにより、バッグ部2を肩よりつり下げるようにして搬送する。
【0019】
このように搬送対象物8を収納した状態で搬送用バッグ1を所定箇所まで搬送し、収納作業と逆の手順でバッグ部2から搬送対象物8を取り出す。
【0020】
その後、搬送用バッグ1を再使用に供する。
【0021】
このように本実施形態の搬送用バッグ1においては、バッグ部2の素材が柔軟性を有するので、介護用ベッド等のような非定型な複数の部品に分解されるような比較的大型の機材の収納に適している。また、本実施形態の搬送用バッグ1においては、搬送対象物8の収納梱包作業も、バッグ部2を展開した状態において搬送対象物8をいずれかの半部2bに載せ、その後他方の半部2aを底部7から折りたたむようにして搬送対象物8の上に掛け、ファスナ4を閉めることによりバッグ部2の開口部3を全閉とすることにより、極めて簡単に行うことができる。
【0022】
更に、本実施形態の搬送用バッグ1によれば、搬送する場合には、搬送用索体5を肩に掛け、搬送用持ち手6部分を手で持つことにより簡単に搬送することができる。更に、本実施形態の搬送用バッグ1は再使用に供することができるので、バックの素材の有効利用を図ることができるとともに、環境に取っても優しいものとなる。また、本発明における搬送用バッグ1は、バッグ部2の両半部2a、2bの頂部よりそれぞれ上方に延出された搬送用索体5を両半部2a、2bの底部7を通して連続するように形成されているので、丈夫な搬送用索体5がバッグ部2の底部7をも支承することとなり、バッグ部2が丈夫となり、重い搬送対象物も搬送することができる。また、本発明の搬送用バッグ1は、図3から図7に示す組立分解自在な介護用ベッドを分解状態にして収納できるので、介護用ベッドを分解して簡単に搬送することができる。そして、この搬送用バッグをレンタル対象とすると、当該介護用ベッドをレンタルの搬送時に手際よく簡単に、しかも介護用ベッドを損傷させることなく安全に搬送することができる。
【0023】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の搬送用バッグの1実施形態の搬送対象物を収納した状態を示す斜視図
【図2】本発明の搬送用バッグの展開状態を示す斜視図
【図3】電動式の介護用ベッドの駆動部を示す斜視図
【図4】電動式の介護用ベッドのアクセサリー枠部を示す斜視図
【図5】電動式の介護用ベッドのベースフレームを示す斜視図
【図6】電動式の介護用ベッドのボトム部を示す斜視図
【図7】電動式の介護用ベッドのボード部を示す斜視図
【符号の説明】
【0025】
1 搬送用バッグ
2 バッグ部
3 開口部
4 ファスナ
5 搬送用索体
6 搬送用持ち手
7 底部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部を介して連接されている第1半部および第2半部を展開状態と閉塞状態とを可変とした柔軟な素材からなるバッグ部と、前記閉塞状態におけるバッグ部の開口部を開閉自在とするファスナと、前記両半部の頂部よりそれぞれ上方に延出された搬送用索体と、前記両半部の少なくとも一方の表面に設けられている少なくとも1個の搬送用持ち手とを有することを特徴とする搬送用バッグ。
【請求項2】
前記両半部の頂部よりそれぞれ上方に延出された搬送用索体は、前記両半部の底部を通して連続するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の搬送用バッグ。
【請求項3】
前記搬送用バッグは、組立分解自在な介護用ベッドを分解状態にして収納自在に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の搬送用バッグ。
【請求項4】
前記搬送用バッグは、レンタル対象である前記介護用ベッドを収納するように形成されていることを特徴とする請求項3に記載の搬送用バッグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−296728(P2006−296728A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−122316(P2005−122316)
【出願日】平成17年4月20日(2005.4.20)
【出願人】(000110882)ニチモウ株式会社 (52)
【Fターム(参考)】