説明

搬送装置およびそれを備えた計量値付装置

【課題】物品を整列させて安定して搬送することができる搬送装置およびそれを備えた計量値付装置を提供する。
【解決手段】搬送装置100は、物品を搬送路の幅方向の中央へ移動させることにより矢印D1の方向に沿って整列させる略円弧状の整列部101、第1チェーン104、第2チェーン105、駆動部107および従動部106を主として備える。整列部101は、複数の第1整列片102および複数の第2整列片103を含み、一の第1整列片102と一の第2整列片103とが組み合わされて略円弧状となる。また、複数の第1整列片102および複数の第2整列片103により、断面が略円弧状の搬送路が形成される。第1整列片102および第2整列片103は例えばステンレス鋼により形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を搬送する搬送装置およびそれを備えた計量値付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
商品の製造ラインにおいては、商品の重量測定を行う計量コンベア、および商品名や重量、価格等の各種商品情報を表示したラベルを貼り付けるラベル貼付装置が組み込まれる場合がある。その場合に、商品がハム等のように転がりやすく不安定なものである場合には、搬送途中で転がったり跳ねたりするために、計量コンベアでの計量誤差が大きくなってしまう。また、ラベル貼付装置によるラベルの貼付位置にバラツキが生じる等の不具合が発生してしまう可能性がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、一対のフレームが当該両者間に隙間を形成した状態で横断面視V字状に配設されるとともに、当該一対のフレームの上面に、隙間側の側縁に揃えてベルトが掛け渡され、隙間近傍の上側部分を被搬送物の搬送路とするコンベアが開示されている。
【0004】
上記のコンベアでは、ベルトが掛け渡される一対のフレームが、搬送路と反対側から延びた支持部を介して架台に取り付けられる。このようなコンベアの構成において、被搬送物の一部が上記の隙間に嵌まり込んだ状態で搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−279034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のコンベアでは、被搬送物の一部が隙間に嵌まり込んだ状態で搬送されるので、当該被搬送物の柔軟性によっては被搬送物を圧迫する可能性がある。そのため、被搬送物の初期状態の形を維持しつつ搬送することが難しいことがある。
【0007】
本発明の目的は、物品を整列させて安定して搬送することができる搬送装置およびそれを備えた計量値付装置を提供することである。
本発明の他の目的は、物品を整列させて安定搬送し、かつ他の装置との干渉を防止することができる搬送装置およびそれを備えた計量値付装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)一の局面に従う搬送装置は、搬送路の上流から下流に向けて物品を搬送する搬送装置であって、物品の搬送方向に垂直な面で切った断面が略円弧状であり、物品を搬送路の幅方向の中央に移動させつつ下流へ搬送する整列部と、整列部を搬送方向に沿って移動させる移動部と、を含むものである。
【0009】
一の局面に従う搬送装置においては、物品の搬送方向に垂直な面で切った断面が略円弧状である整列部により、物品が搬送路の幅方向の中央に移動されつつ下流へ搬送される。整列部は移動部により搬送方向に沿って移動される。
【0010】
このように、整列部が略円弧状となっていることにより、整列部に供給された物品は、搬送路の幅方向、つまり整列部の幅方向の中央に移動される。それにより、物品が整列される。したがって、物品を整列させるために一般的に使用されるガイドが不要となる。また、整列部が略円弧状に形成されていることにより、物品が転がり易いものである場合でも安定して整列させることができるとともに、当該整列部により物品を保護できるので外力を受けにくい。
【0011】
(2)整列部は、複数の第1整列片および複数の第2整列片を含み、一の第1整列片と一の第2整列片とが、組み合わされて略円弧状となり、複数の第1整列片および複数の第2整列片により、断面が略円弧状の搬送路が形成されてもよい。
【0012】
この場合、組み合わせにより略円弧状となる第1整列片と第2整列片とがそれぞれ複数設けられることにより、物品を上記中央へ移動させて整列させるための相当長さの搬送路を形成することができる。それにより、物品を確実に整列させることができる。
【0013】
(3)移動部は、複数の第1整列片を支持しつつ移動する第1チェーンと、複数の第2整列片を支持しつつ移動する第2チェーンと、第1チェーンおよび第2チェーンをそれぞれ搬送方向に沿って移動させる駆動部とを含んでもよい。
【0014】
この場合、複数の第1整列片は第1チェーンにより支持されつつ移動し、複数の第2整列片は第2チェーンにより支持されつつ移動する。また、第1チェーンおよび第2チェーンはそれぞれ駆動部により搬送方向に移動される。
【0015】
このように、複数の第1整列片を支持した第1チェーンおよび複数の第2整列片を支持した第2チェーンがそれぞれ移動することにより、物品を搬送方向に移動させる処理を繰り返し行うことができる。それにより、物品が複数ある場合でも、当該複数の物品を整列させて搬送することができる。
【0016】
(4)搬送装置は、物品の搬送区間において、第1整列片および第2整列片を略円弧状となるように保持する保持部材をさらに備えてもよい。
【0017】
この場合、物品の搬送区間において、第1整列片および第2整列片が組み合わさって略円弧状となるように保持部材により保持されることにより、物品の搬送区間において当該略円弧状の状態を確実に維持することができる。
【0018】
(5)第1整列片および第2整列片は、物品の搬送区間を除く区間において、略直線的な姿勢でそれぞれ第1チェーンおよび第2チェーンに支持されてもよい。
【0019】
この場合、第1整列片および第2整列片は、物品の搬送区間では略円弧状の姿勢で保持される一方、当該搬送区間を除く区間では略直線的な姿勢で支持される。
【0020】
このように、第1整列片および第2整列片は、物品の搬送区間を除く区間では略直線的な姿勢で支持されることにより、本搬送装置に近接して異なる搬送部を配設した場合でも、第1整列片および第2整列片が当該異なる搬送部に干渉してしまうことを抑制できる。したがって、当該搬送部と本搬送装置との距離を短くすることができるので、本搬送装置により一旦整列された物品が乱れることを防止できる。
【0021】
(6)第1整列片および第2整列片はステンレス鋼により形成されることが好ましい。この場合、第1整列片および第2整列片がステンレス鋼により形成されることにより、物品が滑り易くなり整列され易くなる。また、衛生的でもある。
【0022】
(7)他の局面に従う計量値付装置は、上記の搬送装置と、物品を計量する計量装置と、ラベルを物品に貼り付ける貼り付け装置と、を備えるものである。
【0023】
他の局面に従う計量値付装置においては、上述したように物品が上記搬送装置により適切に整列されるので、当該物品に対するラベルの貼り付けを商品の同じ位置に正確にかつ安定して行うことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る搬送装置およびそれを備えた計量値付装置によれば、物品を整列させて安定して搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施形態に係る搬送装置の構成を示す斜視図である。
【図2】第1整列片および第2整列片が保持部材に保持されている状態を説明するための斜視図である。
【図3】第1整列片および第2整列片の保持状態および非保持状態を説明するための模式図である。
【図4】本実施形態に係る搬送装置により物品を搬送する場合の一例を示す斜視図である。
【図5】第1整列片および第2整列片により物品が中央に寄る状態を説明するための模式図である。
【図6】本実施形態に係る搬送装置を用いた計量値付装置の簡単な構成を示す斜視図である。
【図7】第1整列片および第2整列片の変形例を示す正面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態に係る搬送装置およびそれを備えた計量値付装置について図面を参照しながら説明する。図1は本実施形態に係る搬送装置100の構成を示す斜視図である。
【0027】
図1に示すように、本実施形態に係る搬送装置100は、物品を搬送路の幅方向の中央へ移動させることにより矢印D1の方向に沿って整列させる略円弧状の整列部101、第1チェーン104、第2チェーン105、従動部106および駆動部107を主として備える。
【0028】
整列部101は、複数の第1整列片102および複数の第2整列片103を含み、一の第1整列片102と一の第2整列片103とが組み合わされて略円弧状となる。また、複数の第1整列片102および複数の第2整列片103により、断面が略円弧状の搬送路が形成される。物品は複数の第1整列片102および複数の第2整列片103により搬送される。なお、第1整列片102および第2整列片103は例えばステンレス鋼により形成される。
【0029】
無端状の第1チェーン104は、複数の第1整列片102を支持しつつ移動する。また、無端状の第2チェーン105は、複数の第2整列片103を支持しつつ移動する。これらの第1チェーン104および第2チェーン105は、互いに隣り合うように駆動部107と従動部106との間に巻き付けられている。駆動部107には、図示しないリンク機構を介してモータ等の駆動源に接続されている。
【0030】
このような構成において、モータ等により駆動部107が回転すると、第1チェーン104および第2チェーン105は一定区間(後述の区間K)で矢印D1の方向(搬送方向)に沿って直進した後、回動する。その後、第1チェーン104および第2チェーン105は矢印D1の方向と逆方向に沿って直進した後、回動する。このような動作が繰り返されることにより、第1整列片102および第2整列片103上の物品は矢印D1の方向に沿って搬送される。
【0031】
図2は第1整列片102および第2整列片103が保持部材に保持されている状態を説明するための斜視図であり、図3は第1整列片102および第2整列片103の保持状態および非保持状態を説明するための模式図である。なお、図2では一部の部材の図示を省略している。
【0032】
図2に示すように、保持部材110には保持溝111がその両側面にそれぞれ設けられている。また、第1整列片102は、保持溝111に保持されるための被保持部102aを有し、第2整列片103は、同様に保持溝111に保持されるための被保持部103aを有する。これにより、第1整列片102および第2整列片103は、矢印D1の方向に平行な区間Kで保持部材110に保持される。なお、片方の保持溝111は図示していない。
【0033】
ここで、区間Kの前段階の区間J、つまり第1チェーン104および第2チェーン105が回動動作を行う区間において、第1整列片102および第2整列片103はそれぞれ保持部材110に保持されない。
【0034】
この場合、図3(a)に示すように、第1整列片102および第2整列片103は保持部材110に保持されないので、互いに組み合わさって略円弧を形成しない姿勢(略直線的な姿勢)LSでそれぞれ第1チェーン104(図2)および第2チェーン105(図2)に支持される。第1整列片102および第2整列片103が略直線的な姿勢LSをとる場合の高さをH1とする。
【0035】
第1整列片102および第2整列片103は、区間Kの直前で、案内部材(図示せず)によりそれぞれ立姿勢をとり始める。そして、図3(b)に示すように、区間Kにおいて、第1整列片102の被保持部102aおよび第2整列片103の被保持部103aは、それぞれ保持部材110の保持溝111に保持される。これにより、第1整列片102および第2整列片103は、互いに組み合わさって略円弧状の姿勢CSをとる。第1整列片102および第2整列片103が略円弧状の姿勢CSをとる場合の高さをH2とする。
【0036】
上記の高さH1と高さH2との関係は、H1<H2である。なお、後述するように、第1チェーン104および第2チェーン105が回動動作を行うときに、これに伴って回動する第1整列片102および第2整列片103が他部材および他装置に干渉しないように、高さH1は極力小さく設定される。また、高さH2は、搬送する物品の大きさに応じて、当該物品を第1整列片102と第2整列片103との中央へ確実に移動させることおよび当該物品が外部に落下しないことを実現するために必要な数値に適宜設定される。
【0037】
続いて、図3(c)に示すように、区間Kの後の区間L、つまり第1チェーン104および第2チェーン105が回動動作を再び行う区間において、保持部材110による上記保持が開放されるので、第1整列片102および第2整列片103は、上記区間Jと同様に、互いに略円弧を形成しない姿勢LSでそれぞれ第1チェーン104(図2)および第2チェーン105(図2)に支持される。
【0038】
その後、第1チェーン104および第2チェーン105によりそれぞれ第1整列片102および第2整列片103が矢印D1の方向と逆方向に移動される場合にも、図3(d)に示すように、第1整列片102および第2整列片103は、略円弧を形成しない姿勢でそれぞれ第1チェーン104(図2)および第2チェーン105(図2)に支持される。
【0039】
図4は本実施形態に係る搬送装置100により物品を搬送する場合の一例を示す斜視図であり、図5は第1整列片102および第2整列片103により物品が中央に寄る状態を説明するための模式図である。
【0040】
図4に示すように、搬送装置100の前後に、当該搬送装置100に近接して搬送部120、121をそれぞれ設けてもよい。搬送部120上で整列されていない物品Xは、搬送装置100により矢印D1の方向に沿って整列される。そして、搬送装置100により整列された物品Xは、整列状態を維持しながら搬送部121上を搬送される。
【0041】
図5に示すように、第1整列片102および第2整列片103が互いに組み合わさって略円弧を形成する姿勢CSで保持部材110に保持されることにより、物品Xが例えば第1整列片102上の偏った位置にある場合でも、当該物品Xが第1整列片102と第2整列片103との中央に寄り易くなる。上記の略円弧は、円弧形状および円弧形状に近似する形状を含む。なお、本実施形態では、第1整列片102および第2整列片103がつくる略円弧の半径Rを、物品Xの幅Sよりも大きくする。それにより、物品Xが第1整列片102および第2整列片103から外部に突出してしまうことを防止できる。
【0042】
第1整列片102および第2整列片103の表面上にテフロン(登録商標)およびアドロン(登録商標)をコーティングすることが好ましい。テフロンをコーティングすることにより、第1整列片102および第2整列片103の摩擦係数を低下することができるので、物品Xが第1整列片102または第2整列片103上の偏った位置にある場合でも、当該物品Xが第1整列片102と第2整列片103との中央に寄り易くなる。また、アドロンをコーティングすることにより、第1整列片102および第2整列片103の耐摩耗性を向上できるので、多くの物品Xを搬送する場合でも、第1整列片102および第2整列片103が磨耗し難くなる。
【0043】
以下、本実施形態に係る搬送装置100を計量値付装置に用いた例について説明する。図6は本実施形態に係る搬送装置100を用いた計量値付装置200の簡単な構成を示す斜視図である。
【0044】
図6に示すように、計量値付装置200は、本実施形態に係る搬送装置100、計量コンベア130および貼り付けユニット140を含む。
【0045】
計量コンベア130は搬送装置100の上流に近接して設けられる。また、当該搬送装置100の上方には、物品Xにラベルを貼り付ける貼り付けユニット140が設けられる。
【0046】
計量コンベア130は、物品Xを搬送しながら当該物品Xの計量を行う。計量コンベア130により計量された物品Xは搬送装置100上に搬送される。搬送装置100上に搬送された物品Xは、上述したように当該搬送装置100により適切に整列される。
【0047】
貼り付けユニット140は、搬送装置100により整列された物品Xに、計量コンベア130による計量値に応じたラベルを貼り付ける。
【0048】
<本実施形態における効果>
本実施形態においては、物品Xの搬送方向D1に垂直な面で切った断面が略円弧状である整列部101により、物品Xが搬送路の幅方向の中央に移動されつつ下流へ搬送される。このように、整列部101が略円弧状となっていることにより、整列部101に供給された物品Xは、搬送路の幅方向、つまり整列部101の幅方向の中央に移動される。それにより、物品Xが整列される。したがって、物品Xを整列させるために一般的に使用されるガイドが不要となる。また、整列部101が略円弧状に形成されていることにより、物品Xが転がり易いものである場合でも安定して整列させることができるとともに、当該整列部101により物品を保護できるので外力を受けにくい。
【0049】
また、本実施形態では、一の第1整列片102と一の第2整列片103とが組み合わされて略円弧状となり、複数の第1整列片102および複数の第2整列片103により、物品Xを上記中央へ移動させて整列させるための相当長さの搬送路を形成する。それにより、物品Xを当該搬送路において確実に整列させることができる。
【0050】
また、本実施形態では、区間Kにおいて第1整列片102および第2整列片103が組み合わさって略円弧状となるように保持部材110により保持されることにより、物品Xの搬送区間である区間Kにおいて当該略円弧状の状態を確実に維持することができる。それにより、物品Xの上記中央への移動を確実に行うことができる。
【0051】
また、本実施形態では、第1整列片102および第2整列片103は、区間Kを除く区間では略直線的な姿勢LSでそれぞれ第1チェーン104および第2チェーン105に支持されることにより、搬送装置100に近接して異なる搬送部120、121を配設した場合でも、第1整列片102および第2整列片103が当該異なる搬送部120、121に干渉してしまうことを抑制できる。したがって、当該搬送部120、121と搬送装置100との距離を短くすることができるので、搬送装置100により一旦整列された物品Xが乱れることを防止できる。
【0052】
また、本実施形態では、第1整列片102および第2整列片103がステンレス鋼により形成されることにより、物品Xが第1整列片102および第2整列片103上で滑り易くなり整列され易くなる。また、衛生的でもある。
【0053】
さらに、本実施形態に係る搬送装置100を用いた計量値付装置200においては、上述したように物品Xが搬送装置100により適切に整列されるので、当該物品Xに対するラベルの貼り付けを物品Xの同じ位置に正確にかつ安定して行うことができる。
【0054】
<請求項の各構成要素と上記実施形態の各部との対応関係>
上記実施形態においては、物品Xが物品に相当し、整列部101が整列部に相当し、第1チェーン104、第2チェーン105および駆動部107が移動部に相当し、第1整列片102が第1整列片に相当し、第2整列片103が第2整列片に相当し、第1チェーン104が第1チェーンに相当し、第2チェーン105が第2チェーンに相当し、駆動部107が駆動部に相当し、保持部材110が保持部材に相当し、矢印D1の方向が搬送方向に相当し、区間Kが搬送区間に相当し、区間Jおよび区間Lにおける略直線的な姿勢LSが略直線的な姿勢に相当し、略円弧状の姿勢CSが略円弧状に相当し、搬送装置100が搬送装置に相当し、計量値付装置200が計量値付装置に相当し、計量コンベア130が計量装置に相当し、貼り付けユニット140が貼り付け装置に相当する。
【0055】
<変形例>
上記実施形態では、図5で説明したように、第1整列片102と第2整列片103とが組み合わさって略円弧状の姿勢CSをとるが、これに限定されるものではなく、次のような変形例を採用してもよい。
【0056】
図7は第1整列片102および第2整列片103の変形例を示す正面図である。図7(a)に示すように、第1整列片102aは傾斜部102bおよび水平部102cを含み、第2整列片103aも同様に、傾斜部103bおよび水平部103cを含む。
【0057】
このように、第1整列片102aの側方部分および第2整列片103aの側方部分が傾斜していることにより、物品Xを搬送路の幅方向の中央に移動させることができる。したがって、第1整列片102aおよび第2整列片103aを採用した場合でも、物品Xを容易に整列することができる。
【0058】
また、次のようにしてもよい。図7(b)に示すように、第1整列片102dは、上記の傾斜部102bおよび水平部102cを含むとともに、垂直部102eを含む。また、第2整列片103dも同様に、上記の傾斜部103bおよび水平部103cを含むとともに、垂直部103eを含む。
【0059】
このように、第1整列片102dの側方部分および第2整列片103dの側方部分が傾斜しており、かつ垂直部102eおよび垂直部103eを設けることにより、物品Xを搬送路の幅方向の中央に移動させて整列することができるとともに、当該物品Xが落下することを防止できる。
【0060】
また、上記実施形態では、第1整列片102および第2整列片103を支持しつつ移動させる手段としてそれぞれ第1チェーン104および第2チェーン105を用いたが、これに限定されるものではなく、例えば搬送ベルト等の他の手段を用いてもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、各第1整列片102と各第2整列片103とが組み合わさってつくる略円弧の大きさ(半径Rの大きさ)を一定としたが、これに限定されるものではなく、下流に向かうにしたがって当該大きさを小さくするように設定してもよい。それにより、下流に向かうにしたがって物品Xの搬送路の幅を狭めることができるので、当該物品Xをより整列させ易くなる。
【0062】
さらに、本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0063】
100 搬送装置
101 整列部
102 第1整列片
103 第2整列片
104 第1チェーン
105 第2チェーン
106 従動部
107 駆動部
110 保持部材
111 保持溝
130 計量コンベア
140 貼り付けユニット
200 計量値付装置
CS 略円弧状の姿勢
D1 搬送方向
K 区間
LS 略直線的な姿勢
X 物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路の上流から下流に向けて物品を搬送する搬送装置であって、
前記物品の搬送方向に垂直な面で切った断面が略円弧状であり、前記物品を前記搬送路の幅方向の中央に移動させつつ下流へ搬送する整列部と、
前記整列部を前記搬送方向に沿って移動させる移動部と、を含む、搬送装置。
【請求項2】
前記整列部は、複数の第1整列片および複数の第2整列片を含み、
一の前記第1整列片と一の前記第2整列片とが、組み合わされて前記略円弧状となり、
前記複数の第1整列片および前記複数の第2整列片により、前記断面が前記略円弧状の搬送路が形成される、請求項1記載の搬送装置。
【請求項3】
前記移動部は、
前記複数の第1整列片を支持しつつ移動する第1チェーンと、
前記複数の第2整列片を支持しつつ移動する第2チェーンと、
前記第1チェーンおよび前記第2チェーンをそれぞれ前記搬送方向に沿って移動させる駆動部とを含む、請求項2記載の搬送装置。
【請求項4】
前記物品の搬送区間において、前記第1整列片および前記第2整列片を前記略円弧状となるように保持する保持部材をさらに備える、請求項2または請求項3記載の搬送装置。
【請求項5】
前記第1整列片および前記第2整列片は、前記物品の搬送区間を除く区間において、略直線的な姿勢でそれぞれ前記第1チェーンおよび前記第2チェーンに支持される、請求項3または請求項4記載の搬送装置。
【請求項6】
前記第1整列片および前記第2整列片はステンレス鋼により形成される、請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の搬送装置と、
物品を計量する計量装置と、
ラベルを前記物品に貼り付ける貼り付け装置と、を備える計量値付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−121660(P2011−121660A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−278613(P2009−278613)
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)