説明

搬送装置及び画像記録装置

【課題】2つの搬送路が合流する搬送装置において、いずれの搬送路からシートが案内されても、当該シートを適正に案内できる構造を提供する。
【解決手段】給紙トレイ20から給送された記録用紙12をガイドする内側ガイド部材19と、内側ガイド部材19と対向され且つ記録用紙12をガイドする外側ガイド部材18と、外側ガイド部材18を給紙トレイ20側を軸として回動可能に支持する支持部材22と、開口17から外側ガイド部材18に向かって延びており、開口17から挿入される記録用紙12の下側を支持する第1下側ガイド部材31と、第1下側ガイド部材31と内側ガイド部材19とに対向配置される第1上側ガイド部材30とを備える。外側ガイド部材18は、回動先端部が内側ガイド部材19と当接する第1姿勢、及び回動先端部が第1上側ガイド部材30と当接する第2姿勢の間で回動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送路に沿ってシートを搬送させる搬送装置、及び当該搬送装置を備えており搬送路を搬送されるシートに画像を記録する画像記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内部に形成された搬送路に沿ってシートを搬送させる搬送装置が知られている。このような搬送装置としては、例えばプリンタや複合機などの画像記録装置がある。上記の画像記録装置の中には、内部に複数の搬送路を有するものがある。また、上記の画像記録装置の中には、装置背面に手差しトレイを有するものがある。
【0003】
例えば、特許文献1には、湾曲路65Aと搬送経路65Bとを備える複合機10が開示されている。特許文献1の図2に示されるように、湾曲路65Aは、給紙カセット78から記録部24に渡って延設された湾曲状の通路である。湾曲路65Aは、外側ガイド部材18と内側ガイド部材19とによって区画されている。また、搬送経路65Bは、手差しトレイ20から湾曲路65Aとの合流点65Dに渡って延設された通路である。搬送経路65Bは、第1下側ガイド部材180と第1上側ガイド部材181と第2上側ガイド部材182とによって区画されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−51178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された複合機10において、湾曲路65Aと搬送経路65Bとは合流点65Dで合流されている。また、合流点65Dの下流側には、排紙路65Cが形成されている。排紙路65Cには、記録用紙を更に下流側に搬送する第1搬送ローラ60と記録用紙に画像を記録する記録部24とが配置されている。
【0006】
合流点65Dと、第1下側ガイド部材180の端部または外側ガイド部材18との間には、湾曲路65Aと搬送経路65Bとを合流させるための空間が存在している。この空間により、給紙カセット78から湾曲路65Aを介して記録部24へ案内される記録用紙が、合流点65Dに到達せずに、排紙路65Cへ向かわないおそれがある。例えば、記録用紙が、合流点65Dに到達する前に、第2上側ガイド部材182に摺接しながら搬送経路65Bに向かってしまう。また、記録用紙がユーザによって手差しトレイ20に手差しされる際に、当該記録用紙が、合流点65Dに到達せずに、排紙路65Cへ向かわないおそれがある。例えば、記録用紙が、合流点65Dに到達する前に、内側ガイド部材19に摺接しながら湾曲路65Aに向かってしまう。
【0007】
記録用紙が排紙路65Cへ案内されない場合、記録用紙は第1搬送ローラ60に到達しない。よって、記録用紙は排紙路65Cに沿って下流側に搬送されない。したがって、湾曲路65Aや搬送経路65Bにおいて、記録用紙やシートの案内不良が発生するおそれがある。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、シートを案内する2つの搬送路が合流する搬送装置において、2つの搬送路のいずれからシートが案内されたとしても、当該シートを適正に案内することができる構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) 本発明の搬送装置は、載置部に載置されたシートを搬送する搬送ローラと、上記載置部よりも上方に配置され、少なくとも一部が湾曲しており上記搬送ローラによって搬送されるシートをガイドする第1ガイド部を有する内側部材と、少なくとも一部が湾曲しており上記搬送ローラによって搬送されるシートをガイドする第2ガイド部を有し、当該第2ガイド部が上記第1ガイド部に対向して配置され、且つ、上記内側部材に対して装置外側に配置される外側部材と、上記外側部材の上記載置部側を軸として、当該外側部材を回動可能に支持する支持部材と、装置外側からシートが挿入される挿入口から上記外側部材に向かって延びており、当該挿入口から挿入されるシートの下側を支持する下側部材と、上記下側部材と上記内側部材とに対向して配置される上側部材と、を備える。上記外側部材は、回動先端部が上記上側部材よりも上記内側部材側に位置する第1姿勢、及び上記回動先端部が上記内側部材よりも上記上側部材側に位置する第2姿勢の間で回動する。
【0010】
本構成によれば、外側部材が第2姿勢をとることによって、搬送ローラによって内側部材と外側部材との間を搬送されてきたシートが、上側部材と下側部材との間に誤って案内される可能性を低くすることができる。また、外側部材が第1姿勢をとることによって、下側部材によって支持されつつ上側部材と下側部材との間に挿入されてきたシートが内側部材と外側部材との間に誤って案内される可能性を低くすることができる。
【0011】
(2) 上記外側部材は、上記回動先端部が上記第1姿勢のときに上記内側部材と当接し、上記回動先端部が上記第2姿勢に位置するときに上記上側部材と当接する。
【0012】
本構成によれば、外側部材が内側部材または上側部材と当接されるため、シートが誤って案内される際のシートの経路が遮断される。よって、本構成によれば、上記の(1)の構成よりも、シートが誤って案内される可能性を低くすることができる。
【0013】
(3) 上記外側部材は、上記軸が延びる軸方向に沿って複数設けられている。上記支持部材は、各外側部材を個別に回動可能に支持する。
【0014】
本構成によれば、シートと当接する外側部材のみが姿勢変化する。つまり、各外側部材の姿勢変化の有無は、内側部材と外側部材の間を案内されるシートの軸方向のサイズに応じて決定される。すなわち、本構成によれば、シートの軸方向のサイズが小さい程、姿勢変化する外側部材の数を少なくすることができる。以上より、本構成によれば、シートの軸方向のサイズが小さい程、外側部材によるシートへの搬送抵抗を小さくすることができる。
【0015】
(4) 上記外側部材は、上記軸方向に沿って少なくとも3つ設けられている。上記外側部材が上記第1姿勢の状態において、上記軸方向における中央の上記外側部材と上記内側部材との距離は、上記幅方向における中央以外の上記外側部材と上記内側部材との距離以下である。
【0016】
本構成によれば、内側部材と外側部材の間を案内されるシートは、軸方向における中央以外の外側部材と当接し難い。これにより、外側部材によるシートへの搬送抵抗を小さくすることができる。また、軸方向において中央以外の外側部材がシートと当接することによる当該シートの斜行の可能性を低くすることができる。
【0017】
(5) 上記外側部材は、上記回動先端側に上記第2ガイド部の延設向きに沿って延設され、上記軸が延びる軸方向に複数設けられた第1リブを備えている。上記上側部材は、複数の上記第1リブの間に、上記延設向きに沿って延設された第2リブを備えている。
【0018】
本構成によれば、外側部材が第2姿勢の状態において、第1リブは、上側部材の2つの第2リブの間の空間に入り込む。これにより、外側部材が第2姿勢をとるための空間と、上側部材を構成する空間とを共用することができる。その結果、搬送装置を小型化することができる。
【0019】
(6) 上記外側部材は、上記第1ガイド部と対向する部分に少なくとも一つのコロを備える。各コロの周面の少なくとも一部は、上記第1ガイド部と対向する上記第2ガイド部から露出している。
【0020】
本構成によれば、コロは、姿勢変化する外側部材に設けられている。よって、外側部材が姿勢変化しても、コロの外側部材からの突出量には変化がない。よって、本構成によれば、外側部材の姿勢に関わらず、内側部材と外側部材の間においてシートを円滑に案内することができる。
【0021】
(7) 上記外側部材は、自重によって上記第1姿勢に位置しており、上記第2ガイド部を通過するシートによって、上記第1姿勢から上記第2姿勢に回動する。
【0022】
本構成によれば、外側部材は、当接してきたシートに押されることによって第2姿勢に回動し、シートに当接していない場合には自重によって第1姿勢に回動する。つまり、本構成によれば、外側部材を回動させるためのモータなどの機構を設ける必要がない。すなわち、本構成によれば、外側部材の回動を簡易な構成で実現することができる。
【0023】
(8) 本発明の搬送装置は、(1)から(7)のいずれかに記載の搬送装置と、上記搬送ローラに搬送されることよって上記第1ガイド部を通過したシートに画像を記録する記録部と、を備える画像記録装置として捉えることもできる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、シートを案内する2つの搬送路(内側部材と外側部材とで区画される搬送路、及び下側部材と上側部材とで区画される搬送路)が合流する搬送装置において、いずれの搬送路からシートが案内されたとしても、当該シートを適正に案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、複合機10の外観斜視図である。
【図2】図2は、プリンタ部11の内部構造を模式的に示す縦断面図である。
【図3】図3は、外側ガイド部材18と支持部材22とを模式的に示す正面図である。
【図4】図4は、図2(A)のA−A断面にコロ84を追加した図である。
【図5】図5(A)は、外側ガイド部材18の回動先端部付近を模式的に示す縦断面図であり、図5(B)は、図5(A)のB−B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態に係る複合機10について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。また、以下の説明では、矢印の起点から終点に向かう進みが向きと表現され、矢印の起点と終点とを結ぶ線上の往来が方向と表現される。また、以下の説明においては、複合機10(本発明の画像記録装置の一例)が使用可能に設置された状態(図1の状態)を基準として上下方向7が定義され、開口13が設けられている側を手前側(正面)として前後方向8が定義され、複合機10を手前側(正面)から見て左右方向9が定義される。
【0027】
[複合機10の全体構成]
図1に示されるように、複合機10は、概ね直方体に形成されており、インクジェット記録方式で記録用紙12(本発明のシートの一例、図2参照)に画像を記録するプリンタ部11を備えている。複合機10は、ファクシミリ機能及びプリント機能などの各種の機能を有している。
【0028】
プリンタ部11は、正面に開口13が形成された筐体14を有している。また、各種サイズの記録用紙12を載置可能な給紙トレイ20(本発明の載置部の一例)及び排紙トレイ21が、開口13から前後方向8に挿抜可能である。
【0029】
図2に示されるように、プリンタ部11は、給紙トレイ20から記録用紙12をピックアップして給送する給紙部15を有する搬送装置16(本発明の搬送装置の一例)、給紙トレイ20の上方に設けられており、給紙部15によって搬送されることによって後述する内側ガイド部材19の内側ガイド面19Aを通過した記録用紙12にインク滴を吐出して画像を記録するインクジェット記録方式の記録部24(本発明の記録部の一例)、第1搬送ローラ対54、及び第2搬送ローラ対55などを備えている。
【0030】
[給紙トレイ20]
給紙トレイ20は、前後方向8及び左右方向9の長さが上下方向7の長さよりも長い概ね直方体形状である。また、給紙トレイ20は、上方が開放された箱状である。但し、本実施形態において、給紙トレイ20の上方の前側は、排紙トレイ21によって覆われている。給紙トレイ20の底面には、記録用紙12が載置される。
【0031】
[給紙部15]
図2に示されるように、給紙部15は、給送ローラ25(本発明の搬送ローラの一例)、給紙アーム26、及び駆動伝達機構27を備えている。給紙部15は、給紙トレイ20の上方であって記録部24の下方に設けられている。給送ローラ25は、給紙アーム26の先端部で軸支されている。給紙アーム26は、基端部に設けられた軸28を中心として、矢印29の方向に回動する。これにより、給送ローラ25は、給紙トレイ20に当接及び離間が可能である。つまり、給送ローラ25は、給紙トレイ20に載置された記録用紙12に当接可能である。
【0032】
給送ローラ25は、給紙用モータ(不図示)の駆動力が伝達されて回転する。給送ローラ25は、給紙トレイ20の底面上に積載された記録用紙12のうち、一番上側の記録用紙12に当接された状態で、当該記録用紙12を以下で説明する搬送路65へ向けて搬送する。
【0033】
[搬送路65]
図2に示されるように、搬送路65は、給紙トレイ20の後側の端部から上方且つ複合機10の前側へ曲がって、複合機10の背面側(後側)から正面側(前側)へ延出されている。搬送路65は、湾曲路65Aと、直線路65Bとで構成されている。
【0034】
湾曲路65Aは、給紙トレイ20よりも上方に形成され、給紙トレイ20の後端部から第1搬送ローラ対54に亘って延設された湾曲状の通路である。なお、図2では、湾曲路65Aは概ね円弧状に形成されているが、湾曲路65Aは円弧状でなくてもよい。例えば、湾曲路65Aは、給紙トレイ20の後側の端部から真っ直ぐ上方へ延出されてから、前側へ曲がるように延出されてもよい。直線路65Bは、第1搬送ローラ対54から排紙トレイ21に亘って延設された直線状の通路である。
【0035】
湾曲路65Aは、後述する第1搬送ローラ54に対して記録部24と反対側において、所定間隔で対向する外側ガイド部材18、内側ガイド部材19、及び第1上側ガイド部材30によって形成されている。直線路65Bは、後述する第2搬送ローラ55に対して記録部24と反対側において、所定間隔で対向する第2上側ガイド部材32及び第2下側ガイド部材33によって形成されている。また、直線路65Bは、第1搬送ローラ54及び第2搬送ローラ55の間において、所定間隔で対向する記録部24及び後述するプラテン42によって形成されている。なお、外側ガイド部材18、内側ガイド部材19、第2上側ガイド部材32、第2下側ガイド部材33、後述する第1上側ガイド部材30、及び後述する第1下側ガイド部材31は、いずれも、図2の紙面垂直方向(図1の左右方向9)へ延びている。なお、上述した各ガイド部材については、後に詳細に説明される。
【0036】
搬送路65は、外側ガイド部材18及び内側ガイド部材19の給紙トレイ20側の端部である第1端部58、外側ガイド部材18及び内側ガイド部材19の第1搬送ローラ対54側の端部である第2端部59、第1搬送ローラ対54による挟持位置、記録部24の下側、及び第2搬送ローラ対55による挟持位置を経て排紙トレイ21へ通じている。記録用紙12は、給送ローラ25と第1搬送ローラ54と第2搬送ローラ55とによって、搬送路65を、搬送向きに搬送される。ここで、搬送向きは、図2に一点鎖線の矢印で示される向きである。
【0037】
給紙トレイ20の給送ローラ25によって搬送された記録用紙12は、湾曲路65Aの第1端部58から第2端部59を経て記録部24に案内される。換言すると、記録用紙12は、湾曲路65Aを下方から上方へUターンするように案内される。記録用紙12は、記録部24により画像記録が行われた後、排紙トレイ21に案内される。
【0038】
[手差しトレイ23及び手差し搬送路66]
図2に示されるように、プリンタ部11の背面51には、手差しトレイ23が背面51に対して開閉可能に配置されている。手差しトレイ23は、軸52を中心として矢印53の方向に回動することで背面51に対して開閉される。図2には、手差しトレイ23が背面51に対して開けられた状態が実線で、背面51に対して閉じられた状態が破線で示されている。手差しトレイ23が開けられた状態において、各種サイズの記録用紙が手差しトレイ23に載置可能である。
【0039】
プリンタ部11の背面51には、背面の開口17(本発明の挿入口の一例)が形成されている。そして、図2の二点鎖線に示されるように、手差し搬送路66が、背面の開口17から湾曲路65Aの第2端部59に向かって、つまり外側ガイド部材18及び内側ガイド部材19に向かって形成されている。ここで、背面の開口17は、湾曲路65Aに対して湾曲路65Aを形成する外側ガイド部材18側、つまり湾曲路65Aよりも後側に設けられている。また、外側ガイド部材18及び内側ガイド部材19の第2端部59は、背面の開口17の前方斜め下方に位置している。よって、手差し搬送路66は、湾曲路65Aの外側(後側)から湾曲路65Aの第2端部59に向かって、前方斜め下向きに延出されている。なお、本実施形態では、背面の開口17は、第2端部59に対して後方斜め上に設けられているが、背面の開口17は、第2端部59に対して後方或いは後方斜め下に設けられていてもよい。この場合、手差し搬送路66は、背面の開口17から前向き或いは前方斜め上向きに延出された経路となる。
【0040】
手差し搬送路66は、延出端部において、湾曲路65Aの第2端部59と合流している。つまり、手差し搬送路66は、第2端部59において湾曲路65Aと接続されている。手差し搬送路66は、後側(手差しトレイ23側)において、間隔を空けて対向する第1上側ガイド部材30(本発明の上側部材の一例)と第1下側ガイド部材31(本発明の下側部材の一例)とによって形成されている。また、手差し搬送路66は、前側(第1搬送ローラ対54側)において、所定間隔で対向する第1上側ガイド部材30と内側ガイド部材19とによって形成されている。
【0041】
記録用紙12は、ユーザによって、手差しトレイ23の用紙載置部64及び第1下側ガイド部材31に支持されつつ、背面の開口17から前方に向けて挿入される。記録用紙12は、その挿入先端が第1搬送ローラ対54による挟持位置に到達するまで、手差し搬送路66に沿って案内される。
【0042】
以上より、第1下側ガイド部材31は、複合機10の背面51に形成される開口17から外側ガイド部材18に向かって延びており、複合機10の背面51の外側から挿入される記録用紙12の下側を支持する。また、第1上側ガイド部材30は、後側において第1下側ガイド部材31と対向して配置され、前側において内側ガイド部材19とに対向して配置されている。
【0043】
[第1搬送ローラ対54及び第2搬送ローラ対55]
図2に示されるように、搬送路65における記録部24よりも搬送向きの上流側には、第1搬送ローラ60とピンチローラ61とを有する第1搬送ローラ対54が設けられている。搬送路65において、記録部24よりも搬送向きの下流側には、第2搬送ローラ62と拍車63とを有する第2搬送ローラ対55が設けられている。
【0044】
各ローラ対54、55を構成するローラ及び拍車は相互に当接されており、記録用紙12を挟持して搬送する。
【0045】
第1搬送ローラ60及び第2搬送ローラ62は、搬送用モータ(不図示)から正逆回転方向の駆動力が伝達されて、正転及び逆転する。例えば、第1搬送ローラ60及び第2搬送ローラ62は、搬送用モータから正転方向の駆動力が伝達された場合、記録用紙を搬送向きへ搬送する方向へ回転され、搬送用モータから逆転方向の駆動力が伝達された場合、記録用紙を搬送向きと逆向きへ搬送する方向へ回転される。
【0046】
[プラテン42]
図2に示されるように、第1搬送ローラ対54及び第2搬送ローラ対55の間における直線路65Bの下側には、プラテン42が設けられている。プラテン42は、直線路65Bを搬送される記録用紙12を下側から支持する。
【0047】
[記録部24]
図2に示されるように、記録部24は、プラテン42と対向して直線路65Bの上側に設けられている。つまり、記録部24は、第2端部59よりも搬送向きの下流側に設けられている。記録部24は、キャリッジ41と記録ヘッド39とを備えている。キャリッジ41は、プラテン42の後側及び前側に設けられたガイドレール(不図示)によって支持されている。ガイドレールの少なくとも一方には、公知のベルト機構(不図示)が設けられており、キャリッジ41は、当該ベルト機構と連結されている。これにより、キャリッジ41は、左右方向9に移動可能である。
【0048】
図2に示されるように、記録ヘッド39は、キャリッジ41に搭載されている。記録ヘッド39の下面には、複数のノズル40が形成されている。記録ヘッド39には、インクカートリッジ(不図示)からインクが供給される。記録ヘッド39は、ノズル40からインクを微小なインク滴として吐出する。キャリッジ41が左右方向9へ往復動しているときに、ノズル40からプラテン42に支持されている記録用紙12に対してインク滴が吐出される。これにより、記録用紙12に画像が記録される。ここで、プラテン42に支持されている記録用紙12は、湾曲路65Aを通過して直線路65Bを搬送されている。つまり、記録部24は、湾曲路65Aを通過した記録用紙12に画像を記録する。
【0049】
[搬送装置16]
図2に示されるように、搬送装置16は、上述した給紙部15と、内側ガイド部材19(本発明の内側部材の一例)と、外側ガイド部材18(本発明の外側部材の一例)と、支持部材22(本発明の支持部材の一例)と、上述した第1上側ガイド部材30(本発明の第3ガイド部材の一例)と、上述した第1下側ガイド部材31とを備えている。
【0050】
[内側ガイド部材19]
図2に示されるように、内側ガイド部材19は、第1端部58と第2端部59との間における湾曲路65Aの内側を形成する部材である。内側ガイド部材19は、給紙トレイ20よりも上方に配置されている。外側ガイド部材18と対向した内側ガイド部材19の側には、湾曲路65Aの湾曲向きに合わせて湾曲された第1ガイド部19A(本発明の第1ガイド部の一例)が形成されている。
【0051】
第1ガイド部19Aは、湾曲路65Aを搬送される記録用紙12をガイドするものである。例えば、第1ガイド部19Aは、湾曲面で構成されている。また、第1ガイド部19Aは、湾曲面から湾曲路65Aに向けて突出し、記録用紙12の搬送向きに沿って延びている複数のリブで構成されていてもよい。なお、上記において例示したように、湾曲路65Aが、円弧状でなく、給紙トレイ20の後側の端部から真っ直ぐ上方へ延出されてから、前側へ曲がるように延出されている場合、第1ガイド部19Aは、上向きに延びた平面或いは複数のリブと、湾曲された面或いは複数のリブとで構成される。以上より、第1ガイド部19Aは、少なくとも一部が湾曲しており給送ローラ25によって搬送される記録用紙12をガイドする。
【0052】
[外側ガイド部材18]
図2に示されるように、外側ガイド部材18は、第1端部58と第2端部59との間における湾曲路65Aの外側を形成する部材である。外側ガイド部材18は、内側ガイド部材19の後方、つまり内側ガイド部材19に対して複合機10の背面51側、すなわち内側ガイド部材19に対して装置外側に配置されている。また、外側ガイド部材18において、内側ガイド部材19と対向する側には、湾曲路65Aの湾曲向きに合わせて湾曲された第2ガイド部18A(本発明の第2ガイド部の一例)が形成されている。
【0053】
第2ガイド部18Aは、第1ガイド部19Aと対向して配置されており、第1ガイド部19Aと同様に、湾曲路65Aを搬送される記録用紙12をガイドするものである。例えば、第2ガイド部18Aは、湾曲面で構成されている。また、第2ガイド部18Aは、湾曲面から湾曲路65Aに向けて突出し、記録用紙12の搬送向きに沿って延びている複数のリブで構成されていてもよい。なお、上記において例示したように、湾曲路65Aが、円弧状でなく、給紙トレイ20の後側の端部から真っ直ぐ上方へ延出されてから、前側へ曲がるように延出されている場合、第2ガイド部18Aは、上向きに延びた平面或いは複数のリブと、湾曲された面或いは複数のリブとで構成される。以上より、第2ガイド部18Aは、少なくとも一部が湾曲しており給送ローラ25によって搬送される記録用紙12をガイドする。
【0054】
本実施形態において、外側ガイド部材18は、第2端部59に向かうにしたがって厚みが薄くなっている。つまり、外側ガイド部材18は、側面視において、第1端部58側の厚みよりも第2端部59側の先端の厚みが小さく形成されている。
【0055】
また、本実施形態において、図3(A)に示されるように、3つの外側ガイド部材18A〜18Cが、搬送向きと直交する左右方向9に沿って設けられている。各外側ガイド部材18A〜18Cは、相互に所定の間隔を空けて配置されている。なお、外側ガイド部材18の数は3つに限らず、例えば4つ以上でもよい。
【0056】
また、各外側ガイド部材18A〜18Cの第1端部58側には、左右方向9に延びた軸35(本発明の軸の一例)が設けられている。つまり、左右方向9は、本発明の軸方向の一例である。軸35は外側ガイド部材18A〜18C毎に別個に設けられている。各軸35は、後述する支持部材22に回転可能に取り付けられている。これにより、各外側ガイド部材18A〜18Cは、軸35を中心として矢印37の方向に個別に回動可能である。
【0057】
また、各外側ガイド部材18の第2端部59である回動先端部は、上下方向7において、内側ガイド部材19の第2端部59よりも上側、且つ第1上側ガイド部材30の第2端部59よりも下側に位置している。これにより、各外側ガイド部材18は、回動先端部の下側が内側ガイド部材19と当接する第1姿勢、つまり回動先端部が第1上側ガイド部材30よりも内側ガイド部材19側に位置する第1姿勢(本発明の第1姿勢の一例、図2に破線で示された姿勢)と、回動先端部の上側が第1上側ガイド部材30と当接する第2姿勢、つまり回動先端部が内側ガイド部材19よりも第1上側ガイド部材30側に位置する第2姿勢(本発明の第2姿勢の一例、図2に実線で示された姿勢)との間で回動する。
【0058】
また、図4に示されるように、各外側ガイド部材18における内側ガイド部材19の第1ガイド部19Aと対向する部分には、少なくとも1つのコロ84(本発明のコロの一例)が設けられている。本実施形態では、3つの外側ガイド部材18のうち、両端の外側ガイド部材18A、18Cには、1つのコロ84が設けられており、中央の外側ガイド部材18Bには、2つのコロ84が設けられている。なお、各外側ガイド部材18Bに設けられるコロ84の数は、上述した数に限らない。
【0059】
以下に、コロ84の外側ガイド部材18への取り付けについて詳述する。外側ガイド部材18A、18Cにはそれぞれ1つの開口85が形成されており、外側ガイド部材18Bには2つの開口85が形成されている。外側ガイド部材18Aの開口85は、左右方向9において右寄りに形成されている。外側ガイド部材18Cの開口85は、左右方向9において左寄りに形成されている。外側ガイド部材18Bの開口85は、左右方向9において右寄り及び左寄りに形成されている。
【0060】
各開口85には、コロ84が配置される。各コロ84は、外側ガイド部材18に回転可能に支持されている。図4に示されるように、コロ84が外側ガイド部材18に支持された状態において、各コロ84の周面86の一部は、第1ガイド部19Aと対向する第2ガイド部18Aから湾曲路65Aに対して露出している。なお、各コロ84の周面86の全部が第2ガイド部18Aから湾曲路65Aに対して露出していてもよい。つまり、各コロ84の周面86の少なくとも一部が第2ガイド部19Aから湾曲路65Aに対して露出している。
【0061】
また、本実施形態では、図4に示されるように、外側ガイド部材18A、18Cの前後方向8の長さは、外側ガイド部材18Bの前後方向8の長さよりも短い。これにより、外側ガイド部材18が第1姿勢の状態において、左右方向9における外側(両端部)の外側ガイド部材18A、18Cと内側ガイド部材19との距離DA、DCは、左右方向9における内側(中央部)の外側ガイド部材18Bと内側ガイド部材19との距離DBよりも大きい。
【0062】
なお、各外側ガイド部材18Bと内側ガイド部材19との間隔の関係が上記の関係である本実施形態の場合、外側ガイド部材18は、少なくとも左右方向9に沿って中央部と両端部とに設けられている必要がある。つまり、外側ガイド部材18は、左右方向9に沿って少なくとも3つ設けられている必要がある。また、上記では、各距離DA、DB、DCの大小関係は、外側ガイド部材18A、18B、18Cの長さによって規定されたが、当該大小関係が上記と同様に維持されるならば、当該大小関係は、他の方法によって規定されてもよい。例えば、当該大小関係は、外側ガイド部材18A、18B、18Cの配置位置によって規定されてもよい。つまり、外側ガイド部材18A、18B、18Cの前後方向8の長さが同一である場合は、両端部の外側ガイド部材18A、18Cを、中央部の外側ガイド部材18Bよりも内側ガイド部材19A側に配置すればよい。
【0063】
また、本実施形態では、図5(A)に示されるように、外側ガイド部材18の回動先端側には、第2ガイド部18Aの延設向きである概ね前後方向8に沿って延設された第1リブ88(本発明の第1リブの一例)が形成されている。図5(B)に示されるように、第1リブ88は左右方向9に複数設けられており、各第1リブ88は所定の間隔を空けて配置されている。
【0064】
[支持部材22]
図2に示されるように、支持部材22は、外側ガイド部材18を外側から覆うように配置された部材である。支持部材22の外側ガイド部材18に対する反対側は、複合機10の背面51の一部を構成している。支持部材22は、図2及び図3に示されるように、正面視において、上下方向7及び左右方向9に延びる部材である。支持部材22の下端部には、前向きに突出した凸部50が複数形成されている。各凸部50の先端部には、左右方向9に沿った孔38が形成されている。孔38には、各外側ガイド部材18A〜18Cの軸35が挿通される。これにより、上述したように、各外側ガイド部材18A〜18Cは軸35を中心として個別に回動する。つまり、支持部材22は、各外側ガイド部材18A〜18Cにおいて第1端部58側、つまり給紙トレイ20側を軸として個別に回動するように、各外側ガイド部材18A〜18Cを支持している。
【0065】
[第1上側ガイド部材30及び第1下側ガイド部材31]
図2に示されるように、第1上側ガイド部材30は、手差し搬送路66の上側を形成する部材である。第1上側ガイド部材30は、第2端部59において、内側ガイド部材19の上側且つ内側ガイド部材19と対向して配置されている。また、第1上側ガイド部材30は、内側ガイド部材19と対向されている位置よりも後側において、第1下側ガイド部材31の上側且つ第1下側ガイド部材31と対向して配置されている。
【0066】
また、図5(A)に示されるように、第1上側ガイド部材30の前端側には、概ね前後方向8に沿って延設された第2リブ89(本発明の第2リブの一例)が形成されている。図5(B)に示されるように、第2リブ89は、左右方向9に複数設けられている。また、第2リブ89の左右方向9に位置は、外側ガイド部材18に設けられる2つの第1リブ88の間の位置である。さらに、第1上側ガイド部材30には、図5(A)及び(B)に示されるように、互いに隣接する2つの第2リブ89の間を掛け渡すように、停止部90が設けられている。外側ガイド部材18が第2姿勢のときに2つの第2リブ89の間に挿入された第1リブ88は、停止部90と当接される。これにより、外側ガイド部材18が必要以上に第1上側ガイド部材30側、つまり上側に移動することが制止される。
【0067】
[外側ガイド部材18の回動]
上述したように、外側ガイド部材18の回動先端部は内側ガイド部材19の第2端部59側よりも上側に位置している。また、本実施形態において、外側ガイド部材18は、通常状態において、自重によって、第1姿勢に位置している。
【0068】
この状態において、給紙部15によって給紙トレイ20から給送された記録用紙12の搬送向きの先端が外側ガイド部材18に当接すると、外側ガイド部材18は記録用紙12に下側から押されることによって上側に、つまり第2姿勢側に回動する。さらに、外側ガイド部材18が第2姿勢に位置しているとき、第1リブ88は2つの第2リブ89の間に挿入される。そして、第1リブ88の上側が、停止部90と当接することで、第1リブ88の第1姿勢から第2姿勢側への回動が停止される。そして、記録用紙12の搬送向きの後端が外側ガイド部材18を通過すると、記録用紙12によって上側に押されていた外側ガイド部材18は、自重によって再び内側ガイド部材19と当接する。
【0069】
[実施形態の効果]
本構成によれば、外側ガイド部材18が第2姿勢をとることによって、給送ローラ25によって内側ガイド部材19と外側ガイド部材18との間を搬送されてきた記録用紙12が、第1上側ガイド部材30と第1下側ガイド部材31との間に誤って案内される可能性を低くすることができる。また、外側ガイド部材18が第1姿勢をとることによって、第1下側ガイド部材31によって支持されつつ第1上側ガイド部材30と第1下側ガイド部材31との間に挿入されてきた記録用紙12が内側ガイド部材19と外側ガイド部材18との間に誤って案内される可能性を低くすることができる。以上より、本構成によれば、記録用紙12を案内する湾曲路65A及び手差し搬送路66が合流する搬送装置16において、いずれの搬送路(湾曲路65A及び手差し搬送路66)から記録用紙12が案内されたとしても、当該記録用紙12を適正に案内することができる。
【0070】
また、本構成によれば、外側ガイド部材18が内側ガイド部材19または第1上側ガイド部材30と当接されるため、記録用紙12が誤って案内される際の記録用紙12の経路が遮断される。よって、本構成によれば、記録用紙12が誤って案内される可能性を低くすることができる。
【0071】
また、本構成によれば、記録用紙12と当接する外側ガイド部材18のみが姿勢変化する。つまり、各外側ガイド部材18の姿勢変化の有無は、内側ガイド部材19と外側ガイド部材18の間を案内される記録用紙12の左右方向9のサイズに応じて決定される。すなわち、本構成によれば、記録用紙12の左右方向9のサイズが小さい程、姿勢変化する外側ガイド部材18の数を少なくすることができる。以上より、本構成によれば、記録用紙12の左右方向9のサイズが小さい程、外側ガイド部材18による記録用紙12への搬送抵抗を小さくすることができる。
【0072】
また、本構成によれば、内側ガイド部材19と外側ガイド部材18A〜18Cの間を案内される記録用紙12は、左右方向9における中央以外の外側ガイド部材18A、18Cと当接し難い。これにより、外側ガイド部材18による記録用紙12への搬送抵抗を小さくすることができる。また、左右方向9において中央以外に位置する外側ガイド部材18A、18Cが記録用紙12と当接することによる当該記録用紙12の斜行の可能性を低くすることができる。
【0073】
また、本構成によれば、コロ84が、姿勢変化する外側ガイド部材18に設けられている。よって、外側ガイド部材18が姿勢変化しても、コロ84の外側ガイド部材18からの突出量には変化がない。よって、本構成によれば、外側ガイド部材18の姿勢に関わらず、内側ガイド部材19と外側ガイド部材18の間において記録用紙12を円滑に案内することができる。
【0074】
また、本構成によれば、外側ガイド部材18は、当接してきた記録用紙12に押されることによって第2姿勢に回動し、記録用紙12に当接していない場合には自重によって第1姿勢に回動する。つまり、本構成によれば、外側ガイド部材18を回動させるためのモータなどの機構を設ける必要がない。すなわち、本構成によれば、外側ガイド部材18の回動を簡易な構成で実現することができる。
【0075】
また、本構成によれば、外側ガイド部材18が第2姿勢に位置しているとき、第1リブ88は、第1上側ガイド部材30の2つの第2リブ89の間の空間に入り込む。これにより、外側ガイド部材18が第2姿勢をとるための空間と、第1上側ガイド部材30を構成する空間とを共用することができる。その結果、搬送装置16を小型化すること、つまり複合機10を小型化することができる。
【0076】
また、本構成によれば、第1リブ88は、停止部90によって、第1姿勢から第2姿勢への回動が停止される。つまり、第1リブ88が、2つの第2リブ89の間の空間に入り込んだ状態で、第1リブ88が停止される。その結果、手差し搬送路66の内、第1上側ガイド部材30と第1下側ガイド部材31とによって形成される空間を確実に遮断することができる。また、この場合には、外側ガイド部材18と第1上側ガイド部材30とが連続するため、給送ローラ25によって搬送される記録用紙12が湾曲路65Aを通過する際に、円滑に搬送される。
【0077】
[変形例1]
上述の実施形態では、外側ガイド部材18は、第1姿勢において内側ガイド部材19と当接し、第2姿勢において第1上側ガイド部材30と当接したが、外側ガイド部材18は、各姿勢において内側ガイド部材19及び第1上側ガイド部材と当接しなくてもよい。
【0078】
例えば、湾曲路65Aの左右方向9における記録用紙12の搬送範囲外に、外側ガイド部材18の回動を内側ガイド部材19に近似した第1所定位置で制止する第1ストッパ(不図示)が備えられていてもよい。また、湾曲路65Aの左右方向9における記録用紙12の搬送範囲外に、外側ガイド部材18の回動を第1上側ガイド部材30に近似した第2所定位置で制止する第2ストッパ(不図示)が備えられていてもよい。
【0079】
変形例1によれば、外側ガイド部材18の回動先端部が内側ガイド部材19及び第1上側ガイド部材30と当接する際に生じる衝突音の発生を防止することができる。また、各ガイド部材18、19、30の磨耗を低減することができる。
【0080】
[変形例2]
上述の実施形態において、外側ガイド部材18は、自重によって第1姿勢に回動するとともに、記録用紙12に押されることによって第2姿勢に回動した。しかし、外側ガイド部材18は、モータなどから駆動伝達されて第1姿勢及び第2姿勢の間を回動してもよい。
【0081】
[変形例3]
上述の実施形態においては、支持部材22は、支持部材22の孔38と各外側ガイド部材18A〜18Cの軸35とによって、各外側ガイド部材18A〜18Cを回動可能に支持している。しかし、各外側ガイド部材18A〜18Cを回動可能に支持する構成は上述した場合に限られない。例えば、各外側ガイド部材18A〜18Cの右側端と左側端に左右方向9に沿った孔を形成する。そして、支持部材22における各外側ガイド部材18A〜18Cに形成された穴に対応する位置に、軸を設ける。つまり、各外側ガイド部材18A〜18Cに形成された孔と、支持部材22に設けられた軸とによって、各外側ガイド部材18A〜18Cを回動可能に支持する。
【0082】
[変形例4]
上述の実施形態においては、ユーザによって記録用紙12が挿入される開口17は、複合機10の後方の背面51に形成されているが、これに限られない。例えば、開口17は、複合機10の左右方向9の左側面または右側面に形成されてもよい。この場合の一例としては、図2の前後方向8を左右方向9に置換した構成が挙げられる。この場合、手差し搬送路66は、複合機10の左側面に形成される開口17から、複合機10の右側面に向かうように第2端部59に亘って形成される。また、搬送路65は、給紙トレイ20の左側の端部から上方且つ複合機10の右側へ曲がって、複合機10の左側面側から右側面側へ延出されている。
【0083】
[変形例5]
上述の実施形態においては、ユーザによって記録用紙12が複合機10から挿入される際に、当該記録用紙12は、手差しトレイ23と第1下側ガイド部材31とを通過して、第1搬送ローラ対54まで挿入される。しかし、第1搬送ローラ対54までの記録用紙12の挿入は、複合機10の装置背面51側に設けられる給送ローラによって実現されてもよい。この場合、給送ローラ25と同様に、当該給送ローラは、手差しトレイ23及び第1下側ガイド部材31に支持される記録用紙12を、第1搬送ローラ対54まで搬送する。
【符号の説明】
【0084】
10・・・複合機
16・・・搬送装置
18・・・外側ガイド部材
18A・・・第2ガイド部
19・・・内側ガイド部材
19A・・・第1ガイド部
22・・・支持部材
25・・・給送ローラ
30・・・第1上側ガイド部材
31・・・第1下側ガイド部材
35・・・軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
載置部に載置されたシートを搬送する搬送ローラと、
上記載置部よりも上方に配置され、少なくとも一部が湾曲しており上記搬送ローラによって搬送されるシートをガイドする第1ガイド部を有する内側部材と、
少なくとも一部が湾曲しており上記搬送ローラによって搬送されるシートをガイドする第2ガイド部を有し、当該第2ガイド部が上記第1ガイド部に対向して配置され、且つ、上記内側部材に対して装置外側に配置される外側部材と、
上記外側部材の上記載置部側を軸として、当該外側部材を回動可能に支持する支持部材と、
装置外側からシートが挿入される挿入口から上記外側部材に向かって延びており、当該挿入口から挿入されるシートの下側を支持する下側部材と、
上記下側部材と上記内側部材とに対向して配置される上側部材と、を備え、
上記外側部材は、
回動先端部が上記上側部材よりも上記内側部材側に位置する第1姿勢、及び上記回動先端部が上記内側部材よりも上記上側部材側に位置する第2姿勢の間で回動する搬送装置。
【請求項2】
上記外側部材は、上記回動先端部が上記第1姿勢のときに上記内側部材と当接し、上記回動先端部が上記第2姿勢に位置するときに上記上側部材と当接する請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
上記外側部材は、上記軸が延びる軸方向に沿って複数設けられており、
上記支持部材は、各外側部材を個別に回動可能に支持する請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項4】
上記外側部材は、上記軸方向に沿って少なくとも3つ設けられており、
上記外側部材が上記第1姿勢の状態において、上記軸方向における中央の上記外側部材と上記内側部材との距離は、上記幅方向における中央以外の上記外側部材と上記内側部材との距離以下である請求項3に記載の搬送装置。
【請求項5】
上記外側部材は、上記回動先端側に上記第2ガイド部の延設向きに沿って延設され、上記軸が延びる軸方向に複数設けられた第1リブを備え、
上記上側部材は、複数の上記第1リブの間に、上記延設向きに沿って延設された第2リブを備えている請求項1から4のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項6】
上記外側部材は、上記第1ガイド部と対向する部分に少なくとも一つのコロを備え、
各コロの周面の少なくとも一部は、上記第1ガイド部と対向する上記第2ガイド部から露出している請求項1から5のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項7】
上記外側部材は、自重によって上記第1姿勢に位置しており、上記第2ガイド部を通過するシートによって、上記第1姿勢から上記第2姿勢に回動する請求項1から6のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の搬送装置と、
上記搬送ローラに搬送されることよって上記第1ガイド部を通過したシートに画像を記録する記録部と、を備える画像記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−112427(P2013−112427A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−257221(P2011−257221)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】