説明

搬送装置

【課題】1つの搬送装置で、大型物品の搬送も小型物品の搬送も可能とし、小型物品の搬送の処理能力を大型物品の搬送の処理能力よりも高くすることを可能とすることである。
【解決手段】製品入りカートン搬送システム10における製品搬送装置20は、搬送方向に沿って、予め定めた所定の基本間隔の中に、搬送方向に移動可能な2対の前後搬送体として、主後方搬送体22、主前方搬送体24、副後方搬送体26、副前方搬送体28を有する。大型の製品6を搬送するときは、主後方搬送体22と主前方搬送体24との間を広げてその間に製品6を挟む。小型の製品7を搬送するときは、主後方搬送体22と主前方搬送体24とに挟まれて1個の小型の製品7が配置され、副後方搬送体26と副前方搬送体28とに挟まれてもう1個の小型の製品7が配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は搬送装置に係り、特に、循環回転する一対の環状無端体の一方に物品の搬送方向の前方に位置する前方搬送体を設け、他方に物品の搬送方向の後方に位置する後方搬送体を設け、物品を前方搬送体と後方搬送体とで前後を挟んで環状無端体を移動駆動することで物品を搬送する搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カートンあるいはカートンに収納する製品を搬送物品とする搬送装置として、循環回転する一対の環状無端体を用いるものが知られている。ここで、カートンを搬送する搬送ラインと同期してカートンに収納する製品を搬送する搬送ラインを設け、搬送されてきた製品をプッシャと呼ばれる詰め込み装置でカートンに収納する搬送システムを構成することができる。このような場合には、カートンあるいは製品の搬送位置の正確さが求められることが多い。
【0003】
搬送位置の正確さを図るために、一対の環状無端体の一方に物品の搬送方向の前方に位置する前方搬送体あるいは前爪を設け、他方に物品の搬送方向の後方に位置する後方搬送体あるいは後爪を設け、物品を前方搬送体と後方搬送体とで前後を挟んで環状無端体を移動駆動することで物品を搬送することが行われる。そして、物品の大きさに応じて、前方搬送体と後方搬送体との間の間隔の調整が行われる。
【0004】
例えば、特許文献1には、包装された物品を搬送方向の前後から挟む前爪と後爪とを備える包装装置において、前爪用のコンベヤチェーンと後爪用のコンベヤチェーンとを搬送方向に並列に配置し、前爪用コンベヤチェーンを駆動する第1サーボモータと、後爪用コンベヤチェーンを駆動する第2サーボモータとの間の回転量差を包装物品の寸法に合わせるように、第1サーボモータを第2サーボモータに対し正転または逆転させて、前爪と後爪との間の間隔の初期設定を行い、その後第1サーボモータと第2サーボモータが包装物品を搬送するために同期運転されることが述べられている。そして、初期設定の後で包装物品が変更になると、その変更寸法に合わせるように、第1サーボモータと第2サーボモータとの間の相対速度を変更して、前爪と後爪との間の間隔の変更設定を行い、その後第1サーボモータと第2サーボモータが同期運転されることが述べられている。
【0005】
また、特許文献2には、特許文献1と同様のカートン搬送装置において、従来技術として、カートンを前から挟むカートン搬送体が設けられるチェーンのスプロケットと、カートンを後ろから挟むカートン搬送体が設けられるチェーンのスプロケットとの間の回転位相差をカートンの寸法に応じて合わせるために、一方のチェーンの側のスプロケットが回転軸に対しボルトで調整可能に固定されていることが述べられている。
【0006】
【特許文献1】特開2000−136011号公報
【特許文献2】特開2001−130729号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、物品の前後を搬送体あるいは爪で挟んで搬送する装置において、物品の大きさが変更になると、前後搬送体あるいは前後爪の間の間隔を変更することが行われる。
【0008】
ところで、これらの搬送装置においては、大型の物品用には大型専用で、単位時間当りの搬送処理能力が低い搬送とする搬送装置とし、小型の物品用には小型専用で、搬送処理能力が高い搬送とする搬送装置とするように使い分けが行われている。そして、大型専用装置の範囲で物品の大きさに応じて前後搬送体の間の間隔の調整が行われ、小型専用装置の範囲で物品の大きさに応じて前後搬送体の間の間隔の調整を行われている。つまり、大型専用装置で小型の物品に合わせて前後搬送体の間の間隔を調整しても、大型専用装置に設けられる前後搬送体の総数は、搬送基本ピッチで決まっており、例えば、大型物品の長さの半分の小型の物品を搬送しようとしても、前後搬送体の総数が不足する。このことから、結局、小型物品を単位時間当たりに搬送する処理能力は、大型物品を単位時間当たりに搬送する処理能力と同じとなる。
【0009】
本発明の目的は、1つの搬送装置で、大型物品の搬送も小型物品の搬送も可能とする搬送装置を提供することである。また、他の目的は、1つの搬送装置で、大型物品の搬送も小型物品の搬送も可能とし、小型物品の搬送の処理能力を大型物品の搬送の処理能力よりも高くすることを可能とする搬送装置を提供することである。以下の手段は、上記目的の少なくとも1つに貢献する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る搬送装置は、循環回転する一対の環状無端体の一方に物品の搬送方向の前方に位置する前方搬送体を設け、他方に物品の搬送方向の後方に位置する後方搬送体を設け、物品を前方搬送体と後方搬送体とで前後を挟んで環状無端体を移動駆動することで物品を搬送する搬送装置において、前方搬送体と後方搬送体とを一対の前後搬送体として、予め定めた所定の基本間隔の中に、基本間隔の基準となる主後方搬送体とこれと対となる主後方搬送体とを一対とする主前後搬送体と、主前後搬送体の前方に配置される少なくとも一対の副前後搬送体とを含み、主前後搬送体が設けられる一対の主環状無端体について、主後方搬送体と主後方搬送体との間の搬送方向に沿った位置関係を、主後方搬送体の位置に対し主前方搬送体の位置を調整する主前方用調整手段と、一対の副前後搬送体が設けられる一対の副環状無端体について、基準となる主後方搬送体と副後方搬送体との間の搬送方向に沿った位置関係を、主後方搬送体の基準位置に対し副後方搬送体の位置を調整する副後方用調整手段と、基準位置に対し副後方搬送体の位置が調整された一対の副環状無端体について、副後方搬送体と副前方搬送体の搬送方向に沿った位置関係を、副後方搬送体の位置に対し副前方搬送体の位置を調整する副前方用調整手段と、搬送方向に沿った位置関係が相互に調整された一対の主環状無端体と少なくとも一対の副環状無端体とを同期して循環回転駆動させる制御装置と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る搬送装置において、一対の主環状無端体のうち、基準となる主後方搬送体が設けられる主後方環状無端体を回転駆動する主電動機を備え、主前方用調整手段は、主前方搬送体が設けられる主前方環状無端体を回転駆動する独立の電動機であって、主前方搬送体の位置を調整するために回転位置調整を行うことができ、回転位置調整後は、主電動機と同期して回転駆動される主前方用電動機であり、少なくとも一対の副環状無端体における副後方用調整手段は、副後方搬送体が設けられる副後方環状無端体を回転駆動する独立の電動機であって、副後方搬送体の位置を調整するために回転位置調整を行うことができ、回転位置調整後は、主電動機と同期して回転駆動される副後方用電動機であり、少なくとも一対の副環状無端体における副前方用調整手段は、副前方搬送体が設けられる副前方環状無端体を回転駆動する独立の電動機であって、副前方搬送体の位置を調整するために回転位置調整を行うことができ、回転位置調整後は、主電動機と同期して回転駆動される副前方用電動機であることが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る搬送装置において、一対の主環状無端体のうち、基準となる主後方搬送体が設けられる主後方環状無端体を回転駆動する主電動機を備え、主前方用調整手段は、主前方搬送体が設けられる主前方環状無端体を回転駆動する独立の動力伝達機構であって、主前方搬送体の位置を調整するために回転位置調整を行うことができ、回転位置調整後は、主電動機と同期して回転駆動される動力伝達機構であり、少なくとも一対の副環状無端体における副後方用調整手段は、副後方搬送体が設けられる副後方環状無端体を回転駆動する独立の動力伝達機構であって、副後方搬送体の位置を調整するために回転位置調整を行うことができ、回転位置調整後は、主電動機と同期して回転駆動される動力伝達機構であり、少なくとも一対の副環状無端体における副前方用調整手段は、副前方搬送体が設けられる副前方環状無端体を回転駆動する独立の動力伝達機構であって、副前方搬送体の位置を調整するために回転位置調整を行うことができ、回転位置調整後は、主電動機から動力伝達を受け同期して回転駆動される動力伝達機構であることが好ましい。
【0013】
また、本発明に係る搬送装置において、動力伝達機構は、主電動機の回転軸と主前方環状無端体の回転軸との間に設けられる歯車機構、または主電動機の回転軸と副後方環状無端体の回転軸との間に設けられる歯車機構、または主電動機の回転軸と副前方環状無端体の回転軸との間に設けられる歯車機構であって、主電動機の回転軸に対し主前方環状無端体の回転軸を相対的に回転できる回転手段、または主電動機の回転軸に対し副後方環状無端体の回転軸を相対的に回転できる回転手段、または主電動機の回転軸に対し副前方環状無端体の回転軸を相対的に回転できる回転手段を有することが好ましい。
【0014】
また、本発明に係る搬送装置において、動力伝達機構は、主電動機の回転軸と主前方環状無端体の回転軸との間に設けられる環状無端体、または主電動機の回転軸と副後方環状無端体の回転軸との間に設けられる環状無端体、または主電動機の回転軸と副前方環状無端体の回転軸との間に設けられる環状無端体であって、主電動機の回転軸に対し主前方環状無端体の回転軸を相対的に回転して固定する調整手段、または主電動機の回転軸に対し副後方環状無端体の回転軸を相対的に回転して固定する調整手段、または主電動機の回転軸に対し副前方環状無端体の回転軸を相対的に回転して固定する調整手段を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
上記構成により、搬送装置は、前方搬送体と後方搬送体とを一対の前後搬送体として、予め定めた所定の基本間隔の中に、基本間隔の基準となる主後方搬送体とこれと対となる主後方搬送体とを一対とする主前後搬送体と、主前後搬送体の前方に配置される少なくとも一対の副前後搬送体とを含む。すなわち、基本間隔の中に、一対の主前後搬送体の他に少なくとも一対の副前後搬送体を含むので、基本間隔の中で、複数の物品を前後で挟んで搬送することが可能になる。これによって、1つの搬送装置で、大型物品の搬送も小型物品の搬送も可能となり、また、基本間隔の搬送速度を同じにしたままで、小型物品の搬送の処理能力を大型物品の搬送の処理能力よりも高くできる。
【0016】
また、主前後搬送体が設けられる一対の主環状無端体については、主後方搬送体の位置に対し主前方搬送体の位置を調整する主前方用調整手段を備え、一対の副前後搬送体が設けられる一対の副環状無端体については、主後方搬送体の基準位置に対し副後方搬送体の位置を調整する副後方用調整手段と、副後方搬送体の位置に対し副前方搬送体の位置を調整する副前方用調整手段とを備えるので、物品の大きさの変更に対応が可能である。
【0017】
また、搬送装置において、一対の主環状無端体のうち、基準となる主後方搬送体が設けられる主後方環状無端体を回転駆動するものとして主電動機を備え、主前方用調整手段は、主前方搬送体が設けられる主前方環状無端体を回転駆動する独立の電動機である。同様に、副後方用調整手段も、副前方用調整手段も、主電動機とは独立の電動機である。これらは、それぞれ、対応する搬送体の位置を調整するために回転位置調整を行うことができ、回転位置調整後は、主電動機と同期して回転駆動される。これにより、各電動機の作動制御によって、物品の大きさに対応する前後搬送体の間の間隔の調整を容易に行うことができる。
【0018】
また、搬送装置において、一対の主環状無端体のうち、基準となる主後方搬送体が設けられる主後方環状無端体を回転駆動するものとして主電動機を備え、主前方用調整手段は、主前方搬送体が設けられる主前方環状無端体を回転駆動する独立の動力伝達機構である。同様に、副後方用調整手段も、副前方用調整手段も、独立の動力伝達機構である。これらは、それぞれ、対応する搬送体の位置を調整するために回転位置調整を行うことができ、回転位置調整後は、主電動機から動力伝達を受け同期して回転駆動される。これにより、動力源を1つの主電動機とすることができる。また、各動力伝達機構の作動調整によって、物品の大きさに対応する前後搬送体の間の間隔の調整を容易に行うことができる。
【0019】
また、搬送装置において、動力伝達機構を歯車機構とし、各無端体の回転軸を相対的に回転できる回転手段を有するので、動力源を1つの主電動機としながら、回転手段の作動調整によって、物品の大きさに対応する前後搬送体の間の間隔の調整を容易に行うことができる。
【0020】
また、搬送装置において、動力伝達機構を環状無端体とし、各搬送体が設けられる方の無端体の回転軸を相対的に回転して固定する調整手段を有するので、動力源を1つの主電動機としながら、調整手段による回転位置の調整によって、物品の大きさに対応する前後搬送体の間の間隔の調整を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。以下では、搬送される物品として、カートンと、カートンに収納する製品とを取り上げ説明するが、勿論、搬送される対象は、カートン、製品以外の一般的な物品であってもよい。また、以下では、カートンを搬送するカートン搬送装置と、これに同期してカートンに収納する製品を搬送する製品搬送装置を設け、搬送されてきた製品をプッシャと呼ばれる詰め込み装置でカートンに収納する搬送システムを説明し、この中の製品搬送装置が、基本間隔の中に複数対の前後搬送体を含むものとして説明する。ここで、プッシャは、固定位置から製品をカートンに詰め込むいわゆる間欠式プッシャとして説明するが、プッシャが製品の搬送等と同期して移動するいわゆる連続式プッシャであっても勿論構わない。また、説明する搬送システムは、例示であって、プッシャを含まないシステムであってもよく、また、単に製品搬送ラインのみを含むシステムであってもよい。また、基本間隔の中に複数対の前後搬送体を含むときの前後搬送体を移動駆動するものとしてチェーンを用いる環状無端体を説明するが、勿論、ベルトを用いる環状無端体であってもよい。
【0022】
また、上記のように、以下では、基本間隔の中に複数対の前後搬送体を含む搬送装置として、製品搬送のためのものを説明するが、これは説明のための例示であって、勿論、カートン搬送のためのものであってもよい。すなわち、一般的には、カートンに製品を詰め込むシステムの場合、カートンは開口するために搬送方向にやや大きめの長さを要することがあり、また、1つのカートンに複数個の製品を詰め込むこともあるので、カートン搬送の方が大型になりやすい。これに比較して、製品搬送の場合は、そのようなことが少なく、大型製品搬送の場合と小型製品の搬送の場合とが生じやすい。したがって、以下では基本間隔の中に複数対の前後搬送体を含むものの代表例として、製品搬送装置を説明することとしたものである。
【0023】
また、以下では、主後方搬送体の位置を基準として説明するが、勿論、主後方搬送体の位置以外を位置の基準としても本発明を実施できる。例えば、主前方搬送体の位置を基準とすることでも本発明を実施できる。また、以下では、主後方搬送体が設けられる主後方環状無端体を回転駆動する主電動機と別に、主前方搬送体が設けられる主前方環状無端体を回転駆動する主前方用電動機、副後方搬送体が設けられる副後方環状無端体を回転駆動する副後方用電動機、副前方搬送体が設けられる副前方環状無端体を回転駆動する副前方用電動機を電動機として備え、これらはそれぞれ独立に回転位置調整を行い、回転位置調整後はそれぞれが主電動機と同期して回転駆動されるものとして説明するが、これは主後方搬送体を基準として説明するためのものである。勿論、主後方搬送体以外を基準とするときは、その基準とする搬送体が設けられる環状無端体を回転駆動する電動機を基準として、回転位置調整後は、その基準となる電動機に同期して、それ以外の電動機が回転駆動されるものとできる。例えば、主前方搬送体が設けられる主前方環状無端体を回転駆動する主前方用電動機を基準とするとして、回転位置調整後は、主前方用電動機に同期して、他の電動機が回転駆動されるものとしても本発明を実施できる。
【0024】
また、以下では、基本間隔の中に一対の主前後搬送体と、一対の副前後搬送体の合計2対の前後搬送体がある構成、すなわち、基本間隔の中に4つの搬送体がある構成について説明するが、副前後搬送体は、一対以上であればよく、複数対であってもよい。例えば、基本間隔の中に一対の主前後搬送体と2対の副前後搬送体がある構成であってもよく、さらに三対以上の副前後搬送体がある構成であっても構わない。
【0025】
図1は、製品入りカートン搬送システム10の構成を示す図である。図1には、システムの構成要素ではないが、カートン8とカートン8の中に収納される製品6とが図示されている。この製品入りカートン搬送システム10は、空のカートン8と、製品6とをそれぞれ搬送し、空のカートン8の中に製品6を詰め込み、製品入りカートンとして次工程に搬送する機能を有する搬送システムである。
【0026】
製品入りカートン搬送システム10は、基台12の上に、カートン取出装置14と、取り出されたカートン8を白抜き矢印で示される搬送方向に搬送するカートン搬送装置16と、図示されていない製品供給装置から供給される製品6を白抜き矢印で示される搬送方向にカートン搬送装置16の搬送に同期して搬送する製品搬送装置20と、カートン搬送装置16の上のカートン8に製品搬送装置20の上の製品を詰め込むプッシャ18とを含んで構成される。全体の作動は図示されていないシステム制御装置によって制御される。
【0027】
ここで、プッシャ18は、固定位置に設けられ、プッシャ18の押し込む位置に、カートン搬送装置16の上のカートン8が来たときに、製品搬送装置20の上の製品6がプッシャ18の押し込む位置にちょうど来るように、同期制御が行われる。
【0028】
また、カートン搬送装置16と、製品搬送装置20は、ともに循環回転する一対の環状無端体であるチェーンを用いて搬送を行う。そして、いずれも、一対の環状無端体の一方に物品の搬送方向の前方に位置する前方搬送体が設けられ、他方に物品の搬送方向の後方に位置する後方搬送体が設けられ、物品を前方搬送体と後方搬送体とで前後を挟んで環状無端体を移動駆動することで物品を搬送する装置である。
【0029】
ここで、製品入りカートン搬送システム10を構成する要素のうち、以下に詳細に説明する製品搬送装置20の構成以外は、すでに周知の搬送関係技術を用いることができるので、詳細な説明を省略する。
【0030】
図1において、製品搬送装置20は、製品の大きさに応じて、製品を前後から挟む前後搬送体の間の間隔を変更することができる。このために、製品搬送装置20は、搬送方向に沿って、予め定めた所定の基本間隔の中に、移動可能な2対の前後搬送体を有する。基本間隔とは、製品搬送装置20における搬送処理能力を定める単位で、通常は、この基本間隔について1個の製品が配置されて搬送される。例えば、基本間隔をPcmとし、搬送速度をVcm/sとすると、通常の場合では、毎秒当り(V/P)個の製品を搬送する処理能力を有する。仮に、この基本間隔について、2個の製品を搬送することができるとすると、この場合の搬送処理能力は、毎秒当り{V/(P/2)}=(2V/P)となって、通常の2倍の処理能力を有することになる。
【0031】
図1において、○印で拡大された部分が、基本間隔に相当する部分である。製品搬送装置20は、基本間隔の中に、主後方搬送体22、主前方搬送体24、副後方搬送体26、副前方搬送体28を有する。
【0032】
図1の左側に(a)として示される○印には、大型の製品6が1個、主後方搬送体22と主前方搬送体24とに挟まれて配置される様子が示されている。ここでは、副後方搬送体26と副前方搬送体28とはその間に何も配置されていない。この場合の搬送の処理能力は、上記のように毎秒当り(V/P)個である。なお、ここでAとは、大型の製品6の搬送方向の寸法を表している。
【0033】
図1の右側に(b)として示される○印には、小型の製品7が2個配置される。すなわち、主後方搬送体22と主前方搬送体24とに挟まれて1個の小型の製品7が配置され、副後方搬送体26と副前方搬送体28とに挟まれてもう1個の小型の製品7が配置される。この場合の搬送の処理能力は、上記のように毎秒当り(2V/P)個である。なお、ここでBとは、小型の製品7の搬送方向の寸法を表している。BはおよそA/2である。
【0034】
このように、製品搬送装置20は、1台の装置でありながら、製品の大きさに応じて、製品を前後から挟む前後搬送体の間の間隔を変更して、大型の製品6の場合には基本間隔当り1個、小型の製品7の場合には基本間隔当り2個配置する機能を有する。また、これによって、小型の製品7の搬送処理能力を大型の製品6の搬送処理能力の2倍とする機能を有する。
【0035】
図2と図3は、製品搬送装置20について、基本間隔Pの範囲の構成を説明する図である。ここで、図2には、図1のAで説明した大型の製品6を配置する場合に対応する構成が示され、図3には、図1のBで説明した小型の製品7を配置する場合に対応する構成が示されている。
【0036】
図2において、横方向に延びる8本のラインは、それぞれが環状無端体である環状チェーンである。搬送方向は、図2において白抜き矢印で示すように、左側から右側に向かっている。すなわち、図2の左側が搬送方向の後方側、右側が前方側である。8本の環状無端体は、図2において、上方から下方に向かって、主後方環状無端体32、主前方環状無端体34、副後方環状無端体36、副前方環状無端体38、主後方環状無端体33、主前方環状無端体35、副後方環状無端体37、副前方環状無端体39の順に配置されている。
【0037】
これらの環状無端体は、それぞれ駆動源に接続されるが、図2の右端に各環状無端体に接続される駆動源が示されている。すなわち、図2の上方から下方に向かって、8本の環状無端体のうち、上方の4本は、それぞれ、駆動源42、駆動源44、駆動源46、駆動源48に接続される。そしてその下方の4本は、それぞれ、駆動源42、駆動源44、駆動源46、駆動源48に接続される。すなわち、図2において、上方から数えて1番目と5番目の主後方環状無端体32,33は、駆動源42に接続され、上方から数えて2番目と6番目の主前方環状無端体34,35は、駆動源44に接続され、上方から数えて3番目と7番目の副後方環状無端体36,37は、駆動源46に接続され、上方から数えて4番目と8番目の副前方環状無端体38,39は、駆動源48に接続される。
【0038】
また、図2に示されるように、基本間隔Pの間には、4本の搬送体が配置される。すなわち、図2の左側から右側に向かって、すなわち、搬送方向の後方から前方に向かって、主後方搬送体22、主前方搬送体24、副後方搬送体26、副前方搬送体28が基本間隔Pの中に配置される。ここで、主後方搬送体22が基本間隔Pの基準となる位置に配置される。なお、副前方搬送体28の前方には、次の基本間隔の基準となる主後方搬送体22が配置されていることが示されており、この2つの主後方搬送体22の間の間隔が、製品搬送装置20において予め定められた基本間隔Pとなる。
【0039】
図2に示されるように、主後方搬送体22は、取付部材23を介して主後方環状無端体32と主後方環状無端体33に取付けられる。上記のように、主後方環状無端体32と主後方環状無端体33とは駆動源42に接続される。つまり、主後方搬送体22は、駆動源42によって回転駆動されることになる。同様に、主前方搬送体24は、主前方環状無端体34と主前方環状無端体35に取り付けられて、駆動源44によって回転駆動される。副後方搬送体26は、副後方環状無端体36と副後方環状無端体37に取り付けられて、駆動源46によって回転駆動される。副前方搬送体28は、副前方環状無端体38と副前方環状無端体39に取り付けられて、駆動源48によって回転駆動される。
【0040】
そして、図2においては、主後方搬送体22と主前方搬送体24との間の間隔が、図1で説明した大型の製品6の搬送方向の長さに相当するAに設定される。副後方搬送体26と副前方搬送体28は向かい合わせに接触するように配置され、その間の間隔は実質上ゼロに設定される。各搬送体の相対的な位置の設定の方法については後述する。
【0041】
図3に示される構造も基本的には図2と同様である。したがって、図2と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。図3においては、主後方搬送体22と主前方搬送体24との間の間隔が、図1で説明した小型の製品7の搬送方向の長さに相当するBに設定される。そして、副後方搬送体26と副前方搬送体28との間の間隔も、同じBに設定される。このようにして、図3の構成においては、基本間隔Pの間に、2つのBが設定されるので、基本間隔Pの間に、2個の小型の製品7を配置することができる。
【0042】
図2と図3の関係を模式図である図4を用いて説明する。以下では、図1から図3と同一の要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。図4の上段には、図2に対応する構成の模式図が示され、下段には、図3に対応する構成の模式図が示されている。
【0043】
なお、図4では、同じ駆動源に接続される2つの環状無端体を1つの線図形で示してある。例えば、駆動源42に接続される主後方環状無端体32,33は1つの線図形で示されており、さらに、この1つの線図形に主後方搬送体22が取付けられていることが示されている。駆動源44,46,48についても同様に、それぞれ1つの線図形で対応する2つの環状無端体が示され、さらにその線図形に対応する搬送体が取付けられていることが示されている。
【0044】
また、図4では、各駆動源として、主電動機30から動力伝達機構である歯車機構31を介して伝達されるものとして示されている。歯車機構31は、直列に接続される7つの歯車列で構成される。つまり、駆動源42は、主電動機30の駆動軸および歯車機構31の最初の歯車の中心軸そのものであり、駆動源44は、主電動機30の駆動軸に接続される歯車機構31の3番目の歯車の出力軸であり、駆動源46は、主電動機30の駆動軸に接続される歯車機構31の5番目の歯車の出力軸であり、駆動源48は、主電動機30の駆動軸に接続される歯車機構31の7番目の歯車の出力軸である。歯車機構31の各歯車の歯数は同一であるので、駆動源42,44,46,48には同じ駆動力が供給されることになる。そして、図1で説明した製品搬送装置20が製品6または製品7を搬送するときには、主電動機30から歯車機構31を介して駆動源42,44,46,48は、同期して回転駆動されることになる。
【0045】
図4の上段は、図2に対応する構成が示され、主後方搬送体22と主前方搬送体24との間の間隔がAとされる。一方、図4の下段は、図3に対応する構成が示され、主後方搬送体22と主前方搬送体24との間の間隔、および副後方搬送体26と副前方搬送体28との間の間隔がそれぞれBとされる。ここで、主後方搬送体22の搬送方向に沿った位置を基準とすると、図4の上段と下段との間で、主前方搬送体24はθ4だけ後方側に位置がずらされ、副後方搬送体26はθ6だけ後方側に位置がずらされ、副前方搬送体28はθ8だけ後方に位置がずらされている。
【0046】
各搬送体の位置関係は、主後方搬送体22を基準として設定することが好ましいので、図4にそれぞれ示したC,D,Eの間隔を用いると、θ4,θ6,θ8とP,A,B,C,D,Eの関係は次のようになる。ここで、間隔Cは、図4の下段において、主前方搬送体24と副後方搬送体26との間の間隔であり、また、副前方搬送体28と次の主後方搬送体22との間の間隔である。また、間隔Dは、図4の上段において、主前方搬送体24と副後方搬送体26との間の間隔であり、また、副前方搬送体28と次の主後方搬送体22との間の間隔である。また、間隔Eは、図4の上段において、副後方搬送体26と副前方搬送体28との間の間隔である。
【0047】
すなわち、上記の記号を用いると、P=2B+2C=A+2D+Eである。そして、θ4=A−Bとなり、θ6=(A+D)−(B+C)となり、θ8=(A+D+E)−(2B+C)=(P−D)−(P−C)=(C+D)となる。
【0048】
そして、主後方搬送体22の位置を基準に考えると、図4の上段における各搬送体の位置は次のように与えられる。すなわち、主後方搬送体22の搬送方向に沿った位置をゼロ(0)として、主前方搬送体24の位置は、+Aである。また、副後方搬送体26の位置は、+(A+D)であり、副前方搬送体28の位置は+(A+D+E)である。
【0049】
同様に、主後方搬送体22の位置を基準に考えると、図4の下段における各搬送体の位置は次のように与えられる。すなわち、主後方搬送体22の搬送方向に沿った位置をゼロ(0)として、主前方搬送体24の位置は、+Bである。また、副後方搬送体26の位置は、+(B+C)であり、副前方搬送体28の位置は+(2B+C)である。ここで、上記の関係を用いると、+(B+C)=+(A+D)-θ6であり、+(2B+C)=+(A+D+E)−θ8である。
【0050】
したがって、図4の上段の状態から下段の状態に変更するには、主後方搬送体22の位置を基準として、各搬送体の位置を次のように変更すればよいことになる。すなわち、主前方搬送体24については、+Aの位置から+Bの位置に、つまり+B=+A−θ4の状態に変更する。副後方搬送体26については、+(A+D)の位置から+(B+C)の位置に、つまり、+(B+C)=+(A+D)-θ6の状態に変更する。副前方搬送体28については、+(A+D+E)の位置から+(2B+C)の位置に、つまり+(2B+C)=+(A+D+E)−θ8の状態に変更する。
【0051】
そして、製品搬送装置20は、主後方搬送体22の搬送方向に沿った位置を基準として、主前方搬送体24の位置を+Aの位置からθ4だけ後方の+Bの位置に、つまり+B=+A−θ4の状態となるように調整する主前方用調整手段を有する。また、副後方搬送体26の位置を+(A+D)の位置からθ6だけ後方の+(B+C)の位置に、つまり、+(B+C)=+(A+D)-θ6の状態となるように調整する副後方用調整手段を有する。また、副前方搬送体28の位置を+(A+D+E)の位置からθ8だけ後方の+(2B+C)の位置に、つまり+(2B+C)=+(A+D+E)−θ8の状態となるように調整する副前方用調整手段を有する。
【0052】
図5は、主後方搬送体22の搬送方向に沿った位置を基準として、主前方搬送体24の位置をθ4だけ後方側にずらす主前方用調整手段を説明する図である。図4と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。ここでは、図4で説明した構成のうち、駆動源44に関係する部分のみが示されている。上記のように、駆動源44は、主電動機30の駆動軸に接続される歯車機構31の3番目の歯車の出力軸50であるが、詳しくは、この出力軸50と、主後方環状無端体32,33の回転軸52とで構成される。すなわち、出力軸50に伝達される駆動力が回転軸52に伝達されて初めて主後方環状無端体32,33の駆動源として機能する。
【0053】
ここで、出力軸50と、回転軸52とは、適当な摩擦機構51によって接続されている。摩擦機構51としては、電気制御信号で摩擦係合を着脱できる電磁クラッチ機構を用いることができる。例えば、向かい合う摩擦円板を押し付けることで相互の摩擦円板間を摩擦力で係合させ、向かい合う摩擦円板を離間することで摩擦力による係合を解除するものを用いることができる。この場合には、電磁クラッチ51を構成する一方側の摩擦円板を出力軸50に設け、他方側の摩擦円板を回転軸52に設け、電気制御信号によって、2つの摩擦円板を押し付けるときは出力軸50の駆動力を摩擦力により回転軸52に伝達させ、2つの摩擦円板を離間させるときは、出力軸50の状態に関係なく、回転軸52を別途回転させるものとできる。なお、出力軸50の回転負荷が、主後方環状無端体32,33の回転負荷よりも十分に重いときには、他の摩擦機構として、適当な摩擦力を発生するライナーを出力軸50と回転軸52との間に設けるものとしてもよい。このとき、回転軸52を自由状態とすることで出力軸50に主後方環状無端体32,33が摩擦力で追従し、出力軸50を固定することで、回転軸52の回転駆動で出力軸50を回転させることなく主後方環状無端体32,33を回転させることができる。
【0054】
そして、回転軸52は、適当な減速装置を介して回転手段54に接続されている。ここで、図1で説明したように、製品搬送装置20が製品6または製品7を搬送するときは、この摩擦機構51の摩擦力によって、主電動機30の駆動力が回転軸52に伝達されて、主後方環状無端体32,33が回転駆動される。したがって主後方環状無端体32,33の回転駆動は主電動機30の出力軸の回転駆動と同期している。
【0055】
一方、製品搬送装置20において、物品を製品6から製品7に切り換えるときは、主電動機30の回転駆動を停止し、回転手段54を用いて、回転軸52を回転させる。なお、摩擦機構51に電磁クラッチを用いるときには摩擦係合を解除する。このとき、主電動機30は停止しているので、出力軸50は固定され回転しない。したがって、出力軸50がその回転位置をそのままにした状態で、回転軸52のみが回転位置を変更し、それに従って主後方環状無端体32,33が搬送方向に沿って移動する。その移動量がθ4となるところで、回転手段54の回転を止める。この状態で、主後方搬送体22と主前方搬送体24との間の間隔は、AからBに変更されている。したがって、摩擦機構51と、回転手段54とが、主前方用調整手段に相当する。
【0056】
同様に、駆動源46にも、摩擦機構と回転手段とが設けられ、これらが副後方用調整手段に相当する。同様に、駆動源48に設けられる摩擦機構と回転手段とが副前方用調整手段に相当する。
【0057】
これらの調整手段を用いて、主後方搬送体22の位置を基準として、搬送方向に沿って、主前方環状無端体34,35の位置を+Aの位置からθ4だけ後方の+Bの位置に、副後方環状無端体36,37の位置を+(A+D)の位置からθ6だけ後方の+(B+C)の位置に、副前方環状無端体38,39の位置を+(A+D+E)の位置からθ8だけ後方の+(2B+C)の位置にそれぞれ調整することで、主後方搬送体22と主前方搬送体24との間の間隔、および副後方搬送体26と副前方搬送体28との間の間隔をそれぞれBに変更できる。上記のように、θ4,θ6,θ8の値は、基本間隔P、大型の製品6の寸法に基くA、小型の製品7の寸法に基くB等によって予め求めることができる。
【0058】
このようにして、主電動機30を停止した状態で、主前方用調整手段、副後方用調整手段、副前方用調整手段によって、主前方搬送体24、副後方搬送体26、副前方搬送体28の搬送方向の位置を調整した後は、製品の搬送が可能になる。すなわち、位置調整が完了した状態で主電動機30を駆動することで、駆動源44,46,48は主電動機30と同期してそれぞれ対応する環状無端体を回転駆動する。これによって、製品6を低い搬送処理能力で搬送する状態から、製品7を高い搬送処理能力で搬送する状態に切り換わる。
【0059】
上記では、位置調整手段として、摩擦機構と回転手段とを用いる方法を説明した。位置調整手段としては、この以外の方法でも、図5における出力軸50と回転軸52との間の相対的角度を調整するものであればよい。例えば、出力軸50と回転軸52とがボルトによって固定されるものであるときは、ボルトを緩めて、出力軸50に対し回転軸52を相対的に必要な角度だけ回転させ、再びボルトで固定する方法を用いることができる。
【0060】
また、上記では、動力伝達機構として歯車機構を説明したが、それ以外の動力伝達機構を用いるものとしてもよい。例えば、チェーンまたはベルトを用いる環状無端体を主電動機30から各駆動源44,46,48との間の動力伝達機構として用いるものとできる。この場合でも、位置調整手段として、上記の摩擦機構と回転手段、あるいはボルトを用いた回転角度調整方法等を用いることができる。
【0061】
上記では、1台の主電動機を用いて複数の駆動源を同期駆動するものとして説明したが、各駆動源を独立した電動機として構成することもできる。図6は、駆動源として、主電動機30の他に、同等の相互に独立した主前方用電動機64、副後方用電動機66、副前方用電動機68を用いる例を示す図である。図1で説明したように、製品搬送装置20が製品6または製品7を搬送するときは、これらの電動機64,66,68が主電動機30と同期してそれぞれ対応する環状無端体を回転駆動させる。
【0062】
図4で説明したθ4,θ6,θ8に関する位置調整は、主電動機30を停止させた状態で、それぞれの対応する電動機64,66,68を、個別にθ4,θ6,θ8に対応する回転角度だけ回転させることで容易に行うことができる。あるいは、主電動機30に対し、それぞれの対応する電動機64,66,68の相対的な回転速度を異ならせ、その速度差を利用して、個別にθ4,θ6,θ8に対応する回転角度だけの差を生じさせることでも位置調整を行うこともできる。これらの調整は電気的に行うことができるので特に便利である。θ4,θ6,θ8に関する位置調整が完了すれば、その状態で各電動機64,66,68を主電動機30に対し同期駆動することで、製品6を低い搬送処理能力で搬送する状態から、製品7を高い搬送処理能力で搬送する状態に切り換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明に係る実施の形態の製品搬送装置を含む製品入りカートン搬送システムの構成を示す図である。
【図2】本発明に係る実施の形態において、基本間隔の範囲において大型製品を配置するときの前後搬送体の構成を説明する図である。
【図3】本発明に係る実施の形態において、基本間隔の範囲において小型製品を配置するときの前後搬送体の構成を説明する図である。
【図4】図2と図3の関係を説明する模式図である。
【図5】本発明に係る実施の形態において、搬送体の搬送方向に沿った位置を調整する調整手段を説明する図である。
【図6】本発明に係る実施の形態において、駆動源として、主電動機の他に、同等の相互に独立した電動機を用いる例を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
6,7 製品、8 カートン、10 製品入りカートン搬送システム、12 基台、14 カートン取出装置、16 カートン搬送装置、18 プッシャ、20 製品搬送装置、22 主後方搬送体、23 取付部材、24 主前方搬送体、26 副後方搬送体、28 副前方搬送体、30 主電動機、31 歯車機構(動力伝達機構)、32,33 主後方環状無端体、34,35 主前方環状無端体、36,37 副後方環状無端体、38,39 副前方環状無端体、42,44,46,48 駆動源、50 出力軸、51 摩擦機構、52 回転軸、54 回転手段(調整手段)、64 主前方用電動機、66 副後方用電動機、68 副前方用電動機。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
循環回転する一対の環状無端体の一方に物品の搬送方向の前方に位置する前方搬送体を設け、他方に物品の搬送方向の後方に位置する後方搬送体を設け、物品を前方搬送体と後方搬送体とで前後を挟んで環状無端体を移動駆動することで物品を搬送する搬送装置において、
前方搬送体と後方搬送体とを一対の前後搬送体として、予め定めた所定の基本間隔の中に、基本間隔の基準となる主後方搬送体とこれと対となる主前方搬送体とを一対とする主前後搬送体と、主前後搬送体の前方に配置される少なくとも一対の副前後搬送体とを含み、
主前後搬送体が設けられる一対の主環状無端体について、主後方搬送体と主前方搬送体との間の搬送方向に沿った位置関係を、主後方搬送体の位置に対し主前方搬送体の位置を調整する主前方用調整手段と、
一対の副前後搬送体が設けられる一対の副環状無端体について、基準となる主後方搬送体と副後方搬送体との間の搬送方向に沿った位置関係を、主後方搬送体の基準位置に対し副後方搬送体の位置を調整する副後方用調整手段と、
基準位置に対し副後方搬送体の位置が調整された一対の副環状無端体について、副後方搬送体と副前方搬送体の搬送方向に沿った位置関係を、副後方搬送体の位置に対し副前方搬送体の位置を調整する副前方用調整手段と、
搬送方向に沿った位置関係が相互に調整された一対の主環状無端体と少なくとも一対の副環状無端体とを同期して循環回転駆動させる制御装置と、
を備えることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の搬送装置において、
一対の主環状無端体のうち、基準となる主後方搬送体が設けられる主後方環状無端体を回転駆動する主電動機を備え、
主前方用調整手段は、主前方搬送体が設けられる主前方環状無端体を回転駆動する独立の電動機であって、主前方搬送体の位置を調整するために回転位置調整を行うことができ、回転位置調整後は、主電動機と同期して回転駆動される主前方用電動機であり、
少なくとも一対の副環状無端体における副後方用調整手段は、副後方搬送体が設けられる副後方環状無端体を回転駆動する独立の電動機であって、副後方搬送体の位置を調整するために回転位置調整を行うことができ、回転位置調整後は、主電動機と同期して回転駆動される副後方用電動機であり、
少なくとも一対の副環状無端体における副前方用調整手段は、副前方搬送体が設けられる副前方環状無端体を回転駆動する独立の電動機であって、副前方搬送体の位置を調整するために回転位置調整を行うことができ、回転位置調整後は、主電動機と同期して回転駆動される副前方用電動機であることを特徴とする搬送装置。
【請求項3】
請求項1に記載の搬送装置において、
一対の主環状無端体のうち、基準となる主後方搬送体が設けられる主後方環状無端体を回転駆動する主電動機を備え、
主前方用調整手段は、主前方搬送体が設けられる主前方環状無端体を回転駆動する独立の動力伝達機構であって、主前方搬送体の位置を調整するために回転位置調整を行うことができ、回転位置調整後は、主電動機と同期して回転駆動される動力伝達機構であり、
少なくとも一対の副環状無端体における副後方用調整手段は、副後方搬送体が設けられる副後方環状無端体を回転駆動する独立の動力伝達機構であって、副後方搬送体の位置を調整するために回転位置調整を行うことができ、回転位置調整後は、主電動機と同期して回転駆動される動力伝達機構であり、
少なくとも一対の副環状無端体における副前方用調整手段は、副前方搬送体が設けられる副前方環状無端体を回転駆動する独立の動力伝達機構であって、副前方搬送体の位置を調整するために回転位置調整を行うことができ、回転位置調整後は、主電動機から動力伝達を受け同期して回転駆動される動力伝達機構であることを特徴とする搬送装置。
【請求項4】
請求項3に記載の搬送装置において、
動力伝達機構は、主電動機の回転軸と主前方環状無端体の回転軸との間に設けられる歯車機構、または主電動機の回転軸と副後方環状無端体の回転軸との間に設けられる歯車機構、または主電動機の回転軸と副前方環状無端体の回転軸との間に設けられる歯車機構であって、主電動機の回転軸に対し主前方環状無端体の回転軸を相対的に回転できる回転手段、または主電動機の回転軸に対し副後方環状無端体の回転軸を相対的に回転できる回転手段、または主電動機の回転軸に対し副前方環状無端体の回転軸を相対的に回転できる回転手段を有することを特徴とする搬送装置。
【請求項5】
請求項3に記載の搬送装置において、
動力伝達機構は、主電動機の回転軸と主前方環状無端体の回転軸との間に設けられる環状無端体、または主電動機の回転軸と副後方環状無端体の回転軸との間に設けられる環状無端体、または主電動機の回転軸と副前方環状無端体の回転軸との間に設けられる環状無端体であって、主電動機の回転軸に対し主前方環状無端体の回転軸を相対的に回転して固定する調整手段、または主電動機の回転軸に対し副後方環状無端体の回転軸を相対的に回転して固定する調整手段、または主電動機の回転軸に対し副前方環状無端体の回転軸を相対的に回転して固定する調整手段を有することを特徴とする搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−190868(P2009−190868A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−34997(P2008−34997)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)