説明

搬送装置

【課題】搬送装置の構成の簡素化を図る。
【解決手段】所定の軌道に沿ってチェーン3が循環駆動され、チェーン3にてパレット5が搬送される搬送装置において、いわゆるプラブロックチェーン3を水平循環させ、パレット5をチェーン3の側板部311に載せて搬送させる構成とすることにより、2つのコンベアと2つのパレット移送部の機能を、1つのコンベアで実現することができ、搬送装置の構成の簡素化を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パレットを搬送する搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パレットを使用する従来の水平循環型の搬送装置は、ワークを載せたパレットを搬送するための往路用のコンベア、空パレットを戻すための復路用のコンベア、往路用コンベアから復路用コンベアへパレットを移送する往路用パレット移送部、および、復路用コンベアから往路用コンベアへパレットを移送する復路用パレット移送部を組み合わせた構成となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の搬送装置は、各コンベアにそれぞれ駆動用の電動機を設けているため、コストも高く省エネルギーにも貢献出来ないという問題があった。
【0004】
また、パレット移送部は、コンベア上でのパレットエスケープ機能・パレット移送部への引き込み機能・パレット移送機能・パレット移送部からの押し出し機能が必要で、一般的には多くのシリンダを用いるため、機構・構造的にも複雑化し、パレットを移送するための電気制御、及び多くの各種センサ類が必要となり、コストも高く省エネルギーにも貢献出来ないという問題があった。
【0005】
さらに、2つのコンベアと2つのパレット移送部を用いているため、スペースを多く取ってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は上記点に鑑みて、搬送装置の構成の簡素化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、所定の軌道に沿ってチェーン(3)が循環駆動され、チェーン(3)にてパレット(5)が搬送される搬送装置において、チェーン(3)は、対向する2つの側板部(311)を連結板部(313)で連結した断面コ字状のブロック(31)と、隣接するブロック(31)を屈曲可能に連結する連結ピン(32)とを備え、さらに、チェーン(3)が水平循環され、パレット(5)が側板部(311)に載せられて搬送されるように構成されていることを特徴とする。
【0008】
ところで、いわゆるプラブロックチェーンを用いた搬送装置は、上下循環型で、プラブロックチェーンにおける断面コ字状のブロックの連結板部にパレットが載せられて搬送されるのに対し、請求項1に記載の発明では、いわゆるプラブロックチェーンを水平循環させ、パレット(5)を側板部(311)に載せて搬送させる構成とすることにより、2つのコンベアと2つのパレット移送部の機能を、1つのコンベアで実現することができ、搬送装置の構成の簡素化を図ることができる。
【0009】
また、駆動用の電動機を1つにすることができ、パレット移送部は、シリンダ等によるパレット(5)の移送機構・構造が不要となり、それに伴うセンサ類及び電気制御も不要となり、低コスト化および省エネルギー化を図ることができる。
【0010】
さらに、クレセントチェーンやトップチェーンを用いる場合よりも、両側コーナー部の曲率半径を小さくすることができるため、コンパクトな搬送装置とすることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明では、所定の軌道に沿ってチェーン(3)が循環駆動され、チェーン(3)にてパレット(5)が搬送される搬送装置において、チェーン(3)は、内リンク(331)及び外リンク(332)が連結ピン(333)により屈曲可能に連結されたチェーン本体(33)と、対向する2つの側板部(341)を連結板部(342)で連結して断面コ字状に形成され、チェーン本体(33)の側面を側板部(341)で覆うとともにチェーン本体(33)の外周部を連結板部(342)で覆うようにしてチェーン本体(33)に装着されたカバー(34)とを備え、さらに、チェーン(3)が水平循環され、パレット(5)が側板部(341)に載せられて搬送されるように構成されていることを特徴とする。
【0012】
ところで、いわゆるスナップカバーチェーンを用いた搬送装置は、上下循環型で、スナップカバーチェーンにおける断面コ字状のカバーの連結板部にパレットが載せられて搬送されるのに対し、請求項2に記載の発明では、いわゆるスナップカバーチェーンを水平循環させ、パレット(5)を側板部(341)に載せて搬送させる構成とすることにより、2つのコンベアと2つのパレット移送部の機能を、1つのコンベアで実現することができ、搬送装置の構成の簡素化を図ることができる。
【0013】
また、駆動用の電動機を1つにすることができ、パレット移送部は、シリンダ等によるパレット(5)の移送機構・構造が不要となり、それに伴うセンサ類及び電気制御も不要となり、低コスト化および省エネルギー化を図ることができる。
【0014】
さらに、クレセントチェーンやトップチェーンを用いる場合よりも、両側コーナー部の曲率半径を小さくすることができるため、コンパクトな搬送装置とすることができる。
【0015】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係る搬送装置の全体構成を示す平面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】図1のB−B線に沿う断面図である。
【図4】図1のチェーン3の斜視図
【図5】(a)は図1のチェーン3の側面図、(b)は(a)のC矢視図である。
【図6】(a)は図1のチェーン3におけるブロック単体の平面図、(b)は(a)の下面図である。
【図7】図6(a)のD−D線に沿う断面図である。
【図8】本実施形態の搬送装置に使用されるパレット5の例を示す斜視図である。
【図9】本実施形態の搬送装置に使用されるチェーン3の他の例を示すもので、(a)はそのチェーンの正面図、(b)は(a)の左側面図、(c)は(a)の平面図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る搬送装置の全体構成を示す平面図である。
【図11】図10のE−E線に沿う断面図である。
【図12】(a)は本実施形態の搬送装置で用いるパレット5の平面図、(b)は(a)のF矢視図である。
【図13】(a)は本実施形態の搬送装置で用いるパレット5の他の例を示す平面図、(b)は(a)のG矢視図である。
【図14】本発明の第3実施形態に係る搬送装置の全体構成を示す平面図である。
【図15】図14のH−H線に沿う断面図である。
【図16】(a)は本実施形態の搬送装置で用いるパレット5の平面図、(b)は(a)のI矢視図である
【図17】(a)は本実施形態の搬送装置で用いるパレット5の他の例を示す平面図、(b)は(a)のJ矢視図である。
【図18】本発明の第4実施形態に係る搬送装置の全体構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0018】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。図1は第1実施形態に係る搬送装置の全体構成を示す平面図、図2は図1のA−A線に沿う断面図、図3は図1のB−B線に沿う断面図である。なお、図2、図3は、天地方向が紙面上下方向になるように、時計回りに90度回転させている。
【0019】
図1〜図3に示すように、電動機1の図示しない回転軸が軸受け11によって回転自在に支持され、回転軸の端部にスプロケット2が結合され、スプロケット2が無端状のチェーン3(詳細後述)に噛み合わされ、スプロケット2を介して電動機1にてチェーン3が駆動されるようになっている。
【0020】
チェーン3は、軸受け41により回転自在に支持された従動プーリ4にて支持されるとともに、従動プーリ4によりテンションが与えられている。そして、スプロケット2と従動プーリ4に支持されたチェーン3は、陸上競技のトラックのように、平行な2つの直線部と2つのコーナー部とからなる楕円状の閉ループになっており、楕円状の軌道に沿って水平循環される。なお、図1の黒矢印は、チェーン3の駆動向きを示している。
【0021】
スプロケット2には、円柱のコーナーガイド21が一体に形成されている。また、従動プーリ4にも、円柱のコーナーガイド42が一体に形成されている。
【0022】
パレット5はチェーン3に載せられて搬送されるようになっている。そして、チェーン3の軌道における2つの直線部のうち、図1の紙面下方に位置する直線部が、ワークを載せたパレット5を搬送する往路搬送部であり、図1の紙面上方に位置する直線部が、空のパレット5を搬送する復路搬送部であり、図1の紙面左右側に位置するコーナー部がパレット移送部である。
【0023】
チェーン3の内側には、往路搬送部および復路搬送部のチェーン3の軌道と平行に延びる断面コ字状の内側直線ガイド6が配置されている。
【0024】
チェーン3の外側および下方には支持ガイド7が配置されている。この支持ガイド7は、チェーン3の下方に位置してチェーン3を摺動自在に支持するチェーン支持部71を備えている。また、支持ガイド7は、チェーン3の外側に位置するとともに、往路搬送部および復路搬送部のチェーン3の軌道と平行に延びる直線外側ガイド部72と、チェーン3の外側に位置するとともに、パレット移送部のチェーン3の軌道に沿って延びるコーナー外側ガイド部73とを備えている。
【0025】
次に、チェーン3について詳述する。図4はチェーン3の斜視図、図5(a)はチェーン3の側面図、図5(b)は図5(a)のC矢視図、図6(a)はチェーン3におけるブロック単体の平面図、図6(b)は図6(a)の下面図、図7は図6(a)のD−D線に沿う断面図である。
【0026】
図4、図5に示すように、チェーン3は、いわゆるプラブロックチェーンであり、樹脂製のブロック31と、隣接するブロック31を屈曲可能に連結する断面D字状の金属製の連結ピン32とを備えている。なお、図4、図5ではチェーン3の一部のみを示しているが、実際にはチェーン3は無端状に形成されている。
【0027】
図6、図7に示すように、ブロック31は、対向する2つの平板状の第1側板部311と、対向する2つの平板状の第2側板部312とを備えている。第1側板部311の内周面間寸法L1は、第2側板部312の外周面間寸法L2よりも僅かに大きく設定されていて、第2側板部312を隣接するブロック31の第1側板部311間に挿入可能になっている(図5参照)。
【0028】
2つの第1側板部311および2つの第2側板部312は、それらの一端側にて平板状の連結板部313にて連結されており、これにより、ブロック31は全体として断面コ字状になっている。また、2つの第2側板部312間には、略円筒状のローラー部314が設けられている。
【0029】
第1側板部311には、連結ピン32が圧入される断面D字状の第1貫通孔315が形成され、第2側板部312およびローラー部314には、連結ピン32が挿入される断面円形の第2貫通孔316が形成されている。
【0030】
なお、第1側板部311、第2側板部312、連結板部313、およびローラー部314は、樹脂にて一体成形されている。
【0031】
図4、図5に示すように、第2側板部312を隣接するブロック31の第1側板部311間に挿入して、第1貫通孔315(図7参照)と第2貫通孔316(図7参照)とが同軸になるようにした後、同軸になった第1貫通孔315と第2貫通孔316に連結ピン32を挿入することにより、隣接するブロック31が屈曲可能に連結されたチェーン3が形成されている。
【0032】
次に、上記構成になる搬送装置の作動について説明する。図1〜図3に示すように、ブロック31のローラー部314(図6、7参照)にスプロケット2の歯部が噛み合い、これにより、電動機1からチェーン3に駆動力が伝達されて、チェーン3はチェーン支持部71上を摺動しながら水平循環される。
【0033】
チェーン3は、2つの第1側板部311が天地方向に重なるようにして配置されており、パレット5は2つの第1側板部311の一方に載せられてチェーン3の軌道に沿って連続して周回する。
【0034】
この際、パレット5は、往路搬送部および復路搬送部では、搬送方向(チェーン3の軌道と一致)に対して直交する方向の移動範囲が内側直線ガイド6と直線外側ガイド部72により規制され、パレット移送部では、搬送方向に対して直交する方向の移動範囲がコーナーガイド21、42とコーナー外側ガイド部73により規制され、これにより、第1側板部311からのパレット5の脱落が防止される。
【0035】
そして、往路搬送部では、ワークを載せてパレット5が搬送される。また、空のパレット5は、往路搬送部に続くパレット移送部、復路搬送部、および復路搬送部に続くパレット移送部の順に搬送されて、往路搬送部に戻される。
【0036】
以上述べたように、本実施形態によると、チェーン3を水平循環させ、パレット5を第1側板部311に載せて搬送させる構成とすることにより、2つのコンベアと2つのパレット移送部の機能を、1つのコンベアで実現することができ、搬送装置の構成の簡素化を図ることができる。
【0037】
また、駆動用の電動機1を1つにすることができ、パレット移送部は、シリンダ等によるパレットの移送機構・構造が不要となり、それに伴うセンサ類及び電気制御も不要となり、低コスト化および省エネルギー化を図ることができる。
【0038】
さらに、プラブロックチェーンを用いているため、クレセントチェーンやトップチェーンを用いる場合よりも、両側コーナー部の曲率半径を小さくすることができ、コンパクトな搬送装置とすることができる。
【0039】
なお、図8は、本実施形態の搬送装置に使用されるパレット5の例を示すものである。具体的には、図8(a)のパレット5は、ワークを載せる面が正方形の六面体、図8(b)のパレット5は、ワークを載せる面が長方形の六面体、図8(c)のパレット5は、ワークを載せる面が円形の円柱である。
【0040】
図8(d)のパレット5は、図8(a)のパレット5よりもさらに大きなワークを搭載可能にするため、上部のみ拡大したパレットである。図8(e)のパレット5は、図8(b)のパレット5よりもさらに大きなワークを搭載可能にするため、上部のみ拡大したパレットである。図8(f)のパレット5は、図8(c)のパレット5よりもさらに大きなワークを搭載可能にするため、上部のみ拡大したパレットである。
【0041】
ここで、図8(a)、(b)、(d)、(e)のパレット5における搬送方向の長さが延びた場合、コーナー外側ガイド部73を図1の白抜き矢印向きに移動させる事により、パレット5の流動が可能となる。
【0042】
また、上記実施形態においては、チェーン3としてプラブロックチェーンを用いたが、図9に示すような、いわゆるスナップカバーチェーンを用いてもよい。なお、図9(a)はスナップカバーチェーンの正面図、図9(b)は図9(a)の左側面図、図9(c)は図9(a)の平面図である。
【0043】
図9に示すように、このチェーン3は、金属製のチェーン本体33と、チェーン本体33の一部を覆うようにしてチェーン本体33に装着された樹脂製のカバー34とを備えている。なお、図9ではチェーン3の一部のみを示しているが、実際にはチェーン3は無端状に形成されている。
【0044】
チェーン本体33は、内リンク331及び外リンク332が連結ピン333により屈曲可能に連結されている。また、ローラー334が連結ピン333に回転自在に装着されている。
【0045】
カバー34は、対向する2つの平板状の側板部341が、それらの一端側にて平板状の連結板部342にて連結されており、全体として断面コ字状になっている。側板部341には、連結ピン333の先端部が挿入される断面円形の貫通孔343が形成されている。
【0046】
そして、カバー34の側板部341が天地方向に重なるようにしてチェーン3を水平循環させ、パレット5を側板部341に載せて搬送させることにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0047】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。図10は第2実施形態に係る搬送装置の全体構成を示す平面図、図11は図10のE−E線に沿う断面図、図12(a)は本実施形態の搬送装置で用いるパレット5の平面図、図12(b)は図12(a)のF矢視図である。なお、図11は、天地方向が紙面上下方向になるように、時計回りに90度回転させている。
【0048】
本実施形態は、大型のパレット5の搬送に好適なものであり、以下、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0049】
図10、図11に示すように、支持ガイド7の外側にサイドプーリー受け8が配置されている。このサイドプーリー受け8は、支持ガイド7における直線外側ガイド部72の外側に位置するとともに、往路搬送部および復路搬送部のチェーン3の軌道と平行に延びる直線プーリー受け部81と、支持ガイド7におけるコーナー外側ガイド部73の外側に位置するとともに、パレット移送部のチェーン3の軌道に沿って延びるコーナープーリー受け部82とを備えている。
【0050】
図12に示すように、パレット5は、ワークが載せられる直方体のワーク搭載板51と、ワーク搭載板51の一端側下面に結合された1つのパレットブロック52と、ワーク搭載板51の他端側側面に回転自在に装着されたサイドプーリー53とを備えている。
【0051】
上記構成になる搬送装置は、図10、図11に示すように、パレットブロック52がチェーン3の第1側板部311に載り、サイドプーリー53がサイドプーリー受け8に載っている。
【0052】
そして、チェーン3の第1側板部311からパレットブロック52を介してパレット5に駆動力が伝達される。この場合、第1側板部311とパレットブロック52とはすべり摩擦であり、サイドプーリー53とサイドプーリー受け8とはころがり摩擦であり、すべり摩擦はころがり摩擦よりも抵抗が大きいため、片側駆動でもパレット5のスムースな搬送が可能である。
【0053】
また、パレットブロック52は、往路搬送部および復路搬送部では内側直線ガイド6と直線外側ガイド部72との間に嵌り、パレット移送部ではコーナーガイド21、42とコーナー外側ガイド部73との間に嵌り込み、パレットブロック52は搬送方向に対して直交する方向の移動範囲がそれらにより規制される。これにより、チェーン3の軌道に沿ってパレット5が搬送される。
【0054】
本実施形態によると、チェーン3を水平循環させてパレット5を搬送させるため、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0055】
なお、図13に示すような、円柱の2つのパレットブロック52を備えるパレット5を用いてもよい。
【0056】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。図14は第3実施形態に係る搬送装置の全体構成を示す平面図、図15は図14のH−H線に沿う断面図、図16(a)は本実施形態の搬送装置で用いるパレット5の平面図、図16(b)は図16(a)のI矢視図である。なお、図15は、天地方向が紙面上下方向になるように、時計回りに90度回転させている。
【0057】
本実施形態は、重いワークを載せるパレット5の搬送に好適なものであり、以下、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0058】
図16に示すように、パレット5は、ワークが載せられる直方体のワーク搭載板51と、ワーク搭載板51の下面中央に結合された1つのパレットブロック52と、ワーク搭載板51の一端側下面に回転自在に装着された1つの内側ボールローラー54と、ワーク搭載板51の他端側下面に回転自在に装着された2つの外側ボールローラー55とを備えている。
【0059】
図14、図15に示すように、往路搬送部には、パレットブロック52が嵌り込む断面コ字状の往路ブロックガイド100が配置されている。この往路ブロックガイド100は、往路搬送部のチェーン3の軌道と平行に延びており、パレットブロック52は搬送方向に対して直交する方向の移動範囲が往路ブロックガイド100により規制される。
【0060】
復路搬送部には、パレットブロック52が嵌り込む断面コ字状の復路ブロックガイド110が配置されている。この復路ブロックガイド110は、復路搬送部のチェーン3の軌道と平行に延びており、パレットブロック52は搬送方向に対して直交する方向の移動範囲が復路ブロックガイド110により規制される。
【0061】
往路ブロックガイド100の外側には、内側ボールローラー54および外側ボールローラー55を受ける断面コ字状の往路ボールローラー受け120が配置されている。この往路ボールローラー受け120は、往路搬送部のチェーン3の軌道と平行に延びている。
【0062】
復路ブロックガイド110の外側には、内側ボールローラー54および外側ボールローラー55を受ける断面コ字状の復路ボールローラー受け130が配置されている。この復路ボールローラー受け130は、復路搬送部のチェーン3の軌道と平行に延びている。
【0063】
パレット移送部には、チェーン3の内側に位置してパレット移送部のチェーン3の軌道に沿って延びる移送部内側ブロックガイド140、および、チェーン3の外側に位置してパレット移送部のチェーン3の軌道に沿って延びる移送部外側ブロックガイド150が設けられている。そして、移送部内側ブロックガイド140と移送部外側ブロックガイド150との間にパレットブロック52が嵌り込み、これによりパレットブロック52は搬送方向に対して直交する方向の移動範囲が規制される。
【0064】
スプロケット2には、内側ボールローラー54を受ける円柱の内側ボールローラー受け22が一体に形成されている。また、従動プーリ4にも、内側ボールローラー54を受ける円柱の内側ボールローラー受け42が一体に形成されている。
【0065】
移送部外側ブロックガイド150の外側には、外側ボールローラー55を受ける移送部外側ボールローラー受け160が配置されている。
【0066】
そして、パレットブロック52をチェーン3の第1側板部311に常に接触させるために、内側ボールローラー54および外側ボールローラー55のうちいずれか一方のみが、各ボールローラー受け22、42、120、130、160と接触するようになっている。
【0067】
上記構成になる搬送装置は、チェーン3の第1側板部311からパレットブロック52を介してパレット5に駆動力が伝達される。この場合、第1側板部311とパレットブロック52とはすべり摩擦であり、内側ボールローラー54および外側ボールローラー55と各ボールローラー受け22、42、120、130、160とはころがり摩擦であり、すべり摩擦はころがり摩擦よりも抵抗が大きいため、片側駆動でもパレット5のスムースな搬送が可能である。
【0068】
また、パレットブロック52は、往路搬送部では往路ブロックガイド100に嵌り、復路搬送部では復路ブロックガイド110に嵌り、パレット移送部では移送部内側ブロックガイド140と移送部外側ブロックガイド150との間に嵌り込み、パレットブロック52は搬送方向に対して直交する方向の移動範囲がそれらにより規制される。これにより、チェーン3の軌道に沿ってパレット5が搬送される。
【0069】
さらに、内側ボールローラー54および外側ボールローラー55が、各ボールローラー受け22、42、120、130、160にて受けられることにより、パレット5の転倒が防止される。
【0070】
本実施形態によると、チェーン3を水平循環させてパレット5を搬送させるため、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0071】
なお、図17に示すような、円柱の2つのパレットブロック52を備えるパレット5を用いてもよい。
【0072】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。図18は第4実施形態に係る搬送装置の全体構成を示す平面図である。
【0073】
本実施形態は、設備ラインが長い場合に好適なものであり、以下、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0074】
図18に示すように、コンベア170は複数個連結されている。また、隣接するコンベア170間には、ステー181にボールローラー182が回転自在に装着された補助搬送部180が配置されている。
【0075】
そして、一方のコンベア170にて搬送されてきたパレットは、補助搬送部180上を移動して他方のコンベア170に送られるようになっており、これにより、隣接するコンベア170間でのパレットの停滞が回避される。なお、ボールローラー182の数はパレット形状により選択する。
【符号の説明】
【0076】
3 チェーン
5 パレット
31 ブロック
32 連結ピン
311 側板部
313 連結板部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の軌道に沿ってチェーン(3)が循環駆動され、前記チェーン(3)にてパレット(5)が搬送される搬送装置において、
前記チェーン(3)は、対向する2つの側板部(311)を連結板部(313)で連結した断面コ字状のブロック(31)と、隣接する前記ブロック(31)を屈曲可能に連結する連結ピン(32)とを備え、
さらに、前記チェーン(3)が水平循環され、前記パレット(5)が前記側板部(311)に載せられて搬送されるように構成されていることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
所定の軌道に沿ってチェーン(3)が循環駆動され、前記チェーン(3)にてパレット(5)が搬送される搬送装置において、
前記チェーン(3)は、内リンク(331)及び外リンク(332)が連結ピン(333)により屈曲可能に連結されたチェーン本体(33)と、対向する2つの側板部(341)を連結板部(342)で連結して断面コ字状に形成され、前記チェーン本体(33)の側面を前記側板部(341)で覆うとともに前記チェーン本体(33)の外周部を前記連結板部(342)で覆うようにして前記チェーン本体(33)に装着されたカバー(34)とを備え、
さらに、前記チェーン(3)が水平循環され、前記パレット(5)が前記側板部(341)に載せられて搬送されるように構成されていることを特徴とする搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−251795(P2011−251795A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125631(P2010−125631)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】