説明

携帯型端末装置、プログラム及びセンタ側装置

【課題】鉄道系のICカードに対応する据え置き型の駅務機器が設置されていない駅であっても、鉄道系のICカードに対して、駅窓口に関するサービスを提供することを目的とする。
【解決手段】記録媒体2に対して情報の読み出し及び書き込みを行う読み書き手段と、公衆回線網3を介してセンタ側の装置4と通信を行う通信手段と、通信手段を介して受信したセンタ側の装置4からの情報に応じて、駅窓口処理に関する情報を出力する制御手段と、を有することによって課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型端末装置、プログラム及びセンタ側装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道系のICカードを利用した自動改札システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような鉄道系のICカードは、広く普及している。
【0003】
【特許文献1】特開平10−293867号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、費用等の面において困難なため、全ての駅に鉄道系のICカードに対応する自動改札システム等の駅務機器(据え置き型の駅務機器)が設置されている訳ではない。
そのため、例えば、ICカードのサービスエリア内の駅でICカードを用いて入場した乗客が、ICカードのサービスエリア外の駅に乗り越しした場合、乗客は、この駅の駅員に代用証等を発券してもらい、後日ICカードのサービスエリア内の駅の駅務機器で改めて精算処理等を行わなければならない問題があった。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、鉄道系の記憶媒体に対応する据え置き型の駅務機器が設置されていない駅であっても、鉄道系の記憶媒体に対して、駅窓口に関するサービスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明の携帯型端末装置は、記録媒体に対して無線通信を介して情報の読み出し及び書き込みを行う読み書き手段と、公衆回線網を介してセンタ側の装置と通信を行う通信手段と、前記通信手段を介して受信した前記センタ側の装置からの情報に応じて、駅窓口処理に関する情報を出力する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
係る構成とすることにより、鉄道系の記憶媒体に対応する据え置き型の駅務機器が設置されていない駅であっても、鉄道系の記憶媒体に対して、駅窓口に関するサービスを提供することができる。
【0008】
なお、携帯型端末装置とは、例えば、後述する携帯型駅係員端末装置等に対応する。また、センタ側の装置(センタ側装置)とは、例えば、後述するセンタサーバ、又はセンタサーバの窓口処理部を有する装置等に対応する。また、駅窓口処理に関する情報とは、例えば、後述する処理メニュー画面、引き去り確認画面、処理結果画面等に対応する。
また、駅窓口に関するサービスとは、例えば、ICカードの履歴参照処理(サービス)、乗り越し精算処理(サービス)、入出場処理(サービス)等である。
【0009】
また、本発明のセンタ側装置は、公衆回線網を介して携帯型端末装置と通信を行う通信手段と、前記通信手段及び前記携帯型端末装置の読み書き手段を介して、鉄道系の記録媒体から読み出した乗車情報に基づいて、駅窓口処理を実行する窓口処理手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
係る構成とすることにより、鉄道系の記憶媒体に対応する据え置き型の駅務機器が設置されていない駅であっても、鉄道系の記憶媒体に対して、駅窓口に関するサービスを提供することができる。
【0011】
なお、鉄道系の記録媒体とは、例えば、後述するICカード、又はICカードの機能を有する携帯電話装置等に対応する。
【0012】
また、本発明は、プログラムとしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、鉄道系の記憶媒体に対応する据え置き型の駅務機器が設置されていない駅であっても、鉄道系の記憶媒体に対して、駅窓口に関するサービスを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0015】
図1は、本実施形態に係る駅務システムの構成の一例を示す図である。図1に示されるように、各駅の駅係員が保持している携帯型駅係員端末装置1は、基地局5や、公衆回線網(例えば、携帯電話網等)3を介してセンタサーバ4と接続される。なお、図1に示される駅A〜CはICカードのサービスエリア外の駅であるとする。また、センタサーバ4は、公衆回線網3に直接接続されているのではなく、例えば、ゲートウェイ、インターネット等を介して公衆回線網3に接続されていてもよい。
【0016】
携帯型駅係員端末装置1は、例えば、公衆回線網3等を介したセンタサーバ4からの要求に応じて、後述するリーダ/ライタの機能を用いて、ICカード2(又はICカード2のICチップ)より情報を読み出して、公衆回線網3等を介してセンタサーバ4に送信したり、ICカード2(又はICカード2のICチップ)に情報を書き込んで、書き込んだ結果を、公衆回線網3等を介してセンタサーバ4に送信したりする。
【0017】
また、携帯型駅係員端末装置1は、例えば、駅係員の操作及び/又は公衆回線網3等を介してセンタサーバ4から送信された情報に基づいて、後述する図7〜図10に示されるような画面を表示する。また、携帯型駅係員端末装置1は、例えば、表示した画面を介して受け取った駅係員からの操作情報を、公衆回線網3等を介してセンタサーバ4に送信する。
【0018】
センタサーバ4は、例えば、公衆回線網3等を介して携帯型駅係員端末装置1より受け取った情報に応じて、公衆回線網3、携帯型駅係員端末装置1のリーダ/ライタ機能を用いて、ICカード2より情報を読み出したり、ICカード2に情報を書き込んだりする。また、センタサーバ4は、例えば、ICカード2より読み出した情報等に基づいて、駅窓口処理(例えば、履歴参照処理、乗り越し精算処理、入出場処理等)を実行し、駅窓口処理の処理結果を、公衆回線網3等を介して、該当する携帯型駅係員端末装置1に送信する。
【0019】
図2は、携帯型駅係員端末装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示されるように、携帯型駅係員端末装置1は、ハードウェア構成として、CPU10と、入力装置11と、表示装置12と、リーダ/ライタ13と、リーダ/ライタ13のアンテナ14と、記憶装置15と、通信装置16と、通信装置16のアンテナ17と、を含む。また、CPU10と、入力装置11と、表示装置12と、リーダ/ライタ13と、記憶装置15と、通信装置16とは、バス18を介して接続されている。
【0020】
記憶装置15は、ROM及びRAM等より構成されており、後述する図4に示すような機能に関係するプログラム(携帯用プログラム)の他、携帯型駅係員端末装置1の動作全体を制御するプログラムが格納されている。なお、携帯型駅係員端末装置1は、Webサーバ(又はセンタサーバ4)等より、携帯用プログラムをダウンロードし、記憶装置15に格納する。
【0021】
CPU10は、必要に応じて(又は入力装置11等を介した駅係員の操作に応じて)、ダウンロードした携帯用プログラムを実行することによって、後述するような携帯型駅係員端末装置1の機能、又は処理を実現する。
【0022】
入力装置11は、例えばボタン等で構成され、駅係員の操作情報を入力する。表示装置12は、上述したように、CPU10の制御に基づいて、後述する図7〜図10に示されるような画面を表示する。
【0023】
リーダ/ライタ13は、アンテナ14を介してICカード2又はIDカード(駅係員の身分証明書)に対して、情報(データ)の読み出し及び書き込みを行う。
【0024】
通信装置16は、アンテナ17を介して携帯型駅係員端末装置1を基地局5、公衆回線網3等に接続する。
【0025】
図3は、センタサーバ4のハードウェア構成の一例を示す図である。図3に示されるように、センタサーバ4は、ハードウェア構成として、CPU20と、入力装置21と、表示装置22と、記憶装置23と、通信装置24と、を含む。また、CPU20と、入力装置21と、表示装置22と、記憶装置23と、通信装置24とは、バス25を介して接続されている。
【0026】
記憶装置23は、ROM、RAM、HD等より構成されており、後述する図5に示すような機能に関係するプログラムの他、センタサーバ4の動作全体を制御するプログラムが格納されている。
【0027】
CPU20は、必要に応じて、プログラムを実行することによって、後述するようなセンタサーバ4の機能、又は処理を実現する。
【0028】
入力装置21は、例えばキーボードやマウス等で構成され、ユーザの操作情報を入力する。表示装置22は、画面等を表示する。なお、入力装置21や、表示装置22は、必ずしもサーバの構成として必須のものではない。
【0029】
通信装置24は、例えば、インターネット等を介してセンタサーバ4を公衆回線網3に接続する。なお、記憶装置23は、プログラムを格納する以外に、例えば、駅係員からのログイン認証に用いる、予め利用許可した駅係員の情報や、暗号化、復号化に用いる情報、駅窓口処理に用いる情報(例えば、区間毎の運賃情報等)を格納する。
【0030】
なお、本実施形態では、図1や、図3に示されるように、センタサーバ4を1つの装置として説明を行っているが、このことは本発明の実施を制限するものではない。例えば、後述する図5に示すセキュリティ制御部41、暗号化復号化部42、窓口処理部43を1つ1つ別の装置(サーバ)に実装してもよい。この場合、各装置のハードウェアの構成は、図3に示すハードウェア構成と同様となり、各装置のCPUが、各装置のプログラムを実行することによって、セキュリティ制御部41、又は暗号化復号化部42、又は窓口処理部43に対応する機能等を実現する。
【0031】
次に、CPU10、記憶装置15及び携帯用プログラム等から構成される、携帯型駅係員端末装置1の機能構成の一例を、図4に示す。図4は、携帯型駅係員端末装置1の機能構成の一例を示す図である。
【0032】
図4に示されるように、携帯型駅係員端末装置1は、機能構成として、通信制御部30と、リーダ/ライタ制御部31と、表示制御部32と、を含む。
【0033】
通信制御部30は、通信装置16を介してのセンタサーバ4との通信を制御する。
【0034】
リーダ/ライタ制御部31は、リーダ/ライタ13を介してのICカード2又はIDカードに対しての情報(データ)の読み出し及び書き込みを制御する。
【0035】
表示制御部32は、表示装置12を介して後述する図7〜図10に示されるような画面を表示したり、表示した画面等を介して入力された情報を受け取ったりする。
【0036】
次に、CPU20、記憶装置23及びプログラム等から構成される、センタサーバ4の機能構成の一例を、図5に示す。図5は、センタサーバ4の機能構成の一例を示す図である。
【0037】
図5に示されるように、センタサーバ4は、機能構成として、通信制御部40と、セキュリティ制御部41と、暗号化復号化部42と、窓口処理部43と、を含む。
【0038】
通信制御部40は、通信装置24を介しての携帯型駅係員端末装置1との通信を制御する。
【0039】
セキュリティ制御部41は、通信制御部40を介した、携帯型駅係員端末装置1との通信のセキュリティを制御する。また、セキュリティ制御部41は、暗号化復号化部42に対して、情報の暗号化、又は復号化を要求したり、窓口処理部43に対して情報を渡して窓口処理を要求したりする。また、セキュリティ制御部41は、窓口処理結果等に応じて、通信制御部40、携帯型駅係員端末装置1のリーダ/ライタ機能を介して、ICカード2に情報を書き込んだり、通信制御部40、携帯型駅係員端末装置1のリーダ/ライタ機能を介して、ICカード2より情報を読み込んだりする。また、セキュリティ制御部41は、通信制御部40を介して、携帯型駅係員端末装置1に対して、画面の表示に関する情報を送信したり、携帯型駅係員端末装置1より、前記画面を介して入力された(又は前記画面において選択された)情報を受信したりする。
【0040】
暗号化復号化部42は、セキュリティ制御部41からの要求に応じて、情報の暗号化、又は復号化を行い、暗号化の結果、又は復号化の結果等をセキュリティ制御部41に返す。窓口処理部43は、セキュリティ制御部41より受け取った乗車情報(ICカードに格納されている乗車(及び/又は下車)駅情報や、SF(ストアード・フェア)の残額情報、定期券情報等)に基づき、後述する駅窓口処理を識別する処理識別情報に応じた駅窓口処理を実行する。
【0041】
図6は、本実施形態に係る駅務システムの処理の一例を示す図である。なお、上述したように、携帯型駅係員端末装置1は、携帯用プログラム(携帯用アプリケーション)を既にダウンロードし、動作を開始させているものとする。
【0042】
ステップS1において、駅係員が保有するIDカード(身分証明書)をかざされた携帯型駅係員端末装置1のリーダ/ライタ制御部31は、IDカードのICチップ内より、暗号化された駅係員ID情報を読み取る。そして、携帯型駅係員端末装置1の通信制御部30は、リーダ/ライタ制御部31で読み取った、暗号化された駅係員ID情報を含む、駅係員ID情報の復号化要求を、公衆回線網3等を介して、センタサーバ4に送信する。
【0043】
ステップS2において、センタサーバ4のセキュリティ制御部41は、公衆回線網3、通信制御部40等を介して、携帯型駅係員端末装置1より、暗号化された駅係員ID情報を含む、駅係員ID情報の復号化要求を受け取る。すると、セキュリティ制御部41は、暗号化復号化部42に、暗号化された駅係員ID情報を渡して、復号化を要求する。暗号化復号化部42は、暗号化された駅係員ID情報の復号化に成功すると、復号化した駅係員ID情報や、復号化に成功した旨の情報を含む、復号化結果をセキュリティ制御部41に返す。
【0044】
ステップS3において、センタサーバ4のセキュリティ制御部41は、復号化結果に基づき、復号化に成功したと判定すると、通信制御部40、公衆回線網3等を介して、復号化要求元の携帯型駅係員端末装置1に、パスワード入力画面の表示要求を送信する。ここで、セキュリティ制御部41は、前記携帯型駅係員端末装置1からのパスワードの受信待ち状態となる。
【0045】
ステップS4において、携帯型駅係員端末装置1の表示制御部32は、公衆回線網3、通信制御部30等を介して、センタサーバ4よりパスワード入力画面の表示要求を受け取ると、図7に示すような画面を表示装置12に表示するよう制御する。図7は、パスワード入力画面の一例を示す図である。
【0046】
駅係員が図7に示されるようなパスワード入力画面(及び入力装置11)等を用いて、パスワードを入力すると、ステップS5において、表示制御部32は、入力されたパスワードを、通信制御部30、公衆回線網3等を介して、センタサーバ4に送信する。
【0047】
ステップS6において、受信待ち状態であったセンタサーバ4のセキュリティ制御部41は、公衆回線網3、通信制御部40を介して、該当する携帯型駅係員端末装置1よりパスワードを受け取ると、このパスワードと、前記復号化した駅係員ID情報と、に基づいてログイン認証処理を行い、予め利用許可された駅係員からのアクセスであるか否かを判定する。
【0048】
予め利用許可された駅係員からのアクセスであると判定すると、ステップS7において、センタサーバ4のセキュリティ制御部41は、通信制御部40、公衆回線網3等を介して、該当する携帯型駅係員端末装置1に、駅窓口処理に関する処理メニュー画面の表示要求を送信する。ここで、セキュリティ制御部41は、処理メニュー画面の表示要求を送信した携帯型駅係員端末装置1からの駅窓口処理を識別する処理識別情報の受信待ち状態となる。
【0049】
ステップS8において、携帯型駅係員端末装置1の表示制御部32は、公衆回線網3、通信制御部30等を介して、センタサーバ4より処理メニュー画面の表示要求を受け取ると、図8に示すような画面を表示装置12に表示するよう制御する。図8は、処理メニュー画面の一例を示す図である。なお、画面に関するデータは、携帯用プログラム(携帯用アプリケーション)に含まれ、携帯型駅係員端末装置1の表示制御部32が、センタサーバ4からの要求に応じて、前記画面に関するデータを用いて画面を作成し、表示するようにしてもよい。また、画面に関するデータは、画面の表示要求と共にセンタサーバ4から送信され、携帯型駅係員端末装置1の表示制御部32が、前記要求に応じて、前記画面に関するデータを用いて画面を作成し、表示するようにしてもよい。
【0050】
携帯型駅係員端末装置1が図8に示されるような画面を表示することによって、駅係員は、例えばICカード2を利用している乗客の要求に応じて、駅窓口処理を選択することができる。
【0051】
駅係員が図8に示されるような処理メニュー画面(及び入力装置11)等を用いて、処理メニューの中から駅窓口処理を一つ選択すると、ステップS9において、表示制御部32は、通信制御部30、公衆回線網3等を介して、選択された駅窓口処理を識別する処理識別情報を、センタサーバ4に送信する。なお、表示制御部32は、図8に示されるような処理メニュー画面において、駅係員に駅窓口処理が選択されると、処理対象のICカードを携帯型駅係員端末装置1にかざす旨の、駅係員に対する指示を表示装置12に表示するようにしてもよい。
【0052】
ステップS10において、受信待ち状態であったセンタサーバ4のセキュリティ制御部41は、公衆回線網3、通信制御部40を介して、該当する携帯型駅係員端末装置1から処理識別情報を受け取ると、処理識別情報に対応する駅窓口処理を実行する。なお、以下では説明の簡略化のため、駅係員によって「乗り越し精算処理」が選択されたものとして説明を行う。
【0053】
「乗り越し精算処理」が選択されたと判定すると、ステップS10において、セキュリティ制御部41は、携帯型駅係員端末装置1のリーダ/ライタ機能(例えばリーダ/ライタ制御部31及びリーダ/ライタ13等)を用いて、携帯型駅係員端末装置1にかざされたICカード2より暗号化された乗車情報を読み取り、取得する。
【0054】
ステップS11において、センタサーバ4のセキュリティ制御部41は、取得した暗号化された乗車情報を暗号化復号化部42に渡して、復号化を要求する。暗号化復号化部42は、暗号化された乗車情報の復号化に成功すると、復号化した乗車情報や、復号化に成功した旨の情報を含む、復号化結果をセキュリティ制御部41に返す。
【0055】
ステップS12において、セキュリティ制御部41は、復号化された乗車情報を含む、復号化に成功した旨の復号化結果を暗号化復号化部42より受け取ると、復号化された乗車情報を窓口処理部43に渡して、乗り越し精算処理を要求する。窓口処理部43は、復号化された乗車情報等に基づき、乗り越しの精算金額等を算出し、算出した精算金額をセキュリティ制御部41に返す。ここで、窓口処理部43は、乗車情報に含まれるSFの残額情報から、算出した乗り越しの精算金額を引き去る処理の待ち状態となる。
【0056】
ステップS13において、センタサーバ4のセキュリティ制御部41は、通信制御部40、公衆回線網3等を介して、該当する携帯型駅係員端末装置1に、算出された精算金額を含む引き去り確認画面の表示要求を送信する。ここで、セキュリティ制御部41は、該当する携帯型駅係員端末装置1からの精算金額を引き去ってよいか否かの識別情報の受信待ち状態となる。
【0057】
ステップS14において、携帯型駅係員端末装置1の表示制御部32は、公衆回線網3、通信制御部30等を介して、センタサーバ4より引き去り確認画面の表示要求を受け取ると、図9に示すような画面を表示装置12に表示するよう制御する。図9は、引き去り確認画面の一例を示す図である。
【0058】
携帯型駅係員端末装置1が図9に示されるような画面を表示することによって、駅係員(又はICカード2を利用している乗客)は、乗り越し精算処理として、ICカード2内のSF残額から幾ら引き去られるのか確認することができる。
【0059】
駅係員が図9に示されるような引き去り確認画面(及び入力装置11)等を用いて、OKボタンを選択すると、ステップ15において、表示制御部32は、通信制御部30、公衆回線網3等を介して、OKが選択されたこと(つまり、精算金額を引き去ってよいこと)を識別する識別情報を、センタサーバ4に送信する。
【0060】
ステップS16において、受信待ち状態であったセンタサーバ4のセキュリティ制御部41は、公衆回線網3、通信制御部40を介して、該当する携帯型駅係員端末装置1から精算金額を引き去ってよいことを示す識別情報を受け取ると、窓口処理部43に対して、SFの残額情報から、算出した乗り越しの精算金額を引き去る処理を実行してもよい旨の情報を渡す。引き去る処理の待ち状態であった窓口処理部43は、前記情報を受け取ると、SFの残額情報から、算出した乗り越しの精算金額を引き去る処理の実行し、SFの残額情報を更新して、更新したSFの残額情報を含む乗車情報をセキュリティ制御部41に返す。
【0061】
ステップS17において、セキュリティ制御部41は、更新されたSFの残額情報等を含む乗車情報を暗号化復号化部42より受け取ると、この乗車情報を暗号化復号化部42に渡して、暗号化を要求する。暗号化復号化部42は、乗車情報の暗号化に成功すると、暗号化した乗車情報を含む、暗号化に成功した旨の暗号化結果をセキュリティ制御部41に返す。
【0062】
暗号化に成功したと判定すると、ステップS18において、セキュリティ制御部41は、携帯型駅係員端末装置1のリーダ/ライタ機能(例えばリーダ/ライタ制御部31及びリーダ/ライタ13等)を用いて、携帯型駅係員端末装置1にかざされたICカード2に暗号化された乗車情報を書き込み、例えば書き込み結果等を取得する。
【0063】
ICカード2に対する書き込みに成功したと判定すると、ステップS19において、セキュリティ制御部41は、通信制御部40、公衆回線網3等を介して、該当する携帯型駅係員端末装置1に、駅窓口処理(本実施形態では、乗り越し精算処理)の処理結果画面の表示要求を送信する。
【0064】
ステップS20において、携帯型駅係員端末装置1の表示制御部32は、公衆回線網3、通信制御部30等を介して、センタサーバ4より乗り越し精算処理の処理結果画面の表示要求を受け取ると、図10に示すような画面を表示装置12に表示するよう制御する。図10は、処理結果画面の一例を示す図である。
【0065】
携帯型駅係員端末装置1が図10に示されるような画面を表示することによって、駅係員(又はICカード2を利用している乗客)は、乗り越し精算処理として、ICカードから幾ら引かれたか、また、引かれた結果、SF残額は幾らになったかを確認することができる。
【0066】
また、ステップS21において、センタサーバ4は、乗り越し精算処理の結果等を後方系のシステムへ送信し、収入等の計上処理を依頼する。
【0067】
以上、上述したように本実施形態によれば、乗降客の少ない地方駅等に対しても、ICカードのサービスエリアを容易に拡大することができる。また、上述したように本実施形態によれば、携帯型駅係員端末装置1は、記憶装置15等に、ICカード2より読み取った情報等を記憶し、保持せずとも駅窓口処理を実行可能としているため、セキュリティ上の問題もない。
【0068】
また、上述したように本実施形態によれば、駅窓口処理を実行しているのはセンタサーバ4であるため、例えば鉄道に関する料金改定等があってもセンタサーバ4側のプログラム等をバージョンアップ(又は変更)するだけで対応することができる。
【0069】
また、上述したように本実施形態によれば、据え置き型の駅務機器を使用せずとも、センタサーバ4からの要求に応じて、携帯型駅係員端末装置1のリーダ/ライタ機能を用いて、ICカード2に対してバリュー(例えば、電子チケット、又はデジタル乗車券等)を発券することもできる。
【0070】
上述したように本実施形態によれば、鉄道系のICカードに対応する据え置き型の駅務機器が設置されていない駅であっても、鉄道系のICカードに対して、駅窓口に関するサービスを提供することができる。
【0071】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0072】
なお、上述した携帯型駅係員端末装置1は、リード/ライト機能を有しており、携帯用プログラムをダウンロードして動作させることが可能であれば、携帯電話装置や、PDA(Personal Digital Assistants)等のような携帯情報端末装置等であってもよい。
【0073】
また、上述した実施形態では、ICカード2を用いて説明を行ったが、このことは上述した実施形態を制限するものではなく、例えば、ICカードの機能を有する携帯電話装置等であってもよい。また、上述した実施形態では、駅A〜CはICカードのサービスエリア外の駅であるとして説明を行ったが、このことは上述した実施形態を制限するものではなく、駅A〜CはICカードのサービスエリア内の駅であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本実施形態に係る駅務システムの構成の一例を示す図である。
【図2】携帯型駅係員端末装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】センタサーバ4のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図4】携帯型駅係員端末装置1の機能構成の一例を示す図である。
【図5】センタサーバ4の機能構成の一例を示す図である。
【図6】本実施形態に係る駅務システムの処理の一例を示す図である。
【図7】パスワード入力画面の一例を示す図である。
【図8】処理メニュー画面の一例を示す図である。
【図9】引き去り確認画面の一例を示す図である。
【図10】処理結果画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0075】
1 携帯型駅係員端末装置
2 ICカード
3 公衆回線網
4 センタサーバ
5 基地局
10 CPU
11 入力装置
12 表示装置
13 リーダ/ライタ
14 アンテナ
15 記憶装置
16 通信装置
17 アンテナ
18 バス
20 CPU
21 入力装置
22 表示装置
23 記憶装置
24 通信装置
25 バス
30 通信制御部
31 リーダ/ライタ制御部
32 表示制御部
40 通信制御部
41 セキュリティ制御部
42 暗号化復号化部
43 窓口処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に対して無線通信を介して情報の読み出し及び書き込みを行う読み書き手段と、
公衆回線網を介してセンタ側の装置と通信を行う通信手段と、
前記通信手段を介して受信した前記センタ側の装置からの情報に応じて、駅窓口処理に関する情報を出力する制御手段と、
を有することを特徴とする携帯型端末装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記センタ側の装置からの情報に応じて、駅窓口処理に関する処理メニュー画面を表示することを特徴とする請求項1に記載の携帯型端末装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記処理メニュー画面を介して選択された駅窓口処理を識別する処理識別情報を、前記通信手段を介して前記センタ側の装置に送信することを特徴とする請求項2に記載の携帯型端末装置。
【請求項4】
前記読み書き手段は、前記通信手段を介して前記センタ側の装置より鉄道系の記録媒体に対する情報の読み出し、又は書き込みの要求を受け取ると、前記要求に応じて、前記記録媒体に対して情報の読み出し、又は書き込みを行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の携帯型端末装置。
【請求項5】
携帯型端末装置のコンピュータを、
記録媒体に対して無線通信を介して情報の読み出し及び書き込みを行う読み書き手段と、
公衆回線網を介してセンタ側の装置と通信を行う通信手段と、
前記通信手段を介して受信した前記センタ側の装置からの情報に応じて、駅窓口処理に関する情報を出力する制御手段と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項6】
公衆回線網を介して携帯型端末装置と通信を行う通信手段と、
前記通信手段及び前記携帯型端末装置の読み書き手段を介して、鉄道系の記録媒体から読み出した乗車情報に基づいて、駅窓口処理を実行する窓口処理手段と、
を有することを特徴とするセンタ側装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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