説明

携帯式排泄袋

袋本体(10)を含む携帯式排泄袋である。袋本体(10)は、上方に袋口(12)を有する。2つの保持部(14)のそれぞれが袋本体(12)の両側に設けられ、これにより使用者は二本の指のそれぞれを袋口(12)の両側に固定することで、袋口(12)の位置や大きさを調節することができる。二本の指をより効果的に袋口(12)の両側に固定するように、指と密着する各保持部(14)の一面に粘着剤が塗布されている。袋本体(10)を密封するように、袋本体(10)の上方における袋口(12)寄りの位置にチャック(16)を設置してもよい。袋本体(10)の底部に開口(18)が設けられており、これにより袋本体(10)の内容物を排出できる。開口(18)には、内容物の排出をコントロールするバルブ(20)を設けてもよい。開口(18)には、内容物を外へ導くように、開口(18)と連結する排泄管(22)を設けてもよい。トイレが見つからない場所では、使用者は立ったままこの携帯式排泄袋を使用することができると共に、排泄袋を密封して持ち帰ることができる。この携帯式排泄袋は、病院において患者の糞尿の収集にも使用し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯式排泄袋に関し、より詳しくは排泄物を収集でき、かつ尿を導出することができる携帯式排泄袋に関する。
【背景技術】
【0002】
屋外にトイレがない場合、どのようにして排泄問題を解決したらよいのかは、外出者にとって最も困惑する問題である。また、女性は汚れ過ぎた公衆トイレの便器を見て座ることを躊躇し、つい我慢してしまう。しかしながら、長時間の我慢は身体に疾患をもたらし、特に腎臓に大きな負担をかけてしまう。
【0003】
また、一般的な健康診断の尿検査の多くにおいて、尿液の採取に紙コップや使い捨ての紙袋が提供され、尿液は、その後、紙コップや使い捨ての紙袋から試験管に移される。しがしながら、紙コップ及び紙袋は相当扱い難く、うっかりすると紙コップや紙袋を持つ手に尿液がついてしまい、運ぶ過程でも異臭やこぼれることで気まずい思いをすることがしばしばある。また、試験管の口が小さすぎて尿液を紙コップや紙袋の中から試験管に入れることも容易ではない。
【0004】
従って、本発明は、上記問題を効果的に解決する携帯式排泄袋を提供する。具体的な構造及びその実施形態について、以下において詳細に述べる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主要な目的は、袋本体の袋口に指を固定できる保持部が設けられ、指で袋口の開閉具合又は位置を操作して人体に密着させることで、より確実に排泄孔に合わせて排泄物を受け取ることができる携帯式排泄袋を提供することにある。
【0006】
本発明のもう1つの目的は、チャックにより袋本体を密封し、屋外にトイレがない場合でも排泄問題を解決できると共に排泄物を持ち帰ることができる携帯式排泄袋を提供することにある。
【0007】
本発明の更なる1つの目的は、チャックによって袋本体を密封し、該袋本体にバルブが連結された開口が更に設けられた、尿検査用袋としての用途を有する携帯式排泄袋を提供することにある。
【0008】
本発明のまた更なる1つの目的は、袋本体に設けられた開口又は底部の開口に連結した排泄管により内容物の排出方向をコントロールすることで、女性が立ったままで排尿の問題を解決し、衣服の汚れを防止することができる携帯式排泄袋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は携帯式排泄袋を提供し、該携帯式排泄袋は袋本体を含む。袋本体上方の袋口の両側のそれぞれに保持部が設けられており、二本の指をより効果的に袋口の両側に固定するように、指と密着する保持部の一面に粘着剤が塗布されている。使用者は、二本の指のそれぞれを保持部によって袋口の両側に固定し、尿道口や肛門と密着して排泄物を受け取るように、指の触覚と器用さで袋口の位置や開口の大きさを調節する。また、袋口寄りの位置に袋本体を密封できるチャックが設けられており、屋外にトイレがない場合の排泄問題を解決できる。袋本体内の内容物を排出するように、袋本体に開口が設けられており、該開口には、内容物の排出をコントロールするバルブが設けられおり、特に検尿に好適に用いられる。または、内容物の排出方向をコントロールするように、排泄管が設けられている。
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は携帯式排泄袋を提供し、該携帯式排泄袋は、前方が高くて後方が低い袋口を上方に有する袋本体を含む。袋本体の袋口には、前方の両側のそれぞれに保持部が設けられており、かつ保持部と袋口の後方とが成す夾角は鈍角である。使用者は、二本の指のそれぞれを保持部によって袋口の両側に固定し、人体の排泄孔を覆うように、指の触覚と器用さで袋口の位置と開口の大きさを調節する。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、上記の技術的特徴により、本発明がより容易に操作、使用できると共に、肌に更に密着して尿道口や肛門と密着でき、外に漏らすことなく排泄物を確実に受け取ることができる。使用者によるあらゆる場所での使用に好適であり、車の中又は女性が立ったままでも安心して生理上の問題を解決できるといった有益な技術的効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1A及び図1Bは、本発明による携帯式排泄袋の実施例1を示す斜視図である。図1Cは、本発明による携帯式排泄袋の実施例2を示す模式図である。
【図2】図2A〜図2Eは、本発明による携帯式排泄袋の実施例3における保持部の幾つかの実施形態を示す模式図である。
【図3】図3A〜図3Dは、本発明による携帯式排泄袋の実施例4を示す模式図である。
【図4】本発明による携帯式排泄袋の実施例5を示す模式図である。
【図5】図5A及び図5Bは、図4に排泄管を更に装着した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の目的、技術的内容、特徴及び達成した効果をより理解し易いよう、以下において具体的な実施例で詳しく説明する。
【実施例1】
【0014】
本実施例は、携帯式排泄袋を提供する。図1A及び図1Bに示すように、この携帯式排泄袋は、袋本体10を含む。収納及び携帯しやすいように、袋本体10は、プラスチックや紙等の軟性材質で作られることができる。袋本体10は、上方に袋口12を有している。袋口12の両側のそれぞれに保持部14が設けられており、指を保持部14に固定できる(図1Bに示す)。また、二本の指をより効果的に袋口12の両側に固定するように、指と密着する保持部14の一面に粘着剤13が塗布されている。これにより、指により袋口12の位置又は開口の大きさを調節することができ、指の触覚を通じて、より正確に尿道口や肛門に合わせることで排泄物を受け取ることができ、指と人体との密着性により、排泄物が外に漏れにくくなる。袋本体10に肌触りの良い特性の軟性材質を用いれば、使用者により快適さを感じさせることができる。
【実施例2】
【0015】
上記袋口12は、図1A及び図1Bに示すような構造のほかに、図1Cに示すように、前方が高く後方が低い構造に設計されてもよい。袋口12の前方を指の方向に向けて、袋口12の後方を臀部に向けて使用する。袋口12の前方の両側に位置する保持部14と袋口12の後方とが成す夾角11は鈍角であり、特に女性の使用に好適である。
【実施例3】
【0016】
図2Aから図2Eを参照する。袋本体10を密封できるように、袋本体10の袋口12寄りの部位にチャック16が設けられており、屋外にトイレがない場合、排泄問題の解決が可能となる。また、保持部14は図1A、図1B及び図1Cのような形態のほかに、図2Aから図2Eに示すような形態であってもよい。その中の図2A、図2B及び図2Dでの保持部14は、軟性材質であってもよい。図2C及び図2Eでの保持部14は、比較的硬度のあるm型構造であり、袋本体10を直ちに指に引っ掛けることができ、様々な太さの指に適用可能である。または、袋本体10を指に粘着できるように、袋口12の外側に粘着剤13を付着させる。保持部14は、指を粘着できる材料で作られるか、又は保持部14は、使用者の指を挿入する2つの指キャップである。図2A及び図2Bに示すような保持部14は、軟性薄膜材質の袋本体10から延びて下方へ曲がるm型構造である。その中の図2Aに示すように、より安定させるために、保持部14の端部の少なくとも一箇所を袋本体10に固定してもよい。また、図2Bに示すように、指をより効果的に袋口12の両側に固定させ、かつ指の太さに関らず適用可能にするように、指と密着する保持部14の一面に粘着剤13を塗布し、保持部14を二本の指に覆わせて二本の指に粘着させてもよい。更に、排泄物が外に漏れて体や衣服を汚すことがないように、人体の排泄部と密着する保持部14の一面に吸水層15を粘着してもよい。この保持部14の実施形態は、図2Aから図2Eに示すものに限定されず、袋本体10を保持できる形態であれば、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
【実施例4】
【0017】
図3Aから図3Dを参照する。内容物を外へ排出するように、袋本体10に開口18が設けられている。袋本体10内の内容物を外へ排出するか否かをコントロールするように、開口18にバルブ20が取り付けられている。その中の図3Cでのバルブ20は、開口18に設けられたチャックであり、これにより使用者は、本発明による携帯式排泄袋を使用した後に、バルブ20をコントロールすることにより内容物を開口18から外へ排出できる。本発明を検尿に適用すれば、尿液の受け取りが便利になるだけでなく、尿液を試験管に入れることも容易にできる。このバルブ20の実施形態は、図3Aから図3Dに示すものに限定されず、袋本体10の内容物の排出をコントロールできるバルブ装置であれば、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
【実施例5】
【0018】
図4は、本発明のもう1つの実施形態である。女性は、公衆トイレを利用する際、便器が汚れ過ぎているために我慢してしまうことがしばしばある。このため、本発明における袋本体10は、底部の一角が比較的突出した四辺形又は多辺形に設計され、かつ突出した該角に開口18が設けられている。使用者は立ったままで直接袋本体10の中へ排泄することができ、尿液は開口18を通して便器中に注がれる。また、突出した一角の設計によって、排尿出口は前方へ延伸し、尿液は身体から比較的遠く離れる。また、開口18の方向をコントロールするために、袋本体10の開口18の周辺に、もう一方の手で持つための突出した薄片21を設けてもよい。更に、図5Aに示すように、底部の一角に位置する開口18に排泄管22を連結してもよい。排泄管22を経由して袋本体10の中の尿液をより確実に便器に注ぐことができ、図5Bに示すように汚れた便器に座らずに済むだけでなく、尿液は身体から遠く離れた排泄管22の排出口から排出されるため、尿液が衣服の上に垂れることを防止できる。
【0019】
本発明は、尿液だけではなく、糞便をも収集できる。指を保持部の中に固定するだけで、人体の排泄孔を覆うようにして自由に携帯式排泄袋の位置や開口の大きさを容易に調節できる。そして、使用者は、袋本体を密封したり、排泄物を持ち帰って捨てたりすることができ、又は試験管の中に移したり、携帯式排泄袋から直接便器へ排尿したりすることもできる。
【0020】
上述したように、本発明による携帯式排泄袋において、指を保持部に固定することで袋口の位置や開口の大きさを容易に調節でき、さらに本発明を肌に更に密着させかつ尿道口や肛門に密着させることで、外に漏らすことなく確実に排泄物を受け取ることができる。使用者によるあらゆる場所での使用に好適であり、車の中又は立ったままでも安心して生理上の問題を解決することができる。
【0021】
上記での本発明に関する記述は説明であり、限定するものではない。特許請求の範囲における記載の趣旨及び範囲内において、それに対して多くの修正、変化、又は同等の代替を行い得ることは当業者によって理解され、これらのすべでは本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0022】
10 袋本体
11 夾角
12 袋口
13 粘着剤
14 保持部
15 吸水層
16 チャック
18 開口
20 バルブ
21 薄片
22 排泄管
【図1A】

【図1B】

【図1C】

【図2A】

【図2B】

【図2C】

【図2D】

【図2E】

【図3A】

【図3B】

【図3C】

【図3D】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に袋口を有する袋本体と、
前記袋口の両側のそれぞれに位置する2つの保持部と、
を含み、使用者は、前記保持部によって二本の指のそれぞれを前記袋口の両側に固定し、人体の排泄孔を覆うように前記袋口の位置及び開口の大きさを調節し、指と密着する前記保持部の一面には粘着剤が塗布されることを特徴とする、携帯式排泄袋。
【請求項2】
前記袋口の下方には、前記袋本体を密封するチャックが更に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の携帯式排泄袋。
【請求項3】
前記袋本体には、前記袋本体内の内容物を外へ排出するか否かをコントロールするバルブが設けられていることを特徴とする、請求項2に記載の携帯式排泄袋。
【請求項4】
前記袋本体には、前記袋本体内の内容物を外へ排出する開口が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の携帯式排泄袋。
【請求項5】
前記開口には、前記袋本体内の内容物を外へ排出するか否かをコントロールするチャックが設けられていることを特徴とする、請求項4に記載の携帯式排泄物袋。
【請求項6】
前記開口は、前記袋本体の底部の一角に設けられていることを特徴とする、請求項4に記載の携帯式排泄袋。
【請求項7】
前記開口には、前記袋本体内の内容物を導く排泄管が更に連結されていることを特徴とする、請求項4に記載の携帯式排泄袋。
【請求項8】
前記袋本体はプラスチック又は紙で作られていることを特徴とする、請求項1に記載の携帯式排泄袋。
【請求項9】
前記保持部は、前記袋本体を指に直接引っ掛けることができるm型構造であることを特徴とする、請求項1に記載の携帯式排泄袋。
【請求項10】
前記保持部は、前記袋本体から延在して形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の携帯式排泄袋。
【請求項11】
前記m型構造の端部の少なくとも一箇所が前記袋本体上に固定されていることを特徴とする、請求項9に記載の携帯式排泄袋。
【請求項12】
人体の排泄部に密着する前記保持部の一面に吸水層が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の携帯式排泄袋。
【請求項13】
前記袋本体は、底部の一角が相対的に突出した四辺形又は多辺形であり、突出した前記角に開口が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の携帯式排泄袋。
【請求項14】
前記袋本体は、前記開口の周辺に突出した薄片が設けられていることを特徴とする、請求項4に記載の携帯式排泄袋。
【請求項15】
前記袋口は、前方が高くて後方が低く、前記保持部は、前記袋口の前方の両側に位置すると共に、前記袋口の後方と鈍角である夾角を成すことを特徴とする、請求項1に記載の携帯式排泄袋。
【請求項16】
前方が高くて後方が低い袋口を上方に有する袋本体と、
前記袋口の前方の両側のそれぞれに位置する2つの保持部と、
を含み、前記保持部と前記袋口の後方とは、鈍角である夾角を成し、使用者は、前記保持部によって二本の指のそれぞれを前記袋口の両側に固定し、人体の排泄孔を覆うように前記袋口の位置と開口の大きさを調節する、携帯式排泄袋。
【請求項17】
前記袋口の下方には、前記袋本体を密封可能なチャックが更に含まれることを特徴とする、請求項16に記載の携帯式排泄袋。
【請求項18】
前記袋本体は、底部の一角が相対的に突出した四辺形又は多辺形であり、突出した前記角には、前記袋本体の内容物を外へ排出する開口が設けられていることを特徴とする、請求項16に記載の携帯式排泄袋。
【請求項19】
前記保持部は、指を粘着可能な材料で作られていることを特徴とする、請求項16に記載の携帯式排泄袋。
【請求項20】
前記保持部は、使用者の指を挿入する指キャップであることを特徴とする、請求項16に記載の携帯式排泄袋。

【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【公表番号】特表2013−509897(P2013−509897A)
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535586(P2012−535586)
【出願日】平成22年9月25日(2010.9.25)
【国際出願番号】PCT/CN2010/001475
【国際公開番号】WO2011/054170
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(512092232)
【Fターム(参考)】